JP6447868B2 - 嫌気硬化性接着剤 - Google Patents

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JP6447868B2 JP2014259144A JP2014259144A JP6447868B2 JP 6447868 B2 JP6447868 B2 JP 6447868B2 JP 2014259144 A JP2014259144 A JP 2014259144A JP 2014259144 A JP2014259144 A JP 2014259144A JP 6447868 B2 JP6447868 B2 JP 6447868B2
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本発明は、金属に対する高接着力を維持したまま硬化促進剤により硬化速度を向上する嫌気硬化性接着剤に関する。
嫌気硬化性接着剤はラジカル重合性官能基を有する化合物を主成分としたものであり、空気中に存在する酸素と接触している間は安定であり、ゲル化などせずに長期間液状状態で保たれ、酸素が遮断されると急速に重合反応が進む性質を有するものである。このような性質を利用して前記嫌気硬化性接着剤はネジ、ボルト等の接着、固定、嵌め合い部品の固着、フランジ面間の接着、シール、鋳造部品に生じる巣孔の充填等に使用されている。
例えば、特許文献1には、嫌気性組成物の硬化速度を向上させる目的で、硬化促進剤を使用する旨、開示されている。
特開昭58−138765号公報
しかしながら、特許文献1に開示された嫌気性組成物の場合、硬化促進剤を使用することにより、金属との接着力が低下するという問題があった。
本発明は、上記の状況に鑑みてされたものであり、金属に対する高接着力を維持したまま硬化促進剤により硬化速度を向上する嫌気硬化性接着剤を提供することを目的とする。
本発明の要旨を次に説明する。本発明の実施態様は、上述した従来の問題点を克服するものである。すなわち、本発明は以下の要旨を有するものである。
(A)〜(E)成分を含有することを特徴とする嫌気硬化性接着剤
(A)成分:ラジカル重合性官能基を有する化合物
(B)成分:ラジカル開始剤
(C)成分:サッカリン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、トリジン、マレイン酸からなる群から選択される化合物
(D)成分:ベンゾトリアゾール化合物又はヒドラジン化合物
(E)成分:チオール基を2以上有するポリチオール化合物
本発明は、鉄やステンレス等の金属に対する高接着力を維持したまま硬化促進剤により硬化速度を向上する嫌気硬化性接着剤を提供する。
以下に発明の詳細を説明する。
<(A)成分>
本発明に使用される(A)成分のラジカル重合性官能基を有する化合物とは、接着剤及び塗料等に通常使用されている(メタ)アクリロイル基、ビニル基、プロペニル基などを有する化合物を使用することができ、中でも嫌気硬化性の観点から、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。(A)成分としては、単官能性、二官能性、三官能性及び多官能性のモノマー、オリゴマー等を使用することができる。嫌気硬化性と金属に対する接着力という観点から、モノマーとオリゴマーを併用することが好ましい。これらは単独で若しくは二種以上の混合物として用いることができる。
単官能性モノマーとしては、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、変性ブチル(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロキシオキシエチルアシッドフォスフェート、(メタ)アクリロキシオキシエチルアシッドフォスフェートモノエチルアミンハーフソルト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸フォスフェート等が挙げられる。これらのうち、嫌気硬化性が優れるという観点でジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロキシオキシエチルアシッドフォスフェート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸フォスフェートが好ましい。
二官能性モノマーとしては、例えば、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジアクリレート、エチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルイソシアヌレート等が挙げられる。
三官能性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
多官能性モノマーとしては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの重合性モノマーは単独で若しくは二種以上の混合物として用いることができる。
さらに上記の重合性モノマーには嫌気硬化性接着剤の粘度の調整、あるいはその硬化物の特性を調整する目的で重合性オリゴマーを含有させることができる。この重合性オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール型アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル基含有ポリイソプレン、(メタ)アクリロイル基含有ポリアクリレート、(メタ)アクリロイル基含有ポリイソブチレン等が挙げられる。(a)成分としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール型アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートが好ましく、更に好ましくはエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール型アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートである。これらのオリゴマーは単独で若しくは二種以上の混合物として用いることができる。
エポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、EH1010(新中村化学工業社製)、ビスコート#540(大阪有機化学工業社製)、BAEA−100、BAEM−100、BAEM−50、BEEM−50、BFEA−50(ケーエスエム株式会社製)、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル3000MK、エポキシエステル3000A(共栄社化学株式会社製)EBECRYL600、EBECRYL1606、EBECRYL3700(ダイセル・オルネクス株式会社製)等が挙げられる。また、ビスフェノール型アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの市販品としては、BPE−80N、BPE−100、BPE−200、BPE−500、BPE−900、BPE−1300N(新中村化学工業社製)、ビスコート#700(大阪有機化学工業社製)、FA−324A、FA−321M(日立化成株式会社製)、ライトアクリレートBP−4EAL、BP−4PA(共栄社化学株式会社製)等が挙げられる。
<(B)成分>
本発明に用いられる(B)ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物や光ラジカル発生剤などが挙げられるが、本発明において有機過酸化物が嫌気硬化性の観点で好ましい。有機過酸化物としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メタンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、その他、ケトンパーオキサイド類、ジアリルパーオキサイド類、パーオキシエステル類等の有機過酸化物等が挙げられる。これらの有機過酸化物は単独で或いは二種以上の混合物として用いることができる。また、前記有機過酸化物は反応性及び嫌気硬化性接着剤の保存安定性の観点から1時間半減期温度が100℃以上ある化合物が好ましい。これらのうち、反応性及び嫌気硬化性接着剤の保存安定性の観点からハイドロパーオキサイド類が好ましく用いられる。
この(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。この場合、0.1質量部以上であると重合反応を十分に進行させることができ、5質量部以下であると嫌気硬化性接着剤の保存安定性が良好であることから好ましい。
<(C)成分>
本発明において用いられる(C)成分は、サッカリン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、トリジン、マレイン酸から選ばれ、好ましくは、サッカリン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−o−トルイジンであり、特に好ましくは、サッカリンである。これは単独で或いは二種以上の混合物として用いることができる。通常(B)成分と共に嫌気硬化性接着剤に使用され、該成分(C)成分を配合することにより良好な嫌気硬化性を達成することができる。なお、(C)成分については、例えば、特表2011−502199、特開51−144438 、特開昭53−84042を参照されたい。
前記(C)成分の添加量は(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部配合される。この場合、0.1質量部以上であると重合反応を十分に進行させることができ、10質量部以下であると嫌気硬化性接着剤の保存安定性が良好であることから好ましい。
<(D)成分>
本発明の(D)成分はベンゾトリアゾール化合物又はヒドラジン化合物であれば特に限定されるものではない。(D)成分と本発明のその他成分とを組み合わせることにより、金属に対する高接着力を維持したまま硬化促進剤により硬化速度を向上する嫌気硬化性接着剤が得られる。
前記ベンゾトリアゾール化合物としては、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば1,2,3−ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、3−メルカプトベンゾトリゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾールナトリウム塩水溶液、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール]、6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−tert−オクチル−6’−tert−ブチル−4’−メチル−2,2’−メチレンビスフェノール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2’−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール等が挙げられ、これらの中でも、特に嫌気硬化性が優れることから、1,2,3−ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、3−メルカプトベンゾトリゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾールナトリウム塩水溶液が好ましい。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
前記ベンゾトリアゾール化合物の市販品としては、JF−77、JF−79、JF−80、JF−83、JF−832、JAST−500、5M−BTA、BT−120、BT−LX、CBT−1、TT−LX、TT−LYK、JCL−400(城北化学工業社製)等が挙げられるが、これに限定されない。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
前記ヒドラジン系化合物としては、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、1−アセチル−2−フェニルヒドラジン、1−アセチル−2(p−トリル)ヒドラジン、1−ベンゾイル−2−フェニルヒドラジン、1−(1’,1’,1’−トリフルオロ)アセチル−2−フェニルヒドラジン、1,5−ジフェニル−カルボヒドラジン、1−フォーミル−2−フェニルヒドラジン、1−アセチル−2−(p−ブロモフェニル)ヒドラジン、1−アセチル−2−(p−ニトロフェニル)ヒドラジン、1−アセチル−2−(2’−フェニルエチルヒドラジン)、エチルカルバゼート、p−ニトロフェニルヒドラジン、p−トリスルホニルヒドラジド等が挙げられるが、これに限定されない。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
前記ヒドラジン化合物の市販品としては、ADH、SDH、DDH、IDH、PHZ、SAH(大塚化学株式会社製)等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
(D)成分の配合量としては、前記(A)成分100質量部に対して0.001〜10質量部含有することが好ましく、更に好ましくは、0.01〜5質量部であり、特に好ましくは、0.03〜3質量部である。0.001〜10質量部の範囲内であると、金属に対する高接着力を維持したまま硬化促進剤により硬化速度を向上することができる嫌気硬化性樹脂が得られる。
<(E)成分>
本発明の(E)成分は、チオール基を2以上有するポリチオール化合物であれば特に限定されるものではない。より好ましくは、チオール基を3以上有するポリチオール化合物である。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。ポリチオール化合物としては、1級チオール化合物、2級チオール化合物が挙げられる。中でも、硬化速度が速いことから、1級チオール化合物が好ましい。
前記1級チオール化合物としては、トリメチロールプロパン トリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコール ビス(3−メルカプトプロピオネート) 、ジペンタエリスリトール ヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられるがこれに限定されない。
前記2級チオール化合物としては、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトグリコレート)、ブタンジオール ビス(3−メルカプトグリコレート)などが挙げられる。
本発明の(E)成分の1級チオール化合物の市販品としては、例えばTMTP、PETP(淀化学株式会社製)、TEMPIC、TMMP、PEMP、PEMP−II−20P、DPMP(SC有機化学株式会社製)、QX60(三菱化学株式会社製)等が挙げられる。また、本発明の(E)成分の2級チオール化合物の市販品としては、MTNR1、MTBD1、MTPE1(昭和電工株式会社製)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの化合物は、それぞれ単独で用いることも、また二種以上を混合して用いても良い。
本発明における(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.001〜25質量部が好ましく、更に好ましくは0.01質量部〜20質量部であり、より好ましくは、0.05〜10質量部であり、特に好ましくは0.07〜5質量部である。0.001〜25質量部の範囲内であると、金属に対する高接着力を維持したまま硬化促進剤により硬化速度を向上する。
本発明に対し、本発明の目的を損なわない範囲で、アクリルゴム、ウレタンゴム、スチレン系共重合体等の各種エラストマー、充填材、保存安定剤、酸化防止剤、光安定剤、接着助剤、可塑剤、染料、顔料、難燃剤、及び界面活性剤等の添加剤を使用することができる。
本発明に対し、硬化物の弾性率、流動性などの改良を目的として、保存安定性を阻害しない程度の充填材を添加してもよい。具体的には有機質粉体、無機質粉体、金属質粉体等が挙げられる。無機質粉体の充填材としては、ガラス、フュームドシリカ、アルミナ、マイカ、セラミックス、シリコーンゴム粉体、炭酸カルシウム、窒化アルミ、カーボン粉、カオリンクレー、乾燥粘土鉱物、乾燥珪藻土等が挙げられる。無機質粉体の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜100質量部程度が好ましい。
フュームドシリカは、嫌気硬化性接着剤の粘度調整又は硬化物の機械的強度を向上させる目的で配合される。好ましくは、オルガノクロロシラン類、ポリオルガノシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどで疎水化処理したものなどが用いられる。フュームドシリカの具体例としては、例えば、日本アエロジル製の商品名アエロジルR974、R972、R972V、R972CF、R805、R812、R812S、R816、R8200、RY200、RX200、RY200S、R202等の市販品が挙げられる。
有機質粉体の充填材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、架橋アクリル、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネートが挙げられる。有機質粉体の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜100質量部程度が好ましい。0.1質量部より少ないと効果が小さく、100質量部より大きいと嫌気硬化性接着剤の流動性が乏しくなり、作業性が低下する。
本発明に対し保存安定剤を添加してもよい。保存安定剤としては、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のラジカル吸収剤、エチレンジアミン4酢酸又はその2−ナトリウム塩、シユウ酸、アセチルアセトン、o−アミノフエノール等の金属キレート化剤等を添加することもできる。
本発明に対し酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤としては、例えば、β−ナフトキノン、2−メトキシ−1,4−ナフトキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−p−ベンゾキノン等のキノン系化合物;フェノチアジン、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、カテコール、tert−ブチルカテコール、2−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4′−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、3,9−ビス〔2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド〕、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕フォスフォネート、3,3′,3″,5,5′,5″−ヘキサ−tert−ブチル−a,a′,a″−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕フォスフォネート、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、ヘキサメチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス〔(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル〕−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,6−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、ピクリン酸、クエン酸等のフェノール類;トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス〔2−〔〔2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕エチル〕アミン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリートールジフォスファイト、ビス〔2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル〕エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)〔1,1−ビスフェニル〕−4,4‘−ジイルビスホスフォナイト、6−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ〔d、f〕〔1,3,2〕ジオキサフォスフェフィン等のリン系化合物;ジラウリル3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、2−メルカプトベンズイミダゾール等のイオウ系化合物;フェノチアジン等のアミン系化合物;ラクトン系化合物;ビタミンE系化合物等が挙げられる。中でもフェノール系化合物が好適である。
本発明に対し光安定剤を添加してもよい。光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−メタアクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、N,N′,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリルオキシカルボニル)エチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5・1・11・2〕ヘネイコサン−21−オン、β−アラニン,N,−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ドデシルエステル/テトラデシルエステル、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5,1,11,2〕ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキサ−3,20−ジアザジシクロ−〔5,1,11,2〕−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル、プロパンジオイックアシッド,〔(4−メトキシフェニル)−メチレン〕−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールの高級脂肪酸エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド,N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等のヒンダートアミン系;2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系化合物;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール等のトリアジン系化合物等が挙げられる。特に好ましくは、ヒンダートアミン系化合物である。
本発明に対し密着付与剤を添加してもよい。密着付与剤としてはγ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン、C5留分より合成された添加剤(日本ゼオン社製「クイントン」(ジシクロペンタジエン樹脂)、荒川化学社製「アルコン」、日本石油社製 「ネオポリマー」)等が挙げられる。密着性付与剤の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.05〜30質量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜10質量部である。
本発明に対し空気に接触してしまう箇所の硬化性を向上させる目的で乾性油を添加してもよい。乾性油としては、例えば、亜麻仁油、ボイル油など、いわゆる、不飽和脂肪酸のグリセリンエステル等が挙げられる。
本発明の嫌気硬化性接着剤は、従来公知の方法により製造することができる。例えば、(A)成分〜(D)成分の所定量を配合して、ミキサー等の混合手段を使用して、好ましくは10〜70℃の温度で好ましくは0.1〜5時間混合することにより製造することができる。
硬化促進剤としては、銅系触媒、バナジウム系触媒、銀系触媒等の金属触媒を有機溶剤に溶かしたものなどが挙げられる。中でも、嫌気硬化性の観点で優れることから、銅系触媒が好ましい。銅系触媒としては、2−エチルヘキシル酸銅、ナフテン酸銅などが挙げられる。硬化促進剤は、被着体にあらかじめ適量塗布し乾燥させた後、嫌気硬化性接着剤を塗布して硬化させることが望ましい。
本発明の嫌気硬化性接着剤は、硬化促進剤が予め塗布された被着体の接着用途に好ましく用いられる。より具体的な用途としては、本発明の嫌気硬化性接着剤は、金属に対する高接着力を維持したまま硬化促進剤により硬化速度を向上することから、ハードディスクドライブ装置等の電子機器や光学レンズ等の光学部品等の接着剤、シール剤として極めて有効である。特に好ましい用途としては、ハードディスクに搭載されるスピンドルモーターにおけるスリーブとベース部材の接着用途、スピンドルモーターのステーターワイヤー固定用コーティング用途、ピボットの固定などが挙げられる。
以下に実施例をあげて本発明を更に詳細の説明をするが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において使用した試験法は下記の通りである。
<嫌気硬化性接着剤の調製>
各成分を表1に示す質量部で採取し、常温にてプラネタリーミキサーで60分混合し、嫌気硬化性接着剤を調製し、各種物性に関して次のようにして測定した。尚詳細な調整量は表1に従い、数値は全て質量部で表記する。
<(A)成分>
a1:エポキシジ(メタ)アクリレート(EH1010、新中村化学工業株式会社製)
a2:エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジアクリレート(BPE−80N、新中村化学工業株式会社製)
a3:2−ヒドロキシエチルアクリレート(ライトエステルHO、共栄社化学社製)
a4:イソボロニルメタクリレート(ライトエステルIBX、共栄社化学社製)
a5:2−ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート(JPA−514、城北化学工業株式会社製)
<(B)成分>
b1:1時間半減期温度188.2℃であるクメンハイドロパーオキサイド(パークミルH、日本油脂社製)
<(C)成分>
c1:サッカリン(試薬)
<(D)成分>
d1:1,2,3−ベンゾトリアゾール(BT−120、城北化学工業株式会社製)
d2:1−アセチル−2−フェニルヒドラジン(試薬、シグマ社製)
<(E)成分>
e1:ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP−II−20P、SC有機化学株式会社製)
e2:1,10−ドデカンジチオール(試薬)
e3:ジペンタエリスリトール ヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(QX60、三菱化学株式会社製)
e4:ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMTPE1、昭和電工株式会社製)
<(E)成分の比較成分>
e’1:1−ドデカンチオール(試薬)
表1の実施例、比較例において使用した試験方法は下記の通りである。
<セットタイム試験>
ピンに各嫌気硬化性接着剤を塗布しカラーに挿入した。これが、手で動かなくなるまでの時間(セットタイム)を測定した。挿入時のクリアランスは0.01mmである。その結果を表1にまとめた。なお、セットタイムとしては、100秒未満であることが好ましい。
※前記ピンとは、外径6φ×40mmの鉄製ピンである。また、前記カラーとは、予め硬化促進剤を塗布・乾燥させた内径6φ×15mmの鉄製カラーである。また、前記硬化促進剤とは、アセトン100部に0.5部の2−エチルヘキサン酸銅を溶解させたものである。
<嵌合接着強さ試験>
ピンに各嫌気硬化性接着剤を塗布し、カラーに挿入した後、90℃で1時間加熱することで嵌合テストピースを得た。なお、挿入時のクリアランスは0.01mmである。嵌合接着強さは作成した嵌合テストピースを万能試験機(圧縮速度を10mm/min)により測定した。その結果を表1にまとめた。
なお、嵌合接着強さとしては、50MPa以上であることが好ましい。また、表中の「−」は未測定を意味する。
前記ピンとは、外径6φ×40mmの鉄又はステンレス製ピンである。また、前記カラーとは、予め硬化促進剤を塗布・乾燥させた内径6φ×15mmの鉄又はステンレス製カラーである。また、硬化促進剤とは、アセトン100部に0.5部の2−エチルヘキサン酸銅を溶解させた組成物である。
Figure 0006447868
表1の実施例1〜5の結果より、本発明の構成を採用することより、鉄やステンレス等の金属に対する高接着力を維持したまま硬化促進剤により硬化速度を向上することが確認された。
比較例1は、本発明の(e)成分非含有の嫌気硬化性接着剤であるが、本発明の実施例1と比較して、硬化速度が遅いことがわかる。また、比較例2は、本発明の(e)成分の代わりに、1−ドデカンチオールを用いた嫌気硬化性接着剤であるが、本発明の実施例1と比較して、嵌合接着強さが劣ることがわかる。また、比較例3は、本発明の(d)成分非含有の嫌気硬化性接着剤であるが、本発明の実施例1と比較して、嵌合接着強さが劣ることがわかる。
本発明の嫌気硬化性接着剤は、金属に対する高接着力を維持したまま硬化促進剤により硬化速度を向上するので、各種接着用途に好適用いられる。具体的には、ハードディスクドライブ装置等の電子機器や光学レンズ等の光学部品等のアウトガスが発生して問題となる箇所の接着剤、シール剤として極めて有効であり、広い分野に適用可能であることから産業上有用である。

Claims (6)

  1. 下記の(A)〜(E)成分を含有することを特徴とする金属触媒を含有する硬化促進剤が予め塗布された被着体の接着用途に用いられる嫌気硬化性接着剤。
    (A)成分:ラジカル重合性官能基を有する化合物
    (B)成分:ラジカル開始剤
    (C)成分:サッカリン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、トリジン、マレイン酸からなる群から選択される化合物
    (D)成分:ベンゾトリアゾール化合物又はヒドラジン化合物
    (E)成分:チオール基を2以上有するポリチオール化合物
  2. 前記(A)成分が、モノマーとオリゴマーを含有することを特徴とする請求項1に記載の嫌気硬化性接着剤。
  3. 前記(A)成分のモノマーが、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロキシオキシエチルアシッドフォスフェート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸フォスフェートからなる群から選択され、
    前記オリゴマーが、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール型アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートからなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の嫌気硬化性接着剤。
  4. 前記(E)成分が、(A)〜(C)成分の合計量100質量部に対して0.05〜5質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の嫌気硬化性接着剤。
  5. 前記(E)成分が、1級チオール化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の嫌気硬化性接着剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の嫌気硬化性接着剤を硬化させて得られた硬化物。
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