JP6447626B2 - 押出材の押出方法 - Google Patents

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Description

本発明は鉄系金属または非鉄金属のビレットをダイスから押出して形材に成形する方法に関するものである。
一般に、金属材料、例えばアルミニウム又はその合金材料等によるビレットを押出プレス装置により押出す場合は、次のように行われる。油圧シリンダで駆動されるメインラムの先端部に押出ステムが取り付けられており、まず、ダイスにコンテナを押し付けた状態で、ビレットを押出ステムなどでコンテナ内に収納する。そして、メインラムを更に油圧シリンダの駆動により前進させることにより、ビレットが押出ステムにて押圧される。そこで、ダイスの出口部から、成形された製品(押出材)が押出される。
従来、複数の種類の押出製品を製造するには、1本のビレットをコンテナ内で最後まで押出しきって、ダイスを交換して再度、押出しを開始するのが通常であった。また、短い押出製品の場合は、押出製品の長さに相当する短いビレットをヒータで加熱し、ダイス交換と押出しとを交互に繰り返して行うのが通常であった。
特許文献1によると、以下の発明が開示されている。この発明は、アルミニウムビレットをコンテナに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法である。この方法では、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナ及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともに、アルミニウムビレットをダイス金型とコンテナの間で破断させる。その後ダイス金型及びコンテナからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落す。そして、ダイス金型を交換し、前記コンテナ内に残存するビレットにより押出を再開する。
特開2006−068750号公報
従来のアルミニウム形材の押出方法は一つのダイス金型で1個以上のビレットを押出す方法であり、1本のビレットから押出された約20〜50mの形材を数十本の定尺に切断することが行なわれていた。
この押出方法では、例えば1本もしくは数本の多種少量生産の形材注文に対応することは困難であり、敢えて対応しようとすればビレットの長さを短くすることが考えられる。
しかし、短いビレットは炉内で過熱ぎみになり、これを避ける為には加熱プログラムを変更する必要が生じる。また、これを行ったとしても炉の温度が不安定となるなどの悪循環となった。結局、1本のビレットの全量を押出し、押出材の不必要分を溶解原料とすることが多かった。
次に、1本のビレットを短くすると、ディスカード(discard、押出残余部、残渣部)の長さは同じなので、短いビレットは長いビレットと比較すると、1本のビレットに対するディスカードの割合が大きくなり、歩留まりが悪くなる。
また、ビレットの長さが直径よりも小さいものでは、転倒しやすくなりビレットのハンドリングが十分できなくなる。
引用文献1の発明では、アルミビレットをダイス金型とコンテナの間で破断させて、その後ダイス金型及びコンテナからそれぞれ突き出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切り落とすという作用になっている。したがって、コンテナ及び押出ステムをダイス金型から後退させるのに、シャー装置が侵入できるための長いストロークが両者に必要になってくる。そのため時間がかかり、生産性が悪くなる。
次に、アルミビレットを切り落とすのに、ダイス側シャーナイフとコンテナ側シャーナイフとで切り落とし、ダイスライドを移動して製品を切断する。このため、ダイスのなかに残存するアルミビレットはスクラップとなってしまう。すなわち、歩留まりが悪くなるということとなる。
さらには、アルミビレットをダイス金型とコンテナの間で破断させるので、破断面が歪な形になりシャーナイフで切り落としてもビレット背面が十分に平らにならない。その結果、次の製品に対してエアーなどを巻き込みブリスターが発生する可能性がある。
また、シャーナイフで切り落としているので、シャーナイフにも寿命があり交換頻度が多くなる可能性がある。そのため生産性が悪くなる。
特許文献1では、コンテナ側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、次の金型に交換すると記載されているが、コンテナ内のビレットは加工硬化しているので、容易に平らにならないので、次の製品に対してブリスターが発生する可能性がある。
本発明は主に次の方法に分類される。
第1〜第4の方法では、ビレットを、ダイスとコンテナの間、及び、ダイスとプレッシャーリングの間で切断させる。第2〜第4の方法は、それぞれ、1ビレットNロット押出しへの対応(第2)、押出素材がダイスとコンテナの間隙から外部に漏出した(いわゆる「花咲き現象」といわれる押出欠陥である)場合の対応(第3)、押出素材がダイスに詰まった場合の対応(第4)である。
第5〜第8の方法では、ビレットを、ダイリングとコンテナの間、及び、ダイリングとボルスターの間で切断させる。第6〜第8の方法は、それぞれ、1ビレットNロット押出しへの対応(第6)、押出素材がダイリングとコンテナの間隙から外部に漏出した(花咲き現象)場合の対応(第7)、押出素材がダイスに詰まった場合の対応(第8)である。
本発明の第2の方法は、コンテナの移動手段を備え、メインシリンダ装置により前記コンテナに装填されたビレットを押出ステムによりダイスから押出して形材を成形する押出プレスにおいて、所定長さの押出材が押出された際に、ダイスからシール圧力を解除させるとともに、ビレットを、ダイスとコンテナの間、及び、ダイスとプレッシャーリングの間で切断させ、その後ダイスを交換し、前記コンテナ内に残存するビレットにより押出しを再開する。
本発明の第3の方法は、コンテナの移動手段を備え、メインシリンダ装置により前記コンテナに装填されたビレットを押出ステムによりダイスから押出して形材を成形する押出プレスにおいて、押出素材がダイスとコンテナの間隙から外部に漏出した際に、ダイスからシール圧力を解除させるとともに、ビレットを、ダイスとコンテナの間、及び、ダイスとプレッシャーリングの間で切断させ、前記コンテナ内に残存するビレットにより押出しを再開する。
本発明の第4の方法は、コンテナの移動手段を備え、メインシリンダ装置により前記コンテナに装填されたビレットを押出ステムによりダイスから押出して形材を成形する押出プレスにおいて、押出素材がダイスに詰まった際に、ダイスからシール圧力を解除させるとともに、ビレットを、ダイスとコンテナの間、及び、ダイスとプレッシャーリングの間で切断させ、前記コンテナ内に残存するビレットにより押出しを再開する。
本発明の第1〜4の方法においては、ダイスからシール圧力を解除させるとともにビレットをダイスとコンテナ及びダイスとプレッシャーリングの間で切断させ、ダイスを交換するか、または同じダイスで前記コンテナ内に残存するビレットにより押出しを再開するものである。
従来の方法では、破断したビレットをシャーナイフで切断を行っていたが、本発明ではその操作が不要になり時間短縮が可能となった。
本発明の第6の方法は、コンテナの移動手段を備え、メインシリンダ装置により前記コンテナに装填されたビレットを押出ステムによりダイスから押出して形材を成形する押出プレスにおいて、所定長さの押出材が押出された際に、ダイスからシール圧力を解除させるとともに、ビレットを、ダイリングとコンテナの間、及び、ダイリングとボルスターの間で切断させ、その後ダイスを交換し、前記コンテナ内に残存するビレットにより押出しを再開する。
本発明の第7の方法は、コンテナの移動手段を備え、メインシリンダ装置により前記コンテナに装填されたビレットを押出ステムによりダイスから押出して形材を成形する押出プレスにおいて、押出素材がダイスとコンテナの間隙から外部に漏出した際に、ダイスからシール圧力を解除させるとともに、ビレットを、ダイリングとコンテナの間、及び、ダイリングとボルスターの間で切断させ、前記コンテナ内に残存するビレットにより押出しを再開する。
本発明の第8の方法は、コンテナの移動手段を備え、メインシリンダ装置により前記コンテナに装填されたビレットを押出ステムによりダイスから押出して形材を成形する押出プレスにおいて、押出素材がダイスに詰まった際に、ダイスからシール圧力を解除させるとともに、押出ビレットを、ダイリングとコンテナの間、及び、ダイリングとボルスターの間で切断させ、前記コンテナ内に残存するビレットにより押出しを再開する。
本発明の第5〜8の方法においては、ダイスからシール圧力を解除させるとともに、ビレットを、ダイリングとコンテナの間、及び、ダイリングとボルスターの間で切断させ、ダイスを交換するか、または同じダイスで前記コンテナ内に残存するビレットにより押出しを再開するものである。ビレットとは、押出前の素材のみならず成形途中、成形後の押出素材までを含めて使用する。
従来の方法では、破断したビレットをシャーナイフで切断を行っていたが、本発明ではその操作が不要になり時間短縮が可能となった。
ダイスからシール圧を解除させてビレットをダイスとコンテナの間で切断する際はコンテナとダイスの隙間を位置決めできるようにする。
ビレット切断の際にコンテナの芯が変化しないように、コンテナの上部ガイドに強制ガイド装置を装着する。
ビレット切断の際に、ダイカセットにコンテナシール面に接触するように、揺動自在なシャーナイフを取付けて、コンテナシール面に付着した押出素材を除去する。
1)従来技術では、ビレットをダイス金型とコンテナの間でコンテナを後退させて破断させて、その後ダイス金型及びコンテナからそれぞれ突き出している押出素材をシャーナイフで切り落とすという作用になっている。このため、コンテナ及び押出ステムをダイス金型から後退させるのに長いストロークが必要になってくる。これに対して、本発明ではシャーナイフで切断するという構成ではなく、ダイスまたはダイリングで切断するだけなので、時間が短縮されて、生産性が良くなる。
2)従来技術では、ビレットを切り落とすのに、ダイス側シャーナイフとコンテナ側シャーナイフとで切り落とし、ダイカセットを移動するので、ダイスライドのなかに残存するビレットはスクラップとなってしまっていた。これに対して、本発明では、ダイリングの長さ分だけがスクラップとなるだけで、歩留まりが向上する。さらに、アルミ素材の端材がないのでダイリングとボルスターの分離が容易であり、ダイスのハンドリングがし易い。
3)従来技術では、ビレットをダイス金型とコンテナの間でコンテナを後退させて破断させるので、破断面が歪な形になりシャーナイフで切り落としてもビレットが十分に平らにならない。その結果、次の製品に対してブリスターが発生する可能性があった。これに対して、本発明では切断面がきれいでブリスターも発生せず、品質が向上する。
4)従来技術では、コンテナ側から突出している押出素材を圧縮して押し潰し、次の金型に交換していた。このとき、コンテナ内のビレットは加工硬化しているので、容易に平らにならないので、次の製品に対してブリスターが発生する可能性があった。これに対して、本発明では切断面がきれいでブリスターも発生せず、品質が向上する。
5)本発明ではダイスとコンテナの間でビレットを切断するために従来装着されていたメインシャーが不要になるので、設置部材ダウンになると同時に設備の高さが低くなり省スペースになる。また、サイクルタイムが短くなるとともにメンテナンスが不要になる。
本発明の押出プレスの全体概略側面図である。 本発明のビレット切断の詳細側面図である。(ダイス4による切断) (a)ビレット切断前、押出しを中断した時の図である。 (b)ダイスが上昇してビレットを切断した時の図である。 本発明のビレット切断の詳細側面図である。(ダイリング29による切断) (a)ビレット切断前、押出しを中断した時の図である。 (b)ダイリングが上昇してビレットを切断した時の図である。 本発明のダイスの詳細図である。 (a)ダイス全体の切断の場合、ダイスと共に上昇するダイス切断用ブロック36の平面図ある。 (b)ダイリング29のみによる切断の場合の、ダイリングと共に上昇するダイリング切断ブロック37の平面図である。 (c)ダイス全体の図の正面である。ダイス交換に使用するダイスライド38等を示している。 (d)ダイス全体のダイスライド38の移動方向に切断する場合のダイカセット35の図である。 本発明のエンドプラテンとダイスとコンテナの図である。 (a)ダイスの切断装置の図である。 (b)コンテナ芯保持装置の図である。 本発明のコンテナとダイス間の隙間位置決め装置の図である。 本発明のダイリングによる切断の動作フローの図である。 本発明のダイリングを移動させて切断する方法とメインシャーを使わないでディスカードを除去する方法を組合せた動作フローである。 本発明のダイスを移動して切断する方法とメインシャーを使わないでディスカードを除去する方法を組合せた動作フローである。 本発明のダイカセットに揺動自在なシャーナイフを取付けた図である。
本発明に係る押出プレスのビレットをダイスから押出して形材に成形する方法の実施形態を、鉄系金属または非鉄金属のうちアルミニウムを一例として、図面を参照しながら以下詳細に説明する。
最初に、本発明の押出プレスの概要について図1を用いて説明する。エンドプラテン1側を前方とし、メインシリンダ2側を後方とする。
図1に示すように、本発明に用いる押出プレスは、エンドプラテン1とメインシリンダ2を対向して配置し、両者を複数のタイロッド3によって連結している。エンドプラテン1の内側面(後方側の面)には、押出穴が形成されたダイス4を挟んで、コンテナ5が配置されている。コンテナ5内にビレット6を装填し、これをダイス4に向けて押出加圧することでダイス穴に応じた断面の押出材14が押出成形される。エンドプラテン1には、ダイス4からの押圧力を受けるプレッシャーリング25が取り付けられている。コンテナ5の移動は、移動手段としてのコンテナ移動駆動部(図6のシリンダロッド15、61など)によって行なわれる。
押出作用力を発生させるメインシリンダ2は、メインラム9を内蔵し、これをコンテナ5に向けて加圧移動可能としている。このメインラム9の前端部には、コンテナ5のビレット装填穴と同芯配置されるように、押出ステム7が、コンテナ5に向けて突出状態でメインクロスヘッド8に取付けられている。押出ステム7の先端には、図示しないダミーブロックが、密接させて取付けられている。したがって、メインシリンダ2を駆動してメインクロスヘッド8を前進させると、押出ステム7がコンテナ5のビレット装填穴に挿入される。押出ステム7は、装填されたビレット6の後端面を加圧して押出材を押出すのである。本発明の押出プレス装置は、エンドプラテン1、ダイス4、コンテナ5、コンテナの移動駆動部、及び、押出ステム7を有するメインシリンダ2などから構成されている。
前記メインシリンダ2には、押出軸心と平行に複数のサイドシリンダ10が取付けられており、そのシリンダロッド11がメインクロスヘッド8に連結されている。これによって、押出工程の準備工程として押出ステム7をビレット6の先端がダイス4に当接するまで初期移動させる。押出加圧動作はメインシリンダ2及びサイドシリンダ10の両者を用いて行なわせる。
図2は本発明のダイス4によるビレット6切断の説明図である。ダイス4はダイリング29とボルスター30で構成されている。図2のダイス4は、複数本の押出材14を押出す場合である。ダイリング29は、バッカー291とダイス金型292からなる。ダイス切断用シリンダ27とサポート28によりダイス4は挟まれて固定されている。ダイス切断用シリンダ27を駆動することにより、ダイス4は鉛直上に移動する。
図2の場合はダイス4が鉛直上に移動するが、図4(d)のようにダイスライドシリンダロッド39により水平に移動する場合もある。
通常の押出しで、所定の長さが押出された後、押出しを終了又は中断してダイス4からシール圧力を解除させる。
ダイス切断用シリンダ27を駆動して、ダイリング29とボルスター30を同時に上昇させる。このとき、コンテナ5とダイス4の間及びプレッシャーリング25とダイス4間のそれぞれのビレット素材を同時に切断(せん断)する。これによりビレット6をせん断力により切断する。
図2ではダイス4は鉛直上に移動するようになっているが、ダイスライドシリンダ39により水平に移動してもよい。
ビレット6の切断を完了すると、押出しが再開されるか、あるいは、ダイス4の交換が行われる。ダイカセット35が水平に移動してダイス4が交換される場合は、元の押出プレス中心に戻る必要はない。ダイス4の交換がされない場合は、ダイカセット35は元の押出プレス中心に戻る。
図3は本発明のダイリング29によるビレット6切断の説明図である。ダイス4はダイリング29とボルスター30で構成されている。ダイス切断用シリンダ27とサポート28によりダイリング29は挟まれて固定されている。ダイス切断用シリンダ27を駆動することによりダイリング29は鉛直上に移動する。
通常の押出しで、所定の長さが押出された後、押出しを終了又は中断してダイス4からシール圧力を解除させる。
図3(b)に示すように、ダイス切断用シリンダ27を駆動して、ダイリング29を上昇させる。このとき、コンテナ5とダイリング29の間、及び、ボルスター30とダイリング29間のそれぞれのビレット素材を同時に切断する。これによりビレット6をせん断力により切断する。
ビレット6の切断を完了すると、押出しが再開されるか、あるいはダイス4交換が行われる。
図4(a)はダイス全体の切断の場合のダイス切断用ブロック36を示す。これは、図2(b)に対応する。図4(b)はダイリング29のみの切断の場合の、切断用ブロック37の図を示す。これは、図3(b)に対応する。
ビレット6を切断する場合に、ダイス切断用シリンダ27が駆動して、図4(a)、図4(b)のそれぞれハッチングで示した領域の部材を上方へ同時に持ち上げて、ビレット6を切断する構成になっている。ダイス切断用ブロック36、37は、ダイカセット35に対して、ダイス切断用シリンダ27で上下動する。
また図4(d)は、ダイスライド38はダイスの交換の時、又は、ダイス4が水平に移動してビレット6を切断する場合、ダイスライドシリンダロッド39によって駆動される。ダイス交換の時は、ダイス4は押出プレス機外に搬出される。
図5(b)は本発明のコンテナ芯保持装置20の図である。
コンテナ芯保持装置20は押出プレスの上部2本のタイロッド3の位置に装着されている。
タイロッド3にテーパ座21が装着されている。一方、コンテナ5の上部ガイド24には油圧シリンダ23が装着されている。油圧シリンダ23のロッドにはテーパブロック22が装着されている。このテーパブロック22を油圧シリンダ23で駆動することにより、テーパブロック22とテーパ座21が密接する。お互いを押圧することにより、ダイス切断用シリンダ27がダイス4を上部へ押し上げようとしても、水平方向に移動させようとしても、コンテナ5には保持の力がかかる。これにより、コンテナ5の芯は、ずれることはないようになっている。符号26は、ディスカード切断装置のメインシャーである。
図6に本発明のコンテナとダイス間の隙間位置決め装置の図を示す。エンドプラテン1に装着された油圧シリンダ60のシリンダロッド61に、シム62がボルト締めで装着されている。シリンダロッド61は、コンテナホルダー12を押圧するようになっている。そのシリンダ60の前進限で、コンテナとダイスの隙間がSとなるように、シム62で調整されている。この隙間Sは、ビレットを切断するときに焼き付きがおこらないために設定するものである。
なお、この油圧シリンダ60の位置は、図5(b)の符号32で示す位置であって、2か所ある。
図7に本発明のダイリング29による切断の場合の動作フローを示す。
(a)一定の長さの押出材が押出された後、押出を終了又は中断してダイス4からシール圧力を解除させる。
(b)ダイリング29は鉛直上に移動することによって、コンテナ5とダイリング29の間及びボルスター30とダイリング29の間のビレット6を同時に切断する。
(c)押出が再開する。
(d)1本のビレット6の押出しが完了する。
(e)メインシャー26が下降してきてディスカード16を切り落とす。
(f)ダイリング29がビレット6の切断のために移動し、その後ダイカセット35がダイス4の交換のために移動する。
図8は、本発明のダイリング29を鉛直上に移動させて切断する方法と、メインシャー26を使わないでディスカード16を除去する方法とを、組合せた動作フローである。
図8(d)、(e)は押出プレスの上方から見た図である。
(a)一定の長さの押出材が押出された後、押出を終了又は中断してダイス4からシール圧力を解除させる。
(b)ダイリング29を鉛直上に移動することによって、コンテナ5とダイリング29の間、及び、ボルスター30とダイリング29の間のビレット6を、同時に切断する。
(c)押出が再開する。
(d)1本のビレット6の押出しが完了する。
(e)押出の完了後、ダイス4は水平に移動することによって、コンテナ5とダイリング29の間、及び、ボルスター30とプレッシャーリング25の間のビレット6を、同時に切断する。同時に、押出ステム7が前進し、ディスカード16を突き落とす。
(f)ダイカセット35が切断及びダイス4の交換のために移動する。
以上のように本発明では、ダイス4とコンテナ5の間でビレット6を切断するために、コンテナ5の中に短いディスカード16が残るだけである。このディスカード16を押出ステム7で突き落とすと、容易にディスカード16が除去できるので、従来技術のようなメインシャー26が不要になる。
図9は、本発明のダイス4を水平に移動させて切断する方法と、メインシャー26を使わないでディスカード16を除去する方法を、組合せた動作フローを示す。
図9は押出プレスの上方から見た図である。図9(b)は横から見た場合を含む。
(a)一定の長さの押出材が押出された後、押出を終了又は中断してダイス4からシール圧力を解除させる。
(b)ダイス4を水平に移動することによって、コンテナ5とダイス4の間及びプレッシャーリング25とダイス4の間のビレット6を同時に切断する。
(c)ダイス4を交換するか同じダイス4で押出が再開する。
(d)1本のビレット6の押出しが完了する。
(e)押出の完了後、ダイス4は水平に移動することによって、コンテナ5とダイス4の間及びプレッシャーリング25とダイス4の間のビレット6を同時に切断する。
同時に、押出ステム7が前進し、ディスカード16を突き落とす。
(f)ダイカセット35がダイス4の交換のために移動する。
以上のように本発明では、ダイス4とコンテナ5の間でビレット6を切断するために、コンテナ5の中に短いディスカード16が残るだけなので、このディスカード16を押出ステム7で突き落とすと容易にディスカード16が除去できるので、従来技術のようなメインシャー26が不要になる。
図10にダイカセットに装着したシャーナイフ71の図を示す。ダイス4またはダイリング29とコンテナ7との間を切断したときに、コンテナ7表面に金属が付着する。上下のバネ72により一端を支持されたシャーナイフ71は、この付着した金属を、軸76の回りで揺動することによって除去する。同様にダイカセットが水平に動く時もシャーナイフ71を直角方向に配置させることで上記と同じ機能を持たせることが出来る。
1)従来技術では、ビレットをダイス金型とコンテナの間でコンテナを後退させて破断させて、その後ダイス金型及びコンテナからそれぞれ突き出している押出素材をシャーナイフで切り落とすという作用になっている。このため、コンテナ及び押出ステムをダイス金型から後退させるのに長いストロークが必要になってくる。これに対して、本発明ではシャーナイフで切断するという構成ではなく、ダイスまたはダイリングで切断するだけなので、時間が短縮されて、生産性が良くなる。
2)従来技術では、ビレットを切り落とすのに、ダイス側シャーナイフとコンテナ側シャーナイフとで切り落とし、ダイカセットを移動するので、ダイスライドのなかに残存するビレットはスクラップとなってしまっていた。これに対して、本発明では、ダイリングの長さ分だけがスクラップとなるだけで、歩留まりが向上する。さらに、アルミ素材の端材がないのでダイリングとボルスターの分離が容易であり、ダイスのハンドリングがし易い。
3)従来技術では、ビレットをダイス金型とコンテナの間でコンテナを後退させて破断させるので、破断面が歪な形になりシャーナイフで切り落としてもビレットが十分に平らにならない。その結果、次の製品に対してブリスターが発生する可能性があった。これに対して、本発明では切断面がきれいでブリスターも発生せず、品質が向上する。
4)従来技術では、コンテナ側から突出している押出素材を圧縮して押し潰し、次の金型に交換していた。このとき、コンテナ内のビレットは加工硬化しているので、容易に平らにならないので、次の製品に対してブリスターが発生する可能性があった。これに対して、本発明では切断面がきれいでブリスターも発生せず、品質が向上する。
5)本発明ではダイスとコンテナの間でビレットを切断するために従来装着されていたメインシャーが不要になるので、設置部材ダウンになると同時に設備の高さが低くなり省スペースになる。また、サイクルタイムが短くなるとともにメンテナンスが不要になる。
1 エンドプラテン
2 メインシリンダ
3 タイロッド
4 ダイス
5 コンテナ
6 ビレット
7 押出ステム
8 メインクロスヘッド
9 メインラム
10 サイドシリンダ
11 サイドシリンダロッド
12 コンテナホルダー
14 押出材
16 ディスカード
17 ダミーブロック
20 コンテナ芯保持装置
21 テーパ座
22 テーパブロック
23 油圧シリンダ
24 上部ガイド
25 プレッシャーリング
26 メインシャー
27 ダイス切断用シリンダ
28 サポート
29 ダイリング
30 ボルスター
31 コンテナキー
32 コンテナとダイス隙間位置決め装置
35 ダイカセット
36 ダイス切断ブロック
37 ダイリング切断ブロック
38 ダイスライド
39 ダイスライドシリンダロッド
60 コンテナとダイス隙間位置決めシリンダ
61 コンテナとダイス隙間位置決めシリンダロッド
62 シム
71 ナイフ
72 バネ
76 軸

Claims (10)

  1. プレッシャーリングが設けられたエンドプラテンと、ダイスと、コンテナと、コンテナの移動駆動部と、押出ステムを有し且つ前記エンドプラテンと対向して配置されたメインシリンダ装置と、前記エンドプラテンと前記メインシリンダ装置を連結する複数のタイロッドとを有する押出プレスにより、ビレットを形材に成形する押出方法において、
    前記コンテナに装填された前記ビレットを前記押出ステムにより前記ダイスから押出して押出材に成形する工程と、
    前記ダイスからシール圧力を解除させるとともに、前記ビレットを、前記ダイスを移動することにより、前記ダイスと前記コンテナとの間、及び、前記ダイスと前記プレッシャーリングとの間で剪断により切断する工程と、
    前記コンテナ内に残存するビレットにより押出材の成形を再開する工程と、
    を含み、
    前記切断する工程において切断の際に、前記コンテナの上部ガイドに装着されたコンテナ芯保持装置のテーパブロックを、少なくとも前記タイロッドの上部2本に装着されたテーパ座に押圧することにより、前記コンテナの芯が変化しないように、前記コンテナに保持力を作用させることを特徴とする押出方法。
  2. 前記押出方法は、さらに前記ダイスを交換する工程を含み、
    所定長さの押出材が押出された際に、前記切断する工程を行い、その後前記ダイスを交換する工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の押出方法。
  3. 押出素材がダイスとコンテナの間隙から外部に漏出した際に、前記切断する工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の押出方法。
  4. 押出素材がダイスに詰まった際に、前記切断する工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の押出方法。
  5. プレッシャーリングが設けられたエンドプラテンと、ダイリングとボルスターを有するダイスと、コンテナと、コンテナの移動駆動部と、押出ステムを有し且つ前記エンドプラテンと対向して配置されたメインシリンダ装置と、前記エンドプラテンと前記メインシリンダ装置を連結する複数のタイロッドとを有する押出プレスにより、ビレットを形材に成形する押出方法において、
    前記コンテナに装填された前記ビレットを前記押出ステムにより前記ダイスから押出して押出材に成形する工程と、
    前記ダイスからシール圧力を解除させるとともに、前記ビレットを、前記ダイリングと前記コンテナとの間、及び、前記ダイリングと前記ボルスターとの間で剪断により切断する工程と、
    前記コンテナ内に残存するビレットにより押出材の成形を再開する工程と、
    を含み、
    前記切断する工程において切断の際に、前記コンテナの上部ガイドに装着されたコンテナ芯保持装置のテーパブロックを、少なくとも前記タイロッドの上部2本に装着されたテーパ座に押圧することにより、前記コンテナの芯が変化しないように、前記コンテナに保持力を作用させることを特徴とする押出方法。
  6. 前記押出方法は、さらに前記ダイスを交換する工程を含み、
    所定長さの押出材が押出された際に、前記切断する工程を行い、その後前記ダイスを交換する工程を行うことを特徴とする請求項5に記載の押出方法。
  7. 押出素材がダイスとコンテナの間隙から外部に漏出した際に、前記切断する工程を行うことを特徴とする請求項5に記載の押出方法。
  8. 押出素材がダイスに詰まった際に、前記切断する工程を行うことを特徴とする請求項5に記載の押出方法。
  9. 前記ダイスからシール圧を解除させてビレットを前記ダイスと前記コンテナの間で切断する際は前記コンテナと前記ダイスの隙間を位置決めできることを特徴とする請求項1から8までの何れか1項に記載の押出方法。
  10. 前記切断する工程において切断の際に、前記ダイスのダイカセットに、コンテナシール面に接触するように揺動自在なシャーナイフを取付けたことを特徴とした請求項3又は7に記載の押出方法。
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