JP6449826B2 - 積層セラミック電子部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、サイドマージン部が後付けされる積層セラミック電子部品及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化及び高性能化に伴い、電子機器に用いられる積層セラミックコンデンサに対する小型化及び大容量化の要望がますます強くなってきている。この要望に応えるためには、積層セラミックコンデンサの内部電極を拡大することが有効である。内部電極を拡大するためには、内部電極の周囲の絶縁性を確保するためのサイドマージン部を薄くする必要がある。
この一方で、一般的な積層セラミックコンデンサの製造方法では、各工程(例えば、内部電極のパターニング、積層シートの切断など)の精度により、均一な厚さのサイドマージン部を形成することが難しい。したがって、このような積層セラミックコンデンサの製造方法では、サイドマージン部を薄くするほど、内部電極の周囲の絶縁性を確保することが難しくなる。
特許文献1には、サイドマージン部を後付けする技術が開示されている。つまり、この技術では、積層シートを切断することにより、側面に内部電極が露出した積層チップが作製され、この積層チップの側面にサイドマージン部が設けられる。これにより、均一な厚さのサイドマージン部を形成可能となるため、サイドマージン部を薄くする場合にも、内部電極の周囲の絶縁性を確保することができる。
特開2012−209539号公報
積層シートの切断には押し切り刃や回転刃などによる切断方法が広く利用され、積層シートが各種のブレード(刃)によって各積層チップに切り分けられる。このとき、積層シートを切断中のブレードが内部電極を引き摺り、内部電極が切断面に沿って引き延ばされる場合がある。これにより、積層チップの側面において隣接する内部電極同士がショートすると、目的とする性能の積層セラミックコンデンサが得られなくなる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、内部電極のショートを防止しつつ、サイドマージン部を後付け可能な積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法では、積層された複数のセラミックシートと、上記複数のセラミックシートの間に配置された複数の内部電極と、を有する積層シートが準備される。
上記積層シートを切断することにより、上記複数の内部電極が露出する側面を有する積層チップが作製される。
上記積層チップの上記側面の表層が除去される。
上記表層が除去された上記積層チップの上記側面にサイドマージン部が設けられる。
この構成では、サイドマージン部が設けられる積層チップの側面の表層が予め除去される。これにより、積層シートの切断時の内部電極の引き摺りや異物の付着などによる、積層チップの側面における内部電極同士のショートを防止することができる。
押し切り刃又は回転刃により、上記積層シートが切断されてもよい。
この構成では、内部電極の引き摺りが比較的発生しやすい押し切り刃や回転刃により積層シートを切断しても、積層チップの側面における内部電極同士のショートを防止することができる。
上記積層チップの上記側面を研削することにより、上記表層が除去されてもよい。
上記積層チップの上記側面にブラスト処理を施すことにより、上記表層が除去されてもよい。
これらの構成によれば、積層チップの側面における内部電極同士のショートを効果的に防止することができる。
上記積層チップの上記側面にレーザを照射することにより、上記表層が除去されてもよい。
上記積層チップの上記側面上でオーバーラップする複数の照射領域に上記レーザを照射してもよい。これにより、レーザのスポット径が小さい場合にも、チップの側面の全領域に隙間なくレーザを照射することができる。
上記複数の照射領域は、矩形であってもよい。これにより、照射領域のオーバーラップ量を小さくすることができるため、チップの側面の全領域に対して効率的にレーザを照射することが可能となる。
上記レーザは、トップハット型の出力分布を有していてもよい。これにより、照射領域の全領域においてレーザの出力分布が均一となる。したがって、この構成では、レーザの出力分布を考慮することなく、照射領域の位置や間隔などを決定することができる。
本発明の別の形態に係る積層セラミック電子部品は、積層チップと、サイドマージン部と、を具備する。
上記積層チップは、第1方向に積層された複数のセラミック層と、上記複数のセラミック層の間に配置された複数の内部電極と、上記第1方向に直交する第2方向を向き、上記複数の内部電極の端部に隣接し、レーザのオーバーラップ痕が形成された側面と、を有する。
上記サイドマージン部は、上記積層チップの上記側面を覆う。
上記オーバーラップ痕では、上記複数の内部電極の上記端部にポアが形成されていてもよい。
上記オーバーラップ痕は、所定の間隔で並んでいてもよい。
上記オーバーラップ痕は、所定のパターンを形成していてもよい。
これらの構成では、積層チップの側面に隙間なくレーザの照射によって表層の除去がなされているため、積層チップの側面における内部電極同士のショートを効果的に防止することができる。
内部電極のショートを防止しつつ、サイドマージン部を後付け可能な積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る積層セラミックコンデンサの斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサのA−A'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサのB−B'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。 上記製造方法のステップS01で準備される積層シートの平面図である。 上記製造方法のステップS02を示す積層シートの斜視図である。 上記製造方法のステップS03を示す積層シートの平面図である。 上記製造方法のステップS03を示す積層シートの断面図である。 上記製造方法のステップS03の後の積層チップの側面を例示する断面図である。 上記製造方法のステップS04を示す積層チップの断面図である。 上記製造方法のステップS04で用いる表層除去装置の斜視図である。 上記製造方法のステップS04で用いる表層除去装置の斜視図である。 上記製造方法のステップS05を示す積層チップの断面図である。 上記製造方法のステップS06を示す積層チップの断面図である。 上記製造方法のステップS07の後の未焼成の素体の斜視図である。 上記表層除去装置の変形例の斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る表層除去方法を示す積層チップの側面図である。 上記表層除去方法におけるレーザの照射領域を示す図である。 上記表層除去方法を実施した後の積層チップの側面図である。 上記表層除去方法を実施して製造された積層セラミックコンデンサの素体の部分断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
<第1の実施形態>
[積層セラミックコンデンサ10の構成]
図1〜3は、本発明の第1の実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10を示す図である。図1は、積層セラミックコンデンサ10の斜視図である。図2は、積層セラミックコンデンサ10の図1のA−A'線に沿った断面図である。図3は、積層セラミックコンデンサ10のB−B'線に沿った断面図である。
積層セラミックコンデンサ10は、素体11と、第1外部電極14と、第2外部電極15と、を具備する。外部電極14,15は、相互に離間し、素体11を挟んでX軸方向に対向している。
素体11は、X軸方向を向いた2つの端面と、Y軸方向を向いた2つの側面と、Z軸方向を向いた2つの主面と、を有する。素体11の各面を接続する稜部は面取りされている。素体11において、例えば、X軸方向の寸法を1.0mmとし、Y軸及びZ軸方向の寸法を0.5mmとすることができる。
なお、素体11の形状はこのような形状に限定されない。例えば、素体11の各面は曲面であってもよく、素体11は全体として丸みを帯びた形状であってもよい。
外部電極14,15は、素体11のX軸方向両端面を覆い、X軸方向両端面に接続するY軸方向両側面及びZ軸方向両主面に延出している。これにより、外部電極14,15のいずれにおいても、X−Z平面に平行な断面及びX−Y軸に平行な断面の形状がU字状となっている。
外部電極14,15はそれぞれ、良導体により形成され、積層セラミックコンデンサ10の端子として機能する。外部電極14,15を形成する良導体としては、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)などを主成分とする金属や合金を用いることができる。
外部電極14,15は、単層構造であっても複層構造であってもよい。
複層構造の外部電極14,15は、例えば、下地膜と表面膜との2層構造や、下地膜と中間膜と表面膜との3層構造として構成されていてもよい。
下地膜は、例えば、ニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金などを主成分とする金属や合金の焼き付け膜とすることができる。
中間膜は、例えば、白金、パラジウム、金、銅、ニッケルなどを主成分とする金属や合金のメッキ膜とすることができる。
表面膜は、例えば、銅、錫、パラジウム、金、亜鉛などを主成分とする金属や合金のメッキ膜とすることができる。
素体11は、積層チップ16と、サイドマージン部17と、を有する。
サイドマージン部17は、X−Z平面に沿って延びる平板状であり、積層チップ16のY軸方向両側面P,Qをそれぞれ覆っている。
積層チップ16は、容量形成部18と、カバー部19と、を有する。カバー部19は、X−Y平面に沿って延びる平板状であり、容量形成部18のZ軸方向両主面をそれぞれ覆っている。
サイドマージン部17及びカバー部19は、主に、容量形成部18を保護するとともに、容量形成部18の周囲の絶縁性を確保する機能を有する。
容量形成部18は、複数の第1内部電極12と、複数の第2内部電極13と、を有する。内部電極12,13は、いずれもX−Y平面に沿って延びるシート状であり、Z軸方向に交互に配置されている。第1内部電極12は、第1外部電極14に接続され、第2外部電極15から離間している。これとは反対に、第2内部電極13は、第2外部電極15に接続され、第1外部電極14から離間している。
内部電極12,13はそれぞれ、良導体により形成され、積層セラミックコンデンサ10の内部電極として機能する。内部電極12,13を形成する良導体としては、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)、又はこれらの合金を含む金属材料が用いられる。
容量形成部18は、誘電体セラミックスによって形成されている。積層セラミックコンデンサ10では、内部電極12,13間の各誘電体セラミック層の容量を大きくするため、容量形成部18を形成する材料として高誘電率の誘電体セラミックスが用いられる。高誘電率の誘電体セラミックスとしては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)に代表される、バリウム(Ba)及びチタン(Ti)を含むペロブスカイト構造の材料が挙げられる。
サイドマージン部17及びカバー部19も、誘電体セラミックスによって形成されている。サイドマージン部17及びカバー部19を形成する材料は、絶縁性セラミックスであればよいが、容量形成部18と同様の材料を用いることより、製造効率が向上するとともに、素体11における内部応力が抑制される。
上記の構成により、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極14と第2外部電極15との間に電圧が印加されると、第1内部電極12と第2内部電極13との間の複数の誘電体セラミック層に電圧が加わる。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極14と第2外部電極15との間の電圧に応じた電荷が蓄えられる。
なお、積層セラミックコンデンサ10の構成は、特定の構成に限定されず、積層セラミックコンデンサ10に求められるサイズや性能などに応じて、公知の構成を適宜採用可能である。例えば、容量形成部18における各内部電極12,13の枚数は、適宜決定可能である。
[積層セラミックコンデンサ10の製造方法]
図4は、積層セラミックコンデンサ10の製造方法を示すフローチャートである。図5〜15は、積層セラミックコンデンサ10の製造過程を示す図である。以下、積層セラミックコンデンサ10の製造方法について、図4に沿って、図5〜15を適宜参照しながら説明する。
(ステップS01:セラミックシート準備)
ステップS01では、容量形成部18を形成するための第1セラミックシート101及び第2セラミックシート102と、カバー部19を形成するための第3セラミックシート103と、を準備する。
図5はセラミックシート101,102,103の平面図である。図5(A)はセラミックシート101を示し、図5(B)はセラミックシート102を示し、図5(C)はセラミックシート103を示している。セラミックシート101,102,103は、未焼成の誘電体グリーンシートとして構成され、例えば、ロールコーターやドクターブレードを用いてシート状に成形される。
ステップS01の段階では、セラミックシート101,102,103は各積層セラミックコンデンサ10ごとに切り分けられていない。図5には、各積層セラミックコンデンサ10ごとに切り分ける際の切断線Lx,Lyが示されている。切断線LxはX軸に平行であり、切断線LyはY軸に平行である。
図5に示すように、第1セラミックシート101には第1内部電極12に対応する未焼成の第1内部電極112が形成され、第2セラミックシート102には第2内部電極13に対応する未焼成の第2内部電極113が形成されている。なお、カバー部19に対応する第3セラミックシート103には内部電極が形成されていない。
内部電極112,113は、任意の導電性ペーストを用いて形成することができる。導電性ペーストによる内部電極112,113の形成には、例えば、スクリーン印刷法やグラビア印刷法を用いることができる。
内部電極112,113は、切断線Lyによって仕切られたX軸方向に隣接する2つの領域にわたって配置され、Y軸方向に帯状に延びている。第1内部電極112と第2内部電極113とでは、切断線Lyによって仕切られた領域1列ずつX軸方向にずらされている。つまり、第1内部電極112の中央を通る切断線Lyが第2内部電極113の間の領域を通り、第2内部電極113の中央を通る切断線Lyが第1内部電極112の間の領域を通っている。
(ステップS02:積層)
ステップS02では、ステップS01で準備したセラミックシート101,102,103を積層することにより積層シート104を作製する。
図6は、ステップS02で得られる積層シート104の斜視図である。図6では、説明の便宜上、セラミックシート101,102,103を分解して示している。しかし、実際の積層シート104では、セラミックシート101,102,103が静水圧加圧や一軸加圧などにより圧着されて一体化される。これにより、高密度の積層シート104が得られる。
積層シート104では、容量形成部18に対応する第1セラミックシート101及び第2セラミックシート102がZ軸方向に交互に積層されている。
また、積層シート104では、交互に積層されたセラミックシート101,102のZ軸方向最上面及び最下面にそれぞれカバー部19に対応する第3セラミックシート103が積層される。なお、図7に示す例では、第3セラミックシート103がそれぞれ3枚ずつ積層されているが、第3セラミックシート103の枚数は適宜変更可能である。
(ステップS03:切断)
ステップS03では、ステップS02で得られた積層シート104を切断することにより未焼成の積層チップ116を作製する。ステップS02では、積層シート104を押し切りにより切断する。
図7は、ステップS03の後の積層シート104の平面図である。積層シート104は、保持部材としてのテープT1に貼り付けられた状態で、切断線Lx,Lyに沿って切断される。これにより、積層シート104が個片化され、積層チップ116が得られる。
図8は、ステップS03のプロセスを示す積層シート104の断面図である。ステップS03では、押し切り刃200を備える切断装置を用いる。
まず、図8(A)に示すように、Z軸方向下方に向けられた押し切り刃200を積層シート104のZ軸方向上方に配置させる。
次に、図8(B)に示すように、押し切り刃200がテープT1に到達するまで、押し切り刃200をZ軸方向下方に移動させて、積層シート104を切断する。このとき、テープT1には押し切り刃200を貫通させず、テープT1が切断されないようにする。
そして、図8(C)に示すように、押し切り刃200をZ軸方向上方に移動させて、積層シート104から押し切り刃200を引き抜く。
これにより、積層シート104が複数の積層チップ116に個片化される。このとき、テープT1は、切断されずに、各積層チップ116を接続している。これにより、以降のステップにおいて複数の積層チップ116を一括して扱うことが可能となり、製造効率が向上する。
ステップS03により形成される積層シート104の切断面は、積層チップ116のY軸方向側面P,Q及びX軸方向端面となる。
図9は、ステップS03の直後の積層チップ116の側面P,Qを例示する拡大断面図である。つまり、切断直後の積層チップ116の側面P,Qは、図9(A)〜(C)に例示される状態となる場合がある。
図9(A)に示す側面P,Qには、ステップS03における押し切り刃200による異物の挟み込みなどによって、傷Hが形成されている。ステップS03で傷Hが形成される過程において、押し切り刃200が内部電極112,113を引き摺ると、内部電極112,113が傷Hに沿って引き延ばされることにより、展延部R1が形成される。展延部R1が内部電極112,113の一方から他方に到達すると、内部電極112,113同士が展延部R1を介して接続されることにより、ショートが発生してしまう。
図9(B)に示す側面P,Qには、図9(A)に示すような傷Hが形成されていない。しかし、この場合にも、ステップS03において押し切り刃200が内部電極112,113を引き摺ると、内部電極112,113が側面P,Qに沿って引き延ばされることにより、展延部R2が形成される。展延部R2が内部電極112,113の一方から他方に到達すると、内部電極112,113同士が展延部R2を介して接続されることにより、ショートが発生してしまう。
図9(C)に示す側面P,Qには、異物R3が付着している。異物R3としては、ステップS03において内部電極112,113や押し切り刃200などから生じた導電性を有するものが想定される。このような異物R3が内部電極112,113の双方にわたって付着すると、内部電極112,113同士が異物R3を介して接続されることにより、ショートが発生してしまう。
このように、ステップS03の直後の積層チップ116では、側面P,Qにおいて第1内部電極112と第2内部電極113とがショートする場合がある。第1内部電極112と第2内部電極113とがショートしていると、目的とする性能の積層セラミックコンデンサ10が得られなくなる。
特に、内部電極112,113の間隔が狭く、つまり内部電極112,113間の誘電体セラミック層が薄い場合に、側面P,Qにおける内部電極112,113同士のショートが発生しやすい。具体的に、内部電極112,113間の誘電体セラミック層が内部電極112,113よりも薄い場合、あるいは誘電体セラミック層が1μm以下の場合に、側面P,Qにおける内部電極112,113同士のショートが特に発生しやすい。
なお、積層シート104の切断には、押し切りとは異なるブレードを利用した技術を用いてもよく、例えば回転刃(例えばダイシングブレード)を用いてもよい。更に、積層シート104の切断には、ブレードを用いない技術を用いてもよく、例えばレーザ切断やウォータージェット切断を用いてもよい。
いずれの場合であっても、ステップS03では、積層チップ116の側面P,Qにおいて第1内部電極112と第2内部電極113とのショートが発生する場合がある。
本実施形態では、積層チップ116の側面P,Qにおける第1内部電極112と第2内部電極113とのショートを解消させるために、ステップS04,S06(表層除去)が行われる。
(ステップS04:表層除去1)
ステップS04では、ステップS03で得られた積層チップ116の側面Pの表層を除去する。
図9に示す展延部R1,R2や異物R3は、ステップS03の直後の側面Pの表層に含まれる。このため、ステップS04で側面Pの表層を除去することにより、展延部R1,R2や異物R3も除去される。これにより、側面Pにおける第1内部電極112と第2内部電極113とのショートが解消される。
ステップS04で除去する側面Pの表層は、例えば、ステップS03で得られた積層チップ116の側面PからY軸方向に50μm程度までの深さの領域とすることができる。なお、ステップS04で除去する側面PのY軸方向の深さは、展延部R1,R2や異物R3を適切に除去可能なように、適宜決定可能である。
図10は、ステップS04を示す積層チップ116の断面図である。ステップS04では、積層チップ116がテープT1からテープT2に貼り替えられ、側面QがテープT2によって保持されている。そして、側面Pに対向するように、側面Pの表層を除去するための表層除去装置300が配置されている。
本実施形態では、表層除去装置300として、図11に示すグラインダ300aが用いられる。図11に示す例では、テープT2に複数の積層チップ116が配列され、複数の積層チップ116に対して一括してステップS04が行われる。これにより、積層セラミックコンデンサ10の製造効率が向上する。
グラインダ300aは、Z軸に平行な中心軸を有する円柱体を備える。この円柱体では、外周面が研削面として構成される。グラインダ300aは、円柱体を中心軸を中心に回転させ、円柱体の外周面を積層チップ116の側面Pに接触させて、積層チップ116の側面Pを研削することにより、積層チップ116の側面Pの表層を除去することができる。
適宜、テープT2をX軸方向やZ軸方向に移動させることにより、テープT2に配列されたすべての積層チップ116において、側面Pの表層を除去することができる。なお、テープT2を移動させずに、グラインダ300aの円柱体をX軸方向やZ軸方向に移動させても構わない。
表層除去装置300として、図11に示すグラインダ300aに代えて、図12に示すグラインダ300bを用いることも可能である。
グラインダ300bは、Y軸に平行な中心軸を有する円盤体を備える。この円盤体では、平坦面が研削面として構成される。グラインダ300bは、円盤体を中心軸を中心に回転させ、円盤体の平坦面を積層チップ116の側面Pに接触させて、積層チップ116の側面Pを研削することにより、積層チップ116の側面Pの表層を除去することができる。
その後、必要に応じ、積層チップ116を洗浄し、側面Pなどに付着した研削屑などを除去する。
(ステップS05:サイドマージン部形成1)
ステップS05では、ステップS04で得られた積層チップ116の側面Pに、未焼成のサイドマージン部117を形成する。
ステップS05では、サイドマージン部117を形成するためのサイドマージンシート117sが準備される。サイドマージンシート117sは、ステップS01で準備されるセラミックシート101,102,103と同様に、未焼成の誘電体グリーンシートとして構成される。サイドマージンシート117sは、例えば、ロールコーターやドクターブレードを用いてシート状に成形される。
図13は、ステップS05のプロセスを示す積層チップ116の断面図である。
まず、図13(A)に示すように、平板状の弾性体400の上に、サイドマージンシート117sが配置される。積層チップ116は、側面Pをサイドマージンシート117sに対向させて配置される。
そして、積層チップ116の側面Pをサイドマージンシート117sに押し当てる。これにより、積層チップ116の側面Pによってサイドマージンシート117sが打ち抜かれる。
その後に、積層チップ116をサイドマージンシート117sから引き上げると、図13(B)に示すように、サイドマージンシート117sから打ち抜かれ、側面Pに貼り付いたサイドマージン部117のみが、弾性体400から離れて積層チップ116側に残る。これにより、側面Pにサイドマージン部117が形成された積層チップ116が得られる。
なお、積層チップ116の側面Pにおけるサイドマージン部117は、上記の打ち抜き以外の方法によって形成されてもよい。
例えば、予め切断されたサイドマージンシート117sを積層チップ116の側面Pに貼り付けても構わない。
更に、サイドマージンシート117sを用いずに、セラミックペーストを積層チップ116の側面Pに塗布することにより、サイドマージン部117を形成してもよい。セラミックペーストの塗布方法としては、例えば、ディップ法などを用いることができる。
(ステップS06:表層除去2)
ステップS06では、ステップS05で得られた積層チップ116の側面Qの表層を除去する。
ステップS06における側面Qの表層の除去は、ステップS04における側面Pの表層の除去と同様に行うことができる。ステップS06により、側面Qの表層に含まれる展延部R1,R2や異物R3も除去されるため、側面Qにおける第1内部電極112と第2内部電極113とのショートが解消される。
図14は、ステップS06を示す積層チップ116の断面図である。ステップS06では、積層チップ116がテープT2からテープT3に貼り替えられ、側面Pに設けられたサイドマージン部117がテープT3によって保持されている。
これにより、積層チップ116の側面P,Qの向きがステップS04とは反対になっている。このため、ステップS06では、側面Pとは反対の側面Qについて、ステップS04と同様の要領で表層を除去することができる。
ステップS06では、ステップS04と同様の表層除去装置300を利用することができる。
(ステップS07:サイドマージン部形成2)
ステップS07では、ステップS06で得られた積層チップ116の側面Qに、未焼成のサイドマージン部117を形成する。ステップS07における側面Qへのサイドマージン部117の形成は、ステップS05における側面Pへのサイドマージン部117の形成と同様に行うことができる。
以上により、図15に示す未焼成の素体111が得られる。
素体111の形状は、焼成後の素体11の形状に応じて決定可能である。例えば、1.0mm×0.5mm×0.5mmの素体11を得るために、1.2mm×0.6mm×0.6mmの素体111を作製することができる。
(ステップS08:焼成)
ステップS08では、ステップS07で得られた未焼成の素体111を焼成することにより、図1〜3に示す積層セラミックコンデンサ10の素体11を作製する。焼成は、例えば、還元雰囲気下、又は低酸素分圧雰囲気下において行うことができる。
(ステップS09:外部電極形成)
ステップS09では、ステップS08で得られた素体11に外部電極14,15を形成することにより、図1〜3に示す積層セラミックコンデンサ10を作製する。
ステップS09では、まず、素体11の一方のX軸方向端面を覆うように未焼成の電極材料を塗布し、素体11の他方のX軸方向端面を覆うように未焼成の電極材料を塗布する。素体11に塗布された未焼成の電極材料に、例えば、還元雰囲気下、又は低酸素分圧雰囲気下において焼き付け処理を行って、素体11に下地膜を形成する。そして、素体11に焼き付けられた下地膜の上に、中間膜及び表面膜を電解メッキなどのメッキ処理で形成して、外部電極14,15が完成する。
なお、上記のステップS09における処理の一部を、ステップS08の前に行ってもよい。例えば、ステップS08の前に未焼成の素体111のX軸方向両端面に未焼成の電極材料を塗布し、ステップS08において、未焼成の素体111を焼成すると同時に、未焼成の電極材料を焼き付けて外部電極14,15の下地層を形成してもよい。
[表層除去装置300の変形例]
ステップS04,S06で用いる表層除去装置300は、積層チップ116の側面P,Qの表層を除去可能であればよく、図11,12に示すグラインダ300a,300bに限定されない。
図16は、表層除去装置300の変形例を示す図である。
図16(A)に示すように、表層除去装置300としてレーザ照射装置300cを用いることができる。レーザ照射装置300cは、積層チップ116の側面P,Qにレーザを照射することにより、側面P,Qの表層を除去する。
レーザ照射装置300cは、特定の構成に限定されないが、パルス幅の短いパルスレーザ装置であることが好ましい。これにより、例えば、積層チップ116の側面P,Qの昇温に伴う異物の発生を抑制することができる。パルス幅の短いパルスレーザ装置としては、例えば、パルス幅がピコ秒領域であるピコ秒レーザ装置や、パルス幅がフェムト秒領域であるフェムト秒レーザ装置などが挙げられる。
なお、レーザ照射装置300cによって照射するレーザの種類、スポット径、強度、照射時間、照射回数などの条件は、適宜決定可能である。
レーザの種類としては、例えば、YAGレーザやファイバレーザなどが挙げられる。
また、レーザのスポット径が小さい場合には、レーザ照射装置300cをX軸及びZ軸方向に走査させることにより、すべての積層チップ116の側面P,Qの全領域にレーザを照射することが可能である。なお、レーザ照射装置300cを移動させずに、テープT2をX軸方向やZ軸方向に移動させても構わない。
また、積層チップ116の側面P,Qの表層を除去するために、レーザ以外の高エネルギ線を用いることもできる。例えば、高エネルギ線として電子線を用いる場合には、表層除去装置300として電子銃を備える高エネルギ線照射装置を用いることができる。
更に、図16(B)に示すように、表層除去装置300としてブラスト処理装置300dを用いることもできる。ブラスト処理装置300dは、積層チップ116の側面P,Qに粒状の研削材を吹き付けることにより、側面P,Qの表層を除去する。砥粒のサイズは、適宜決定可能であり、例えば、3μm以下とすることができる。
ブラスト処理装置300dによるブラスト処理は、ウェットブラストであってもドライブラスト(サンドブラストやドライアイスブラスト等)であってもよい。ウェットブラストやサンドブラストで用いる砥粒は、適宜選択可能であり、例えば、セラミックス(アルミナ等)、金属、ガラス、プラスチックのものを用いることができる。なお、ブラスト処理装置300dによるブラスト処理の条件は、適宜決定可能である。
これらに加え、表層除去装置300は、エッチングなどの上記以外の方法により積層チップ116の側面P,Qの表層を除去可能に構成されていてもよい。
また、ステップS04,S06では、必ずしも表層除去装置300を利用しなくてもよく、上記の表層除去装置300による処理の一部又は全部を、手作業で行ってもよく、他の装置を用いて行ってもよい。例えば、グラインダ300a,300bに代えて、平面研磨板を用いてもよい。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る表層除去方法は、図4におけるステップS04(表層除去1)及びステップS06(表層除去2)に適用可能であり、表層除去装置300としてレーザ照射装置を用いる。
本実施形態で用いるレーザ照射装置は、図16(A)に示すレーザ照射装置300cよりもレーザのスポット径が小さい。レーザのスポット径を小さくすることにより、エネルギ密度の高いレーザを照射することができる。これにより、レーザの照射時間を短縮可能となるため、効率的に表層除去を行うことが可能となる。
図17は、表層除去前の積層チップ116の側面P,Qを示す図である。図17には、表層除去のためにレーザを照射する領域である照射領域Iの一例が破線で示されている。照射領域Iの形状は、レーザのスポット形状に依存する。図17に示す例では、X軸方向に並ぶ5つの照射領域IがZ軸方向に2列配置されている。
X軸及びZ軸方向に隣接する照射領域Iは、相互にオーバーラップしている。これにより、積層チップ116の側面P,Q上において照射領域Iが隙間なく配置されている。このため、すべての照射領域Iにレーザを照射することにより、積層チップ116の側面P,Qの全領域の表層除去を行うことができる。
レーザ照射装置としては、例えば、レーザを反射させるミラーの角度を制御することで、レーザのスポットを移動させることが可能なパルスレーザ装置を用いることができる。このようなレーザ照射装置では、1回のレーザの照射ごとにレーザのスポットを異なる照射領域Iに移動させることにより、すべての照射領域Iにレーザを照射することができる。
レーザのスポット形状は矩形であり、つまり各照射領域Iは矩形であることが好ましい。これにより、照射領域Iのオーバーラップ量を小さくしても、照射領域Iの間に隙間が形成されにくくなるため、チップの側面の全領域に対して効率的にレーザを照射することが可能となる。各照射領域Iの4隅は丸まった形状であってもよい。
レーザの出力分布は、トップハット型であることが好ましい。これにより、照射領域Iの全領域においてレーザの出力分布が均一となる。したがって、レーザの出力分布を考慮することなく、積層チップ116の側面P,Qにおける照射領域Iの位置や間隔などを決定することができる。
図18は、図17における照射領域Iのみを示す図である。上記のように、隣接する照射領域IがX軸及びZ軸方向に相互にオーバーラップしているため、一連のレーザの照射によって、レーザが1回照射される領域A1と、レーザが2回照射される領域A2と、レーザが3回照射される領域A3と、が形成される。
図19は、すべての照射領域Iにレーザを照射した後の積層チップ116の側面P,Qを示す図である。積層チップ116の側面P,Qには、照射領域Iがオーバーラップし、レーザが複数回照射される領域A2,A3に、レーザの照射により形成されたオーバーラップ痕Trが現れる。
積層チップ116の側面P,Qにおける領域A2,A3では、レーザの照射による表層除去が複数回行われる。このため、領域A2,A3では、レーザの照射による表層除去が1回のみの領域A1よりも、表層除去が進行する。これにより、積層チップ116の側面P,Qにオーバーラップ痕Trが現れる。
したがって、照射領域IのX軸及びZ軸方向端部にオーバーラップ痕Trが形成されていれば、隙間なくレーザが照射されていることがわかる。反対に、照射領域IのX軸及びZ軸方向端部にオーバーラップ痕Trが形成されていなければ、隣接する照射領域Iとの間に隙間が形成されている可能性が高い。
このように、積層チップ116の側面P,Qにおけるオーバーラップ痕Trを目視や画像で確認することにより、積層チップ116の側面P,Qの全領域に隙間なくレーザが照射されているか否かを容易に判別することができる。したがって、側面P,Qにレーザが照射されていない領域を有する積層チップ116を排除することができる。
本実施形態では、照射領域Iの形状(つまりレーザのスポット形状)が矩形であるため、例えば図19に示すようなパターンのオーバーラップ痕Trが形成される。具体的に、X軸方向の全領域にわたって延びるオーバーラップ痕Trと、X軸方向に等間隔に配列されたZ軸方向に延びるオーバーラップ痕Trと、が形成される。
図20は、本実施形態に係る表層除去方法を実施して製造された積層セラミックコンデンサ10の素体11の部分断面図である。図20は、図19のC−C'線の位置に対応する素体11の断面を示している。図20は、素体11における積層チップ16とサイドマージン部17との界面付近を部分的に示している。
図19に示すオーバーラップ痕Trが形成された領域では、レーザの照射によって内部電極112,113が除去されることにより、内部電極12,13の端部にポアPr2,Pr3が形成されている。一方、オーバーラップ痕Trが形成されていない領域では、内部電極12,13の端部にポアがほとんど形成されていない。
つまり、サイドマージン部17を形成後の素体11におけるオーバーラップ痕Trの存在は、素体11の断面におけるポアPr2,Pr3の存在により確認することができる。素体11の複数の断面においてポアPr2,Pr3の存在する位置を特定することにより、オーバーラップ痕Trの位置や形状を判明させることが可能である。
ポアPr2,Pr3が存在する素体11では、焼成前の脱バインダ処理において、気化したバインダ成分や溶剤成分が、ポアPr2,Pr3を通って外部に放出されやすくなる。このため、本実施形態に係る素体11では、バインダ成分や溶剤成分の残存による性能の低下を抑制する効果が得られる。
なお、ポアPr2,Pr3のY軸方向の寸法は、レーザの照射の回数が多いほど、大きくなる。したがって、図20に示すように、レーザが3回照射された領域A3に対応するポアPr3では、レーザが2回照射された領域A2に対応するポアPr2よりも、Y軸方向の寸法が大きくなる。
本実施形態の構成は、適宜変更可能である。例えば、照射領域Iの形状(つまりレーザのスポット形状)は、矩形でなくてもよく、例えば、円形や楕円形や多角形などであってもよい。また、照射領域Iにおけるレーザの出力分布は、トップハット型に限定されず、例えばガウシアン型であってもよい。
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、図4に示す各ステップは、必要に応じて、順番を入れ替えてもよい。
一例として、ステップS03で個片化した未焼成の積層チップ116を焼成して積層チップ16とした後に、積層チップ16にサイドマージン部117を設けてもよい。この場合、焼成後の積層チップ16に対してステップS04〜S08を行うことができる。
また、上記第1及び第2の実施形態では、ステップS04で積層チップ116の側面Pの表層を除去し、ステップS06で積層チップ116の側面Qの表層を除去したが、積層チップ116の側面P,Qの表層を同時に除去してもよい。この場合、例えば、積層チップ116のZ軸方向両主面を保持した状態で、積層チップ116の側面P,Qに対して同時にレーザを照射することができる。
また、上記第1及び第2の実施形態では、積層セラミック電子部品の一例として積層セラミックコンデンサについて説明したが、本発明は、相互に対を成す内部電極が交互に配置される積層セラミック電子部品全般に適用可能である。このような積層セラミック電子部品としては、例えば、圧電素子などが挙げられる。
10…積層セラミックコンデンサ
11…素体
12,13…内部電極
14,15…外部電極
16…積層チップ
17…サイドマージン部
18…容量形成部
19…カバー部
104…積層シート
111…未焼成の素体
112,113…未焼成の内部電極
116…未焼成の積層チップ
117…未焼成のサイドマージン部
200…押し切り刃
300…表層除去装置
P,Q…側面
T1〜T3…テープ

Claims (8)

  1. 積層された複数のセラミックシートと、前記複数のセラミックシートの間に配置された複数の内部電極と、を有する積層シートを準備し、
    前記積層シートを切断することにより、前記複数の内部電極が露出する側面を有する積層チップを作製し、
    前記積層チップの前記側面にレーザを照射することにより、前記積層チップの前記側面の表層を除去し、
    前記表層が除去された前記積層チップの前記側面にサイドマージン部を設ける
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    押し切り刃又は回転刃により、前記積層シートを切断する
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記積層チップの前記側面上でオーバーラップする複数の照射領域に前記レーザを照射する
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 請求項3に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記複数の照射領域は、矩形である。
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 請求項3又は4に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記レーザは、トップハット型の出力分布を有する
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 第1方向に積層された複数のセラミック層と、前記複数のセラミック層の間に配置された複数の内部電極と、前記第1方向に直交する第2方向を向き、前記複数の内部電極の端部に隣接し、レーザのオーバーラップ痕が形成された側面と、を有する積層チップと、
    前記積層チップの前記側面を覆うサイドマージン部と、
    を具備し、
    前記オーバーラップ痕では、前記複数の内部電極の前記端部にポアが形成されている
    積層セラミック電子部品。
  7. 請求項6に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記オーバーラップ痕は、所定の間隔で並んでいる
    積層セラミック電子部品。
  8. 請求項6又は7に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記オーバーラップ痕は、所定のパターンを形成している
    積層セラミック電子部品。
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