JP4216380B2 - アルミニウム押出後のダイス分離処理装置及び分離処理方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、アルミニウム形材押出機に使用されるダイリングと、ボルスタと、サブボルスタで構成されるダイアッセンブリー(図1)を押出終了後にそれぞれに分離し、かつ、カスとしてダイアッセンブリーに残っているアルミニウム形材をダイアッセンブリーから分離切断する処理をあわせて自動的に行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のダイアッセンブリー分離処理の方法の代表例として、ダイアッセンブリーを押出終了後に押出機のダイスライドから取り出し、仮置き場に移動設置し、人手によりサブボルスタを抜き取り、ダイスとボルスタの間にスーパーケレン(エア式のたがね)を入れて隙間を作り、残存するアルミニウム形材(押しカス)をダイス面に沿ってスーパーケレンで切断し、切り取られたアルミニウム形材(押しカス)はスクラップとして処理する方法がとられてきた。
【0003】
ここでアルミニウム形材押出機に使用されるダイアッセンブリーを構成するダイリング、ボルスタ、サブボルスタを説明するならば、ダイリングは押し出されるアルミニウム形材のいわば金型であるダイス、ホールプレートのホルダーの役割をしている。ボルスタは金型であるダイス、ホールプレートによって形成されたアルミニウム形材の押し出し方向のガイドの役割をしている。サブボルスタは押出機にセットするダイアッセンブリーの総厚は一定でなければならないためその総厚を一定にする役割をしている。というのはダイスとボルスタの厚みは一定ではなく、押し出される形材によってはその厚みが異なるためである。
【0004】
最近では、多品種小ロット生産化に伴いダイアッセンブリーの取り扱い作業の負荷が多くなるにつれて、ダイアッセンブリーの自動搬送設備がもうけられるようになり、また押し出し後のダイアッセンブリー自動分離処理装置の導入がなされている。そのダイアッセンブリー自動分離処理装置では、ダイアッセンブリーを押出終了後に押出機のダイスライドからダイアッセンブリー搬送装置により取り出し、ダイアッセンブリー自動分離処理装置に搬送される。続いて自動で、ダイリングを固定し、ボルスタとサブボルスタを同時にダイリングより分離し、ボルスタとサブボルスタに残存するアルミニウム形材(押しカス)を引き取りスクラップとして処理している。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
図2に示したように、アルミニウム形材の押し出し終了時に、押出機のエンドプラテン10に付随しているプレッシャーリング11にて、サブボルスタ面で切断される形材は、サブボルスタ、ボルスタの孔の中で変形し、曲がった形状になっている。そのため、サブボルスタとボルスタを同時にダイリングより引き抜く際、サブボルスタとボルスタの孔の形状が異なるため、ボルスタ面で変形した形材の先端部が引っかかり抜けなくなってしまう。
【0006】
さらに強く引っ張ると、ダイリング3からダイス1およびホールプレート2が抜けとれてしまうというようなことや、サブボルスタ、ボルスタ内に残存するアルミニウム形材(押しカス)6が完全に除去されないことによって、ダイスとボルスタの間に形材が挟まってダイリングとボルスタの間に隙間が空いてしまい、ダイアッセンブリー搬送装置にて搬送できなくなってしまったり、ダイリングあるいはボルスタが倒れてしまうような不具合が発生することによって、ダイアッセンブリーの分離の自動化処理が中断あるいは中止されることが多く、押出生産を阻害していた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる課題を解決するため、検討の結果、従来のようにサブボルスタ5、ボルスタ4を同時にダイリング3より抜き取る方法は採らずに、アルミニウム形材押出機に使用されるダイリングと、ボルスタと、サブボルスタで構成されるダイアッセンブリーを押出終了後分離処理する装置において、ダイリングとボルスタを固定し、サブボルスタを形材押出方向に引き取り、ボルスタ面にそってカスとして残っているアルミニウム形材を切断するシャー機構、およびダイリングを固定し、ボルスタを形材押し出し方向に引き取り、ダイス面にそってカスとして残っているアルミニウム形材を切断するシャー機構を具備した装置により、ダイリングとボルスタを固定し、サブボルスタを形材押出方向に引き取り、ボルスタ面にそってカスとして残っているアルミニウム形材を切断し、その後ダイリングを固定し、ボルスタを形材押し出し方向に引き取り、ダイス面にそってカスとして残っているアルミニウム形材を切断するダイアッセンブリーの分離処理方法を採用することにより、本発明が解決しようとする課題の項に記載のような、ダイアッセンブリーの分離の自動処理が中断あるいは中止されることに起因する押出生産への弊害を低減あるいは排除できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、ダイリング3、ボルスタ4、サブボルスタ5それぞれを保持するクランパ13,14,15とボルスタ、サブボルスタを引き抜くためのシフタ20、19、18、アルミ形材を切断するシャー7を具備した装置(以下本装置と略す)により、カスとして残っている形材6を、サブボルスタ分離時及びボルスタ分離時に順次時切断しながら、ダイアッセンブリー12を分離するダイアッセンブリーの分離処理方法である。
【0009】
アルミニウム形材の押出終了後に、押出機のダイスライドからダイアッセンブリーを取り出し、ダイアッセンブリー搬送装置により本装置に搬送される。その後ダイリングとボルスタを固定し、サブボルスタを形材押出方向に引き取り、ボルスタ面にそってカスとして残っているアルミニウム形材を切断する。次にダイリングを固定し、ボルスタを形材押出方向に引き取り、ダイリング面にそってカスとして残っているアルミニウム形材を切断し、分離が完了する。
【0010】
【実施例】
以下に本発明の一実施態様を図面を用いて更に説明する。
【0011】
ダイス搬送機によって、使用済みのダイアッセンブリー12(図4)が押出機のダイスライドから本装置まで搬送され、位置決め装置16にて分離作業に適切な位置に設置される。(図3)
【0012】
サブボルスタ5、ボルスタ4、ダイリング3を各々クランパ14、15、13によってクランプし、シフタ20を駆動させることにより、ダイアッセンブリーからサブボルスタ5を引き抜く(分離する)。この間ボルスタ、ダイリングは固定されている。(図5)ダイアッセンブリーの状態は、図6に示す。
【0013】
ボルスタ4面に沿って形材を切断するため、シフタ18によってダイリング3とボルスタ面をシャー7の位置にあわせる。(図7)ダイアッセンブリーの状態は、図8に示す。
【0014】
ボルスタ面よりはみ出している形材をシャー7にて切断する。切断された形材6はシャーに付属のシュート21により装置下部のスクラップ台車17に回収される(図9)。ダイアッセンブリーの状態は、図10に示す。
【0015】
ダイリング3を固定しボルスタ4をシフタ19を駆動させることによりダイリングから引き抜く(分離する)(図11)。ダイアッセンブリーの状態は、図12に示す。
【0016】
ダイリング面に沿って形材を切断するため、シフタ18によってダイリング面をシャー7の位置にあわせる(図13)。ダイアッセンブリーの状態は、図14に示す。
【0017】
ダイリング面よりはみ出している形材をシャー7にて切断する。切断された形材6はシャーに付属のシュート21により装置下部のスクラップ台車17に回収される(図15)。ダイアッセンブリーの状態は、図16に示す。
【0018】
以上により使用済みダイアッセンブリーの分離とカス取りが終了する。この後元の配置(本装置に搬送されてきたときの配置:図3)に戻し、自動搬送装置により、次の作業工程に搬送される。ダイアッセンブリーの状態は、図17に示す。
【0019】
【発明の効果】
最近、アルミニウム押出形材の多品種小ロット生産の要求が高くなってきている。それに伴い、ダイスの交換頻度が高くなり取扱作業の負荷が大きくなってきている。従来のように人手によって処理できる量の限界に達しようとしているため、その自動化が計られてきている。
【0020】
しかしながら従来のダイアッセンブリーの分離装置では、ダイリングからダイスおよびホールプレートが抜けとれてしまうということやサブボルスタ、ボルスタ内に残存するアルミニウム形材(押しカス)が完全に除去されないことによって、ダイスとボルスタの間に形材が挟まって、ダイリングとボルスタの間に隙間が空いてしまい、ダイアッセンブリー搬送装置にて搬送できなくなってしまったり、ダイリングあるいはボルスタが倒れてしまうようなことがあり、その動作に不安定なところがあった。本発明のダイアッセンブリーの分離方法により、自動化処理が安定して行われるため、処理の中断あるいは中止による押出生産への弊害を低減あるいはなくすことができるとともに、省力に大きな効果が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイアッセンブリーの断面図である。
【図2】ダイスライド部での形材の切断部の断面図である。
【図3】ダイス分離処理装置に使用済みのダイアッセンブリーを設置したところを表す図面である。
【図4】使用済みのダイアッセンブリーの断面図である。
【図5】ダイス分離処理装置上で、ダイアッセンブリーからサブボルスタを分離した状態を表す図面である。
【図6】図5の状態でのダイアッセンブリーの状態を表す断面図である。
【図7】ダイス分離装置上で、ダイリングとボルスタ面をシャーの位置に合わせた状態を表す図面である。
【図8】図7の状態でのダイアッセンブリーの状態を表す断面図である。
【図9】ダイス分離装置上で、ボルスタ面よりはみ出している形材をシャーにて切断した状態を表す図面である。
【図10】図9の状態でのダイアッセンブリーの状態を表す断面図である。
【図11】ダイス分離装置上で、ボルスタをダイリングから分離した状態を表す図面である。
【図12】図11の状態でのダイアッセンブリーの状態を表す断面図である。
【図13】ダイス分離装置上で、ダイリング面をシャーの位置に合わせた状態を表す図面である。
【図14】図13の状態でのダイアッセンブリーの状態を表す断面図である。
【図15】ダイス分離装置上で、ダイリング面よりはみ出している形材をシャーにて切断した状態を表す図面である。
【図16】図15の状態でのダイアッセンブリーの状態を表す断面図である。
【図17】分離とカス取りを終了し、元の配置に戻されたダイアッセンブリーの断面図である。
【符号の説明】
1:ダイス
2:ホールプレート
3:ダイリング
4:ボルスタ
5:サブボルスタ
6:形材
7:シャー
8:ダイスタック
9:ホースシュー
10:エンドプラテン
11:プレッシャーリング
12:ダイアッセンブリー
13:ダイリングクランパ
14:サブボルスタクランパ
15:ボルスタクランパ
16:ダイアッセンブリ位置決め
17:スクラップ台車
18,19,20:シフタ
21:シュート
Claims (2)
- アルミニウム形材押出機に使用されるダイリングと、ボルスタと、サブボルスタで構成されるダイアッセンブリーを押出終了後分離処理する装置において、ダイリングとボルスタを固定し、サブボルスタを形材押出方向に引き取り、ボルスタ面にそってカスとして残っているアルミニウム形材を切断するシャー機構、およびダイリングを固定し、ボルスタを形材押し出し方向に引き取り、ダイス面にそってカスとして残っているアルミニウム形材を切断するシャー機構を具備した装置。
- アルミニウム形材押出機に使用されるダイリングと、ボルスタと、サブボルスタで構成されるダイアッセンブリーを押出終了後分離処理する方法において、ダイリングとボルスタを固定し、サブボルスタを形材押出方向に引き取り、ボルスタ面にそってカスとして残っているアルミニウム形材を切断し、その後ダイリングを固定し、ボルスタを形材押し出し方向に引き取り、ダイス面にそってカスとして残っているアルミニウム形材を切断するダイアッセンブリーの分離処理方法。
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JP30516398A JP4216380B2 (ja) | 1998-10-27 | 1998-10-27 | アルミニウム押出後のダイス分離処理装置及び分離処理方法 |
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CN106132574A (zh) * | 2014-03-26 | 2016-11-16 | 宇部兴产机械株式会社 | 挤压件的挤压方法 |
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1998
- 1998-10-27 JP JP30516398A patent/JP4216380B2/ja not_active Expired - Fee Related
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