JP4602114B2 - 防水シートの固定方法および加圧治具 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁誘導加熱によって防水シートを下地へ固定する方法に関する。
防水シートのコンクリートなどからなる下地へ防水層を形成する方法において機械的固定工法がある。機械的固定工法とは浮かし貼り工法とも呼ばれ、接着剤を用いず、ボルト、ネジ又は釘などのアンカー部材により防水シートを局所的に下地に対して固定する方法である。
この機械的固定工法において、特許文献1に記載されているように下地に導体片をビスなどのアンカー部材で固定し、防水シートを導体片に接着する場合において、導体片の表面に熱融着層を被覆し、電磁誘導加熱によって導体片を加熱して樹脂フイルムを融解させ防水シートと熱融着するといった方法がある。この方法によると熱融着によって簡単に防水シートを下地に固定できるとともに、防水シートに貫通孔をあけることなく防水シートの下地への固定を行うことができ、漏水に対する信頼性の高い機械的固定工法とすることができる。
一方、特許文献2には建築物の屋上防水に用いる防水シートとしてフッ素樹脂からなるものを用いることが記載されている。特許文献2においてはシール材とフッ素樹脂からなる防水シートをプライマーにて接着する技術が開示されているが、通常フッ素樹脂は接着剤による接着が困難であり、熱融着による固定方法が採られる。しかし、その特性上、一般的に汎用されている熱可塑組成樹脂と比べ融点が300℃以上と高く溶融しにくい。また、樹脂の種類によっても若干異なりフッ素樹脂の中でもPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂の場合は380℃程度で加熱時間も90秒などかなり長時間加熱する必要がある。またシート厚みも薄手のものを用いている。
さらに、特許文献3には、防水シートの施工法について開示されている。この防水シートの施工法においては、防水シートの加熱を行い熱融着した後、強制冷却を行うことにより、熱融着後に防水シートが熱により溶けて変形することを防止することができる。
特開平4−254649号公報 特開2003−3619号公報 特開平8−74390号公報
しかしながら、特許文献1に記載の建築用防水シート施工法においては、加熱温度または加熱時間により下地側の熱融着層を有する導体片に融着する防水シートの裏面のみならず、防水シートの上面まで加熱されて軟化または溶融してしまうことがある。この場合、防水シート内部の補強布または複層構成内部の空気が熱膨張される。そして、内部の空気などが気泡となり防水シートに細孔が形成されたり、加熱で軟化した樹脂の粘着性によって防水シートが電磁誘導加熱機へ付着したりするという課題があった。
このように、電磁誘導加熱機を防水シート表面から剥脱する場合、防水シートに要求される水密性および透気性等の性能が低下する課題、および溶融により防水シートの表面性状が周囲と比べて変化し、性能における均一性を失うとともに外観を損なうという課題があった。
さらに、防水シートと導体片との融着を完了させるためには、十分に冷却されるまで加圧を保持しなければならず、電磁誘導加熱機を所定位置にセットして、加圧するとともに加熱し、加熱が終了した後、加圧状態を保持したまま冷却するのを待ち続け、冷却が完了してから加圧状態を解除するという一連の長期に渡る作業が必要となる。
一方、特許文献2で示すように、防水シートにフッ素樹脂を用いた場合、防水シートの厚みも薄く、加熱温度もかなり高めであるとともに加熱時間も長くなるので、熱融着する部位において防水シート表面の溶融による課題が発生しやすい。また、加熱温度が高いことから冷却にも時間がかかり作業効率の低下が課題となる。
また、特許文献3の防水シート施工法においては、加熱後に強制冷却を行ったとしても、防水シートの熱融着時において防水シートの変形が生じた場合、その変形を防止できないという課題があった。
本発明の目的はこのような問題を解決し、防水シートの表面が溶融して防水シートの特性および外観を劣化させることなく、かつ防水シートを下地へ固定する作業効率を向上させることができる防水シートの固定方法および加圧冶具の提供することである。
(1)
第1の発明にかかる防水シートの固定方法は、導電性部材の少なくとも上面に熱可塑性樹脂からなる被覆材を配した固定具を下地に固定し、固定具の上に防水シートを敷設して電磁誘導加熱によって導電性部材を加熱して被覆材と防水シートの裏面とを熱融着する防水シートの固定方法において、防水シートの熱融着する部位の表面を冷却しつつ熱融着を行うものである。
第1の発明にかかる防水シートの固定方法においては、下地に固定具を配し、固定具上に防水シートを敷設する。この防水シートの表面を冷却しつつ電磁誘導加熱を行う。
この場合、防水シートの裏面と固定具とを被覆材を介して確実に熱融着させることができる。また、電磁誘導加熱機による加熱が高温で長時間に及ぶ場合でも、熱融着前から熱融着後まで継続して防水シートの表面を低温に保つことができるので、防水シートの溶融により生じる気泡または細孔の発生を防止するとともに性能の低下を防止でき、さらに外観不良を防止することができる。また、継続して冷却するので、防水シートと固定具とを熱融着する一連の作業において防水シートの冷却に要する時間を短縮することができるので、作業効率を向上させることができる。
(2)
防水シートの熱融着する部位の表面を冷却する場合に、さらに防水シートの熱融着する部位の表面を加圧しつつ熱融着を行ってもよい。
この場合、熱融着させつつ加圧を行うことができるので、被覆材を介して防水シートの裏面と固定具とをさらに確実に融着することができる。
(3)
電磁誘導加熱を行う場合に防水シートの熱融着する部位の表面を冷却する保水部材を介在させてもよい。
この場合、熱融着前から熱融着後まで継続して保水部材を介在させて冷却を行うので、安定して防水シートの表面の熱融着する部位を冷却することができる。また、冷却水を含ませた保水部材を用いることにより、極めて容易に冷却することができる。
(4)
防水シートは、基布にフッ素樹脂を被覆した複合シートまたはフッ素樹脂のみからなってもよい。
この場合、フッ素樹脂からなる防水シートのようにシート厚みが薄く、かつ高温度で長時間加熱する必要がある防水シートにおいても、熱融着前から熱融着後まで継続して冷却を行うことができるので、熱融着時に防水シート表面が溶融することを防止することができる。
(5)
加圧は、固定具の周辺部における防水シート表面を加圧することによって、防水シートを固定具に対して押し付けてもよい。
この場合、防水シートの張力により固定具に対して間接的に加圧をかけることができ、固定具と防水シートの裏面とを被覆材を介して均一に固定することができる。
(6)
加圧は、冷却の完了まで行ってもよい。この場合、加圧しながらの加熱を行った後、冷却の完了まで防水シートの張力により固定具に対して間接的に加圧をかけることができるので、固定具と防水シートの裏面とを被覆材を介してさらに均一に固定することができる。
(7)
熱融着する部位における防水シートの表面に被せて防水シートを冷却する保水部材と、熱融着する部位の周辺部を加圧する加圧部材とを一体化して含む治具を用いて、防水シートの熱融着する部位の表面を冷却しつつ、防水シートの熱融着する部位の表面の加圧とを行ってもよい。
この場合、保水部材と加圧部材とを備えた冶具により、熱融着前から熱融着後まで継続して防水シートの表面を冷却し、固定具真上または周辺部を加圧することができる。また、電磁誘導加熱機を取り除く際の負圧の影響を抑え、冷却過程にわたって防水シートの張力による間接的な加圧を継続することができ、熱融着の品質を確保することができるとともに工程上の時間短縮を行うことができる。
(8)
電磁誘導加熱は、電磁誘導加熱を行う電磁誘導加熱機と導電性部材との間隔を10mm以下に設定してもよい。
この場合、電磁誘導加熱機と導電性部材との間隔を10mm以下に設定するので、電磁誘導加熱機からの電磁誘導を固定具の導電性部材に確実に付与することができ、加熱不足の問題を防止することができ、加熱に要する時間を短くすることができる。
(9)
第2の発明にかかる加圧冶具は、導電性部材の少なくとも上面に熱可塑性樹脂からなる被覆材を配した固定具を下地に固定し、固定具の上に防水シートを敷設して電磁誘導加熱によって導電性部材を加熱して被覆材と防水シートの裏面とを熱融着する場合に用いる加圧治具において、熱融着する部位における防水シートの表面に被せて防水シートを冷却する保水部材と、熱融着する部位の周辺部を加圧する加圧部材とを一体化して含むものである。
第2の発明にかかる加圧冶具においては、保水部材と加圧部材とを一体化して備える。この場合、電磁誘導加熱機を取り除く際の負圧の影響を抑えるとともに、熱融着前から熱融着後まで継続して冷却することができ、さらに防水シートの張力による間接的な加圧および保水部材の張力による間接的な加圧を固定具に対して加えることができるので、熱融着の品質を確保することができるとともに工程上の時間短縮を行うことができる。
以下、図面を用いて本発明の具体的な実施態様について説明する。図1は、本発明の防水シートの固定方法を施す工程の一例を示す模式的断面図である。図1(a)〜図1(e)は、それぞれ工程を示す。
まず、図1(a)に示すように、コンクリートなどからなる下地1に対して複数の固定具2(図1(a)では1個の固定具2を図示)をアンカー部材3で所定間隔をもって固定配置する。固定具2は、導電性部材5および導電性部材5の上に設けられた被覆材6からなる。配置される固定具2の数は、下地1の状態、後述する防水シート4の大きさ、材質および特性により異なる。
なお、この固定具2およびアンカー部材3は、防水シート4が風雨などの影響により浮き上がったりしないように下地1に固定するためのものである。この浮き上がりを防止するため、例えば固定具2の配置の具体例として、1平方メートル当り1個〜4個程度を均等に配置する方法がある。
また、本実施の形態における導電性部材5は、電磁誘導加熱によって加熱する導体からなる。導電性部材5は、さらに防錆性および耐候性の特性を有するものが好ましく、例えば冷間圧延ステンレス鋼板、ガルバニウム鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、溶融アルミニウムメッキ鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板などの金属からなる。
また、導電性部材5の大きさは、直径(φ)60mm以上〜直径100mm以下程度の円形または正方形、矩形などのディスク形状もしくはプレート形状からなる。この導電性部材5の厚みは使用する金属の種類によってもそれぞれ異なるが、主に0.4mm以上〜2.0mm以下程度のものが用いられる。この数値範囲の根拠は、厚みが0.4mm未満であると剛性が低く屋根葺材としての形状を保つことができないこと、厚みが2.0mmを超えるとなると加工性が乏しくなる上に、重量が大きくなって好ましくないことによる。特に導電性部材5としてステンレス鋼を用いる場合、厚みが0.5mm以上〜1.0mm以下であることが最も好ましい。ステンレス鋼であれば剛性も十分に得られ、また金切り鋏で簡単に切断加工することができ、施工時の加工も容易という特徴を有する。
また、本実施の形態における被覆材6は、防水シート4と融着が可能な熱可塑性素材である。例えば、被覆材6として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテートなどのオレフィン樹脂、またはそれらを変成した塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、マレイン化エチレンビニルアセテートなどの変成オレフィン樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどを用いてもよい。さらに被覆材6としてフッ素樹脂を用いてもよい。例えば、被覆材6として、PTFE(四フッ化ポリエチレン)樹脂、PFA(四フッ化エチレン・パープルオロアルコキシエチレン)樹脂、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化エチレン共重合体)樹脂、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン樹脂)、PVDF(ビニリデンフルオライド)樹脂、PVF(ポリビニルフルオライド)樹脂、CTFE(クロロトリフルオロエチレン)樹脂・ECTFE(エチレントリフルオロエチレン)樹脂などを用いてもよい。
次に、図1(b)に示すように、防水シート4を固定具2の上から覆い被せるように配設する。この防水シート4は、例えば幅が1m〜2mの複数の防水シートを接続(ジョイント)してなる。それにより、現場の広さに応じた防水シート4を形成することができる。なお、通常防水シート4は、現場の全面に配置するものであるが、必ずしも全面に配置する必要があるというわけではなく、防水シート4の配設を望む範囲(部分的な範囲)に応じて防水シート4を形成してもよい。
本実施の形態における防水シート4は、例えば、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、イソプレン・イソブチレン共重合体(IIR)等、またはそれらの素材に基布を埋設または積層した複合物からなる。また、フッ素樹脂としては、PTFE(四フッ化ポリエチレン)樹脂、PFA(四フッ化エチレン・パープルオロアルコキシエチレン)樹脂、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化エチレン共重合体)樹脂、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン樹脂)、PVDF(ビニリデンフルオライド)樹脂、PVF(ポリビニルフルオライド)樹脂、CTFE(クロロトリフルオロエチレン)樹脂・ECTFE(エチレントリフルオロエチレン)樹脂などの主鎖及び側鎖の炭素・フッ素結合で構成されてなるパーフルオロ樹脂からなるフッ素樹脂を用いることができる。さらに、複合する基布としてはガラス繊維や金属繊維、その他ポリエステル、ナイロン繊維などの基布を用いることができる。
また、本実施の形態においては、フッ素樹脂からなる防水シート4の厚みが0.4mm以上〜1.5mm以下程度と薄く、200℃を超えるような高い温度環境下で8秒〜20秒程度の長時間加熱の必要がある防水シート4において、特に効果が顕著に現れる。すなわち、熱融着時に防水シート4の表面が溶融する可能性が高い条件において本発明の効果が顕著に発揮される。その詳細については後述する。
また、本実施の形態においては、防水シート4の材質を上記物質のいずれかを用いることとしたが、これに限定されず、例えば、フッ素樹脂を含有しない素材として、エチレンプロピレンジェンモノマー(EPDM)、イソプレン・イソブチレン共重合体(IIR)等を挙げることができる。
この場合、防水シート4の厚みは、0.8mm以上〜2.5mm以下程度の厚みのものが用いられる。この数値範囲の根拠は、厚みが0.8mm未満である場合、防水シート4自体の強度が不足することと、厚みが2.5mmを超えると接合部において段差が大きくなり過ぎて外観を損ねたり、防水シート4同士の接合部における浮きあがりの課題が発生したりすることによる。したがって、強度を問題としない場合または外観を問わない場合には、防水シート4の厚みの範囲を0.8mm未満または2.5mmより厚く設定してもよい。
次いで、図1(c)に示すように、固定具2および防水シート4の上に冶具11を配設する。
図2は、冶具11の一例を示す外観斜視図である。図2に示すように、この冶具11は、錘8および保水部材9が一体化して形成されている。錘8はドーナツ形状を有し、断面が略矩形状からなる。その錘8の内側および下面に保水部材9が設けられる。
ドーナツ状の錘8を配置することによって固定具2周辺の防水シート4が押さえつけられて、防水シート4は自分自身の張力で固定具2を間接的に押さえつけるので、固定具2に対して加圧されたのと同じ状態になる。防水シート4の固定具2への加圧力は0.1N/mm2 以上であることが好ましい。また、防水シート4自身の張力での加圧だけでなく、必要に応じて電磁誘導加熱機7を介して加圧を行ってもよい。
本実施の形態における保水部材9は、冷却可能な部材からなり、防水シート4の表面を冷却するとともに、熱融着する部位を加圧するために用いられる。例えば保水部材9は、ポリフェノール、ポリスチレン、デンプンーアクリロニトリル重合体、ポリビニルアルコール等からなる発泡シートまたはその他綿等からなる布材等を用いることができ、十分な保水量を確保し高温での加熱時においても防水シート4の表面を十分に冷却できるものを用いることが好ましい。さらに、錘8と保水部材9とを一体化することで防水シート4自身の張力による加圧力以外にも保水部材9の張力により熱融着する部位に対して圧力をかけることができるとともに、保水部材9が防水シート4とより密着してその冷却効果を安定して得ることができる。
なお、保水部材9の厚みは、十分な冷却効果を得ることができるだけの保水量を確保する必要があることから0.3mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましい。また、後述する電磁誘導加熱気7による加熱を行うという観点からは5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。
続いて、図1(d)に示すように、固定具2、防水シート4および冶具11の保水部材9上に電磁誘導加熱機7を配設する。そして、電磁誘導加熱機7を稼動させることにより、導電体からなる導電性部材5に渦電流が発生し、導電性部材5が加熱される。それにより、被覆材6が溶融し、導電性部材5と防水シート4とが被覆材6を介して固着される。冷却が終わったら冶具11を撤去し、図1(e)のように固定具2を介在して防水シート4の下地1への固定が完了する。
また、加熱時に効率的な加熱を行うという観点から電磁誘導加熱機7と導電性部材5との間隔は10mm以下に設定することが好ましい。
以上のように、本発明にかかる防水シートの固定方法によれば、被覆材6を介して防水シート4の裏面と導電性部材5とを確実に融着することができる。また、電磁誘導加熱機7による加熱が高温で長時間に及ぶ場合でも、防水シート4の表面を低温に保つことができるので、防水シート4の溶融により生じる気泡または細孔の発生を防止するとともに防水性能の低下を防止でき、さらに外観不良を防止することができる。また、防水シート4と固定具2とを熱融着する一連の作業において防水シート4の冷却に要する時間を短縮することができることから作業効率を向上させることができる。さらに錘8を固定具2の周辺に配置することで固定具2に対して防水シート4を加圧することができ、電磁誘導加熱機7による加圧後に固定具2の上に別途錘を配置するなどして加圧する作業が不要になる。
また、熱融着させつつ電磁誘導加熱機7による加圧を行ってもよく、被覆材6を介して防水シート4の裏面と導電性部材5とをさらに確実に融着することができる。
さらに、保水部材9を介在させて電磁誘導加熱前から電磁誘導加熱後まで継続して冷却を行うので、フッ素樹脂からなる防水シートのようにシート厚みが薄く、かつ高温度で長時間加熱する必要がある防水シートにおいても、安定して防水シート4の表面の熱融着する部位を冷却することができる。また、冷却水を含ませた保水部材9を用いることにより、極めて容易に防水シート4を冷却することができる。
また、錘8により熱融着する部位の周辺部において均一に防水シート4を加圧することで間接的に融着部位の加圧をすることができるので、加熱前から加熱時を通じて加圧することができ、防水シート4と固定具2との確実な熱融着ができるとともに、加熱が終わった後の冷却中の加圧の為に固定具2に別途錘を配置する必要がない。また、電磁誘導加熱機7を融着部位の冷却が完了する前に移動することができるので、他の箇所の防水シート4の固定を行うことができ、工程上の時間短縮を行うことができる。
また、保水部材9と錘8とを備えた冶具11により、防水シート4の表面を冷却しつつ、固定具2真上または周辺部を容易に加圧することができる。その結果、電磁誘導加熱機7を取り除く際の負圧の影響を抑え、冷却過程にわたって加圧を継続することができ、熱融着の品質を確保することができるとともに工程上の時間短縮を行うことができる。
さらに、電磁誘導加熱機7と導電性部材5との間隔を10mm以下に設定した場合、電磁誘導加熱機7からの電磁誘導を導電性部材5に確実に付与することができ、加熱不足の問題を防止することができ、加熱に要する時間を短くすることができる。
(他の例)
図3は、上記実施の形態における図1の防水シートの固定方法の他の例を示す模式的断面図である。以下、図1の防水シート4の固定方法と異なる部分について説明する。
図3に示す防水シート4の固定方法においては、図1および図2の防水シート4の固定方法において用いた冶具11を用いない。図3においては、図1および図2の冶具11の代わりにそれぞれ単体からなる保水部材9aおよび錘8aを用いる。
したがって、固定具2および防水シート4の上に保水部材9aを配設し、周囲に錘8aを配設する。その他の工程においては、図1および図1の防水シート4の固定方法と同様である。
以上のように、本発明にかかる防水シートの固定方法によれば、固定具2の周囲にドーナツ状の錘8aを配置することで図1に示す例と同様に防水シート4を固定具2に押し付けて加圧することができるので、被覆材6を介して防水シート4の裏面と導電性部材5とを確実に融着することができる。また、電磁誘導加熱機7による加熱が高温で長時間に及ぶ場合でも、防水シート4の表面を低温に保つことができるので、防水シート4の溶融により生じる気泡または細孔の発生を防止するとともに防水性能の低下を防止でき、さらに外観不良を防止することができる。また、防水シート4と固定具2とを熱融着する一連の作業において防水シート4の冷却に要する時間を短縮することができることから作業効率を向上させることができる。
また、熱融着させつつ電磁誘導加熱機7による加圧を行ってもよく、被覆材6を介して防水シート4の裏面と導電性部材5とをさらに確実に融着することができる。
さらに、保水部材9aを介在させて冷却を行うので、フッ素樹脂からなる防水シートのようにシート厚みが薄く、かつ高温度で長時間加熱する必要がある防水シートにおいても、安定して防水シート4の表面の熱融着する部位を冷却することができる。また、冷却水を含ませた保水部材9aを用いることにより、極めて容易に防水シート4を冷却することができる。
また、錘8aにより熱融着する部位の周辺部において均一に防水シート4を加圧することで間接的に融着部位の加圧をすることができるので、加熱前から加熱時を通じて加圧することができ、防水シート4と固定具2との確実な熱融着ができるとともに、加熱が終わった後の冷却中の加圧の為に固定具2に別途錘を配置する必要がない。また、電磁誘導加熱機7を融着部位の冷却が完了する前に移動することができるので、他の箇所の防水シート4の固定を行うことができ、工程上の時間短縮を行うことができる。
さらに、電磁誘導加熱機7と導電性部材5との間隔を10mm以下に設定した場合、電磁誘導加熱機7からの電磁誘導を導電性部材5に確実に付与することができ、加熱不足の問題を防止することができ、加熱に要する時間を短くすることができる。
本発明にかかる実施の形態においては、導電性部材5が導電性部材に相当し、被覆材6が熱可塑性樹脂からなる被覆材に相当し、固定具2が固定具に相当し、下地1が下地に相当し、防水シート4が防水シートに相当し、保水部材9,9aが保水部材に相当し、錘8,8a,10が加圧または加圧部材に相当し、冶具11が治具に相当し、電磁誘導加熱機7が電磁誘導加熱機に相当する。
本発明は、上記の好ましい実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
以下、本発明の効果を確認するために実施例と比較例にて比較試験を行った。
(実施例1)
実施例1においては、図3に示す錘8aを用いずに、保水部材9aのみを用いた。実施例1における防水シート4の厚みは、0.8mmであり、保水部材9aとして、水分を吸収させたさらし布(綿製織布)を用いた。また、電磁誘導加熱機7による加圧ではなく、別個防水シート4の上から錘4kgの荷重をかけるとともに電磁誘導加熱機7を用いて10秒間、加熱を行い、その後、保水部材9aを3分間存置した。
実施例1における防水シート4の表面の状態を観察するとともに防水シート4と固定具2との間の最大引張力を測定した。試験条件は室温で引張速度200mm/分で行った。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例2においては、図3に示すように、保水部材9aを用いるとともに、融着部の周囲にドーナツ状の錘8aを配置して周辺を加圧しながら融着を行い、その後、保水部材9aを3分間存置した。その他の工程は実施例1と同様である。
実施例1と同様に、実施例2における防水シート4の表面の状態を観察するとともに防水シート4と固定具2との間の最大引張力を測定した。試験条件は室温で引張速度200mm/分で行った。その結果を表1に示す。
(比較例)
比較例においては、実施例2において使用した保水部材9aを用いずに、融着部の周囲にドーナツ状の錘8aを配置して周辺を加圧しながら融着を行った。その他の工程は、実施例2と同様である。
実施例1および実施例2と同様に、比較例における防水シート4の表面の状態を観察するとともに防水シート4と固定具2との間の最大引張力を測定した。試験条件は室温で引張速度200mm/分で行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004602114
(評価)
実施例1および実施例2の測定結果を比較した場合、最大引張力において2倍以上の差が生じていることが分かる。このことより、防水シート4を被覆材6を介して導電性部材5に融着する場合に、周囲を錘8aで加圧しながら行うことにより、防水シート4の固定強度を格段に上げることができることがわかった。
また、実施例1および実施例2と、比較例との測定結果を比較した場合、最大引張力が格段に向上し、さらに防水シートの外観も向上することがわかった。
なお、比較例の測定結果においては、固定後の防水シート4の表面に光沢が発生している。この光沢の原因は、電磁誘導により生じた加熱が防水シート4の表面にまで到達し、防水シート4の表面が溶融もしくは軟化した状態で負荷がかけられたためだと考えられる。
本発明は、ビルなどの建築物の屋上などにおいて防水工事を行う際に利用することができる。
本発明の防水シートの固定方法を施す工程の一例を示す模式的断面図 冶具の一例を示す外観斜視図 図1の防水シートの固定方法の他の例を示す模式的断面図
符号の説明
1 下地
2 固定具
3 アンカー部材
4 防水シート
5 導電性部材
6 被覆材
7 電磁誘導加熱機
8 錘
9,9a 保水部材
8,8a,10 錘
11 冶具

Claims (9)

  1. 導電性部材の少なくとも上面に熱可塑性樹脂からなる被覆材を配した固定具を下地に固定し、前記固定具の上に防水シートを敷設して電磁誘導加熱によって前記導電性部材を加熱して前記被覆材と前記防水シートとを熱融着する防水シートの固定方法において、
    前記防水シートの熱融着する部位の表面を冷却しつつ前記熱融着を行うことを特徴とする防水シートの固定方法。
  2. 前記防水シートの熱融着する部位の表面を冷却する場合に、さらに前記防水シートの熱融着する部位の表面を加圧しつつ前記熱融着を行うことを特徴とする請求項1記載の防水シートの固定方法。
  3. 前記電磁誘導加熱を行う場合に防水シートの前記熱融着する部位の表面を冷却する保水部材を介在させたことを特徴とする請求項1または2記載の防水シートの固定方法。
  4. 前記防水シートは、基布にフッ素樹脂を被覆した複合シートまたはフッ素樹脂のみからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防水シートの固定方法。
  5. 前記加圧は、前記固定具の周辺部における防水シートの表面を加圧することによって防水シートの張力で前記固定具に押し付けることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の防水シートの固定方法。
  6. 前記加圧は、冷却の完了まで行うことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の防水シートの固定方法。
  7. 前記熱融着する部位における防水シートの表面に被せて防水シートを冷却する保水部材と、
    前記熱融着する部位の周辺部を加圧する加圧部材とを一体化して含む治具を用いて、
    前記防水シートの熱融着する部位の表面を冷却しつつ、前記防水シートの熱融着する部位の表面を加圧することを特徴とする請求項5または6記載の防水シートの固定方法。
  8. 前記電磁誘導加熱は、
    前記電磁誘導加熱を行う電磁誘導加熱機と前記導電性部材との間隔が10mm以下に設定されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防水シートの固定方法。
  9. 電性部材の少なくとも上面に熱可塑性樹脂からなる被覆材を配した固定具を下地に固定し、前記固定具の上に防水シートを敷設して電磁誘導加熱によって前記導電性部材を加熱して被覆材と防水シートの裏面とを熱融着する場合に用いる加圧治具において、
    熱融着する部位における防水シートの表面に被せて防水シートを冷却する保水部材と、
    熱融着する部位の周辺部を加圧する加圧部材とを一体化して含むことを特徴とする加圧治具。
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