JP6490389B2 - 携帯用電磁誘導加熱装置 - Google Patents

携帯用電磁誘導加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6490389B2
JP6490389B2 JP2014215577A JP2014215577A JP6490389B2 JP 6490389 B2 JP6490389 B2 JP 6490389B2 JP 2014215577 A JP2014215577 A JP 2014215577A JP 2014215577 A JP2014215577 A JP 2014215577A JP 6490389 B2 JP6490389 B2 JP 6490389B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
unit
electromagnetic
electromagnetic induction
heating coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014215577A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016081880A (ja
Inventor
裕之 大西
裕之 大西
博之 庄司
博之 庄司
Original Assignee
アーキヤマデ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アーキヤマデ株式会社 filed Critical アーキヤマデ株式会社
Priority to JP2014215577A priority Critical patent/JP6490389B2/ja
Publication of JP2016081880A publication Critical patent/JP2016081880A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6490389B2 publication Critical patent/JP6490389B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Induction Heating (AREA)

Description

本発明は、熱対象物を電磁誘導によって加熱する携帯用電磁誘導加熱装置に関する。
特許文献1には、導体に誘導電流を流してジュール熱により導体を発熱させ、発熱された導体により接着剤を加熱する携帯用電磁誘導加熱装置が開示されている。この加熱装置は、電力を供給する電源ユニットと、電源ユニットからの供給電流を高周波電流に変換する高周波発生回路が設けられた加熱ヘッドと、加熱ヘッドにおいて生成される高周波電流に対し抵抗調整された直列コンデンサおよび加熱用誘導コイルを備えている。その際、高周波発生回路とLC回路とを一体化して組み込んでいる加熱ヘッドは、電源ユニットと別体構成で分離されており、互いにケーブルで接続されている。この特許文献には、電源ユニットとして、商用電源に代えてバッテリを利用することできると単に記載されている。
特許文献2には、導電性基体と熱可塑性樹脂層とからなる固定部材に防水シートを接合するための装置が開示されている。この装置は、シートを介して前記導電性基体を電磁誘導により加熱する加熱手段、シートの温度を測定する温度測定手段、シートの温度に応じて前記加熱手段による加熱時間を設定する加熱時間設定手段を備えており、導電性基体の加熱による熱可塑性樹脂層の熱溶着により、屋上床面の所定位置に設置された固定部材にシートを接合する。その際、加熱時間設定手段が、予め関連づけられて記録されている複数の温度値と加熱時間の組み合わせから、温度測定手段によって測定されたシートの温度に対応する加熱時間を選択して、加熱時間を設定する。
特開2005−19374号公報 国際公開WO2013/108820号公報
電源ユニットとしてバッテリを用いる場合、バッテリを長持ちさせるために、誘導加熱に必要とされる電力をできるだけ低減させることが重要となる。このためには、加熱対象物を無駄なく最適に加熱する必要があり、特許文献2のように加熱対象物の表面温度に基づいて単に加熱時間だけを設定するだけでは不十分である。
このことから、本発明の課題は、加熱対象物に対する加熱を加熱時間だけで制御するのではなく、加熱対象物の状況に合わせた最適な加熱挙動を行うことで、加熱に必要な消費電力を低減させて、バッテリで駆動する携帯用電磁誘導加熱装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明による、防水下地に固定された多数の固定具の上に敷設された防水シートの上方から、前記固定具を電磁誘導によって加熱することで前記防水シートを前記固定具に溶着する携帯用電磁誘導加熱装置は、充電可能なバッテリと、電磁加熱コイルユニットと、前記バッテリからの電力を用いて前記電磁加熱コイルユニットに電流を供給する給電部と、前記防水シートと前記固定具との溶着箇所または前記溶着箇所の周辺領域あるいはその両方の温度を測定して温度検出信号を出力する温度検出ユニットと、前記温度検出信号に基づいて前記電磁加熱コイルユニットによる誘導加熱の強度及び時間を含む加熱挙動を算定する加熱挙動算定部と、前記加熱挙動に基づいて前記電磁加熱コイルユニットによる電磁誘導加熱を制御する加熱制御部とを備え、前記温度検出ユニットには、前記防水シートの周辺の環境温度を検出して、前記温度検出信号として出力する環境温度検出器が含まれている
このような本発明による携帯用電磁誘導加熱装置は、まず、バッテリを採用することで、長い電源ケーブルが、電力損失のみならず、作業者の歩行の邪魔となるといった問題を回避している。さらに、防水シートと前記固定具との溶着箇所または溶着箇所の周辺領域あるいはその両方の温度を測定して得られた温度検出信号に基づき誘導加熱の時間だけでなくその強度も算定し、誘導加熱の時間と強度とによって規定される加熱挙動を制御することで、溶着箇所の状況に合わせた最適な加熱挙動を実現している。これにより、加熱に必要な消費電力が低減するので、小型のバッテリを利用することができる。さらには、本発明による携帯用電磁誘導加熱装置を用いて防水シートを固定具に接合する際、固定具が予め野外に晒されていることから、防水シートの表面温度だけでは固定具の温度を推定に誤差が出る可能性がある。このため、固定具の温度の推定精度を高めるため、前記温度検出ユニットには、前記シート材周辺の環境温度を検出する環境温度検出器が含まれている。
さらに、本発明による、加熱対象物を電磁誘導によって加熱する携帯用電磁誘導加熱装置は、充電可能なバッテリと、電磁加熱コイルユニットと、前記バッテリからの電力を用いて前記電磁加熱コイルユニットに電流を供給する給電部と、前記加熱対象物または前記加熱対象物の周辺領域あるいはその両方の温度を測定して温度検出信号を出力する温度検出ユニットと、前記温度検出信号に基づいて前記電磁加熱コイルユニットによる誘導加熱の強度及び時間を含む加熱挙動を算定する加熱挙動算定部と、前記加熱挙動に基づいて前記電磁加熱コイルユニットによる電磁誘導加熱を制御する加熱制御部と、前記電磁加熱コイルユニットを冷却する冷却機構と、前記冷却機構を制御する冷却制御部と、を備え、前記電磁加熱コイルユニットの加熱コイルを載置するとともに前記加熱対象物に向き合う形状を有する基台に冷却通路が形成され、前記冷却機構は冷却ファンを備え、前記冷却ファンからの冷却風は、前記加熱コイルを通り抜けた後に、前記冷却通路に流れ込むように構成されている。
このような本発明による携帯用電磁誘導加熱装置は、まず、バッテリを採用することで、長い電源ケーブルが、電力損失のみならず、作業者の歩行の邪魔となるといった問題を回避している。さらに、加熱対象物または加熱対象物の周辺領域あるいはその両方の温度を測定して得られた温度検出信号に基づき誘導加熱の時間だけでなくその強度も算定し、誘導加熱の時間と強度とによって規定される加熱挙動を制御することで、加熱対象物の状況に合わせた最適な加熱挙動を実現している。これにより、加熱に必要な消費電力が低減するので、小型のバッテリを利用することができる。
さらに、誘導加熱を実行した加熱コイルユニットはかなり高温となるため、加熱処理が終了すると、速やかに冷却することが好ましい。この構成では、加熱過程で温度上昇した加熱コイルユニットを適切に冷却することができる。また、溶融接着作業などの加熱処理では、加熱過程後に加熱対象物を冷却することも重要であるので、この構成では、加熱コイルユニットを通り抜けた冷却風によって加熱対象物に向き合っている基台も冷却され、結果的に加熱対象物を効果的に冷却することもできる。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記加熱挙動は時間経過とともに変化する誘導加熱の強度であり、前記加熱制御部には前記温度検出信号から前記加熱挙動を導出するテーブルが設定されている。温度検出信号に基づき、所定の強度と所定の時間を算定して加熱対象物を誘導加熱することで、加熱時間だけを調整することに比べて、より適正に加熱対象物を誘導加熱することはできるが、さらに誘導加熱時の時間経過とともにその強度を変更することでより適切に加熱対象物を誘導加熱することができる。例えば、加熱当初は、加熱対象物の温度が低いので、大きな加熱強度を適用し、所定時間経過後に加熱強度を一定値または徐々に下げることにより、省電力で要求加熱仕様を達成することが可能となる。
携帯性及び作業性に優れた、本発明による携帯用電磁誘導加熱装置の好適な適用例の1つは、コンクリートなどから成る防水施工面に張られる防水シートの固定作業である。この固定作業では、上面に熱溶着可能な接着層を有する固定具がアンカーボルト等により固定され、その接着層に防水シートを介して電磁加熱コイルユニットの接触面が押し当てられ、電磁誘導作用による固定具の発熱により接着層を溶かして防水シートが接着固定される。したがって、本発明では、前記加熱対象物はシート材と接合する接着層を有する固定具であり、前記電磁加熱コイルユニットが前記シート材を挟んで前記固定具の接着層に対向可能な接触面を有し、前記接触面が前記ハウジングから露出するように構成されているとともに、前記温度検出ユニットには、前記シート材の表面温度を検出する表面温度検出器が含まれている。この構成により、作業者は、携帯用電磁誘導加熱装置を持ち運んで、その接触面を、シート材を挟んで固定具の接着層に載せていくことで、シート材の固定作業が順次遂行され、その際、シート材の温度から推定される固定具の温度及び接着層の温度に基づく適切な加熱挙動で固定具を誘導加熱することができる。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記バッテリと前記電磁加熱コイルユニットと前記給電部と前記制御ユニットとがハウジングを通じて一体的に組みつけられている。この構成では、電磁誘導加熱装置は、単一の装置となり、接続ケーブルが不要となり、長い接続ケーブルが歩行の邪魔をすることによる作業性の低下などの問題が解消される。また、装置全体が一体化されることによって、携帯性が向上する。
本発明による携帯用電磁誘導加熱装置の基本構造と加熱挙動制御の流れを示す模式図である。 携帯用電磁誘導加熱装置の構成要素を示す模式図である。 本発明による携帯用電磁誘導加熱装置の実施形態の1つを示す斜視図である。 防水シート固定金具を示す斜視図である。 防水シート固定金具の断面図である。 防水層の形成状況を示す断面図である。 携帯用電磁誘導加熱装置の制御系を示す機能ブロック図である。 別実施形態であるピストル型電磁誘導加熱装置の側面図である。 別実施形態である携帯用電磁誘導加熱装置の制御系を示す機能ブロック図である。
本発明による携帯用電磁誘導加熱装置の基本構造と制御原理とを図1を用いて説明する。
この実施形態における携帯用電磁誘導加熱装置100は、この実施形態では円形断面を有する筒体12の上端を天板11で閉鎖させたハウジング1を備えている。筒体12は、2つの隔壁13aと13bとによって3つの空間、上から順に、第1空間S1、第2空間S2、第3空間S3に区画されている。一番上の第1空間S1にはバッテリ2が配置され、中間の第2空間S2には給電部3と制御ユニット5とが配置され、一番下の第3空間S3には電磁加熱コイルユニット4と冷却ファンユニット60とが配置されている。つまり、バッテリ2と給電部3と制御ユニット5と電磁加熱コイルユニット4と冷却ファンユニット60とがハウジング1によって一体的に組み付けられている。天板11にはアーチ状のグリップ19が設けられている。
筒体12の第1空間S1を包囲している壁体にはバッテリ2を出し入れするための開口12aが設けられており、バッテリ2は開口12aに対向する位置の壁面に設けられたバッテリコネクタ部17に対して着脱自在となっている。
筒体12の第2空間S2を包囲している壁体には、第2空間S2に収納されている給電部3と制御ユニット5とから放出される熱を逃がすために、多数の外気流通口が形成されている。
電磁加熱コイルユニット4と冷却機構6としての冷却ファンユニット60とは、一体的に組み付けられており、その上端部が隔壁13bに自在継手14を介して連結されている。したがって、この実施形態では、揺動軸心Pxは全方向の揺動を許す軸心であり、電磁加熱コイルユニット4は、ハウジング1に対して所定角度内において自由な角度姿勢を取ることができる。電磁加熱コイルユニット4は、加熱コイル40と加熱コイル40を載せている基台41とからなり、基台41は、円板部41aと円板部41aの中央に立設されているポスト部41bとを有する。ポスト部41bの上端に冷却ファンユニット60が設けられている。冷却ファンユニット60は図示されていないモータによってファンが駆動することで、冷却風を加熱コイル40に与える。さらに、円板部41aには冷却ファンユニット60からの冷却風を通過させる流通路61が形成されており、シート材7に対する冷却効果を高めている。
円板部41aの底面をカバーするようにパッド43が円板部41aに装着されている。
このパッド43はクッション性を有する材料で構成されており、誘導加熱後のシート材7の加圧を効果的に行う機能を有する。
給電部3は、バッテリ2からの直流電流を高周波電流に変換するインバータ回路などのパワーエレクトロニクス回路を備えている。給電部3で生成された高周波電流が電磁加熱コイルユニット4の加熱コイル40に供給されることで、接触面42に対向して位置している加熱対象物HOが電磁加熱される。
給電部3を制御する制御ユニット5は、バッテリ2ないしは給電部3とハウジング1との隙間空間に配置される。図1の例では、バッテリ2の装着部に隣接して配置されている。
電磁加熱コイルユニット4はハウジング1に対して変位可能となるような連結具、(例えば、単なる揺動軸あるいは自在継手)を用いて取り付けることができる。この変位可能な連結により、電磁加熱コイルユニット4の接触面42が平面に接触した状態でハウジング1が左右方向または前後方向あるいはそれらいずれの方向にも揺動可能となる。接触面42つまり、電磁加熱コイルユニット4のハウジング1に対する角度が変更可能であることから、ハウジング1の姿勢を微調整しなくても、接触面42を加熱対象面に沿うように接触させることができる。
電磁加熱コイルユニット4の変位はハウジング1に設けられたストッパによって限定される。ストッパとしては、バネなどの弾性体を用いることが好ましい。なお、図2において点線で示している電磁加熱コイルユニット4の最大揺動姿勢においても、バッテリ2の重心Gbを通る鉛直線であるバッテリの重心線GLが接触面42内を通過するように設定されている。この場合は、接触面42を加熱対象面に接当させている状態が、バッテリ2の重さによって安定する効果が得られる。
この実施形態の携帯用電磁誘導加熱装置100では、その加熱操作姿勢において、バッテリ2の重心Gbを通る鉛直線が電磁加熱コイルユニット4の接触面42に入るようにバッテリ2と電磁加熱コイルユニット4との位置関係が設定されている。これは、加熱操作姿勢を安定させるためには好都合であるが、この構造に本発明は限定されるわけではなく、バッテリ2の重心Gbを通る鉛直線が接触面42から離れてもよい。
温度検出ユニット80として、この実施形態では、シート材7の表面温度を検出する表面温度検出器801とシート材7周辺の環境温度を検出する環境温度検出器802とがハウジング1に設けられたブラケットに装備されている。表面温度検出器801と環境温度検出器802とによる検出信号は温度検出信号として制御ユニット5に送られる。さらに、誘導加熱の始動機能を有する操作スイッチ81がハウジング1のグリップ19周辺に設けられている。
操作者が、携帯用電磁誘導加熱装置100を加熱対象物HOの所定の位置にセットし、操作スイッチ81を操作することで誘導加熱処理がスタートする。まず、温度検出ユニット80から送られてくる温度検出信号に基づいて、制御ユニット5に構築されている加熱挙動算定部52が加熱時間と加熱強度とからなる加熱挙動を算定し、同様に御ユニット5に構築されている加熱制御部53に与える。加熱制御部53は、与えられた加熱挙動に基づいて電磁加熱コイルユニット4による電磁誘導加熱を実現すべく給電部3を制御する。
誘導加熱の後に強制冷却が必要な場合は、冷却制御部54から冷却機構6に冷却制御信号が与えられる。これにより、冷却機構6は、例えば、冷却ファンを駆動して、加熱コイル40及び加熱対象物HOを冷却する。
次に、本発明による携帯用電磁誘導加熱装置の具体的な適用例の1つを説明する。ここでは、携帯用電磁誘導加熱装置は、屋上などにおける防水下地に固定された固定具の上面に付与されている接着層を、電磁誘導による固定具への加熱によって溶融させて、防水シートを固定具に接着固定する際に用いられる。
図3は、防水シートの敷設前の建物の屋上スラブを示す斜視図である。この斜視図は、携帯用電磁誘導加熱装置100を用いて、防水下地となる鉄筋コンクリート製のスラブ本体(防水下地)の上に配設された固定具70に防水シートであるシート材7を接着させる作業を示している。この携帯用電磁誘導加熱装置100は、図1を用いて説明された基本構造を採用している。
このスラブ本体は、屋上部分のスラブを想定している。しかしながら、鉄筋コンクリート構造のスラブの他、ALCパネルを敷き並べて形成したスラブや、デッキプレートや金属折板とコンクリートを組み合わせて形成したスラブや、さらには、それらの上に断熱層を積層させたもの等、様々な形態のスラブに、本発明は適用可能である。スラブ本体は、固定具70をアンカーボルトによって固定できることが好ましい。
前記固定具70は、例えば、図3と図4と図5とに示すように、直径50〜100mm程度のステンレス鋼製円板の上面に、防水シートに対する接着材として溶けて接着性を発揮するポリエステル樹脂等の熱可塑性合成樹脂からなる面状のホットメルト接着層(以下単に接着層と略称する)71を被覆したワッシャ形状体である。固定具70はその中心に座繰り凹部72、及び、その底部分にアンカーボルト79(図6参照)の取付孔74が形成され、固定具70の上面は、座繰り凹部72の周りに所定幅を隔てて環状凹部73が形成されている。固定具70は、スラブ本体上に、縦横に所定の間隔を開けた各位置に配置され、取付孔74を通じてねじ固定される。
なお、固定具70は、板金をプレス加工して図のような起伏形状に成形されており、前記座繰り凹部72や環状凹部73等の凹部を形成することによって、平板のままより断面二次モーメントが増加し、薄板であっても高い強度を得ることができる。
シート材7は、例えば、PVCシートによって構成され、工場で所定幅寸法の長尺体防水シートを巻き取ってロール体を形成しておき、そのロール体を現場で広げながら配置し、隣接する各シート材7の側縁部どうしを接着することで大面積の防水シートを作り出すことができる。勿論、予め、敷設する対象面積に合わせて一体品の防水シートを形成しておくものであってもよいし、また、素材に関しても、PVC以外にも、ゴムやTPE(サーモ・プラスチック・エラストマ)製のシート、又は、その他の素材からなる防水シートであってもよい。
図5に示すように、スラブ本体へのシート材7の固定は、まず多数の固定具70の上にシート材7を被せる(図6(a)参照)。次いで、シート材7の上方から、携帯用電磁誘導加熱装置100を固定具70の真上となる位置にセットして、固定具70に対して誘導加熱を行う(図3参照)。固定具70を加熱することによって、接着層71が溶融し、固定具70の上面とシート材7の下面とが溶融した接着剤を介して密着し、その後冷却しながら加圧することで、固定具70とシート材7とが、結果的にはシート材7とスラブ本体とが固定される(図6(b)参照)。
図7に示すように、制御ユニット5は、本発明に関係する機能部として、検出信号評価部51、加熱挙動算定部52、加熱制御部53、冷却制御部54を備えている。これらの機能は、実質的にはプログラムの起動によって実現する。また、制御ユニット5には、入出力インターフェース50を介して種々の外部機器と接続されている。外部機器としては、メモリデバイス55、データ通信部56、報知部57、温度検出ユニット80、センサ・スイッチ群8、GPSユニット800が接続されている。さらに、制御ユニット5は、バッテリ2に内蔵されているコントローラや給電部3とも制御信号等の信号を伝達可能に接続されている。
温度検出ユニット80は、この実施形態では、シート材7の表面温度を検出する表面温度検出器801とシート材7周辺の環境温度を検出する環境温度検出器802とを含んでおり、これらの温度検出信号は制御ユニット5に送られる。表面温度検出器801と環境温度検出器802とは、ハウジング1に設けられたブラケットに装備されている。センサ・スイッチ群8は、この携帯用電磁誘導加熱装置100に組み込まれているセンサやスイッチの総称であるが、本発明に特に関係するものとして、操作スイッチ81、感圧スイッチ82、位置検出センサ83が挙げられる。操作スイッチ81は、ハウジング1のグリップ19周辺に設けられ、誘導加熱の始動機能を有する。感圧スイッチ82は、円板部41aとパッド43との間に設けられ、誘導加熱後の加圧作業時のシート材7に対する押し付け圧を検出する。位置検出センサ83は、加熱コイル40の誘導加熱有効範囲に固定具70が正確に位置しているかどうかを検出するものであり、この実施形態では、固定具70を検出する、好ましくは3つ以上の磁気センサである。GPSユニット800は、GPS衛星などの衛星からの電波を検知して携帯用電磁誘導加熱装置100の現在位置(方位座標)を算出して、制御ユニット5に与える。
制御ユニット5の検出信号評価部51は、センサ・スイッチ群8、温度検出ユニット80、GPSユニット800から入力された信号を評価して、その評価信号を必要とする機能部に送り出す。例えば、温度検出信号は温度検出信号として加熱挙動算定部52や加熱制御部53に送られる。感圧スイッチ82や位置検出センサ83からの信号は、それぞれに設定されている基準範囲と比較され、基準範囲から外れている場合は、報知部57を通じて視覚的警報や聴覚的警報が与えられる。
加熱挙動算定部52は、加熱時間算定部521と加熱強度算定部522と挙動導出テーブル523を含んでいる。加熱時間算定部521は、シート材7の表面温度と環境温度との情報を含む温度検出信号から挙動導出テーブル523を用いて加熱時間を算定する。加熱強度算定部522は、温度検出信号から挙動導出テーブル523を用いて加熱強度(誘導加熱の強さ)を算定する。その際、加熱時間を単位時間に区切って、その単位時間毎に加熱強度を算定すれば、経時的な加熱強度曲線が得られる。この加熱強度曲線に基づく加熱制御指令は加熱制御部53に転送される。加熱制御部53は、受け取った加熱制御指令に基づいて、制御信号を給電部3に与える。給電部3は、受け取った制御信号に基づいて、固定具70において適切な加熱挙動が実現するようにパワーエレクトロ回路(インバータ回路や昇圧回路など)を継時的に制御する。
冷却制御部54は、誘導加熱の終了後、冷却ファンユニット60に冷却制御信号を与え、冷却ファンを駆動して、加熱コイル40及びシート材7を冷却する。この冷却の間、パッド43を介して固定具70の上方に位置するシート材7を押し付けることで、固定具70とシート材7との接着固定が良好に促進される。
メモリデバイス55には、誘導加熱を用いた各固定具70に対する接着固定に関する作業データが書き込まれる。データ通信部56はオプショナルな機能であり、作業データなどの内部データを外部に送信する機能や外部から送信されてきたデータを受信するために用いられる。
図8には、本発明による携帯用電磁誘導加熱装置の別実施形態として、超小型のピストル型電磁誘導加熱装置が示されている。ハウジング1はL字形に屈曲した筒体であり、その一端側に充電式のバッテリ2が配置され、その他端側に電磁加熱コイルユニット4が配置されている。電磁加熱コイルユニット4の先端、つまり加熱対象物HOに向き合う面にはパッド43が装着されている。ハウジング1の中間部には、片手で握りやすい形状のグリップ部190が形成され、グリップ部190を握った手の指で操作しやすい位置に操作スイッチ81として機能するトリガーが設けられている。グリップ部190の内部には制御ユニット5が配置され、制御ユニット5と電磁加熱コイルユニット4との間に給電部3が配置されている。グリップ部190の周辺に報知部57として機能するフラットパネルが設けられており、種々の情報が表示可能である。さらに、メモリデバイス55として機能する着脱可能な半導体メモリカードも装着されている。なお、図8では図示されていないが、その他種々のセンサ・スイッチ群8や温度検出ユニット80、さらにはGPSユニット800を装備することも可能である。片手操作を可能にするため、バッテリ2には軽量で小型の高性能バッテリが用いられているが、電磁誘導加熱を長時間続けるためにはバッテリ容量が不足するので、作業者は常時複数の予備バッテリ2を持参し、バッテリ交換しながら作業を進める。
〔その他の実施形態〕(1)上述した実施形態では、加熱挙動算定部52は、温度検出ユニット80から出力される表面温度と環境温度とを含む温度検出信号を入力パラメータとして加熱時間と加熱強度とによって規定される加熱挙動を算定している。これに代えて、入力パラメータとして表面温度だけ、あるいは環境温度だけを用いてもよい。また、図9で示すように、より正確に固定具70の温度を推定することができるように、入力パラメータとして表面温度と環境温度とを含む温度検出信号だけでなく、GPSユニット800から出力される地域データや時刻データを含むGPSデータも採用してもよい。このGPSデータにより、地域、季節、時間帯などを加熱挙動の算定に利用することができる。
(2)上述した実施形態では、バッテリ2と給電部3と制御ユニット5とは電磁加熱コイルユニット4と冷却ファンユニット60とがハウジング1によって一体的に組み付けられている。これに代えて、電源としての別体とし、電磁加熱コイルユニット4や給電部3などを組み付けているハウジング1から分離して、バッテリ2から給電部3にケーブルを用いて接続してもよい。さらには、バッテリ2と給電部3とを一体構成として、給電部3と電磁加熱コイルユニット4とをケーブルで接続してもよい。
(3)図7で示された制御ユニット5の各機能部は、説明目的で便宜上区分けされたものであり、任意の複数の機能部を統合してもよいし、各機能部をさらに区分けしてもよい。
本発明は、磁気誘導加熱を利用する携帯用加熱装置に適用可能である。
1 :ハウジング
2 :バッテリ
3 :給電部
4 :電磁加熱コイルユニット
40 :加熱コイル
41 :基台
5 :制御ユニット
51 :検出信号評価部
52 :加熱挙動算定部
53 :加熱制御部
54 :冷却制御部
6 :冷却機構
60 :冷却ファンユニット
7 :シート材
70 :固定具
71 :接着層
8 :センサ・スイッチ群
80 :温度検出ユニット
81 :操作スイッチ
82 :感圧スイッチ
83 :位置検出センサ
521 :加熱時間算定部
522 :加熱強度算定部
523 :挙動導出テーブル
800 :GPSユニット
801 :表面温度検出器
802 :環境温度検出器
100 :携帯用電磁誘導加熱装置
HO :加熱対象物

Claims (5)

  1. 防水下地に固定された多数の固定具の上に敷設された防水シートの上方から、前記固定具を電磁誘導によって加熱することで前記防水シートを前記固定具に溶着する携帯用電磁誘導加熱装置であって、
    充電可能なバッテリと、
    電磁加熱コイルユニットと、
    前記バッテリからの電力を用いて前記電磁加熱コイルユニットに電流を供給する給電部と、
    前記防水シートと前記固定具との溶着箇所または前記溶着箇所の周辺領域あるいはその両方の温度を測定して温度検出信号を出力する温度検出ユニットと、
    前記温度検出信号に基づいて前記電磁加熱コイルユニットによる誘導加熱の強度及び時間を含む加熱挙動を算定する加熱挙動算定部と、
    前記加熱挙動に基づいて前記電磁加熱コイルユニットによる電磁誘導加熱を制御する加熱制御部と、を備え、
    前記温度検出ユニットには、前記防水シートの周辺の環境温度を検出して、前記温度検出信号として出力する環境温度検出器が含まれている携帯用電磁誘導加熱装置。
  2. 加熱対象物を電磁誘導によって加熱する携帯用電磁誘導加熱装置であって、
    充電可能なバッテリと、
    電磁加熱コイルユニットと、
    前記バッテリからの電力を用いて前記電磁加熱コイルユニットに電流を供給する給電部と、
    前記加熱対象物または前記加熱対象物の周辺領域あるいはその両方の温度を測定して温度検出信号を出力する温度検出ユニットと、
    前記温度検出信号に基づいて前記電磁加熱コイルユニットによる誘導加熱の強度及び時間を含む加熱挙動を算定する加熱挙動算定部と、
    前記加熱挙動に基づいて前記電磁加熱コイルユニットによる電磁誘導加熱を制御する加熱制御部と、
    前記電磁加熱コイルユニットを冷却する冷却機構と、
    前記冷却機構を制御する冷却制御部と、を備え、
    前記電磁加熱コイルユニットの加熱コイルを載置するとともに前記加熱対象物に向き合う形状を有する基台に冷却通路が形成され、前記冷却機構は冷却ファンを備え、前記冷却ファンからの冷却風は、前記加熱コイルを通り抜けた後に、前記冷却通路に流れ込むように構成されている携帯用電磁誘導加熱装置。
  3. 前記加熱対象物はシート材と接合する面状接着層を有する固定具であり、前記電磁加熱コイルユニットが前記シート材を挟んで前記固定具の面状接着層に対向可能な接触面を有し、
    前記温度検出ユニットには、前記シート材の表面温度を検出する表面温度検出器が含まれている請求項2に記載の携帯用電磁誘導加熱装置。
  4. 前記加熱挙動は時間経過とともに変化する誘導加熱の強度であり、前記加熱制御部には前記温度検出信号から前記加熱挙動を導出するテーブルが設定されている請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯用電磁誘導加熱装置。
  5. 前記バッテリと前記電磁加熱コイルユニットと前記給電部と制御ユニットとがハウジングを通じて一体的に組みつけられている請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯用電磁誘導加熱装置。
JP2014215577A 2014-10-22 2014-10-22 携帯用電磁誘導加熱装置 Active JP6490389B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014215577A JP6490389B2 (ja) 2014-10-22 2014-10-22 携帯用電磁誘導加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014215577A JP6490389B2 (ja) 2014-10-22 2014-10-22 携帯用電磁誘導加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016081880A JP2016081880A (ja) 2016-05-16
JP6490389B2 true JP6490389B2 (ja) 2019-03-27

Family

ID=55958931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014215577A Active JP6490389B2 (ja) 2014-10-22 2014-10-22 携帯用電磁誘導加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6490389B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7213543B2 (ja) * 2019-06-05 2023-01-27 アーキヤマデ株式会社 誘導加熱溶着装置
CN114833206B (zh) * 2022-05-25 2023-12-22 太原理工大学 一种用于超大h型钢轧制过程的电磁感应补热装置及方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001033909A2 (en) * 1999-11-03 2001-05-10 Nexicor Llc Hand held induction tool
JP2005019374A (ja) * 2003-05-30 2005-01-20 Tokyo Denki Univ 携帯用電磁誘導加熱装置
JP4155577B2 (ja) * 2003-08-25 2008-09-24 学校法人東京電機大学 パイプ誘導加熱装置
WO2006090462A1 (ja) * 2005-02-24 2006-08-31 Goshi Kaisha Brownie 電磁誘導加熱装置
JP2006351477A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Toyota Motor Corp 高周波加熱装置、高周波加熱方法および表面温度センサ
JP6009465B2 (ja) * 2012-01-17 2016-10-19 シーカ・テクノロジー・アーゲー 電磁誘導加熱装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016081880A (ja) 2016-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6009465B2 (ja) 電磁誘導加熱装置
JP6452418B2 (ja) 携帯用誘導加熱溶着装置
TWI333877B (en) Spindle inclination detector and machine tool including the same
JP6452417B2 (ja) 携帯用誘導加熱溶着装置
JP6596761B2 (ja) スマートアンダーレンジ用調理容器下敷き装置
JP6490389B2 (ja) 携帯用電磁誘導加熱装置
CN109565910B (zh) 操作感应加热装置的方法和对工件进行感应加热的装置
FR2972012B1 (fr) Procede d'assistance au placement d'elements de construction d'un ouvrage de genie civil
JP6456096B2 (ja) 携帯用電磁誘導加熱装置
JP4855387B2 (ja) 電磁誘導加熱装置
KR101428630B1 (ko) 플라스틱 부재의 열융착 시스템 및 방법
JP6589164B2 (ja) 電磁誘導加熱装置
JP2016066417A (ja) 建築土木用電磁誘導加熱装置および建築土木用シートの固定構造
KR101507368B1 (ko) 쟁반 균형 유지 장치 및 이를 포함하는 서빙용 로봇
JP2004316152A (ja) 防水シートの熱融着方法及び防水シートの熱融着装置
JP6130455B2 (ja) 複数のモータ駆動装置を備えるモータ駆動装置組立体、およびヒートシンクを備えたモータ駆動装置
US20150382447A1 (en) Module assembly and display device
JP6448964B2 (ja) 誘導加熱装置およびそれを用いた建築・土木用シートの施工構造
JP6406768B2 (ja) モジュール部品及び表示装置
US11076455B2 (en) Induction heating tool for membrane roofing
JP4706136B2 (ja) ホットメルト接着テープにおけるホットメルト接着剤の溶融確認方法
KR100615275B1 (ko) 전자유도 가열장치
CN107942650A (zh) 组合式固体颗粒热疗设备
JP2005307737A (ja) フローリング施工用電磁誘導加熱装置
KR200326685Y1 (ko) 냉·온열 건강장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180731

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181211

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6490389

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250