JP2008004878A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウエハWを加熱しつつ、そのウエハWの表面に、SPMと窒素ガスとの混合流体(液滴の噴流)を供給する。ウエハWの表面上のレジストがその表面に硬化層を有していても、ウエハWが加熱されることによって、そのレジストの表面の硬化層は軟化する。そのため、混合流体がウエハWの表面に供給されると、その軟化した硬化層は、その混合流体が衝突するときの衝撃により破壊される。この後、ウエハWの表面にSPMを供給する。レジストの表面の硬化層が破壊されているので、その硬化層の破壊された部分からレジストの内部にSPMを浸透させることができ、SPMの化学的な力により、レジストをウエハWの表面から硬化層ごと剥離させて除去することができる。
【選択図】図1
Description
そのため、最近では、レジストのアッシングを行わずに、ウエハの表面にSPMを供給して、このSPMに含まれるペルオキソ一硫酸(H2SO5)の強酸化力により、ウエハの表面からレジストを剥離して除去する手法が注目されつつある。
そこで、この発明の目的は、基板にダメージを与えることなく、その表面に硬化層を有するレジストであっても除去することができる、基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
この方法によれば、基板が加熱されつつ、その基板の表面にレジスト剥離液と気体との混合流体が供給される。
基板の表面上のレジストが硬化層を有していても、基板が加熱されることによって、そのレジストの硬化層は軟化する。また、レジスト剥離液と気体とを混合して生成される混合流体は、大きなエネルギー(混合流体が基板の表面に衝突するときの物理的な力)を有している。したがって、混合流体を軟化した硬化層に供給することにより、その硬化層を破壊することができる。
この方法によれば、基板の表面への混合流体の供給による基板の温度低下を回避することができる。そのため、レジストの表面の硬化層をより良好に軟化させることができる。その結果、レジストを効果的に破壊することができ、基板の表面からレジストをより良好に除去することができる。
この方法によれば、レジスト剥離液が硫酸過酸化水素水であるので、そのレジスト剥離液と気体との混合流体が基板の表面に供給された後も、基板の表面上で硫酸と過酸化水素水との反応による熱を生成する。そのため、基板の表面への混合流体の供給による基板の温度低下を有効に防止することができる。
この方法によれば、混合流体供給工程後に、基板の表面にレジスト剥離液が供給される。混合流体供給工程において、レジストの表面の硬化層が破壊されているので、その混合流体供給工程後に、基板の表面にレジスト剥離液を供給することによって、その硬化層の破壊された部分からレジストの内部にレジスト剥離液が浸透し、レジストを基板の表面から硬化層ごと剥離させて除去することができる。
基板の加熱は、ヒータからの発熱を基板に伝達することによっても達成できるが、この方法の場合、基板の近傍にヒータを配置する必要がないので、基板加熱工程を実施する装置における基板の近傍の構成を簡素化することができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す断面図である。
この基板処理装置1は、基板の一例であるウエハWの表面に不純物を注入するイオン注入処理後に、そのウエハWの表面から不要になったレジストを除去するための処理に用いられる枚葉式の装置である。基板処理装置1は、ウエハWの裏面(レジストが形成されている表面と反対側の面)を吸着保持して回転させるためのプレート2と、このプレート2により回転されるウエハWの表面にレジスト剥離液としてのSPMを供給するためのSPMノズル3と、プレート2に保持されたウエハWの表面にSPMと窒素ガスとの混合流体を供給するための混合流体ノズル4とを備えている。
すなわち、プレート2の上面には、複数の吸着孔5が形成されている。各吸着孔5には、プレート2の内部に形成された吸着路6の分岐した先端が接続されている。吸着路6の基端には、真空ポンプなどの真空源(図示せず)を含む保持吸引機構7から延びる吸引管8が接続されている。また、プレート2の上面には、ウエハWを点接触の状態で支持するための複数の支持ピン9が配置されている。さらに、プレート2の上面の周縁部には、リング状のガイド10が配設されている。このガイド10には、ウエハWの裏面(下面)と接触する接触面11に、Oリングなどのシール部材12が設けられている。複数の支持ピン9によりウエハWの裏面を支持した状態で、保持吸引機構7を駆動して、複数の吸着孔5から吸気させることにより、ウエハWの裏面の周縁部をシール部材12に密着させて、ウエハWとプレート2との間に真空な空間を形成し、ウエハWを支持ピン9を介してプレート2の上面に吸着させることができる。
また、プレート2の下面には、鉛直方向に延びる回転軸18が結合されている。この回転軸18は、中空軸となっており、その内部に保持吸引機構7から延びる吸引管8やヒータ17への給電線が挿通されている。また、回転軸18には、モータなどを含む回転駆動機構19から回転力が入力されるようになっている。ウエハWをプレート2の上面に吸着させて保持した状態で、回転軸18に回転駆動機構19から回転力を入力することにより、ウエハWをプレート2とともに、その表面に直交する鉛直軸線まわりに回転させることができる。
すなわち、混合流体ノズル4は、ケーシング32を備え、このケーシング32の先端に、SPMを外部空間33に向けて吐出するためのSPM吐出口34と、このSPM吐出口34を取り囲む環状に形成され、窒素ガスを外部空間33に向けて吐出するための窒素ガス吐出口35とを有している。
内側流通管36は、その内部にSPM流路38を有している。このSPM流路38の先端(下端)が、SPM吐出口34として開口し、その反対側の上端は、SPMを導入するためのSPM導入ポート39を形成している。また、内側流通管36は、先端部(下端部)40およびその反対側の上端部41がそれぞれ外方に張り出した鍔形状に形成されており、これらの鍔形状の先端部40および上端部41が外側保持体37の内面に当接して、先端部40および上端部41の間において、内側流通管36の外面と外側保持体37の内面との間に空間42が形成されている。そして、内側流通管36の先端部40には、空間42と外部空間33とを連通させる窒素ガス流路43が形成され、この窒素ガス流路43の先端が窒素ガス吐出口35として開口している。窒素ガス流路43は、先端側ほど内側流通管36の中心軸線に近づくように傾斜する断面形状を有している。
SPM導入ポート39に第2SPM供給管25が接続され、窒素ガス導入ポート44に窒素ガス供給管26が接続される。そして、第2SPM供給管25からSPM流路38にSPMが供給されるとともに、窒素ガス供給管26から空間42に窒素ガスが供給されると、SPM吐出口34から外部空間33にSPMが吐出されるとともに、窒素ガス吐出口35から外部空間33に窒素ガスが吐出される。すると、外部空間33において、SPMと窒素ガスとが衝突して混合され、SPMが微細な液滴となり、その液滴の噴流が形成される。
図3は、基板処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。
基板処理装置1は、たとえば、マイクロコンピュータで構成される制御装置45を備えている。
制御装置45は、予め定められたプログラムに従って、保持吸引機構7、ピン昇降駆動機構15、ヒータ17、回転駆動機構19、SPMノズル駆動機構24および混合流体ノズル駆動機構31の駆動を制御する。また、第1SPMバルブ21、第2SPMバルブ27および窒素ガスバルブ28の開閉を制御する。
レジスト除去処理に際しては、搬送ロボット(図示せず)によって、基板処理装置1にイオン注入処理後のウエハWが搬入されてくる(S1:ウエハ搬入)。このウエハWは、レジストをアッシング(灰化)するための処理を受けておらず、その表面上のレジストの表面には、イオン注入によって変質した硬化層が存在している。
また、ウエハWがプレート2に保持されると、回転駆動機構19が制御されて、ウエハWの回転が開始される(S3:ウエハ回転)。
ウエハWの表面上のレジストの硬化層は、約200〜250℃の高温に加熱されていることにより軟化している。そのため、混合流体ノズル4からの液滴の噴流がウエハWの表面に供給されると、硬化層は、その液滴の噴流が衝突するときの衝撃によって破壊される。ウエハWの表面における液滴の噴流の供給位置が移動されることにより、ウエハWの表面の全域上でレジストの硬化層を破壊することができる。
この一方で、SPMノズル駆動機構24が制御されて、アーム23が所定の角度範囲内で揺動される。これによって、SPMノズル3からのSPMが導かれるウエハWの表面上の供給位置は、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を、ウエハWの回転方向と交差する円弧状の軌跡を描きつつ往復移動する。また、ウエハWの表面に供給されたSPMは、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの表面上を中央部から周縁に向けて流れ、ウエハWの表面の全域に拡がる。したがって、ウエハWの表面の全域に、SPMがむらなく供給される。
SPM供給位置の往復移動が所定回数行われると、第1SPMバルブ21が閉じられ、ウエハWへのSPMの供給が停止されて、SPMノズル3がプレート2の側方の退避位置に戻される。
また、ウエハWの表面にSPMと窒素ガスとの混合流体が供給されている間、ウエハWの表面における混合流体の供給位置がウエハWの回転方向と交差する方向に移動される。これにより、混合流体を、ウエハWの表面上の同じ部分だけでなく、その他の部分にも供給することができる。その結果、ウエハWの表面上のレジストの広い範囲に混合流体を衝突させることができるので、レジストの表面の硬化層をより良好に破壊することができる。
図5に示す構成では、図1に示すプレート2に代えて、スピンチャック51が備えられている。このスピンチャック51は、鉛直方向に延びる回転軸52と、この回転軸52の上端に固定されたスピンベース53と、このスピンベース53の周縁部の複数箇所にほぼ等角度間隔で設けられ、ウエハWをほぼ水平な姿勢で挟持するための複数個の挟持部材54と、回転軸52を回転させるための回転駆動機構55とを備えている。スピンチャック51は、複数個の挟持部材54によってウエハWを挟持した状態で、回転駆動機構55によって回転軸52を回転させることにより、そのウエハWを、ほぼ水平な姿勢を保った状態で、スピンベース53とともに、回転軸52の中心軸線まわりに回転させることができる。
なお、ウエハWの加熱のためには、SPMに限らず、他の種類の液体または気体がウエハWの裏面に供給されてもよい。たとえば、ウエハWの裏面を洗浄する能力を有する洗浄液が約200℃に熱せられ、その約200℃の洗浄液がウエハWの裏面に供給されてもよい。この場合、ウエハWの表面のレジストの除去とともに、ウエハWの裏面の洗浄を達成することができる。
また、レジスト剥離液としてSPMが用いられているが、SPMに限らず、レジストを剥離する能力を有する液であれば、たとえば、硫酸とオゾンガスとを混合して生成される硫酸オゾンが用いられてもよい。
4 混合流体ノズル
17 ヒータ
27 第2SPMバルブ
28 窒素ガスバルブ
45 制御装置
56 裏面ノズル
57 裏面SPM供給管
58 裏面SPMバルブ
W ウエハ
Claims (7)
- 基板の表面からレジストを除去するために用いられる基板処理方法であって、
基板を所定温度に加熱する基板加熱工程と、
前記基板加熱工程と並行して、レジスト剥離液と気体との混合流体を基板の表面に供給する混合流体供給工程とを含むことを特徴とする、基板処理方法。 - 前記混合流体は、前記混合流体供給工程中の基板の温度を前記所定温度に保持可能な温度を有していることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理方法。
- 前記レジスト剥離液は、硫酸過酸化水素水であることを特徴とする、請求項1または2に記載の基板処理方法。
- 前記混合流体供給工程後に、レジスト剥離液を基板の表面に供給するレジスト剥離液供給工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理方法。
- 前記混合流体供給工程と並行して、基板をその表面と交差する軸線まわりに回転させる基板回転工程と、
前記混合流体供給工程および前記基板回転工程と並行して、基板の表面における混合流体の供給位置を基板の回転方向と交差する方向に移動させる供給位置移動工程とをさらに含むことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理方法。 - 前記基板加熱工程は、基板の表面と反対側の裏面に前記所定温度の流体を供給することにより基板を加熱する工程であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理方法。
- 基板の表面からレジストを除去するために用いられる基板処理装置であって、
基板を所定温度に加熱する基板加熱手段と、
レジスト剥離液と気体との混合流体を基板の表面に供給する混合流体供給手段と、
前記基板加熱手段および前記混合流体供給手段を制御して、基板を加熱しつつ、その基板の表面に混合流体を供給させるための制御手段とを含むことを特徴とする、基板処理装置。
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