JP6438649B2 - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板の表面からレジストを除去するために用いられる基板処理装置および基板処理方法に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板等が含まれる。
従来から、基板の表面に硫酸過酸化水素水混合液(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:SPM)を供給することにより、基板の表面からレジストを除去する手法が提案されている。高ドーズのイオン注入が行われたウエハでは、レジストが炭化変質(硬化)し、レジストの表面に硬化層が形成されていることがある。表面に硬化層を有するレジストであっても、アッシングすることなく基板の表面から除去すべく、たとえば下記の特許文献1および2に記載の手法が提案されている。
特許文献1には、レジストの表面の硬化層を破壊すべくIPA(イソプロピルアルコール)と窒素ガスとから生成される液滴の噴流を基板の表面に供給し、その後、基板の表面にSPMを供給する手法が記載されている。
特許文献2には、レジストの表面の硬化層を溶かすべく、IPAのベーパを基板の表面に供給し、その後、基板の表面にSPMを供給する手法が記載されている。
特許第4986565号公報 特開2007−103732号公報
しかしながら、特許文献1に記載の手法では、有機溶剤(IPA)が微細な液滴状をなして基板に供給されるので、レジストの表面に接触する有機溶剤の分子の数は比較的少なく、そのため、有機溶剤の供給の際には、十分な量の有機溶剤の分子がレジストの表面に作用しない。また、有機溶剤と窒素ガスとを混合させるために、液滴の噴流が所期の温度から低下する。これらの結果、レジストの表面の硬化層が十分に破壊されないおそれがある。また、液滴の噴流を基板の表面に吹き付けるので、基板の表面にダメージを与えるおそれもある。
また、特許文献2に記載の手法では、基板の表面に供給されるのが有機溶剤(IPA)のベーパであるので、レジストの表面に接触する有機溶剤の分子の数は少なく、そのため、有機溶剤の供給の際には、少量の有機溶剤の分子のみしかレジストの表面に作用しない。そのため、レジストの表面の硬化層が十分に溶けないおそれがある。
すなわち、特許文献1および2のいずれの手法によっても、硬化層を十分に破壊または溶融できず、基板の表面にレジストが残存するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、基板の表面からレジストを良好に除去できる、基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、カーボンがアモルファス状になっているアモルファス部分を有する硬化層を含むレジストを、基板(W)の表面から除去するための基板処理方法であって、常温よりも高くかつ沸点未満の液温を有する液体の有機溶剤であって、アルカリを含む有機溶剤を、前記基板の表面の全域に連続流状に供給する有機溶剤供給工程(S3)と、前記有機溶剤供給工程が行われた後に、前記有機溶剤が除去された後の前記基板の表面の全域に硫酸過酸化水素水混合液を供給する硫酸過酸化水素水混合液供給工程(S6)とを含み、前記有機溶剤供給工程が、前記有機溶剤を前記基板の表面に供給することにより、当該有機溶剤を、前記アモルファス部分を溶解しながら前記硬化層に浸透させ、前記硫酸過酸化水素水混合液供給工程が、前記有機溶剤供給工程の前に実行されない、基板処理方法である。
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符合を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。
この方法によれば、基板の表面に対する硫酸過酸化水素水混合液の供給に先立って、その基板の表面に、常温よりも高くかつ沸点未満の液温を有する液体の有機溶剤が供給される。このような液温に保たれている有機溶剤は、高い熱エネルギーを有している。また、有機溶剤が液体状であるので、有機溶剤の分子は、レジストの表面の硬化層と高い接触効率で接触する。十分な熱エネルギーを有する有機溶剤の分子が、高い接触効率で硬化層と接触するので、有機溶剤がレジストの表面の硬化層に浸透する。有機溶剤の浸透により、硬化層は変質し軟化する。
有機溶剤の供給後に、硫酸過酸化水素水混合液が基板の表面に供給される。軟化した硬化層に硫酸過酸化水素水混合液が供給されるので、硫酸過酸化水素水混合液がレジストの内部の全域に行き渡る。これにより、基板の表面からレジストを良好に除去できる、基板処理方法を提供できる。
有機溶剤は、IPA、メタノール、エタノール、HFE(ハイドロフロロエーテル)およびアセトンのうちの少なくとも1つを含む。
また、アルカリを含む有機溶剤を基板の表面に供給する。レジストの硬化層は、含有するカーボンがアモルファス状になっている部分(アモルファス状部分)があるので、アルカリ溶液に溶解し易い。そのため、アルカリを含む有機溶剤を基板の表面に供給することにより、当該有機溶剤は、レジストの硬化層を溶解しながら浸透する。これにより、レジストの硬化層を、より効果的に軟化させることができる。
アルカリは、NHOH(水酸化アンモニウム)、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)、KOH(水酸化カリウム)およびNaOH(水酸化ナトリウム)の少なくとも1つを含む。
請求項に記載の発明は、前記有機溶剤供給工程に並行して実行され、前記基板の前記表面と反対側の裏面に温度が調節された温調流体を供給する温調流体供給工程(S3)をさらに含む、請求項に記載の基板処理方法である。
この方法によれば、有機溶剤供給工程に並行して、基板の裏面に温調流体が供給される。基板の裏面への温調流体の供給により、基板を加温することができ、基板を介して、基板の表面に供給された有機溶剤の液温を保持させることができる。これにより、基板の表面上での有機溶剤の温度低下を抑制することができ、その結果、レジストの硬化層を、より効果的に軟化させることができる。
請求項3に記載のように、前記硫酸過酸化水素水混合液供給工程に並行して、前記基板の表面に赤外線を照射して少なくとも前記基板の表面を加熱する加熱工程をさらに含んでいてもよい。
請求項4に記載のように、前記アルカリがNHOHを含んでいてもよい。
請求項5に記載の発明は、カーボンがアモルファス状になっているアモルファス部分を有する硬化層を含むレジストが表面に形成されている基板(W)を保持する基板保持手段(5)と、前記基板保持手段に保持されている基板の表面に、常温よりも高くかつ沸点未満の液温を有する液体の有機溶剤であって、アルカリを含む有機溶剤を供給するための有機溶剤供給手段(7)と、前記基板保持手段に保持されている基板の表面に硫酸過酸化水素水混合液を供給する硫酸過酸化水素水混合液供給手段(6)と、前記有機溶剤を、前記基板の表面の全域に連続流状に供給する有機溶剤供給工程(S3)と、前記有機溶剤供給工程が行われた後に、前記有機溶剤が除去された後の前記基板の表面の全域に硫酸過酸化水素水混合液を供給する硫酸過酸化水素水混合液供給工程(S6)とを実行する制御手段(3)とを含み、前記制御手段は、前記有機溶剤供給工程において、前記有機溶剤を前記基板の表面に供給することにより、当該有機溶剤を、前記アモルファス部分を溶解しながら前記硬化層に浸透させ、前記制御手段が、前記硫酸過酸化水素水混合液供給工程を、前記有機溶剤供給工程の前に実行させない、基板処理装置(1)である。
この構成によれば、請求項1に関連して説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
また、請求項6に記載のように、前記アルカリがNH OHを含んでいてもよい。
本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成の模式的な平面図である。 図1に示す基板処理装置に備えられたチャンバの内部を水平に見た模式図である。 図2に示す処理ユニットによって行われるレジスト除去処理の処理例を示すフローチャートである。 有機溶剤処理工程が行われているときの基板を水平に見た模式図である。 SPM処理工程が行われているときの基板を水平に見た模式図である。 第1のレジスト除去試験の内容および試験結果を示す図である。 第2のレジスト除去試験の試験結果を示す図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の模式的な平面図である。図2は、基板処理装置1に備えられたチャンバ4の内部を水平に見た模式図である。
図1に示すように、基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、処理液や処理ガスによって基板Wを処理する複数の処理ユニット2と、各処理ユニット2のチャンバ4に対して基板Wの搬入および搬出を行う基板搬送ロボットCRと、基板処理装置1に備えられた装置の動作やバルブの開閉などを制御する制御装置(制御手段)3とを含む。
図2に示すように、各処理ユニット2は、枚葉式のユニットである。各処理ユニット2は、内部空間を有する箱形のチャンバ4と、チャンバ4内で一枚の基板Wを水平な姿勢で保持して、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック(基板保持手段)5と、スピンチャック5に保持されている基板WにSPM(硫酸過酸化水素水混合液。HSO(硫酸)およびH(過酸化水素水)を含む混合液)またはHを供給するSPM供給ユニット(硫酸過酸化水素水混合液供給手段)6と、スピンチャック5に保持されている基板Wに、有機溶剤としての液体状のIPAを供給する有機溶剤供給ユニット(有機溶剤供給手段)7と、リンス液供給ユニット8と、スピンチャック5を取り囲む筒状のカップ9と、基板Wを加熱する加熱装置47とを含む。
図2に示すように、スピンチャック5は、水平な姿勢で保持された円板状のスピンベース10と、スピンベース10の上方で基板Wを水平な姿勢で保持する複数のチャックピン11と、スピンベース10の中央部から下方に延びる回転軸12と、回転軸12を回転させることにより基板Wおよびスピンベース10を回転軸線A1まわりに回転させるスピンモータ13とを含む。スピンチャック5は、複数のチャックピン11を基板Wの周端面に接触させる挟持式のチャックに限らず、非デバイス形成面である基板Wの裏面(下面)をスピンベース10の上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持するバキューム式のチャックであってもよい。
また、回転軸12は、中空に形成されている。回転軸12の内部には、温調液流通配管43が挿通されている。温調液流通配管43には、温調液供給配管44が接続されている。この温調液供給配管44を通して、温調流体としての温調液の一例としての温水が温調液流通配管43に供給されるようになっている。温調液供給配管44の途中部には、温調液供給配管44を開閉するための温調液バルブ45が介装されている。また、温調液流通配管43は、スピンチャック5(複数個のチャックピン11)に保持された基板Wの裏面(下面)中央に近接する位置まで延びていて、その先端には、温調液流通配管43に供給される温水を吐出する吐出口46Aを有する裏面ノズル46が設けられている。吐出口46Aから吐出される温水は、たとえば、スピンチャック5に保持された基板Wの裏面中央に対してほぼ垂直に入射する。
なお、温水は、基板処理装置1と別置された温水生成キャビネットにおいて、水を加熱することにより生成され、この温水生成キャビネットから温調液供給配管44に供給されてもよいし、基板処理装置1が設置される工場に温水が流通する温水ラインが設けられている場合には、その温水ラインから温調液供給配管44に供給されてもよい。温調液供給配管44に供給される温水は、後述する有機溶剤タンク27内でのIPAの設定温度(たとえば70℃)と同じ水温に設定されている。温水に用いられる水は、たとえば、純水(脱イオン水:Deionzied Water)であるが、純水に限らず、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水および希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。
図2に示すように、カップ9は、スピンチャック5に保持されている基板Wよりも外方(回転軸線A1から離れる方向)に配置されている。カップ9は、スピンベース10の周囲を取り囲んでいる。スピンチャック5が基板Wを回転させている状態で、処理液が基板Wに供給されると、基板Wに供給された処理液が基板Wの周囲に振り切られる。処理液が基板Wに供給されるとき、上向きに開いたカップ9の上端部9aは、スピンベース10よりも上方に配置される。したがって、基板Wの周囲に排出された薬液(SPMおよび有機溶剤を含む)やリンス液、温水などの処理液は、カップ9によって受け止められる。そして、カップ9に受け止められた処理液は、図示しない回収装置または排液装置に送られる。
図2に示すように、SPM供給ユニット6は、SPMまたはHを基板Wの上面に向けて選択的に吐出するSPMノズル14と、SPMノズル14が先端部に取り付けられた第1のノズルアーム15と、第1のノズルアーム15を移動させることにより、SPMノズル14を移動させる第1のノズル移動ユニット16とを含む。
SPMノズル14は、たとえば、連続流の状態でSPMおよびHを選択的に吐出するストレートノズルであり、たとえば基板Wの上面に垂直な方向に処理液を吐出する垂直姿勢で第1のノズルアーム15に取り付けられている。第1のノズルアーム15は水平方向に延びており、スピンチャック5の周囲で鉛直方向に延びる第1の揺動軸線(図示しない)まわりに旋回可能に設けられている。なお、SPMノズル14は、吐出口よりも内方(回転軸線A1側)の位置にSPMまたはHが着液するように基板Wの上面に対して傾いた吐出方向にSPMまたはHが吐出される内向き姿勢で第1のノズルアーム15に保持されていてもよいし、吐出口よりも外方(回転軸線A1とは反対側)の位置にSPMまたはHが着液するように基板Wの上面に対して傾いた吐出方向にSPMまたはHを吐出する外向き姿勢で第1のノズルアーム15に保持されていてもよい。
第1のノズル移動ユニット16は、第1の揺動軸線まわりに第1のノズルアーム15を旋回させることにより、平面視で基板Wの上面中央部を通る軌跡に沿ってSPMノズル14を水平に移動させる。第1のノズル移動ユニット16は、SPMノズル14から吐出されたSPMが基板Wの上面に着液する処理位置と、SPMノズル14が平面視でスピンチャック5の周囲に設定されたホーム位置との間で、SPMノズル14を水平に移動させる。さらに、第1のノズル移動ユニット16は、SPMノズル14から吐出されたSPMまたはHが基板Wの上面中央部に着液する中央位置と、SPMノズル14から吐出されたSPMまたはHが基板Wの上面周縁部に着液する周縁位置との間で、SPMノズル14を水平に移動させる。中央位置および周縁位置は、いずれも処理位置である。
SPM供給ユニット6は、SPMノズル14に接続され、硫酸供給源(図示しない)からHSOが供給される硫酸配管17と、過酸化水素水供給源(図示しない)からHが供給される過酸化水素水配管18とをさらに含む。
硫酸配管17の途中部には、硫酸配管17を開閉するための硫酸バルブ19、硫酸流量調整バルブ20および第1のヒータ21が、SPMノズル14側からこの順に介装されている。第1のヒータ21は、HSOを室温よりも高い温度(70〜120℃の範囲内の一定温度。たとえば100℃)に維持する。HSOを加熱する第1のヒータ21は、図2に示すようなワンパス方式のヒータであってもよいし、ヒータを含む循環経路の内部にHSOを循環させることによりHSOを加熱する循環方式のヒータであってもよい。図示はしないが、硫酸流量調整バルブ20は、弁座が内部に設けられたバルブボディと、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータとを含む。他の流量調整バルブについても同様である。
過酸化水素水配管18の途中部には、過酸化水素水配管18を開閉するための過酸化水素水バルブ22と、過酸化水素水流量調整バルブ23とが、SPMノズル14側からこの順に介装されている。SPMノズル14には、温度調整されていない常温(約23℃)程度のHが、過酸化水素水配管18を通して供給される。過酸化水素水バルブ22は、制御装置3による制御により開閉される。
SPMノズル14は、たとえば略円筒状のケーシングを有している。このケーシングの内部には、混合室(図示しない)が区画形成されている。硫酸配管17は、SPMノズル14のケーシングの側壁に配置された硫酸導入口(図示しない)に接続されている。過酸化水素水配管18は、SPMノズル14のケーシングの側壁において硫酸導入口よりも上方に配置された過酸化水素水導入口(図示しない)に接続されている。
硫酸バルブ19(図2参照)および過酸化水素水バルブ22(図2参照)が開かれると、硫酸配管17からのHSOが、SPMノズル14において硫酸導入口から混合室へと供給されるとともに、過酸化水素水配管18からのHが、SPMノズル14において過酸化水素水導入口から混合室へと供給される。SPMノズル14の混合室に流入したHSOおよびHは、その内部において十分に混合(攪拌)される。この混合によって、HSOとHとが均一に混ざり合い、HSOとHとの反応によってHSOおよびHの混合液(SPM)が生成される。SPMは、酸化力が強いペルオキソ一硫酸(Peroxymonosulfuric acid;HSO)を含み、混合前のHSOおよびHの温度よりも高い温度(100℃以上。たとえば、160℃)まで加熱される。SPMノズル14の混合室において生成された高温のSPMは、ケーシングの先端(下端)に開口した吐出口から吐出される。
図2に示すように、有機溶剤供給ユニット7は、スピンチャック5に保持されている基板Wに向けて有機溶剤の一例としてのIPA(液体)を吐出する有機溶剤ノズル24と、有機溶剤ノズル24が先端部に取り付けられた第2のノズルアーム25と、第2のノズルアーム25を移動させることにより、有機溶剤ノズル24を移動させる第2のノズル移動ユニット26とを含む。
有機溶剤ノズル24は、たとえば、連続流の状態で液体状のIPAを吐出するストレートノズルであり、たとえば基板Wの上面に垂直な方向に処理液を吐出する垂直姿勢で第2のノズルアーム25に取り付けられている。第2のノズルアーム25は水平方向に延びており、スピンチャック5の周囲で鉛直方向に延びる第2の揺動軸線(第1の揺動軸線とは水平方向に関し異なる軸線。図示しない)まわりに旋回可能に設けられている。なお、有機溶剤ノズル24は、吐出口よりも内方(回転軸線A1側)の位置にIPA(液体)が着液するように基板Wの上面に対して傾いた吐出方向にIPAが吐出される内向き姿勢で第2のノズルアーム25に保持されていてもよいし、吐出口よりも外方(回転軸線A1とは反対側)の位置にIPA(液体)が着液するように基板Wの上面に対して傾いた吐出方向にIPA(液体)を吐出する外向き姿勢で第2のノズルアーム25に保持されていてもよい。
第2のノズル移動ユニット26は、第2の揺動軸線まわりに第2のノズルアーム25を旋回させることにより、平面視で基板Wの上面中央部を通る軌跡に沿って有機溶剤ノズル24を水平に移動させる。第2のノズル移動ユニット26は、有機溶剤ノズル24から吐出されたIPAが基板Wの上面中央部に着液する処理位置と、有機溶剤ノズル24が平面視でスピンチャック5の周囲に設定されたホーム位置との間で、有機溶剤ノズル24を水平に移動させる。
有機溶剤供給ユニット7は、IPAが溜められた有機溶剤タンク27と、有機溶剤タンク27に溜められているIPAを有機溶剤ノズル24に供給する有機溶剤配管28とを含む。有機溶剤タンク27に溜められたIPAには、NHOH(アルカリ)が含まれている。具体的には、IPAには、高濃度(約30重量%)のNHOH水溶液がIPA:NHOH溶液=1000:1の割合で添加されている。
有機溶剤配管28の一端は、有機溶剤タンク27に接続されており、有機溶剤配管28の他端は、有機溶剤ノズル24に接続されている。有機溶剤配管28には、有機溶剤配管28内を流通するIPAを加熱して温度調整する第2の第2のヒータ29と、有機溶剤タンク27からIPAを汲み出して有機溶剤配管28に送り込むポンプ30と、有機溶剤配管28内を流通するIPAをろ過して、そのIPAから異物を除去するフィルタ31と、有機溶剤流量調整バルブ61と、有機溶剤配管28から有機溶剤ノズル24へのIPAの供給および供給停止を切り替える有機溶剤バルブ32とが、有機溶剤タンク27側からこの順に介装されている。なお、処理ユニット2の起動時において、ポンプ30は常時駆動されている。
有機溶剤配管28における有機溶剤流量調整バルブ61とフィルタ31との間の部分には、有機溶剤配管28を流通するIPAを有機溶剤タンク27に帰還させるための帰還配管33が分岐接続されている。帰還配管33には、帰還バルブ34が介装されている。有機溶剤配管28の分岐位置よりも上流側部分および帰還配管33により、有機溶剤タンク27内のIPAを循環させるための循環経路が形成されている。
制御装置3は、ポンプ30が駆動している状態で、有機溶剤バルブ32を閉じつつ帰還バルブ34を開く。これにより、有機溶剤タンク27から汲み出されたIPAが、第2のヒータ29、フィルタ31、帰還配管33および帰還バルブ34を通って、有機溶剤タンク27に帰還する。これにより、有機溶剤タンク27内のIPAは前述の循環経路を循環し、有機溶剤タンク27内のIPAは、この循環経路を循環することにより第2のヒータ29による温度調整を受け、所定の高温(常温(約23℃)よりも高くかつ沸点未満の温度。たとえば約70℃)に保持される。
一方、制御装置3は、ポンプ30を駆動している状態で、帰還バルブ34を閉じつつ有機溶剤バルブ32を開く。これにより、有機溶剤タンク27から汲み出されたIPAが、第2のヒータ29、フィルタ31、有機溶剤流量調整バルブ61および有機溶剤バルブ32を通って有機溶剤ノズル24に流入する。
なお、有機溶剤配管28における有機溶剤流量調整バルブ61とフィルタ31との間の部分に、三方弁が介装されており、この三方弁に帰還配管33が分岐接続されていてもよい。このとき、三方弁の制御により、有機溶剤配管28を流通するIPAを、有機溶剤ノズル24側または帰還配管33側に選択的に送り出すようにしてもよい。
図2に示すように、リンス液供給ユニット8は、スピンチャック5に保持されている基板Wに向けてリンス液を吐出するリンス液ノズル35と、リンス液ノズル35にリンス液を供給するリンス液配管36と、リンス液配管36からリンス液ノズル35へのリンス液の供給および供給停止を切り替えるリンス液バルブ37とを含む。リンス液ノズル35は、リンス液ノズル35の吐出口が静止された状態でリンス液を吐出する固定ノズルである。リンス液供給ユニット8は、リンス液ノズル35を移動させることにより、基板Wの上面に対するリンス液の着液位置を移動させるリンス液ノズル移動装置を備えていてもよい。
リンス液バルブ37が開かれると、リンス液配管36からリンス液ノズル35に供給されたリンス液が、リンス液ノズル35から基板Wの上面中央部に向けて吐出される。リンス液は、たとえば、純水(脱イオン水:Deionzied Water)である。リンス液は、純水に限らず、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水および希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。
図2に示すように、加熱装置47は、輻射によって基板Wを加熱する輻射加熱装置を含む。輻射加熱装置は、赤外線を基板Wに照射する赤外線ヒータ38と、赤外線ヒータ38が先端部に取り付けられたヒータアーム39と、ヒータアーム39を移動させるヒータ移動ユニット40とを含む。
赤外線ヒータ38は、赤外線を発する赤外線ランプ41(図5も併せて参照)と、赤外線ランプ41を収容するランプハウジング42(図5も併せて参照)とを含む。
赤外線ランプ41は、ランプハウジング42内に配置されている。ランプハウジング42は、平面視で基板Wよりも小さい。したがって、このランプハウジング42内に配置されている赤外線ヒータ38は、平面視で基板Wよりも小さくなる。赤外線ランプ41およびランプハウジング42は、ヒータアーム39に取り付けられている。したがって、赤外線ランプ41およびランプハウジング42は、ヒータアーム39とともに移動する。
赤外線ランプ41は、フィラメントと、フィラメントを収容する石英管とを含む。加熱装置47における赤外線ランプ41(例えばハロゲンランプ)として、カーボンヒータ等の発熱体を採用できる。ランプハウジング42の少なくとも一部は、石英などの光透過性および耐熱性を有する材料で形成されている。赤外線ランプ41が発光すると、当該赤外線ランプ41からは赤外線を含む光が放出される。この赤外線を含む光はランプハウジング42を透過してランプハウジング42の外表面から放射される。基板Wおよびその上面に保持された液膜はランプハウジング42の外表面からの透過光と輻射光とにより加熱される。
ヒータ移動ユニット40は、赤外線ヒータ38を所定の高さで保持している。ヒータ移動ユニット40は、赤外線ヒータ38を鉛直に移動させる。さらに、ヒータ移動ユニット40は、スピンチャック5の周囲で上下方向に延びる第3の揺動軸線(第1および第2の揺動軸線とは水平方向に関し異なる軸線。図示しない)まわりにヒータアーム39を揺動させることにより、赤外線ヒータ38をスピンチャック5の上方を含む水平面内で移動させることができる。
図1および図2に示す制御装置3は、たとえばマイクロコンピュータなどによって構成されている。制御装置3は、予め定められたプログラムに従って、スピンモータ13、ノズル移動ユニット16,26、ヒータ移動ユニット40、ヒータ21,29等の動作を制御する。また、制御装置3は、赤外線ランプ41に供給される電力を調整する。さらに、制御装置3は、硫酸バルブ19、過酸化水素水バルブ22、温調液バルブ45、リンス液バルブ37等の開閉を制御するとともに、流量調整バルブ20,23,61のアクチュエータを制御して、当該流量調整バルブ20,23,61の開度を制御する。
図3は、処理ユニット2によって行われるレジスト除去処理の処理例を示すフローチャートである。図4は、有機溶剤処理工程(S3)が行われているときの基板Wを水平に見た模式図である。図5は、SPM処理工程(S3)が行われているときの基板Wを水平に見た模式図である。
以下、図2および図3を参照しつつレジスト除去処理の処理例について説明する。図4および図5については適宜参照する。
処理ユニット2によって基板Wにレジスト除去処理が施されるときには、チャンバ4の内部に、高ドーズでのイオン注入処理後の基板Wが搬入される(ステップS1)。搬入される基板Wは、レジストをアッシングするための処理を受けていないものとする。具体的には、制御装置3は、ノズル等が全てスピンチャック5の上方から退避している状態で、基板Wを保持している基板搬送ロボットCR(図1参照)のハンドをチャンバ4の内部に進入させることにより、基板Wがその表面を上方に向けた状態でスピンチャック5に受け渡される。その後、制御装置3は、スピンモータ13によって基板Wの回転を開始させる(ステップS2)。基板Wは予め定める有機溶剤処理速度(100〜500rpmの範囲内で、たとえば約300rpm)まで上昇させられ、その有機溶剤処理速度に維持される。
次いで、有機溶剤としてのIPAを基板Wの上面に供給する有機溶剤処理工程(有機溶剤供給工程。ステップS3)が行われる。具体的には、制御装置3は、第2のノズル移動ユニット26を制御することにより、有機溶剤ノズル24をホーム位置から前述の処理位置に移動させる。これにより、有機溶剤ノズル24が基板Wの上面中央部の上方に配置される。
有機溶剤ノズル24が処理位置に配置させられた後、制御装置3は、帰還バルブ34を閉じつつ有機溶剤ノズル32を開く。これにより、有機溶剤配管28の上流側部分および帰還配管33からなる循環経路を循環していたIPA(NHOHを含むIPA)は、有機溶剤配管28を通って有機溶剤ノズル32に供給される。これにより、有機溶剤ノズル24から所定の高温(常温よりも高くかつ沸点未満の温度。たとえば約70℃)の液体状のIPA(NHOHを含むIPA)が連続流状に吐出される。このとき、IPAの吐出流量が所定の処理流量(たとえば0.2リットル/分以上)になるように、有機溶剤流量調整バルブ61により有機溶剤配管28の開度が調整されている。
有機溶剤ノズル24から吐出された高温の液体状のIPA(NHOHを含むIPA)は、有機溶剤処理速度(たとえば約300rpm)で回転している基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。そのため、図4に示すように、IPAが基板Wの上面全域に供給され、基板Wの上面全域を覆うIPAの液膜62が基板W上に形成される。
また、有機溶剤処理工程(S3)と並行して、裏面ノズル46の吐出口46Aから基板Wの裏面に温水が供給される。具体的には、制御装置3は、温調液バルブ45を開く。これにより、図4に示すように、温調液供給配管44からの温水が、温調液流通配管43を通って裏面ノズル46の吐出口46Aから上方に向けて吐出され、基板Wの裏面中央部に供給される。基板Wの裏面中央部に着液した温水は、基板Wの回転による遠心力を受けて、外方に流れ、これにより、基板Wの裏面の全域が、温水の液膜によって覆われる。
基板Wの裏面への温水の供給により、基板Wが加温される。この加温された基板Wの上面にIPAが供給されることにより、IPAは、基板Wを介して加温される。基板Wの裏面に供給される温水の水温が、基板Wの上面に供給されるIPAと同温に設定されているので、基板Wの上面に形成されるIPAの液膜62の液温が、所期の液温(つまり、所定の高温(たとえば約70℃))に維持されている。また、基板Wの全域が温水によって温められるので、IPAの液膜62の面内温度分布が一様になる。
有機溶剤処理工程(S3)において、基板Wの上面のIPAの液膜62が、所定の高温(常温よりも高くかつ沸点未満の液温。たとえば約70℃)を有している。このような液温に保たれている有機溶剤は、高い熱エネルギーを有している。また、IPAが液体状であるので、IPAの分子は、レジストの表面の硬化層と高い接触効率で接触する。IPAの液膜62とレジストの表面との境界部分では、十分な熱エネルギーを有するIPAの分子が、高い接触効率で硬化層と接触し、これにより、IPAがレジストの表面の硬化層に浸透する。IPAの浸透により、硬化層は変質し軟化する。
また、基板Wに供給される有機溶剤に、NHOHが含まれている。レジストの硬化層は、含有するカーボンがアモルファス状になっている部分があるためにNHOH溶液に溶解し易いので、NHOHを含むIPAを基板Wの上面に供給する場合、NHOHを含むIPAは、レジストの硬化層を溶解しながら浸透する。これにより、硬化層の軟化を、より効果的に行うことができる。
IPAの吐出開始から予め定める処理時間が経過すると、制御装置3は、IPAバルブ32を閉じてIPAの吐出を停止する。また、制御装置3は、裏面バルブ45を閉じて裏面ノズル46からの温水の吐出を停止する。また、第2のノズル移動ユニット26を制御することにより、有機溶剤ノズル24を処理位置からホーム位置に移動させる。
有機溶剤処理工程(S3)の終了後、次いで、リンス液を基板Wに供給する第1のリンス液供給工程(水洗工程。ステップS4)が行われる。具体的には、制御装置3は、リンス液バルブ37を開いて、基板Wの上面中央部に向けてリンス液ノズル35からリンス液を吐出させる。リンス液ノズル35から吐出されたリンス液は、IPAによって覆われている基板Wの上面中央部に着液する。基板Wの上面中央部に着液したリンス液は、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面上を基板Wの周縁部に向けて流れる。これにより、基板W上のIPAが、リンス液によって外方に押し流され、基板Wの周囲に排出される。そのため、基板W上のIPAの液膜62が、基板Wの上面全域を覆うリンス液の液膜に置換される。これにより、基板Wの上面の全域においてIPAが洗い流される。
また、有機溶剤処理工程(S3)ではIPAの雰囲気が発生するため、有機溶剤処理工程(S3)の終了後において、カップ9内にIPAのヒュームが浮遊しているおそれがある。基板Wの上面をリンス液が流れることにより、カップ9内に浮遊しているIPAのヒュームを、基板Wの上面の周辺から排除できる。したがって、カップ9内に浮遊しているIPAのヒュームがパーティクルとなって、基板Wの表面を汚染することを抑制または防止できる。
リンス液バルブ37が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、リンス液バルブ37を閉じて、リンス液ノズル35からのリンス液の吐出を停止させる。
次いで、基板Wを乾燥させる第1の乾燥工程(振り切り乾燥工程。ステップS5)が行われる。具体的には、制御装置3は、スピンモータ13を制御することにより、乾燥回転速度(たとえば数千rpm)まで基板Wを加速させ、乾燥回転速度で基板Wを回転させる。これにより、大きな遠心力が基板W上のリンス液に加わり、基板Wに付着しているリンス液が基板Wの周囲に振り切られる。このようにして、基板Wからリンス液が除去され、基板Wが乾燥する。基板Wの高速回転が開始されてから所定時間が経過すると、制御装置3は、スピンモータ13を制御することにより、スピンチャック5による基板Wの回転速度を、SPM処理速度(たとえば約300rpm)まで減速させる。
基板Wの回転速度がSPM回転速度に達すると、次いで、制御装置3は、SPMを基板Wに供給するSPM処理工程(硫酸過酸化水素水混合液供給工程。ステップS6)を行う。具体的には、制御装置3は、第1のノズル移動ユニット16を制御することにより、SPMノズル14をホーム位置から処理位置に移動させる。これにより、SPMノズル14が基板Wの上方に配置される。
SPMノズル14が基板Wの上方に配置された後、制御装置3は、硫酸バルブ19および過酸化水素水バルブ22を同時に開く。これにより、硫酸配管17の内部を流通するHSOがSPMノズル14に供給されるとともに、過酸化水素水配管18を流通する過酸化水素水がSPMノズル14に供給される。そして、SPMノズル14の混合室においてHSOとHとが混合され、高温(たとえば、160℃)のSPMが生成される。そのSPMが、SPMノズル14の吐出口から吐出され、基板Wの上面に着液する。制御装置3は、第1のノズル移動ユニット16を制御することにより、この状態で基板Wの上面に対するSPMの着液位置を中央部と周縁部との間で移動させる。
SPMノズル14から吐出されたSPMは、SPM処理速度(たとえば300rpm)で回転している基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。そのため、SPMが基板Wの上面全域に供給され、図5に示すように、基板Wの上面全域を覆うSPMの液膜63が基板W上に形成される。
有機溶剤処理工程(S3)により、レジストの表面の硬化層は軟化されている。軟化した硬化層にSPMが供給されるので、SPMがレジストの内部の全域に行き渡り、レジストとSPMとの化学反応により、基板W上のレジストがSPMによって基板Wから除去される。さらに、制御装置3は、基板Wが回転している状態で、基板Wの上面に対するSPMの着液位置を中央部と周縁部との間で移動させるので、SPMの着液位置が、基板Wの上面全域を通過し、基板Wの上面全域が走査される。そのため、SPMノズル14から吐出されたSPMが、基板Wの上面全域に供給され、基板Wの上面全域が均一に処理される。
また、SPM処理工程(S6)と並行して、赤外線ヒータ38によって基板Wおよび基板W上のSPMを基板Wに供給される前のSPMの温度よりも高温の加熱温度で加熱する加熱工程が行われる。具体的には、制御装置3は、ヒータ移動ユニット31を制御することにより、図5に示すように、赤外線ヒータ38を退避位置から処理位置に移動させる。これにより、赤外線ヒータ38が基板Wの上方に配置される。その後、制御装置3は、赤外線ヒータ38に発光を開始させる。これにより、赤外線ヒータ38の温度が、SPMのその濃度における沸点以上の加熱温度(たとえば、200℃以上)まで上昇し、加熱温度に維持される。
赤外線ヒータ38が基板Wの上方で発光を開始した後、制御装置3は、図5に示すように、ヒータ移動ユニット31によって赤外線ヒータ38を移動させることにより、基板Wの上面に対する赤外線の照射位置を基板Wの上面内で移動させる。基板Wが前記のSPM処理速度(たとえば300rpm)で回転している状態で、基板Wおよび基板W上のSPMが加熱される。
制御装置3は、赤外線ヒータ38による基板Wの加熱が所定時間にわたって行われた後、赤外線ヒータ38の発光を停止させる。その後、制御装置3は、ヒータ移動ユニット31を制御することにより、赤外線ヒータ38を基板Wの上方から退避させる。
このように、制御装置3は、基板Wを回転させている状態で、基板Wの上面に対する赤外線の照射位置を基板Wの上面内で移動させるので、基板Wが均一に加熱される。そのため、基板Wの上面全域を覆うSPMの液膜63も均一に加熱される。赤外線ヒータ38による基板Wの加熱温度は、たとえばSPMのその濃度における沸点よりも高温に設定されており、これにより、基板WとSPMとの界面の温度が、沸点よりも高温に維持され、基板Wからのレジストの除去が促進される。
なお、処理位置に配置された状態で、赤外線ヒータ38の基板対向面が基板W上のSPMの液膜63に接触していてもよいし、図5に示すように、赤外線ヒータ38の基板対向面が基板W上のSPMの液膜63から所定距離だけ離隔していてもよい。
また、赤外線ヒータ38による基板Wの加熱時(加熱工程)において、基板Wの上方に配置された赤外線ヒータ38を、静止状態で配置するようにしてもよい、
SPMの吐出開始から予め定めるSPM処理時間が経過すると、SPM処理工程(S6)が終了する。SPM処理工程(S6)の終了に引き続いて、Hを基板Wに供給する過酸化水素水供給工程(ステップS7)が行われる。
具体的には、制御装置3は、第1のノズル移動ユニット16を制御することにより、基板Wの上面中央部の上方にSPMノズル14を配置し、その後、制御装置3は、過酸化水素水バルブ22を開いた状態に維持しつつ硫酸バルブ19だけを閉じる。これにより、硫酸配管17の内部をHSOが流通せずに、Hだけが過酸化水素水配管18の内部を流通してSPMノズル14に供給される。SPMノズル14に供給された過酸化水素水は、SPMノズル14の内部を通ってSPMノズル14の吐出口から吐出される。そのHが、SPM処理速度で回転している基板Wの上面中央部に着液する。すなわち、SPMノズル14から吐出される処理液が、SPMからHに切り換わる。
基板Wの上面中央部に着液したHは、基板Wの周縁に向かって基板W上を外方に流れる。基板W上のSPMがHに置換され、やがて、基板Wの上面全域が、Hの液膜によって覆われる。
過酸化水素水の吐出開始から予め定める過酸化水素水供給時間が経過すると、制御装置3は、過酸化水素水バルブ22を閉じて、SPMノズル14からのHの吐出を停止させる。また、制御装置3は、SPMノズル14を処理位置からホーム位置に移動させる。これにより、SPMノズル14が基板Wの上方に配置される。
次いで、リンス液を基板Wに供給する第2のリンス液供給工程(ステップS8)が行われる。具体的には、制御装置3は、リンス液バルブ37を開いて、基板Wの上面中央部に向けてリンス液ノズル35からリンス液を吐出させる。リンス液ノズル35から吐出されたリンス液は、Hによって覆われている基板Wの上面中央部に着液する。基板Wの上面中央部に着液したリンス液は、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面上を基板Wの周縁部に向けて流れる。これにより、基板W上のHが、リンス液によって外方に押し流され、基板Wの周囲に排出される。そのため、基板W上のHの液膜が、基板Wの上面全域を覆うリンス液の液膜に置換される。これにより、基板Wの上面の全域においてHが洗い流される。そして、リンス液バルブ37が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、リンス液バルブ37を閉じて、リンス液ノズル35からのリンス液の吐出を停止させる。
次いで、基板Wを乾燥させる第2のスピンドライ工程(ステップS9)が行われる。具体的には、制御装置3は、スピンモータ13を制御することにより、乾燥回転速度(たとえば数千rpm)まで基板Wを加速させ、乾燥回転速度で基板Wを回転させる。これにより、大きな遠心力が基板W上の液体に加わり、基板Wに付着している液体が基板Wの周囲に振り切られる。このようにして、基板Wから液体が除去され、基板Wが乾燥する。そして、基板Wの高速回転が開始されてから所定時間が経過すると、制御装置3は、スピンモータ13を制御することにより、スピンチャック5による基板Wの回転を停止させる(ステップS10)。
次に、チャンバ4内から基板Wが搬出される(ステップS11)。具体的には、制御装置3は、全てのノズル等がスピンチャック5の上方から退避している状態で、基板搬送ロボットCRのハンドをチャンバ4の内部に進入させる。そして、制御装置3は、基板搬送ロボットCRのハンドにスピンチャック5上の基板Wを保持させる。その後、制御装置3は、基板搬送ロボットCRのハンドをチャンバ4内から退避させる。これにより、処理済みの基板Wがチャンバ4から搬出される。
なお、図3の処理例において、第2のリンス供給工程(S8)の後、第2の乾燥工程(S9)に先立って、SC1(アンモニア過酸化水素水混合液)等の薬液で、基板Wの上面を洗浄する薬液供給工程、および当該薬液を基板Wの上面から洗い流すリンス工程が行われていてもよい。
また、図3の処理例では、SPM処理工程(S6)の後に過酸化水素水供給工程(S7)を実行するとしたが、過酸化水素水供給工程(S7)は省略することもできる。
また、図3の処理例では、SPM処理工程(S6)と並行して加熱工程を実行するものを例に挙げたが、この加熱工程は省略してもよい。この場合、加熱装置47(輻射加熱装置。図2参照)の構成が、基板処理装置1から省略されていてもよい。
また、図3の処理例では、SPM処理工程(ステップS6)において、基板WをSPM処理速度(たとえば約300rpm)で回転させるとして説明したが、このときの基板Wの回転速度が、基板W上からのSPMの排出が抑制されて基板Wの上面にSPMの液膜が保持される状態(パドル状態)を維持できるような低回転速度(パドル回転速度)であってもよい。この場合、SPM液の液膜63の形成後は、SPMの供給を停止するようにしてもよい。
次に、レジスト除去試験について説明する。
図6は、第1のレジスト除去試験の内容および試験結果を示す図である。
第1のレジスト除去試験は、実施例と比較例とで、基板Wの周縁部におけるレジスト除去性能を比較するための試験である。
直径300mmのシリコンウエハWの表面全域にKrF(フッ化クリプトン)エキシマレーザ用レジストのパターンを隙間なく形成し、これをマスクとして、ウエハWの表面にAs(ヒ素)をドーズ量1×1015atoms/cm、ドーズエネルギー10kevでイオン注入したものを試料として用い、この試料に基板処理装置1を用いて、次に述べる実施例および比較例のレジスト除去処理を行った。そして、レジスト除去処理後のレジストの残りの有無およびその程度を、シリコンウエハWの周縁部の7カ所の計測地点P1〜P7において、電子顕微鏡を用いて観察した。図6(a)に示すように、計測地点P1〜P7は、各々、基板Wの回転半径方向に沿って延びる直線上に、等間隔に並置されている。最も外周縁寄りの計測地点P7とシリコンウエハWの外周縁との距離は、5mmであり、最も内周寄りの計測地点P1シリコンウエハWの外周縁との距離は、25mmである。なお、ステップS6のSPM処理工程で用いられるSPMにおける、HSOとHとの混合比(重量比)は2:1であるとし、ステップS6のSPM処理工程の処理時間を15秒間とした。
<実施例>
前述の図3に示す処理例と同等の処理を実行した。但し、有機溶剤処理工程(S3)において供給されるIPAは、NHOH等のアリカリを含んでいない。また、有機溶剤処理工程(S3)において供給されるIPAの液温を70℃とし、当該IPAの流量を0.2リットル/分とした。
<比較例>
前述の図3に示す処理例からステップS3〜S5を省いた内容で処理を実行した。
この第1のレジスト除去試験の結果を図6(b)に示す。図6(b)では、レジスト残りがほとんど生じていない場合を「○」、少量のレジスト残りが生じている場合を「△」、多量のレジスト残りが生じている場合を「×」として示す。
図6(b)に示すように、実施例では、最も外周縁寄りの計測地点P7を除いて、レジスト残りがほとんど見られなかった。実施例では、シリコンウエハWの周縁部においても、高い除去性能の発揮を確認できた。
一方、比較例では、最も内周寄りの計測地点P1を除いて、レジスト残りが見られた。とくに、外周縁に近い計測地点P6や計測地点P7では、多量のレジスト残りが見られた。
第1のレジスト除去試験の結果から、実施例では、高ドーズのイオン注入が行われたシリコンウエハWであっても、基板の表面から良好にレジストが除去されていることがわかる。
図7は、第2のレジスト除去試験の試験結果を示す図である。
第2のレジスト除去試験は、有機溶剤処理工程(S3)において用いられる高温のIPAが、アルカリを含まない場合とアルカリを含む場合とで、レジスト除去性能を比較するためのビーカー試験である。
シリコンウエハWの表面全域にKrF(フッ化クリプトン)エキシマレーザ用レジストのパターンを形成し、これをマスクとして、ウエハWの表面にAs(ヒ素)をドーズ量1×1016atoms/cm、ドーズエネルギー40kevでイオン注入し、それをチップ状に切断したものを試料として用い、この試料に、次に述べるような第1〜第3試験を行った。そして、試験後のチップ上におけるレジストの残りの有無およびその程度を、電子顕微鏡を用いて観察した。なお、各試験に用いられるSPMにおける、HSOとHとの混合比は2:1であるとし、SPMの浸漬時間を1分間とした。
<第1試験>
ビーカーにおいて、前記の試料を高温のIPA中に浸漬させた。このIPAは、NHOH等のアリカリを含んでおらず、また、IPAの液温は70℃である。次いで、当該試料を、SPM中に浸漬させた。
<第2試験>
ビーカーにおいて、前記の試料を高温のIPA中に浸漬させた。このIPAには、NHOHが添加されている。NHOHの添加濃度は、前述の有機溶剤処理工程(S3)で用いられるIPAと同等の添加濃度である。また、IPAの液温は70℃である。次いで、当該試料を、SPM中に浸漬させた。
<第3試験>
ビーカーにおいて、前記の試料を、高温のIPAの浸漬させることなく、SPM中に浸漬させた。
この第2のレジスト除去試験の結果を図7に示す。図7では、レジスト残りがほとんど生じていない場合を「◎」、ほんの僅かのレジスト残りが生じている場合を「○」、多量のレジスト残りが生じている場合を「×」として示す。
図7に示すように、SPM供給に先立って高温のIPAを供給した試験1では、レジスト残りがほんの僅かながら見られた。また、アルカリを添加した高温のIPAをSPM供給に先立って供給した試験2では、レジスト残りがほとんど見られなかった。
第2のレジスト除去試験の結果から、アルカリを添加したIPAをSPM供給に先立って供給した方が、アルカリを添加しないIPAを供給した場合よりも、高いレジスト除去性能を発揮できていることがわかる。
以上によりこの実施形態によれば、基板Wの上面に対するSPMの供給に先立って、その基板Wの上面に、高温(たとえば約70℃)の液体のIPAが供給される。このような高温に保たれている有機溶剤は、高い熱エネルギーを有している。また、IPAが液体状であるので、IPAの分子は、レジストの表面の硬化層と高い接触効率で接触する。十分な熱エネルギーを有するIPAの分子が、高い接触効率で硬化層と接触するので、IPAがレジストの表面の硬化層に浸透する。IPAの浸透により、硬化層は変質し軟化する。
IPAの供給後に、基板Wの上面にSPMが供給される。軟化した硬化層にSPMが供給されるので、SPMがレジストの内部の全域に行き渡る。これにより、基板Wの上面からレジストを良好に除去できる。
また、SPM処理工程(S6)の実行に先立って、第1の乾燥工程(S5)によって基板Wの上面が振り切り乾燥される。これにより、SPM処理工程(S6)において、SPMを、その供給直後から基板Wの上面のレジストに作用させることができる。
また、有機溶剤処理工程(S3)後に、第1のリンス工程(S4)が実行されることによって、有機溶剤処理工程(S3)において発生するIPAの雰囲気を基板Wの上面の周辺から排除できる。これにより、一連のレジスト除去処理後におけるパーティクルの発生を抑制または防止できる。
また、アルカリ(NHOH)が添加されたIPAを基板Wの上面に供給する。レジストの硬化層は、含有するカーボンがアモルファス状になっている部分があるので、アルカリ溶液に溶解し易い。そのため、アルカリが添加されたIPAを基板Wの上面に供給することにより、当該IPAは、レジストの硬化層を溶解しながら浸透する。これにより、レジストの硬化層を、より効果的に軟化させることができる。
また、有機溶剤処理工程(S3)に並行して、基板Wの裏面に温水が供給される。基板Wの裏面への温水の供給により、基板Wを加温することができ、基板Wを介して、基板Wの上面に供給されたIPAを保持させることができる。これにより、基板W表面上での有機溶剤の温度低下を抑制することができ、その結果、レジストの硬化層を、より効果的に軟化させることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、本発明は他の形態で実施することもできる。
前述の実施形態では、有機溶剤処理工程(S3)において、基板を有機溶剤回転速度(たとえば約300rpm)で回転させながら、基板Wの上面にIPAを供給し続ける場合を例に挙げて説明したが、基板Wの回転速度を零または低速の状態で行うことにより、基板Wの上面の全域を覆うIPAの液膜を形成してもよい。この場合、IPAに零または小さな遠心力しか作用しないので、基板Wの上面にIPAが滞留して液膜を形成させることにより、基板Wの上面の全域にIPAの液膜が形成される。この場合でも、前述の実施形態の場合と同様に、レジストの硬化層への浸透を図ることができる。なお、基板Wの上面にIPAが液盛りされた後は、IPAの供給を停止するようにしてもよい。
前述の実施形態において、IPAに対するNHOH(アルカリ)水溶液の添加割合は、高濃度(約30%)のNHOH水溶液がIPA:NHOH溶液=100:1の割合以下の割合であることが好ましい。アルカリを多く含むと、アンモニア水溶液中の水分が、レジストへのIPA接触を阻害するので、レジストの硬化層に対するIPAの浸透度合いが低下するおそれがあるからである。
有機溶剤処理工程(S3)時に基板Wの裏面に供給される温調流体として、温水を例に挙げて説明したが、温水に代えて乾燥ガスや蒸気を、基板Wの裏面に供給することもできる。なお、有機溶剤処理工程(S3)時に温調流体を基板Wの裏面に供給しなくてもよい。
また、図3の処理例では、第1のリンス液供給工程(S4)を設けたが、第1のリンス液供給工程(S4)を省略してもよい。この場合、有機溶剤処理工程(S3)の実行後、次いで、第1の乾燥工程(ステップS5)が行われる。このとき、制御装置3は、乾燥回転速度(たとえば数千rpm)まで基板Wを加速させ、乾燥回転速度で基板Wを回転させる。これにより、大きな遠心力が基板W上のIPAに加わり、基板Wに付着しているIPAが基板Wの周囲に振り切られて、基板Wが乾燥する。
また、前記の実施形態において、有機溶剤の一例として、IPAを例示したが、有機溶剤としては、IPAの他に、メタノール、エタノール、HFE(ハイドロフロロエーテル)およびアセトンのうちの少なくとも1つを含む液を用いることができる。また、有機溶剤としては、単体成分のみからなる場合だけでなく、他の成分と混合した液体であってもよい。たとえば、IPAとアセトンの混合液であってもよいし、IPAとメタノールの混合液であってもよい。
また、前述の実施形態では、SPM供給ユニット6として、HSOおよびHの混合をSPMノズル14の内部で行うノズル混合タイプのものを例に挙げて説明したが、SPMノズル14の上流側に配管を介して接続された混合部を設け、この混合部において、HSOとHとの混合が行われる配管混合タイプのものを採用することもできる。
また、前述の各実施形態では、基板処理装置1が、円板状の基板Wを処理する装置である場合について説明したが、基板処理装置1は、液晶表示装置用基板などの多角形の基板Wを処理する装置であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 基板処理装置
3 制御装置(制御手段)
5 スピンチャック(基板保持手段)
6 SPM供給ユニット(硫酸過酸化水素水混合液供給手段)
7 有機溶剤供給ユニット(有機溶剤供給手段)
W 基板

Claims (6)

  1. カーボンがアモルファス状になっているアモルファス部分を有する硬化層を含むレジストを、基板の表面から除去するための基板処理方法であって、
    常温よりも高くかつ沸点未満の液温を有する液体の有機溶剤であって、アルカリを含む有機溶剤を、前記基板の表面の全域に連続流状に供給する有機溶剤供給工程と、
    前記有機溶剤供給工程が行われた後に、前記有機溶剤が除去された後の前記基板の表面の全域に硫酸過酸化水素水混合液を供給する硫酸過酸化水素水混合液供給工程とを含み、
    前記有機溶剤供給工程が、前記有機溶剤を前記基板の表面に供給することにより、当該有機溶剤を、前記アモルファス部分を溶解しながら前記硬化層に浸透させ、
    前記硫酸過酸化水素水混合液供給工程が、前記有機溶剤供給工程の前に実行されない、基板処理方法。
  2. 前記有機溶剤供給工程に並行して実行され、前記基板の前記表面と反対側の裏面に温度が調節された温調流体を供給する温調流体供給工程をさらに含む、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記硫酸過酸化水素水混合液供給工程に並行して、前記基板の表面に赤外線を照射して少なくとも前記基板の表面を加熱する加熱工程をさらに含む、請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 前記アルカリがNHOHを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  5. カーボンがアモルファス状になっているアモルファス部分を有する硬化層を含むレジストが表面に形成されている基板を保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持されている基板の表面に、常温よりも高くかつ沸点未満の液温を有する液体の有機溶剤であって、アルカリを含む有機溶剤を供給するための有機溶剤供給手段と、
    前記基板保持手段に保持されている基板の表面に硫酸過酸化水素水混合液を供給する硫酸過酸化水素水混合液供給手段と、
    前記有機溶剤を、前記基板の表面の全域に連続流状に供給する有機溶剤供給工程と、前記有機溶剤供給工程が行われた後に、前記有機溶剤が除去された後の前記基板の表面の全域に硫酸過酸化水素水混合液を供給する硫酸過酸化水素水混合液供給工程とを実行する制御手段とを含み、
    前記制御手段は、前記有機溶剤供給工程において、前記有機溶剤を前記基板の表面に供給することにより、当該有機溶剤を、前記アモルファス部分を溶解しながら前記硬化層に浸透させ、
    前記制御手段が、前記硫酸過酸化水素水混合液供給工程を、前記有機溶剤供給工程の前に実行させない、基板処理装置。
  6. 前記アルカリがNHOHを含む、請求項5に記載の基板処理装置。
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