JP2015191952A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の表面からレジストを良好に除去できる、基板処理方法および基板処理装置を提供すること。【解決手段】基板処理装置1は、スピンチャック5と、スピンチャック5によって回転されている基板Wの上面中央部にSPMを供給する第1のSPMノズル21と、スピンチャック5によって回転されている基板Wの上面周縁部にSPMを供給する第2のSPMノズル31とを含む。第1のSPMノズル21からのSPMの吐出に並行して、第2のSPMノズル31からSPMが吐出される。また、SPMの吐出に並行して、赤外線ヒータ58からの赤外線の照射位置が、基板Wの上面周縁部と基板Wの上面中央部との間で移動させられる。【選択図】図2
Description
本発明は、基板の表面からレジストを除去するために用いられる基板処理方法および基板処理装置に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板等が含まれる。
下記特許文献1には、ウエハ回転機構によって回転させられているウエハの上面に対するSPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:SPM)の供給と並行して、ウエハの上面に対向配置された赤外線ヒータから赤外線を基板の上面に照射する手法が開示されている。ウエハの表面に対する赤外線の照射によりウエハやSPMが温められ、これにより、SPMによるレジスト除去率を向上させることができる。特許文献1に記載の手法では、ウエハの表面における赤外線の照射位置を、ウエハの中央部とウエハの周縁部との間で移動させることにより、ウエハの表面全域に対して赤外線を照射できる。
しかしながら、基板(ウエハ)の回転状態では、基板の周縁部の周速は基板中央部よりも速いので、赤外線ヒータから基板の周縁部に与えられる単位面積当たりの熱量は、基板中央部に比して少ない。そのため、赤外線の照射にも拘らず、基板の表面周縁部における基板やSPMの温度が、基板の中央部に比して低くなっているおそれがある。その結果、基板の表面周縁部におけるレジスト除去効率が、基板の表面中央部に比して低下するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、基板の周縁部におけるレジスト除去率を向上させることができ、これにより、基板の表面全域からレジストを良好に除去できる基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、基板(W)の表面からレジストを除去するための方法であって、前記基板を所定の軸線(A1)回りに回転させる基板回転工程(S2)と、前記基板回転工程の実行と並行して、第1のノズル(21)から、前記基板の表面中央部を含む所定の領域に向けて、硫酸と過酸化水素水とを含むSPMを吐出するSPM供給工程(S3)と、前記SPM供給工程の実行と並行して、前記第1のノズルとは異なる第2のノズル(31)から、前記基板の表面周縁部に向けて、過酸化水素水を含む過酸化水素水含有液を吐出する過酸化水素水含有液供給工程(S3)と、前記SPM供給工程および前記過酸化水素水含有液供給工程の実行と並行して、加熱手段(58)によって前記基板の表面を加熱する加熱工程(S3)と、前記加熱工程に並行して、前記基板の表面に対する前記加熱手段からの加熱領域を、前記表面周縁部を含む領域の間で移動させる加熱領域移動工程(S3)とを含む、基板処理方法を提供する。
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符合を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。
この方法によれば、第1のノズルから吐出されるSPMは、基板の表面中央部に着液した後、基板の回転による遠心力を受けて基板の表面に沿って外方に流れる。また、第2のノズルから吐出される過酸化水素水含有液は基板の表面周縁部に着液する。基板の表面周縁部に対する過酸化水素水含有液の供給に伴って、基板の表面周縁部に新鮮なSPMが存在するようになる。
この方法によれば、第1のノズルから吐出されるSPMは、基板の表面中央部に着液した後、基板の回転による遠心力を受けて基板の表面に沿って外方に流れる。また、第2のノズルから吐出される過酸化水素水含有液は基板の表面周縁部に着液する。基板の表面周縁部に対する過酸化水素水含有液の供給に伴って、基板の表面周縁部に新鮮なSPMが存在するようになる。
基板の回転状態において、基板の周縁部の周速は基板の中央部よりも速いので、基板の表面周縁部に対向する状態にある加熱手段から基板の表面周縁部に与えられる単位面積当たりの熱量は、基板の表面周縁部に対向する状態にある加熱手段から基板の表面周縁部に与えられる単位面積当たりの熱量に比して少ない。しかしながら、基板の周縁部に新鮮なSPMが存在するので、基板の表面周縁部において、SPMによるレジスト除去効率を高めることができる。これにより、基板の表面全域からレジストを良好に除去できる基板処理方法を提供できる。
請求項2に記載の発明は、前記過酸化水素水含有液は、硫酸と過酸化水素水とを含むSPMである、請求項1に記載の基板処理方法である。
この方法によれば、第2のノズルから基板の表面周縁部に向けて新鮮なSPMが吐出される。すなわち、高いレジスト除去力を有する新鮮なSPMが基板の表面周縁部に付与される。
この方法によれば、第2のノズルから基板の表面周縁部に向けて新鮮なSPMが吐出される。すなわち、高いレジスト除去力を有する新鮮なSPMが基板の表面周縁部に付与される。
高いレジスト除去力を有する新鮮なSPMが、基板の表面周縁部に付与されるので、基板の表面周縁部において、SPMによるレジスト除去効率を高めることができる。これにより、基板の表面全域からレジストを良好に除去できる基板処理方法を提供することができる。
請求項3に記載のように、前記過酸化水素水含有液供給工程は、前記SPM供給工程時と同じ硫酸濃度を有するSPMを吐出してもよい。
請求項3に記載のように、前記過酸化水素水含有液供給工程は、前記SPM供給工程時と同じ硫酸濃度を有するSPMを吐出してもよい。
請求項4に記載の発明は、前記過酸化水素水含有液供給工程は、前記SPM供給工程時よりも低い硫酸濃度を有するSPMを吐出する、請求項2に記載の基板処理方法である。
この方法によれば、請求項2に関連して記載した作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
すなわち、第1のノズルから吐出される高濃度のSPMは、基板の表面中央部に着液した後、基板の回転による遠心力を受けて基板の表面に沿って外方に流れる。また、第2のノズルから吐出される低濃度のSPMは基板の表面周縁部に着液する。そして、基板の表面周縁部において、基板Wの表面中央部から流れてくる高濃度のSPMと、第2のノズルからの低濃度のSPMとが混合する。その結果、低濃度のSPMに含まれる過酸化水素水が、基板の表面中央部からのSPMに含まれる硫酸と反応して、基板Wの表面周縁部において新たなSPMが生成される。これにより、基板Wの表面周縁部においてペルオキソ一硫酸が多量に発生すると共に、反応熱により基板Wの表面周縁部のSPMが昇温する。これにより、基板Wの表面周縁部においてレジスト除去効率をより一層高めることができる。
この方法によれば、請求項2に関連して記載した作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
すなわち、第1のノズルから吐出される高濃度のSPMは、基板の表面中央部に着液した後、基板の回転による遠心力を受けて基板の表面に沿って外方に流れる。また、第2のノズルから吐出される低濃度のSPMは基板の表面周縁部に着液する。そして、基板の表面周縁部において、基板Wの表面中央部から流れてくる高濃度のSPMと、第2のノズルからの低濃度のSPMとが混合する。その結果、低濃度のSPMに含まれる過酸化水素水が、基板の表面中央部からのSPMに含まれる硫酸と反応して、基板Wの表面周縁部において新たなSPMが生成される。これにより、基板Wの表面周縁部においてペルオキソ一硫酸が多量に発生すると共に、反応熱により基板Wの表面周縁部のSPMが昇温する。これにより、基板Wの表面周縁部においてレジスト除去効率をより一層高めることができる。
請求項5に記載の発明は、前記過酸化水素水含有液は、過酸化水素水供給工程である、請求項1に記載の基板処理方法である。
この方法によれば、第1のノズルから吐出されるSPMは、基板の表面中央部に着液した後、基板の回転による遠心力を受けて基板の表面に沿って外方に流れる。また、第2のノズルから吐出される過酸化水素水は基板の表面周縁部に着液する。そして、基板の表面周縁部において、基板Wの表面中央部から流れてくるSPMと、第2のノズルからの過酸化水素水とが混合する。その結果、過酸化水素水が、基板の表面中央部からのSPMに含まれる硫酸と反応して、基板Wの表面周縁部において新たなSPMが生成される。これにより、基板Wの表面周縁部においてペルオキソ一硫酸が多量に発生すると共に、反応熱により基板Wの表面周縁部のSPMが昇温する。これにより、基板Wの表面周縁部において、SPMによるレジスト除去効率をより一層高めることができる。
この方法によれば、第1のノズルから吐出されるSPMは、基板の表面中央部に着液した後、基板の回転による遠心力を受けて基板の表面に沿って外方に流れる。また、第2のノズルから吐出される過酸化水素水は基板の表面周縁部に着液する。そして、基板の表面周縁部において、基板Wの表面中央部から流れてくるSPMと、第2のノズルからの過酸化水素水とが混合する。その結果、過酸化水素水が、基板の表面中央部からのSPMに含まれる硫酸と反応して、基板Wの表面周縁部において新たなSPMが生成される。これにより、基板Wの表面周縁部においてペルオキソ一硫酸が多量に発生すると共に、反応熱により基板Wの表面周縁部のSPMが昇温する。これにより、基板Wの表面周縁部において、SPMによるレジスト除去効率をより一層高めることができる。
請求項6に記載のように、基板処理方法は、前記SPM供給工程の実行に並行して、前記基板の表面における、前記第1のノズルからのSPMの供給位置を移動させる供給位置移動工程をさらに含んでいてもよい。
前記の目的を達成するための請求項7に記載の発明は、基板の表面からレジストを除去するための装置(1)であって、前記基板を保持しつつ、所定の軸線回りに回転させる基板回転保持手段(5)と、第1のノズル(21)を有し、前記基板の表面中央部を含む所定の領域に向けて、硫酸と過酸化水素水とを含むSPMを、前記第1のノズルから吐出する第1のSPM供給手段(6)と、前記第1のノズルとは異なる第2のノズル(31)を有し、前記基板の表面周縁部に向けて、過酸化水素水を含む過酸化水素水含有液を吐出する過酸化水素水含有液供給手段(7)と、前記基板の表面を加熱する加熱手段(58)と、前記基板の表面に対する前記加熱手段からの加熱領域を、前記表面周縁部を含む領域の間で移動させる加熱領域移動手段(60)とを含む、基板処理装置である。
前記の目的を達成するための請求項7に記載の発明は、基板の表面からレジストを除去するための装置(1)であって、前記基板を保持しつつ、所定の軸線回りに回転させる基板回転保持手段(5)と、第1のノズル(21)を有し、前記基板の表面中央部を含む所定の領域に向けて、硫酸と過酸化水素水とを含むSPMを、前記第1のノズルから吐出する第1のSPM供給手段(6)と、前記第1のノズルとは異なる第2のノズル(31)を有し、前記基板の表面周縁部に向けて、過酸化水素水を含む過酸化水素水含有液を吐出する過酸化水素水含有液供給手段(7)と、前記基板の表面を加熱する加熱手段(58)と、前記基板の表面に対する前記加熱手段からの加熱領域を、前記表面周縁部を含む領域の間で移動させる加熱領域移動手段(60)とを含む、基板処理装置である。
この構成によれば、請求項1に関連して説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の模式的な平面図である。図2は、基板処理装置1に備えられたチャンバ4の内部を水平に見た模式図である。図3は、スピンベース12およびこれに関連する構成の模式的な平面図である。図4は、赤外線ヒータ58の縦断面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の模式的な平面図である。図2は、基板処理装置1に備えられたチャンバ4の内部を水平に見た模式図である。図3は、スピンベース12およびこれに関連する構成の模式的な平面図である。図4は、赤外線ヒータ58の縦断面図である。
図1に示すように、基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、処理液や処理ガスによって基板Wを処理する複数の処理ユニット2と、各処理ユニット2のチャンバ4に対して基板Wの搬入および搬出を行う基板搬送ロボットCRと、基板処理装置1に備えられた装置の動作やバルブの開閉などを制御する制御装置(制御手段)3とを含む。
図2に示すように、各処理ユニット2は、枚葉式のユニットである。各処理ユニット2は、内部空間を有する箱形のチャンバ4と、チャンバ4内で一枚の基板Wを水平な姿勢で保持して、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線(所定の軸線)A1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック(基板保持回転手段)5と、スピンチャック5に保持されている基板WにSPM(硫酸過酸化水素水混合液。H2SO4(硫酸)およびH2O2(過酸化水素水)を含む混合液)またはH2O2を供給する第1のSPM供給ユニット(第1のSPM供給手段)6と、スピンチャック5に保持されている基板Wの周縁部にSPMまたはH2O2を供給する第2のSPM供給ユニット(過酸化水素水含有液供給手段)7と、スピンチャック5に保持されている基板Wに薬液の一例のSC1(NH4OHとH2O2とを含む混合液)を供給するSC1供給ユニット8と、スピンチャック5に保持されている基板Wにリンス液を供給するリンス液供給ユニット9と、基板Wを加熱する加熱ユニット10と、スピンチャック5を取り囲む筒状のカップ11とを含む。
図2に示すように、スピンチャック5は、水平な姿勢で保持された円板状のスピンベース12と、スピンベース12の上方で基板Wを水平な姿勢で保持する複数のチャックピン13と、スピンベース12の中央部から下方に延びる回転軸14と、回転軸14を回転させることにより基板Wおよびスピンベース12を回転軸線A1まわりに回転させるスピンモータ15とを含む。スピンチャック5は、複数のチャックピン13を基板Wの周端面に接触させる挟持式のチャックに限らず、非デバイス形成面である基板Wの裏面(下面)をスピンベース12の上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持するバキューム式のチャックであってもよい。
図2に示すように、第1のSPM供給ユニット6は、SPMまたはH2O2を基板Wの上面に向けて選択的に吐出する第1のSPMノズル(第1のノズル)21と、第1のSPMノズル21が先端部に取り付けられた第1のノズルアーム22と、第1のノズルアーム22を移動させることにより、第1のSPMノズル21を移動させる第1のノズル移動ユニット23とを含む。
第1のSPMノズル21は、たとえば、連続流の状態でSPMおよびH2O2を選択的に吐出するストレートノズルであり、たとえば基板Wの上面に垂直な方向に処理液を吐出する垂直姿勢で第1のノズルアーム22に取り付けられている。第1のノズルアーム22は水平方向に延びており、図3に示すように、スピンチャック5の周囲で鉛直方向に延びる回転軸線A2まわりに回転可能に設けられている。なお、第1のSPMノズル21は、吐出口よりも内方(回転軸線A1側)の位置にSPMまたはH2O2が着液するように基板Wの上面に対して傾いた吐出方向にSPMまたはH2O2が吐出される内向き姿勢で第1のノズルアーム22に保持されていてもよいし、吐出口よりも外方(回転軸線A1とは反対側)の位置にSPMまたはH2O2が着液するように基板Wの上面に対して傾いた吐出方向にSPMまたはH2O2を吐出する外向き姿勢で第1のノズルアーム22に保持されていてもよい。
図3に示すように、第1のノズル移動ユニット23は、回転軸線A2まわりに第1のノズルアーム22を回転させることにより、平面視で基板Wの上面中央部を通る軌跡に沿って第1のSPMノズル21を水平に移動させる。第1のノズル移動ユニット23は、第1のSPMノズル21から吐出されたSPMが基板Wの上面に着液する処理位置と、第1のSPMノズル21が平面視でスピンチャック5の周囲に設定されたホーム位置との間で、第1のSPMノズル21を水平に移動させる。この実施形態では、前記の処理位置は、たとえば、第1のSPMノズル21から吐出されたSPMまたはH2O2が基板Wの上面中央部に着液する中央位置である。
図2に示すように、第1のSPM供給ユニット6は、第1のSPMノズル21に接続され、硫酸供給源からH2SO4が供給される第1の硫酸配管24と、過酸化水素水供給源からH2O2が供給される第1の過酸化水素水配管25とをさらに含む。
第1の硫酸配管24の途中部には、第1の硫酸配管24を開閉するための第1の硫酸バルブ26、第1の硫酸流量調整バルブ27および第1のヒータ28が、第1のSPMノズル21側からこの順に介装されている。第1のヒータ28は、H2SO4を室温よりも高い温度(70〜120℃の範囲内の一定温度。たとえば90℃)に維持する。H2SO4を加熱する第1のヒータ28は、図2に示すようなワンパス方式のヒータであってもよいし、ヒータを含む循環経路の内部にH2SO4を循環させることによりH2SO4を加熱する循環方式のヒータであってもよい。後述する第2のヒータ38についても同様である。図示はしないが、第1の硫酸流量調整バルブ27は、弁座が内部に設けられたバルブボディと、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータとを含む。他の流量調整バルブについても同様である。
第1の硫酸配管24の途中部には、第1の硫酸配管24を開閉するための第1の硫酸バルブ26、第1の硫酸流量調整バルブ27および第1のヒータ28が、第1のSPMノズル21側からこの順に介装されている。第1のヒータ28は、H2SO4を室温よりも高い温度(70〜120℃の範囲内の一定温度。たとえば90℃)に維持する。H2SO4を加熱する第1のヒータ28は、図2に示すようなワンパス方式のヒータであってもよいし、ヒータを含む循環経路の内部にH2SO4を循環させることによりH2SO4を加熱する循環方式のヒータであってもよい。後述する第2のヒータ38についても同様である。図示はしないが、第1の硫酸流量調整バルブ27は、弁座が内部に設けられたバルブボディと、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータとを含む。他の流量調整バルブについても同様である。
第1の過酸化水素水配管25の途中部には、第1の過酸化水素水配管25を開閉するための第1の過酸化水素水バルブ29と、第1の過酸化水素水流量調整バルブ30とが、第1のSPMノズル21側からこの順に介装されている。第1のSPMノズル21には、温度調整されていない常温(約23℃)程度のH2O2が、第1の過酸化水素水配管25を通して供給される。
第1のSPMノズル21は、たとえば略円筒状のケーシング(図示しない)を有している。第1の硫酸配管24は、第1のSPMノズル21のケーシングの側壁に配置された硫酸導入口に接続されている。
第1の硫酸バルブ26および第1の過酸化水素水バルブ29が開かれると、第1の硫酸配管24からのH2SO4および第1の過酸化水素水配管25からのH2O2が、第1のSPMノズル21のケーシング(図示しない)内へと供給され、ケーシング内において十分に混合(攪拌)される。この混合によって、H2SO4とH2O2とが均一に混ざり合い、H2SO4とH2O2との反応によってH2SO4およびH2O2の混合液(SPM)が生成される。SPMは、酸化力が強いペルオキソ一硫酸(Peroxymonosulfuric acid;H2SO5)を含み、混合前のH2SO4およびH2O2の温度よりも高い温度(100℃以上。たとえば160℃)まで昇温させられる。生成された高温のSPMは、第1のSPMノズル21のケーシングの先端(たとえば下端)に開口した吐出口から吐出される。
第1の硫酸バルブ26および第1の過酸化水素水バルブ29が開かれると、第1の硫酸配管24からのH2SO4および第1の過酸化水素水配管25からのH2O2が、第1のSPMノズル21のケーシング(図示しない)内へと供給され、ケーシング内において十分に混合(攪拌)される。この混合によって、H2SO4とH2O2とが均一に混ざり合い、H2SO4とH2O2との反応によってH2SO4およびH2O2の混合液(SPM)が生成される。SPMは、酸化力が強いペルオキソ一硫酸(Peroxymonosulfuric acid;H2SO5)を含み、混合前のH2SO4およびH2O2の温度よりも高い温度(100℃以上。たとえば160℃)まで昇温させられる。生成された高温のSPMは、第1のSPMノズル21のケーシングの先端(たとえば下端)に開口した吐出口から吐出される。
図2に示すように、第2のSPM供給ユニット7は、SPMまたはH2O2を基板Wの上面周縁部に向けて選択的に吐出する第2のSPMノズル(第2のノズル)31を含む。第2のSPMノズル31は、たとえば、連続流の状態でSPMおよびH2O2を選択的に吐出するストレートノズルであり、吐出口が静止された状態でSPMまたはH2O2を吐出する固定ノズルである。
第2のSPM供給ユニット7は、第2のSPMノズル31に接続され、硫酸供給源からH2SO4が供給される第2の硫酸配管34と、過酸化水素水供給源からH2O2が供給される第2の過酸化水素水配管35とをさらに含む。
第2の硫酸配管34の途中部には、第2の硫酸配管34を開閉するための第2の硫酸バルブ36、第2の硫酸流量調整バルブ37および第2のヒータ38が、第2のSPMノズル31側からこの順に介装されている。第2のヒータ38は、H2SO4を室温よりも高い温度(70〜120℃の範囲内の一定温度。たとえば90℃)に維持する。
第2の硫酸配管34の途中部には、第2の硫酸配管34を開閉するための第2の硫酸バルブ36、第2の硫酸流量調整バルブ37および第2のヒータ38が、第2のSPMノズル31側からこの順に介装されている。第2のヒータ38は、H2SO4を室温よりも高い温度(70〜120℃の範囲内の一定温度。たとえば90℃)に維持する。
第2の過酸化水素水配管35の途中部には、第2の過酸化水素水配管35を開閉するための第2の過酸化水素水バルブ39と、第2の過酸化水素水流量調整バルブ40とが、第2のSPMノズル31側からこの順に介装されている。第2のSPMノズル31には、温度調整されていない常温(約23℃)程度のH2O2が、第2の過酸化水素水配管35を通して供給される。
第2のSPMノズル31は、たとえば略円筒状のケーシング(図示しない)を有している。第2の硫酸配管34は、第2のSPMノズル31のケーシングの側壁に配置された硫酸導入口(図示しない)に接続されている。
第2の硫酸バルブ36および第2の過酸化水素水バルブ39が開かれると、第2の硫酸配管34からのH2SO4および第2の過酸化水素水配管35からのH2O2が、第2のSPMノズル31のケーシング内へと供給され、ケーシング内において十分に混合(攪拌)される。この混合によって、H2SO4とH2O2とが均一に混ざり合い、H2SO4とH2O2との反応によってSPMが生成される。SPMは、酸化力が強いペルオキソ一硫酸を含み、混合前のH2SO4およびH2O2の温度よりも高い温度(100℃以上。たとえば160℃)まで昇温させられる。第2のSPMノズル31の混合室において生成された高温(たとえば、160℃)のSPMは、ケーシングの先端(たとえば下端)に開口した吐出口から吐出される。
第2の硫酸バルブ36および第2の過酸化水素水バルブ39が開かれると、第2の硫酸配管34からのH2SO4および第2の過酸化水素水配管35からのH2O2が、第2のSPMノズル31のケーシング内へと供給され、ケーシング内において十分に混合(攪拌)される。この混合によって、H2SO4とH2O2とが均一に混ざり合い、H2SO4とH2O2との反応によってSPMが生成される。SPMは、酸化力が強いペルオキソ一硫酸を含み、混合前のH2SO4およびH2O2の温度よりも高い温度(100℃以上。たとえば160℃)まで昇温させられる。第2のSPMノズル31の混合室において生成された高温(たとえば、160℃)のSPMは、ケーシングの先端(たとえば下端)に開口した吐出口から吐出される。
図2に示すように、SC1供給ユニット8は、SC1を基板Wの上面に向けて吐出するSC1ノズル41と、SC1ノズル41が先端部に取り付けられた第2のノズルアーム42と、第2のノズルアーム42を移動させることにより、SC1ノズル41を移動させる第2のノズル移動ユニット43とを含む。図3に示すように、第2のノズル移動ユニット43は、スピンチャック5の周囲で上下方向に延びる回動軸線A3まわりに第2のノズルアーム42を回動させることにより、SC1ノズル41を水平に移動させる。
SC1供給ユニット8は、SC1をSC1ノズル41に案内するSC1配管44と、SC1配管44の内部を開閉するSC1バルブ45とを含む。第SC1バルブ45が開かれると、SC1供給源からのSC1が、SC1配管44からSC1ノズル41に供給される。これにより、SC1が、SC1ノズル41から吐出される。
図2に示すように、リンス液供給ユニット9は、スピンチャック5に保持されている基板Wに向けてリンス液を吐出するリンス液ノズル46と、リンス液ノズル46にリンス液を供給するリンス液配管47と、リンス液配管47からリンス液ノズル46へのリンス液の供給および供給停止を切り替えるリンス液バルブ48とを含む。リンス液ノズル46は、リンス液ノズル46の吐出口が静止された状態でリンス液を吐出する固定ノズルである。リンス液供給ユニット8は、リンス液ノズル46を移動させることにより、基板Wの上面に対するリンス液の着液位置を移動させるリンス液ノズル移動装置を備えていてもよい。
図2に示すように、リンス液供給ユニット9は、スピンチャック5に保持されている基板Wに向けてリンス液を吐出するリンス液ノズル46と、リンス液ノズル46にリンス液を供給するリンス液配管47と、リンス液配管47からリンス液ノズル46へのリンス液の供給および供給停止を切り替えるリンス液バルブ48とを含む。リンス液ノズル46は、リンス液ノズル46の吐出口が静止された状態でリンス液を吐出する固定ノズルである。リンス液供給ユニット8は、リンス液ノズル46を移動させることにより、基板Wの上面に対するリンス液の着液位置を移動させるリンス液ノズル移動装置を備えていてもよい。
リンス液バルブ48が開かれると、リンス液配管47からリンス液ノズル46に供給されたリンス液が、リンス液ノズル46から基板Wの上面中央部に向けて吐出される。リンス液は、たとえば、純水(脱イオン水:Deionzied Water)である。リンス液は、純水に限らず、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水および希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。
図2に示すように、カップ11は、スピンチャック5に保持されている基板Wよりも外方(回転軸線A1から離れる方向)に配置されている。カップ11は、スピンベース12の周囲を取り囲んでいる。スピンチャック5が基板Wを回転させている状態で、処理液が基板Wに供給されると、基板Wに供給された処理液が基板Wの周囲に振り切られる。処理液が基板Wに供給されるとき、上向きに開いたカップ11の上端部11aは、スピンベース12よりも上方に配置される。したがって、基板Wの周囲に排出された薬液(SPMやSC1を含む)やリンス液などは、カップ11によって受け止められる。そして、カップ11に受け止められた処理液は、図示しない回収装置または廃液装置に送られる。
図2に示すように、加熱ユニット10は、赤外線を基板Wに照射する赤外線ヒータ(加熱手段)58と、赤外線ヒータ58が先端部に取り付けられたヒータアーム59と、ヒータアーム59を移動させるヒータ移動ユニット(加熱領域移動手段)60とを含む。
図2に示すように、赤外線ヒータ58は、赤外線を発する赤外線ランプ61と、赤外線ランプ61を収容するランプハウジング62とを含む。赤外線ランプ61は、ランプハウジング62内に配置されている。図3に示すように、ランプハウジング62は、平面視で基板Wよりも小さい。そのため、このランプハウジング62内に配置されている赤外線ヒータ58は、平面視で基板Wよりも小さい。赤外線ランプ61およびランプハウジング62は、ヒータアーム59に取り付けられている。そのため、赤外線ランプ61およびランプハウジング62は、ヒータアーム59と共に移動する。
図2に示すように、赤外線ヒータ58は、赤外線を発する赤外線ランプ61と、赤外線ランプ61を収容するランプハウジング62とを含む。赤外線ランプ61は、ランプハウジング62内に配置されている。図3に示すように、ランプハウジング62は、平面視で基板Wよりも小さい。そのため、このランプハウジング62内に配置されている赤外線ヒータ58は、平面視で基板Wよりも小さい。赤外線ランプ61およびランプハウジング62は、ヒータアーム59に取り付けられている。そのため、赤外線ランプ61およびランプハウジング62は、ヒータアーム59と共に移動する。
図4に示すように、赤外線ランプ61は、制御装置3に接続されている。赤外線ランプ61は、たとえばハロゲンランプである。赤外線ランプ61は、ハロゲンランプの代わりに、カーボンヒータ等の他の発熱体であってもよい。赤外線ランプ61は、フィラメントと、フィラメントを収容する石英管とを含む。ランプハウジング62は次に述べるように透過部材を含み、そのため、赤外線ランプ61が発光すると、赤外線ランプ61からの光が、ランプハウジング62を透過してランプハウジング62の外面から外方に放射される。
図4に示すように、ランプハウジング62の次に述べる底板部66の下面は、基板Wの上面と平行でかつ平坦な基板対向面58aを含む。赤外線ヒータ58が基板Wの上方に配置されている状態では、赤外線ヒータ58の基板対向面58aが、間隔を空けて基板Wの上面に上下方向に対向する。この状態で赤外線ランプ61が赤外線を発すると、赤外線を含む光が基板対向面58aから基板Wの上面に向かい、基板Wの上面に照射される。基板対向面58aは、たとえば、直径が基板Wの半径よりも小さい円形である。基板対向面58aは、円形に限らず、長手方向の長さが基板Wの半径以上である矩形状であってもよいし、円形および矩形以外の形状であってもよい。
図4に示すように、赤外線ランプ61は、水平面に沿って配置された有端の円環部63と、円環部63の一端部および他端部から上方に延びる一対の鉛直部64とを含む。ランプハウジング62は、赤外線を透過させる透過部材を含む。透過部材は、上下方向に延びる筒状の収容部65と、収容部65の下端を塞ぐ円盤状の底板部66とを含む。ランプハウジング62は、さらに収容部65の上端を塞ぐ蓋部材67と、赤外線ランプ61の一対の鉛直部64を支持する支持部材68とを含む。赤外線ランプ61は、支持部材68を介して蓋部材に支持されている。赤外線ランプ61の円環部は、収容部65と底板部66と蓋部材67とによって区画された空間に配置されている。底板部66は、赤外線ランプ61の下方に配置されており、間隔を空けて赤外線ランプ61に上下方向に対向している。
図2に示すように、ヒータ移動ユニット60は、赤外線ヒータ58を所定の高さで保持している。図3に示すように、ヒータ移動ユニット60は、スピンチャック5の周囲で上下方向に延びる回動軸線A4まわりにヒータアーム59を回動させることにより、赤外線ヒータ58を水平に移動させる。これにより、赤外線を含む光が照射され加熱される加熱領域(基板Wの上面内の一部の領域)が基板Wの上面内で移動する。ヒータ移動ユニット60は、平面視で基板Wの中心を通る円弧状の軌跡に沿ってヒータアーム59の先端部を水平に移動させる。したがって、赤外線ヒータ58は、スピンチャック5の上方を含む水平面内で移動する。また、ヒータ移動ユニット60は、赤外線ヒータ58を鉛直方向に移動させることにより、基板対向面58aと基板Wとの距離を変化させる。
図4に示すように、赤外線ヒータ58からの赤外線は、基板Wの上面内の加熱領域に照射される。制御装置3は、赤外線ヒータ58が発光している状態で、スピンチャック5によって基板Wを回転させながら、ヒータ移動ユニット60によって赤外線ヒータ58を回動軸線A4まわりに回動させる。これにより、基板Wの上面が、赤外線ヒータ58の加熱領域によって走査される。そのため、処理液などの液体(たとえばSPM)が基板W上に保持されている状態で赤外線ランプ61が発光すると、基板Wの温度が上昇し、それに伴って、基板W上の液体の温度も上昇する。あるいは基板W上の液体自体が加熱され昇温する。
制御装置3は、たとえばマイクロコンピュータなどによって構成されている。制御装置3は、予め定められたプログラムに従って、スピンモータ15、第1および第2のノズル移動ユニット23,43、ヒータ移動ユニット60、第1および第2のヒータ28,38等の動作を制御する。また、制御装置3は、赤外線ランプ61に供給される電力を調整する。さらに、制御装置3は、第1の硫酸バルブ26、第1の過酸化水素水バルブ29、第2の硫酸バルブ36、第2の過酸化水素水バルブ39、SC1バルブ45、リンス液バルブ48等の開閉を制御すると共に、流量調整バルブ27,30,37,40の開度を制御する。
図5は、処理ユニット2によって行われるレジスト除去処理の第1の処理例を示すフローチャートである。図6は、第1の処理例のSPM供給工程(S3)が行われているときの基板Wを水平に見た模式図である。
以下、図2、図5および図6を参照しつつレジスト除去処理の第1の処理例について説明する。図3および図4については適宜参照する。
以下、図2、図5および図6を参照しつつレジスト除去処理の第1の処理例について説明する。図3および図4については適宜参照する。
処理ユニット2によって基板Wにレジスト除去処理が施されるときには、チャンバ4の内部に、高ドーズでのイオン注入処理後の基板Wが搬入される(ステップS1)。搬入される基板Wは、レジストをアッシングするための処理を受けていないものとする。具体的には、制御装置3は、ノズル等が全てスピンチャック5の上方から退避している状態で、基板Wを保持している基板搬送ロボットCR(図1参照)のハンドをチャンバ4の内部に進入させることにより、基板Wがその表面を上方に向けた状態でスピンチャック5に受け渡される。その後、制御装置3は、スピンモータ15によって基板Wの回転を開始させる(ステップS2。基板回転工程)。基板Wは予め定める液処理速度(300〜1500rpmの範囲内で、たとえば500rpm)まで上昇させられ、その液処理速度に維持される。
基板Wの回転速度が液処理速度に達すると、次いで、制御装置3は、SPMを基板Wに供給するSPM供給工程(SPM供給工程および過酸化水素水含有液供給工程:ステップS3)を行う。SPM供給工程(S3)では、第1のSPMノズル21から吐出されるSPMが基板Wの上面中央部に着液すると共に、第2のSPMノズル31から吐出されるSPMが基板Wの上面周縁部に着液する。
具体的には、制御装置3は、第1のノズル移動ユニット23を制御することにより、第1のSPMノズル21をホーム位置から中央位置に移動させる。これにより、第1のSPMノズル21が基板Wの中央部の上方に配置される。
第1のSPMノズル21が基板Wの上方に配置された後、制御装置3は、第1の硫酸バルブ26および第1の過酸化水素水バルブ29を同時に開く。これにより、第1の硫酸配管24の内部を流通するH2SO4が第1のSPMノズル21に供給されると共に、第1の過酸化水素水配管25を流通する過酸化水素水が第1のSPMノズル21に供給される。そして、第1のSPMノズル21のケーシング内においてH2SO4とH2O2とが混合され、高温(たとえば、160℃)のSPMが生成される。そのSPMが、第1のSPMノズル21の吐出口から吐出され、基板Wの上面の中央部に着液する。
第1のSPMノズル21が基板Wの上方に配置された後、制御装置3は、第1の硫酸バルブ26および第1の過酸化水素水バルブ29を同時に開く。これにより、第1の硫酸配管24の内部を流通するH2SO4が第1のSPMノズル21に供給されると共に、第1の過酸化水素水配管25を流通する過酸化水素水が第1のSPMノズル21に供給される。そして、第1のSPMノズル21のケーシング内においてH2SO4とH2O2とが混合され、高温(たとえば、160℃)のSPMが生成される。そのSPMが、第1のSPMノズル21の吐出口から吐出され、基板Wの上面の中央部に着液する。
第1のSPMノズル21からのSPMは、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面に沿って外方に流れる。そして、図6に示すように、基板Wの上面全域を覆うSPMの液膜80が基板W上に形成される。
ここで、第1のSPMノズル21からは混合直後のSPMが吐出されるため、第1のSPMノズル21から吐出されたSPMは、上面中央部では高温(たとえば160℃)を有している。しかし、基板Wの上面に沿って流れる過程で、基板Wや外気との熱交換により温度低下するおそれがある。また、SPMは生成(混合)直後からその化学活性度が減衰していく性質があり、第1のSPMノズル21から吐出されたSPMは、基板Wの上面周縁部に向けて流れる過程でその活性度が減衰する。すなわち、基板Wの上面周縁部においてペルオキソ一硫酸が少量になっているおそれがある。
ここで、第1のSPMノズル21からは混合直後のSPMが吐出されるため、第1のSPMノズル21から吐出されたSPMは、上面中央部では高温(たとえば160℃)を有している。しかし、基板Wの上面に沿って流れる過程で、基板Wや外気との熱交換により温度低下するおそれがある。また、SPMは生成(混合)直後からその化学活性度が減衰していく性質があり、第1のSPMノズル21から吐出されたSPMは、基板Wの上面周縁部に向けて流れる過程でその活性度が減衰する。すなわち、基板Wの上面周縁部においてペルオキソ一硫酸が少量になっているおそれがある。
また、第1のSPMノズル21からのSPM吐出(バルブ26,29の開成)に併せて、制御装置3は、第2の硫酸バルブ36および第2の過酸化水素水バルブ39を同時に開く。これにより、第2の硫酸配管34の内部を流通するH2SO4が第2のSPMノズル31に供給されると共に、第2の過酸化水素水配管35を流通する過酸化水素水が第2のSPMノズル31に供給される。そして、第2のSPMノズル31のケーシング内においてH2SO4とH2O2とが混合され、高温(たとえば、160℃)のSPMが生成される。そのSPMが、第2のSPMノズル21の吐出口から吐出され、基板Wの上面周縁部に着液する。すなわち、第2のSPMノズル31から、生成(混合)直後の新鮮なSPMが吐出される。混合直後のSPMは、多量のペルオキソ一硫酸が含まれると共に、H2SO4とH2O2との反応熱により高温(たとえば160℃)を有しており、高いレジスト除去力を有している。
なお、第1の処理例において、第2のSPMノズル31から吐出されるSPMのH2SO4は、第1のSPMノズル21から吐出されるSPMと略同濃度である。具体的には、第1および第2のSPMノズル21,31から、H2SO4濃度が比較的高濃度(たとえば、H2SO4:H2O2=2:1)のSPMが吐出される。
また、SPM供給工程(S3)と並行して、赤外線ヒータ58によって基板Wおよび基板W上のSPMを基板Wに供給される前のSPMの温度よりも高温の加熱温度で加熱する加熱工程が行われる。具体的には、制御装置3は、ヒータ移動ユニット60を制御することにより、図3に示すように、赤外線ヒータ58を退避位置から処理位置に移動させる。これにより、赤外線ヒータ58が基板Wの上方に配置される。その後、制御装置3は、赤外線ヒータ58に発光を開始させる。これにより、赤外線ヒータ58の温度が加熱温度(たとえば200℃以上)まで上昇し、その加熱温度に維持される。
また、SPM供給工程(S3)と並行して、赤外線ヒータ58によって基板Wおよび基板W上のSPMを基板Wに供給される前のSPMの温度よりも高温の加熱温度で加熱する加熱工程が行われる。具体的には、制御装置3は、ヒータ移動ユニット60を制御することにより、図3に示すように、赤外線ヒータ58を退避位置から処理位置に移動させる。これにより、赤外線ヒータ58が基板Wの上方に配置される。その後、制御装置3は、赤外線ヒータ58に発光を開始させる。これにより、赤外線ヒータ58の温度が加熱温度(たとえば200℃以上)まで上昇し、その加熱温度に維持される。
赤外線ヒータ58が基板Wの上方で発光を開始した後、制御装置3は、図6に示すように、ヒータ移動ユニット60によって赤外線ヒータ58を移動させることにより、基板Wの上面における赤外線ヒータ58による加熱領域(赤外線の照射位置)を、基板Wの上面周縁部と基板Wの上面中央部との間で移動させる(加熱領域移動工程)。基板Wが前記の液処理速度(たとえば500rpm)で回転している状態で、基板Wおよび基板W上のSPMが加熱される。基板Wの回転状態において、基板Wの周縁部の周速は基板Wの中央部よりも速いので、基板Wの上面周縁部に対向する状態にある赤外線ヒータ58から基板Wの上面周縁部に与えられる単位面積当たりの熱量は、基板Wの上面周縁部に対向する状態にある赤外線ヒータ58から基板Wの上面周縁部に与えられる単位面積当たりの熱量に比して少ない。
制御装置3は、赤外線ヒータ58による基板Wの加熱が所定時間にわたって行われた後、赤外線ヒータ58の発光を停止させる。その後、制御装置3は、ヒータ移動ユニット60を制御することにより、赤外線ヒータ58を基板Wの上方から退避させる。
このように、制御装置3は、基板Wを回転させている状態で、基板Wの上面の加熱領域(赤外線の照射位置)を基板Wの上面内で移動させるので、基板Wの全面に対して熱量が与えられる。そのため、基板Wの上面全域を覆うSPMの液膜80も加熱される。これにより、基板WとSPMとの界面の温度が、高温に維持され、基板Wからのレジストの除去が促進される。
このように、制御装置3は、基板Wを回転させている状態で、基板Wの上面の加熱領域(赤外線の照射位置)を基板Wの上面内で移動させるので、基板Wの全面に対して熱量が与えられる。そのため、基板Wの上面全域を覆うSPMの液膜80も加熱される。これにより、基板WとSPMとの界面の温度が、高温に維持され、基板Wからのレジストの除去が促進される。
なお、処理位置に配置された状態で、赤外線ヒータ58の基板対向面が基板W上のSPMの液膜80に接触していてもよいし、図6に示すように、赤外線ヒータ58の基板対向面が基板W上のSPMの液膜80から所定距離だけ離隔していてもよい。
また、赤外線ヒータ58による基板Wの加熱時(加熱工程)において、基板Wの上方に配置された赤外線ヒータ58を、静止状態で配置するようにしてもよい、
SPMの吐出開始から予め定めるSPM処理時間が経過すると、SPM供給工程(S3)が終了する。SPM供給工程(S3)の終了に引き続いて、H2O2を基板Wに供給する過酸化水素水供給工程(ステップS4)が行われる。
また、赤外線ヒータ58による基板Wの加熱時(加熱工程)において、基板Wの上方に配置された赤外線ヒータ58を、静止状態で配置するようにしてもよい、
SPMの吐出開始から予め定めるSPM処理時間が経過すると、SPM供給工程(S3)が終了する。SPM供給工程(S3)の終了に引き続いて、H2O2を基板Wに供給する過酸化水素水供給工程(ステップS4)が行われる。
具体的には、制御装置3は、第1の過酸化水素水バルブ29を開いた状態に維持しつつ第1の硫酸バルブ26だけを閉じる。これにより、第1の硫酸配管24の内部をH2SO4が流通せずに、H2O2だけが第1の過酸化水素水配管25の内部を流通して第1のSPMノズル21に供給される。第1のSPMノズル21に供給されたH2O2は、第1のSPMノズル21のケーシング内を通って第1のSPMノズル21の吐出口から吐出される。そのH2O2が、液処理速度で回転している基板Wの上面中央部に着液する。すなわち、第1のSPMノズル21から吐出される処理液が、SPMからH2O2に切り換わる。
基板Wの上面中央部に着液したH2O2は、基板Wの周縁に向かって基板W上を外方に流れる。基板W上のSPMがH2O2に置換され、やがて、基板Wの上面全域が、H2O2の液膜によって覆われる。
また、第1の硫酸バルブ26の閉成と同期して、制御装置3は、第2の過酸化水素水バルブ39を開いた状態に維持しつつ第2の硫酸バルブ36だけを閉じる。これにより、第2の硫酸配管34の内部をH2SO4が流通せずに、H2O2だけが第2の過酸化水素水配管35の内部を流通して第2のSPMノズル31に供給される。第2のSPMノズル31に供給されたH2O2は、第2のSPMノズル31のケーシング内を通って第2のSPMノズル31の吐出口から吐出される。すなわち、第2のSPMノズル31から吐出される処理液が、SPMからH2O2に切り換わる。これにより、そのH2O2が、液処理速度で回転している基板Wの上面周縁部に着液する。
また、第1の硫酸バルブ26の閉成と同期して、制御装置3は、第2の過酸化水素水バルブ39を開いた状態に維持しつつ第2の硫酸バルブ36だけを閉じる。これにより、第2の硫酸配管34の内部をH2SO4が流通せずに、H2O2だけが第2の過酸化水素水配管35の内部を流通して第2のSPMノズル31に供給される。第2のSPMノズル31に供給されたH2O2は、第2のSPMノズル31のケーシング内を通って第2のSPMノズル31の吐出口から吐出される。すなわち、第2のSPMノズル31から吐出される処理液が、SPMからH2O2に切り換わる。これにより、そのH2O2が、液処理速度で回転している基板Wの上面周縁部に着液する。
第1および第2のSPMノズル21,31からのH2O2の吐出開始から、予め定める処理時間が経過すると、制御装置3は、第1の過酸化水素水バルブ29を閉じて、第1のSPMノズル21からのH2O2の吐出を停止させる。また、制御装置3は、第1のSPMノズル21を中央位置からホーム位置に移動させる。これにより、第1のSPMノズル21が基板Wの上方から退避させられる。
次いで、リンス液を基板Wに供給する第1のリンス液供給工程(ステップS5)が行われる。具体的には、制御装置3は、リンス液バルブ48を開いて、基板Wの上面中央部に向けてリンス液ノズル46からリンス液を吐出させる。リンス液ノズル46から吐出されたリンス液は、H2O2によって覆われている基板Wの上面中央部に着液する。基板Wの上面中央部に着液したリンス液は、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面上を基板Wの周縁部に向けて流れる。これにより、基板W上のH2O2が、リンス液によって外方に押し流され、基板Wの周囲に排出される。そのため、基板W上のH2O2の液膜が、基板Wの上面全域を覆うリンス液の液膜に置換される。これにより、基板Wの上面の全域においてH2O2が洗い流される。そして、リンス液バルブ48が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、リンス液バルブ48を閉じて、リンス液ノズル46からのリンス液の吐出を停止させる。
次いで、制御装置3は、SC1を基板Wに供給するSC1供給工程(ステップS6)を実行する。具体的には、制御装置3は、第2のノズル移動ユニット43を制御することにより、SC1ノズル41を退避位置から処理位置に移動させる。制御装置3は、SC1ノズル41が基板Wの上方に配置された後、SC1バルブ45を開いて、回転状態の基板Wの上面に向けてSC1をSC1ノズル41に吐出させる。この状態で、制御装置3は、第2のノズル移動ユニット43を制御することにより、基板Wの上面に対するSC1の着液位置を中央部と周縁部との間で移動させる。
SC1ノズル41から吐出されたSC1は、基板Wの上面に着液した後、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面に沿って外方に流れる。そのため、基板W上のリンス液は、SC1によって外方に押し流され、基板Wの周囲に排出される。これにより、基板W上のリンス液の液膜が、基板Wの上面全域を覆うSC1の液膜に置換される。さらに、制御装置3は、基板Wが回転している状態で、基板Wの上面に対するSC1の着液位置を中央部と周縁部との間で移動させるので、SC1の着液位置が、基板Wの上面全域を通過し、基板Wの上面全域が走査される。そのため、SC1ノズル41から吐出されたSC1が、基板Wの上面全域に供給され、基板Wの上面全域が均一に処理される。
SC1の吐出開始から予め定める処理時間が経過すると、制御装置3は、SC1バルブ45を閉じて、SC1ノズル41からのSC1の吐出を停止させる。また、制御装置3は、SC1ノズル41を中央位置からホーム位置に移動させる。これにより、SC1ノズル41が基板Wの上方から退避させられる。
次いで、リンス液を基板Wに供給する第2のリンス液供給工程(ステップS7)が行われる。具体的には、制御装置3は、リンス液バルブ48を開いて、基板Wの上面中央部に向けてリンス液ノズル46からリンス液を吐出させる。リンス液ノズル46から吐出されたリンス液は、SC1によって覆われている基板Wの上面中央部に着液する。基板Wの上面中央部に着液したリンス液は、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面上を基板Wの周縁部に向けて流れる。これにより、基板W上のSC1が、リンス液によって外方に押し流され、基板Wの周囲に排出される。そのため、基板W上のSC1の液膜が、基板Wの上面全域を覆うリンス液の液膜に置換される。これにより、基板Wの上面の全域においてSC1が洗い流される。そして、リンス液バルブ48が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、リンス液バルブ48を閉じて、リンス液ノズル46からのリンス液の吐出を停止させる。
次いで、リンス液を基板Wに供給する第2のリンス液供給工程(ステップS7)が行われる。具体的には、制御装置3は、リンス液バルブ48を開いて、基板Wの上面中央部に向けてリンス液ノズル46からリンス液を吐出させる。リンス液ノズル46から吐出されたリンス液は、SC1によって覆われている基板Wの上面中央部に着液する。基板Wの上面中央部に着液したリンス液は、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面上を基板Wの周縁部に向けて流れる。これにより、基板W上のSC1が、リンス液によって外方に押し流され、基板Wの周囲に排出される。そのため、基板W上のSC1の液膜が、基板Wの上面全域を覆うリンス液の液膜に置換される。これにより、基板Wの上面の全域においてSC1が洗い流される。そして、リンス液バルブ48が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、リンス液バルブ48を閉じて、リンス液ノズル46からのリンス液の吐出を停止させる。
次に、基板Wを乾燥させるスピンドライ工程(ステップS8)が行われる。具体的には、制御装置3は、スピンモータ15を制御することにより、SPM供給工程(S3)から第2のリンス液供給工程(S7)までの回転速度よりも大きい乾燥回転速度(たとえば数千rpm)まで基板Wを加速させ、乾燥回転速度で基板Wを回転させる。これにより、大きな遠心力が基板W上の液体に加わり、基板Wに付着している液体が基板Wの周囲に振り切られる。このようにして、基板Wから液体が除去され、基板Wが乾燥する。そして、基板Wの高速回転が開始されてから所定時間が経過すると、制御装置3は、スピンモータ15を制御することにより、スピンチャック5による基板Wの回転を停止させる(ステップS9)。
次に、チャンバ4内から基板Wが搬出される(ステップS10)。具体的には、制御装置3は、全てのノズル等がスピンチャック5の上方から退避している状態で、基板搬送ロボットCRのハンドをチャンバ4の内部に進入させる。そして、制御装置3は、基板搬送ロボットCRのハンドにスピンチャック5上の基板Wを保持させる。その後、制御装置3は、基板搬送ロボットCRのハンドをチャンバ4内から退避させる。これにより、処理済みの基板Wがチャンバ4から搬出される。
以上により、第1の処理例によれば、SPM供給工程(S3)において、第1のSPMノズル21から吐出されるSPMは、基板Wの上面中央部に着液した後、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面に沿って外方に流れる。第2のSPMノズル31から基板Wの上面周縁部に向けて、生成(混合)直後の新鮮なSPMが吐出される。すなわち、高いレジスト除去力を有する新鮮なSPMが基板Wの上面周縁部に付与される。
前述のように、基板Wの回転状態において、基板Wの周縁部の周速は基板Wの中央部よりも速いので、赤外線ヒータ58から基板Wに与えられる熱量を単位面積当たりで換算する場合、基板Wの上面周縁部は、上面中央部に比して少なくなる。しかしながら、高いレジスト除去力を有する新鮮なSPMが、基板Wの上面周縁部に付与されるので、赤外線ヒータ58から与えられる単位面積当たりの熱量の少ない基板Wの上面周縁部においても、SPMによるレジスト除去効率を高めることができる。これにより、基板Wの上面全域からレジストを良好に除去できる基板処理装置1を提供することができる。
また、図5に示す第1の処理例では、SPM供給工程(S3)において、基板Wを液処理速度(たとえば約500rpm)で回転させるとして説明したが、このときの基板Wの回転速度が、基板W上からのSPMの排出が抑制されて基板Wの上面にSPMの液膜が保持される状態(パドル状態)を維持できるような低回転速度(パドル回転速度)であってもよい。基板Wをパドル回転速度で回転させるパドル処理は、基板W上の液に作用する遠心力が小さいために、一般的に液の置換性が悪いとされている。しかしながら、この処理変形例では、第1および第2のSPMノズル21,31によって、基板Wの上面中央部および上面周縁部にそれぞれSPM液を着液させるので、パドル処理においても、基板Wの上面全域をSPMの液膜で覆うことができる。これにより、基板Wの上面全域を均一に処理することができる。
また、図5に示す第1の処理例では、SPM供給工程(S3)の後に過酸化水素水供給工程(S4)を実行するとしたが、この過酸化水素水供給工程(S4)は省略可能である。
なお、図5に示す第1の処理例において、第1のリンス液供給工程(S5)の後にSC1供給工程(S6)を実行するとしたが、このSC1供給工程(S6)は省略可能である。
なお、図5に示す第1の処理例において、第1のリンス液供給工程(S5)の後にSC1供給工程(S6)を実行するとしたが、このSC1供給工程(S6)は省略可能である。
図7は、レジスト除去処理の第2の処理例のSPM供給工程(S3)が行われているときの基板を水平に見た模式図である。この第2の処理例は、SPM供給工程(S3)において、第2のSPMノズル31から吐出されるSPMのH2SO4濃度を、第1のSPMノズル21から吐出されるSPMよりも低く設定する点において、第1の処理例と相違している。
より詳しくは、制御装置3は、SPM供給工程において、第1のSPMノズル21から吐出されるSPMのH2SO4濃度が比較的高濃度(たとえば、H2SO4:H2O2=10:1)となるように第1の硫酸流量調整バルブ27および第1の過酸化水素水流量調整バルブ30を制御すると共に、第1の硫酸バルブ26および第1の過酸化水素水バルブ29を開く。これにより、基板Wの上面中央部に向けて高濃度のSPMが吐出され、このSPMが基板Wの上面中央部に着液する。第1のSPMノズル21から吐出された高濃度のSPMは、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面に沿って外方に流れる。
また、制御装置3は、SPM供給工程において、第2のSPMノズル31から吐出されるSPMのH2SO4濃度が比較的低濃度(たとえば、H2SO4:H2O2=2:1)となるように第2の硫酸流量調整バルブ37および第2の過酸化水素水流量調整バルブ40を制御すると共に、第2の硫酸バルブ36および第2の過酸化水素水バルブ39を開く。これにより、基板Wの上面周縁部に向けて低濃度のSPMが吐出され、このSPMが基板Wの上面周縁部に着液する。
そして、基板Wの上面周縁部において、基板Wの上面中央部から流れてくる高濃度のSPMと、第2のSPMノズル31からの低濃度のSPMとが混合する。その結果、低濃度のSPMに含まれるH2O2が、基板Wの上面中央部からのSPMに含まれるH2SO4と反応して、基板Wの上面周縁部において新たなSPMが生成される。したがって、基板Wの上面周縁部においてペルオキソ一硫酸が多量に発生すると共に、反応熱により基板Wの上面周縁部のSPMが昇温する。これにより、基板Wの上面周縁部において、SPMによるレジスト除去効率を、より一層高めることができる。
図8は、レジスト除去処理の第3の処理例のSPM供給工程(SPM供給工程。過酸化水素水供給工程。S3)が行われているときの基板を水平に見た模式図である。この第3の処理例は、SPM供給工程(S3)において、第2のSPMノズル31からH2O2のみを吐出する点において、第1の処理例と相違している。
より詳しくは、制御装置3は、第1の硫酸バルブ26および第1の過酸化水素水バルブ29を開く。また、制御装置3は、第2の硫酸バルブ36を閉じると共に、第2の過酸化水素水バルブ39を開く。
より詳しくは、制御装置3は、第1の硫酸バルブ26および第1の過酸化水素水バルブ29を開く。また、制御装置3は、第2の硫酸バルブ36を閉じると共に、第2の過酸化水素水バルブ39を開く。
これにより、第1のSPMノズル21から基板Wの上面中央部に向けてSPMが吐出され、このSPMが基板Wの上面中央部に着液する。第1のSPMノズル21から吐出されたSPMは、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面に沿って外方に流れる。また、第2のSPMノズル31から基板Wの上面周縁部に向けてH2O2が吐出され、このH2O2が基板Wの上面周縁部に着液する。そして、基板Wの上面周縁部において、基板Wの上面中央部から流れてくるSPMと、第2のSPMノズル31からのH2O2とが混合する。第2のSPMノズル31からのH2O2が、基板Wの上面中央部からのSPMに含まれるH2SO4と反応して、基板Wの上面周縁部において新たなSPMが生成される。したがって、基板Wの上面周縁部においてペルオキソ一硫酸が多量に発生すると共に、反応熱により基板Wの上面周縁部のSPMが昇温する。これにより、基板Wの上面周縁部において、SPMによるレジスト除去効率を、より一層高めることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、本発明は他の形態で実施することも可能である。
たとえば、第1のSPMノズル21をスキャンノズルとし、第2のSPMノズル31を固定ノズルとしたが、第1および第2のSPMノズル21,31はスキャンノズルおよび固定ノズルのいずれであってもよい。
たとえば、第1のSPMノズル21をスキャンノズルとし、第2のSPMノズル31を固定ノズルとしたが、第1および第2のSPMノズル21,31はスキャンノズルおよび固定ノズルのいずれであってもよい。
また、第2のSPMノズル31は、第1のノズルアーム22に設けられていてもよい。この場合では、アルカリであるSC1を吐出するSC1ノズルとは別に設けられているので、SPMとSC1との混触を生じるおそれがない。
また、前述の第1〜第3処理例のSPM供給工程(S3)において、基板Wの上面の赤外線ヒータ58による加熱領域を、基板Wの上面周縁部と基板Wの中央部との間で移動させる場合を例に挙げて説明したが、基板Wの一の上面周縁部と、前記の一の上面周縁部と上面中央部を挟んだ他の上面周縁部との間で、前記の加熱領域を移動させるようにしてもよい。また、上面周縁部と上面中央部の間に位置する中間位置と、上面周縁部との間で、前記の加熱領域を移動させるようにしてもよい。
また、前述の第1〜第3処理例のSPM供給工程(S3)において、基板Wの上面の赤外線ヒータ58による加熱領域を、基板Wの上面周縁部と基板Wの中央部との間で移動させる場合を例に挙げて説明したが、基板Wの一の上面周縁部と、前記の一の上面周縁部と上面中央部を挟んだ他の上面周縁部との間で、前記の加熱領域を移動させるようにしてもよい。また、上面周縁部と上面中央部の間に位置する中間位置と、上面周縁部との間で、前記の加熱領域を移動させるようにしてもよい。
また、前述の第1〜第3処理例のSPM供給工程(S3)において、第1のノズル移動ユニット23を駆動して、第1のSPMノズル21を、基板Wの上面中央部を通る軌跡に沿って移動させてもよい。この場合、第1のSPMノズル21を、基板Wの上面中央部と基板Wの上面周縁部との間で移動させることができる。
また、前述の実施形態では、第1および第2のSPM供給ユニット6,7として、H2SO4およびH2O2の混合を第1および第2のSPMノズル21,31の内部で行うノズル混合タイプのものを例に挙げて説明したが、第1および第2のSPMノズル21,31の上流側に配管を介して接続された混合部を設け、この混合部において、H2SO4とH2O2との混合が行われる配管混合タイプのものを採用することもできる。
また、前述の実施形態では、第1および第2のSPM供給ユニット6,7として、H2SO4およびH2O2の混合を第1および第2のSPMノズル21,31の内部で行うノズル混合タイプのものを例に挙げて説明したが、第1および第2のSPMノズル21,31の上流側に配管を介して接続された混合部を設け、この混合部において、H2SO4とH2O2との混合が行われる配管混合タイプのものを採用することもできる。
また、前述の各実施形態では、基板処理装置1が、円板状の基板Wを処理する装置である場合について説明したが、基板処理装置1は、液晶表示装置用基板などの多角形の基板Wを処理する装置であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 基板処理装置
3 制御装置(制御手段)
5 スピンチャック(基板保持回転手段)
6 第1のSPM供給ユニット(第1のSPM供給手段)
7 第2のSPM供給ユニット(過酸化水素水含有液供給手段)
21 第1のSPMノズル(第1のノズル)
31 第2のSPMノズル(第2のノズル)
58 赤外線ランプ(加熱手段)
60 ヒータ移動ユニット(加熱領域移動手段)
A1 回転軸線(所定の軸線)
W 基板
3 制御装置(制御手段)
5 スピンチャック(基板保持回転手段)
6 第1のSPM供給ユニット(第1のSPM供給手段)
7 第2のSPM供給ユニット(過酸化水素水含有液供給手段)
21 第1のSPMノズル(第1のノズル)
31 第2のSPMノズル(第2のノズル)
58 赤外線ランプ(加熱手段)
60 ヒータ移動ユニット(加熱領域移動手段)
A1 回転軸線(所定の軸線)
W 基板
Claims (7)
- 基板の表面からレジストを除去するための方法であって、
前記基板を所定の軸線回りに回転させる基板回転工程と、
前記基板回転工程の実行と並行して、第1のノズルから、前記基板の表面中央部を含む所定の領域に向けて、硫酸と過酸化水素水とを含むSPMを吐出するSPM供給工程と、
前記SPM供給工程の実行と並行して、前記第1のノズルとは異なる第2のノズルから、前記基板の表面周縁部に向けて、過酸化水素水を含む過酸化水素水含有液を吐出する過酸化水素水含有液供給工程と、
前記SPM供給工程および前記過酸化水素水含有液供給工程の実行と並行して、加熱手段によって前記基板の表面を加熱する加熱工程と、
前記加熱工程に並行して、前記基板の表面に対する前記加熱手段からの加熱領域を、前記表面周縁部を含む領域の間で移動させる加熱領域移動工程とを含む、基板処理方法。 - 前記過酸化水素水含有液は、硫酸と過酸化水素水とを含むSPMである、請求項1に記載の基板処理方法。
- 前記過酸化水素水含有液供給工程は、前記SPM供給工程時と同じ硫酸濃度を有するSPMを吐出する、請求項2に記載の基板処理方法。
- 前記過酸化水素水含有液供給工程は、前記SPM供給工程時よりも低い硫酸濃度を有するSPMを吐出する、請求項2に記載の基板処理方法。
- 前記過酸化水素水含有液は、過酸化水素水である、請求項1に記載の基板処理方法。
- 前記SPM供給工程の実行に並行して、前記基板の表面における、前記第1のノズルからのSPMの供給位置を移動させる供給位置移動工程をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 基板の表面からレジストを除去するための装置であって、
前記基板を保持しつつ、所定の軸線回りに回転させる基板回転保持手段と、
第1のノズルを有し、前記基板の表面中央部を含む所定の領域に向けて、硫酸と過酸化水素水とを含むSPMを、前記第1のノズルから吐出する第1のSPM供給手段と、
前記第1のノズルとは異なる第2のノズルを有し、前記基板の表面周縁部に向けて、過酸化水素水を含む過酸化水素水含有液を吐出する過酸化水素水含有液供給手段と、
前記基板の表面を加熱する加熱手段と、
前記基板の表面に対する前記加熱手段からの加熱領域を、前記表面周縁部を含む領域の間で移動させる加熱領域移動手段とを含む、基板処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014066628A JP2015191952A (ja) | 2014-03-27 | 2014-03-27 | 基板処理方法および基板処理装置 |
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JP (1) | JP2015191952A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106216314A (zh) * | 2016-08-17 | 2016-12-14 | 钟文华 | 一种太阳能电池生产工艺用齿轮齿条式硅片清洗装置 |
JP2020145289A (ja) * | 2019-03-05 | 2020-09-10 | 株式会社Screenホールディングス | 基板処理方法および基板処理装置 |
WO2024062759A1 (ja) * | 2022-09-22 | 2024-03-28 | 株式会社Screenホールディングス | 基板処理装置および基板処理方法 |
-
2014
- 2014-03-27 JP JP2014066628A patent/JP2015191952A/ja active Pending
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