JP6229939B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
このとき、SPMノズルの内部で硫酸と過酸化水素水とが混合され、SPMが生成される。また、SPMノズルの内部においては、硫酸と過酸化水素水とが混ざり合うことにより気体(水蒸気)が発生し、その結果、SPMノズルの内部の圧力が過度に上昇する。この場合、SPMの吐出開始時において、SPMノズルの吐出口からSPMが勢い良く噴出し、その結果、基板の表面にダメージを与えるおそれがある。
この構成によれば、第1液と第2液との混合液を基板に供給する際には、混合部の内部で第1液と第2液とが混合され、混合液が生成される。第1液と第2液とが混ざり合うことにより混合部の内部に発生する気体は、気体導出配管を通って混合部外に導出される。混合部の内部から気体が排出されるので、混合部の内部の圧力が過度に上昇しない。これにより、混合部から基板に良好に混合液を良好に導くことができる。ゆえに、第1液と第2液とが混ざり合うことにより発生する気体による影響を取り除くことができ、これにより、基板への混合液の供給を安定的に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、基板(W)を保持する基板保持手段(5)と、第1液と、前記第1液と混ざり合うことにより気体を発生する第2液とを混合して、第1液と第2液との混合液を生成するための混合部と、前記混合部に接続され、前記第1液と前記第2液とが混ざり合うことにより前記混合部の内部に発生する前記気体を、前記混合部外に導出する気体導出配管(17)とを含み、前記混合部は、前記第1液と前記第2液とを混合するための混合室(55)と、前記混合室で生成された混合液を、前記基板に向けて吐出するための吐出口(57)とを有する混合液ノズル(12)を含み、前記混合室に前記気体導出配管が接続されており、前記混合室で生成された前記混合液が、前記吐出口から前記基板に供給される、基板処理装置である。
また、混合液ノズルからの混合液の吐出時には、混合室において第1液と第2液とが混合されて混合液が生成され、その混合液が吐出口から吐出される。混合室において第1液と第2液とが混ざり合うことにより発生した気体は、気体導出配管を通って混合ノズル外に導出されるので、混合液ノズルの内部(混合室を含む)の圧力が過度に上昇しない。これにより、混合液ノズルの吐出口から基板に向けて吐出される混合液の勢いが強くなり過ぎることを防止することができる。ゆえに、基板にダメージを与えることなく、基板に混合液を吐出することができる。
請求項5に記載のように、前記第1液は硫酸であり、前記第2液は過酸化水素水であってもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の模式的な平面図である。図2は、基板処理装置1に備えられたチャンバ4の内部を水平に見た模式図である。
図1に示すように、基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、処理液や処理ガスによって基板Wを処理する複数の処理ユニット2と、各処理ユニット2のチャンバ4に対して基板Wの搬入および搬出を行う基板搬送ロボットCRと、基板処理装置1に備えられた装置の動作やバルブの開閉などを制御する制御装置3とを含む。
図2に示すように、SPM供給装置6は、SPMおよび過酸化水素水を基板Wの上面に向けて選択的に吐出するSPMノズル(混合液ノズル。混合部)12と、SPMノズル12が先端部に取り付けられた第1ノズルアーム13と、第1ノズルアーム13を移動させることにより、SPMノズル12を移動させる第1ノズル移動ユニット14とを含む。
硫酸配管15の途中部には、硫酸配管15を開閉するための硫酸バルブ18、硫酸流量調整バルブ19および昇温用ヒータ20が、SPMノズル12側からこの順に介装されている。昇温用ヒータ20は、硫酸を室温よりも高い温度(60〜90℃の範囲内の一定温度。たとえば80℃)に維持する。硫酸バルブ18は、制御装置3による制御により開閉される。硫酸を加熱する昇温用ヒータ20は、図2に示すように、ワンパス方式のヒータであってもよいし、ヒータを含む循環経路の内部に硫酸を循環させることにより硫酸を加熱する循環方式のヒータであってもよい。図示はしないが、硫酸流量調整バルブ19は、弁座が内部に設けられたバルブボディと、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータとを含む。他の流量調整バルブについても同様である。
図2に示すように、気体導出配管17においてSPMノズル12と気体導出バルブ23との間の第1分岐位置17Aには、気体導出配管17の内部に存在する気体(水蒸気)を吸引するための気体吸引配管24の一端が分岐接続されている。気体吸引配管24には気体吸引バルブ25が介装されており、気体吸引配管24の他端は吸引装置26へと接続されている。この実施形態では、吸引装置26は常時作動状態とされている。気体吸引バルブ25が開かれると、気体吸引配管24の内部が排気され、気体導出配管17の内部に存在する気体(水蒸気)が、気体吸引配管24を介して吸引装置26により吸引される。気体吸引バルブ25は、制御装置3による制御により開閉される。
図2に示すように、処理ユニット2は、リンス液を基板Wの上面に向けて吐出するリンス液ノズル38を含む。リンス液ノズル38は、たとえば連続流の状態で液を吐出するストレートノズルであり、スピンチャック5の上方で、その吐出口を基板Wの上面の中央部に向けて固定的に配置されている。リンス液ノズル38には、リンス液供給源からのリンス液が供給されるリンス液配管39が接続されている。リンス液配管39の途中部には、リンス液ノズル38からのリンス液の供給/供給停止を切り換えるためのリンス液バルブ40が介装されている。リンス液ノズル38に供給されるリンス液としては、たとえばDIW(脱イオン水)が採用されるが、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水、還元水(水素水)等をリンス液として採用することもできる。
図2に示すように、加熱装置は、スピンチャック5に保持されている基板Wの上方に配置された赤外線ヒータ41と、赤外線ヒータ41が先端部に取り付けられたヒータアーム42と、ヒータアーム42を移動させることにより、赤外線ヒータ41を移動させるヒータ移動ユニット31とを含む。赤外線ヒータ41は、平面視で基板Wよりも小さい。
図4に示すように、赤外線ヒータ41が基板Wの上方に配置されている状態では、赤外線ヒータ41の基板対向面41aが、間隔を空けて基板Wの上面に上下方向に対向する。この状態で赤外線ランプ43が光を発すると、赤外線を含む光が、基板対向面41aから基板Wの上面に照射される。
なお、レジスト除去処理の開始時に、気体導出バルブ23は閉じられている。
SPMノズル12が基板Wの上方に配置された後、制御装置3は、図6に示すように、硫酸バルブ18および過酸化水素水バルブ21を同時に開く。
制御装置3は、赤外線ヒータ41による基板Wの加熱が所定時間にわたって行われた後、赤外線ヒータ41の発光を停止させる。その後、制御装置3は、ヒータ移動ユニット31を制御することにより、赤外線ヒータ41を基板Wの上方から退避させる。
SPMの吐出開始から予め定めるSPM処理時間が経過すると、制御装置3は、第1ノズル移動ユニット14を制御することにより、基板Wの上面中央部の上方にSPMノズル12を配置し、その後、制御装置3は、過酸化水素水バルブ21を開いた状態に維持しつつ硫酸バルブ18だけを閉じる。これにより、硫酸配管15の内部を硫酸が流通せずに、過酸化水素水だけが過酸化水素水配管16の内部を流通してSPMノズル12に供給される。SPMノズル12に供給された過酸化水素水は、SPMノズル12の内部を通ってSPMノズル12の吐出口57から吐出される。その過酸化水素水が、液処理速度で回転している基板Wの上面中央部に向けて、SPMノズル12の吐出口57から吐出される。すなわち、SPMノズル12から吐出される処理液が、SPMから硫酸過酸化水素水に切り換わる。
なお、過酸化水素水バルブ21を開いた状態でSPM供給工程(図5のステップS3)から過酸化水素水供給工程(図5のステップS4)に移行するものとして説明したが、SPM供給工程(図5のステップS3)から、過酸化水素水供給工程(図5のステップS4)への移行時に、過酸化水素水バルブ21を一旦閉じるようにしてもよい。
具体的には、図6に示すように、制御装置3は、サックバック工程(ステップS41)において、硫酸バルブ18を閉じた状態に維持しながら、硫酸吸引バルブ28を開く。これにより、吸引装置26の働きが有効化され、硫酸バルブ18よりも下流側の硫酸配管15の内部に存在する硫酸が、硫酸吸引配管27を介して吸引装置26により吸引される。吸引装置26による硫酸配管15の内部の吸引により、硫酸配管15内から一部の硫酸が排除され、硫酸の先端面が、硫酸配管15の先端から後退する。硫酸の先端面が所定位置まで後退すると、制御装置3は、硫酸吸引バルブ28を閉じ、これにより、硫酸配管15の内部の吸引が終了する。
また、気体導出配管17を用いたSPMノズル12からの気体(水蒸気)の導出後に、気体導出配管17の内部に気体(水蒸気)が残留すると、残留気体が温度低下に伴って液化し気体導出配管17の管壁に液滴として付着し、当該液滴が気体導出配管17からSPMノズル12に流入するおそれがある。
図7の実施形態において、前述の実施形態と同等の構成は、図1〜図6の場合と同一の参照符号を付し、説明を省略する。
SPM処理装置106は、SPMを吐出するためのSPMノズル(混合液ノズル)113と、硫酸と過酸化水素水とを混合させるための混合部115と、混合部115とSPMノズル113との間に接続されたSPM供給配管(混合液供給配管)114とを含む。
このようなSPM処理装置106を備える基板処理装置101では、図5の処理例と同等のレジスト除去処理が行われる。レジスト除去処理において、基板処理装置101の特徴的な部分のみを説明する。
気体導出配管17を用いた混合部115からの気体(水蒸気)の導出後において、気体導出配管17の内部に気体(水蒸気)が残留することがある。気体導出配管17に残留した気体(水蒸気)は液化して気体導出配管17の管壁に液滴として付着するおそれがあり、この場合、当該液滴が気体導出配管17から混合部115内に流入するおそれがある。SPM供給装置106では、残留している気体(水蒸気)が気体吸引配管24を介して吸引されるので、気体導出配管17の内部から気体(水蒸気)を完全に排除された状態に保つことができる。そのため、気体(水蒸気)が液滴となって混合部115内に流入することを確実に防止できる。
前述の各実施形態では、SPMノズル12,113からSPMおよび過酸化水素水を選択的に吐出する構成を例に挙げて説明したが、過酸化水素水吐出専用の過酸化水素水ノズルを、SPMノズル12,113とは別に設け、この過酸化水素水ノズルから、基板Wの表面に過酸化水素水を供給することもできる。このような場合には、前述の硫酸配管15の内部や過酸化水素水配管16の吸引を、SPM供給工程(図5のステップS3)の終了後直ちに行うことができる。
また、SPM供給工程(図5のステップS3)において、基板Wを液処理速度(たとえば500rpm)で回転させるとして説明したが、このときの基板Wの回転速度が、基板W上からのSPMの排出が抑制されて基板Wの表面にSPMの液膜が保持される状態(パドル状態)を維持できるような低回転速度(パドル回転速度)であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
5 スピンチャック(基板保持手段)
12 SPMノズル(混合液ノズル。混合部)
15 硫酸配管(第1配管)
16 過酸化水素水配管(第2配管)
17 気体導出配管
24 気体吸引配管
27 硫酸吸引配管(吸引配管)
29 過酸化水素水吸引配管(吸引配管)
55 混合室
57 吐出口
101 基板処理装置
113 SPMノズル(混合液ノズル)
114 SPM供給配管(混合液供給配管)
115 混合部
W 基板
Claims (5)
- 基板を保持する基板保持手段と、
第1液と、前記第1液と混ざり合うことにより気体を発生させる第2液とを混合して、前記第1液と第2液との混合液を生成するための混合部と、
前記混合部に接続され、前記第1液と前記第2液とが混ざり合うことにより前記混合部の内部に発生する前記気体を、前記混合部外に導出する気体導出配管と、
前記気体導出配管に接続され、当該気体導出配管の内部を吸引する気体吸引配管とを含み、
前記混合部の内部で生成された前記混合液が、前記基板に供給される、基板処理装置。 - 基板を保持する基板保持手段と、
第1液と、前記第1液と混ざり合うことにより気体を発生させる第2液とを混合して、前記第1液と第2液との混合液を生成するための混合部と、
前記混合部に接続され、前記第1液と前記第2液とが混ざり合うことにより前記混合部の内部に発生する前記気体を、前記混合部外に導出する気体導出配管とを含み、
前記混合部は、前記第1液と前記第2液とを混合するための混合室と、前記混合室で生成された混合液を、前記基板に向けて吐出するための吐出口とを有する混合液ノズルを含み、
前記混合室に前記気体導出配管が接続されており、
前記混合室で生成された前記混合液が、前記吐出口から前記基板に供給される、基板処理装置。 - 前記混合液ノズルの前記混合室には、前記第1液を当該混合室に供給するための第1配管と、前記第2液を当該混合室に供給するための第2配管とが接続されており、
前記第1および第2配管の少なくとも一方には、当該第1および第2配管の内部を吸引するための吸引配管が接続されている、請求項2に記載の基板処理装置。 - 基板を保持する基板保持手段と、
第1液と、前記第1液と混ざり合うことにより気体を発生させる第2液とを混合して、前記第1液と第2液との混合液を生成するための混合部と、
前記混合部に接続され、前記第1液と前記第2液とが混ざり合うことにより前記混合部の内部に発生する前記気体を、前記混合部外に導出する気体導出配管と、
前記混合液を吐出するための混合液ノズルと、
前記混合部と前記混合液ノズルとを接続し、前記混合部によって生成された前記混合液を、前記混合液ノズルに供給する混合液供給配管とを含み、
前記混合部の内部で生成された前記混合液が、前記混合液ノズルから前記基板に供給される、基板処理装置。 - 前記第1液は硫酸であり、
前記第2液は過酸化水素水である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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