JP6452417B2 - 携帯用誘導加熱溶着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気誘導加熱を利用して、溶着対象物を加熱して溶着する携帯用加熱溶着装置に関する。
例えば、建築工事又は土木工事の防水作業、例えば陸屋根等の防水工事において、加熱接着性を有する樹脂を被覆した導体片をコンクリートなどの躯体表面にアンカーボルトで固定した上で、躯体上に防水シートを張り、導体片を誘導加熱することでそのシートを躯体上に接着固定する施工法が知られており、このような施工法に、加熱装置が利用されている。
特許文献1による建築用防水シート施工用誘導加熱装置は、商用電源に接続されて移動可能な装置本体と、その装置本体からケーブルで接続された加熱ホルダとからなり、上記装置本体には定電圧装置が備えられ、加熱ホルダには、ケーブルを介して給電される誘導コイルが備えられている。防水シート施工の際には、防水施工面における多数の所要位置の上面に熱溶着材層を有する導体片を固定し、防水施工面全面に亘ってこの施工面を被う防水シートを張り、その防水シート上からこの誘導加熱装置を用いて導体片を誘導加熱し、これにより溶けた熱溶着材層でもって防水シートが導体片に溶着固定される。
各導体片の熱溶着材層を溶かす誘導加熱が終了する毎に、加熱ホルダを横に移動させて、例えば、水を含ませた布やクッションなどをその溶着領域に押し当てながら冷却を行う。この冷却によって、接着部の熱が奪われ、接着性樹脂が速やかに固化して強固に固着するとともに、防水シートの昇温が阻止されて、その熱変形が防止されるので、この作業は重要である。
特開2003−313993号公報
上述したように、誘導加熱による溶着が終了する毎に、加熱ホルダを横に置いて、その溶着領域に冷却押圧用のクッション等を押し当てながら冷却するという作業は、作業者にとって負担となる。特に、重量のある加熱ホルダでの誘導加熱が終了するごとに加熱ホルダと冷却押圧用のクッションとを取り替えて作業することは作業者にとって負担となる。特に溶着箇所が数百以上になるような施工現場では負担が大きく、その改善が要望されている。
上記課題を解決するため、本発明による、溶着対象物を電磁誘導によって加熱して溶着する携帯用誘導加熱溶着装置は、電源部と、前記溶着対象物に向き合う押え面を有する基台及び加熱コイルを備えた電磁加熱コイルユニットと、前記電源部からの電力を用いて前記電磁加熱コイルユニットに電流を供給する給電部と、前記給電部を制御する制御ユニットと、前記押え面を覆うように前記基台に装着される押圧パッドと、前記押圧パッドを強制冷却する冷却機構と、を備え、前記冷却機構には冷却風を発生させる冷却ファンが含まれ、前記冷却風を前記押圧パッドに与える冷却通路が形成されている
この構成によれば、押え面を溶着対象物に対向させた姿勢で電磁加熱コイルユニットによる誘導加熱で溶着対象物を溶着させた後は、誘導加熱を停止してそのままの姿勢で、押え面を覆っている押圧パッドを溶着対象物の方向に押し付けることで、溶着対象物をしっかりと圧着することができる。これにより、一つの溶着箇所における溶着固定作業において、加熱する装置と圧着する装置とを持ち替える必要がなくなり、作業性が向上する。
特に夏場では、電磁加熱コイルユニットへの給電を停止して誘導加熱を止めるだけでは、溶着箇所の冷却が十分に達成されない。このため、押圧パッドを通じて溶着箇所を強制冷却する冷却機構が備えられている。これにより、溶着箇所への冷却が改善され、溶着箇所の速やかな固着及び熱変形の抑制が効率よく行われる。
その際、前記冷却機構には冷却風を発生させる冷却ファンが含まれ、前記冷却風を前記押圧パッドに与える冷却通路が形成されることで、溶着箇所の確実で十分な冷却が実現される。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記冷却ファンが、前記加熱コイル及び前記押圧パッドの上方に位置する。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記冷却通路には、前記押圧パッドに形成されたパッド側冷却通路が含まれている。これにより、押圧パッドは、広い箇所で冷却風に接することができ、効果的に冷却される。これにより溶着箇所に対する冷却が強化される。
溶着箇所に対する冷却をさらに強化するために、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記パッド側冷却通路は前記押圧パッドの前記押え面に向き合う面に溝状に形成された溝状通路と、前記溝状通路に連通して前記押圧パッドを貫通する流出孔とを有する。これにより押圧パッドに冷却風が効果的に流れ、押圧パッドが急速に冷却され、結果的に溶着箇所が冷却される。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記電源部が充電可能なバッテリで構成され、前記バッテリと前記電磁加熱コイルユニットと前記給電部と前記制御ユニットとを一体的に取り付けるハウジングが備えられている。この構成により、電源ケーブルが不要となり、作業性は向上する。また、バッテリや電磁加熱コイルユニットなどの構成要素がハウジングによって一体的に構成されるため、装置自体は重くなるが、この重さが、溶着箇所の圧着のためには利点となる。従来のような、作業者が体重をかけて押し付けるような行為は不要となり、装置の自重により十分な圧着力が、しかも安定的に得られるので、好都合である。
本発明による携帯用誘導加熱溶着装置の基本構造を示す模式図である。 本発明による携帯用誘導加熱溶着装置の冷却通路の変形例を示す模式図である。 本発明による携帯用誘導加熱溶着装置の実施形態の1つを示す斜視図である。 防水シート固定金具を示す斜視図である。 防水シート固定金具の断面図である。 防水層の形成状況を示す断面図である。 携帯用誘導加熱溶着装置の構成要素と制御の流れを示す模式図である。 携帯用誘導加熱溶着装置の制御系を示す機能ブロック図である。 別実施形態であるピストル型誘導加熱溶着装置の側面図である。 加熱コイルユニットの別実施形態を示す模式図である。 図10による加熱コイルユニットの変形例を示す模式図である。
本発明による携帯用誘導加熱溶着装置の具体的な実施形態を説明する前に、図1を用いて、本発明を特徴付けている基本構造を説明する。
図1では模式化されているが、この携帯用誘導加熱溶着装置100では、実質的にその構成要素の全てがハウジング1によって一体的に組み付けられている。ここでは、ハウジング1は上部が天板11で閉鎖され、下部が開口している筒状体である。天板11の下方に電源部として機能する充電可能なバッテリ2が配置されている。バッテリ2の下方に給電部3が配置され、さらに給電部3の下方に電磁加熱コイルユニット4が配置されている。電磁加熱コイルユニット4は電磁加熱用コイル(以下単に加熱コイルと略称する)40とこの加熱コイル40を支持する基台41を備えている。基台41は、円板部42と円板部42の中央に立設されているポスト部43とを有する。円板部42の底面には円形の凹部44が形成されており、この凹部44に加熱コイル40が保持されている。この加熱コイル40の下端を含む円板部42の底面は、溶着対象物OBを抑え付ける押え面として機能するので、実質的に平坦な面に形成されている。
給電部3を制御する制御ユニット5は、バッテリ2ないしは給電部3とハウジング1との隙間空間に配置される。図1の例では、バッテリ2の装着部に隣接して配置されている。
この携帯用誘導加熱溶着装置100の溶着対象物OBは、図1の例では、ビルの屋上などのスラブに固定された固定具70と、この固定具70と接合する防水シート7である。固定具70の平坦な固定面には熱可塑性接着剤層が形成されており、固定具70に防水シート7を重ねて、その上から携帯用誘導加熱溶着装置100を押し当て、加熱作業とその後の押圧作業とが行われる。加熱作業と押圧作業とからなる溶融接着作業を繰り返すことにより、防水シート7が多数の固定具70に接合し、防水シート7がスラブに敷設される。
誘導加熱によって接着剤を溶かした後、防水シート7を固定具70に所定圧力で所定時間だけ接着剤が硬化する温度で押し付けることにより、固定具70と防水シート7との良好な接合が得られる。本発明による、携帯用誘導加熱溶着装置100は、加熱後、そのまま、基台41の円板部42を防水シート7に押し付けることで押圧作業を遂行する。この押圧作業を効果的に行うために、円板部42の底面である押え面をカバーするように押圧パッド9が基台41の円板部42に装着されている。
図1で示した押圧パッド9は円板部42の押え面を下から覆うシュー形態の装着形パッド90として形成されている。この装着形パッド90は、クッション性を有する軟質ゴムのような樹脂材料で構成されており、円板部42の下面と同形状で当該下面に密着する押圧部91と、押圧部91の外周縁から垂直に立ち上がって円板部42の上面縁を押さえ込むリング状鍔部93を有する側壁部92とからなる。押圧部91と側壁部92とリング状鍔部93とによって区画される空間に円板部42を嵌め込むようにして、装着形パッド90を円板部42に装着することができる。押圧部91は誘導加熱後の防水シート7の押圧を効果的に行う厚さを有する。装着形パッド90は簡単に取り外すことができるので、状況に応じて交換することで、適正な厚さやクッション性を有する装着形パッド90の利用が可能である。
さらに押圧作業時では、装着形パッド90の温度が低いことが重要である。装着形パッド90は誘導加熱が行われている間、溶着対象物OBである固定具70の熱に晒されているので、誘導加熱が終了した段階で、装着形パッド90が効果的に冷却される必要がある。このため、図1で示した携帯用誘導加熱溶着装置100では、加熱コイル40の上方に位置して加熱コイル40を強制的に冷却する冷却機構6としての冷却ファンユニット60が設けられている。冷却ファンユニット60の冷却ファン61は図示されていないモータによって駆動し、基台41に設けられた冷却風を通過させる冷却通路62を通じて、加熱コイル40及び装着形パッド90に冷却風を送り出し、誘導加熱を終了した加熱コイル40及び装着形パッド90を冷却する。
図1の例では、冷却通路62は、一端が冷却ファン61に開口するとともに他端が基台41の凹部44に開口する基台41の中央を延びる通過孔45から構成されている。より大量の冷却風を加熱コイル40及び装着形パッド90に与えるためには、基台41の凹部44上方に複数の貫通孔を設けるとよい。さらには、装着形パッド90にもパッド側冷却通路を形成するとよい。
図2には、冷却通路62のより好適な形態が示されている。この形態では、パッド側冷却通路として、装着形パッド90の押え面に向き合う面に、分流用の中央凹部94と、中央凹部94から周方向外側に延びる溝状に形成された溝状通路95とが形成されている。溝状通路95の外端は外部に冷却風を放出する流出孔として形成されている。これにより、冷却風が、押圧パッド9及び加熱コイル40が作り出す押圧面と装着形パッド90との間に直接流れ込み、装着形パッド90が強制的にかつ効果的に冷却される。その結果、防水シート7に対する冷却効果も高まり、接着剤が速やかに固化して強固に固着するとともに、防水シート7の昇温が阻止されて、その熱変形も防止される。
装着形パッド90の底面が防水シート7と接当するので、少なくとも装着形パッド90がハウジング1の開口から突き出すように構成されている。
電源コードを不要にするため、電源部として採用されているバッテリ2はハウジング1に収納されるとともに、随時ハウジングから取り出すことができる。図1の例では、ハウジング1の側壁に形成された開口(蓋で閉鎖されてもよい)を通じて取り外し可能及び装着可能となっている。給電部3は、バッテリ2からの直流電流を高周波電流に変換するインバータ回路などのパワーエレクトロニクス回路を備えている。給電部3で生成された高周波電流が電磁加熱コイルユニット4の加熱コイル40に供給されることで、装着形パッド90の押圧部91に対向して位置している固定具70が電磁加熱される。
次に、本発明による携帯用誘導加熱溶着装置100の具体的な実施形態の1つを説明する。ここでも、この携帯用誘導加熱溶着装置100は、屋上などにおける防水下地に固定された固定具70に防水シート7を固定するために用いられる。その際、固定具70の上面に付与されている接着層は、電磁誘導による固定具70の加熱によって溶融し、その後、冷却機構6の動作の下で、押圧パッド9を介して防水シート7と固定具70との間で押し付けられる。これにより、防水シート7は固定具70に接着固定される。
図3は、防水シート7の敷設前の建物の屋上スラブを示す斜視図である。この斜視図は、携帯用誘導加熱溶着装置100を用いて、防水下地となる鉄筋コンクリート製のスラブ本体の上に配設された固定具70に防水シート7であるシート材を接着させる作業を示している。この携帯用誘導加熱溶着装置100は、図1を用いて説明された基本構造を採用している。
このスラブ本体は、屋上部分のスラブを想定している。しかしながら、鉄筋コンクリート構造のスラブの他、ALCパネルを敷き並べて形成したスラブや、デッキプレートや金属折板とコンクリートを組み合わせて形成したスラブや、さらには、それらの上に断熱層を積層させたもの等、様々な形態のスラブに、本発明は適用可能である。スラブ本体は、固定具70をアンカーボルト等によって固定できることが好ましい。
固定具70は、例えば、図3と図4と図5とに示すように、直径50〜100mm程度のステンレス鋼製円板の上面に、防水シート7に対する接着材として溶けて接着性を発揮するポリエステル樹脂等の熱可塑性合成樹脂からなる面状のホットメルト接着層(以下単に接着層と略称する)71を被覆したワッシャ形状体である。固定具70はその中心に座繰り凹部72、及び、その底部分にアンカーボルト79(図6参照)の取付孔74が形成され、固定具70の上面は、座繰り凹部72の周りに所定幅を隔てて環状凹部73が形成されている。固定具70は、スラブ本体上に、縦横に所定の間隔を開けた各位置に配置され、取付孔74を通じてねじ固定される。
なお、固定具70は、板金をプレス加工して図のような起伏形状に成形されており、前記座繰り凹部72や環状凹部73等の凹部を形成することによって、平板のままより断面二次モーメントが増加し、薄板であっても高い強度を得ることができる。
大面積の防水シート7は、PVCシートによって構成され、工場で所定幅寸法の長尺体防水シート材を巻き取ってロール体を形成しておき、そのロール体を現場で広げながら配置し、隣接する各防水シート7の側縁部どうしを接着することで作り出される。勿論、予め、敷設する対象面積に合わせて一体品の防水シート7を形成しておくものであってもよいし、また、素材に関しても、PVC以外にも、ゴムやTPE(サーモ・プラスチック・エラストマ)製のシート、または、その他の素材からなる防水シート7であってもよい。
図6に示すように、スラブ本体への防水シート7の固定は、まず多数の固定具70の上に防水シート7を被せる(図6(a)参照)。次いで、防水シート7の上方から、携帯用誘導加熱溶着装置100を固定具70の真上となる位置にセットして、固定具70に対して誘導加熱を行う(図3参照)。固定具70を加熱することによって、接着層71が溶融し、固定具70の上面と防水シート7の下面とが溶融した接着剤を介して密着し、その後冷却しながら加圧することで、固定具70と防水シート7とが、結果的には防水シート7とスラブ本体とが固定される(図6(b)参照)。
図7に、この実施形態における携帯用誘導加熱溶着装置100の基本構造と、この携帯用誘導加熱溶着装置100を用いた誘導加熱制御における信号の流れとが模式的に示されている。図8には、この携帯用誘導加熱溶着装置100の制御系の機能ブロック図が示されている。
携帯用誘導加熱溶着装置100は、この実施形態では円形断面を有する筒体12の上端を天板11で閉鎖させたハウジング1を備えている。筒体12は、2つの隔壁13aと13bとによって3つの空間、上から順に、第1空間S1、第2空間S2、第3空間S3に区画されている。一番上の第1空間S1にはバッテリ2が配置され、中間の第2空間S2には給電部3と制御ユニット5とが配置され、一番下の第3空間S3には電磁加熱コイルユニット4と冷却ファンユニット60とが配置されている。天板11にはアーチ状のグリップ19が設けられている。
筒体12の第1空間S1を包囲している壁体にはバッテリ2を出し入れするための開口12aが設けられており、バッテリ2は開口12aに対向する位置の壁面に設けられたバッテリコネクタ部17に対して着脱自在となっている。
筒体12の第2空間S2を包囲している壁体には、第2空間S2に収納されている給電部3と制御ユニット5とから放出される熱を逃がすために、多数の外気流通口が形成されている。
電磁加熱コイルユニット4と冷却機構6としての冷却ファンユニット60とは、一体的に組み付けられており、その上端部が隔壁13bに連結されている。電磁加熱コイルユニット4は、加熱コイル40と加熱コイル40を保持している基台41とからなり、基台41は、円板部42と円板部42の中央に立設されているポスト部43とを有する。円板部42には、図1で示すような装着形パッド90が、押圧パッド9として装着されている。ポスト部43の上端に冷却ファンユニット60が設けられている。ポスト部43及び円板部42には、図1を用いて説明したように、冷却ファンユニット60からの冷却風を通過させる冷却通路62が形成されている。冷却ファンユニット60は図示されていないモータによってファンが駆動することで、冷却風を加熱コイル40及び装着形パッド90に与える。これにより、防水シート7に対する冷却効果が向上する。なお、図7では、装着形パッド90は、冷却風のための特別な通路が形成されていない基本的なパッドの形態で図示されているが、もちろん図2で示しているような、中央凹部94や溝状通路95等からなる冷却風通路を形成したパッドを装着してもよい。
図8に示すように、制御ユニット5は、本発明に関係する機能部として、検出信号評価部51、加熱挙動算定部52、加熱制御部53、冷却制御部54を備えている。これらの機能は、実質的にはプログラムの起動によって実現する。また、制御ユニット5には、入出力インターフェース50を介して種々の外部機器と接続されている。外部機器としては、メモリデバイス55、データ通信部56、報知部57、温度検出ユニット80、センサ・スイッチ群8、GPSユニット800が接続されている。さらに、制御ユニット5は、バッテリ2に内蔵されているコントローラや給電部3とも制御信号等の信号を伝達可能に接続されている。
温度検出ユニット80は、この実施形態では、防水シート7の表面温度を検出する表面温度検出器801と防水シート7周辺の環境温度を検出する環境温度検出器802とを含んでおり、これらの温度検出信号は制御ユニット5に送られる。表面温度検出器801と環境温度検出器802とは、ハウジング1に設けられたブラケットに装備されている。センサ・スイッチ群8は、この携帯用誘導加熱溶着装置100に組み込まれているセンサやスイッチの総称であるが、本発明に特に関係するものとして、操作スイッチ81、感圧スイッチ(または感圧センサ)82、位置検出センサ83が挙げられる。操作スイッチ81は、ハウジング1のグリップ19周辺に設けられ、誘導加熱の始動機能を有する。感圧スイッチ82は、円板部42と押圧パッド9との間に設けられ、誘導加熱後の押圧作業時の防水シート7に対する押し付け圧を検出する。位置検出センサ83は、加熱コイル40の誘導加熱有効範囲に固定具70が正確に位置しているかどうかを検出するものであり、この実施形態では、固定具70を検出する、好ましくは3つ以上の磁気センサである。GPSユニット800は、GPS衛星などの衛星からの電波を検知して携帯用誘導加熱溶着装置100の現在位置(方位座標)を算出して、制御ユニット5に与える。
制御ユニット5の検出信号評価部51は、センサ・スイッチ群8、温度検出ユニット80、GPSユニット800から入力された信号を評価して、その評価信号を必要とする機能部に送り出す。例えば、温度検出信号は温度検出信号として加熱挙動算定部52や加熱制御部53に送られる。感圧スイッチ82や位置検出センサ83からの信号は、それぞれに設定されている基準範囲と比較され、基準範囲から外れている場合は、報知部57を通じて視覚的警報や聴覚的警報が与えられる。
加熱挙動算定部52は、加熱時間算定部521と加熱強度算定部522と挙動導出テーブル523を含んでいる。加熱時間算定部521は、防水シート7の表面温度と環境温度との情報を含む温度検出信号から挙動導出テーブル523を用いて加熱時間を算定する。加熱強度算定部522は、温度検出信号から挙動導出テーブル523を用いて加熱強度(誘導加熱の強さ)を算定する。その際、加熱時間を単位時間に区切って、その単位時間毎に加熱強度を算定すれば、経時的な加熱強度曲線が得られる。この加熱強度曲線に基づく加熱制御指令は加熱制御部53に転送される。加熱制御部53は、受け取った加熱制御指令に基づいて、制御信号を給電部3に与える。給電部3は、受け取った制御信号に基づいて、固定具70において適切な加熱挙動が実現するようにパワーエレクトロ回路(インバータ回路や昇圧回路など)を継時的に制御する。
冷却制御部54は、誘導加熱の終了後、冷却ファンユニット60に冷却制御信号を与え、冷却ファン61を駆動して、装着型パッド90と加熱コイル40を冷却し、結果的に防水シート7を冷却する。この冷却の間、装着形パッド90を介して固定具70の上方に位置する防水シート7を押し付けることで、固定具70と防水シート7との接着固定が良好に促進される。
メモリデバイス55には、誘導加熱を用いた各固定具70に対する接着固定に関する作業データが書き込まれる。データ通信部56はオプショナルな機能であり、作業データなどの内部データを外部に送信する機能や外部から送信されてきたデータを受信するために用いられる。
図9には、本発明による携帯用誘導加熱溶着装置100の別実施形態として、超小型のピストル型誘導加熱溶着装置が示されている。ハウジング1はL字形に屈曲した筒体であり、その一端側に充電式のバッテリ2が配置され、その他端側に電磁加熱コイルユニット4が配置されている。電磁加熱コイルユニット4の溶着対象物OBに向き合う面には押圧パッド9が装着されている。ハウジング1の中間部には、片手で握りやすい形状のグリップ部190が形成され、グリップ部190を握った手の指で操作しやすい位置に操作スイッチ81として機能するトリガーが設けられている。グリップ部190の内部には制御ユニット5が配置され、制御ユニット5と電磁加熱コイルユニット4との間に給電部3が配置されている。グリップ部190の周辺に報知部57として機能するフラットパネルが設けられており、種々の情報が表示可能である。さらに、メモリデバイス55として機能する着脱可能な半導体メモリカードも装着されている。なお、その他種々のセンサ・スイッチ群8や温度検出ユニット80、さらにはGPSユニット800を装備することも可能である。片手操作を可能にするため、バッテリ2には軽量で小型の高性能バッテリが用いられているが、電磁誘導加熱を長時間続けるためにはバッテリ容量が不足するので、作業者は常時複数の予備のバッテリ2を持参し、バッテリ交換しながら作業を進める。
〔その他の実施形態〕(1)上述した実施形態では、押圧パッド9は、基台41の円板部42にその下面から被せるように装着されるシュー状の押圧パッド9として構成していたが、これに代えて、ハウジング1の下端に取り付けられるパッドフレームとこのパッドフレームに固定されたクッション材とから構成してもよい。
(2)図10で示された携帯用誘導加熱溶着装置100では、円板部42の上面が実質的に平坦な面に形成され、加熱コイル40を載置する面として機能している。円板部42の下面及び側面は、シュー形態の装着形パッド90として円板部42に装着されている押圧パッド9によって覆われている。この別実施形態では、冷却ファン61による冷却風の基台41に対する冷却効果を高めるために、基台41に冷却通路62が形成されている。円板部42の上面には加熱コイル40が密集しており、スムーズな空気流通が妨げられる。
このため、図10に示す例では、冷却通路62として、加熱コイル40を通り抜けた冷却風が円板部42を効果的に冷却するために、円板部42の上面には、溝状の通路がコイル側冷却通路621として形成されている。
(3)図11には、図10で示された携帯用誘導加熱溶着装置100の変形例が示されている。この変形例では、冷却通路62としてコイル側冷却通路621だけではなく、基台41の円板部42の下面(押え面)に溝状の通路が対象物側冷却通路622として形成されるとともに、円板部42の上面から下面まで貫通してコイル側冷却通路621と対象物側冷却通路622とを連通する連通路623が形成されている。これにより、冷却風が、円板部42と押圧パッド9との間にも流れ、装着形パッド90も強制的に冷却される。これにより、結果的には、防水シート7に対する冷却効果も高まり、接着剤が速やかに固化して強固に固着するとともに、防水シート7の昇温が阻止されて、その熱変形も防止される。さらに、図示はされていないが、コイル側冷却通路621や対象物側冷却通路622と連通する孔を装着形パッド90に設け、その孔から冷却風を排出して、その周辺を冷却する構造を採用してもよい。
(4)冷却ファンユニット60のファンは、加熱コイル40の上方ではなく、側方に配置してもよい。また、円板部42の冷却のための冷却機構6として、ペルチェ素子などを用いた電子冷却機構を採用してもよい。この場合、電子冷却機構を直接円板部42に利点が得られる。その際、冷却ファンユニット60と電子冷却機構との両者で円板部42を冷却すれば、さらに溶着箇所の冷却が効果的に行われる。
(5)上述した実施形態では、バッテリ2と給電部3と制御ユニット5とは電磁加熱コイルユニット4と冷却ファンユニット60とがハウジング1によって一体的に組み付けられている。これに代えて、バッテリ2を別体とし、電磁加熱コイルユニット4や給電部3などを組み付けているハウジング1から分離して、バッテリ2から給電部3にケーブルを用いて接続してもよい。さらには、バッテリ2と給電部3とを一体構成として、給電部3と電磁加熱コイルユニット4とをケーブルで接続してもよい。また、本発明では、電源部として商用電源を用いることを除外していない。
(6)基台41をハウジング1に対して自在継手などを用いて横揺動軸心周りで一方方向または全方向の揺動を許すように取り付けてもよい。この構成を採用することで、電磁加熱コイルユニット4や押圧パッド9は、ハウジング1に対して所定角度内において自由な角度姿勢を取ることができる。
(7)図8で示された制御ユニット5の各機能部は、説明目的で便宜上区分けされたものであり、任意の複数の機能部を統合してもよいし、各機能部をさらに区分けしてもよい。
本発明は、磁気誘導加熱を利用して、溶着対象物を加熱して溶着する携帯用加熱装置に適用可能である。
100 :携帯用誘導加熱溶着装置
1 :ハウジング
2 :バッテリ(電源部)
3 :給電部
4 :電磁加熱コイルユニット
40 :加熱コイル
41 :基台
42 :円板部
43 :ポスト部
44 :凹部
45 :通過孔
5 :制御ユニット
6 :冷却機構
60 :冷却ファンユニット
61 :冷却ファン
62 :冷却通路
621 :コイル側冷却通路
622 :対象物側冷却通路
623 :連通路
7 :防水シート
70 :固定具
9 :押圧パッド
90 :装着形パッド
91 :押圧部
92 :側壁部
93 :リング状鍔部
OB :溶着対象物

Claims (5)

  1. 溶着対象物を電磁誘導によって加熱して溶着する携帯用誘導加熱溶着装置であって、
    電源部と、
    前記溶着対象物に向き合う押え面を有する基台及び加熱コイルを備えた電磁加熱コイルユニットと、
    前記電源部からの電力を用いて前記電磁加熱コイルユニットに電流を供給する給電部と、
    前記給電部を制御する制御ユニットと、
    前記押え面を覆うように前記基台に装着される押圧パッドと、
    前記押圧パッドを強制冷却する冷却機構と、を備え、
    前記冷却機構には冷却風を発生させる冷却ファンが含まれ、前記冷却風を前記押圧パッドに与える冷却通路が形成されている携帯用誘導加熱溶着装置。
  2. 前記冷却ファンが、前記加熱コイル及び前記押圧パッドの上方に位置する請求項1に記載の携帯用誘導加熱溶着装置。
  3. 前記冷却通路には、前記押圧パッドに形成されたパッド側冷却通路が含まれている請求項1又は2に記載の携帯用誘導加熱溶着装置。
  4. 前記パッド側冷却通路は前記押圧パッドの前記押え面に向き合う面に溝状に形成された溝状通路と、前記溝状通路に連通して前記押圧パッドを貫通する流出孔とを有する請求項に記載の携帯用誘導加熱溶着装置。
  5. 前記電源部が充電可能なバッテリで構成され、
    前記バッテリと前記電磁加熱コイルユニットと前記給電部と前記制御ユニットとを一体的に取り付けるハウジングが備えられている請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯用誘導加熱溶着装置。
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