JP4689936B2 - 構造を製作するか又は物品に構造を付加するための方法 - Google Patents
構造を製作するか又は物品に構造を付加するための方法 Download PDFInfo
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Description
関連出願
本出願は、共に2000年6月15日に出願され本書に参考として内含されている米国仮出願第60/211,588号及び60/211,706号からの優先権を主張するものである。
【0002】
技術分野
本発明は、多光子硬化プロセスで構造を製作するか又はそれを物品に付加する方法に関する。
【0003】
背景
重合体製品を製造するためには、射出成形、圧縮成形、型押、押出型押及び型内重合といったような成形技術を使用することができる。金属製品を作るためには、打抜き加工、鋳造及び機械加工を使用でき、一方、セラミクス製品を形成する上で使用するにはエッチング、焼結及び研削が適切である。これらの巨視的製造技術は、物品を形成するため又は物品の表面に1つの構造を付与するために使用することができる。比較的大きな3次元部品は、別々の成形段階で作り、組立てて物品の表面に取付けることができるが、この技術は、微視的部品の製造及び組立には有用でない。例えば、アンダカットといったようなマイクロ構造の或る種のカテゴリは、一般に物品の表面上には成形され得ない。その上、マイクロ構造のさらなる従来の処理が物品に損傷を与える可能性がある場合、物品の表面上にマイクロ構造を成形することは困難であり実施不能であるかもしれない。
【0004】
或る種の利用分野においては、硬化プロセスの実施方法によって硬化した組成物内の応力(量及び方向)を制御することが望まれる可能性もある。例えば、成形品の表面に、くぼみ又は溝といったような造形部が含まれる場合には、その造形部の内部又は造形部の側壁に沿って構造を形成することが必要となる可能性もある。造形部の中に硬化性組成物を入れそれを光で硬化させることにより造形部に対しいくつかの構造を付加することもできる。従来の光硬化プロセスにおいては、硬化性組成物は、硬化用放射線の有意な部分を吸収し、従って、該表面は最大の光強度を受ける。その結果、硬化性組成物の表面はまず最初に硬化し、次に組成物の残りの部分が硬化性組成物の表面から造形部の最大深度まで漸進的に硬化する。こうして厚みのある層の硬化がかなり困難になる可能性がある。一部のケースでは、硬化性組成物の最下層をまず最初に硬化して成形品の表面上又は造形部の中の応力を低減させることが望ましい。底面から上へと硬化させてゆくためには、多数の硬化性組成物層を造形部内に適用し、各層が次の層の適用前に硬化されることが必要となる。この多段階プロセスは、時間が費やされかつ効率の悪いものである。
【0005】
要約
物品が従来の技術によって製造される場合、本発明は、1つの又は複数の小さい主要構成要素を重合体硬化プロセスを用いてその場(インサイチュ)で付加できる方法を提供する。単光子吸収は入射放射線の強度と共に線形的にスケーリングする一方、2光子吸収は二次的にスケーリングする(そして高次吸収は、入射光度の関連する高次パワーと共にスケーリングする)。その結果として、三次元空間解像度で多光子硬化プロセスを実施することが可能である。同様に、多光子プロセスには、2つ以上の光子の同時吸収が関与することから、吸収性発色団は、各光子が個別に発色団を励起するには不充分なエネルギーしか有していない場合でさえ、多光子光増感剤の励起状態のエネルギーに等しい合計エネルギーをもつ一定数の光子で励起される。励起光は、硬化性母材又は材料内の単光子吸収により減衰されず、従って、単光子励起を介して可能となるものに比べ大きい材料内深度で分子を選択的に励起することが可能である。
【0006】
1つの実施形態において、本発明は、成形品に対し多光子硬化性組成物を適用する工程であって:該組成物が硬化性種及び多光子光開始剤系を内含する工程;成形品上に構造を形成するべく多光子硬化性組成物を少なくとも部分的に硬化させる工程、を含んで成る、構造の製造方法にある。
【0007】
第2の実施形態において、本発明は、少なくとも1つの微視的造形部をもつ表面を有する、物品に構造を付加する方法において:造形部に対し多光子硬化性組成物を適用する工程であって、該組成物が;硬化性種;及び多光子光増感剤及び電子受容体を内含する多光子光開始剤系を内含する工程;構造を形成するべく多光子硬化性組成物を少なくとも部分的に硬化させる工程、を含んでなる方法にある。
【0008】
第3の実施形態において、本発明は、光ファイバに、構造を付加する方法において:光ファイバに対し多光子硬化性組成物を適用する工程であって、該組成物が;硬化性種;及び多光子光増感剤及び電子受容体を内含する多光子光開始剤系を内含する工程;構造を形成するべく多光子硬化性組成物を少なくとも部分的に硬化させる工程、を含んでなる方法にある。
【0009】
第4の実施形態において、本発明は、基材上に回析格子を製作するする方法において:造形部に対し多光子硬化性組成物を適用する工程であって、該組成物が;硬化性種;及び多光子光増感剤及び電子受容体を内含する多光子光開始剤系を内含する工程;及び構造を形成するべく多光子硬化性組成物を少なくとも部分的に硬化させる工程、を含んでなる方法にある。
【0010】
第5の実施形態において、本発明は、多光子硬化された材料でキャビティを充填する方法において:硬化性種及び多光子光開始剤系を内含する多光子硬化性組成物を提供する工程であって、前記多光子光開始剤系が多光子光増感剤及び電子受容体を内含する工程;キャビティを有する基材を提供する工程;多光子吸収をひき起こすのに充分な光源に対し多光子硬化性組成物を露光する工程、を含んでなる方法にある。
【0011】
第6の実施形態において、本発明は、歯を修復する方法において:歯に対し多光子硬化性組成物を適用する工程であって、該組成物が;硬化性種;及び多光子光増感剤及び電子受容体を内含する多光子光開始剤系を内含する工程;多光子硬化性組成物を少なくとも部分的に硬化させる工程、を含んでなる方法にある。
【0012】
本発明の単数又は複数の実施形態の詳細は、添付図面及び以下の記述の中に記されている。本発明のその他の特長、目的及び利点は、明細書及び図面そして特許請求の範囲から明らかになることだろう。
【0013】
なお、さまざまな図面中の同一の参照番号は同じ要素を表わしている。
【0014】
詳細な説明
本発明は、構造を製作するか或いはそれを物品に付加する方法を提供している。該方法は、部分的に完成した物品の表面上に多光子硬化性組成物をコーティングする工程及び表面上に構造を形成するべく多光子硬化性組成物を硬化させる工程を含む。
【0015】
露光系とその使用
本発明で使用するための光学系10は、光源12、光学素子14及び可動ステージ16を備える。ステージ16は、好ましくは3次元に移動可能である。ステージ16上に取付けられた部分的に完成した製品18は、表面20及び光学的表面造形部22を含む。多光子硬化性組成物24は、表面20上又は造形部22上に適用される。光源12からの光26は次に、組成物24を少なくとも部分的に硬化させるべく組成物内の光強度の3次元空間分布を制御するため硬化性組成物24の体積内部の1点Pに集束される。
【0016】
一般に、硬化性組成物24の体積内部でビームを集束するよう集束用光学列の中にパルスレーザからの光を通すことができる。ステージ16を用いて、又は光源12を移動させること(例えばガルボミラーを用いてレーザービームを移動させることによって、焦点pを、望ましい形状に対応する3次元パターンで走査又は並進運動させることができる。硬化性組成物24の硬化した又は部分的に硬化した部分は次に、望ましい形状の3次元画像を作り出す。
【0017】
システム10内の光源12は、多光子硬化プロセスを開始させる能力をもつ放射線である多光子硬化用放射線を形成するあらゆる光源であってよい。適切な光源としては、例えば、アルゴンイオンレーザー(例えばINNOVAという商標名でCoherentから入手できるもの)によってポンピングされたフェムトセカンド近赤外線チタンサファイアオシレータ(例えばMIRA OPTIMA900−Fという商標名でCoherentから入手可能なもの)が含まれる。76MHzで作動するこのレーザーは、200フェムトセカンド未満のパルス幅をもち、700〜980nmの間で同調でき、最高1.4ワットの平均パワーを有する(例えば、最高1ワットのパワーレベルで波長λ=800nm,80MHzの繰返し周波数及び約100フェムトセカンド(1×10-3sec)のパルス幅で作動させられるSpectra−Physics,Inc.,(1335Terra Bella Avenue,Mountain View,CA94043 USA)の「Mai Tai」型)。
【0018】
しかしながら、実際には、(光反応性組成物内で使用される)光増感剤に適した波長で(多光子吸収をもたらすのに)充分な強度を提供するあらゆる光源を利用することができる。かかる波長は、一般には、約300〜約1500nmの範囲内、好ましくは約600〜約1100nmの範囲内;より好ましくは約750〜約850nmの範囲内にあり得る。ピーク強度は一般に少なくとも約106重量/cm2以上の範囲にある。パルスフルエンスの上限は一般に、光反応性組成物のアブレーション閾値により決定される。例えば、Q−スイッチNd;YAGレーザー(例えば、QUANTA−RAY PROの商標名でSpectra−Physicsから入手可能なもの)、可視波長色素レーザー(例えば、Spectra−Physics Quanta−Ray PROによってポンピンクされたSIRAHという商標名でSpectra Physicsから入手可能なもの)、及びQスイッチダイオードでポンピングされたレーザー(例えば、FCBARの商標名でSpectra−Physicsから入手可能なもの)も同様に利用可能である。好ましい光源は、約10-8秒未満(より好ましくは約10-9秒未満;最も好ましくは約10-11秒未満)のパルス長をもつ近赤外線パルスレーザーである。以上で詳述したピーク強度及びアブレーション閾値基準が満たされていることを条件として、その他のパルス長を使用することもできる。
【0019】
系10において有用な本発明の方法を実施する上で有用な光学素子14には、屈折性光学素子(例えばレンズ)、反射性光学素子(例えば再帰反射体又は集束ミラー)、回折光学素子(例えば、格子、フェーズマスク及びホログラム)、偏光用光学素子(例えば、直接偏光子及び波長板)、拡散器、ポッケルスセル、導波管などが含まれる。かかる光学素子は、集束、ビーム送出し、ビーム/モード整形、パルス整形及びパルスタイミングのために有用である。一般に、光学素子の組合せを利用することができ、当業者であればその他の適切な組合せも認められることだろう。往々にして、集束度の高い光を提供するためには、大きい開口数(NA)をもつ光学機械を用いることが望ましい。しかしながら、望ましい強度プロフィール(及びその空間配置)を提供する光学素子のあらゆる組合せを利用することができる。例えば、露光系は、0.75NAの対物レンズ(例えば、20×FLUARの商標名でZeissから入手可能なもの)を備えた走査式共焦点顕微鏡(MRC600の商標名でBioRadから入手可能なもの)を含むことができる。
【0020】
露光時間は、一般に、画像を形成させるために用いられる露光形のタイプ(そして開口数、光強度空間分布の幾何形状、レーザーパルス中のピーク光強度(より高い強度及びより短かいパルス持続時間はほぼピーク光強度に対応する)といったその随伴する変数)ならびに、露光される多光子硬化性組成物の性質によって左右される。一般に、その他のものが全て等しいとすると、焦点領域内のピーク光強度を高くすれば、露光時間を短縮することができる。線形画像形成又は「書込み」速度は一般に、約10-8〜10-15秒(好ましくは約10-11〜10-14秒)のレーザー持続時間そして秒あたり約102〜109パルス(好ましく秒あたり約103〜108パルス)を用いて、約5〜100,000ミクロン/秒であり得る。
【0021】
多光子硬化性放射線26は、未露光の硬化性組成物のものとは異なる可溶性特性をもつ材料を生成する硬化性組成物内の反応を誘発する。このとき硬化された材料の結果として得られたパターンは、適切な溶剤で露光領域又は未露光領域のいずかを除去することによって現像することができる。硬化された複雑で継目の無い3次元構造を、この要領で調製することができる。
【0022】
結果として得られた構造は、適切な任意のサイズ及び形状をもち得るが、本発明の方法は、物品のマイクロ構造化された表面に対してマイクロ構造を付加するために特に充分適している。構造は、物品の表面上又は表面の造形部の内部又は上に形成され得る。例えばくぼみ、突出部、ポスト又はチャネルの連続又は不連続パターンといったように、かかる造形部(単複)が物品の表面上に存在する場合、構造を、造形部(単複)の中に形成することができる。造形部(単複)は、微視的であってよく、ここで「微視的」という語は、その形状を見極めるべく任意の平面から見るときに裸眼に対して光学的補助具を必要とするほど充分に小さい寸法をもつ造形部を意味する。1つの基準は、W.J.SmithによるModern Optic Engineering McGraw Hill,1966年p104〜105の中に見られ、これによると、「…は、認識可能な最小の文字の角度サイズとして定義され測定される」。正常な視力とは、最小の認識可能な文字が網膜上で5分の円弧の角高さの範囲に入る場合とみなされる。250mm(10インチ)の標準的作業距離では、これは、この物体について0.36mm(0.0145インチ)の側方寸法を生み出す。本書で使用されているように、「マイクロ構造」という語は、造形部の少なくとも2つの寸法が微視的である造形部構成を意味する。
【0023】
図2を参照すると、好ましい実施形態において、多光子硬化性材料124を、物品118の表面120内の造形部122の中に入れることができる。この造形部は、穴、くぼみ又は溝といったようなキャビティでありうる。多光子硬化性放射線126は、材料を硬化させるため材料の体積内の任意の点Pに集束され得る。多光子硬化において深度制御が可能である状態で、硬化性組成物は、造形部124の底面123から上に、中央から外に、側壁125から中に向かって、又は、特定の利用分野について最良なあらゆるパターンで、容易に硬化され得る。例えば、歯の穴の中に多光子硬化性材料が入れられる場合、硬化性材料を硬化させ、固化して歯科用充填材を形成することができる。かかる歯科用充填材においては、全ての表面においてまず最初に硬化させ、上部中央に向かって作業を進めることで、強く応力の無い充填材を提供することができる。
【0024】
ここで図3A−3Cを参照すると、製品218の表面220内のチャネル222の中で逆止弁様の流量調節構造を形成するべく特定的パターンで硬化性材料224を硬化させることができる。バルブ230は、チャネル222の底面231から上向きに延びる複数の可とう性拡張領域232を含む。領域232は、矢印Fにより表わされた第1の方向に流体が流れることができるようにするべく湾曲する。側方控壁234は、光学カバー240(図3Bには示されず)を支持する。流体流が方向F’に移動する場合、カバー240内のストップバー241が拡張領域232の湾曲を制限し、方向F’での流れを制御し停止する。
【0025】
図4を参照すると、シリコンウェーハ314上のアルミメッキされたミラー層312に、多光子硬化性組成物を塗布することができる。多光子硬化性組成物はこのとき、一連の密に間隔どりされたライン316を形成するべく、縞様パターンで硬化され得る。硬化された材料のラインは、ミラー層312の表面をライン316で中断された反射性ストリップの形に破断する。かくして、ほとんど付加的加工なく、既製のミラーに対し回折格子を付加することができる。アルミニウムエッチングは全て不要であり、硬化プロセスがミラー表面に損傷を加えたりこれを酸化させることもない。格子構成は、分光光度計内の振動するMEMSミラー格子として使用可能である。
【0026】
ここで図5を参照すると、製品358の表面360内のチャネル362に対して、多光子硬化性組成物を適用することができる。硬化性組成物を硬化させてチャネル362内にビーム364を形成することができ、こうして流体流のためのアンダカット領域366が残される。
【0027】
図6A−6Cを参照すると、本発明の方法は同様に、成形品上で可動部分を製造するのに使用することもできる。図6A−6Cにおいては、成形品418の表面420内のチャネル422の中に重合体硬化性材料を適用することができる。材料は、フラップ様の流量調節弁430を形成するべく硬化され得る。バルブ430は、保持用構造436内でバー432の長手方向軸を中心に旋回する。チャネル422内の流体流がFの方向に移動するとき、フラップ434は、実質的に自由な流体の運動を可能にする。しかしながら、流れがF’の方向に移動する場合、ストッパバー438は、カバー440(図6Bには示さず)と接触し、流体流を制限すべき位置までフラップ434を移動させる。
【0028】
本発明の方法によって製造できるその他の部品の例としては、多光子硬化プロセスによって単数又は複数のバルブを付加できるマイクロポンプ;片持ち式ビームを付加できる加速度計;及びチャネルの上部を付加できるチャネルデバイスがある。部分的に完成した成形品の主本体に付着させることのできる部品の例としては、フラッパバルブ、フィルム、バネ、橋、カンチレバー、たわみ、カバー及びキャップがある。部分的に完成した製品の本体から完全に離脱させることのできる部品の例としては、ボール弁のためのボール、球、ギヤ、ヒンジ及びスピナがある。かくして、本発明の方法に従って製造された部品が主本体に充分接着することが望まれる場合もあれば、部品が主本体から解放されることが望ましい場合もある。
【0029】
本発明の好ましい一実施形態においては、構造を付加する方法を、レンズ、プリズム、ディフューザ又は回折性素子といったような光学デバイスを付加するべく光ファイバ上で実施することができる。
【0030】
上述の構造を形成するのに使用できる多光子硬化性組成物には、硬化性又は非硬化性種及び多光子光開始剤系が内含される。多光子光開始剤系は、多光子光増感剤,電子受容体及び任意の電子供与体を内含する。
【0031】
本発明の組成物は、硬化性種そして任意には非硬化性種を内含することができる。
【0032】
硬化性種には、付加重合性単量体及びオリゴマ及び付加架橋性重合体(例えば、アクリレート、メタクリレート及びスチレンといった或る種のビニル化合物を含む遊離ラジカル重合性又は架橋性エチレン不飽和酸など)、ならびにカチオン重合性単量体及びオリゴマ及びカチオン架橋性重合体(例えばエポキシ、ビニルエーテル、シアネートエステルなどを含む)など及びそれらの混合物が内含される。
【0033】
適切なエチレン不飽和種は、例えば米国特許第5,545,676号に記述されており、モノ−、ジ−、及びポリアクリレート及びメタクリレート(例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−へキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グリセロールジアクリレート、グルセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、ビス[1−(2−アクリルオキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、トリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレート、分子量約200−500のポリエチレングリコールビス・アクリレート及びビス・メタクリレート、米国特許第4,652,274号に記述されているもののようなアクリルレート単量体と米国特許第4,642,126号に記載されているもののようなアクリルレートオリゴマーの共重合性混合物);不飽アミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリス−アクリルアミド及びベータ−メタクリルアミノエチルメタクリレート);ビニル合成物(例えば、スチレン、ジアリルフタレート、ジビニルスクシネート、ジビニルジアペート及びジビニルフタレート)など;及びそれらの混合物を内含する。
【0034】
適切な反応性重合体には、例えば重合体鎖1本につき1〜約50個の(メト)アクリレート基をもつ(メト)アクリレート側基を伴う重合体が含まれる。かかる重合体の例としては、SartomerからSARBOXという商標名で入手可能なもの(例えばSARBOX400、401、402、404及び405)といったような芳香族酸(メト)アクリレート半エステル樹脂が含まれる。遊離ラジカル化学により硬化可能なその他の有用な反応性重合体としては、米国特許第5,235,015号に記述されているものといったようなそれに付着された遊離ラジカル重合性官能基を伴うヒドロカルビル主鎖及びペプチド側基をもつ重合体がある。望ましい場合、2つ以上の単量体、オリゴマ及び/又は反応性重合体の混合物を使用することもできる。好ましいエチレン不飽和種としては、(メト)アクリレート、芳香族(メト)アクリレート半エステル樹脂及び遊離ラジカル重合性官能基が結合したヒドロカルビル主鎖及びペプチド側基をもつ重合体がある。
【0035】
適切なカチオン反応種は例えば、米国特許第5,998,495号及び6,025,406号によって記述されており、エポキシ樹脂を内含する。かかる材料は、広くエポキシドと呼ばれ、重合体タイプのエポキシド及び単量体エポキシ化合物を内含し、脂肪族、脂環式、芳香族又はヘテロ環式でありうる。これらの材料は一般に平均して分子1個あたり少なくとも1つの重合性エポキシ基をもつ(好ましくは、少なくとも約1.5、より好ましくは少なくとも約2)。重合体エポキシドには、末端エポキシ基をもつ線状重合体(例えばポリオキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル)、骨格オキシラン単位をもつ重合体(例えばポリブタジエンポリエポキシド)及びエポキシ側鎖をもつ重合体(例えばグリシジルメタクリレート重合体又は共重合体)が含まれる。エポキシドは、純粋化合物であってもよいし、又は、1分子あたり1個、2個又はそれ以上のエポキシ基を含有する化合物の混合物でもあり得る。これらのエポキシ含有材料は、その主鎖及び置換基の性質に関して大幅に変動し得る。例えば主鎖は、任意のタイプのものであってよく、その上の置換基は、室温でカチオン硬化と実質的に干渉しないあらゆる基であり得る。許容可能な置換基の例としては、ハロゲン、エステル基、エーテル、スルホネート基、シロキサン基、ニトロ基、ホスフェート基などが含まれる。エポキシ含有材料の分子量は、約58〜約100,000個以上まで変動しうる。
【0036】
有用なエポキシ含有材料としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート)、及びビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペートに代表されるエポキシシクロヘキサンカルボキシレート、といったようなシクロヘキサンオキシド基を含有するものが含まれる。このような有用なエポキシドのさらに詳しいリストは、米国特許第3,117,099号に記述されている。
【0037】
有用であるその他のエポキシ含有材料としては、以下の構造式のグリシジルエーテル単量体が含まれる。
【化1】
なお式中、R’はアルキル又はアリールであり、nは1〜6の整数である。例としては、エピクロロヒドリンといったような余剰のクロロヒドリンと多価フェノールを反応させて得られる多価フェノールのグリシジルエーテル(例えば、2,2−ビス−(2,3−エポキシプロポキシフェノール)−プロパン)がある。このタイプのエポキシドのさらなる例は、米国特許第3,018,262号及びエポキシ樹脂便覧、Lee及びNeville,McGraw Hill Book Co.,New York(1967)に記述されている。
【0038】
数多くの市販のエポキシ樹脂も利用可能である。特に、容易に入手可能なエポキシドとしては、オクタデシレンオキシド、エピクロロヒドリン、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、グリシドール、グリシジルメタクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(例えば、旧Shell Chemical Co.であるResolution Performance Products社からEPON828、EPON825、EPON1004、及びEPON1010の商標名で入手可能なもの、並びにDow Chemical Co.からDER−331、DER−332及びDER−334の商標名で入手可能なもの)、ビニルシクロヘキセンジオキシド(例えば、Union Carbide Corp.からERL−4206という商標名で入手可能な化合物)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(例えば、Union Carbide Corp.からERL−4221、Cyracure UVR6110又はUVR6105という商標名で入手可能な化合物)、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキセンカルボキシレート(例えば、Union Carbide Corp.からERL−4201という商標名で入手可能な化合物)、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート(例えば、Union Carbide Corp.からERL−4289という商標名で入手可能な化合物)、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル(例えば、Union Carbide Corp.からERL−0400という商標名で入手可能な化合物)、ポリプロピレングリコールから改質された脂肪族エポキシ(例えば、Union Carbide Corp.からERL4050及びERL4052という商標名で入手可能なもの)、ジペンテンジオキシド(例えば、Union Carbide Corp.からERL4269という商標名で入手可能な化合物)、エポキシド化ポリブタジエン(例えば、FMC Corp.からOxiron2001という商標名で入手可能な化合物)、シリコーン樹脂含有エポキシ官能基、難燃性エポキシ樹脂(例えば、Dow Chemical Co.製の臭素化ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂であるDER−580という商標名で入手可能なもの)、フェノールホルムアルデヒドノボラックの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(例えば、Dow Chemical Co.からDEN431及びDEN438という商標名で入手可能なもの)、レソルシノールジグリシジルエーテル(例えば、Koppers Company,Inc.からKOPOXITEという商標名で入手可能な化合物)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート(例えば、Union Carbide Corp.からERL4299又はUVR6128という商標名で入手可能なもの)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン(例えば、Union Carbide Corp.からERL−4234という商標名で入手可能な化合物)、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド1,2−エポキシヘキサデカン(例えば、Union Carbide Corp.からUVR−6216という商標名で入手可能な化合物)、アルキルC8−C10グリシジルエーテルといったようなアルキルグリシジルエーテル(例えば、Resolution Performance Products社からHELOXY MODIFIER7という商標名で入手可能な化合物)、アルキルC12−C14グリシジルエーテル(例えば、Resolution Performance Products社製のHELOXY MODIFIER8という商標名で入手可能なもの)、ブチルグリシジルエーテル(例えば、Resolution Performance Products社からHELOXY MODIFIER61という商標名で入手可能なもの)、クレシルグリシジルエーテル(例えば、Resolution Performance Products社製のHELOXY MODIFIER62)、p−tert‐ブチルフェニルグリシジルエーテル(例えば、Resolution Performance Products社製のHELOXY MODIFIER65)、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテルといったような多官能性グリシジルエーテル(例えば、Resolution Performance Products社製のHELOXY MODIFIER67)、ネオペンチルグリコールのジグリチジルエーテル(例えば、Resolution Performance Products社製のHELOXY MODIFIER68)、シクロヘキサンジメタノールのグリシジルエーテル(例えば、Resolution Performance Products社製のHELOXY MODIFIER107)、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル(例えば、Resolution Performance Products社製のHELOXY MODIFIER44)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(例えば、Resolution Performance Products社製のHELOXY MODIFIER48)、脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル(例えば、Resolution Performance Products社製のHELOXY MODIFIER84)、ポリグリシジルジエポキシド(例えば、Resolution Performance Products社製のHELOXY MODIFIER32)、ビスフェノールFエポキシド(例えば、Resolution Performance Products社からEPON1138という商標名で又は、Ciba−Geigy CorpからGY−281という商標名で入手可能なもの)、及び9,9−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−フェニル]フルオレノン(例えば、Resolution Performance Products社からEPON1079という商標名で入手可能なもの)が含まれる。
【0039】
その他の有用なエポキシ樹脂には、単数又は複数の共重合性ビニル化合物と(例えばグリシジルアクリレート及びグリシジルメタクリレートといったような)グリシドールのアクリル酸エステルの共重合体が含まれる。かかる共重合体の例としては、1:1のスチレン−グリシジルメタクリレート、1:1のメチルメタクリレート−グリシジルアクリレート及び62.5:24:13.5のメチルメタクリレート−エチルアクリレート−グリシジルメタクリレートがある。その他の有用なエポキシ樹脂は、周知であり、エピクロロヒドリンといったようなエポキシド、酸化アルキレン(例えば酸化プロピレン)、酸化スチレン、酸化アルゲニル(例えば酸化ブタジエン)及びグリシジルエステル(例えばエチルグリシデート)を含有する。
【0040】
有用なエポキシ官能性重合体としては、General Electric Companyから市販されている米国特許第4,279,717号に記述されたものといったようなエポキシ官能性シリコーンが含まれる。これらは、ケイ素原子の1〜20モル%がエポキシアルキル基(好ましくは米国特許第5,753,346号の中で記述されているようなエポキシシクロヘキシルエチル)で置換されているポリジメチルシロキサンである。
【0041】
さまざまなエポキシ含有材料の配合物も同様に利用することができる。かかる配合物は、エポキシ含有化合物の2つ以上の重量平均分子量分布(例えば低分子量(200以下)、中分子量(約200〜10,000)、及び高分子量(約10,000以上))を含むことができる。代替的又は付加的には、エポキシ樹脂は、異なる化学的性質(例えば脂肪族及び芳香族)又は官能基(例えば極性及び非極性)をもつエポキシ含有材料の配合物を含有できる。望ましい場合、(ビニルエーテルなどといった)その他のカチオン反応性重合体を付加的に取込むことができる。
【0042】
好ましいエポキシには、芳香族グリシジルエポキシ(例えばResolution Performance Productsから入手可能なEPON樹脂)及び脂環式エポキシ(例えばUnion Carbideから入手可能なERL−4221及びERL4299)が内含される。
【0043】
適切なカチオン反応種には同様に、ビニルエーテル単量体、オリゴマ、及び反応性重合体(例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル(例えばInternational Specialty Products,Wayne,NJからRAPI‐CURE DVE−3という商標名で入手可能なもの)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル(例えばBASF Corp.,Mount Olive,NJよりTMPTVEという商標名で入手可能なもの)及びAllied Signal社からVECTOMERジビニルエーテル樹脂という商標名で入手可能なもの(例えばVECTOMER2010、VECTOMER2020、VECTOMER2020、VECTOMER4010、及びVECTOMER4020及びその他のメーカーから入手可能なその等価物))及びそれらの混合物も含まれる。単数又は複数のビニルエーテル樹脂及び/又は単数又は複数のエポキシ樹脂の配合物(任意の割合で)も同様に利用できる。(例えば米国特許第5,856,373号(Kaisaki et al.,)の中で記述されているもののような)ポリヒドロキシ官能性材料も、エポキシ−及び/又はビニルエーテル官能性材料と組合わせて利用することができる。
【0044】
非硬化性種には、例えば、酸又はラジカルにより誘発される反応の時点でその可溶性を増大させることのできる反応性重合体も内含される。かかる反応性重合体には、例えば、光により生成された酸によって水溶性酸基(例えばポリ(4−tert−ブトキシカルボニルオキシスチレン)へと変換されうるエステル基を担持する非水溶性重合体が含まれる。非硬化性種には又、「化学増幅フォトレジストの利用分野のための高性能アクリル重合体」J.Vac.Sci.Technol.B,9、3357(1991)の中でR.D.Allen,G.M.Wallraff,W.D.Hirsberg及びL.L.Simpsonによって記述されている化学増幅フォトレジストも含まれる。化学増幅フォトレジストの概念は現在、特に0.5ミクロン以下(さらには0.2ミクロン以下)のフィーチャをもつマイクロチップ製造のために広く用いられている。かかるフォトレジスト系では、触媒種(標準的には水素イオン)を照射により生成することができ、これが、化学反応カスケードを誘発する。このカスケードは、水素イオンが、より多くの水素イオン又はその他の酸性種を生成する反応を開始した時点で起こり、かくして反応速度を増幅する。標準的な酸触媒化学増幅フォトレジスト系の例としては、脱保護(例えば米国特許第4,491,628号に記述されているようなt−ブトキシカルボニルオキシスチレンレジスト、テトラヒドロピラン(THP)メタクリレートベースの材料、米国特許第3,779,778号に記述されているようなTHPフェノール材料、Proc.SPIE2438、474(1995)内でR.D.Allen et alによって記述されているもののようなt−ブチルメタクリレートベースの材料など);解重合(例えばポリフタルアルデヒドベースの材料);及び転位(例えばピナコール転位ベースの材料)が含まれる。
【0045】
多光子光開始剤系
(1)多光子光増感剤
多光子硬化性組成物中で使用するのに適した多光子光増感剤は、露光系内の適切な光源からの放射線に露呈された時点で少なくとも2つの光子を同時に吸収する能力をもつものである。好ましい多光子光増感剤は、フルオレセインのものより大きい(すなわち、3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−〔9H〕キサンテン]3−oneのものよりも大きい)2光子断面積を有する。一般に、2光子吸収断面積は、J.Opt.Soc,Am.B.13、481(1996)及び(WO98/21521)の中でC.Xu及びW.W.Webbによって記述されている方法により測定された場合に、約50×10-50cm4sec/光子以上であり得る。
【0046】
この方法には、基準化合物と光増感剤の2光子螢光強度の(同一励起強度及び光増感剤濃度条件下での)比較が関与している。基準化合物は、光増感剤吸収及び螢光が網羅するスペクトル範囲と可能なかぎり密に整合するように選択され得る。1つの考えられる実験的構成においては、励起ビームを、励起強度の50%が光増感剤に進み50%が基準化合物に進む状態で、2本のアームに分割することができる。このとき、基準化合物との関係における光増感剤の相対的螢光強度を、2つの光電子増倍管又はその他の較正された検出器を用いて測定することができる。最終的に、両方の化合物の螢光量子効率を、1光子励起下で測定できる。
【0047】
螢光及び燐光量子収量を決定する方法は、当該技術分野において周知である。標準的には、問題の化合物の螢光(又は燐光)スペクトル下の面積を、既知の螢光(又は燐光)量子収量をもつ標準発光化合物の螢光(又は燐光)スペクトル下の面積と比較し、適切な補正を行なう(これには、例えば、励起波長での組成物の光学密度、螢光検出装置の幾何形状、放出波長差、異なる波長に対する検出器の応答が考慮される)。標準的方法は、例えば、芳香族分子の螢光スペクトル便覧、第2版、p24〜27、Academic Press,New York(1971)中にIB、Berlmanにより、;又、J.Phys.Chem.75.991−1024(1971)中でJ.N.Demas 及び G.A. Crosbyにより;そしてJ.Phys.Chem.80、969−974(1976)中でJ.V.Morris,M.A.Mahoney及びJ.R.Huberによって記述されている。
【0048】
放出状態が1光子及び2光子の励起の下で同じであると仮定すると(共通仮定)、光増感剤の2光子吸収横断面(δsam)は、SrefK(Isam/Iref)(φsam/φref)に等しい(なおここで、δrefは基準化合物の2光子吸収横断面であり、Isamは、光増感剤の螢光強度であり、Irefは、基準化合物の螢光強度であり、φsamは、光増感剤の螢光量子効率であり、φrefは、基準化合物の螢光量子効率であり、Kは、2つの検出器の光路及び応答のわずかな差を相殺するための補正率である。Kは、標本及び基準アームの両方において同じ光増感剤での応答を測定することによって決定できる。有効な測定を確保するためには、励起パワーに対する2光子螢光強度の明らかな2次依存性を確認することができ、(螢光再吸収及び光増感剤の凝集効果を回避するため)光増感剤及び基準化合物の両方を比較的低い濃度で利用することができる。
【0049】
光増感剤が螢光性でない場合、電子励起状態の収量を測定し既知の標準と比較することができる。螢光収量を決定する上述の方法に加えて、励起状態収量のさまざまな測定方法(例えば過渡的吸光度、燐光収量、光生成物の形成又は(光反応からの)光増感剤の消滅などを含む)が知られている。
【0050】
好ましくは、光増感剤の2光子吸収断面積はフルオレセインのものの1.5倍以上(又は代替的には上述の方法で測定された場合、約75×10-50cm4sec/光子以上);より好ましくは、フルオレセインのものの約2倍以上(又代替的には約100×10-50cm4sec/光子);最も好ましくはフルオレセインのものの約3倍以上(又代替的には約150×10-50cm4sec/光子以上);そして最適には、フルオレセインのものの約4倍以上(又代替的には約200×10-50cm4sec/光子)である。
【0051】
好ましくは、光増感剤は、(反応種が液体である場合)その反応種中で可溶であるか又は、多光子硬化性組成物中に内含されている(以下で記述されているような)任意の結合剤及び反応種と相容性がある。最も好ましくは、光増感剤は同様に、米国特許第3,729,313号中に記述されている試験手順を用いて光増感剤の単一光子吸収スペクトルと重なり合う波長範囲内の連続的照射下で(単一光子吸収条件)2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンを増感させる能力も有している。現在利用可能な材料を用いて、この試験を以下の通りに実施することができる。
【0052】
以下の組成をもつ標準的試験溶液を調整することができる:分子量45,000〜55,000、9.0〜13.0%のヒドロキシ含有率のポリビニルブチラルのメタノール中の5%(体積あたり重量%)溶液(例えば、Monsantoから BUTVAR B76の商標名で入手可能なもの,)5.0部分;トリメチロールプロパントリメタクリレート0.3部分;及び2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン0.03部分(Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924−2930(1969)参照)。この溶液に対し、光増感剤として試験対象化合物0.01部分を添加する。その後、結果として得られた溶液を、0.05mmのナイフオリフィスを用いて0.05mmの透明ポリエステルフィルム上にナイフ塗布し、コーティングを約30分間空気乾燥することができる。最小限の空気取込みで乾燥されたが柔軟で粘着性のあるコーティング上に、0.05mmの透明ポリエステルカバーフィルムを入念に設置することができる。このとき、結果として得られたサンドイッチ構造を、3分間、(General Electricから入手可能なFCH650ワットの石英−ヨウ素ランプから生成されるもののような)可視及び紫外線範囲の両方の光を提供するタングステン光源からの161,000Luxの入射光に対し露呈することができる。構造の中に露光部域と未露光部域を提供するようにステンシルを通して露光を行なうことができる。露光の後、カバーフィルムを除去することができ、ゼログラフィで従来使用されるタイプのカラートナー粉末といったような、細分されたカラー粉末でコーティングを処理することができる。試験対象化合物が光増感剤である場合、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンから光によって生成された遊離ラジカルにより、露光された部域の中でトリメチロールプロパントリメタクリレート単量体が重合されることになる。重合された部域は基本的に不粘着性となることから、カラー粉末は基本的にコーティングの粘着性の未露光部域のみに選択的に付着し、ステンシル内のものに対応する視覚的画像を提供する。
【0053】
好ましくは、同様に一部貯蔵安定性の考慮事項に基づいて選択することもできる。従って、特定の光増感剤の選択は、或る程度、利用される特定の反応種(ならびに電子供与体化合物及び/又は電子受容体の選択)によって左右される可能性がある。
【0054】
特に好ましい多光子光増感剤には、ローダミンB(すなわちN−〔9−(2−カルボキシフェニル)−6−(ジエチルアミノ)−3H−キサンテン−3−イリデン〕−N−エチルエタナミニウムクロリド又はローダミンBのヘキサフルオロアンチモネート塩といったような大きい多光子吸収断面積を示すもの及び、例えばWO98/21521及びWO99/53242においてMarder及びPerry et al.によって記述されている4つの光増感剤クラスが含まれる。4つのクラスは、以下のように記述することができる:すなわち、(a)2つの供与体が共役π−電子橋かけに連結されている分子;(b)2つの供与体が、単数又は複数の電子受容基と置換される共役π−電子橋かけに連結されている分子;(c)2つの受容体が、共役π−電子橋かけに連結されている分子;及び(d)2つの受容体が、単数又は複数の電子供与基と置換されている共役π−電子橋に連結されている分子(なおここで、「橋かけ」というのは、2つ以上の化学基を連結する分子フラグメントを意味し、「供与体」は、共役π−電子橋かけに結合されうる低イオン化電位をもつ1つの原子又は原子団を意味し、「受容体」は、共役π−電子橋かけに結合されうる高電子親和力をもつ1つの原子又は原子団を意味する)。
【0055】
かかる好ましい光増感剤の代表例としては、以下のものが含まれる:
【化2】
【0056】
【化3】
【0057】
【化4】
【0058】
【化5】
【0059】
上述の4つの光増感剤クラスは、標準的ウィッテヒ条件下でイリドとアルデヒドを反応させることによってか又は、WO98/21521号に詳述されているように、マクマレイ反応を用いることによって調製できる。
【0060】
その他の適切な化合物は、米国特許第6,100,405号、5,859,251号、及び5770,737号中に、大きい多光子吸収断面積をもつものとして記述されているが、これらの断面積は、上述のもの以外の方法で決定されたものである。かかる化合物の代表例としては、以下のものが含まれる:
【化6】
【0061】
【化7】
【0062】
【化8】
【0063】
(2)電子受容体
多光子硬化性組成物のための適切な電子受容体は、多光子光増感剤の電子励起状態から電子を受容することによって光増感され、その結果少なくとも1つの遊離ラジカル及び/又は酸を形成する能力をもつものである。かかる電子受容体には、ヨードニウム塩(例えば、ジアリールヨードニウム塩)、クロロメチル化トリアジン(例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、及び2−アリール−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)、ジアゾニウム塩(例えば、アルキル、アルコキシ、ハロ、又はニトロといった基によって任意に置換されたフェニルジアゾニウム塩)、スルホニウム塩(例えば、アルキル又はアルコキシ基で任意に置換された、かつ隣接するアリール部分を橋架けする2,2’オキシ基を任意に有するトリアリールスルホニウム塩)、アジニウム塩(例えば、N−アルコキシピリミニニウム塩)、及びトリアリールイミダゾリル二量体(好ましくは、アルキル、アルコキシ、又はハロといった基で任意に置換された,2,2’,4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾールといった、2,4,5−トリフェニルイミダゾリル二量体)など、及びそれらの混合物が含まれる。
【0064】
電子受容体は、好ましくは反応種内で可溶であり、好ましくは貯蔵安定性をもつ(すなわち、光増感剤及び電子供与体化合物の存在下でその中に溶解された時点で反応種の反応を自然発生的に促進しない)。従って、特定の電子受容体の選択は、前述の通り、或る程度、選択された特定の反応種、光増感剤及び電子供与体化合物によって左右されうる。
【0065】
適切なヨードニウム塩には、米国特許第5,545,676号、3,729,313号、3,741,769号、3,808,006号、4,250,053号及び4,394,403号でも記述されているものが含まれている。ヨードニウム塩は、(例えばCl−、Br−、I−又はC4H5SO3−といったアニオンを含有する)単塩又は、(例えばSbF6−、PF6−、BF4−、テトラキス(ペルフルオロフェニル)ボレート、SbF5OH−又はAsF6−を含有する)金属錯塩であり得る。望まれる場合には、ヨードニウム塩の混合物を使用することができる。
【0066】
有用な芳香族ヨードニウム錯塩電子受容体化合物の例としては、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート;ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート;フェニル−4−メチルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート;ジ(4−ヘプチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート;ジ(3−ニトロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;ジ(4−クロロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;ジ(ナフチル)ヨードニウムテトラフルオロボレート;ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート;ジ(4−フェノキシフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート;フェニル−2−チエニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;3,5−ジメチルピラゾリル−4−フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート;2,2’−ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート;ジ(2,4−ジクロロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;ジ(4−ブロモフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;ジ(4−メトキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;ジ(3−カルボキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;ジ(3−メトキシカルボニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;ジ(3−メトキシスルホニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;ジ(4−アセタミドフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;ジ(2−ベンゾチエニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート;及びジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなど;及びそれらの混合物が含まれる。Beringer et al.,J.Am.Chem,Soc.81、342(1959)の教示に従って、(例えばジフェニルヨードニウムビサルフェートといった)対応する芳香族ヨードニウム単塩の複分解により、芳香族ヨードニウム錯塩を調製することができる。
【0067】
好ましいヨードニウム塩には、ジフェニルヨードニウム塩(ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、及びジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレートなど)、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(例えば、Sartomer CompanyからSARCAT SR 1012という商標名で入手可能なもの)及びそれらの混合物が含まれる。
【0068】
スルホニウム塩のための(そしてその他のタイプの電子受容体のいずれかのための)適切なアニオンX−には、例えばイミド、メチド、ホウ素中心、リン中心、アンチモン中心、ヒ素中心及びアルミニウム中心アニオンといったさまざまなアニオンタイプが含まれる。
【0069】
適切なイミド及びメチドアニオンの制限的な意味の無い例としては、(C2F5SO2)2N−、(C4F9SO2)2N−、(C8F17SO2)3C−、(CF3SO2)3C−、(CF3SO2)2N−、(C4F9SO2)3C−、(CF3SO2)2(C4F9SO2)C−、(CF3SO2)(C4F9SO2)N−、((CF3)2NC2F4SO2)2N−、(CF3)2NC2F4SO2C−(SO2CF3)2、(3,5−ビス(CF3)C6H3)SO2N−SO2CF3、C6H5SO2C−(SO2CF3)2、C6H5SO2N−SO2CF3などが含まれる。このタイプの好ましいアニオンには、(RfSO2)3C−という構造式で表わされるものがある(なお式中Rfは1〜約4個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基である)。
【0070】
適切なホウ素中心アニオンの制限的意味の無い例としては、F4B−、(3,5−ビス(CF3)C6H3)4B−、(C6F5)4B−、(p−CF3C6H4)4B−、(m−CF3C6H4)4B−、(p−FC6H4)4B−、(C6F5)3(CH3)B−、(C6F5)3(n−C4H9)B−、(p−CH3C6H4)3(C6F5)B−、(C6F5)3FB−、(C6H5)3(C6F5)B−、(CH3)2(p−CF33C6H4)2B−、(C6F5)3(n−C18H37O)B−などが含まれる。好ましいホウ素中心アニオンは、一般にホウ素に結合した3個以上のハロゲン置換芳香族炭化水素基を含有し、中でもフッ素が最も好ましいハロゲンである。好ましいアニオンの制限的意味のない例としては、(3,5−ビス(CF3)C6H3)4B−、(C6F5)4B−、(C6F5)3(n−C4H9)B−、(C6F5)3FB−及び(C6F5)3(CH3)B−が含まれる。
【0071】
その他の金属又はメタロイド中心を含有する適切なアニオンとしては、例えば、(3、5−ビス(CF3)C6H3)4Al−、(C6F5)4Al−、(C6F5)2F4P−、(C6F5)F5P−、F6P−、(C6F5)F5Sb−、F6Sb−、(HO)F5Sb−及びF6As−が含まれる。その他の有用なホウ素中心非求核性塩ならびにその他の金属又はメタロイドを含有するその他の有用なアニオンが当業者にとって(以上の一般構造式から)容易に明らかとなることから、上述のリストは網羅的なものとして意図されていない。好ましくは、アニオンX-は、(例えばエポキシ樹脂といったようなカチオン反応種と共に使用するため)、テトラフルオロボレート、ヘキサフルホロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、及びヒドロキシペンタフルオロアンチモネートの中から選択される。
【0072】
適切なスルホニウム塩電子受容体の例としては、以下のものが含まれる:
トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート
メチルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート
ジメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
ジフェニルナフチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート
トリトリスルホニウムヘキサフルオロホスフェート
アニシルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
4−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート
4−クロロフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート
トリ(4−フェノキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート
ジ(4−エトキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート
4−アセトニルフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート
4−チオメトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート
ジ(メトキシスルホニルフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
ジ(ニトロフェニル)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
ジ(カルボメトキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート
4−アセタミドフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート
ジメチルナフチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート
トリフルオロメチルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート
p−(フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
10−メチルフェノキサンチニウムヘキサフルオロホスフェート
5−メチルチオアントレニウムヘキサフルオロホスフェート
10−フェニル−9,9−ジメチルチオキサンテニウムヘキサフルオロホスフェート
10−フェニル−9−オキソチオキサンテニウムテトラフルオロボレート
5−メチル−10−オキソチアントレニウムテトラフルオロボレート
5−メチル−10,10−ジオキソチアントレニウムヘキサフルオロホスフェート。
【0073】
好ましいスルホニウム塩には、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(例えばSartomer CompanyからSARCAT SR1010という商標名で入手可能なもの)、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート(例えばSartomer CompanyからSARCAT SR1011という商標名で入手可能なもの)及びトリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート(例えばSartomer Companyから入手可能なSARCAT K185)といったようなトリアリール置換塩が含まれる。
【0074】
有用なアジニウム塩には、ピリジニウム、ジアジニウム又はトリアジニウム部分といったアジニウム部分を含む、米国特許第4,859,572号第8欄、51行目〜第9欄46行目に記述されたものが含まれる。アジニウム部分は、単数又は複数の芳香族環、標準的にはアジニウム環と融合された炭素環状芳香族環(例えばキノリニウム、イソキノリニウム、ベンゾジアジニウム及びナフトジアゾニウム部分)が含まれ得る。アジニウム環内の窒素原子の四元化置換基が、光増感剤の電子励起状態からアジニウム電子受容体への電子移動の時点で遊離ラジカルとして放出され得る。1つの好ましい形態においては、四元化置換基はオキシ置換基である。アジニウム部分の環窒素原子を四元化するオキシ置換基−O−Tは、さまざまな合成的に便利なオキシ置換基の中から選択され得る。部分Tは、例えばメチル、エチル、ブチルなどといったアルキル基でありうる。アルキル基を置換することが可能である。例えば、アラルキル(例えばベンジル及びフェネチル)及びスルホアルキル(例えばスルホメチル)基が有用であり得る。もう1つの形態においては、Tは、T1が上述のさまざまなアルキル及びアラルキル基のいずれかでありうるものとして、−OC(O)−T1ラジカルといったようなアシル基であり得る。さらに、T1は、フェニル又はナフチルといったようなアリール基であり得る。アリール基はそれ自体、置換され得る。例えば、T1は、トリル又はキシリル基であり得る。Tは標準的に1〜約18個の炭素原子を含有し、上述の各ケースにおいてアルキル部分は好ましくは低級アルキル部分であり、各ケースにおいてアリール部分は好ましくは約6〜約10個の炭素原子を含んでいる。最高の活性レベルは、オキシ置換基、−O−Tが1〜2個の炭素原子を含むときに実現された。アジニウム核は、四元化置換基以外のいかなる置換基も含む必要がない。しかしながら、その他の置換基の存在は、これらの電子受容体の活性にとって有害ではない。
【0075】
有用なトリアリールイミダゾリル2量体には、米国特許第4,963,471号第8欄、18〜28行目で記述されているものが含まれる。これらの2量体には、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(m−メトキシフェニル)−1,1’−ビイミダゾール;2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール及び2,5−ビス(o−クロロフェニル)−4−〔3,4−ジメトキシフェニル〕−1,1’−ビイミダゾールが含まれる。
【0076】
好ましい電子受容体には、ヨードニウム塩(より好ましくはアリールヨードニウム塩)、クロロメチル化トリアジン、スルホニウム塩及びジアゾニウム塩といった光酸発生物質が含まれる。より好ましいのは、アリールヨードニウム塩及びクロロメチル化トリアジンである。
【0077】
(3)電子供与体化合物
多光子光増感剤系内で有用な電子供与体化合物は、光増感剤の電子励起状態に対し電子を供与する能力をもつような化合物(光増感剤自体以外の)である。電子供与体化合物は好ましくは、ゼロより大きくかつp−ジメトキシベンゼンのもの以下の酸化電位をもつ。好ましくは、酸化電位は、標準飽和カロメル電極「S.C.E」に対し約0.3〜1ボルトの間にある。
【0078】
電子供与体化合物は同様に、反応種の中で可溶であり、一部には貯蔵安定性の考慮事項(前述の通り)に基づいて選択される。適切な供与体は、一般に、望ましい波長の光に対して露呈した時点で光反応性組成物の画像密度又は硬化速度を増大させる能力をもつ。
【0079】
カチオン反応種について作業するとき、当業者は、有意の塩基度をもつ場合に、電子供与体化合物がカチオン反応に対し不利な影響を及ぼす可能性があるということを認識するだろう。(例えば、米国特許第6,025,406号の論述を参照のこと)。
【0080】
一般に、特定の光増感剤及び電子受容体化合物と共に使用するのに適した電子供与体化合物は、(例えば米国特許第4,859,572号に記述されているように)3成分の酸化及び還元電位を比較することによって選択可能である。かかる電位は、実験的に(例えばR.J.Cox,写真感度第15章、Academic Press(1973年))によって記述された方法によって)測定することができ、そうでなければ、N.L.Weinburg,Ed.有機電解合成技術、第II部化学技術第V巻(1975年)及びC.K.Mann及びK.K.Barnes,非水性系内の電気化学反応(1970年)といった参考文献から得ることもできる。電位は、相対的エネルギー関係を反映しており、電子供与体化合物の選択を誘導するため以下に記述する要領で使用することができる。
【0081】
光増感剤が電子励起状態にあるとき、光増感剤の最高占有分子軌道(HOMO)内の電子はより高いエネルギーレベル(すなわち光増感剤の最低非占有分子軌道(LUMO)まで持ち上げられ、当初それが占有していた分子軌道内に空位が残される。電子受容体は、より高いエネルギーの軌道から電子を受容でき、電子供与体は、或る一定の相対的エネルギー関係が満たされていることを条件として、当初占有された軌道内の空位を満たすべく電子を供与することができる。
【0082】
電子受容体化合物の還元電位が光増感剤のものほどマイナスでない(つまりよりプラスである)場合、光増感剤のより高いエネルギー軌道内の電子が、光増感剤から電子受容体の最低非占有分子軌道(LUMO)まで容易に移行させられるが、これは、それが発熱プロセスを表わすからである。反対にプロセスがわずかに吸熱的である場合でさえ(すなわち、光増感剤の還元電位が電子受容体のものに比べ最高0.1ボルトだけよりマイナスである場合でさえ)周囲の熱活性化は、かかる小さな障壁を容易に克服することができる。
【0083】
類似の要領で、電子供与体化合物の酸化電位が光増感剤のものほどプラスでない(つまりよりマイナスである)場合、電子供与体化合物のHOMOから光増感剤の軌道空位まで移動する電子は、より高い電位からより低い電位まで移動して行き、これも又発熱反応を表わす。プロセスがわずかに吸熱的である場合でさえ(すなわち、光増感剤の酸化電位が電子供与体化合物のものに比べ最高0.1ボルトだけよりマイナスである場合でさえ)周囲の熱活性化は、かかる小さな障壁を容易に克服することができる。
【0084】
光増感剤の還元電位が電子受容体のものよりも最高0.1ボルトだけよりマイナスであるか又は光増感剤の酸化電位が電子供与体化合物のものよりも最高0.1ボルトだけプラスであるわずかに吸熱的な反応は、電子受容体又は電子供与体化合物のいずれがその励起状態において光増感剤と最初に反応するかとは無関係に、あらゆる場合に起こる。電子受容体又は電子供与体化合物がその励起状態において光増感剤と反応している場合、反応が発熱的であるか又はわずかだけ吸熱的であることが好ましい。電子受容体又は電子供与体化合物が光増感剤イオンラジカルと反応している場合、なお発熱反応が好ましいが、多くの場合にさらに一層の吸熱的な反応が起こるものと予想できる。かくして、光増感剤の還元電位は、第2に反応すべき電子受容体のものに比べ最高0.2ボルト(又はそれ以上)だけよりマイナスであり得、そうでなければ、光増感剤の酸化電位が、第2に反応すべき電子供与体化合物のものに比べ最高0.2ボルト(又はそれ以上)だけよりプラスであり得る。
【0085】
適切な電子供与体化合物には、例えば、B.Voman et al.,により編集された光化学の進歩、第13巻、p427−488、John Wiley and Sons,New York(1986)の中でD.F.Eatonにより;米国特許第6,025,406号、そして米国特許第5,545,676号に記述されているものが含まれる。かかる電子供与体化合物には、アミン(トリエタノールアミン、ヒドラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、トリフェニルアミン(及びそのトリフェニルホスフィン及びトリフェニルアルシン類似体)、アミノアルデヒド及びアミノシランを含む)、アミド(ホスホルアミドを含む)、エーテル(チオエーテルを含む)、尿素(チオ尿素を含む)、スルフィン酸及びその塩、フェロシアン化物の塩、アスコルビン酸及びその塩、ジチオカルバミン酸及びその塩、キサントゲン酸塩、エチレンジアミン4酢酸の塩、(アルキル)n(アリール)mボレート(n+m=4)の塩(テトラアルキルアンモニウム塩が好ましい)、様々な有機金属化合物、例えばSnR4化合物(ここで、各々のRは、アルキル、アラルキル(特にベンジル)、アリール及びアルカリール基から独立して選択される)(例えば、n−C3H7Sn(CH3)3、(アリル)Sn(CH3)3、及び(ベンジル)Sn(n−C3H7)3といった化合物)、フェロセンなど、及びそれらの混合物が含まれる。電子供与体化合物は、未置換であってもよいし、或いは又、単数又は複数の干渉しない置換基で置換されていてもよい。特に好ましい電子供与体化合物には、電子供与体原子(例えば窒素、酸素、リン又は硫黄原子)及び電子供与体原子に対しアルファの炭素又はケイ素原子に結合した引き抜き可能な水素原子が含有される。
【0086】
好ましいアミン電子供与体化合物には、アルキル−、アリール−、アルカリール−及びアラルキル−アミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、トリエタノールアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、2,4−ジメチルアニリン、2,3−ジメチルアニリン、o−、m−及びp−トルイジン、ベンジルアミン、アミノピリジン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジエチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、N,N’−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ピペラジン、4,4’−トリメチレンジピペリジン、4,4’−エチレンジピペリジン、p−N,N−ジメチル−アミノフェンエタノール及びp−N−ジメチルアミノメンゾニトリル);アミノアルデヒド(例えば、p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−N,N−ジエチルアミノベンズアルデヒド、9−ジュロリジンカルボキサルデヒド、及び4−モルフォリンノベンズアルデヒド);及びアミノシラン(例えば、トリメチルシリルモルフォリン、トリメチルシリルピペリジン、ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルシラン、トリス(ジメチルアミノ)メチルシラン、N,N−ジエチルアミノトリメチルシラン、トリス(ジメチルアミノ)フェニルシラン、トリス(メチルシリル)アミン、トリス(ジメチルシリル)アミン、ビス(ジメチルシリル)アミン、N,N−ビス(ジメチルシリル)アニリン、N−フェニル−N−ジメチルシリルアニリン、及びN,N−ジメチル−N−ジメチルシリルアミン);及びそれらの混合物が内含される。第3芳香族アルキルアミン、特に、芳香族環上に少なくとも1つの電子求引性基をもつもの、が特に優れた貯蔵安定性を提供することがわかっている。優れた貯蔵安定性は同様に、室温で固体であるアミンを用いても得られた。単数又は複数のジュロリジニル部分を含有するアミンを用いて、優れた写真速度が得られた。
【0087】
好ましいアミド電子供与体化合物には、N,N−ジメチルアセタミド、N,N−ジエチルアセタアミド、N−メチル−N−フェニルアセタミド、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサエチルホスホルアミド、ヘキサプロピルホスホルアミド、トリモルホリノホスフィンオキシド、トリピペリジノホスフィンオキシド、及びそれらの混合物が含まれる。
【0088】
好ましいアルキルアリールボレート塩には以下のものが含まれる。
Ar3B−(n−C4H9)N+(C2H5)4
Ar3B−(n−C4H9)N+(CH3)4
Ar3B−(n−C4H9)N+(n−C4H9)4
Ar3B−(n−C4H9)Li+
Ar3B−(n−C4H9)N+(C6H13)4
Ar3B−(C4H9)N+(CH3)3(CH2)2CO2(CH2)2CH3
Ar3B−(C4H9)N+(CH3)3(CH2)2OCO(CH2)2CH3
Ar3B−(sec−C4H9)N+(CH3)3(CH2)2CO2(CH2)2CH3
Ar3B−(sec−C4H9)N+(C6H13)4
Ar3B−(C4H9)N+(C8H17)4
Ar3B−(C4H9)N+(CH3)4
(p−CH3O−C6H4)3B−(n−C4H9)N+(n−C4H9)4
Ar3B−(C4H9)N+(CH3)3(CH2)2OH
ArB−(n−C4H9)3N+(CH3)4
ArB−(C2H5)3N+(CH3)4
Ar2B−(n−C4H9)2N+(CH3)4
Ar3B−(C4H9)N+(C4H9)4
Ar4B−N+(C4H9)4
ArB−(CH3)3N+(CH3)4
(n−C4H9)4B−N+(CH3)4
Ar3B−(C4H9)P+(C4H9)4
なお式中、Arは、フェニル、ナフチル、置換(好ましくはフッ素置換)フェニル、置換ナフチル、及びより多くの数の縮合芳香族環を有する類似の基)、並びにテトラメチルアンモニウムn−ブチルトリフェニルボレート及びテトラブチルアンモニウム−n−ヘキシル−トリス(3−フルオロフェニル)ボレート(CGI437及びCGI7460という商標名でCiba Specialty Chemicals Corporationより入手可能)、及びそれらの混合物である。
【0089】
適切なエーテル電子供与体化合物には、4,4’−ジメトキシビフェニル、1,2,4−トリメトキシベンゼン、1,2,4,5−テトラメトキシベンゼンなど、及びそれらの混合物が含まれる。適当な尿素電子供与体化合物には、N,N’−ジメチル尿素、N,N−ジメチル尿素、N,N’−ジフェニル尿素、テトラメチルチオ尿素、テトラエチルチオ尿素、テトラ−n−ブチルチオ尿素、N,N−ジ−n−ブチルチオ尿素、N,N’−ジ−n−ブチルチオ尿素、N,N−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジエチルチオ尿素など、及びそれらの混合物が含まれる。
【0090】
遊離ラジカルにより誘発される反応のための好ましい電子供与体化合物には、単数又は複数のジュロリジニル部分、アルキルアリールボレート塩及び芳香族スルフィン酸塩を含有するアミンが含まれる。ただし、かかる反応については、望ましい場合電子供与体化合物を省略することもできる(例えば、光反応性組成物の貯蔵安定性を改善するため又は解像度、コントラスト及び相反性を修正するため)。酸により誘発された反応のための好ましい電子供与体化合物としては、4−ジメチルアミノ安息香酸、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、3−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノベンゾイン、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンゾニトリル、4−ジメチルアミノフェンエチルアルコール、及び1,2,4−トリメトキシベンゼンが含まれる。
【0091】
多光子硬化性組成物の調製
硬化性及び任意には非硬化性種、多光子光増感剤、電子供与体化合物及び電子受容体は、上述の方法又は当該技術分野において既知のその他の方法によって調製可能であり、数多くが市販されている。これらの化合物は、あらゆる順序及び組合せ方法(任意には撹拌又はかき混ぜを伴う)を用いて「安全光」条件下で組合わせることができるが、時として、電子受容体を最後に(そしてその他の成分の溶解を容易にするために任意に用いられるあらゆる加熱段階の後に)添加することが(貯蔵寿命及び熱安定性の観点から見て)好ましい。望ましい場合、組成物の成分と著しく反応しないように選択されることを条件として、溶剤を使用することができる。適切な溶剤には、例えば、アセトン、ジクロロメタン及びアセトニトリルが含まれる。反応種自体は時として、その他の成分のための溶剤としても役立ち得る。
【0092】
多光子硬化性組成物の成分は、光化学的有効量(以上で定義づけした通り)で存在する。一般に多光子硬化性組成物は、その中の固体合計重量(すなわち溶剤以外の成分の合計重量)に基づいて、多光子硬化性組成物約5重量%から約99.79重量%(好ましくは約10重量%〜薬95重量%;より好ましくは約20重量%〜約80重量%)の単数又は複数の反応種;約0.01重量%〜約10重量%(好ましくは約0.1%〜約5%;より好ましくは約0.2%〜約2%)の単数又は複数の光増感剤;最高約10重量%の単数又は複数の電子供与体化合物(好ましくは、約0.1%から約10%;より好ましくは約0.1%から約5%);そして約0.1重量%から約10重量%の単数又は複数の電子受容体(好ましくは約0.1%から約5%)を含有する。
【0093】
望まれる最終用途に応じて、多光子硬化性組成物中にはさまざまなアジュバントを内含させることができる。適切なアジバントとしては、溶剤、希釈剤、樹脂、結合剤、可塑化剤、顔料、染料、無機又は有機補強又は増量用充填材(組成物の合計重量に基づき約10〜90重量%の好ましい量で)、チキソトロープ剤、指示薬、禁止剤、安定剤、紫外線吸収剤、薬剤(例えば、浸出性フッ化物)などが含まれる。かかるアジュバントの量及びタイプ及び組成物に対するその添加方法は、当業者にとって周知のものであろう。
【0094】
例えば、粘度を制御しフィルム形成特性を提供するべく組成物中に非反応性重合体結合剤を内含することが、本発明の範囲内に入る。かかる重合体結合剤は、一般に、反応種と相容性をもつように選択可能である。例えば、反応種のために使用されるものと同じ溶剤中に可溶でありかつ反応種の反応の推移に不利な影響を及ぼしうる官能基を含まない重合体結合剤を利用することができる。結合剤は、望ましいフィルム形成特性及び溶液レオロジーを達成するのに適した分子量(例えば約5000〜1,000,000ダルトンの間;好ましくは約10,000〜500,000ダルトンの間;より好ましくは約15000〜250,000ダルトンの間の分子量)をもつものであり得る。適切な重合体結合剤は例えば、ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン)−コ−(アクリロニトリル)、セルロースアセテートブチレートなどを内含する。適切な非反応性重合体結合剤が存在する場合、それは、全組成物の最高90W%,好ましくは最高75%,より好ましくは最高60%の割合で組成物中に内含され得る。
【0095】
露光に先立ち、結果として得られた光反応性組成物は、望ましい場合、さまざまな塗布方法のうちのいずれかによって基材上に塗布され得る。組成物は、ナイフ、バー、リバースロール及びローレットロールコーティングといったようなコーティング方法又は、浸し塗り、浸漬、スプレー、はけ塗り、カーテンコーティングなどといったような塗布方法によって塗布することができる。代替的には、組成物を滴下により塗布することもできる。基材は、特定の利用分野及び利用すべき露光方法に応じて、さまざまなフィルム、シートその他の表面の中から選択することができる。
【0096】
実施例
調製例1−多光子光増感剤(MPS1)の合成
1,4−ビス−ブロモメチル−2,5−ジメトキシベンゼンとトリエチルホスフィットの反応:
文献手順(Syper et al.,Tetrahedron,1983,39,781−792)に従って1,4−ビス−ブロモメチル−2,5−ジメトキシベンゼンを調製した。1,4−ビス−(ブロモメチル)−2,5−ジメトキシベンゼン(253g,0.78モル)を1000mL入りの丸底フラスコの中に入れた。トリエチルホスフィット(300g,2.10モル)を添加し、窒素雰囲気下で48時間、撹拌しながら、勢い良く還流するまで反応物を加熱した。反応混合物を冷却し、Kugelrohr装置を用いて真空下で余剰のトリエチルホスフィトを除去した。100℃まで0.1mmHgで加熱した時点で、透明な油が結果としてもたらされた。冷却時点で、所望の生成物が凝固し、これは次の段階で直接使用するのに適したものであった。生成物のH1H NMRスペクトルは、所望の生成物と一貫性あるものであった。トルエンからの再結晶により、無色の針が生成された。
【0097】
1,4−ビス−(4−(ジフェニルアミノ−スチリル)−2,5−(ジメトキシ)ベンゼンの合成:
1000mL入りの丸底フラスコに、較正された滴下漏斗及び磁気撹拌機を取付けた。上述の反応から調製された生成物(19.8g,45.2mmol)及びN,N−ジフェニルアミノ−p−ベンズアルデヒド(25g,91.5mmol、Fluka Chemical Corp.,Milwaukee WIより入手可能)をフラスコに投入した。フラスコを窒素で洗浄し、セプタムで密封した。フラスコ内に無水テトラヒドロフラン(750mL)をカニューレで注入し、全ての固体を溶解させた。カリウム−tert−ブトキシド(125mL,THF中1.0M)を滴下漏斗に投入した。フラスコ内の溶液を撹拌し、30分にわたりフラスコの中味にカリウム−tert−ブトキシド溶液を添加した。次に溶液を周囲温度で一晩撹拌した。次に、水(500mL)の添加により、反応を急冷させた。撹拌しつづけ、約30分後、フラスコ内には螢光黄色がきわめて強い固体が形成された。この固体をろ過により単離し、空気乾燥させ、次にトルエン(450mL)から再結晶させた。螢光針(24.7g,81%収量)として所望の生成物を得た。生成物の1H NMRスペクトルは、提案された構造と一貫したものであった。
【0098】
実施例2−反射性回折格子
多光子硬化性組成物を次のように調製した。すなわち、120gのジオキシサンに30gのPMMA(Aldrich)を添加し一晩ローラ上で混合することによって、原液を調製した。35gのSartomer SR9008にMPSIを1g添加しその後加熱、撹拌して光増感剤を部分的に溶解させることによって第2の溶液を調製した。第2の溶液を原液に添加し、一晩ローラー上で混合させた。この溶液に対し、35gのSartonmer SR368を加え、溶液をローラー上で一晩混合させ、マスタバッチB得た。0.1gのジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(SR1012,Sartomer)と0.1gのアルキルトリアリールボレート塩(CGI7460,Ciba Specialties)を1mlのアセトニトリル中で溶解させ、11gのマスタバッチBが入った第4のバイアルに添加し、溶液を撹拌により混合した。
【0099】
約4W%の固体まで希釈した多光子硬化性組成物を、注射器からの液滴を用いてアルミメッキされたシリコンミラー上にコーティングして、離散的アイランドを形成した。これらのアイランドを次にエアオーブン内で80℃で10分間乾燥させて、直径数メートルの部域全体にわたり拡がるフィルムを形成させた。
【0100】
レーザー、Spectra−Physics,Inc(1335 Terra Bella Avenue,Mountain View,CA94043USA)「Mai Tai」型を、λ=800nmの波長、80MHzの繰返し周波数、約100フェムトセカンド(1×10-13秒/のパルス幅で作動させた。乾燥した樹脂フィルムを通った後、アルミメッキされたミラーの表面でレーザービームを集束させるために、焦点距離4.48mm,開口数0.65の40×の顕微鏡対物レンズを用いた。一連の等間隔の線を描くよう固定レーザービームの下で完成したアルミメッキミラーを移動させることにより格子パターンを生成した。各々レーザービームに直交する2つの直交方向での走査を可能にするべく、交差構成でNew England Affiliated Technologies(NEAT)、Inc.,(Lawrence,MA)310型並進ステージを取付けた。ミラーを並進ステージアセンブリ上に取付け、レーザービーム下を走査させて2光子相互作用を用いて樹脂を重合させ、約19.1マイクロメートルの周期で重合された樹脂の一連の平行線を形成した。
【0101】
まず最初にジメチルホルムアミド、(DMF)中で洗浄して未露光樹脂を除去し、第2にイソプロピルアルコール中で洗浄して残った残渣を除去することにより、樹脂パターンを現像した。次に窒素流を用いてミラーを乾燥させた。重合した樹脂のラインは、連続するミラーの表面を中断させ、反射性回折格子を形成する。かくして、ほとんど付加的加工無しですでに製造されたミラーに回折格子を付加することができる。
【0102】
格子部域は、ミラー全体のサイズを最高として任意のサイズであってよく、取付け場所及びステージ制御プログラムのコンテンツの選択によって、任意の場所又は方向性で付加できる。重合体されたパターンを現像するのに用いられる有機溶剤は、非腐食性であり、そのため、反射表面用に使用される露光されたアルミニウムフィルムに化学的損傷を与える可能性は全くない。アルミニウムエッチングは全く必要でない。乾燥温度は、有意な酸化をひき起こすには低すぎるものであり、必要な場合には、乾燥時間を延長することによって、実質的に減少させることができる。
【0103】
樹脂ラインの幅は、レーザービームの強度、ミラーの表面との関係における焦点の動作速度及びミラーの表面との関係における焦点の場所により左右される。これらの例においては、ミラーは、ビームに対し直交する平面内でx−y構成で作動させられる1対のNEAT,Inc,310型並進ステージの上に取り付けられた。これらのステージは、約5.08mm/秒で静止レーザービームの下でミラーを移動させるために使用された。平均ビームパワーを約13mW又は50mWに調整するために、ニュートラルフィルタを使用した。50mWでの走査の結果、4.5〜5.2マイクロメートルのライン幅がもたらされた。13mWでの走査では、約3.7マイクロメートルのライン幅が結果としてもたらされた。
【0104】
上述の通りに書かれたパターンは、短い方の波長よりも大きく長い方の波長を湾曲させることで白色光をスペクトル内に拡散させる、格子に付随する真珠光沢の外観を視覚表示する。一定の与えられた光波長について、ビームの光学軸と異なる回折次数の間の角度的離隔はd sinθ=mλ(Jenkins 及び White,光学の基礎、第3版、McGraw−Hill,New York,1957,p331)により求められ、ここでdは格子の周期、θは光学軸と一定の与えられた次数の回折最大値の間の角度であり、mは回折次数を特徴づける整数、λは使用される光の波長である。
【0105】
近垂直入射で上述の格子を照射するために、λ=632nmの波長で、Melles−Griot,Inc(55Science Parkway,Rochester,NY),5mW,ヘリウム−ネオンレーザを使用した。一次ビーム及び最初のいくつかの回折次数の反射は、ミラーから約71.8cmのところに位置設定された白色スクリーン上に投射された。19.1マイクロメートルの格子周期について、上述の公式から、第一次最大に対し1.90°,第2次最大に対し3.79°の角度が得られる。スクリーン上の測定から、それぞれ1.90°及び3.79°と同じ角度が得られ、良好な動作の回折格子が生成されたことを実証している。
【0106】
実施例3−MEMS走査ミラー上の反射性回折格子
電気駆動式光学スキャナとして使用されるマイクロ電気機械系(MEMS)ミラー上で反射性回折格子を製造するために、上述の例2で記述したものと同じ機器、材料及び技術を使用した。こうして、格子を数度にわたり急速に回転させ、かくして反射されたビームをこの角度の2倍の角度にわたり前後に走査することが可能となる。これは、後ろに光電池がある状態で、スリットを横切って走査ビームが投射される高速走査式分光光度計の構築を含めた、さまざまな光学技術のために有用でありうる。ミラーが回転するにつれて、スペクトルはスリットを横断して掃引される。この技術は、数百ヘルツから数十キロヘルツまでの周波数でのミラーの製造を容易にしスペクトルデータの迅速な獲得を可能にする。この例で使用される標準的ミラーは、約10kHz〜約15kHzの駆動周波数を有していた。
【0107】
ミラー及びそのベースは、周知の湿式異方性エッチング技術を用いて、単結晶シリコンからエッチングされた。ミラー自体は、(100)結晶面が露呈された状態でカットされた単結晶シリコンの薄い(.003’’=0.005’’)ウェーハ内にエッチングされた。エッチングの後、2本のトーションアームのみでウェーハの残りの部分に正方形又は矩形のミラーを付着させた。ミラーの表面は、反射性及び導電性を得るため、アルミニウムで真空コーティングした。ミラーベースも同様に、より厚いシリコンウェーハからエッチングした。ここで、電力が印加された時点でミラーがそのトーションアーム上で旋回できるようにするため、平坦な底をもつキャビティを、異方的に湿式エッチングした。キャビティのいずれの側にもトーションアームに対し平行に走るアルミニウム電極を形成させた。ミラーを収納するウェーハを、キャビティ上で整列させ、規定通りに心合せし、エポキシでベースにボンディングした。2ベース式電極とミラー電極に配線を接続し、それらに電力が供給されるようにした。標準的には、ミラーは接地されており、ベース電極は大地電圧といく分かのバイアス電圧の間で交替し、バイヤスされた電極は、接地されたミラーを自らの方へと引きつける。バイアス及び大地電位は、ミラートーションアームユニットの共振周波数で2つの電極の間で前後に切換えられ、有用な振動振幅を生成した。これを達成するための単純な駆動回路を、この例では外部に取付けたが、ほぼ完全にシリコン内部に組込んで集積回路を形成させることも可能である。
【0108】
上述の組立てられテストされたMEMSミラーに、以下の要領で2光子増感樹脂をコーティングを施した:すなわち、酢酸で酸性化した95%のエチルアルコール内の2重量%のトリス(メトキシシリル)メチルアクリレート(Aldrich)という接着促進剤を、ミラー1個あたり1滴ずつ塗布し、次にエアオーブン内で60分間80℃で乾燥させた。多光子硬化性組成物を5w%の固体まで希釈し、次にミラー1個あたり1滴ずつ塗布し、エアオーブン内で80℃で10分間乾燥させてフィルムを形成させた。
【0109】
レーザー、Spectra−Physics,Inc(1335 Terra Bella Avenue,Mountain View,CA94043USA)「Mai Tai」型を、λ=800nmの波長、80MHzの繰返し周波数、約100フェムトセカンド(1×10-13秒/のパルス幅で作動させた。乾燥した樹脂フィルムを通った後、アルミメッキされたミラーの表面でレーザービームを集束させるために、焦点距離4.48mm,開口数0.65の40×の顕微鏡対物レンズを用いた。一連の等間隔の線を描くよう固定レーザービームの下で完成したアルミメッキミラーを移動させることにより格子パターンを生成した。各々レーザービームに直交する2つの直交方向での走査を可能にするべく、交差構成でNEAT Inc.,310型並進ステージを取付けた。ミラーを並進ステージアセンブリ上に取付け、5.08mm/秒でレーザービーム下を走査させて2光子相互作用を用いて樹脂を重合させ、約19.1マイクロメートルの周期で重合された樹脂の一連の平行線を形成した。
【0110】
まず最初にプロピレン−グリコール−メチルエーテルアセテート(Aldric)中で洗浄して未露光樹脂を除去し、第2にイソプロピルアルコール中で洗浄して残った残渣を除去することにより、樹脂パターンを現像した。30秒〜60秒の現像時間が成功収めた。次に窒素流を用いてミラーを乾燥させた。重合した樹脂のラインは、連続するミラーの表面を中断させ、反射性回折格子を形成する。
【0111】
実施例4−キャビティを充填する
30グラムのPMMA(135Kの分子量)を取り上げそれを120グラムのジクロロメタン中で溶解させることによって、樹脂原液を調製した。Sartomer SR−9008に沿って、付加的な35グラムのSartomer SR−368を添加した。
【0112】
開始剤成分の第2の原液も作製した。合計12.35グラムのジクロロメタン中に、2光子染料、ビス−[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]−1,4(ジメトキシ)ベンゼン(MPS1.150mg),ジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(SR−1012,Sartomer,1250mg))及び有機ボレート(CGI−7460,Ciga Specialties(250mg))を溶解させた。
【0113】
重合性溶液を提供するため、開始剤成分溶液1.5グラムと11.0グラムの樹脂原液を組合わせた。穴の3分の2が鋼内に、3分の1がPTFE内にくるように、深さ2mm,直径1mmの穴5個をせん孔することにより、鋼とPTFEでできた2つ割り型を調製した。まず最初に、キャビティに25マイクロリットルの注射器を用いて未硬化樹脂溶液を部分的に充填することによって、重合すべき溶液をキャビティに投入し、溶剤を30分間蒸発させた。次に、キャビティに未重合樹脂が完全に充填されるまで、このプロセスをくり返した。
【0114】
その後、充填された10×の対物レンズ(開口数0.25)を用いて集束された平均光強度109mW,100フェムセカンドパルス、800nm,100MHzで作動するダイオードポンピングを受けたTi−サファイアレーザを光源として使用して、未重合樹脂が充填されたキャビティの1つを照射した。未重合樹脂とキャビティ底面の間の界面にレーザービームの焦点を置き、5μmの離隔距離で長さ1.2mmの240本のラインの形で焦点を走査して1.2mmの正方形パターンを生成することにより、未硬化樹脂を硬化させた。1.2mmの正方形パターンをくり返し走査し、キャビティの深さの約半分(1mmよりわずかに少ない、例A)まで樹脂が硬化するまで、連続する各々の走査に伴いキャビティの底面からさらに離れるように40μmだけ焦点を移動させた。未重合樹脂と空気(キャビティの上部)の間の界面にレーザービームの焦点を置くことにより、未硬化樹脂が満たされた第2のキャビティを硬化させた。上述のように1.2mmの正方形のパターンを集束したレーザーでくり返し走査し、キャビティの底面に至るまでずっと樹脂が硬化してしまうまで、連続する各々の走査でキャビティの底面により近づくように約40μm焦点を移動させた(例B)。部分的に硬化した樹脂を伴うキャビティを含む結果として得られた製品を、2時間ジメチルホルムアミドの中に浸漬して、未反応樹脂をことごとく除去した。イソプロピルアルコールで洗い流し乾燥した後、金型を分解し、結果として得られたプラグの高さ及び幅(円筒形キャビティの軸に沿って測定された高さ)を顕微鏡で測定し(下表参照)、これは、底面から上に照射されたキャビティが上半分ではなく下半分で硬化され、上部から底面に照射されたキャビティがその全深さを通して硬化されたことを示していた。
【0115】
例C,D,E,F(比較例)。第2の金型に上述のように硬化性樹脂を充填した。比較のため、71mJ/cm2から始めて566J/cm2まで進むように、硬化性樹脂が充填された先行するキャビティの用量の2倍を硬化性樹脂の充填された各キャビティが受けるような形で、442nm(多光子光増感剤の1光子吸収帯域内)で連続的に作動するHe−Cdレーザーを用いて、4つのキャビティ内の硬化性樹脂を照射した。部分的に硬化した樹脂を伴うキャビティを含む結果として得られた製品を2時間ジメチルホルムアミド内に浸漬して、未反応樹脂をことごとく除去した。イソプロピルアルコールで洗い流し乾燥した後、金型を分解し、各々のプラグの高さ及び幅(円筒形キャビティの軸に沿って測定された高さ)を顕微鏡で測定した(下表参照)。このデータは、比較例が上へから下に向かってだけ硬化したこと及び、光源により近い樹脂がまず最初に硬化した後に初めて底部キャビティ内の樹脂の硬化が起こるということを示している。
【0116】
【表1】
【0117】
本発明の一定数の実施形態について記述してきた。しかしながら、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくさまざまな修正を加えることができるということがわかるだろう。従って、その他の実施形態も冒頭のクレームの範囲内に入るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多光子硬化系の概略的表示である。
【図2】 多光子硬化性材料が充填された物品中のキャビティの横断面図である。
【図3A】 物品中のチャネル内の流量調節装置の端面図である。
【図3B】 図3Aの流量調節装置の上面図である。
【図3C】 図3Aの流量調節装置の一部分の横断面図である。
【図4】 回折格子の横断面図である。
【図5】 物品中のチャネル内のアンダカット領域の横断面図である。
【図6A】 物品中のチャネル内の流量調節装置の端面図である。
【図6B】 図6Aの流量調節装置の上面図である。
【図6C】 図3Aの流量調節装置の一部分の横断面図である。
Claims (2)
- 光ファイバに構造を付加する方法において:
(a)光ファイバに対し多光子硬化性組成物を適用する工程であって、該組成物が:
(1)硬化性種;及び
(2)多光子光増感剤及び電子受容体を含む多光子光開始剤系を含む、工程;
(b)構造を形成するべく該多光子硬化性組成物を少なくとも部分的に硬化させる工程、
を含んで成る方法。 - 基材上に回析格子を製作する方法において:
表面上に多光子硬化性組成物を適用する工程であって、該組成物が;
硬化性種;及び
多光子光増感剤及び電子受容体を含む多光子光開始剤系を含む、工程;及び
該基材上に回析格子を形成するべく該多光子硬化性組成物を少なくとも部分的に硬化させる工程、
を含んで成る方法。
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