JP6438278B2 - ポリアセタールペレットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアセタールペレットの製造方法に関する。
ポリアセタールは、加工性と生産性に優れるため、溶融射出成型や溶融押出成型等の成型方法により、所望の形状の製品や部品を効率良く生産できるという利点を有している。このような利点を生かし、ポリアセタールは、電気・電子材料分野、自動車分野、その他各種工業材料分野、食品の包装分野、部品用材料分野に幅広く用いられている。これらの用途に対し、意匠性が高く、また薄肉成形品等があることなどから、有色の異物が少なく、純度の高いポリアセタールが望まれている。
加熱加工などによる成形後の異物を少なくするためには、ポリアセタール以外の成分を極力少なくする等の方法が考えられるが、熱安定性、機械的強度、機械的強度安定化等のために、異物の原因となり得る添加剤を加えなければならない。そのため、ポリアセタールへの添加剤の組成を工夫することで、異物の発生を抑制する技術が提案されている。
例えば、酸化防止剤とマグネシウム若しくはカルシウムの酸化物又は炭酸塩から選ばれる一種以上の金属含有化合物、ポリアルキレングリコールを配合したポリアセタール(例えば、引用文献1)、ポリアセタールとポリ(N−ビニルカルボン酸アミド)及びN−ビニルカルボン酸アミドとほかのビニルモノマーとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリアルキレングリコール及びその誘導体、脂肪酸アミド、アルコール類と脂肪酸とのエステル、アルコール類とジカルボン酸とのエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種からなるポリアセタール(例えば、特許文献2)が挙げられる。
また、ポリマー中の異物を除去する方法として、ホットランナーを利用した射出成形時にホットランナーに金属異物が詰まることを抑制する目的で、射出成形に供するペレットを磁力選別機にて選別する(金属混入の少ないペレットのみを取り出す)技術(例えば、特許文献3)、樹脂ペレットからの着色粒除去する技術(例えば、特許文献4)が挙げられる。
特開平7−228751号公報 特開2001−247745号公報 特開2004−99682号公報 特開平2−253891号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に開示されているポリアセタールでは、樹脂の粘度の制御や製造量の変更等の影響についての記載はなされていない。また、上記特許文献3の技術は、具体的には樹脂ペレットを磁力選別機に通す技術であり、ペレット内部に包含された金属を十分に除去することができず、また一度磁石により吸着されたペレットが自重及び後から通過するペレットの衝突により落下して除去しきれないなどの理由により、異物(金属)の除去が不十分である。特許文献4の技術は、ペレット中の異物の除去方法が記載されているが、その最適なペレットの状態については記載されておらず、またポリアセタールペレットについての言及はなされていない。
そこで、本発明は、異物が少ない高純度なポリアセタールペレットを製造することができる、ポリアセタールペレットの製造方法を提供することを目的とする。さらには、溶融加工時における黒色異物発生を効果的に抑制でき、高純度なポリアセタールを効率よく製造できる、ポリアセタールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の造粒工程と、特定の選別工程と、を有する製造方法により、ポリアセタールペレットを製造することで、異物が少ない高純度なポリアセタールペレットを得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]重合により得られたポリアセタールから、100℃の加熱により発生するホルムアルデヒドの量が10質量ppm以下の二以上のポリアセタールペレットを得る造粒工程と、
ペレット選別機により前記ポリアセタールペレットを選別し、全てのポリアセタールペレットの量に対して、異物を含有するポリアセタールペレットの量が600質量ppm未満であるポリアセタールペレットを得る選別工程と、
を有するポリアセタールペレットの製造方法。
[2]前記異物が、炭化物由来の異物である、[1]に記載のポリアセタールペレットの製造方法。
[3]前記ポリアセタールペレットの形状が、偏平球状である、[1]又は[2]に記載のポリアセタールペレットの製造方法。
[4]前記ポリアセタールペレットの最も長い径が5mm以下、最も短い径が3mm以下である、[1]から[3]のいずれか一に記載のポリアセタールペレットの製造方法。
[5]前記異物が、1.0mm未満である、[1]から[4]のいずれか一に記載のポリアセタールペレットの製造方法。
[6]前記選別工程が、前記ペレット選別機により除去されたポリアセタールペレットの全部又は一部を、前記造粒工程のポリアセタールとして再利用する選別工程である、[1]から[5]のいずれか一に記載のポリアセタールペレットの製造方法。
[7]前記異物が、0.3mm未満であり、
前記選別工程が、ポリアセタールペレット全量に対して、前記異物を含有するポリアセタールペレットの量が300質量ppm以下であるポリアセタールペレットを得る選別工程である、[1]から[6]のいずれか一に記載のポリアセタールペレットの製造方法。
[8]前記造粒工程が、120℃の加熱により発生するホルムアルデヒドの量が10質量ppm以下のポリアセタールのポリアセタールペレットを得る造粒工程である、[1]から[7]のいずれか一に記載のポリアセタールペレットの製造方法。
本発明のポリアセタールペレットの製造方法によれば、異物が少ない高純度なポリアセタールペレットを製造することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定するものではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態のポリアセタールペレットの製造方法は、
重合により得られたポリアセタールから、100℃の加熱により発生するホルムアルデヒドの量が10質量ppm以下の二以上のポリアセタールペレットを得る造粒工程と、ペレット選別機により前記ポリアセタールペレットを選別し、ポリアセタールペレットの全量に対して、異物を含有するポリアセタールペレットの量が600ppm未満であるポリアセタールペレットを得る選別工程と、を有する。
<ポリアセタール>
本実施形態におけるポリアセタールは、ホルムアルデヒド、トリオキサン若しくはテトラオキサン等の環状オリゴマーの単独重合によって得られる実質的にオキシメチレン単位−(CH2O)−からなるポリオキシメチレンホモポリマー、又はホルムアルデヒド及び/若しくはトリオキサンと、環状エーテル及び/若しくは環状ホルマール、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が1質量ppm以上500質量ppm以下添加された環状ホルマールとの共重合によって得られる、オキシメチレン単位−(CH2O)−からなる連鎖中に下記一般式(1)で表わされるオキシアルキレン単位がランダムに挿入された構造を有するポリオキシメチレンコポリマー等が挙げられる。
Figure 0006438278
(式中のR1及びR2は、それぞれ水素原子、アルキル基、又はアリール基であり、それらは同一であっても異なっていてもよく、nは2〜6の整数である)
本実施形態に用いられるポリオキシメチレンコポリマーには、分子鎖の分岐化された分岐ポリオキシメチレンコポリマー、及びオキシメチレンの繰り返し単位を50質量%以上含む異種成分ブロックとのポリオキシメチレンブロックコポリマーも含まれる。
また、ポリオキシメチレンコポリマー中の上記オキシアルキレン単位の挿入率は、オキシメチレン単位100モルに対し、0.01モル以上50モル以下が好ましく、より好ましくは0.03モル以上20モル以下の範囲である。該オキシアルキレン単位としては、例えば、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシテトラメチレン単位、オキシブチレン単位、オキシフェニルエチレン単位等が挙げられる。これらのオキシアルキレン単位の中でもポリアセタール樹脂組成物の物性を向上させる点から、オキシエチレン単位−〔(CH22O〕−、及びオキシテトラメチレン単位−〔(CH24O〕−が好ましい。
上記単独重合、あるいは共重合によって得られるポリアセタールは、分子末端の安定化処理を行なうことが望ましい。分子末端の安定化処理方法としては、例えば、末端のヒドロキシル基をエステル化、エーテル化、ウレタン化等する方法、又は分子末端の不安定部分を加水分解によって安定化する方法等が用いられる。
このようなポリアセタールは、例えば、ホルムアルデヒド及び/又はトリオキサンと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとの共重合によって得られるポリオキシメチレンコポリマーを、重合直後に分子末端の安定化処理する工程、その後に溶融状態で水若しくはアルコール又はそれらの混合物を注入、混練する工程、並びに注入された上記水等の水酸基含有化合物の蒸気及び遊離のホルムアルデヒドを解放する脱揮工程、を施すことのできる異方向回転非かみ合型2軸スクリュー押出機に連続的に供給して処理すること等により得られる。また、上記の水若しくはアルコール、又はそれらの混合物を注入、混練する際に、pH調製剤としてトリエチルアミン等の塩基性物質を添加することが好ましい。
本実施形態のポリアセタールには、本実施形態の効果を損なわない範囲で、従来のポリアセタールに使用されている添加剤、例えば、熱安定剤、耐候(光)安定剤、離型剤等を単独、又はこれらを組み合わせて用いてもよい。
熱安定剤としては、酸化防止剤、ホルムアルデヒドやぎ酸の捕捉剤又はこれらの併用が挙げられ、酸化防止剤と捕捉剤との併用が好ましい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、例えば、n−オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3′−メチル−5−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル− 4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N′−ビス−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プリピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N′−テトラメチレンビス−3−(3′−メチル−5′−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N′−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−サリチロイル−N′−サリチリデンヒドラジン、3− (N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N′−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)オキシアミド等が挙げられる。
これらヒンダードフェノール系酸化防止剤の中でも、トリエチレングリコールービス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタンが好ましい。
ホルムアルデヒドやギ酸の捕捉剤として、具体的には、(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物及び重合体、(ロ)アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩及びアルコキシド等が挙げられる。
(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物として、具体的には、(1)ジシアンジアミド、(2)アミノ置換トリアジン、(3)アミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの共縮合物等が挙げられる。(2)アミノ置換トリアジンとして、具体的には、グアナミン(2,4−ジアミノ−sym−トリアジン)、メラミン(2, 4,6−トリアミノ−sym−トリアジン)、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N′,N″−トリフェニルメラミン、N−メチロールメラミン、N,N′−ジメチロールメラミン、N,N′,N″−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン(2,4 −ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−s ym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−s ym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト −sym−トリアジン、2,4−ジオキシ−6−アミノ −sym−トリアジン(アメライト)、2−オキシ− 4,6−ジアミノ−sym−トリアジン(アメリン)、N,N′,N′−テトラシアノエチルベンゾグアナミン等がある。(3)アミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの共縮合物として、具体的には、メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物等がある。これらの中でも、ジシアンジアミド、メラミン及びメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物が好ましい。
(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素基を有する重合体として、具体的には、(1)ポリアミド樹脂、(2)アクリルアミド及びその誘導体又はアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られる重合体、(3)アクリルアミド及びその誘導体又はアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとをラジカル重合の存在下で重合して得られる重合体、(4)アミン、アミド、尿素及びウレタン等窒素基を含有する重合体等が挙げられる。(1)のポリアミド樹脂として、具体的には、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等及びこれらの共重合物、ナイロン6/6−6、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等が挙げられる。(2)アクリルアミド及びその誘導体又はアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られる重合体として、具体的には、ポリ−β−アラニン共重合体等が挙げられる。これらのポリマーは特公平6−12259号、特公平5−87096号、特公平5−47568号及び特開平3−234729号の各公報記載の方法で製造することができる。(3)アクリルアミド及びその誘導体又はアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとをラジカル重合の存在下で重合して得られる重合体は、特開平3 −28260号公報記載の方法で製造することが出来る。
(ロ)アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩及びアルコキシドとして、具体的には、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム若しくはバリウムなどの水酸化物、該金属の炭酸塩、りん酸塩、けい酸塩、ほう酸塩、カルボン酸塩が挙げられる。該カルボン酸塩のカルボン酸は、10〜36個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸等であり、これらのカルボン酸はヒドロキシル基で置換されていてもよい。飽和脂肪族カルボン酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラスチン酸が挙げられる。不飽和脂肪族カルボン酸は、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸等が挙げられる。また、アルコキシドとして、上記金属のメトキシド、エトキシド等が挙げられる。
耐候(光)安定剤としては、(イ)ベンゾトリアゾール系物質、(ロ)シュウ酸アニリド系物質及び(ハ)ヒンダードアミン系物質が好ましい。
(イ)ベンゾトリアゾール系物質として、具体的には、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブ チル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられ、好ましくは2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ジ −t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾールである。
(ロ)シュウ酸アニリド系物質として、具体的には、2−エトキシ−2′−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル− 2′−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3′−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。これらの物質はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ハ)ヒンダードアミン系物質として、具体的には、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2, 6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4 −ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)− 2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テ トラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン) −カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2, 6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α′−ビス (2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、 トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート等が挙げられ、好ましくはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケートである。上記ヒンダードアミン系物質はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記ベンゾトリアゾール系物質、シュウ酸アニリド系物質とヒンダードアミン系物質の組合せがより好ましい。
離型剤としては、アルコール、及びアルコールと脂肪酸のエステル、アルコールとジカルボン酸とのエステル、シリコーンオイル等が挙げられる。
アルコールとして、具体的には、1価アルコール、多価アルコールがあり、例えば1価アルコールの例としては、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ベンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘブタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、ペヘニルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、ユニリンアルコール等が挙げられる。多価アルコールとしては、2〜6個の炭素原子を含有する多価アルコールであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコールジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トレイトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルバイト、ソルビタン、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。
アルコールと脂肪酸のエステルとしては、脂肪酸化合物の内、好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸から選ばれた脂肪酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトールから選ばれた多価アルコールとから誘導された脂肪酸エステルがある。これらの脂肪酸エステル化合物の水酸基は有ってもよいし、無くてもよく、脂肪酸エステル化合物を制限するものではない。例えば、モノエステルであってもジエステル、トリエステルで有ってもよい。また、ほう酸等で水酸基が封鎖されていてもよい。
好ましい脂肪酸エステルとして、具体的には、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリントリパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンジベヘネート、グリセリントリベヘネート、グリセリンモノモンタネート、グリセリンジモンタネート、グリセリントリモンタネート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールジパルミテート、ペンタエリスリトールトリパルミテート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールモノベヘネート、ペンタエリスリトールジベヘネート、ペンタエリスリトールトリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールモノモンタネート、ペンタエリスリトールジモンタネート、ペンタエリスリトールトリモンタネート、ペンタエリスリトールテトラモンタネート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタントリパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンジベヘネート、ソルビタントリベヘネート、ソルビタンモノモンタネート、ソルビタンジモンタネート、ソルビタントリモンタネート、ソルビトールモノパルミテート、ソルビトールジパルミテート、ソルビトールトリパルミテート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールジステアレート、ソルビトールトリステアレート、ソルビトールモノベヘネート、ソルビトールジベヘネート、ソルビトールトリベヘネートソルビトールモノモンタネート、ソルビトールジモンタネート、ソルビトールトリモンタネート等が挙げられる。
また、ほう酸等で水酸基を封鎖した脂肪族エステル化合物としてグリセリンモノ脂肪酸エステルのほう酸エステルも挙げられる。アルコールとジカルボン酸のエステルは、アルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−ノニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の飽和・不飽和アルコールと、ジカルボン酸としてシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカニン酸、ブラシリン酸、マレイン酸、フマール酸、グルタコン酸等とのモノエステル、ジエステル等が挙げられる。
[ポリアセタールの製造方法]
本実施形態のポリアセタールの製造方法としては、ベントを有する単軸又は二軸の押出し機を用いて溶融混練して製造することができる。上述したように、ポリアセタールは、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等がある。
[ポリアセタールの製造方法:ポリオキシメチレンホモポリマー]
ポリオキシメチレンホモポリマーは、ホルムアルデヒド、又はトリオキサン、テトラオキサン等の環状オリゴマーの単独重合によって得られる実質的にオキシメチレン単位−(CH2O)−からなるポリオキシメチレンであり、重合体連鎖の両末端がエステル基又は、エーテル基により封鎖されたホモポリマーである。ポリオキシメチレンホモポリマーは、例えば、ホルムアルデヒド及び公知の分子量調節剤を原料とし、公知のオニウム塩系の重合触媒を用いて、炭化水素等を溶媒として、公知のスラリー法、例えば、特公昭47−6420号公報や特公昭47−10059号公報に記載の重合方法等で得ることが出来る。ここで、ホルムアルデヒドは、水、メタノール等の不純物を含まないものが好ましい。
重合触媒としては、アニオン系重合触媒であれば特に限定はされず、例えば、オニウム塩系重合触媒等があり、具体的には、下記一般式(2)で表されるものである。
Figure 0006438278
(式中、R3、R4、R5、R6は各々独立にアルキル基を示し、Mは孤立電子対を持つ元素、Xは求核性基を示す。)
上記一般式(2)で表されるオニウム塩系重合触媒の中でも、テトラエチルホスホニウムイオダイド、トリブチルエチルホスホニウムイオダイドの様な第4級ホスホニウム塩系化合物、テトラメチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムアセテートの様な第4級アンモニウム塩系化合物が好ましく用いられる。より好ましくは、ジメチルジステアリルアンモニウムアセテートが用いられる。
重合触媒の導入量は、モノマー1kgに対して、0.0001モル以上0.01モル以下が好ましく、より好ましくは0.0005モル以上0.005モル以下、さらに好ましくは0.001モル以上0.003モル以下である。導入量が、0.0001モル以上であると、重合速度が速くなり、収率が上がり、経済的にも好ましい。導入量が、0.01mol以下であると、重合系が均一となり易く、好ましい。
分子量調節剤として、具体的には、アルコール、無水カルボン酸、カルボン酸等が用いられ、好ましくは、メタノール、エタノール、無水プロピオン酸、無水酢酸であり、より好ましくは無水酢酸である。分子量調節剤の導入量は、モノマー1kgに対して、0.005モル以上0.008mol以下が好ましい。
炭化水素等の溶媒としては、ホルムアルデヒドと反応しない化合物であれば特に限定されないが、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼン等が好ましい。より好ましくはヘキサンである。また、2種以上を混合して用いることも可能である。
重合装置は、ホルムアルデヒド、分子量調節剤、オニウム塩系重合触媒を同時に供給できる装置であれば特に限定されず、公知の装置が使用でき、バッチ式、連続式等が可能である。好ましくは連続式の重合装置である。
このようにして得られたポリオキシメチレンホモポリマーは、末端基の多くが水酸基であるので、熱的に不安定であり、末端を安定化させることができる。
末端を安定化する方法としては、公知の末端基を化学処理する方法を挙げることができる。例えば、重合体1kgに対して、化学処理剤を0.1kg以上90kg以下仕込み、温度は140℃以上150℃以下で、時間は20分以上100分以下で化学処理する。装置は、連続式でもバッチ式でも可能であるが、好ましくは連続式装置である。また、化学処理剤は、エステル化剤やエーテル化剤等の化学処理剤を用いることができるが、本実施形態における末端基の化学処理剤は、好ましくはエステル化剤である。
化学処理剤としてエステル化剤を用いる方法には、米国特許第3459709号明細書記載の大量の酸無水物を用いスラリー状態で行う方法と、米国特許第3172736号明細書に記載の酸無水物のガスを用いて気相で行う方法等が挙げられる。
エステル化剤としては、スラリー状態で行う方法、ガスを用いて気相で行う方法のいずれにおいても、下記一般式(3)で表される有機酸無水物、無水安息香酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸等が挙げられる。
Figure 0006438278
(式中、R7、R8は、各々独立にアルキル基を示す。R7、R8は、同じであっても異なっていてもよい。)
上記一般式(3)で表される有機酸無水物の中では、無水プロピオン酸、無水酢酸が好ましく、無水酢酸がより好ましい。有機酸無水物は1種で用いてもよいが2種以上を用いてもよい。
化学処理剤としてエーテル化剤を用いる方法としては、特公昭63−452号公報に記載の方法等があり、本実施形態の末端安定化に用いるエーテル化剤としては、オルトエステル、通常は脂肪族又は芳香族酸と脂肪族、脂環式族又は芳香族アルコールとのオルトエステル等が挙げられ、具体的には、メチル又はエチルオルトホルメート、メチル又はエチルオルトアセテート及びメチル又はエチルオルトベンゾエート、オルトカーボネート、エチルオルトカーボネート等が挙げられる。
エーテル化反応においては、p−トルエンスルホン酸、酢酸、臭酸等の中強度有機酸、ジメチル、ジエチルスルフェート等の中強度鉱酸等のルイス酸型の触媒を、エーテル化剤1kgに対して0.001kg以上0.02kg以下を導入することが好ましい。
エーテル化反応の好ましい溶媒は、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン等の低沸点脂肪族;脂環式族及び芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化低級脂肪族等の有機溶媒である。
重合の形態は、特に限定されないが、ポリオキシメチレンホモポリマーの粉体を容易に得るために、スラリー重合、塊状重合であることが好ましい。
[ポリアセタールの製造方法:ポリオキシメチレンコポリマー]
ホルムアルデヒド及び/又はトリオキサンと、環状エーテル及び/又は環状ホルマール若しくはヒンダードフェノール系酸化防止剤が1質量ppm以上500質量ppm以下添加された環状ホルマールとの共重合によって得られるオキシメチレン単位−(CH2O)−からなる連鎖中に下記一般式(1)で表わされるオキシアルキレン単位がランダムに挿入された構造を有するものがポリオキシメチレンコポリマーである。
Figure 0006438278
(式中のR1及びR2は、それぞれ水素原子、アルキル基、又はアリール基であり、それらは同一であっても異なっていてもよく、nは2〜6の整数である)
トリオキサンとは、ホルムアルデヒドの環状3量体であり、例えば、酸性触媒の存在下でホルマリン水溶液を反応させることにより得られる。このトリオキサンには、水、メタノール、蟻酸、蟻酸メチルなどの連鎖移動させる不純物を含有しているので、蒸留等の方法でこれら不純物を除去精製することが好ましい。その場合、連鎖移動させる不純物の合計量をトリオキサン1モルに対して、1×10-3モル以下とする事が好ましく、より好ましくは0.5×10-3モル以下である。1×10-3モル以下では、重合反応速度を遅れず、生成したポリマーの熱安定性が良化する。
環状エーテル及び/又は環状ホルマールは、トリオキサンと共重合可能な成分であり、具体的には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクルロルヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキサイド、オキサタン、1,3−ジオキソラン、エチレングリコールホルマール、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等を挙げることができる。これら環状エーテル及び/又は環状ホルマールの中でも、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマールが好ましい。
環状エーテル及び/又は環状ホルマールの添加量は、トリオキサン1モルに対して1モル%以上20モル%以下が好ましく、より好ましくは1モル%以上15モル%以下であり、さらに好ましくは1モル%以上10モル%以下であり、特に好ましくは1モル%以上5モル%以下である。
重合触媒としては、ルイス酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物等のカチオン活性触媒が好ましい。ルイス酸としては、例えば、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物等が挙げられ、具体的には、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩等が挙げられる。また、プロトン酸、そのエステル又は無水物として、具体的には、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ヘテロポリ酸、イソポリ酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。それらの中でも、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物;酸素原子又は硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましく、具体的には、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルを好適な例として挙げることができる。これら重合触媒の使用量は、ホルムアルデヒド及び/又はトリオキサンと環状エーテル及び/又は環状ホルマールとの合計量1モルに対し1×10-6モル以上1×10-3モル以下が好ましく、5×10-6モル以上1×10-4モル以下がより好ましい。
本実施形態で使用する上記触媒は、重合反応に悪影響のない不活性な溶媒で希釈してモノマーに添加することが、反応を均一に行う上で好ましい。触媒希釈用の溶媒としては、重合反応に関与しない有機性の溶媒であれば何でも使用できる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素;n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンのようなエーテル類等が使用できる。これら溶媒は、水分を特定の範囲とすることが好ましく、ゼオライト等により水分を十分除去して使用することができる。
ポリオキシメチレンコポリマーの重合方法としては、スラリー法、塊状法、メルト法等のいずれも採用できる。また、使用する重合反応機の形状(構造)も特に制限するものではないが、ジャケットに熱媒を通すことのできる2軸のパドル式やスクリュー式の攪拌混合型重合装置が好ましい。連続式の塊状重合反応を行なうのに用いられる重合装置としては、コニーダー、二軸スクリュー式連続押出混練機、二軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型押出混合機等、これまでに提案されているトリオキサン等の連続重合装置が使用可能である。重合反応機の温度は63℃以上135℃以下に保つことが好ましく、より好ましくは70℃以上120℃以下の範囲であり、さらに好ましくは70℃以上100℃以下の範囲である。重合反応機内の滞留(反応)時間は0.1分以上30分以下であることが好ましく、より好ましくは0.1分以上25分以下であり、さらに好ましくは0.1分以上20分以下である。重合反応機の温度及び滞留時間が上記の範囲であれば、安定した重合反応が継続される傾向にある。
重合反応によって得られたポリオキシメチレンコポリマーに含まれる重合触媒の失活は、アンモニア、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類;ホウ酸化合物類;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、有機酸塩等の触媒中和失活剤を含む水溶液及び/又は有機溶剤中に投入し、スラリー状態で一般的には数分〜数時間攪拌することにより行う。この際、ポリオキシメチレンコポリマーが大きな塊状の場合は、重合後一旦粉砕して処理することが好ましい。その後、濾過乾燥することにより行われる。
触媒中和失活剤として、第4級アンモニウム化合物を単独で用いる、又は上記の触媒失活剤と併用することも可能で、触媒の中和がより効果的に行われるため好ましい。また、特に限定されないが、アンモニア、トリエチルアミン等の蒸気とポリオキシメチレンコポリマーを接触させて触媒を失活させる方法、ヒンダードアミン類、トリフェニルホスフィン、水酸化カルシウム、ホウ酸化合物あるいは第4級アンモニウム化合物等の少なくとも1種とポリオキシメチレンコポリマーを混合機で接触させて触媒を失活させる方法が好ましい。
重合触媒失活後のポリオキシメチレンコポリマーには熱的に不安定な末端部分が存在する為、不安定末端部分の分解除去が実施され安定化される。
不安定末端部分の分解除去方法としては、例えば、塩基性物質の存在下にポリマーを溶融混練する工程と、分解で発生したホルムアルデヒドを開放除去する工程との少なくとも2段階の工程からなる方法を挙げることができる。装置としては、上記2段階の工程を連続的に実施できるベント付き1軸スクリュー式押出機やベント付き2軸スクリュー押出機等が好ましく使用される。上記の塩基性物質としては、アンモニアやトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類;水酸化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、有機酸塩;第4級アンモニウム化合物等が挙げられる。特に下記式(4)で示される第4級アンモニウム化合物を用いることが、ごく少量の添加量でごく短時間に殆ど不安定末端部分の残っていないポリオキシメチレンコポリマーを得ることができるため好ましい。また、上記塩基性物質は、水やメタノール共に用いてもよいし、2種類以上の塩基性物質を併用することもよい。
Figure 0006438278
(式中、R9、R10、R11、R12は、各々独立して、炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;炭素数6〜20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を表わし、非置換アルキル基又は置換アルキル基は直鎖状、分岐状、又は環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロゲン、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基である。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置換されていてもよい。mは1〜3の整数を表わす。Xは水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸若しくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を表わす。)
第4級アンモニウム化合物として、上記式(4)で表わされるものが好ましく、上記式(4)におけるR9、R10、R11、R12が、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であることがより好ましく、この中でも、R9、R10、R11、R12の少なくとも1つが、ヒドロキシエチル基であるものがさらに好ましい。具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリ−n−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、トリメチル−2−オキシエチルアンモニウム、モノメチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、モノエチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、オクダデシルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシエチル)アンモニウム等の、水酸化物;塩酸、臭酸、フッ酸などの水素酸塩;硫酸、硝酸、燐酸、炭酸、ホウ酸、塩素酸、よう素酸、珪酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、二硫酸、トリポリ燐酸などのオキソ酸塩;チオ硫酸などのチオ酸塩;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、シュウ酸などのカルボン酸塩等が挙げられる。中でも、水酸化物(OH-)、硫酸(HSO4-、SO4 2-)、炭酸(HCO3 -CO3 2-)、ホウ酸(B(OH)4-)、カルボン酸の塩が好ましい。これらのカルボン酸の中でも、蟻酸、酢酸、プロピオン酸がより好ましい。これら第4級アンモニウム化合物は、単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記第4級アンモニウム化合物に加えて、アンモニアやトリエチルアミン等のアミン類等を併用してもよい。
第4級アンモニウム化合物の添加量は、ポリオキシメチレンコポリマーに対して、下記数式(5)で表わされる第4級アンモニウム化合物由来の窒素の量に換算して、好ましくは0.05質量ppm以上50質量ppm以下である。
Figure 0006438278
(式中、Pは第4級アンモニウム化合物のポリオキシメチレンコポリマーに対する濃度(質量ppm)を表わし、14は窒素の原子量であり、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表わす。)
第4級アンモニウム化合物の添加量が0.05質量ppm以上であると不安定末端部の分解除去速度が低下せず、50質量ppm以下であると不安定末端部の分解除去後のポリオキシメチレンコポリマーの色調が悪化しない。第4級アンモニウム化合物の添加方法には特に制約はなく、重合触媒を失活する工程にて水溶液として加える方法、溶融前のオキシメチレンコポリマーに吹きかける方法、溶融後に添加する方法等があるが、いずれの添加方法を用いても、ポリマーを溶融処理する工程で存在していればよい。
上記安定化方法を適用することにより、不安定な末端部が非常に少なく熱安定に優れ、エージング変色性及び滞留着色性の改良されたポリオキシメチレンコポリマーを、短時間で且つ簡便に得ることができる。
重合の形態は特に限定されないが、ポリオキシメチレンコポリマーの粉体を容易に得るために、スラリー重合、塊状重合であることが好ましい。
<ポリアセタールペレット>
本実施形態のポリアセタールペレットは、上述の製造方法により得られたポリアセタールの形状をペレット状に造粒したものであれば特に限定されず、例えば、押出機中で得られたポリアセタールを押出機のダイス部より排出し、ホットカットした後に水冷等の方法で冷却することにより得られる。また、冷却した後にペレタイズして造粒してもよい。得られるペレットのサイズや形状は、ダイス部のサイズや形状、ホットカット等により適宜制御することができる。
<ペレットの大きさ>
ポリアセタールペレットの最も長い径(長径ともいう)が5mm以下であることが好ましく、より好ましくは2mm以上5mm以下である。長径が5mm以下のポリアセタールペレットを用いることにより、異物が含有するポリアセタールペレットを大幅に低減することができる。また、ポリアセタールペレットの最も短い径(短径)が4mm以下であることが好ましく、より好ましくは1mm以上4mm以下、さらに好ましくは1mm以上3mm以下である。短径が4mm以下のポリアセタールペレットを用いることにより、後述の通路上でポリアセタールペレットが2つ以上重なることが少なくなり、ペレット選別の精度が高くなる。さらに、後述の通路上において、ポリアセタールペレットの短径がポリアセタールペレットの高さとなり、ポリアセタールペレットの長径がポリアセタールペレットの高さと直交する径となることが好ましい。
<ペレットの形状>
ポリアセタールペレットの形状は、ペレット状であれば特に限定されないが、扁平球状、円柱状等の形状が挙げられ、扁平球状が好ましい。扁平球状であることにより、ペレットが重ならずに配列しやすくなり、効率的に選別できる傾向にある。
<ホルムアルデヒドの量>
本実施形態のポリアセタールペレットは、100℃の加熱により発生するホルムアルデヒドの量が10質量ppm以下であり、好ましくは8質量ppm以下、より好ましくは5質量ppm以下である。100℃の加熱により発生するホルムアルデヒドの量が10質量ppm以下であることにより、長期運転した際にパラホルムの析出しにくく、異物を効率的に除去しやすくなる。ポリアセタールペレットの100℃の加熱により発生するホルムアルデヒドの量は、実施例中に記載する方法により測定することができる。
本実施形態のポリアセタールペレットは、120℃の加熱により発生するホルムアルデヒドの量が10質量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは8質量ppm以下、さらに好ましくは5質量ppm以下である。120℃の加熱により発生するホルムアルデヒドの量が10質量ppm以下であることにより、ポリアセタールペレットを乾燥して使用する際の乾燥温度を高く設定し乾燥時間を短くすることができ、長期運転した際にパラホルムの析出がよりしにくく、異物をより効率的に除去しやすくなる。ポリアセタールペレットの120℃の加熱により発生するホルムアルデヒドの量は、実施例中に記載する方法により測定することができる。
<異物>
本実施形態のポリアセタールペレットは、微細な加工や薄肉成形を行う場合の成型用金型の詰まり、成型不良、金型破壊を抑制する観点や、フィルム、シート化した際の欠陥を抑制する観点から、異物を含有するペレットが少ないことが好ましく、異物を含有していたとしても、異物の大きさが小さく、数が少ないことが好ましい。異物とは、特に限定されないが、ポリアセタールの重合反応で得られる副生成物、添加物、炭化物由来のもの、系内から何らかの理由で同伴する構造物由来の金属異物等が挙げられる。異物が炭化物由来のものであると、異物が黒色を発しやすく、後述する選別工程で異物を含有するペレットの選別の精度が高い。
本実施形態における異物とは、ポリアセタールペレットの外観から目視で確認できる程度に色、大きさを有しているものであれば、特に限定されない。例えば、主成分のポリアセタールが透明なものであるのに対して、その中に含有する異物は光を通さないため確認できる。後述の選別工程後に得られたポリアセタールペレットに含有する異物は、1.0mm未満であることが好ましく、より好ましくは0.3未満である。
ポリアセタールペレット中の最大幅が1.0mm以上の異物の含有量は、20個/kg以下であることが好ましく、より好ましくは15個/kg以下であり、さらに好ましくは0個/kgである。
最大幅が1.0mm以上の異物の個数は、3kgのポリアセタールペレットを目視にて1粒ずつ確認し、異物が含有するペレットを一旦収集し、そのペレットを溶剤で溶解させ、溶解しない異物を収集し、ノギスで大きさを測定することができる。
最大幅0.3mm以上の異物が20個/kg以下であることが好ましく、より好ましくは最大幅0.3mm以上の異物が15個/kg以下であり、さらに好ましくは0個/kgである。
最大幅が0.3mm以上の異物の個数は、次の方法等により測定できる。3kgのポリアセタールペレットをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させ、遠心分離機により異物を沈降させ、上澄みを捨て、再度ヘキサフルオロイソプロパノール中で異物を分散させ、遠心分離機によって異物を沈降させる。この操作を複数回繰り返した後、メンブランフィルターを用いた吸引濾過により異物を単離する。単離した異物を、乾燥処理後、目開き300μmの篩にかけて、通過しない異物の単位質量あたりの個数を算出する。
<造粒工程>
本実施形態の造粒工程は、上述の重合により得られたポリアセタールをペレット状に造粒し、100℃の加熱により発生するホルムアルデヒドの量が10質量ppm以下であれば、特に限定されない。
<ペレット選別機>
本実施形態のペレット選別機としては、異物を含有するペレットを選別する機能を有していれば特に限定されず、例えば、上記の機能が、配置された所定の通路をペレットが通過することにより達成される構成を有するものが使用できる。具体的には、株式会社クボタ製異物選別機、株式会社サタケ製光選別機、テクマン工業株式会社製色彩選別機等が挙げられる。
<選別工程>
本実施形態の選別工程は、ポリアセタールペレットをペレット選別機により選別し、全てのポリアセタールペレットの量に対して、異物を含有するポリアセタールペレットの量が600質量ppm未満となる工程であれば、特に限定されない。例えば、ポリアセタールペレットを上記のペレット選別機に通し、有色の異物を検出したときのペレットを分離し、有色の異物を含有しないペレットのみを集める等ができる。好ましくは全てのポリアセタールペレットの量に対して、異物を含有するポリアセタールペレットの量が300質量ppm以下である。
選別工程は、ペレット選別機により除去されたポリアセタールペレットの全部又は一部を、造粒工程のポリアセタールとして再利用することができる。材料の有効利用の観点から、好ましい。
ペレット選別機へのポリアセタールペレットの供給方法としては、ペレット選別機の構造によるが、例えば、所定の通路を有し、当該通路にペレット選別機能が備えられているペレット選別機を用い、この通路にポリアセタールを上部から供給し、ペレット選別後、ペレットを自由落下させることにより分離する方法等が挙げられる。通路には、ポリアセタールペレットが積層しないよう1粒ずつ並べることが好ましい観点から、ベルトコンベア状の通路であることが好ましい。2粒以上重なった場合は、ペレット選別機能が十分に発揮できない可能性がある。そのため、通路上にペレット選別機能が2個以上備えられていることが好ましい。これにより、一度ペレットを選別した後、さらに別のペレット選別機能が備えられた通路を通過させることで、高純度のポリアセタールペレットを製造することができる。
ペレット選別機へのポリアセタールペレットの供給速度は、特に限定されないが、生産性の観点から、1000kg/hr以上であることが好ましく、2000kg/hr以上がより好ましく、さらに好ましくは3000kg/hr以上である。
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて本実施形態について詳細に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例における各種特性の測定方法を以下に示す。
(1)ポリアセタールペレット中の異物の測定
ポリアセタールペレット3kgを目視にて異物を含有するペレットを選別した後、1ペレットごとの異物を含有するペレットに含まれる異物の大きさをノギスにて計測した。さらに異物を含有するペレットの総重量を測定することで、異物含有ペレットの質量ppmを算出した。さらに、ペレット100gを200℃で10MPaの圧力で5分プレスし、30cm×30cm×約1.2mmの成形片を10枚作成し、目視により確認した。
1.0mm以上の異物があった場合、×
1.0mm以上の異物がなく、0.3mm以上の異物があった場合、△
0.3mm以上の異物がなく、0.3mm未満の異物があった場合、個数をカウントし、合計で30個以上あった場合、○
それ以外の場合、◎
と判定した。
(2)分離操作性の評価
選別工程で、1時間あたり3000kg以上の分離操作が可能であったものを分離操作性がとても高いとし、◎と評価した。
1時間あたり1000kg以上3000kg未満の分離操作が可能であったものを分離操作性が高いとし、○と評価した。
1時間あたり1000kg未満の分離操作しかできなかったものを分離操作性が低いとし、×と評価した。
運転の安定性に問題があった場合は、△と評価した。
(3)ポリアセタールペレット中のホルムアルデヒド
100℃又は120℃の加熱により発生するホルムアルデヒドの量は、次のように測定した。バルブを有するテドラー(登録商標)バッグにポリアセタールペレットを20.00g入れ、窒素置換を十分に行った後、テドラー(登録商標)バッグ中に窒素を5.00L封入する。その後、内部の上部に、外部に貫通したサンプリング口を有するオーブンにテドラー(登録商標)バッグを入れサンプリングバッグを接続後、100℃又は120℃の温度で1時間放置する。その後、サンプリング口にDNPHカートリッジを接続し、サンプリングバッグのバルブを開き、4.00LをDNPHカートリッジに通過させる。DNPHカートリッジを一定速度で5mLのアセトニトリルを通液し、ホルムアルデヒドを10mLメスフラスコに回収する。その後水により10mLまでメスアップし、良く混合する。この混合した液をバイアル瓶に分注し、島津製作所製HPLCを用い、標準液にDNPH標準液を用い、分離液には水/アセトニトリル(52/48)、流量1mL/分、カラム温度40℃にて定量し、ペレット質量当たりに発生したホルムアルデヒドをppmで測定した。測定上限は15ppm以下であり、測定上限を超えたものについてはO.D.とした。
(4)ポリアセタールペレットの大きさ
ポリアセタールペレットの最大径と最小径は、ノギスを用いてポリアセタールペレット100個を測り、平均することにより求めた。
〔ポリアセタールペレットの製造例〕
(POM−1)
熱媒を通すことができる、ジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機を、80℃に調整し、トリオキサンを12kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを414.6g/hr(トリオキサン1molに対して、4.2mol%)、連鎖移動剤としてメチラールをトリオキサン1molに対して6.8g/hrで、連続的に添加した。また、重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラート1質量%のシクロヘキサン溶液38g/hrを連続的に添加し、重合を行なった。重合の形態は塊状重合である。重合機より排出されたポリアセタールコポリマーの粉体を、トリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を行なった。失活されたポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過、洗浄後140℃で乾燥し、粗ポリアセタールを得た。
その後、第4級アンモニウム化合物としてトリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメートを含有した水溶液1質量部、酸化防止剤としてトリエチレングリコールービス―〔3―(3―t―ブチルー5―メチルー4―ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕を0.3質量部、ステアリン酸カルシウム0.2質量部を添加し、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。押出機中に溶融しているポリアセタールに5wt%トリエチルアミン水溶液2質量部を添加し、押し出し機の設定温度200℃に設定し、不安定末端部の分解を行った。さらに、不安定末端部の分解されたポリアセタールは、ベント真空度20Torr条件下で脱揮され、押出機ダイス部より排出した。ダイス部から排出されたポリアセタールは、ホットカットした後に水冷し、ポリアセタールペレットを得た。
押出中、スクリューの回転数は100rpmで運転をし、運転開始10時間後よりPOM―1の製造を開始し、10分毎に50rpm、100rpm、150rpmに回転数を適宜変動させることで、ポリアセタールペレット中の異物を含有するペレット量を調整した。得られたポリアセタールペレット中の異物を含有するペレットの量は1200ppmであり、その中には1mm以上の大きさを持つ異物が含まれていた。
(POM―2)
ダイス部から排出したポリアセタールのストランドをウォーターバスで冷却した後、ペレタイズした以外は、POM−1の製造方法と同様の方法でポリアセタールペレットを得た。得られたポリアセタールペレット中の異物を含有するペレットの量は1200ppmであり、その中には1mm以上の大きさを持つ異物が含まれていた。
(POM−3)
得られた粗ポリアセタールに、第4級アンモニウム化合物を添加せず、酸化防止剤としてはトリエチレングリコールービス―〔3―(3―t―ブチルー5―メチルー4―ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕の代わりに2,2―メチレンビスー(4―メチルーt―ブチルフェノール)を0.3質量部添加した以外は、POM―1の製造方法と同様の方法でポリアセタールペレットを得た。得られたポリアセタールペレット中の異物を含有するペレットの量は1200ppmであり、その中には1mm以上の大きさを持つ異物が含まれていた。
〔ペレット選別機〕
後述する実施例及び比較例においては、株式会社サタケ製の異物選別機:製品名PCS600BFD型を使用した。
(実施例1)
POM−1に対し、異物選別機を用いて分離操作を行い、約1000kg/時の速度で通過させた。
ペレット選別機を具備した通路上には、ペレットが重ならずに配列した。ペレットは、終始安定して処理できた。結果を表1に示す。
(実施例2〜4)
表1に示した条件以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
(実施例5)
POM−2に対し、異物選別機を用いて分離操作を行い、約1000kg/時の速度で通過させた。結果を表示1に示す。
(実施例6〜8)
表1に示した条件以外は、実施例5と同様に実施した。結果を表1に示す。
(比較例1)
POM―1のペレット3kgを目視にて分離操作を行った。時間は1時間を要した。結果を表2に示す。
(比較例2)
POMー2のペレット3kgを目視にて分離操作を行った。時間は1時間を要した。結果を表2に示す。
(比較例3)
POM−3を使用した以外は、実施例1と同様の分離操作を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機を80℃に調整し、トリオキサンを12kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを414.6g/hr(トリオキサン1molに対して、4.2mol%)、連鎖移動剤としてメチラールをトリオキサン1molに対して6.8g/hrで、連続的に添加した。また、重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラート1質量%のシクロヘキサン溶液38g/hrを連続的に添加し重合を行なった。重合の形態は塊状重合である。重合機より排出されたポリアセタールコポリマーの粉体を、トリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を行なった。失活されたポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過、洗浄後140℃で乾燥し、粗ポリアセタールを得た。
その後、第4級アンモニウム化合物としてトリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメートを含有した水溶液1質量部、酸化防止剤として2,2―メチレンビスー(4―メチルーt―ブチルフェノール)を0.3質量部、ステアリン酸カルシウム0.2質量部を添加しベント付きブレーカープレートにスクリーンメッシュ(#200メッシュ)を備えた2軸スクリュー式押出機に供給した。押出機中に溶融しているポリアセタールに5wt%トリエチルアミン水溶液2質量部を添加し、押し出し機の設定温度200℃に設定し、不安定末端部の分解を行った。さらに、不安定末端部の分解されたポリアセタールはベント真空度20Torr条件下で脱揮され、押出機ダイス部より排出した。ダイス部から排出されたポリアセタールをホットカットした後に水冷し、ポリアセタールペレットを得た。
押出中、スクリューの回転数は100rpmで運転をし、運転開始10時間後よりポリアセタールペレットを採取開始し、10分毎に50rpm、100rpm、150rpmと回転数を適宜変動させた。結果を表2に示す。
(比較例5)
ホットカットの速度を変更し、ペレットのサイズを変更した以外は、POM―1の製造方法と同様に実施した。結果を表2に示す。
表1に示すように、実施例1〜8においては、異物含有ペレット量が600ppm以下であるため、高品質であることが分かった。また、1000kg/hrでの分離操作が可能であり、効率よくポリアセタールペレットが得られた。
ペレット選別機を用いずに目視で異物選別を行った比較例1及び2においては、ポリアセタールペレット極めて異物を含有するペレットの少ないポリアセタールペレットを得ることができたが、実用上良好な分離操作が得られなかった。
比較例3においては、ポリアセタールペレットの熱安定性が低かったため、発生したホルムアルデヒドの影響と推測されるが、分離操作が良好に行われなかった。
比較例4及び5は分離操作を行っていないため、異物を含有するペレットがポリアセタールアペレット中に多数混入した。
Figure 0006438278
Figure 0006438278
本発明に係るポリアセタールペレットの製造方法は、電気・電子材料分野、自動車分野、その他各種工業材料分野等における各種部品材料、フィルム・シート材料、機械や装置内に用いられる小型成形品材料、食品の包装材料等の分野において産業上の利用可能性を有する。

Claims (7)

  1. 第4級アンモニウム化合物を、ポリオキシメチレンコポリマーに対して、第4級アンモニウム化合物由来の窒素の量に換算して、0.05質量ppm以上50質量ppm以下で添加して溶融混練し、重合したポリアセタールを得る工程と、
    重合により得られたポリアセタールから、窒素雰囲気下100℃で1時間の加熱により発生するホルムアルデヒドの量が10質量ppm以下の二以上のポリアセタールペレットを得る造粒工程と、
    ペレット選別機により前記ポリアセタールペレットを選別し、全てのポリアセタールペレットの量に対して、異物を含有するポリアセタールペレットの量が600質量ppm未満であるポリアセタールペレットを得る選別工程と、
    を有し、
    前記ポリアセタールペレットの形状が、偏平球状である、ポリアセタールペレットの製造方法。
  2. 前記異物が、炭化物由来の異物である、請求項1に記載のポリアセタールペレットの製造方法。
  3. 前記ポリアセタールペレットの最も長い径が5mm以下、最も短い径が3mm以下である、請求項1又は2に記載のポリアセタールペレットの製造方法。
  4. 前記異物が、1.0mm未満である、請求項1からのいずれか一項に記載のポリアセタールペレットの製造方法。
  5. 前記選別工程が、前記ペレット選別機により除去されたポリアセタールペレットの全部又は一部を、前記造粒工程のポリアセタールとして再利用する選別工程である、請求項1からのいずれか一項に記載のポリアセタールペレットの製造方法。
  6. 前記異物が、0.3mm未満であり、
    前記選別工程が、ポリアセタールペレット全量に対して、前記異物を含有するポリアセタールペレットの量が300質量ppm以下であるポリアセタールペレットを得る選別工程である、請求項1からのいずれか一項に記載のポリアセタールペレットの製造方法。
  7. 前記造粒工程が、120℃の加熱により発生するホルムアルデヒドの量が10質量ppm以下のポリアセタールのポリアセタールペレットを得る造粒工程である、請求項1からのいずれか一項に記載のポリアセタールペレットの製造方法。
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