JP6446869B2 - エチレン変性ポリビニルアルコール及び水性エマルジョン - Google Patents
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Description
[1]エチレン単位の含有率が1〜15モル%であり、けん化度が80〜99.5モル%であり、粘度平均重合度が200〜5000であり、水−1−プロパノール溶離液による逆相分配グラジエント高速液体クロマトグラフィーで測定されるJIS K 0124(2011年)に基づくシンメトリー係数が下記式(1)を満たすエチレン変性ポリビニルアルコール;
0.70≦W0.05h/2f≦1.10 (1)
(式中、W0.05hはピーク5%高さ位置でのピーク幅を表し、fはピーク5%高さ位置でのピーク幅におけるピーク開始点から、ピーク開始点を含む水平線とピーク頂点を含む垂線との交点までの距離を表す。)
[2]けん化度が85〜98.5モル%である上記[1]のエチレン変性ポリビニルアルコール;
[3]上記[1]又は[2]のポリビニルアルコールを含有する分散剤、及び主としてエチレン性不飽和単量体単位を含む重合体からなる分散質を含有する水性エマルジョン;
[4]前記エチレン性不飽和単量体単位を含む重合体が、ビニルエステル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体及びジエン系単量体からなる群より選択される少なくとも1種に由来する特定単位を有する重合体であり、この重合体の全単量体単位に対する上記特定単位の含有率が70質量%以上である上記[3]の水性エマルジョン;
[5]さらに多価イソシアネート化合物を含有する上記[3]又は[4]の水性エマルジョン;
[6]上記[5]の水性エマルジョンを含有する接着剤;
[7]上記[1]又は[2]のエチレン変性ポリビニルアルコールを含有する乳化重合用分散剤。
本発明のエチレン変性PVAは、エチレン単位の含有率が1〜15モル%であり、けん化度が80〜99.5モル%であり、粘度平均重合度が200〜5000であり、水−1−プロパノール溶離液による逆相分配グラジエント高速液体クロマトグラフィーで測定されるJIS K 0124(2011年)に基づくシンメトリー係数が下記式(1)を満たすことを特徴とする。技術的な理由は十分明らかになっていないが、特に、本発明のエチレン変性PVAが下記式(1)で示される特定のシンメトリー係数を満たすことにより、水溶液にした際の透明性及び粘度安定性に優れるエチレン変性PVAが得られる。そして、このような特定のシンメトリー係数を満たす本発明のエチレン変性PVAを含有する水性エマルジョンは、流動性及び皮膜の耐水性に優れる。さらに、このような本発明のエチレン変性PVAを含有する乳化重合用分散剤は、粗大粒子の形成を抑えることができ乳化重合安定性に優れる。
0.70≦W0.05h/2f≦1.10 (1)
(式中、W0.05hはピーク5%高さ位置でのピーク幅を表し、fはピーク5%高さ位置でのピーク幅におけるピーク開始点から、ピーク開始点を含む水平線とピーク頂点を含む垂線との交点までの距離を表す。)
P=([η]×10000/8.29)(1/0.62)
0.70≦W0.05h/2f≦1.10 (1)
(式中、W0.05hはピーク5%高さ位置でのピーク幅を表し、fはピーク5%高さ位置でのピーク幅におけるピーク開始点から、ピーク開始点を含む水平線とピーク頂点を含む垂線との交点までの距離を表す。)
HPLCカラムはスチレン−ジビニルベンゼン共重合体カラムを用い、水−1−プロパノール溶離液のグラジエント条件は後述する実施例で規定する。上記エチレン変性PVAのシンメトリー係数が0.70に満たない場合、エチレン変性PVA水溶液の粘度安定性、乳化重合安定性及び得られる水性エマルジョンの皮膜の耐水性が不十分となる。シンメトリー係数は0.75以上であることが好ましく、0.80以上であることがより好ましく、0.83以上であることがさらに好ましい。一方、シンメトリー係数が1.10を超える場合、エチレン変性PVA水溶液の透明性、乳化重合安定性及び得られる水性エマルジョンの流動性が不十分となる。シンメトリー係数は1.05以下であることが好ましく、1.00以下であることがより好ましく、0.99以下であることがさらに好ましい。ここで、シンメトリー係数は、高速液体クロマトグラフィーを用いて得られる測定ピークの対称性の度合いを示す係数である。図1にHPLC測定結果の一例を示す。図1にて、得られた測定ピークの5%高さ位置でのピーク幅(W0.05h)及び当該ピーク幅におけるピーク開始点から、ピーク開始点を含む水平線とピーク頂点を含む垂線との交点までの距離(f)を用いてシンメトリー係数(W0.05h/2f)を算出する。本明細書において、「ピークの5%高さ位置」とは、後記する条件で測定したHPLC分析の測定ピークのベースラインからのピーク高さの1/20の高さを意味する。また、本明細書において、fは、図1に示されるab間の距離、すなわち、後記する条件で測定したHPLC分析の測定ピークの高さ5%位置でのピーク開始点aから、ピーク開始点を含む水平線とピーク頂点を含む垂線との交点bまでの距離(言い換えれば、ピーク5%高さ位置でのピーク幅をピーク頂点を含む垂線で二分したときのピークの立ち上がり側の距離)を意味する。図1中、横軸と平行な点線がベースラインを表し、aはピーク開始点を表す。W0.05h及びfは同じ単位を用いる。シンメトリー係数が1.0に近いほどピークの対称性が高いことを示す。
試料濃度:0.5mg/mL
試料溶媒:水/1−プロパノール=8/2[体積比]
注入量:20μL
検出器:Polymer Laboratories社製 「PL−EMD960」
スチレン−ジビニルベンゼン共重合体カラム:Polymer Laboratories社製 「PLRP−S 4000Å Lot No.8M-PPS40-171-311(内径4.6mm×長さ5cm、充填剤粒径8μm)」
カラム温度:60℃
送液流量:総流量0.8mL/分
以下、本発明のエチレン変性PVAの製造方法について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。例えば、図2に示されるように、エチレン変性PVAの前駆体であるエチレン変性ポリビニルエステルのけん化工程においてスタティックミキサー2を用いて、特定の条件でけん化反応を行うことにより、本発明のエチレン変性PVAを得ることができる。
本発明の水性エマルジョンは、上記エチレン変性PVAを含有する分散剤とエチレン性不飽和単量体単位を含む重合体からなる分散質とを含有する水性エマルジョンである。ここで、エチレン性不飽和単量体の重合体は2種以上の単量体からなる共重合体であってもよい。
エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン;
塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリド等のハロゲン化オレフィン;
ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル;
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エステル;
アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル及びこれらの四級化物、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩等のアクリルアミド系単量体;
スチレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩等のスチレン系単量体;
ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体;
その他、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。これらは単独又は二種以上を混合して重合に用いられる。
上記本発明の水性エマルジョンを含有する接着剤も本発明の態様の一つである。このような本発明の接着剤の製造方法としては、上記エチレン変性PVA及び主としてエチレン性不飽和単量体からなる重合体を含有する主剤に、上記多価イソシアネート化合物を含む副剤を配合することによって製造することが好ましい。
本発明の乳化重合用分散剤は、上記本発明のエチレン変性PVAを含有してなり、乳化重合における分散剤として用いることで、優れた乳化重合安定性を発揮することができる。また、優れた流動性と耐水性とを共に有する水性エマルジョンを形成することができる。当該乳化重合用分散剤については、上述の当該水性エマルジョンにおける分散剤としてのエチレン変性PVAとして説明している。当該乳化重合用分散剤は、上記本発明のエチレン変性PVAのみからなっていてもよく、上記本発明のエチレン変性PVA以外にも、例えば、界面活性剤、上記本発明のエチレン変性PVA以外の他のPVA系重合体、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子等の他の成分を含んでいてもよい。
実施例及び比較例の製造方法において、せん断速度は、PVAc溶液のフィード量(m3/s)、スタティックミキサーの断面積(m2)及びスタティックミキサーの直径(m)から、次式により求められる。
せん断速度(s-1)=PVAc溶液のフィード量/(スタティックミキサーの断面積×スタティックミキサーの直径)
前記直径はスタティックミキサーの配管内径を意味し、前記断面積は前記配管内径を用いて算出した値を意味する。
各エチレン変性PVAの粘度平均重合度は、JIS K 6726(1994年)に記載の方法により求めた。
各エチレン変性PVAのけん化度は、JIS K 6726(1994年)に記載の方法により求めた。
後記する実施例及び比較例で得たエチレン変性PVAを、水を溶媒として濃度:0.5mg/mLに調整し、測定サンプルとした。HPLC装置として株式会社島津製作所製「LC−10AT」、HPLCカラムとして、Polymer Laboratories社製 「PLRP−S 4000Å(内径4.6mm×長さ5cm、充填剤粒径8μm)」を使用し、蒸発光散乱検出器としてPolymer Laboratories社製「PL−EMD960」)を使用した。分析は、以下の手順で行った。移動相Aとして水、及び移動相Bとして1−プロパノールを使用した。当初はHPLC装置内部を移動相Aで満たした状態である。この状態で上記サンプル(濃度:0.5mg/mL、溶媒:水/1−プロパノール=8/2[体積比]、注入量:20μL)を注入する。そして、サンプル注入直後から30分かけて移動相中の移動相Bの割合を一定速度(2.5vol%/分)で増加させた。30分後(この時点で移動相は完全に移動相Bに置換される)から2分間は移動相Bを流した。カラム温度は60℃であり、送液流量は総流量0.8mL/分であった。なお、ベースラインの決定は、エチレン変性PVAを溶解すること以外は前記分析サンプルの調製と同様の方法で準備した空試験液を分析して行った。
シンメトリー係数(W0.05h/2f)は、JIS K 0124(2011年)に基づいて水−1−プロパノール溶離液による逆相分配グラジエント高速液体クロマトグラフィーで測定した。W0.05hはピーク5%高さ位置でのピーク幅を表し、fはピーク5%高さ位置でのピーク幅におけるピーク開始点から、ピーク開始点を含む水平線とピーク頂点を含む垂線との交点までの距離を表す。即ち、上記条件で測定したHPLC分析の測定ピークの5%高さ位置(ベースラインからのピーク高さの1/20の高さ)でのピーク幅(W0.05h)、及び測定ピークの高さ5%位置でのピーク幅におけるピーク開始点から、当該ピーク開始点を含む水平線とピーク頂点を含む垂線との交点までの距離(f)を用いてシンメトリー係数(W0.05h/2f)を算出した。図1にHPLC測定結果の一例を示す。
後記する実施例及び比較例で得たエチレン変性PVAを溶解濃度が10質量%になるように、所定量のPVAを蒸留水中に分散させた後、温度95℃で3時間加熱攪拌を行ってエチレン変性PVA水溶液を調製した。次いで60℃に冷却し、目視により以下の基準で評価した。
A:水溶液は無色透明であった。
B:水溶液は白濁していた。
C:一部不溶物が生じた。
後記する実施例及び比較例で得たエチレン変性PVAを10質量%に調製し、PVA水溶液を得た。ついで、該PVA水溶液を300mlのガラス製ビーカーにいれ、20℃で1日間放置し、20℃放置後粘度(η1日)と20℃の初期粘度(η初期)との比(増粘倍率=η1日/η初期)を求め以下の基準で評価した。測定は、JIS K 6726(1994年)の回転粘度計法に準じてB型粘度計(回転数12rpm)を用い20℃で行った。
A:η1日/η初期が1以上10未満であった。
B:η1日/η初期が10以上50未満であった。
C:η1日/η初期が50以上又は、水溶液がゲル化した。
後記する実施例及び比較例におけるエマルジョン重合終了後に60メッシュフィルターにてろ過し、ろ過残分にて以下の基準で評価した。
A:ろ過残分が0.1g以下であった。
B:ろ過残分が0.1gを超え0.5g以下であった。
C:ろ過残分が0.5gを超え3.0g以下であった。
D:ろ過残分が3.0gを超え、又はエマルジョンを得られなかった。
後記する実施例及び比較例で得られたポリ酢酸ビニルエマルジョンの固形分100質量部に対して、可塑剤としてジブチルフタレート5質量部を添加混合した。得られた水性エマルジョンの粘度を上述の方法により測定した。2rpmにおける粘度(η2rpm)及び20rpmにおける粘度(η20rpm)からその比(η2rpm/η20rpm)を求めた。この値が大きいほど、流動性が良好であると評価できる。
本発明の実施例及び比較例で用いたPVAを分散剤に使用して得られたポリ酢酸ビニルエマルジョンを20℃、65%RHの温・湿度下で、PETフィルム上に流延し、1週間乾燥させて、前記PETフィルムから剥離して、厚さ450μmのフィルムを得た。そのフィルムの一部を採取して、105℃で2時間乾燥することで、乾燥前後の質量変化からフィルムの固形分(i)質量%を測定した。これとは別に、上記厚み450μmのフィルムからから、10cm×10cmの大きさに切り出し、質量(ii)を測定し、先のフィルム固形分(i)質量%より、フィルム質量補正を行った(ii’)。90℃の温水に30分浸漬した後室温まで冷却し、遠心分離機(日立工機株式会社製;SCR−20B)にて20000回転で30分間遠心分離し、得られた固形物を回収し、105℃で2時間乾燥して質量(iii)を測定した。ここで、浸漬前の固形分(i)及び浸漬し、遠心分離前後の質量(ii)及び質量(iii)より、次式より溶出率を算出し、以下の基準で皮膜の耐水性を評価した。
浸漬前のフィルム質量補正:(ii’)=(ii)×(i)/100
溶出率(%)=[(ii’)−(iii)]/(ii’)×100
A:55%未満
B:55%以上60%未満
C:60%以上65%未満
D:65%以上70%未満
E:70%以上
(PVA−1の製造)
還流冷却器、原料供給ライン、温度計、窒素導入口、攪拌翼を備えた、重合容器(連続重合槽)と、還流冷却器、原料供給ライン、反応液取出ライン、温度計、窒素導入口、エチレン導入口、攪拌翼を備えた装置を用いた。連続重合槽には酢酸ビニル(680L/h)、メタノール(182L/h)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMV)の1%メタノール溶液(2.9L/h)を定量ポンプを用いて連続的に供給した。槽内エチレン圧力が0.15MPaになるように調整した。重合槽内の液面が一定になるように重合槽から重合液を連続的に取り出した。重合槽出口の重合率が30.0%になるよう調整した。重合槽の滞留時間は5時間であった。重合槽出口の温度は60℃であった。重合槽より重合液を回収し、回収した液にメタノール蒸気を導入することで未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、酢酸ビニル系重合体のメタノール溶液(濃度32%)を得た。
還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素吹込口を供えた1Lガラス製重合容器に、イオン交換水258.1g及びPVA−1を17.6g仕込み95℃で完全に溶解し、PVA水溶液を得た。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニル25.2gを加え、60℃に昇温した後、5%過酸化水素6.9g/20%酒石酸3.0gのレドックス開始剤を添加して乳化重合を開始した。重合開始15分後から酢酸ビニル226.4gを3時間にわたって連続的に添加した後、5%過酸化水素0.9g/20%酒石酸0.3gを添加して重合を完結させ、固形分濃度49.5%のポリ酢酸ビニルエマルジョンを得た。当該エマルジョンにおいて、分散質である重合体の全単量体単位に対するビニルエステル(特定単位)の含有率は100質量%であった。得られたエマルジョンの物性の評価結果を表2に示す。
(PVA−2〜PVA−6、PVA−7及びPVA−8の製造、並びに評価)
エチレン、酢酸ビニル及びメタノールのフィード量、添加する開始剤の量、重合率等の重合条件、けん化時におけるエチレン変性PVAc溶液及びけん化触媒溶液のフィード量や濃度、スタティックミキサーのエレメント数、せん断速度等のけん化条件を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により各種エチレン変性PVA(PVA−2〜PVA−8)を製造した。得られたPVA水溶液の物性の評価結果を表2に示す。
窒素吹き込み口、温度計、攪拌機を備えた5L耐圧性オートクレーブに、上記のようにして得られたPVA−1を28.4g、PVA−3を47.3g、イオン交換水を1451.2g、ロンガリットを0.85g、酢酸ナトリウムを0.5g、及び塩化第一鉄を0.04g仕込み、95℃で完全に溶解し、PVA水溶液を得た。その後、このPVA水溶液を60℃に冷却し、窒素置換を行った。次に酢酸ビニル1516.1gを仕込んだ後、エチレンを45kg/cm2まで加圧して導入し、4%過酸化水素水溶液100gを5時間かけて圧入し、60℃で乳化重合を行った。残存酢酸ビニル濃度が10%となったところで、エチレンを放出して、エチレン圧力20kg/cm2とし、3%過酸化水素水溶液5gを圧入し、重合を完結させた。冷却後、60メッシュのステンレス製金網を用いてろ過し、固形分濃度55.3%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンが得られた。当該エマルジョンにおいて、分散質である重合体の全単量体単位に対するビニルエステル(特定単位)の含有率は82質量%(エチレンの含有率は18質量%)であった。当該エマルジョンについて、実施例1と同様にして評価した。その結果を表2に合わせて示す。得られたエマルジョンの物性の評価結果を表2に示す。
2 スタティックミキサー
3 ベルト
4 混合物
5 けん化触媒導入管
5a 導入口
a ピーク開始点
b ピーク開始点を含む水平線とピーク頂点を含む垂線との交点
Claims (14)
- エチレン単位の含有率が2〜8.5モル%であり、けん化度が88〜98.5モル%であり、粘度平均重合度が400〜3500であり、水−1−プロパノール溶離液による逆相分配グラジエント高速液体クロマトグラフィーで測定されるJIS K 0124(2011年)に基づくシンメトリー係数が下記式(1)を満たすエチレン変性ポリビニルアルコール。
0.70≦W0.05h/2f≦1.10 (1)
(式中、W0.05hはピーク5%高さ位置でのピーク幅を表し、fはピーク5%高さ位置でのピーク幅におけるピーク開始点から、ピーク開始点を含む水平線とピーク頂点を含む垂線との交点までの距離を表す。) - シンメトリー係数が下記式(1)を満たす、請求項1に記載のエチレン変性ポリビニルアルコール。
0.81≦W0.05h/2f≦1.03 (1)
(式中、W0.05hはピーク5%高さ位置でのピーク幅を表し、fはピーク5%高さ位置でのピーク幅におけるピーク開始点から、ピーク開始点を含む水平線とピーク頂点を含む垂線との交点までの距離を表す。) - 請求項1又は2に記載のエチレン変性ポリビニルアルコールを含有する分散剤と、エチレン性不飽和単量体単位を含む重合体からなる分散質と、を含有する水性エマルジョン。
- 前記エチレン性不飽和単量体単位を含む重合体が、ビニルエステル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体及びジエン系単量体からなる群より選択される少なくとも1種に由来する特定単位を有する重合体であり、
この重合体の全単量体単位に対する上記特定単位の含有率が70質量%以上である請求項3に記載の水性エマルジョン。 - さらに多価イソシアネート化合物を含有する請求項3又は4に記載の水性エマルジョン。
- 請求項5に記載の水性エマルジョンを含有する接着剤。
- 請求項1又は2に記載のエチレン変性ポリビニルアルコールを含有する乳化重合用分散剤。
- エチレンとビニルエステル系単量体とを共重合する工程、及び、前記工程で得られたエチレン変性ポリビニルエステルのけん化工程を含み、前記けん化工程において、前記エチレン変性ポリビニルエステルを含むけん化原料溶液と、けん化触媒を含む溶液とをスタティックミキサーを用いて、せん断速度5〜90s-1にて混合し、前記スタティックミキサーのエレメント数が、5〜40である、請求項1に記載されたエチレン変性ポリビニルアルコールの製造方法。
- 前記スタティックミキサーの1エレメントあたりの圧力損失が0.05MPa未満である、請求項8に記載のエチレン変性ポリビニルアルコールの製造方法。
- 前記けん化工程において、けん化反応温度が、室温から100℃の範囲内である、請求項8又は9に記載のエチレン変性ポリビニルアルコールの製造方法。
- 前記けん化原料溶液中のエチレン変性ポリビニルエステル濃度が、20〜60質量%である、請求項8〜10のいずれかに記載のエチレン変性ポリビニルアルコールの製造方法。
- 前記けん化原料溶液のフィード量が、5000L/h以下である、請求項8〜10のいずれかに記載のエチレン変性ポリビニルアルコールの製造方法。
- 前記けん化触媒を含む溶液中のけん化触媒濃度が、0.2〜10質量%である、請求項8〜12のいずれかに記載のエチレン変性ポリビニルアルコールの製造方法。
- 前記けん化触媒を含む溶液のフィード量が、50〜500L/hである、請求項8〜13のいずれかに記載のエチレン変性ポリビニルアルコールの製造方法。
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