JP6888998B2 - ビニルアルコール系共重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
[1](A)ビニルエステル系単量体、分子中にエチレン性二重結合を2つ以上含有する多官能単量体、開始剤及び溶媒を重合槽に連続的に供給してビニルエステル系共重合体を得る連続共重合工程;及び(B)該ビニルエステル系共重合体をけん化する工程;を有する、粘度平均重合度が600以上2000以下であるビニルアルコール系共重合体の製造方法であって、該(A)工程における該溶媒の濃度が30質量%以上70質量%以下であり、該ビニルエステル系単量体に対する該多官能単量体のモル比(多官能単量体/ビニルエステル系単量体)が0.05/100以上1.0/100以下である製造方法。
[2]重合槽が2つ以上の添加口を備え、多官能単量体と開始剤とを異なる添加口から供給する、上記[1]の製造方法。
[3]多官能単量体を添加口から供給する際に、多官能単量体及び溶媒を含有する溶液を添加口から供給し、該溶液における多官能単量体の濃度が1.0質量%以上10.0質量%未満である、上記[2]の製造方法。
[4]溶媒がメタノールである、上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法。
[5]連続共重合工程における重合槽の液面高さが重合槽の高さに対して50%以上である、上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法。
[6]ビニルエステル系単量体の重合率が20%以上90%以下である、上記[1]〜[5]のいずれかの製造方法。
本発明の製造方法は、ビニルエステル系単量体、分子中にエチレン性二重結合を2つ以上含有する多官能単量体、開始剤及び溶媒を重合槽に連続的に供給してビニルエステル系共重合体を得る連続共重合工程(以下、「連続共重合工程」と称する)を有する。ここで、連続共重合とは、ビニルエステル系単量体、多官能単量体、開始剤及び溶媒、必要に応じて連鎖移動剤等の他の添加剤を連続的に重合槽に供給し、かつビニルエステル系共重合体を含有する溶液を連続的に取り出すことを意味する。
本発明の製造方法は、上記連続共重合工程(A)で得られたビニルエステル系共重合体をけん化する工程を有する。ビニルエステル系共重合体のけん化方法は特に限定されず、公知のけん化方法を採用できる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシドなどの塩基性触媒やp−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いた、加アルコール分解反応または加水分解反応が挙げられる。この反応に使用しうる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;アセトンメチルエチルケトンなどのケトン類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、メタノールまたはメタノール/酢酸メチル混合溶液を溶媒とし、水酸化ナトリウムを触媒としてけん化することが簡便であり好ましい。
本発明の製造方法では、得られるビニルアルコール系共重合体の粘度平均重合度は600以上2000以下である。粘度平均重合度が600未満では、仮に連続共重合工程(A)においてビニルエステル系共重合体が架橋した化合物が生じたとしても、該架橋した化合物が溶媒に溶解するため、結果としてゲルが生成される可能性は低く、重合槽におけるゲルの発生が問題とならない。粘度平均重合度は650以上がより好ましい。一方、粘度平均重合度が2000を超えると、連続共重合工程(A)において短時間で重合槽内にゲルが発生する可能性が高まる。粘度平均重合度は1500以下がより好ましい。
粘度平均重合度=([η]×10000/8.29)(1/0.62)
(側鎖にエチレン性二重結合を有するビニルアルコール系共重合体の合成)
撹拌機、窒素導入口、多官能単量体添加口、および開始剤添加口を備えた容積250Lの重合槽に、該重合槽の滞留時間を8.3時間になるように同一の添加口から酢酸ビニル(以下、「VAc」と略記することがある)17.5kg/h、重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネート/メタノール(1%濃度)を0.44kg/h、メタノールを重合槽中のメタノール濃度が50質量%になるように仕込んだ。さらに、開始剤と異なる添加口から多官能単量体としてトリメチロールプロパンジアリルエーテル/メタノール(4%濃度)1.44kg/hを仕込み、60℃で共重合を行った。重合槽内の液面は重合槽高さに対して66%であり、液面一定となるように重合槽から重合液を連続的に取り出した。重合槽出口の重合率が55%になるよう調整した。随時サンプリングを行い、重合液中にメタノールに不溶のゲルが生成しているかを目視で確認しながら重合を行い、メタノールに不溶のゲルが検出された、重合開始から222時間の時点で重合を停止した。重合停止後、未反応の酢酸ビニルを除去し、酢酸ビニル系共重合体(以下、「PVAc」と略記することがある)のメタノール溶液を得た(連続共重合工程(A))。次いで、PVAcのメタノール溶液の濃度を35%に調整し、アルカリモル比(NaOHのモル数/PVAc中のビニルエステル単位のモル数)が0.012となるようにNaOH/メタノール溶液(50g/L濃度)を添加してけん化した。得られたビニルアルコール系共重合体はメタノールで洗浄した。以上の操作により、側鎖へのエチレン性二重結合の導入量は0.09モル%(ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位の合計に対するエチレン性二重結合のモル比が0.09/100)、重合度800、けん化度98.5モル%のビニルアルコール系共重合体を得た。得られたビニルアルコール系共重合体を重ジメチルスルホキシドへ溶解して1H−NMRの測定を実施した。測定結果を図1に示す。
多官能単量体であるトリメチロールプロパンジアリルエーテルを重合開始剤と同じ添加口から重合槽に導入したこと、195時間で重合を停止したこと以外は実施例1と同様にしてビニルアルコール系共重合体を得た。なお、連続共重合工程(A)において、重合開始から195時間でメタノールに不溶なゲルが検出された。得られたビニルアルコール系共重合体の物性を表2に示す。
連続共重合工程(A)において、重合槽の液面高さを、重合槽の高さに対して42%となるように条件を変更したこと、多官能単量体であるトリメチロールプロパンジアリルエーテルの添加濃度を12%に変更したこと、及び177時間で重合を停止したこと以外は実施例1と同様にしてビニルアルコール系共重合体を得た。なお、連続共重合工程(A)において、重合開始から177時間でメタノールに不溶なゲルが検出された。得られたビニルアルコール系共重合体の物性を表2に示す。
表1に示すように、各種の重合条件を変え、さらに連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸(3−MPA)を添加して重合度を調整したこと、及び32時間で重合を停止したこと以外は実施例1と同様にしてビニルアルコール系共重合体を得た。得られたビニルアルコール系共重合体の物性を表2に示す。重合時に使用する溶媒濃度が低いためか、重合開始から32時間でメタノール不溶のゲルが検出されてしまい生産性が非常に悪かった。
表1に示すように、各種の重合条件を変えたこと以外は実施例1と同様にしてPVAcの重合を試みたが、多官能単量体であるトリメチロールプロパンジアリルエーテルの使用量が多すぎるためか、連続共重合工程(A)を開始して5時間後に重合槽内にメタノールに不溶なゲルが生じた。そのため5時間で重合を停止し、続くけん化反応を実施しなかった。
表1に示すように、各種の重合条件を変え、さらに3−MPAを添加して重合度を調整したこと、及び7時間で重合を停止したこと以外は実施例1と同様にしてビニルアルコール系共重合体を得た。なお、連続共重合工程(A)において、重合開始から7時間でメタノールに不溶なゲルが検出された。得られたビニルアルコール系共重合体の物性を表2に示す。重合時に使用する溶媒濃度が低い上に、多官能単量体であるトリメチロールプロパンジアリルエーテルの添加濃度が高く、重合槽の重合液面が低いためか、比較例1よりも早く重合開始から7時間でメタノール不溶のゲルが検出されてしまい生産性が非常に悪かった。
表1に示すように、各種の重合条件を変えたこと、及び200時間経過後に重合を停止したこと以外は実施例1と同様にしてビニルアルコール系共重合体を得た。なお、連続共重合工程(A)において、重合開始から200時間経過時もメタノールに不溶なゲルは検出されなかった。得られたビニルアルコール系共重合体の物性を表2に示す。メタノール不溶のゲルは生じなかったが、得られたビニルアルコール系重合体の重合度が低く目標重合度を達成できなかった。
Claims (6)
- (A)ビニルエステル系単量体、分子中にエチレン性二重結合を2つ以上含有する多官能単量体、開始剤及び溶媒を重合槽に連続的に供給してビニルエステル系共重合体を得る連続共重合工程;及び
(B)該ビニルエステル系共重合体をけん化する工程;
を有する、粘度平均重合度が600以上2000以下であるビニルアルコール系共重合体の製造方法であって、
該(A)工程における該溶媒の濃度が30質量%以上70質量%以下であり、該ビニルエステル系単量体に対する該多官能単量体のモル比(多官能単量体/ビニルエステル系単量体)が0.05/100以上1.0/100以下である製造方法。 - 重合槽が2つ以上の添加口を備え、多官能単量体と開始剤とを異なる添加口から供給する、請求項1に記載の製造方法。
- 多官能単量体を添加口から供給する際に、多官能単量体及び溶媒を含有する溶液を添加口から供給し、該溶液における多官能単量体の濃度が1.0質量%以上10.0質量%未満である、請求項2に記載の製造方法。
- 溶媒がメタノールである、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 連続共重合工程における重合槽の液面高さが重合槽の高さに対して50%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- ビニルエステル系単量体の重合率が20%以上90%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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