JP6623055B2 - ポリアセタールの製造方法 - Google Patents
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Description
[1]
ポリアセタールを、130℃±10℃の範囲で加熱する一段目加熱乾燥工程と、
該ポリアセタールの融点をTmとした時、一段目加熱乾燥工程で得られたポリアセタールを、Tm−20℃以上、Tm以下の範囲の温度で加熱する二段目加熱乾燥工程と、を含むポリアセタールの製造方法。
[2]
二段目加熱乾燥工程において、ポリアセタールの軽凝集体を形成させる[1]に記載のポリアセタールの製造方法。
[3]
二段目加熱乾燥工程で得られるポリアセタールが、下記(1)及び(2)を満たす軽凝集体である[1]又は[2]に記載のポリアセタールの製造方法;
(1)長径が50μm以下の粒子の割合が全粒子に対して15%以下、
(2)長径が300μm以上の粒子の割合が全粒子に対して20%以上。
[4]
一段目加熱乾燥工程の加熱時間がポリアセタールの品温が上述の一段目加熱乾燥工程の乾燥温度に達してから30分以上500分以下の範囲である[1]〜[3]のいずれかに記載のポリアセタールの製造方法。
[5]
二段目加熱乾燥工程の加熱時間がポリアセタールの品温が上述の二段目加熱乾燥工程の乾燥温度に達してから20分以上500分以下の範囲であり、二段目加熱乾燥工程において、ポリアセタールを撹拌しながら乾燥を行なう[1]〜[4]のいずれかに記載のポリアセタールの製造方法。
[6]
該ポリアセタールが、ホルムアルデヒド単量体又は環状ホルムアルデヒドと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを、開始剤存在下で共重合させて得られるポリアセタールである[1]〜[5]のいずれかに記載のポリアセタールの製造方法。
[7]
該ポリアセタールが、トリオキサンと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを開始剤存在下で共重合させて得られるポリアセタールである[1]〜[6]のいずれかに記載のポリアセタールの製造方法。
[8]
該環状エーテル、及び/又は、環状ホルマールが1,3−ジオキソランである[6]又は[7]に記載のポリアセタールの製造方法。
[9]
一段目加熱乾燥工程を経て得られるポリアセタール中に残存する未反応環状ホルムアルデヒド量が10000ppm以下である[1]〜[8]のいずれかに記載のポリアセタールの製造方法。
[10]
長径が50μm以下の粒子の割合が全粒子に対して15%以下であり、長径が300μm以上の粒子の割合が全粒子に対して20%以上であり、
ボルテックスミキサーで回転速度3000rpmで15分間、ミキシングを行なった場合、長径が50μm以下の粒子の割合(微粉量)が全粒子に対して15%を超え、かつ、長径が300μm以上の粒子の割合(大粒量)が全粒子に対して20%未満となるポリアセタール軽凝集体。
[11]
ポリアセタールを、130℃±10℃の範囲で加熱する一段目加熱乾燥工程と、
該ポリアセタールの融点をTmとした時、一段目加熱乾燥工程で得られたポリアセタールを、Tm−20℃以上、Tm以下の範囲の温度で加熱する二段目加熱乾燥工程と、
二段目加熱乾燥工程で得られたポリアセタールと添加剤とを溶融混練する工程と、を含むポリアセタール樹脂組成物の製造方法。
本実施形態のポリアセタールの製造方法は、
ポリアセタールを、130℃±10℃の範囲で加熱する一段目加熱乾燥工程と、
該ポリアセタールの融点をTmとした時、一段目加熱乾燥工程で得られたポリアセタールを、Tm−20℃以上、Tm以下の範囲の温度で加熱する二段目加熱乾燥工程と、を含む。
一段目加熱乾燥工程に用いるポリアセタールは、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒドの単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等の環状ホルムアルデヒドと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマール等の環状エーテル、及び/又は環状ホルマールとを、共重合させて得られる。
一段目加熱乾燥工程に用いるポリアセタールは、ホルムアルデヒド単量体又は環状ホルムアルデヒドと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを、開始剤存在下で共重合させて得られるポリアセタールであることが好ましく、トリオキサンと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを開始剤存在下で共重合させて得られるポリアセタールであるとより好ましい。また、前記環状エーテル、及び/又は、環状ホルマールは、1,3−ジオキソランであることが好ましい。このようにして得られるポリアセタールを用いると熱安定性を向上させる傾向にある
前記ポリアセタールをホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)を用いて得る場合、コモノマーの添加量は、一般的には、トリオキサン100molに対して0.1〜60mol%とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜20mol%、さらに好ましくは0.13〜10mol%とする。
また、前記ポリアセタールをホルムアルデヒドの4量体(テトラオキサン)を用いて得る場合、前記コモノマーの添加量としては、テトラオキサン100molに対して0.13〜90mol%とすることが好ましく、より好ましくは0.14〜30mol%、さらに好ましくは0.16〜13mol%である。
ポリアセタールの重合に用いられる重合触媒(開始剤)としては、ルイス酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物等のカチオン活性触媒が好ましい。
低分子量アセタール化合物は、後述する重合工程において連鎖移動剤として機能するものであり、以下に限定されるものではないが、例えば、分子量が200以下、好ましくは60〜170のアセタール化合物が挙げられる。具体的には、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラールが挙げられる。これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリアセタールは、従来公知の方法、例えば、米国特許第3027352号明細書、同第3803094号明細書、独国特許発明第1161421号明細書、同第1495228号明細書、同第1720358号明細書、同第3018898号明細書、特開昭58−98322号公報及び特開平7−70267号公報に記載の方法によって重合することができる。
重合触媒の失活処理としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩類、有機酸塩等の水溶液又は有機溶液中で重合触媒を中和失活する方法が挙げられる。重合触媒の失活効率を高める観点から、ポリアセタールが大きな塊状の場合、一旦粉砕して処理することが好ましい。その後、遠心分離機でろ過することにより、ポリアセタールが得られる。
一段目加熱乾燥工程において、ポリアセタール粒子の粒度は、長径が50μm以下の粒子の割合(微粉量)が全粒子に対して15%を超えることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、また、長径が300μm以上の粒子の割合(大粒量)が全粒子に対して20%未満であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが特に好ましい。
上記重合反応工程と重合触媒失活工程とを経て得られたポリアセタールの一段目加熱乾燥工程に用いることのできる乾燥機としては、以下に限定されるものではないが、例えば、パドル型ドライヤーやドラム型ドライヤーなどの撹拌式乾燥機、及び、コンベア式ドライヤーや恒温機などの静置式乾燥機などが挙げられる。特に、乾燥効率が高められる観点から、撹拌式の乾燥機を用いることが好ましい。また、加熱方式としては、熱風等を通気させて乾燥させる直接型加熱方式や、熱媒からの伝熱等を利用した間接型加熱方式等が挙げられる。
なお、本実施形態において、ポリアセタール中に残存する未反応環状ホルムアルデヒド量は後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
上記工程を経ることで得られたポリアセタールの二段目加熱乾燥工程における乾燥方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、上述の撹拌式乾燥機などを用いた乾燥方法等が挙げられる。前述の一段目加熱乾燥工程と二段目加熱乾燥工程とを経ることでポリアセタールを得ることができる。二段目加熱乾燥工程における乾燥温度は、ポリアセタールの融点をTmとした時、Tm−20℃以上、Tm以下であり、より好ましくは、Tm−10℃以上、Tm以下、さらに好ましくは、Tm−7℃以上、Tm以下である。この温度範囲で二段目加熱乾燥を行なった場合、得られたポリアセタールは、取扱い性の高い軽凝集体となる。また、上記二段目加熱乾燥工程は、温度ムラにより完全な凝集体となることを防ぐため、ポリアセタールを撹拌しながら乾燥を行なうことが好ましい。また、二段目加熱乾燥工程における乾燥時間はポリアセタールを均一に加熱するという理由から、ポリアセタールの品温が上述の二段目加熱乾燥工程の乾燥温度に達してから20分以上500分以下の範囲で行うことが好ましい。
また、二段目加熱乾燥工程を経て得られるポリアセタール粒子の粒度は、長径が50μm以下の粒子の割合(微粉量)が全粒子に対して15%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下が特に好ましく、また、長径が300μm以上の粒子の割合(大粒量)が全粒子に対して20%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、50%以上が特に好ましい。
ここで、ポリアセタールの軽凝集体とは、容易に凝集前の粒度に戻すことができるポリアセタールの凝集体をいい、具体的には以下の条件を満たすポリアセタールのことを言う。長径が50μm以下の粒子の割合(微粉量)が全粒子に対して15%以下、かつ、長径が300μm以上の粒子の割合(大粒量)が全粒子に対して20%以上であり、さらに、ボルテックスミキサーで回転速度3000rpmで15分間、ミキシングを行なった場合、長径が50μm以下の粒子の割合(微粉量)が全粒子に対して15%を超え、かつ、長径が300μm以上の粒子の割合(大粒量)が全粒子に対して20%未満となるポリアセタール(ポリアセタール軽凝集体)である。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物の製造方法は、上述の一段目加熱乾燥工程と二段目加熱乾燥工程とを経て得られるポリアセタールと添加剤とを溶融混練する工程を含む。
溶融混練方法としては、特に限定されず、ポリアセタール樹脂組成物を製造する際に用いられる公知の方法が挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物の製造方法において、本発明の目的を損なわない範囲で、従来ポリアセタール樹脂組成物に使用されている各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、下記に限定されるものではないが、例えば、下記の酸化防止剤、ホルムアルデヒドやギ酸捕捉剤及び離型剤などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、ポリアセタール樹脂組成物の熱安定性向上の観点から、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
前記ホルムアルデヒドやギ酸の捕捉剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(1)ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物及び重合体、(2)アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩及びアルコキシド等が挙げられる。
(ロ)アミノ置換トリアジンとして、具体的には、グアナミン(2,4−ジアミノ−sym−トリアジン)、メラミン(2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン)、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N',N''−トリフェニルメラミン、N−メチロールメラミン、N,N'−ジメチロールメラミン、N,N',N''−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、2,4−ジオキシ−6−アミノ−sym−トリアジン(アメライト)、2−オキシ−4、6−ジアミノ−sym−トリアジン(アメリン)、N,N',N''−テトラシアノエチルベンゾグアナミン等がある。
(ハ)アミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの共縮合物として、具体的には、メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物等がある。
前記離型剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(1)アルコール、(2)アルコールと脂肪酸とのエステル、(3)アルコールとジカルボン酸とのエステル及びシリコーンオイル等が挙げられる。
[ポリアセタールIの重合方法]
熱媒を通すことができるジャケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機を80℃に調整し、トリオキサンを4kg/h、コモノマーとして1,3−ジオキソランを394.9g/h(トリオキサン1molに対して、4mol%)、連鎖移動剤としてメチラールを7.3g/hで連続的に添加した。また、重合触媒として三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して2.0×10-5molで連続的に添加し重合を行なった。重合機より排出されたポリアセタールをトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し、湿式粉砕機(WARING社製、商品名「ワーリングブレンダ― 7011HS型」)を用いて粉砕し、重合失活を行なった。失活されたポリアセタールを遠心分離機でろ過、洗浄することで、ポリアセタールIを得た。
コモノマーとして、1,3−ジオキソランを148.1g/h(トリオキサン1molに対して、1.5mol%)とすること以外は、上記のポリアセタールIの重合方法と同様にして重合を行ない、ポリアセタールIIを得た。
後述の一段目の加熱乾燥工程後のポリアセタール3gを窒素気流(50NL/時間)下、140℃で90分間加熱し、ポリアセタールから発生する未反応トリオキサンガスを水に吸収させて水溶液を得た。その後、得られた水溶液についてガスクロマトグラフィーを用いてトリオキサン含有量を測定した。当該測定値を未反応トリオキサン量とした。
示差熱走査熱量計(パーキンエルマー社製、商品名「DSC8000」)を用いて、試料3mgを昇温速度300℃/分で一旦200℃まで昇温させ融解させた後、降温速度80℃/分で100℃まで冷却し、昇温速度2.5℃/分で再度昇温し、吸熱ピークの頂点の温度を測定して、融点とした。
顕微鏡(キーエンス社製、商品名「VHX−2000」)を用いてポリアセタールの粒子を撮影した。倍率100倍で撮影を行い、撮影した粒子の内、ランダムに2000個を抽出し、その中で長径が50μm以下のものを微粉とし、全粒子数に対する微粉の数の割合を算出し、その値を微粉量[%]とした。また、長径が300μm以上のものを大粒とし、全粒子数に対する大粒数の割合を算出し、その値を大粒量[%]とした。この微粉量及び大粒量の増減をもって、軽凝集体生成の判断を行なった。
二段目加熱乾燥工程後のポリアセタールをスクリュー管に入れ、デジタルボルテックスミキサー(エムエス機器株式会社製、商品名「DIGITAL VORTEX−GENIE 2」)で回転速度3000rpmで15分間、ミキシングを行なった。ミキシング後のポリアセタールを、上述の評価方法を用いて微粉量及び大粒量を算出し、粉砕前後の粒径を比較することで軽凝集性の評価を行なった。
二段目加熱乾燥工程後の大粒量が加熱前に比べて大幅に増大し、さらに、ミキシング後の大粒量が加熱前の大粒量と概ね一致している場合を○、加熱前後又はミキシング前後の微粉量、及び/又は、大粒量がほとんど変化ない場合を×として評価した。
二段目加熱乾燥工程後のポリアセタール100重量部に対して後述の表2に示した添加剤を添加し、ハンドブレンドにより混合した後、ラボプラストミル・マイクロ用二軸押出機(東洋精機社製、商品名「2D15W」)に500g供給した。設定温度200℃、吐出量1.5kg/時間の条件下で、ダイス部よりストランドとして押出し、ペレタイズすることにより、ポリアセタール樹脂組成物を得た。押出機供給口より投入してから3分間機内をパージした直後、サンプリングしたペレット5gを押出し初期のポリアセタール樹脂組成物とし、押出し初期のペレットをサンプリングしてから15分後にサンプリングしたペレット5gを押出し終期のポリアセタール樹脂組成物とした。押出し初期及び終期のペレット各2gを、それぞれ20gの水中に浸漬し90℃で7時間加熱することで、発生したホルムアルデヒドを水中に抽出した。水中のホルムアルデヒドをアンモニウムイオン存在下においてアセチルアセトンと反応させ、その反応物を対象としてUV分光計にて波長412nmの吸収ピークを測定し、ホルムアルデヒド放出量(ppm)を求めた。
一段目の加熱乾燥工程として、ポリアセタールI 150gをナスフラスコに入れ、エバポレータ(BUCHI Labortechnik社製、商品名「ロータリーエバポレータR−210」)を用いて140rpmで回転させながら、140℃で30分間加熱した。次いで、二段目の加熱造粒工程として、同エバポレータを用いて162℃で20分間加熱した。上記操作を計10回繰り返すことで、ポリアセタールA−1を得た。得られたポリアセタールA−1の特性を上記方法により測定した。結果を表1に示す。
表1に示した条件以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
ポリアセタールA−1を用いて、上述のホルムアルデヒド放出量の評価方法に基づきポリアセタール樹脂組成物を得た。得られたポリアセタール樹脂組成物のホルムアルデヒド放出量の結果を表2に示す。
一段目の加熱乾燥工程としてポリアセタールI 150gをナスフラスコに入れ、上述のエバポレータを用いて140rpmで回転させながら、140℃で30分間加熱した。上記操作を計10回繰り返すことでポリアセタールA−2を得た。得られたポリアセタールA−2の特性を上記方法により測定した。結果を表1に示す。
表1に示した条件以外は、実施例1と同様に実施し、ポリアセタールA−3を得た。得られたポリアセタールA−3の特性を上記方法により測定した。結果を表1に示す。
表1に示した条件以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
表1に示した条件以外は、比較例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
表2に示した条件以外は、実施例6〜7と同様に上述のホルムアルデヒド放出量の評価方法に基づきポリアセタール樹脂組成物を得た。得られたポリアセタール樹脂組成物のホルムアルデヒド放出量の結果を表2に示す。
比較例1〜5では、上述の製造条件を満たさないため、取扱い性に優れるポリアセタールの軽凝集体が得られなかった。また、比較例6〜9の結果から、ホルムアルデヒド放出量の低下や安定性も見られなかった。一方、実施例1〜5では、上述の製造条件を満たすため、取扱い性に優れる軽凝集体が得られ、また、実施例6〜7の結果から、ホルムアルデヒド放出量の低下が見られた。さらに、実施例2では、二段目の加熱温度が低いため、若干取扱い性が低いのに対し、実施例1、3〜5では、二段目の加熱温度が高いため、取扱い性、熱安定性ともに特に良好な結果を示した。
添加剤B−1:トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
添加剤B−2:ペンタエリスリトールテトラキス−(3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)
添加剤C:ナイロン66
添加剤D:エチレングリコールジ脂肪酸エステル
添加剤E:ジステアリン酸カルシウム
Claims (10)
- ポリアセタールを、130℃±10℃の範囲で加熱する一段目加熱乾燥工程と、
該ポリアセタールの融点をTmとした時、一段目加熱乾燥工程で得られたポリアセタールを、Tm−20℃以上、Tm以下の範囲の温度で加熱する二段目加熱乾燥工程と、を含み、
二段目加熱乾燥工程の乾燥温度が一段目加熱乾燥工程の乾燥温度より高いポリアセタールの製造方法。 - 二段目加熱乾燥工程において、以下の条件を満たすポリアセタールを形成させる請求項1に記載のポリアセタールの製造方法。
〔ポリアセタールが満たす条件:
長径が50μm以下の粒子の割合(微粉量)が全粒子に対して15%以下、かつ、長径が300μm以上の粒子の割合(大粒量)が全粒子に対して20%以上であり、さらに、ボルテックスミキサーで回転速度3000rpmで15分間、ミキシングを行なった場合、長径が50μm以下の粒子の割合(微粉量)が全粒子に対して15%を超え、かつ、長径が300μm以上の粒子の割合(大粒量)が全粒子に対して20%未満となる。〕 - 一段目加熱乾燥工程の加熱時間がポリアセタールの品温が上述の一段目加熱乾燥工程の乾燥温度に達してから30分以上500分以下の範囲である請求項1又は2に記載のポリアセタールの製造方法。
- 二段目加熱乾燥工程の加熱時間がポリアセタールの品温が上述の二段目加熱乾燥工程の乾燥温度に達してから20分以上500分以下の範囲であり、二段目加熱乾燥工程において、ポリアセタールを撹拌しながら乾燥を行なう請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアセタールの製造方法。
- 該ポリアセタールが、ホルムアルデヒド単量体又は環状ホルムアルデヒドと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを、開始剤存在下で共重合させて得られるポリアセタールである請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアセタールの製造方法。
- 該ポリアセタールが、トリオキサンと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを開始剤存在下で共重合させて得られるポリアセタールである請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリアセタールの製造方法。
- 該環状エーテル、及び/又は、環状ホルマールが1,3−ジオキソランである請求項5又は6に記載のポリアセタールの製造方法。
- 一段目加熱乾燥工程を経て得られるポリアセタール中に残存する未反応環状ホルムアルデヒド量が10000ppm以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリアセタールの製造方法。
- 長径が50μm以下の粒子の割合が全粒子に対して15%以下であり、長径が300μm以上の粒子の割合が全粒子に対して20%以上であり、
ボルテックスミキサーで回転速度3000rpmで15分間、ミキシングを行なった場合、長径が50μm以下の粒子の割合(微粉量)が全粒子に対して15%を超え、かつ、長径が300μm以上の粒子の割合(大粒量)が全粒子に対して20%未満となるポリアセタール。 - ポリアセタールを、130℃±10℃の範囲で加熱する一段目加熱乾燥工程と、
該ポリアセタールの融点をTmとした時、一段目加熱乾燥工程で得られたポリアセタールを、Tm−20℃以上、Tm以下の範囲の温度で加熱する二段目加熱乾燥工程と、
二段目加熱乾燥工程で得られたポリアセタールと添加剤とを溶融混練する工程と、を含み、
二段目加熱乾燥工程の乾燥温度が一段目加熱乾燥工程の乾燥温度より高いポリアセタール樹脂組成物の製造方法。
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