JP5999625B2 - 基板処理方法 - Google Patents
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Description
そのため、最近では、レジストのアッシングを行わずに、ウエハの表面にSPM液を供給して、このSPM液に含まれるペルオキソ一硫酸(H2SO5)の強酸化力により、ウエハの表面からレジストを剥離して除去する手法が注目されつつある。
本発明は、このような背景の下になされたものであり、ヒータを良好に洗浄することができる基板処理方法を提供することを目的とする。
請求項2に記載の発明は、前記水下吐出工程は、前記ハウジングを、前記液膜加熱工程時における配置位置よりも上方に離反する離反位置に配置した状態で実行される、請求項1に記載の基板処理方法である。
図1は、本発明の一実施形態に係るヒータ洗浄方法が実行される基板処理装置1の構成を模式的に示す図である。基板処理装置1は、たとえば基板の一例としてのウエハWの表面(主面)に不純物を注入するイオン注入処理やドライエッチング処理の後に、そのウエハWの表面から不要になったレジストを除去するための処理に用いられる枚葉式の装置である。
基板処理装置1は、処理室2内に、ウエハWを保持して回転させるウエハ回転機構(基板保持手段)3と、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWの表面(上面)に対して、薬液としてのレジスト剥離液の一例としてのSPM液を供給するための剥離液ノズル(薬液供給手段)4と、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWの表面に対向して配置され、ウエハWの表面上のSPM液を加熱するヒータヘッド(ヒータ)35とを備えている。
スピン軸7は中空軸であり、その内部には、それぞれ鉛直方向に延びる裏面側液供給管80および裏面側ガス供給管81が挿通されている。裏面側液供給管80の上端部および裏面側ガス供給管81の上端部は、それぞれ、スピン軸7の上端に設けられた裏面ノズル(下ノズル)82に接続されている。裏面ノズル82は、その上端に、円形の裏面液吐出口(第1吐出口)84と、円形の裏面ガス吐出口(第2吐出口)85とを有している。裏面液吐出口84および裏面ガス吐出口85は互いに近接して配置されている。各吐出口84,85は、ウエハ回転機構3に保持されるウエハWの下面のほぼ回転中心に対向している。裏面液吐出口84および裏面ガス吐出口85の上下方向の高さは揃っている。
裏面側ガス供給管81には、乾燥用ガスの一例としての窒素ガスが供給される乾燥用ガス下供給管88が接続されている。乾燥用ガス下供給管88には、その乾燥用ガス下供給管88を開閉するための乾燥用ガス下バルブ89が介装されている。
また、基板処理装置1は、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面にリンス液としてのDIWを供給するためのDIWノズル24と、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面に対して洗浄用の薬液としてのSC1(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)を供給するためのSC1ノズル25と、ウエハ回転機構3の周囲を取り囲み、ウエハWから流下または飛散するSPM液やSC1、DIWを受け止めるためのカップ5とを備えている。
ウエハ回転機構3の側方には、鉛直方向に延びる支持軸33が配置されている。支持軸33の上端部には、水平方向に延びるヒータアーム34が結合されており、ヒータアーム34の先端に、赤外線ランプ38を収容保持するヒータヘッド35が取り付けられている。また、支持軸33には、支持軸33を中心軸線まわりに回動させるための揺動駆動機構36と、支持軸33を中心軸線に沿って上下動させるための昇降駆動機構37とが結合されている。
洗浄液上ノズル94は、下向きにシャワー状に液を吐出するための吐出口を有している。洗浄液上ノズル94には、洗浄液が供給される洗浄液上供給管90が接続されている。洗浄液上供給管90には、その洗浄液上供給管90を開閉するための洗浄液上バルブ91が介装されている。
図2は、ヒータヘッド35の図解的な断面図である。
図2に示すように、蓋41は円板状をなし、ヒータアーム34に対して水平姿勢に固定されている。蓋41は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂材料を用いて形成されている。この実施形態では、蓋41はヒータアーム34と一体に形成されている。しかしながら、蓋41をヒータアーム34と別に形成するようにしてもよい。また、蓋41の材料として、PTFE等の樹脂材料以外にも、セラミックスや石英などの材料を採用することもできる。
ランプハウジング40は、その開口部39を上方に向けた状態で、蓋41の下面49(この実施形態では、溝部51を除く下面)に固定されている。ランプハウジング40の開口側の周端縁からは、円環状のフランジ40Aが径方向外方に向けて(水平方向に)突出している。フランジ40Aがボルト等の固定手段(図示しない)を用いて蓋41の下面49に固定されることにより、ランプハウジング40が蓋41に支持されている。
アンプ54から赤外線ランプ38に電圧が供給されると、赤外線ランプ38が赤外線を放射し、ランプハウジング40を介して、ヒータヘッド35の下方に向けて出射される。
ランプハウジング40の底板部52を介して出射された赤外線が、SPM液を加熱する。
以下、図1〜図7を参照しつつ、レジスト除去処理の処理例について説明する。
加熱処理速度は、ウエハWへのSPM液の供給がなくても、ウエハWの表面上にSPM液の液膜70を保持可能な速度(1〜20rpmの範囲で、たとえば15rpm)である。また、チャック回転駆動機構6によるウエハWの減速と同期して、図6Bに示すように、制御装置55は、剥離液バルブ23を閉じて、剥離液ノズル4からのSPM液の供給を停止するとともに、第1液アーム揺動機構12を制御して、剥離液ノズル4をホームポジションに戻す。ウエハWへのSPM液の供給が停止されるが、ウエハWの回転速度が加熱処理速度に下げられることにより、ウエハWの表面上にSPM液の液膜70が継続して保持される。
なお、第2の近接位置は、ヒータヘッド35をその上方から見たときに、底板部52の下面52Bの一部、より好ましくは赤外線ランプ38の円環部43が、ウエハWの外周よりも径方向に張り出している位置である。
その後、ウエハWの回転速度が下げられてから予め定める液膜加熱処理時間が経過すると、制御装置55は、アンプ54を制御して、赤外線ランプ38からの赤外線の放射を停止させる。また、制御装置55は、揺動駆動機構36および昇降駆動機構37を制御して、ヒータヘッド35をホームポジションに戻す。このSPM液膜加熱工程の終了時には、ヒータヘッド35のランプハウジング40の下面52Bには、大量のSPM液ミストが付着している。
ウエハWの回転速度を液処理回転速度に維持しつつ、制御装置55は、SC1バルブ31を開いて、SC1ノズル25からSC1をウエハWの表面に供給する(ステップS6)。また、制御装置55は、第2液アーム揺動機構29を制御して、第2液アーム28を所定角度範囲内で揺動させて、SC1ノズル25を、ウエハWの回転中心上と周縁部上との間で往復移動させる。これによって、SC1ノズル25からのSC1が導かれるウエハWの表面上の供給位置は、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を、ウエハWの回転方向と交差する円弧状の軌跡を描きつつ往復移動する。これにより、ウエハWの表面の全域に、SC1がむらなく供給され、SC1の化学的能力により、ウエハWの表面に付着しているレジスト残渣およびパーティクルなどの異物を除去することができる。
リンス処理の開始から所定時間が経過すると、制御装置55は、DIWバルブ27を閉じて、ウエハWの表面へのDIWの供給を停止する。その後、制御装置55は、チャック回転駆動機構6を駆動して、ウエハWの回転速度を所定の高回転速度(たとえば1500〜2500rpm)に上げて、ウエハWに付着しているDIWを振り切って乾燥されるスピンドライ処理が行われる(ステップS8)。
ウエハWの搬出後、ヒータヘッド35が洗浄されるとともに、その洗浄後のヒータヘッド35が乾燥されるヒータヘッド洗浄乾燥工程が実行される(ステップS10)。ヒータヘッド洗浄乾燥工程では、ヒータヘッド35を洗浄するための洗浄処理が施され、その洗浄処理後のヒータヘッド35に対して乾燥処理が施される。
ヒータヘッド洗浄乾燥工程の洗浄処理では、制御装置55は、揺動駆動機構36を制御してヒータアーム34を揺動させるとともに昇降駆動機構37を制御してヒータヘッド35を昇降させ、ヒータヘッド35をホームポジションからウエハ回転機構3の上方に移動させる。このとき、ウエハ回転機構3にはウエハWが保持されていない。そのため、ヒータヘッド35は、スピンベース8の上面に対向配置させられる(ステップS21。ヒータ配置工程)。より詳しくは、ウエハ回転機構3による回転中心の上方(回転軸線C上)にヒータヘッド35(ランプハウジング40)の円形の下面52Bが位置するように配置される。なお、このときのヒータヘッド35は、裏面液吐出口84から吹き上げられる洗浄液が下面52Bに達するような高さ位置であることが望ましい。
また、裏面液吐出口84からの洗浄液が導かれるヒータヘッド35の上面(蓋41の上面)の着液位置も、円弧状の軌跡を描きつつ往復移動する。ヒータヘッド35の上面に供給された洗浄液は、ヒータヘッド35の上面全域へと拡がり、また、ヒータヘッド35の側壁へと拡がる。
洗浄液上ノズル94および裏面液吐出口84からの洗浄液の吐出、ならびにヒータアーム34の往復揺動は、予め定める洗浄処理時間が経過するまで続行される。
予め定める洗浄処理時間が終了すると(ステップS24でYES)、制御装置55は、洗浄液上バルブ91および洗浄液下バルブ87を閉じて(ステップS25)、洗浄液上ノズル94および裏面液吐出口84からの洗浄液の吐出を停止する。
また、制御装置55は、乾燥用ガス下バルブ89を開く(ステップS26。下乾燥用ガス吹付け工程)。これにより、裏面ノズル82の裏面ガス吐出口85からの乾燥用ガスがランプハウジング40の下面52Bに吹き付けられる。
さらに、制御装置55は、アンプ54を制御して、赤外線ランプ38から赤外線を放射させる(ステップS26。加熱乾燥工程)。これにより、ランプハウジング40が温められて、ランプハウジング40の下面52Bまたは外周に付着している洗浄液が蒸発除去される。
予め定める乾燥処理時間が終了すると(ステップS27でYES)、制御装置55は、乾燥用ガス上バルブ93および乾燥用ガス下バルブ89を閉じて(ステップS28)、乾燥用ガス上ノズル95および裏面ガス吐出口85からの乾燥用ガスの吐出を停止する。
ヒータヘッド洗浄乾燥工程の終了により、一連のレジスト除去処理は終了する。
以上によりこの実施形態によれば、各レジスト除去処理において、ヒータヘッド35を洗浄するための洗浄処理が実行される。この洗浄処理では、裏面液吐出口84の上方に対向する位置に、ヒータヘッド35が配置される。また、裏面液吐出口84から鉛直上方に向けて洗浄液が吐出される。裏面液吐出口84からの洗浄液は、鉛直上方に向けて吹き上がり、ランプハウジング40の下面52Bに着液する。SPM液膜加熱工程において、発生した大量のSPM液ミストはランプハウジング40の下面52Bに付着していることがある。
以上この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することも可能である。
また、ヒータヘッド洗浄乾燥工程(図5に示すステップS10)と併せて、ヒータアーム34の洗浄が行われてもよい。ヒータアーム34の洗浄は、洗浄液上ノズル94から吐出される洗浄液を用いて行うことができるが、処理室2内に別途配設されたバーノズル(図示しない)を用いて、ヒータアーム34を洗浄することができる。バーノズルは、鉛直下方に向く多数の吐出口が水平方向に沿って一列または複数列に配列されており、処理室2内の上部領域に配設されている。ヒータアーム34(およびヒータヘッド35)が、バーノズルの下方に対向配置された状態で、バーノズルの各吐出口から洗浄液が吐出され、この洗浄液がヒータアーム34の外表面に降り掛かり、ヒータアーム34の外表面が洗浄される。
また、洗浄処理に用いる洗浄液としてDIWを用いる場合を例に挙げて説明した。しかしながら、洗浄液は、DIWに限らず、希フッ酸水溶液、炭酸水、電解イオン水、オゾン水などを洗浄液として採用することもできる。さらに洗浄液として、希フッ酸水溶液等の薬液を用いる場合には、洗浄液をヒータヘッド35に供給した後に、DIWや炭酸水などを用いてヒータヘッド35から洗浄液を洗い流すためのリンス処理が施されてもよい。
また、本発明を、燐酸などの高温のエッチング液を用いて基板の主面の窒化膜を選択的にエッチングする基板処理装置に備えられるヒータの洗浄方法に適用することもできる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 処理室
3 ウエハ回転機構(基板保持手段)
35 ヒータヘッド(ヒータ)
38 赤外線ランプ
40 ランプハウジング(ハウジング)
41 蓋(ハウジング)
52B 下面(対向面)
82 裏面ノズル(下ノズル)
84 裏面液吐出口(第1吐出口)
85 裏面ガス吐出口(第2吐出口)
94 洗浄液上ノズル(天井ノズル)
W ウエハ(基板)
Claims (2)
- 基板を水平姿勢に保持するための基板保持手段と、前記基板保持手段に保持されている基板の下面に水を上向きに吐出するための下ノズルとを備えた基板処理装置において実行される基板処理方法であって、
前記基板保持手段に保持されている基板の上面に処理液の液膜を保持する液膜保持工程と、
前記液膜保持工程と並行して、前記基板保持手段に保持されている基板の上方に、赤外線ランプと、当該赤外線ランプの下方を覆う下壁部を有し当該赤外線ランプを収容するハウジングとを有するヒータを対向配置することにより、前記基板の上面に保持されている前記処理液の液膜を加熱する液膜加熱工程と、
前記液膜加熱工程の終了後に、前記ヒータを前記基板の上方から前記基板保持手段の側方に移動させるヒータ移動工程と、
前記液膜保持工程および前記液膜加熱工程の終了後に、前記基板保持手段から前記基板を離脱させる離脱工程と、
前記ヒータ移動工程および前記離脱工程の後に、前記基板保持手段の上方に前記ヒータを配置するヒータ配置工程と、
前記基板保持手段の上方に配置された前記ヒータの前記ハウジングの前記下壁部に向けて、前記離脱工程後に前記下ノズルから水を吐出することにより、当該ハウジングに水を供給する水下吐出工程とを含む、基板処理方法。 - 前記水下吐出工程は、前記ハウジングを、前記液膜加熱工程時における配置位置よりも上方に離反する離反位置に配置した状態で実行される、請求項1に記載の基板処理方法。
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