JP6447626B2 - 押出材の押出方法 - Google Patents
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Description
特許文献1によると、以下の発明が開示されている。この発明は、アルミニウムビレットをコンテナに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法である。この方法では、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナ及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともに、アルミニウムビレットをダイス金型とコンテナの間で破断させる。その後ダイス金型及びコンテナからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落す。そして、ダイス金型を交換し、前記コンテナ内に残存するビレットにより押出を再開する。
この押出方法では、例えば1本もしくは数本の多種少量生産の形材注文に対応することは困難であり、敢えて対応しようとすればビレットの長さを短くすることが考えられる。
しかし、短いビレットは炉内で過熱ぎみになり、これを避ける為には加熱プログラムを変更する必要が生じる。また、これを行ったとしても炉の温度が不安定となるなどの悪循環となった。結局、1本のビレットの全量を押出し、押出材の不必要分を溶解原料とすることが多かった。
また、ビレットの長さが直径よりも小さいものでは、転倒しやすくなりビレットのハンドリングが十分できなくなる。
次に、アルミビレットを切り落とすのに、ダイス側シャーナイフとコンテナ側シャーナイフとで切り落とし、ダイスライドを移動して製品を切断する。このため、ダイスのなかに残存するアルミビレットはスクラップとなってしまう。すなわち、歩留まりが悪くなるということとなる。
さらには、アルミビレットをダイス金型とコンテナの間で破断させるので、破断面が歪な形になりシャーナイフで切り落としてもビレット背面が十分に平らにならない。その結果、次の製品に対してエアーなどを巻き込みブリスターが発生する可能性がある。
また、シャーナイフで切り落としているので、シャーナイフにも寿命があり交換頻度が多くなる可能性がある。そのため生産性が悪くなる。
特許文献1では、コンテナ側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、次の金型に交換すると記載されているが、コンテナ内のビレットは加工硬化しているので、容易に平らにならないので、次の製品に対してブリスターが発生する可能性がある。
第1〜第4の方法では、ビレットを、ダイスとコンテナの間、及び、ダイスとプレッシャーリングの間で切断させる。第2〜第4の方法は、それぞれ、1ビレットNロット押出しへの対応(第2)、押出素材がダイスとコンテナの間隙から外部に漏出した(いわゆる「花咲き現象」といわれる押出欠陥である)場合の対応(第3)、押出素材がダイスに詰まった場合の対応(第4)である。
第5〜第8の方法では、ビレットを、ダイリングとコンテナの間、及び、ダイリングとボルスターの間で切断させる。第6〜第8の方法は、それぞれ、1ビレットNロット押出しへの対応(第6)、押出素材がダイリングとコンテナの間隙から外部に漏出した(花咲き現象)場合の対応(第7)、押出素材がダイスに詰まった場合の対応(第8)である。
従来の方法では、破断したビレットをシャーナイフで切断を行っていたが、本発明ではその操作が不要になり時間短縮が可能となった。
従来の方法では、破断したビレットをシャーナイフで切断を行っていたが、本発明ではその操作が不要になり時間短縮が可能となった。
2)従来技術では、ビレットを切り落とすのに、ダイス側シャーナイフとコンテナ側シャーナイフとで切り落とし、ダイカセットを移動するので、ダイスライドのなかに残存するビレットはスクラップとなってしまっていた。これに対して、本発明では、ダイリングの長さ分だけがスクラップとなるだけで、歩留まりが向上する。さらに、アルミ素材の端材がないのでダイリングとボルスターの分離が容易であり、ダイスのハンドリングがし易い。
3)従来技術では、ビレットをダイス金型とコンテナの間でコンテナを後退させて破断させるので、破断面が歪な形になりシャーナイフで切り落としてもビレットが十分に平らにならない。その結果、次の製品に対してブリスターが発生する可能性があった。これに対して、本発明では切断面がきれいでブリスターも発生せず、品質が向上する。
4)従来技術では、コンテナ側から突出している押出素材を圧縮して押し潰し、次の金型に交換していた。このとき、コンテナ内のビレットは加工硬化しているので、容易に平らにならないので、次の製品に対してブリスターが発生する可能性があった。これに対して、本発明では切断面がきれいでブリスターも発生せず、品質が向上する。
5)本発明ではダイスとコンテナの間でビレットを切断するために従来装着されていたメインシャーが不要になるので、設置部材ダウンになると同時に設備の高さが低くなり省スペースになる。また、サイクルタイムが短くなるとともにメンテナンスが不要になる。
図1に示すように、本発明に用いる押出プレスは、エンドプラテン1とメインシリンダ2を対向して配置し、両者を複数のタイロッド3によって連結している。エンドプラテン1の内側面(後方側の面)には、押出穴が形成されたダイス4を挟んで、コンテナ5が配置されている。コンテナ5内にビレット6を装填し、これをダイス4に向けて押出加圧することでダイス穴に応じた断面の押出材14が押出成形される。エンドプラテン1には、ダイス4からの押圧力を受けるプレッシャーリング25が取り付けられている。コンテナ5の移動は、移動手段としてのコンテナ移動駆動部(図6のシリンダロッド15、61など)によって行なわれる。
図2の場合はダイス4が鉛直上に移動するが、図4(d)のようにダイスライドシリンダロッド39により水平に移動する場合もある。
通常の押出しで、所定の長さが押出された後、押出しを終了又は中断してダイス4からシール圧力を解除させる。
ダイス切断用シリンダ27を駆動して、ダイリング29とボルスター30を同時に上昇させる。このとき、コンテナ5とダイス4の間及びプレッシャーリング25とダイス4間のそれぞれのビレット素材を同時に切断(せん断)する。これによりビレット6をせん断力により切断する。
図2ではダイス4は鉛直上に移動するようになっているが、ダイスライドシリンダ39により水平に移動してもよい。
ビレット6の切断を完了すると、押出しが再開されるか、あるいは、ダイス4の交換が行われる。ダイカセット35が水平に移動してダイス4が交換される場合は、元の押出プレス中心に戻る必要はない。ダイス4の交換がされない場合は、ダイカセット35は元の押出プレス中心に戻る。
通常の押出しで、所定の長さが押出された後、押出しを終了又は中断してダイス4からシール圧力を解除させる。
図3(b)に示すように、ダイス切断用シリンダ27を駆動して、ダイリング29を上昇させる。このとき、コンテナ5とダイリング29の間、及び、ボルスター30とダイリング29間のそれぞれのビレット素材を同時に切断する。これによりビレット6をせん断力により切断する。
ビレット6の切断を完了すると、押出しが再開されるか、あるいはダイス4交換が行われる。
ビレット6を切断する場合に、ダイス切断用シリンダ27が駆動して、図4(a)、図4(b)のそれぞれハッチングで示した領域の部材を上方へ同時に持ち上げて、ビレット6を切断する構成になっている。ダイス切断用ブロック36、37は、ダイカセット35に対して、ダイス切断用シリンダ27で上下動する。
また図4(d)は、ダイスライド38はダイスの交換の時、又は、ダイス4が水平に移動してビレット6を切断する場合、ダイスライドシリンダロッド39によって駆動される。ダイス交換の時は、ダイス4は押出プレス機外に搬出される。
コンテナ芯保持装置20は押出プレスの上部2本のタイロッド3の位置に装着されている。
タイロッド3にテーパ座21が装着されている。一方、コンテナ5の上部ガイド24には油圧シリンダ23が装着されている。油圧シリンダ23のロッドにはテーパブロック22が装着されている。このテーパブロック22を油圧シリンダ23で駆動することにより、テーパブロック22とテーパ座21が密接する。お互いを押圧することにより、ダイス切断用シリンダ27がダイス4を上部へ押し上げようとしても、水平方向に移動させようとしても、コンテナ5には保持の力がかかる。これにより、コンテナ5の芯は、ずれることはないようになっている。符号26は、ディスカード切断装置のメインシャーである。
なお、この油圧シリンダ60の位置は、図5(b)の符号32で示す位置であって、2か所ある。
(a)一定の長さの押出材が押出された後、押出を終了又は中断してダイス4からシール圧力を解除させる。
(b)ダイリング29は鉛直上に移動することによって、コンテナ5とダイリング29の間及びボルスター30とダイリング29の間のビレット6を同時に切断する。
(c)押出が再開する。
(d)1本のビレット6の押出しが完了する。
(e)メインシャー26が下降してきてディスカード16を切り落とす。
(f)ダイリング29がビレット6の切断のために移動し、その後ダイカセット35がダイス4の交換のために移動する。
図8(d)、(e)は押出プレスの上方から見た図である。
(a)一定の長さの押出材が押出された後、押出を終了又は中断してダイス4からシール圧力を解除させる。
(b)ダイリング29を鉛直上に移動することによって、コンテナ5とダイリング29の間、及び、ボルスター30とダイリング29の間のビレット6を、同時に切断する。
(c)押出が再開する。
(d)1本のビレット6の押出しが完了する。
(e)押出の完了後、ダイス4は水平に移動することによって、コンテナ5とダイリング29の間、及び、ボルスター30とプレッシャーリング25の間のビレット6を、同時に切断する。同時に、押出ステム7が前進し、ディスカード16を突き落とす。
(f)ダイカセット35が切断及びダイス4の交換のために移動する。
以上のように本発明では、ダイス4とコンテナ5の間でビレット6を切断するために、コンテナ5の中に短いディスカード16が残るだけである。このディスカード16を押出ステム7で突き落とすと、容易にディスカード16が除去できるので、従来技術のようなメインシャー26が不要になる。
図9は押出プレスの上方から見た図である。図9(b)は横から見た場合を含む。
(a)一定の長さの押出材が押出された後、押出を終了又は中断してダイス4からシール圧力を解除させる。
(b)ダイス4を水平に移動することによって、コンテナ5とダイス4の間及びプレッシャーリング25とダイス4の間のビレット6を同時に切断する。
(c)ダイス4を交換するか同じダイス4で押出が再開する。
(d)1本のビレット6の押出しが完了する。
(e)押出の完了後、ダイス4は水平に移動することによって、コンテナ5とダイス4の間及びプレッシャーリング25とダイス4の間のビレット6を同時に切断する。
同時に、押出ステム7が前進し、ディスカード16を突き落とす。
(f)ダイカセット35がダイス4の交換のために移動する。
以上のように本発明では、ダイス4とコンテナ5の間でビレット6を切断するために、コンテナ5の中に短いディスカード16が残るだけなので、このディスカード16を押出ステム7で突き落とすと容易にディスカード16が除去できるので、従来技術のようなメインシャー26が不要になる。
2)従来技術では、ビレットを切り落とすのに、ダイス側シャーナイフとコンテナ側シャーナイフとで切り落とし、ダイカセットを移動するので、ダイスライドのなかに残存するビレットはスクラップとなってしまっていた。これに対して、本発明では、ダイリングの長さ分だけがスクラップとなるだけで、歩留まりが向上する。さらに、アルミ素材の端材がないのでダイリングとボルスターの分離が容易であり、ダイスのハンドリングがし易い。
3)従来技術では、ビレットをダイス金型とコンテナの間でコンテナを後退させて破断させるので、破断面が歪な形になりシャーナイフで切り落としてもビレットが十分に平らにならない。その結果、次の製品に対してブリスターが発生する可能性があった。これに対して、本発明では切断面がきれいでブリスターも発生せず、品質が向上する。
4)従来技術では、コンテナ側から突出している押出素材を圧縮して押し潰し、次の金型に交換していた。このとき、コンテナ内のビレットは加工硬化しているので、容易に平らにならないので、次の製品に対してブリスターが発生する可能性があった。これに対して、本発明では切断面がきれいでブリスターも発生せず、品質が向上する。
5)本発明ではダイスとコンテナの間でビレットを切断するために従来装着されていたメインシャーが不要になるので、設置部材ダウンになると同時に設備の高さが低くなり省スペースになる。また、サイクルタイムが短くなるとともにメンテナンスが不要になる。
2 メインシリンダ
3 タイロッド
4 ダイス
5 コンテナ
6 ビレット
7 押出ステム
8 メインクロスヘッド
9 メインラム
10 サイドシリンダ
11 サイドシリンダロッド
12 コンテナホルダー
14 押出材
16 ディスカード
17 ダミーブロック
20 コンテナ芯保持装置
21 テーパ座
22 テーパブロック
23 油圧シリンダ
24 上部ガイド
25 プレッシャーリング
26 メインシャー
27 ダイス切断用シリンダ
28 サポート
29 ダイリング
30 ボルスター
31 コンテナキー
32 コンテナとダイス隙間位置決め装置
35 ダイカセット
36 ダイス切断ブロック
37 ダイリング切断ブロック
38 ダイスライド
39 ダイスライドシリンダロッド
60 コンテナとダイス隙間位置決めシリンダ
61 コンテナとダイス隙間位置決めシリンダロッド
62 シム
71 ナイフ
72 バネ
76 軸
Claims (10)
- プレッシャーリングが設けられたエンドプラテンと、ダイスと、コンテナと、コンテナの移動駆動部と、押出ステムを有し且つ前記エンドプラテンと対向して配置されたメインシリンダ装置と、前記エンドプラテンと前記メインシリンダ装置を連結する複数のタイロッドとを有する押出プレスにより、ビレットを形材に成形する押出方法において、
前記コンテナに装填された前記ビレットを前記押出ステムにより前記ダイスから押出して押出材に成形する工程と、
前記ダイスからシール圧力を解除させるとともに、前記ビレットを、前記ダイスを移動することにより、前記ダイスと前記コンテナとの間、及び、前記ダイスと前記プレッシャーリングとの間で剪断により切断する工程と、
前記コンテナ内に残存するビレットにより押出材の成形を再開する工程と、
を含み、
前記切断する工程において切断の際に、前記コンテナの上部ガイドに装着されたコンテナ芯保持装置のテーパブロックを、少なくとも前記タイロッドの上部2本に装着されたテーパ座に押圧することにより、前記コンテナの芯が変化しないように、前記コンテナに保持力を作用させることを特徴とする押出方法。 - 前記押出方法は、さらに前記ダイスを交換する工程を含み、
所定長さの押出材が押出された際に、前記切断する工程を行い、その後前記ダイスを交換する工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の押出方法。 - 押出素材がダイスとコンテナの間隙から外部に漏出した際に、前記切断する工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の押出方法。
- 押出素材がダイスに詰まった際に、前記切断する工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の押出方法。
- プレッシャーリングが設けられたエンドプラテンと、ダイリングとボルスターを有するダイスと、コンテナと、コンテナの移動駆動部と、押出ステムを有し且つ前記エンドプラテンと対向して配置されたメインシリンダ装置と、前記エンドプラテンと前記メインシリンダ装置を連結する複数のタイロッドとを有する押出プレスにより、ビレットを形材に成形する押出方法において、
前記コンテナに装填された前記ビレットを前記押出ステムにより前記ダイスから押出して押出材に成形する工程と、
前記ダイスからシール圧力を解除させるとともに、前記ビレットを、前記ダイリングと前記コンテナとの間、及び、前記ダイリングと前記ボルスターとの間で剪断により切断する工程と、
前記コンテナ内に残存するビレットにより押出材の成形を再開する工程と、
を含み、
前記切断する工程において切断の際に、前記コンテナの上部ガイドに装着されたコンテナ芯保持装置のテーパブロックを、少なくとも前記タイロッドの上部2本に装着されたテーパ座に押圧することにより、前記コンテナの芯が変化しないように、前記コンテナに保持力を作用させることを特徴とする押出方法。 - 前記押出方法は、さらに前記ダイスを交換する工程を含み、
所定長さの押出材が押出された際に、前記切断する工程を行い、その後前記ダイスを交換する工程を行うことを特徴とする請求項5に記載の押出方法。 - 押出素材がダイスとコンテナの間隙から外部に漏出した際に、前記切断する工程を行うことを特徴とする請求項5に記載の押出方法。
- 押出素材がダイスに詰まった際に、前記切断する工程を行うことを特徴とする請求項5に記載の押出方法。
- 前記ダイスからシール圧を解除させてビレットを前記ダイスと前記コンテナの間で切断する際は前記コンテナと前記ダイスの隙間を位置決めできることを特徴とする請求項1から8までの何れか1項に記載の押出方法。
- 前記切断する工程において切断の際に、前記ダイスのダイカセットに、コンテナシール面に接触するように揺動自在なシャーナイフを取付けたことを特徴とした請求項3又は7に記載の押出方法。
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