JP6748883B2 - 光遅延硬化性樹脂組成物、接合体および接着方法 - Google Patents

光遅延硬化性樹脂組成物、接合体および接着方法 Download PDF

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Description

本発明は、室温での貯蔵安定性に優れ、紫外線等の活性エネルギー線を照射した後に、遅延硬化する光遅延硬化性樹脂組成物およびそれを用いた接合体および接着方法に関する。
従来より、接着剤には多種多様なものがあるが、加熱や混合の必要のない1液性硬化性樹脂としては、紫外線などの光を照射することにより瞬時に硬化する光硬化性樹脂が知られている。光硬化性樹脂は硬化性の早さから、様々な電気電子部品の接着、封止、コーティング、ポッティング等で用いられてきた。例えば、有機EL素子などの素子は、光硬化性樹脂のシール剤を用いて封止する手法がとられている。しかし、光硬化性樹脂のシール剤を硬化させるために光照射する必要があるので、素子が直接光にさらされ素子の性能が低下することがあった。また、光硬化性樹脂は、影部などの光が到達できない箇所は硬化しないという問題もあった。
このような経緯から、引用文献1に示されるような、光照射した後に、遅延硬化する樹脂が開発されている。具体的には、引用文献1には、重合可能な不飽和二重結合を有する化合物、スルフィミド化合物およびアミン化合物、メタロセン錯体から成る、紫外線を照射し、嫌気状態にすることにより重合することを特徴とする硬化組成物が開示されている。
特開平9−238838
しかしながら、引用文献1に開示された光後硬化性樹脂は、本願明細書の比較例5に示すように室温での貯蔵安定性に劣るという問題があった。つまり、室温での貯蔵安定性と光照射した後に遅延硬化することを同時に両立することは困難であった。
本発明は、上記の状況に鑑みてされたものであり、室温での貯蔵安定性に優れ、紫外線等の活性エネルギー線を照射した後に、遅延硬化することを提供することを目的とする。
本発明の要旨を次に説明する。本発明の実施態様は、上述した従来の問題点を克服するものである。すなわち、本発明は以下の要旨を有するものである。
下記の(A)〜(C)成分を含有する光遅延硬化性樹脂組成物。
(A)成分:2官能以上のラジカル重合性官能基を有する化合物
(B)成分:メタロセン化合物
(C)成分:チオカルボニルチオ基含有化合物
本発明は、室温での貯蔵安定性に優れ、紫外線等の活性エネルギー線を照射した後に、遅延硬化する光遅延硬化性樹脂組成物を提供するものである。
以下に発明の詳細を説明する。
<(A)成分>
本発明の(A)成分であるラジカル重合性官能基を2以上有する化合物とは、接着剤及び塗料等に通常使用されているエチレン性不飽和基を有する化合物を使用することができ、例えば(メタ)アクリロイル基含有化合物等が挙げられる。(A)成分としては、例えば、二官能性、三官能性及び多官能性のモノマー、オリゴマー等を使用することができる。(A)成分としては、好ましくは、アルキレンオキサイド構造または脂環構造を有し、且つラジカル重合性官能基を2以上の有する化合物である。これらは単独で若しくは二種以上の混合物として用いることができる。
前記二官能性モノマーとしては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルイソシアヌレート等が挙げられる。これらは単独で若しくは二種以上の混合物として用いることができる。
前記三官能性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらは単独で若しくは二種以上の混合物として用いることができる。
前記多官能性モノマーとしては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの重合性モノマーは単独で若しくは二種以上の混合物として用いることができる。
前記オリゴマーとしては、例えば、ポリブタジエン骨格のウレタン(メタ)アクリレート、水添ポリブタジエン骨格のウレタン(メタ)アクリレート、ポリカーボネート骨格のウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル骨格のウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル骨格のウレタン(メタ)アクリレート、ひまし油骨格のウレタン(メタ)アクリレート、イソプレン系(メタ)アクリレート、水添イソプレン系(メタ)アクリレート、エポキシアクリレートなどがあげられる。これらは単独で若しくは二種以上の混合物として用いることができる。
前記アルキレンオキサイド構造且つラジカル重合性官能基を2以上有する化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート等が挙げられる。市販品としては、例えばA−200、A−400、A−600、APG−700、A−1000、A−B1206PE、ABE−300、ABE−10、ABE−20、ABE−30、A−BPP−3、APG−100、APG−200、APG−400、APG−700、A−PTMG−65、1G、2G、3G、4G、9G、14G、23G、BPE−80N、BPE−100、BPE−200、BPE−500、BPE−900、BPE−1300N、1206PE、9PG(新中村化学社製)、ライトエステル9EG、14EG、14EG−A(協栄社化学製)、SR230、SR259、SR268、SR272、SR306H、SR344、SR349、SR508、CD560、CD561、CD564、SR601、SR610、SR205、SR209、SR210、SR231、SR348、SR480、CD540、CD541、CD542、SR603(サートマー社)等が挙げられるが、この限りではない。
前記脂環構造且つラジカル重合性官能基を2以上有する化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、脂環構造を有する化合物の市販品としては例えば、DCP、A−DCP(新中村化学社製)、SR833S(サートマー社製)などが挙げられる。
<(B)成分>
本発明の(B)成分であるメタロセン化合物の具体例としては、遷移金属が鉄であるフェロセン化合物、オスミウムであるオスモセン化合物、ルテニウムであるルテノセン化合物、チタンであるチタノセン化合物、コバルトであるコバルセン化合物、ニッケルであるニッケルセン化合物などが挙げられる。これらの中でも、光活性が高いことから、フェロセン化合物またはチタノセン化合物が好ましい。これらは単独で若しくは二種「以上の混合物として用いることができる。
前記フェロセン化合物としては、例えば、フェロセン、エチルフェロセン、n−ブチルフェロセン、ベンゾイルフェロセン、アセチルフェロセン、t−アミルフェロセン、1,1’−ジメチルフェロセン、1,1’−ジ−n−ブチルフェロセン、1,1’−ジベンゾイルフェロセンなどが挙げられる。これらは単独で若しくは二種以上の混合物として用いることができる。
前記チタノセン化合物としては、チタノセンジクロリド、チタノセンビス(トリフルオロメタンスルホナート)、チタノセンジカルボニル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウムなどが挙げられる。これらは単独で若しくは二種以上の混合物として用いることができる。また、チタノセン化合物の市販品としては例えば、IRUGACURE784(BASF社製)等が挙げられる。
前記(B)成分の配合量は、特に限定されないが、好ましくは、前記(A)成分100質量部に対して、0.001〜5質量部であり、より好ましくは、0.01〜3質量部であり、特に好ましくは0.05〜1質量部である。特に、(B)成分を上記の範囲で配合することにより、光遅延硬化性と貯蔵安定性の優れた光遅延硬化性樹脂組成物が得られる。
<(C)成分>
本発明の(C)成分であるチオカルボニルチオ基含有化合物は、−S−C(=S)−基を有する化合物である。また、(C)成分は、リビングラジカル重合の1種であるRAFT重合(Reveresible Addition−Fragmen Transfer Polymerization)に用いられるRAFT剤として知られているものであるが、これに限定されない。(C)成分を本発明のその他成分と組み合わせることにより、光遅延硬化性と貯蔵安定性の優れた光遅延硬化性樹脂組成物が得られる。
前記(C)成分としては、トリチオカルボナート化合物、ジチオカルボネート化合物、ジチオカルバメート化合物、キサンタート化合物、ジチオエステル化合物などが挙げられる。中でも、光遅延硬化性が優れることからトリチオカルボナート化合物が好ましい。また、これらは、アルドリッチ社、和光純薬工業株式会社より入手可能である。
本発明で使用する、前記トリチオカルボナート化合物の具体例としては、次式で示される化合物が挙げられるが、これらに限定されない

前記トリチオカルボナート化合物の市販品としては、特に限定されないが、例えば、768723、723274、760110、723029、773808、746304、723010、741698、741035、740810、749133、740497、763551、777072、775843、753025、753033、751626、751634、752487、752495、746525、746533、792020、772569、763543、723037、736325、740705(アルドリッチ社製)などが挙げられる。
本発明で使用する、前記ジチオカルバメート化合物の具体例としては、次式で示される化合物が挙げられるが、これらに限定されない

前記ジチオカルバメート化合物の市販品としては、特に限定されないが、例えば、753106、751200、723002、738689、751227、736236、735639(アルドリッチ社製)などが挙げられる。
本発明で使用する、前記ジチオエステル化合物の具体例としては、次式で示される化合物が挙げられるが、これらに限定されない
前記ジチオエステル化合物の市販品としては、特に限定されないが、例えば、760439、763500、722995、758353、722987、731277、774472、741701、773506、760455、751138、775886、765147、773778、731269(アルドリッチ社製)などが挙げられる。
前記(C)成分の配合量は、特に限定されないが、好ましくは、前記(A)成分100質量部に対して、0.001〜5質量部であり、より好ましくは、0.01〜3質量部であり、特に好ましくは0.05〜1質量部である。特に、(C)成分を上記の範囲で配合することにより、光遅延硬化性と貯蔵安定性の優れた光遅延硬化性樹脂組成物が得られる。
<任意成分>
本発明に対し、本発明の目的を損なわない範囲で、単官能のラジカル重合性官能基を有する化合物、増感剤、重合促進剤、スチレン系共重合体等の各種エラストマー、充填材、保存安定剤、酸化防止剤、光安定剤、接着助剤、可塑剤、顔料、難燃剤、及び界面活性剤等の添加剤を使用することができる。
前記単官能のラジカル重合性官能基を有する化合物としては、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、変性ブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、本発明の(B)成分及び(C)成分との相溶性が優れるという観点から、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記重合促進剤としてはサッカリン、アミン化合物、メルカプタン化合物、ヒドラジン誘導体を挙げることができる。アミン化合物は1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロキナルジン等の複素環第2級アミン、キノリン、メチルキノリン、キナルジン、キノキサリンフェナジン等の複素環第3級アミン、N,N−ジメチル−アニシジン、N,N−ジメチルアニリン等の芳香族第三級アミン類、1,2,4−トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾキサゾール、1,2,3ベンゾチアジアゾール、3−メルカプトベンゾトリゾール等のアゾール系化合物等が挙げられる。また、メルカプタン化合物としてはn−ドデシルメルカプタン、エチルメルカプタン、ブチルメルカプタン等の直鎖型メルカプタンが挙げられる。ヒドラジン誘導体としてはエチルカルバゼート、N−アミノルホダニン、アセチルフェニルヒドラジン、p−ニトロフェニルヒドラジン、p−トリスルホニルヒドラジド等が挙げられるがこれに限定したものではない。
前記充填材としては、有機質粉体、無機質粉体、金属質粉体等が挙げられる。無機質粉体の充填材としては、ガラス、フュームドシリカ、アルミナ、マイカ、セラミックス、シリコーンゴム粉体、炭酸カルシウム、窒化アルミ、カーボン粉、カオリンクレー、乾燥粘土鉱物、乾燥珪藻土等が挙げられる。無機質粉体の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜100質量部程度が好ましい。0.1質量部より少ないと効果が小さく、100質量部より大きいと光遅延硬化性樹脂組成物の流動性が乏しくなり、作業性が低下する。
フュームドシリカは、光遅延硬化性樹脂組成物の粘度調整又は硬化物の機械的強度を向上させる目的で配合される。好ましくは、オルガノクロロシラン類、ポリオルガノシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどで疎水化処理したものなどが用いられる。フュームドシリカの具体例としては、例えば、日本アエロジル製の商品名アエロジルR974、R972、R972V、R972CF、R805、R812、R812S、R816、R8200、RY200、RX200、RY200S、R202等の市販品が挙げられる。
前記有機質粉体の充填材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、架橋アクリル、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネートが挙げられる。有機質粉体の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜100質量部程度が好ましい。0.1質量部より少ないと効果が小さく、100質量部を超えると、光遅延硬化性樹脂組成物の流動性が乏しくなり、作業性が低下する。
前記保存安定剤としては、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のラジカル吸収剤、エチレンジアミン4酢酸又はその2−ナトリウム塩、シユウ酸、アセチルアセトン、o−アミノフエノール等の金属キレート化剤等を添加することもできる。
前記酸化防止剤としては、例えば、β−ナフトキノン、2−メトキシ−1,4−ナフトキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−p−ベンゾキノン等のキノン系化合物;フェノチアジン、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、カテコール、tert−ブチルカテコール、2−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4′−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、3,9−ビス〔2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド〕、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕フォスフォネート、3,3′,3″,5,5′,5″−ヘキサ−tert−ブチル−a,a′,a″−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕フォスフォネート、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、ヘキサメチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス〔(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル〕−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,6−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、ピクリン酸、クエン酸等のフェノール類;トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス〔2−〔〔2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕エチル〕アミン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリートールジフォスファイト、ビス〔2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル〕エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)〔1,1−ビスフェニル〕−4,4‘−ジイルビスホスフォナイト、6−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ〔d、f〕〔1,3,2〕ジオキサフォスフェフィン等のリン系化合物;ジラウリル3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、2−メルカプトベンズイミダゾール等のイオウ系化合物;フェノチアジン等のアミン系化合物;ラクトン系化合物;ビタミンE系化合物等が挙げられる。中でもフェノール系化合物が好適である。
前記光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−メタアクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、N,N′,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリルオキシカルボニル)エチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5・1・11・2〕ヘネイコサン−21−オン、β−アラニン,N,−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ドデシルエステル/テトラデシルエステル、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5,1,11,2〕ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキサ−3,20−ジアザジシクロ−〔5,1,11,2〕−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル、プロパンジオイックアシッド,〔(4−メトキシフェニル)−メチレン〕−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールの高級脂肪酸エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド,N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等のヒンダートアミン系;オクタベンゾン等のベンゾフェノン系化合物;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコールの反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系化合物;2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系化合物;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール等のトリアジン系化合物等が挙げられる。特に好ましくは、ヒンダートアミン系化合物である。
本発明に対し密着付与剤を添加してもよい。密着付与剤としてはγ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン、ヒドロキシエチルメタクリレートリン酸エステル、メタクリロキシオキシエチルアシッドフォスフェート、メタクリロキシオキシエチルアシッドフォスフェートモノエチルアミンハーフソルト、2−ヒドロキシエチルメタクリル酸フォスフェート等があげられる。これらの中では、ヒドロキシエチルメタクリレートリン酸エステル、メタクリロキシオキシエチルアシッドフォスフェート、メタクリロキシオキシエチルアシッドフォスフェートモノエチルアミンハーフソルト、2−ヒドロキシエチルメタクリル酸フォスフェート等が好ましい。密着性付与剤の含有量は、(C)成分100質量部に対し、0.05〜30質量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜10質量部である。
本発明の光遅延硬化性樹脂組成物は、従来公知の方法により製造することができる。例えば、(A)成分〜(C)成分の所定量を配合して、ミキサー等の混合手段を使用して、好ましくは10〜70℃の温度で好ましくは0.1〜5時間混合することにより製造することができる。
本発明の光遅延硬化性樹脂組成物を紫外線、可視光等の光を照射することにより硬化させるに際しての光源は特に限定されず、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LED、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。
本発明における「光遅延硬化性」とは、光を照射した直後は液状であるが、経時で硬化が進行する硬化性を意味する。
従来の光硬化性樹脂組成物を光透過性に劣る被着体に適用する場合、光透過に劣るので、十分に光硬化させることが困難であり、接着できないことがある。一方で、本発明の光遅延硬化性樹脂組成物は、光照射後も硬化が持続的に進む光遅延硬化性を有するため、光透過性に劣る被着体への適用に際しては、先ず光反応性組成物に活性エネルギー線を照射し、次いで、被着体へ塗布し、接着することができる。また、まず一方の光透過性に劣る被着体に光遅延硬化性樹脂組成物を塗布し、この光遅延硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射した後に、他方の光透過性に劣る被着体を貼り合わせて、光遅延硬化することで、接着することができる。つまり、光透過性に劣る被着体の少なくとも一方に、光遅延硬化性樹脂組成を塗布する前または塗布後に、活性エネルギー線を照射し、その後、光透過性に劣る被着体同士を接合することを特徴とする接着方法である。このようにして得られた接合体もまた本発明の一形態である。光透過性に劣る被着体としては、特に限定されないが、例えば、金属、金属酸化物、着色された樹脂材料などが挙げられる。
本発明の光遅延硬化性樹脂組成物は、接着、封止、注型、塗装、コーティング、光学部品の成形等様々な用途に使用が可能である。具体的な用途としては、自動車・輸送機分野では、自動車用のスイッチ部分、ヘッドランプ、エンジン内部品、電装部品、ブレーキオイルタンク等の接着、封止、注型、成形、コーティング等に使用が可能である。また、フラットパネルディスプレイでは、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、発光ダイオード表示装置、フィールドエミッションディスプレイの接着、封止、注型、成形、コーティング等に使用が可能である。記録分野では、CD、DVD、MD、ピックアップレンズ、ハードディスク周辺(スピンドルモータ用部材、磁気ヘッドアクチュエータ用部材など)、ブルーレイディスク等の接着、封止、注型、成形、コーティング等に使用が可能である。電子材料分野では、電子部品、電気回路、電気接点あるいは半導体素子等の封止材料、ダイボンド、導電性接着剤、異方性導電性接着剤、ビルドアップ基板を含む多層基板の層間接着剤、ソルダーレジスト等を挙げることができる。電池分野では、リチウム電池、マンガン電池、アルカリ電池、ニッケル系電池、燃料電池、シリコン系太陽電池、色素増感型太陽電池、有機太陽電池等の接着、封止、注型、成形、コーティング等に使用が可能である。光部品分野では、光通信システムでの光スイッチ周辺、光コネクタ周辺の光ファイバー材料、光受動部品、光回路部品、光電子集積回路周辺の等の接着、封止、注型、成形、コーティング等に使用が可能である。光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部、撮影レンズ、プロジェクションテレビの投射レンズ等の接着、封止、注型、成形、コーティング等に使用が可能である。また、液晶やタッチパネル等の画像表示装置において、ガラス等の保護部と画像表示部との間に隙間が設けられているが、この隙間を埋める用途に本発明の光遅延硬化性樹脂組成物を用いてもよい。
以下に実施例をあげて本発明を更に詳細説明をするが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<光遅延硬化性樹脂組成物の調製>
(実施例1)
本発明の(A)成分としてトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(DCP、新中村化学社製)100質量部と、(B)成分としてチタノセンジクロリド(試薬)0.1質量部と、(C)成分として化学式4で表されるチオカルボニルチオ基含有トリチオカルボナート化合物(製品名723274 、アルドリッチ社製)0.1質量部を添加し、遮光下で常温にてプラネタリーミキサーで60分混合し、光遅延硬化性樹脂組成物である実施例1を得た。
(実施例2)
実施例1において、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレートの代わりに、(A)成分に該当するノナエチレングリコールジメタクリレート(製品名ライトエステル9EG、共栄社化学工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして調製し、実施例2を得た。
実施例2において、ノナエチレングリコールジメタクリレート100質量部の代わりに80質量部にして、さらに、(A)成分に該当しないイソボルニルアクリレート(製品名ライトエステルIBX−A、共栄社化学工業株式会社製)20質量部配合した以外は実施例2と同様にして調製し、実施例3を得た。
(実施例4)
実施例1において、チタノセンジクロライド0.1質量部を0.5質量部に変更した以外は実施例1と同様にして調製し、実施例4を得た。
(比較例1)
実施例1において、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレートの代わりに、(A)成分に該当しないイソボルニルアクリレートにした以外は、実施例1と同様にして調製し、比較例1を得た。
(比較例2)
実施例1において、チタノセンジクロライドを除いた以外は、実施例1と同様にして調製し、比較例2を得た。
(比較例3)
実施例1において、チタノセンジクロライドの代わりに(B)成分に該当しない2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア1173、BASF社製)にした以外は、実施例1と同様にして調製し、比較例3を得た。
(比較例4)
実施例1において、化学式4で表されるチオカルボニルチオ基含有トリチオカルボナート化合物を除いた以外は、実施例1と同様にして調製し、比較例4を得た。
(比較例5)
比較例4において、チタノセンジクロライドの代わりに(B)成分に該当するフェロセン(試薬)にした以外は、比較例4と同様にして調製し、比較例5を得た。
(特性評価)
各種特性に関して次のようにして測定した。
<光遅延硬化性試験>
10mm×10mmのガラス板に各組成物を100μmの厚みになるように塗布する。次に、紫外線照射機を用いて0.2J/cmの積算光量の光を照射した。その後、25℃環境下で、試験片表面のべたつきがなくなるまでの時間を評価し、その結果を表1に示す。なお、べたつきがなくなったかどうかの判断は、ポリテトラフルオロエチレンの棒による接触試験で判断した。
なお、表中の「即硬化」とは、光照射直後に硬化しており、光遅延硬化性が確認できなかったものである。「未硬化」とは照射後60分経過後も硬化していなかったものである。
<貯蔵安定性試験>
各組成物を25℃の環境下で遮光容器中に60日間密閉保存し、下記基準に基づき評価し、その結果を表1に示す。
評価基準
○:組成物の流動性が確認できた。
×:組成物がゲル化して流動しなくなっていた。
表1によれば、本発明に該当する実施例1〜4は、室温での貯蔵安定性に優れ、紫外線等の活性エネルギー線を照射した後に、遅延硬化することがわかる。
また、比較例1は、本発明の(A)成分を含有しない硬化性樹脂組成物であるが、光を照射しても未硬化であることがわかる。また、比較例2は、本発明の(B)成分が非含有の硬化性樹脂組成物であるが、光を照射しても未硬化であることがわかる。また、比較例3は、本発明の(B)成分の代わりに、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを配合した硬化性樹脂組成物であるが、光を照射すると、遅延硬化せずに即硬化していることがわかる。また、比較例4は、本発明の(C)成分が非含有の硬化性樹脂組成物であるが、光を照射しても未硬化であることがわかる。また、比較例5は、本発明の(C)成分が非含有で、本発明の(B)成分としてフェロセンを用いた硬化性樹脂組成物であるが、貯蔵安定性が劣るという結果であった。
本発明の光遅延硬化性樹脂組成物は、室温での貯蔵安定性に優れ、紫外線等の活性エネルギー線を照射した後に、遅延硬化するので、各種用途に好適用いられる。具体的には、被覆材、注型材、シール剤、シーリング材、ポッティング剤、接着剤、コーティング材、ライニング材等として極めて有効であり、広い分野に適用可能であることから産業上有用である。

Claims (6)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を含有する光遅延硬化性樹脂組成物。
    (A)成分:(メタ)アクリロイル基を2以上有する化合物
    (B)成分:メタロセン化合物
    (C)成分:下記の式(1)〜(15)のいずれかで表される、RAFT剤として用いられるトリチオカルボナート化合物
  2. 前記(A)成分が、アルキレンオキサイド構造または脂環構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光遅延硬化性樹脂組成物。
  3. 更に、単官能性(メタ)アクリレート化合物を含むことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の光遅延硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分が0.001〜5質量部であり、前記(C)成分が0.001〜5質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光遅延硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光遅延硬化性樹脂組成物を用いて光透過性に劣る被着体同士を接着してなる接合体。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光遅延硬化性樹脂組成物を用いて光透過性に劣る被着体同士を接合する接着方法であって、
    前記被着体の少なくとも一方に塗布した前記光遅延硬化性樹脂組成物に、活性エネルギー線を照射し、接合するか、あるいは、
    塗布する前に活性エネルギー線を照射した前記光遅延硬化性樹脂組成物を、前記被着体の少なくとも一方に塗布し、接合する、
    接着方法。
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