実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略することがある。
なお、トランジスタの「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体層と電荷捕獲層とゲート電極とを有する半導体装置の構成および動作原理について説明する。図1(A)は、半導体層101と電荷捕獲層102とゲート電極103とを有する半導体装置である。電荷捕獲層102はゲート絶縁層を兼ねることができる。
ここで、電荷捕獲層102としては、例えば、図1(B)に示されるような、第1の絶縁膜102aと窒素とシリコンを含む絶縁膜102bの積層体でもよいし、図1(C)に示されるような、第1の絶縁膜102a、窒素とシリコンを含む絶縁膜102bと第2の絶縁膜102cの積層体、あるいは、さらに多層の絶縁膜の積層体でもよい。なお、窒素とシリコンを含む絶縁膜102bは、単層ではなく2層以上の積層膜で形成してもよい。
例えば、図1(B)に示す半導体装置の点Aから点Bにかけてのバンド図の例を図2(A)に示す。図中、Ecは伝導帯下端、Evは価電子帯上端を示す。図2(A)では、ゲート電極103の電位はソース電極あるいはドレイン電極(いずれも図示せず)と同じである。
ここで窒素とシリコンを含む絶縁膜とは、例えば窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などがあげられる。窒化酸化シリコン膜とは、その組成として、酸素よりも窒素が多い膜を指す(SiNxOy、x>y>0)。なお窒素の割合が少なくなると電荷捕獲能力が不足してしまうため、窒素の割合が酸素よりも少ない膜はトラップ膜としては適さない。
次に、電荷捕獲層に電荷が捕獲される過程について説明する。ここでは電子が捕獲される例について示すが、ホールが捕獲される場合の過程についても同様な説明ができる。
図2に示すように、電荷捕獲層102には電子捕獲準位104とホール捕獲準位111が存在する。ここでは電子捕獲準位104に電子が捕獲される過程について示す。第1の絶縁膜102aと窒素とシリコンを含む絶縁膜102bの界面、あるいは、窒素とシリコンを含む絶縁膜102bの内部に電子捕獲準位104が存在する。ゲート電極103の電位を、ソース電極あるいはドレイン電極より高くすると、図2(B)に示すようになる。半導体層101に存在する電子105は、より電位の高いゲート電極103の方向に移動しようとする。そして、半導体層101からゲート電極103の方向に移動した電子105のいくらかは、電子捕獲準位104に捕獲される。
電子105が、第1の絶縁膜102aの障壁を超えて、窒素とシリコンを含む絶縁膜102bに達するには、いくつかの過程が考えられる。第1は、トンネル効果によるものである。トンネル効果は、第1の絶縁膜が薄いほど顕著となる。ただし、この場合、電子捕獲準位104に捕獲された電子が、トンネル効果により、再度、流失してしまうことがある。
なお、ゲート電極103に適切な大きさの電圧を印加することで、第1の絶縁膜102aが比較的厚い場合でも、トンネル効果(Fowler−Nordheimトンネル効果)を発現させることもできる。Fowler−Nordheimトンネル効果の場合には、ゲート電極103と半導体層101の間の電界の自乗でトンネル電流が増加する。
第2は、電子105が、第1の絶縁膜102a中の欠陥準位等のバンドギャップ中の捕獲準位をホッピングしながら、窒素とシリコンを含む絶縁膜102bに到達するものである。これは、Poole−Frenkel伝導といわれる伝導機構であり、絶対温度が高いほど、捕獲準位が浅いほど、電気伝導性が高まる。
第3は、熱的な励起によって、電子105が、第1の絶縁膜102aの障壁を超えるものである。半導体層101に存在する電子の分布はフェルミ・ディラック分布にしたがい、一般的には、エネルギーの高い電子の比率は、高温であるほど多くなる。例えば、フェルミ面から3電子ボルトだけ高いエネルギーを有する電子の300K(27℃)での密度を1としたとき、450K(177℃)では、6×1016、600K(327℃)では、1.5×1025、750K(477℃)では、1.6×1030となる。
電子105が、第1の絶縁膜102aの障壁を超えてゲート電極103に向かって移動する過程は、上記の3つの方法とそれらの組み合わせで生じていると考えられる。特に、第2の方法、第3の方法は、温度が高いと指数関数的に電流が増大することを示す。
また、Fowler−Nordheimトンネル効果も、第1の絶縁膜102aの障壁層の薄い部分(エネルギーの高い部分)の電子の濃度が高いほど起こりやすいので、温度が高いことが有利である。
なお、以上の伝導機構による電流は、特にゲート電極103の電位が低い(5V以下)場合には、きわめて微弱であることが多いが、長時間の処理により、必要とする量の電子を電子捕獲準位104に捕獲せしめることができる。
すなわち、より高い温度(半導体装置の使用温度あるいは保管温度よりも高い温度、あるいは、125℃以上450℃以下、代表的には150℃以上300℃以下)の下で、ゲート電極103の電位をソースやドレインの電位より高い状態を、1秒以上、代表的には1分以上維持することで、半導体層101からゲート電極103に向かって、必要とする電子が移動し、そのうちのいくらかは電子捕獲準位104に捕獲される。このように電子を捕獲する処理のための温度を、以下、処理温度という。
このとき、電子捕獲準位104に捕獲される電子の量はゲート電極103の電位により制御できる。電子捕獲準位104に相応の量の電子が捕獲されると、その電荷のために、ゲート電極103の電界が遮蔽され、半導体層101に形成されるチャネルが消失する。
電子捕獲準位104により捕獲される電子の総量は、当初は、線形に増加するが、徐々に増加率が低下し、やがて、一定の値に収斂する。収斂する値は、ゲート電極103の電位に依存し、電位が高いほどより多くの電子が捕獲される傾向にあるが、電子捕獲準位104の総数を上回ることはない。
電子捕獲準位104に捕獲された電子は、電荷捕獲層102から流失しないことが求められる。そのためには、第1の絶縁膜102aと窒素とシリコンを含む絶縁膜102bの厚さの和が、トンネル効果が問題とならない程度の厚さであることが好ましい。例えば、第1の絶縁膜102aと窒素とシリコンを含む絶縁膜102bの物理的な厚さの和が6nmより大きいことが好ましい。
一方で、第1の絶縁膜102aが厚すぎると、電子の移動の妨げとなるので、30nm以下とすることが好ましい。また、半導体装置のチャネル長に比較して、第1の絶縁膜102a、窒素とシリコンを含む絶縁膜102bが厚すぎると、サブスレショールド値が増加し、オフ特性が悪化するので、チャネル長は、第1の絶縁膜102aと窒素とシリコンを含む絶縁膜102bの酸化シリコン換算の厚さ(Equivalent Silicon Oxide Thickness)の4倍以上、代表的には10倍以上であるとよい。
代表的には、第1の絶縁膜102aの厚さは、3nm以上10nm以下、窒素とシリコンを含む絶縁膜102bの厚さは、5nm以上20nm以下とするとよい。
また、半導体装置の使用温度あるいは保管温度を処理温度よりも十分に低くすることが考えられる。例えば、処理温度を300℃(573K)とし、半導体装置を120℃(393K)で保管する場合、電子が、3電子ボルトの障壁を乗り越える確率は、後者は前者の10万分の1未満である。
また、電荷捕獲層に電子を捕獲する場合には、ホールの有効質量が極めて大きい、あるいは、実質的に局在化している半導体層101を用いることも有効である。この場合には、半導体層101から第1の絶縁膜102aおよび窒素とシリコンを含む絶縁膜102bへのホールの注入がなく、したがって、電子捕獲準位104に捕獲された電子がホールと結合して消滅することもない。
また、第1の絶縁膜102a、窒素とシリコンを含む絶縁膜102bに捕獲された電子を放出させるような電圧がかからないように回路設計、材料選定をおこなってもよい。例えば、In−Ga−Zn系酸化物半導体のように、ホールの有効質量が極めて大きい、あるいは、実質的に局在化しているような材料では、ゲート電極103の電位が、ソース電極あるいはドレイン電極の電位より高い場合にはチャネルが形成されるが、低い場合には、絶縁体と同様な特性を示す。この場合には、ゲート電極103と半導体層101の間の電界が極めて小さくなり、Fowler−Nordheimトンネル効果、あるいは、Poole−Frenkel伝導による電子伝導は著しく低下する。
図1(C)に示す半導体装置の点Cから点Dにかけてのバンド図の例を図2(C)に示す。図2(C)では、ゲート電極103の電位はソース電極あるいはドレイン電極(いずれも図示せず)と同じである。また、ゲート電極103の電位を、ソース電極あるいはドレイン電極より高くすると、図2(D)に示すようになる。
このように電荷捕獲層102が電子を捕獲すると、図3に示すように半導体装置のしきい値が増加する。特に、半導体層101が、バンドギャップが大きな材料(ワイドバンドギャップ半導体)であると、ゲート電極103の電位をソース電極の電位と同じとしたときのソースドレイン間の電流(Icut電流)を大幅に低下させることができる。
例えば、バンドギャップ3.2電子ボルトのIn−Ga−Zn系酸化物であれば、Icut電流密度(チャネル幅1μmあたりの電流値)は1zA/μm(1×10−21A/μm)以下、代表的には、1yA/μm(1×10−24A/μm)以下とできる。
図3(A)は電荷捕獲層102での電子の捕獲をおこなう前と、電子の捕獲をおこなった後での、室温でのソース電極ドレイン電極間のチャネル幅1μmあたりの電流(Id)のゲート電極103の電位(Vg)依存性を模式的に示したものである。なお、ソース電極の電位を0V、ドレイン電極の電位を+1Vとする。1fAより小さな電流は、直接は測定することが難しいが、その他の方法で測定した値、サブスレショールド値等をもとに推定できる。
最初、曲線106で示すように、半導体装置のしきい値はVth1であったが、電子の捕獲をおこなった後では、しきい値が増加し(プラス方向に移動し)、Vth2となる。また、この結果、Vg=0での電流密度は、1aA/μm(1×10−18A/μm)以下、例えば、1zA/μm以上1yA/μm以下となる。
例えば、図3(B)のように、容量素子109に蓄積される電荷をトランジスタ108で制御する回路を考える。ここで、容量素子109の電極間のリーク電流は無視する。容量素子109の容量が1fFであり、容量素子109のトランジスタ108側の電位が+1V、Vdの電位が0Vであるとする。
トランジスタ108のId−Vg特性が図3(A)中の曲線106で示されるもので、チャネル幅が0.1μmであると、Icut電流は約1fAであり、トランジスタ108のこのときの抵抗は約1×1015Ωである。したがって、トランジスタ108と容量素子109よりなる回路の時定数は約1秒である。すなわち、約1秒で、容量素子109に蓄積されていた電荷の多くが失われてしまうことを意味する。
トランジスタ108のId−Vg特性が図3(A)中の曲線107で示されるもので、チャネル幅が0.1μmであると、Icut電流は約1yAであり、トランジスタ108のこのときの抵抗は約1×1024Ωである。したがって、トランジスタ108と容量素子109よりなる回路の時定数は1×109秒(=約31年)である。すなわち、10年経過後でも、容量素子109に蓄積されていた電荷の1/3は残っていることを意味する。
すなわち、トランジスタと容量素子という単純な回路で、かつ、それほど過大な電圧を印加しなくても、10年間の電荷の保持が可能である。このことは各種記憶装置に用いることができる。このような特性を用いた電子回路、半導体装置、電子機器等については他の実施の形態で説明する。
しきい値の増加幅は電荷捕獲層102が捕獲する電荷密度によって決まる。例えば、図1(B)に示す半導体装置において、第1の絶縁膜102aと窒素とシリコンを含む絶縁膜102bの界面においてのみ電子が捕獲される場合、捕獲された電子の面密度を、Qとするとき、しきい値は、Q/C(ただし、Cは第1の絶縁膜102aの誘電率)だけ増加する。
なお、上記のようにゲート電極103の電位によって、捕獲される電荷の量が一定の値になることから、ゲート電極103の電位によって、しきい値の増加分を制御することもできる。
例えば、ゲート電極103の電位を、ソース電極とドレイン電極の電位より1.5Vだけ高くし、温度を150℃以上250℃以下、代表的には200℃±20℃とする場合を考える。電荷捕獲層102に電子が捕獲される前の半導体装置のしきい値(第1のしきい値、Vth1)が+1.1Vであったとすると、当初は、半導体層101にチャネルが形成されており、電荷捕獲層102に電子が捕獲される。その後、電荷捕獲層102に捕獲される電子の量が増加し、チャネルが消失する。この段階で、電荷捕獲層102での電子の捕獲はおこなわれなくなる。
この場合には、ゲート電極103の電位が、ソース電極、ドレイン電極より1.5V高い段階でチャネルが消失するので、しきい値が、+1.5Vとなる。あるいは、電荷捕獲層102に捕獲された電子によって、しきい値が、0.4Vだけ高くなったと言える。このように電荷捕獲層102に捕獲された電子によって変化した後のしきい値を第2のしきい値(Vth2)という。
このような特性を用いれば、もともと相当なばらつきのあった複数の半導体装置のしきい値を適切な範囲内に収束させることもできる。例えば、第1のしきい値が+1.2V、+1.1V、+0.9Vである3つの半導体装置があるとする。これらの半導体装置に、上記の条件で処理をおこなえば、それぞれの半導体装置のしきい値が+1.5Vを超えるような電子の捕獲は生じないので、3つの半導体装置とも第2のしきい値を+1.5Vとすることができる。この場合、これら3つの半導体装置の電荷捕獲層102に捕獲される電子の量(あるいは電子の面密度等)は異なる。
なお、電荷捕獲層102に捕獲される電子の数は、しきい値適正化処理の時間にも依存するので、しきい値適正化処理の時間を調整することにより、しきい値を目的の値までシフトさせることができる。
ゲート電極103は各種の材料を用いることができる。例えば、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Mo、Ru、Ag、TaおよびWなどの導電膜を用いることができる。また、ゲート電極103は、上記材料の積層であってもよい。また、ゲート電極103には、窒素を含んだ導電膜を用いてもよい。たとえば、ゲート電極103に窒化チタン膜上にタングステン膜の積層、窒化タングステン膜上にタングステン膜の積層、窒化タンタル膜上にタングステン膜の積層などを用いることができる。
なお、半導体層101に対向するゲート電極103の仕事関数は、半導体装置のしきい値を決定する要因のひとつであり、一般に、仕事関数が小さい材料であると、しきい値が小さくなる。しかしながら、上述のように、電荷捕獲層102に捕獲する電荷の量によりしきい値を調整できるので、ゲート電極103の材料の選択の幅が広がる。
半導体層101は各種の材料を用いることができる。例えば、酸化物半導体膜を用いることができる。また、ホールを電荷捕獲層に捕獲する場合には、半導体層101にホールが伝導しやすいp型シリコンなどを用いるとより効果的である。
第1の絶縁膜102aは各種の材料を用いることができる。例えば、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることができる。
窒素とシリコンを含む絶縁膜102bは、例えば窒化シリコン膜などを用いることができる。窒化シリコン膜は、例えば化学気相堆積(CVD)法やスパッタリング法などを用いて形成することができる。または、窒化シリコン膜は、異なる製造方法を用いて成膜した膜を積層して形成してもよい。たとえば、CVD法を用いて成膜した後で、スパッタリング法を用いた膜を成膜して、積層構造にしてもよい。あるいは、スパッタリング法を用いた膜を成膜した後で、CVD法を用いた膜を成膜してもよい。あるいは、CVD法またはスパッタリング法の何れか一方で成膜した膜を、他方で成膜した膜で挟んだような構造にしてもよい。
第2の絶縁膜102cは各種の材料を用いることができる。例えば、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることができる。
このように電荷捕獲層102に必要な量の電荷を捕獲させた半導体装置は、しきい値が特定の値であること以外は、通常のMOS型半導体装置と同じである。電荷捕獲層102に電荷を捕獲せしめる処理は、半導体装置の作製過程におこなえばよい。
例えば、図4に示すような工程が実施できる。まず、図4(A)に示すように、半導体装置が完成した後、初期特性を測定し、良品を選別する。ここで、良品の基準は断線等による回復不可能な動作不良に限定するとよい。まだ、しきい値が適正化されていないため、容量素子の電荷を長時間保持することはできず、また、しきい値がばらついていることもあるが、そのことは選別の基準とはならない。
その後、図4(B)に示すように、電子105を注入する。すなわち、窒素とシリコンを含む絶縁膜102bに適切な量の電子105を捕獲させる。この操作は上述のとおりおこなう。このとき、ゲート電極103の電位と、ソース電極あるいはドレイン電極のいずれか低い方の電位との差(ゲート電圧)は、1V以上4V未満であり、かつ、このメモリセルが出荷された後で印加されるゲート電圧と同じか低いものとする。
その後、図4(C)に示すように、再度、測定をおこなう。予定通りにしきい値が増加していることが良品の条件の一つである。この段階では、しきい値に異常のあるチップは不良品として、再度、電子注入をおこなってもよい。良品は、ダイシング、樹脂封止後、パッケージ化して出荷する。
なお、電荷捕獲層102に電子を注入する処理は、上記に限らず、例えば、半導体装置のソース電極あるいはドレイン電極に接続する配線メタルの形成後、あるいは、前工程(ウェハー処理)の終了後、あるいは、ウェハーダイシング工程後、パッケージ工程後等、工場出荷前のいずれかの段階でおこなうとよい。いずれの場合にも、その後に125℃以上の温度に1時間以上さらされないことが好ましい。
なお、本実施の形態では電荷捕獲層に電子を捕獲させて、しきい値をプラスシフトさせる例を示したが、ホールを捕獲させて、しきい値をマイナスシフトさせてもよい。この場合には、125℃以上450℃以下でゲート電極の電位をソース電極またはドレイン電極の電位より低い状態を1秒以上維持し、ホールを捕獲させる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置について図面を用いて説明する。
図5(A)乃至図5(C)は、本発明の一態様のトランジスタの上面図および断面図である。図5(A)は上面図であり、図5(A)に示す一点鎖線A−Bの断面が図5(B)、一点鎖線C−Dの断面が図5(C)に相当する。なお、図5(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。また、一点鎖線A−B方向をチャネル長方向、一点鎖線C−D方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
図5(A)乃至図5(C)に示すトランジスタ450は、基板400上の凹部および凸部を有する下地絶縁膜402と、下地絶縁膜402の凸部上の酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404bと、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404b上のソース電極406aおよびドレイン電極406bと、下地絶縁膜402の凹部の底面、下地絶縁膜402の凸部(または凹部)の側面、酸化物半導体膜404aの側面、酸化物半導体膜404bの側面および酸化物半導体膜404bの上面、ソース電極406aおよびドレイン電極406bと接する酸化物半導体膜404cと、酸化物半導体膜404c上のゲート絶縁膜408と、ゲート絶縁膜408上に接し、酸化物半導体膜404bの上面および側面に面するゲート電極410と、ソース電極406a、ドレイン電極406b、およびゲート電極410上の酸化物絶縁膜412と、を有する。また、ゲート絶縁膜408は、第1の絶縁膜408aとトラップ膜408bを有し、実施の形態1で述べた電荷捕獲層として機能する。また、酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、および酸化物半導体膜404cを総称して多層膜404と呼称する。
なお、チャネル長とは、上面図において、半導体膜とゲート電極とが重なる領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との距離をいう。すなわち、図5(A)では、チャネル長は、酸化物半導体膜404bとゲート電極410とが重なる領域における、ソース電極406aとドレイン電極406bとの距離となる。チャネル幅とは、半導体膜とゲート電極とが重なる領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。すなわち、図5(A)では、チャネル幅は、酸化物半導体膜404bとゲート電極410とが重なる領域における、ソース電極406aとドレイン電極406bとが向かい合っている部分の長さをいう。
ゲート絶縁膜408(第1の絶縁膜408aとトラップ膜408b)を電荷捕獲層として機能させることで、実施の形態1で述べたように第1の絶縁膜408aとトラップ膜408bの界面、あるいは、トラップ膜408bの内部に存在する電荷捕獲準位に電荷を捕獲することができる。このとき、電荷捕獲準位に捕獲される電荷の量はゲート電極410の電位により制御できる。
ゲート電極410の電位によって、捕獲される電荷の量が一定の値になるため、しきい値の増加幅を制御することができる。
また、ゲート電極410は、チャネル幅方向において酸化物半導体膜404bを電気的に取り囲み、オン電流が高められる。このようなトランジスタの構造を、Surrounded Channel(S−Channel)構造とよぶ。なお、S−Channel構造では、電流は酸化物半導体膜404bの全体(バルク)を流れる。酸化物半導体膜404bの内部を電流が流れることで、界面散乱の影響を受けにくいため、高いオン電流を得ることができる。なお、酸化物半導体膜404bを厚くすると、オン電流を向上させることができる。このため、ゲート電極410が酸化物半導体膜404aと酸化物半導体膜404bの界面より下地絶縁膜402側まで延伸していてもチャネル幅には関与せず、チャネル幅を小さくすることができるため、高密度化(高集積化)を実現することができる。
また、トランジスタのチャネル長およびチャネル幅を微細化するとき、レジストマスクを後退させながら電極や半導体膜等を加工すると電極や半導体膜等の上端部が丸みを帯びる(曲面を有する)場合がある。このような構成になることで、酸化物半導体膜404b上に形成されるゲート絶縁膜408、ゲート電極410および酸化物絶縁膜412の被覆性を向上させることができる。また、ソース電極406aおよびドレイン電極406bの端部に生じる恐れのある電界集中を緩和することができ、トランジスタの劣化を抑制することができる。
また、トランジスタを微細化することで、集積度を高め、高密度化することができる。例えば、トランジスタのチャネル長を100nm以下、好ましくは40nm以下、さらに好ましくは30nm以下、より好ましくは20nm以下とし、かつ、トランジスタのチャネル幅を100nm以下、好ましくは40nm以下、さらに好ましくは30nm以下、より好ましくは20nm以下とする。本発明の一態様に係るトランジスタは、上記のように狭チャネルでも、S−channel構造を有することでオン電流を高めることができる。
基板400は、単なる支持材料に限らず、他のトランジスタなどのデバイスが形成された基板であってもよい。この場合、トランジスタ450のゲート電極410、ソース電極406a、およびドレイン電極406bの少なくとも一つは、上記の他のデバイスと電気的に接続されていてもよい。
下地絶縁膜402は、基板400からの不純物の拡散を防止する役割を有するほか、多層膜404に酸素を供給する役割を担うことができる。したがって、下地絶縁膜402は酸素を含む絶縁膜であることが好ましく、化学量論組成よりも多い酸素を含む絶縁膜であることがより好ましい。また、上述のように基板400が他のデバイスが形成された基板である場合、下地絶縁膜402は、層間絶縁膜としての機能も有する。その場合、下地絶縁膜402の表面には凹凸が形成されるため、表面が平坦になるようにCMP(Chemical Mechanical Polishing)法等で平坦化処理を行うことが好ましい。
また、トランジスタ450のチャネルが形成される領域において多層膜404は、基板400側から酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、酸化物半導体膜404cが積層された構造を有している。また、酸化物半導体膜404bは、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cで取り囲まれている構造となっている。また、図5(C)に示すようにゲート電極410は、酸化物半導体膜404bを電気的に取り囲む構造になっている。
ここで、一例としては、酸化物半導体膜404bには、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cよりも電子親和力(真空準位から伝導帯下端までのエネルギー)が大きい酸化物半導体を用いる。電子親和力は、真空準位と価電子帯上端とのエネルギー差(イオン化ポテンシャル)から、伝導帯下端と価電子帯上端とのエネルギー差(エネルギーギャップ)を差し引いた値として求めることができる。
酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cは、酸化物半導体膜404bを構成する金属元素を一種以上含み、例えば、伝導帯下端のエネルギーが酸化物半導体膜404bよりも、0.05eV、0.07eV、0.1eV、0.15eVのいずれか以上であって、2eV、1eV、0.5eV、0.4eVのいずれか以下の範囲で真空準位に近い酸化物半導体で形成することが好ましい。
このような構造において、ゲート電極410に電界を印加すると、多層膜404のうち、伝導帯下端のエネルギーが最も小さい酸化物半導体膜404bにチャネルが形成される。すなわち、酸化物半導体膜404bとゲート絶縁膜408との間に酸化物半導体膜404cが形成されていることよって、トランジスタのチャネルがゲート絶縁膜408と接しない領域に形成される構造となる。
また、酸化物半導体膜404aは、酸化物半導体膜404bを構成する金属元素を一種以上含んで構成されるため、酸化物半導体膜404bと下地絶縁膜402が接した場合の界面と比較して、酸化物半導体膜404bと酸化物半導体膜404aの界面に界面準位が形成されにくくなる。該界面準位はチャネルを形成することがあるため、トランジスタのしきい値が変動することがある。したがって、酸化物半導体膜404aを設けることにより、トランジスタのしきい値などの電気特性のばらつきを低減することができる。また、当該トランジスタの信頼性を向上させることができる。
また、酸化物半導体膜404cは、酸化物半導体膜404bを構成する金属元素を一種以上含んで構成されるため、酸化物半導体膜404bとゲート絶縁膜408が接した場合の界面と比較して、酸化物半導体膜404bと酸化物半導体膜404cとの界面ではキャリアの散乱が起こりにくくなる。したがって、酸化物半導体膜404cを設けることにより、トランジスタの電界効果移動度を高くすることができる。
酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cには、例えば、Al、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHfを酸化物半導体膜404bよりも高い原子数比で含む材料を用いることができる。具体的には、当該原子数比を1.5倍以上、好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以上とする。前述の元素は酸素と強く結合するため、酸素欠損が酸化物半導体膜に生じることを抑制する機能を有する。すなわち、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cは酸化物半導体膜404bよりも酸素欠損が生じにくいということができる。
なお、酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、酸化物半導体膜404cが、少なくともインジウム、亜鉛およびM(Al、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等の金属)を含むIn−M−Zn酸化物であるとき、酸化物半導体膜404aをIn:M:Zn=x1:y1:z1[原子数比]、酸化物半導体膜404bをIn:M:Zn=x2:y2:z2[原子数比]、酸化物半導体膜404cをIn:M:Zn=x3:y3:z3[原子数比]とすると、y1/x1およびy3/x3がy2/x2よりも大きくなることが好ましい。y1/x1およびy3/x3はy2/x2よりも1.5倍以上、好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以上とする。このとき、酸化物半導体膜404bにおいて、y2がx2以上であるとトランジスタの電気特性を安定させることができる。ただし、y2がx2の3倍以上になると、トランジスタの電界効果移動度が低下してしまうため、y2はx2の3倍未満であることが好ましい。
酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cのInおよびMの和を100atomic%としたとき、InとMの原子数比率は、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%以上、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%以上とする。また、酸化物半導体膜404bのInおよびMの和を100atomic%としたとき、InとMの原子数比率は、好ましくはInが25atomic%以上、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%以上、Mが66atomic%未満とする。
酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cの厚さは、3nm以上100nm以下、好ましくは3nm以上50nm以下とする。また、酸化物半導体膜404bの厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上50nm以下とする。また、酸化物半導体膜404bは、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cより厚い方が好ましい。
酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、酸化物半導体膜404cには、例えば、インジウム、亜鉛およびガリウムを含んだ酸化物半導体を用いることができる。特に、酸化物半導体膜404bにインジウムを含ませると、キャリア移動度が高くなるため好ましい。
なお、酸化物半導体膜を用いたトランジスタに安定した電気特性を付与するためには、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低減し、酸化物半導体膜を真性または実質的に真性にすることが有効である。ここで、実質的に真性とは、酸化物半導体膜のキャリア密度が、1×1017/cm3未満であること、好ましくは1×1015/cm3未満であること、さらに好ましくは1×1013/cm3未満であることを指す。
また、酸化物半導体膜において、水素、窒素、炭素、シリコン、および主成分以外の金属元素は不純物となる。例えば、水素および窒素はドナー準位の形成に寄与し、キャリア密度を増大させてしまう。また、シリコンは酸化物半導体膜中で不純物準位の形成に寄与する。当該不純物準位はトラップとなり、トランジスタの電気特性を劣化させることがある。したがって、酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、酸化物半導体膜404cの膜中や、それぞれの界面において不純物濃度を低減させることが好ましい。
酸化物半導体膜を真性または実質的に真性とするためには、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析において、例えば、酸化物半導体膜のある深さにおいて、または、酸化物半導体膜のある領域において、シリコン濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする部分を有していることが好ましい。また、水素濃度は、例えば、酸化物半導体膜のある深さにおいて、または、酸化物半導体膜のある領域において、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm3以下とする部分を有していることが好ましい。また、窒素濃度は、例えば、酸化物半導体膜のある深さにおいて、または、酸化物半導体膜のある領域において、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする部分を有していることが好ましい。
また、酸化物半導体膜が結晶を含む場合、シリコンや炭素が高濃度で含まれると、酸化物半導体膜の結晶性を低下させることがある。酸化物半導体膜の結晶性を低下させないためには、例えば、酸化物半導体膜のある深さにおいて、または、酸化物半導体膜のある領域において、シリコン濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする部分を有していればよい。また、例えば、酸化物半導体膜のある深さにおいて、または、酸化物半導体膜のある領域において、炭素濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする部分を有していればよい。
また、上述のように高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタのオフ電流は極めて小さい。例えば、ソースとドレインとの間の電圧を0.1V、5V、または、10V程度とした場合に、トランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流を数yA/μm以上数zA/μm以下にまで低減することが可能となる。
なお、トランジスタのゲート絶縁膜としては、シリコンを含む絶縁膜が多く用いられるため、上記理由により多層膜のチャネルとなる領域は、本発明の一態様のトランジスタのようにゲート絶縁膜と接しない構造が好ましいということができる。また、ゲート絶縁膜と多層膜との界面にチャネルが形成される場合、該界面でキャリアの散乱が起こり、トランジスタの電界効果移動度が低くなることがある。このような観点からも、多層膜のチャネルとなる領域はゲート絶縁膜から離すことが好ましいといえる。
したがって、多層膜404を酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、酸化物半導体膜404cの積層構造とすることで、酸化物半導体膜404bにチャネルを形成することができ、高い電界効果移動度および安定した電気特性を有したトランジスタを形成することができる。
次に、多層膜404のバンド構造を説明する。バンド構造の解析は、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cに相当する層としてエネルギーギャップが3.5eVであるIn−Ga−Zn酸化物、酸化物半導体膜404bに相当する層としてエネルギーギャップが3.15eVであるIn−Ga−Zn酸化物を用い、多層膜404に相当する積層を作製して行っている。
酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、酸化物半導体膜404cの膜厚はそれぞれ10nmとし、エネルギーギャップは、分光エリプソメータ(HORIBA JOBIN YVON社 UT−300)を用いて測定した。また、真空準位と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)装置(PHI社 VersaProbe)を用いて測定した。
図6(A)は、真空準位と価電子帯上端のエネルギー差と、各層のエネルギーギャップとの差分として算出される真空準位と伝導帯下端のエネルギー差(電子親和力)から模式的に示されるバンド構造の一部である。図6(A)は、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cと接して、酸化シリコン膜を設けた場合のバンド図である。ここで、Evacは真空準位のエネルギー、EcI1およびEcI2は酸化シリコン膜の伝導帯下端のエネルギー、EcS1は酸化物半導体膜404aの伝導帯下端のエネルギー、EcS2は酸化物半導体膜404bの伝導帯下端のエネルギー、EcS3は酸化物半導体膜404cの伝導帯下端のエネルギーである。
図6(A)に示すように、酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、酸化物半導体膜404cにおいて、伝導帯下端のエネルギーが連続的に変化する。これは、酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、酸化物半導体膜404cを構成する元素が共通することにより、酸素が相互に拡散しやすい点からも理解される。したがって、酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、酸化物半導体膜404cは組成が異なる層の積層体ではあるが、物性的に連続であるということもできる。
主成分を共通として積層された多層膜404は、各層を単に積層するのではなく連続接合(ここでは特に伝導帯下端のエネルギーが各層の間で連続的に変化するU字型の井戸構造)が形成されるように作製する。すなわち、各層の界面にトラップ中心や再結合中心のような欠陥準位を形成するような不純物が存在しないように積層構造を形成する。仮に、積層された多層膜の層間に不純物が混在していると、エネルギーバンドの連続性が失われ、界面でキャリアがトラップあるいは再結合により消滅してしまう。
なお、図6(A)では、EcS1とEcS3が同様である場合について示したが、それぞれが異なっていてもよい。例えば、EcS3よりもEcS1が高いエネルギーを有する場合、バンド構造の一部は、図6(B)のように示される。
例えば、EcS1=EcS3である場合は、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cにIn:Ga:Zn=1:3:2、1:3:3、1:3:4、1:6:4または1:9:6(原子数比)、酸化物半導体膜404bにIn:Ga:Zn=1:1:1または3:1:2(原子数比)のIn−Ga−Zn酸化物などを用いることができる。また、EcS1>EcS3である場合は、酸化物半導体膜404aにIn:Ga:Zn=1:6:4または1:9:6(原子数比)、酸化物半導体膜404bにIn:Ga:Zn=1:1:1または3:1:2(原子数比)、酸化物半導体膜404cにIn:Ga:Zn=1:3:2、1:3:3、1:3:4(原子数比)のIn−Ga−Zn酸化物などを用いることができる。
図6(A)、図6(B)より、多層膜404における酸化物半導体膜404bがウェル(井戸)となり、多層膜404を用いたトランジスタにおいて、チャネルが酸化物半導体膜404bに形成されることがわかる。なお、多層膜404は伝導帯下端のエネルギーが連続的に変化しているため、U字型井戸(U Shape Well)とも呼ぶことができる。また、このような構成で形成されたチャネルを埋め込みチャネルということもできる。
なお、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cと、酸化シリコン膜などの絶縁膜との界面近傍には、不純物や欠陥に起因したトラップ準位が形成され得る。酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cがあることにより、酸化物半導体膜404bと当該トラップ準位とを遠ざけることができる。ただし、EcS1またはEcS3と、EcS2とのエネルギー差が小さい場合、酸化物半導体膜404bの電子が該エネルギー差を越えてトラップ準位に達することがある。マイナスの電荷となる電子がトラップ準位に捕獲されることで、トランジスタのしきい値はプラス方向にシフトしてしまう。
したがって、トランジスタのしきい値の変動を低減するには、EcS1およびEcS3と、EcS2との間にエネルギー差を設けることが必要となる。それぞれの当該エネルギー差は、0.1eV以上が好ましく、0.15eV以上がより好ましい。
なお、酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、酸化物半導体膜404cには、結晶部が含まれることが好ましい。特にc軸に配向した結晶を用いることでトランジスタに安定した電気特性を付与することができる。
なお、多層膜404にIn−Ga−Zn酸化物を用いる場合は、Inのゲート絶縁膜への拡散を防ぐために、酸化物半導体膜404cは酸化物半導体膜404bよりもInが少ない組成とすることが好ましい。
ソース電極406aおよびドレイン電極406bには、酸素と結合し得る導電材料を用いることが好ましい。例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wなどを用いることができる。上記材料において、特に酸素と結合し易いTiや、後のプロセス温度が比較的高くできることなどから、融点の高いWを用いることがより好ましい。なお、酸素と結合し得る導電材料には、酸素が拡散し得る材料も含まれる。
酸素と結合し得る導電材料と多層膜を接触させると、多層膜中の酸素が、酸素と結合し得る導電材料側に拡散する現象が起こる。当該現象は、温度が高いほど顕著に起こる。トランジスタの作製工程には、いくつかの加熱工程があることから、上記現象により、多層膜のソース電極またはドレイン電極と接触した近傍の領域に酸素欠損が発生し、膜中に僅かに含まれる水素と当該酸素欠損が結合することにより当該領域はn型化する。したがって、n型化した当該領域はトランジスタのソース領域またはドレイン領域として作用させることができる。
なお、チャネル長が極短いトランジスタを形成する場合、上記酸素欠損の発生によってn型化した領域がトランジスタのチャネル長方向に延在することで短絡してしまうことがある。この場合、トランジスタの電気特性には、しきい値のシフトにより、実用的なゲート電圧でオンオフの制御ができない状態(導通状態)が現れる。そのため、チャネル長が極短いトランジスタを形成する場合は、ソース電極およびドレイン電極に酸素と結合しやすい導電材料を用いることが必ずしも好ましいとはいえない場合がある。
このような場合にはソース電極406aおよびドレイン電極406bには、上述した材料よりも酸素と結合しにくい導電材料を用いることが好ましい。当該導電材料としては、例えば、窒化タンタル、窒化チタン、またはルテニウムを含む材料などを用いることができる。なお、当該導電材料を酸化物半導体膜404bと接触させる構成として、当該導電材料と前述した酸素と結合しやすい導電材料を積層してもよい。
ゲート絶縁膜408は、第1の絶縁膜408aとトラップ膜408bを有する。第1の絶縁膜408aは、例えば酸化物絶縁膜を用いればよい。酸化物絶縁膜には、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることができる。また、トラップ膜408bには、窒素とシリコンを含む絶縁膜を用いる。窒素とシリコンを含む絶縁膜は、例えば窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などがあげられる。窒化酸化シリコン膜とは、その組成として、酸素よりも窒素が多い膜を指す。ここでは窒化シリコン膜を用いる例を示す。窒化シリコン膜は例えばCVD法(MOCVD法、ALD法あるいはPECVD法を含む)やスパッタリング法、MBE法またはPLD法などなどを用いて形成することができる。または、窒素とシリコンを含む絶縁膜は、異なる製造方法を用いて成膜した膜を積層して形成してもよい。たとえば、CVD法を用いて成膜した後で、スパッタリング法を用いた膜を成膜して、積層構造にしてもよい。あるいは、スパッタリング法を用いた膜を成膜した後で、CVD法を用いた膜を成膜してもよい。あるいは、CVD法またはスパッタリング法の何れか一方で成膜した膜を、他方で成膜した膜で挟んだような構造にしてもよい。なお、第1の絶縁膜408aの膜厚は、1nm以上30nm以下、好ましくは3nm以上10nm以下であり、トラップ膜408bの膜厚は、1nm以上30nm以下、好ましくは5nm以上20nm以下である。
また、図7に示すように、トラップ膜408bの上に第2の絶縁膜408cを形成してもよい。第2の絶縁膜408cは各種の材料を用いることができる。例えば、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることができる。
ゲート電極410は、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Mo、Ru、Ag、TaおよびWなどの導電膜を用いることができる。また、ゲート電極410は、上記材料の積層であってもよい。また、ゲート電極410には、窒素を含んだ導電膜を用いてもよい。たとえば、ゲート電極410に窒化チタン膜上にタングステン膜の積層、窒化タングステン膜上にタングステン膜の積層、窒化タンタル膜上にタングステン膜の積層などを用いることができる。
ゲート絶縁膜408、およびゲート電極410上には酸化物絶縁膜412が形成されていてもよい。当該酸化物絶縁膜には、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることができる。また、当該酸化物絶縁膜は上記材料の積層であってもよい。
ここで、酸化物絶縁膜412は過剰酸素を有することが好ましい。過剰酸素を含む酸化物絶縁膜とは、加熱処理などによって酸素を放出することができる酸化物絶縁膜をいう。好ましくは、表面温度が100℃以上700℃以下、好ましくは100℃以上500℃以下の加熱処理で行われる昇温脱離ガス分光法分析にて、酸素原子に換算しての酸素の放出量が1.0×1019atoms/cm3以上である膜とする。当該酸化物絶縁膜から放出される酸素はゲート絶縁膜408を経由して多層膜404のチャネル形成領域に拡散させることができることから、チャネル形成領域に酸素欠損が形成された場合においても酸素を補填することができる。したがって、安定したトランジスタの電気特性を得ることができる。
半導体装置を高集積化するにはトランジスタの微細化が必須である。一方、トランジスタの微細化によりトランジスタの電気特性が悪化することが知られており、特にチャネル幅の縮小に直接起因するオン電流の低下は著しい。
しかしながら、本発明の一態様のトランジスタでは、前述したように、酸化物半導体膜404bのチャネルが形成される領域を覆うように酸化物半導体膜404cが形成されており、チャネル形成層とゲート絶縁膜が接しない構成となっている。そのため、チャネル形成層とゲート絶縁膜との界面で生じるキャリアの散乱を抑えることができ、トランジスタの電界効果移動度を高くすることができる。
また、酸化物半導体膜を真性または実質的に真性とすると、酸化物半導体膜に含まれるキャリア数の減少により、電界効果移動度の低下が懸念される。しかしながら、本発明の一態様のトランジスタにおいては、酸化物半導体膜に垂直方向からのゲート電界に加えて、側面方向からのゲート電界が印加される。すなわち、酸化物半導体膜の全体的にゲート電界が印加させることとなり、電流は酸化物半導体膜のバルクを流れる。これによって、高純度真性化による、電気特性の変動の抑制を達成しつつ、トランジスタの電界効果移動度の向上を図ることが可能となる。
また、本発明の一態様のトランジスタは、酸化物半導体膜404bを酸化物半導体膜404a上に形成することで界面準位を形成しにくくする効果や、酸化物半導体膜404bを三層構造の中間層とすることで上下からの不純物混入の影響を排除できる効果などを併せて有する。そのため、酸化物半導体膜404bは酸化物半導体膜404aと酸化物半導体膜404cで取り囲まれた構造(また、ゲート電極410で電気的に取り囲まれた構造)となり、上述したトランジスタのオン電流の向上に加えて、しきい値の安定化や、S値を小さくすることができる。したがって、Icut電流を下げることができ、消費電力を低減させることができる。また、トランジスタのしきい値が安定化することから、半導体装置の長期信頼性を向上させることができる。
また、図8に示すトランジスタ470を用いることもできる。図8(A)乃至図8(C)は、トランジスタ470の上面図および断面図である。図8(A)は上面図であり、図8(A)に示す一点鎖線A−Bの断面が図8(B)、一点鎖線C−Dの断面が図8(C)に相当する。なお、図8(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
トランジスタ470は、ソース電極406aおよびドレイン電極406bを形成するとき、ソース電極406aおよびドレイン電極406bとなる導電膜のオーバーエッチングがなく、下地絶縁膜402がエッチングされていない形状となっている。
導電膜のオーバーエッチングにより、下地絶縁膜402をエッチングさせないようにするには、導電膜と下地絶縁膜402のエッチングでの選択比を大きくすればよい。
また、本実施の形態では、酸化物半導体膜404bを酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cで挟んでいる構成であったがこれに限られず、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cを有さず酸化物半導体膜404bのみがゲート電極に電気的に取り囲まれている構成としてもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2で説明した図5に示すトランジスタ450の作製方法について、図9および図10を用いて説明する。
まず、基板400上に下地絶縁膜402を形成する(図9(A)参照)。
基板400には、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを用いることができる。また、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI(Silicon On Insulator)基板などを用いることも可能であり、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを用いてもよい。
下地絶縁膜402は、プラズマCVD法またはスパッタリング法等により、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルなどの酸化物絶縁膜、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどの窒化物絶縁膜、または上記材料を混合した膜を用いて形成することができる。また、上記材料の積層であってもよく、少なくとも多層膜404と接する上層は多層膜404への酸素の供給源となりえる過剰な酸素を含む材料で形成することが好ましい。
また、下地絶縁膜402にイオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いて酸素を添加してもよい。酸素を添加することによって、下地絶縁膜402から多層膜404への酸素の供給をさらに容易にすることができる。
なお、基板400の表面が絶縁体であり、後に設ける多層膜404への不純物拡散の影響が無い場合は、下地絶縁膜402を設けない構成とすることができる。
次に、下地絶縁膜402上に酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404bをスパッタリング法、CVD法(MOCVD法、ALD法あるいはPECVD法を含む)、真空蒸着法またはPLD法を用いて形成した後、島状に形成する(図9(B)参照)。このとき、図示するように下地絶縁膜402を若干過度にエッチングしてもよい。下地絶縁膜402を過度にエッチングすることで、後に形成するゲート電極410で酸化物半導体膜404cを覆いやすくすることができる。
なお、酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404bを島状に形成する際に、まず、酸化物半導体膜404b上にハードマスクとなる膜(たとえばタングステン膜)およびレジストマスクを設け、ハードマスクとなる膜をエッチングしてハードマスクを形成し、その後、レジストマスクを除去し、ハードマスクをマスクとして酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404bをエッチングする。その後、ハードマスクを除去する。この時、エッチングするにつれて徐々にハードマスクの端部が縮小していくため、自然にハードマスクの端部が丸みを帯び、曲面を有するようになる。これに伴い、酸化物半導体膜404bの形状も端部が丸みを帯び、曲面を有するようになる。このような構成になることで、酸化物半導体膜404b上に形成される、酸化物半導体膜404c、ゲート絶縁膜408、ゲート電極410、酸化物絶縁膜412の被覆性が向上し、段切れ等の形状不良の発生を防ぐことができる。また、ソース電極406aおよびドレイン電極406bの端部に生じる恐れのある電界集中を緩和することができ、トランジスタの劣化を抑制することができる。
また、酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404bの積層、および後の工程で形成する酸化物半導体膜404cを含めた積層において連続接合を形成するためには、ロードロック室を備えたマルチチャンバー方式の成膜装置(例えばスパッタリング装置)を用いて各層を大気に触れさせることなく連続して積層することが必要となる。スパッタリング装置における各チャンバーは、酸化物半導体にとって不純物となる水等を可能な限り除去すべく、クライオポンプのような吸着式の真空排気ポンプを用いて高真空排気(5×10−7Pa以上1×10−4Pa以下程度まで)できること、かつ、成膜される基板を100℃以上、好ましくは500℃以上に加熱できることが好ましい。または、ターボ分子ポンプとコールドトラップを組み合わせて排気系からチャンバー内に炭素成分や水分等を含む気体が逆流しないようにしておくことが好ましい。
高純度真性酸化物半導体を得るためには、チャンバー内を高真空排気するのみならずスパッタリングガスの高純度化も必要である。スパッタリングガスとして用いる酸素ガスやアルゴンガスは、露点が−40℃以下、好ましくは−80℃以下、より好ましくは−100℃以下にまで高純度化したガスを用いることで酸化物半導体膜に水分等が取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。
酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、および後の工程で形成される酸化物半導体膜404cには、実施の形態2で説明した材料を用いることができる。例えば、酸化物半導体膜404aにIn:Ga:Zn=1:3:4または1:3:2[原子数比]のIn−Ga−Zn酸化物、酸化物半導体膜404bにIn:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]のIn−Ga−Zn酸化物、酸化物半導体膜404cにIn:Ga:Zn=1:3:4または1:3:2[原子数比]のIn−Ga−Zn酸化物を用いることができる。
また、酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、酸化物半導体膜404cとして用いることのできる酸化物半導体は、少なくともインジウム(In)もしくは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。または、InとZnの双方を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすため、それらと共に、スタビライザーを含むことが好ましい。
スタビライザーとしては、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、またはジルコニウム(Zr)等がある。また、他のスタビライザーとしては、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等がある。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、In−Zn酸化物、Sn−Zn酸化物、Al−Zn酸化物、Zn−Mg酸化物、Sn−Mg酸化物、In−Mg酸化物、In−Ga酸化物、In−Ga−Zn酸化物、In−Al−Zn酸化物、In−Sn−Zn酸化物、Sn−Ga−Zn酸化物、Al−Ga−Zn酸化物、Sn−Al−Zn酸化物、In−Hf−Zn酸化物、In−La−Zn酸化物、In−Ce−Zn酸化物、In−Pr−Zn酸化物、In−Nd−Zn酸化物、In−Sm−Zn酸化物、In−Eu−Zn酸化物、In−Gd−Zn酸化物、In−Tb−Zn酸化物、In−Dy−Zn酸化物、In−Ho−Zn酸化物、In−Er−Zn酸化物、In−Tm−Zn酸化物、In−Yb−Zn酸化物、In−Lu−Zn酸化物、In−Sn−Ga−Zn酸化物、In−Hf−Ga−Zn酸化物、In−Al−Ga−Zn酸化物、In−Sn−Al−Zn酸化物、In−Sn−Hf−Zn酸化物、In−Hf−Al−Zn酸化物を用いることができる。
なお、ここで、例えば、In−Ga−Zn酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味である。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。また、本明細書においては、In−Ga−Zn酸化物で構成した膜をIGZO膜とも呼ぶ。
また、InMO3(ZnO)m(m>0、且つ、mは整数でない)で表記される材料を用いてもよい。なお、Mは、Ga、Fe、MnおよびCoから選ばれた一つの金属元素または複数の金属元素を示す。また、In2SnO5(ZnO)n(n>0、且つ、nは整数)で表記される材料を用いてもよい。
ただし、実施の形態2に詳細を記したように、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cは、酸化物半導体膜404bよりも電子親和力が小さくなるように材料を選択する。
なお、酸化物半導体膜の成膜には、スパッタリング法を用いることが好ましい。スパッタリング法としては、RFスパッタリング法、DCスパッタリング法、ACスパッタリング法等を用いることができる。特に、成膜時に発生するゴミを低減でき、かつ膜厚分布も均一とすることからDCスパッタリング法を用いることが好ましい。
酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、酸化物半導体膜404cとしてIn−Ga−Zn酸化物を用いる場合、In、Ga、Znの原子数比としては、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=2:2:1、In:Ga:Zn=3:1:2、In:Ga:Zn=1:3:2、In:Ga:Zn=1:3:4、In:Ga:Zn=1:4:3、In:Ga:Zn=1:5:4、In:Ga:Zn=1:6:6、In:Ga:Zn=2:1:3、In:Ga:Zn=1:6:4、In:Ga:Zn=1:9:6、In:Ga:Zn=1:1:4、In:Ga:Zn=1:1:2のいずれかの材料を用い、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cの電子親和力が酸化物半導体膜404bよりも小さくなるようにすればよい。
なお、例えば、In、Ga、Znの原子数比がIn:Ga:Zn=a:b:c(a+b+c=1)である酸化物の組成が、原子数比がIn:Ga:Zn=A:B:C(A+B+C=1)の酸化物の組成の近傍であるとは、a、b、cが、(a−A)2+(b−B)2+(c−C)2≦r2を満たすことをいう。rとしては、例えば、0.05とすればよい。他の酸化物でも同様である。
また、酸化物半導体膜404bは、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cよりもインジウムの含有量を多くするとよい。酸化物半導体では主として重金属のs軌道がキャリア伝導に寄与しており、Inの含有率を多くすることにより、より多くのs軌道が重なるため、InがGaよりも多い組成となる酸化物はInがGaと同等または少ない組成となる酸化物と比較して移動度が高くなる。そのため、酸化物半導体膜404bにインジウムの含有量が多い酸化物を用いることで、高い移動度のトランジスタを実現することができる。
以下では、酸化物半導体膜の構造について説明する。
なお、本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
酸化物半導体膜は、非単結晶酸化物半導体膜と単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非単結晶酸化物半導体膜とは、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜、多結晶酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、非晶質酸化物半導体膜などをいう。
まずは、CAAC−OS膜について説明する。
CAAC−OS膜は、複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つであり、ほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。したがって、CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。
CAAC−OS膜を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって観察すると、明確な結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
CAAC−OS膜を、試料面と概略平行な方向からTEMによって観察(断面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
一方、CAAC−OS膜を、試料面と概略垂直な方向からTEMによって観察(平面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC−OS膜の結晶部は配向性を有していることがわかる。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に由来することから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概略垂直な方向を向いていることが確認できる。
一方、CAAC−OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(110)面に由来する。InGaZnO4の単結晶酸化物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に由来するピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OS膜の場合は、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
以上のことから、CAAC−OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向を向いていることがわかる。したがって、前述の断面TEM観察で確認された層状に配列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
なお、結晶部は、CAAC−OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。したがって、例えば、CAAC−OS膜の形状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
また、CAAC−OS膜中の結晶化度が均一でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の結晶部が、CAAC−OS膜の上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりも結晶化度が高くなることがある。また、CAAC−OS膜に不純物を添加する場合、不純物が添加された領域の結晶化度が変化し、部分的に結晶化度の異なる領域が形成されることもある。
なお、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリコンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不純物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
また、CAAC−OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化物半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによってキャリア発生源となることがある。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。したがって、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
また、CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。
次に、微結晶酸化物半導体膜について説明する。
微結晶酸化物半導体膜は、TEMによる観察像では、明確に結晶部を確認することができない場合がある。微結晶酸化物半導体膜に含まれる結晶部は、1nm以上100nm以下、または1nm以上10nm以下の大きさであることが多い。特に、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の微結晶であるナノ結晶(nc:nanocrystal)を有する酸化物半導体膜を、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)膜と呼ぶ。また、nc−OS膜は、例えば、TEMによる観察像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。
nc−OS膜は、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OS膜は、分析方法によっては、非晶質酸化物半導体膜と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きい径のX線を用いるXRD装置を用いて構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OS膜に対し、結晶部の大きさと近いか結晶部より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を行うと、スポットが観測される。また、nc−OS膜に対しナノビーム電子線回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。また、nc−OS膜に対しナノビーム電子線回折を行うと、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合がある。
nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも規則性の高い酸化物半導体膜である。そのため、nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OS膜は、CAAC−OS膜と比べて欠陥準位密度が高くなる。
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
CAAC−OS膜は、例えば、多結晶である酸化物半導体スパッタリング用ターゲットを用い、スパッタリング法によって成膜することができる。当該スパッタリング用ターゲットにイオンが衝突すると、スパッタリング用ターゲットに含まれる結晶領域がa−b面から劈開し、a−b面に平行な面を有する平板状またはペレット状のスパッタリング粒子として剥離することがある。この場合、当該平板状またはペレット状のスパッタリング粒子は帯電しているためプラズマ中で凝集せず、結晶状態を維持したまま基板に到達し、CAAC−OS膜を成膜することができる。
酸化物半導体膜404bの形成後に、第1の加熱処理を行ってもよい。第1の加熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下の温度で、不活性ガス雰囲気、酸化性ガスを10ppm以上含む雰囲気、または減圧状態で行えばよい。また、第1の加熱処理の雰囲気は、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上含む雰囲気で行ってもよい。第1の加熱処理によって、酸化物半導体膜404bの結晶性を高め、さらに下地絶縁膜402、酸化物半導体膜404aから水素や水などの不純物を除去することができる。なお、酸化物半導体膜404bを形成するエッチングの前に第1の加熱工程を行ってもよい。
次に、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404b上にソース電極406aおよびドレイン電極406bとなる第1の導電膜を形成する。第1の導電膜としては、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、W、またはこれらを主成分とする合金材料を用いることができる。例えば、スパッタリング法などにより100nmのチタン膜を形成する。またCVD法によりタングステン膜を形成してもよい。
次に、第1の導電膜を酸化物半導体膜404b上で分断するようにエッチングし、ソース電極406aおよびドレイン電極406bを形成する(図9(C)参照)。
次に、酸化物半導体膜404b、ソース電極406aおよびドレイン電極406b上に、酸化物半導体膜403cを成膜する。
なお、酸化物半導体膜403cを成膜後に第2の加熱処理を行ってもよい。第2の加熱処理は、第1の加熱処理と同様の条件で行うことができる。第2の加熱処理により、酸化物半導体膜403cから水素や水などの不純物を除去することができる。また、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404bから、さらに水素や水などの不純物を除去することができる。
次に、酸化物半導体膜403c上にゲート絶縁膜408となる第1の絶縁膜407a、トラップ膜407bを形成する(図10(A)参照)。第1の絶縁膜407aには、例えば酸化物絶縁膜を用いればよい。酸化物絶縁膜は、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることができる。または、窒化酸化シリコンを用いてもよい。なお、第1の絶縁膜407aは、上記材料の積層であってもよい。また、トラップ膜407bには、窒素とシリコンを含む絶縁膜を用いる。窒素とシリコンを含む絶縁膜は、例えば窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などがあげられる。窒化酸化シリコン膜とは、その組成として、酸素よりも窒素が多い膜を指す。ここでは窒化シリコン膜を用いる例を示す。窒化シリコン膜は例えばCVD法(MOCVD法、ALD法あるいはPECVD法を含む)やスパッタリング法、MBE法またはPLD法などを用いて形成することができる。または、窒素とシリコンを含む絶縁膜は、異なる製造方法を用いて成膜した膜を積層して形成してもよい。たとえば、CVD法を用いて成膜した後で、スパッタリング法を用いた膜を成膜して、積層構造にしてもよい。あるいは、スパッタリング法を用いた膜を成膜した後で、CVD法を用いた膜を成膜してもよい。あるいは、CVD法またはスパッタリング法の何れか一方で成膜した膜を、他方で成膜した膜で挟んだような構造にしてもよい。なお、第1の絶縁膜407aの膜厚は、1nm以上30nm以下、好ましくは3nm以上10nm以下であり、トラップ膜407bの膜厚は、1nm以上30nm以下、好ましくは5nm以上20nm以下である。
次に、トラップ膜407b上にゲート電極410となる第2の導電膜409を形成する(図10(B)参照)。第2の導電膜409としては、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Mo、Ru、Ag、Ta、W、またはこれらを主成分とする合金材料を用いることができる。第2の導電膜409は、スパッタリング法やCVD法などにより形成することができる。また、第2の導電膜409としては、窒素を含んだ導電膜を用いてもよく、上記導電膜と窒素を含んだ導電膜の積層を用いてもよい。
次に、ゲート電極410を形成するためのレジストマスクを用いて、第2の導電膜409を選択的にエッチングし、ゲート電極410を形成する(図10(C)参照)。なお、図5(C)に示すように、ゲート電極410は、酸化物半導体膜404bを電気的に取り囲むように形成される。
続いて、上記レジストマスクまたはゲート電極410をマスクとして第1の絶縁膜407aおよびトラップ膜407bを選択的にエッチングし、ゲート絶縁膜408を形成する。
続いて、上記レジストマスクまたはゲート電極410をマスクとして酸化物半導体膜403cをエッチングし、酸化物半導体膜404cを形成する。
つまり、酸化物半導体膜404cの上端部はゲート絶縁膜408の下端部と一致し、ゲート絶縁膜408の上端部はゲート電極410の下端部と一致する。なお、ゲート電極410をマスクとしてゲート絶縁膜408および酸化物半導体膜404cを形成しているがこれに限られず、第2の導電膜409の成膜前にゲート絶縁膜408および酸化物半導体膜404cを形成してもよい。
次に、ソース電極406a、ドレイン電極406b、ゲート電極410上に酸化物絶縁膜412を形成する(図5(B)、図5(C)参照)。酸化物絶縁膜412は、下地絶縁膜402と同様の材料、方法を用いて形成することができる。酸化物絶縁膜412としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタル、もしくは窒素を含む酸化物絶縁膜を用いるとよい。酸化物絶縁膜412は、スパッタリング法、CVD法(MOCVD法、ALD法あるいはPECVD法を含む)、MBE法またはPLD法を用いてで形成することができ、多層膜404に対し酸素を供給できるよう過剰に酸素を含む膜とすることが好ましい。
また、酸化物絶縁膜412にイオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いて酸素を添加してもよい。酸素を添加することによって、酸化物絶縁膜412から多層膜404への酸素の供給をさらに容易にすることができる。
次に、第3の加熱処理を行ってもよい。第3の加熱処理は、第1の加熱処理と同様の条件で行うことができる。第3の加熱処理により、下地絶縁膜402、ゲート絶縁膜408、酸化物絶縁膜412から過剰酸素が放出されやすくなり、多層膜404の酸素欠損を低減することができる。
次に、第4の加熱処理を行う。第4の加熱処理は、125℃以上450℃以下、好ましくは150℃以上300℃以下の温度で、ゲート電極410の電位をソースやドレインの電位より高い状態を、1秒以上、代表的には1分以上維持することで、多層膜404からゲート電極410に向かって、必要とする電子が移動し、そのうちのいくらかは電子捕獲準位に捕獲される。このようにして、捕獲される電子の量を制御して、しきい値の増加幅を制御することができる。
以上の工程で、図5に示すトランジスタ450を作製することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態2で説明したトランジスタとは異なるプレナー構造のトランジスタについて説明する。
図11(A)乃至図11(C)は、本発明の一態様のトランジスタの上面図および断面図である。図11(A)は上面図であり、図11(A)に示す一点鎖線A−Bの断面が図11(B)、一点鎖線C−Dの断面が図11(C)に相当する。なお、図11(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。また、一点鎖線A−B方向をチャネル長方向、一点鎖線C−D方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
図11(A)乃至図11(C)に示すトランジスタ550は、基板400上の下地絶縁膜402と、下地絶縁膜402の酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404bと、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404b上のソース電極406aおよびドレイン電極406bと、下地絶縁膜402、酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、ソース電極406aおよびドレイン電極406bと接する酸化物半導体膜404cと、酸化物半導体膜404c上のゲート絶縁膜408と、ゲート絶縁膜408上のゲート電極410と、ソース電極406a、ドレイン電極406b、およびゲート電極410上の酸化物絶縁膜412と、を有する。また、ゲート絶縁膜408は、第1の絶縁膜408aとトラップ膜408bを有し、実施の形態1で述べた電荷捕獲層として機能する。また、酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404b、および酸化物半導体膜404cを総称して多層膜404と呼称する。
なお、図12に示すようにトラップ膜408bの上に第2の絶縁膜408cを形成してもよい。
実施の形態2のトランジスタ450と本実施の形態のトランジスタ550の相違点は、ゲート電極410が酸化物半導体膜404bの側面を完全に覆っているか否かの点である。トランジスタ550は、ゲート電極410が酸化物半導体膜404bの側面を完全には覆っていない構成になっている。
なお、チャネル長とは、上面図において、半導体膜とゲート電極とが重なる領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との距離をいう。すなわち、図11(A)では、チャネル長は、酸化物半導体膜404bとゲート電極410とが重なる領域における、ソース電極406aとドレイン電極406bとの距離となる。チャネル幅とは、半導体膜とゲート電極とが重なる領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。すなわち、図11(A)では、チャネル幅は、酸化物半導体膜404bとゲート電極410とが重なる領域における、ソース電極406aとドレイン電極406bとが向かい合っている部分の長さをいう。
ゲート絶縁膜408(第1の絶縁膜408aとトラップ膜408b)を電荷捕獲層として機能させることで、実施の形態1で述べたように第1の絶縁膜408aとトラップ膜408bの界面、あるいは、トラップ膜408bの内部に存在する電荷捕獲準位に電荷を捕獲することができる。このとき、電荷捕獲準位に捕獲される電荷の量はゲート電極410の電位により制御できる。
ゲート電極410の電位によって、捕獲される電荷の量が一定の値になるため、しきい値の増加幅を制御することができる。
また、トランジスタを微細化することで、集積度を高め、高密度化することができる。例えば、トランジスタのチャネル長を100nm以下、好ましくは40nm以下、さらに好ましくは30nm以下、より好ましくは20nm以下とし、かつ、トランジスタのチャネル幅を100nm以下、好ましくは40nm以下、さらに好ましくは30nm以下、より好ましくは20nm以下とする。
また、図13に示すトランジスタ570を用いることもできる。図13(A)乃至図13(C)は、トランジスタ570の上面図および断面図である。図13(A)は上面図であり、図13(A)に示す一点鎖線A−Bの断面が図13(B)、一点鎖線C−Dの断面が図13(C)に相当する。なお、図13(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
トランジスタ570は、ソース電極406aおよびドレイン電極406bを形成するとき、ソース電極406aおよびドレイン電極406bとなる導電膜のオーバーエッチングがなく、下地絶縁膜402がエッチングされていない形状となっている。
導電膜をオーバーエッチングにより、下地絶縁膜402をエッチングさせないようにするには、導電膜と下地絶縁膜402のエッチングでの選択比を大きくすればよい。
また、本実施の形態では、酸化物半導体膜404bを酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cで挟んでいる構成であったがこれに限られず、酸化物半導体膜404aおよび酸化物半導体膜404cを有さず酸化物半導体膜404bのみがある構成としてもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態4で説明した図11に示すトランジスタ550の作製方法について、図14および図15を用いて説明する。
まず、基板400上に下地絶縁膜402を形成する(図14(A)参照)。基板400、下地絶縁膜402の材料および作製方法は、先の実施の形態を参酌することができる。
次に、下地絶縁膜402上に酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404bをスパッタリング法、CVD法(MOCVD法、ALD法あるいはPECVD法を含む)、MBE法またはPLD法を用いて形成した後、島状に形成する(図14(B)参照)。このとき、図示するように下地絶縁膜402を若干過度にエッチングしてもよい。下地絶縁膜402を過度にエッチングすることで、後に形成するゲート電極410で酸化物半導体膜404cを覆いやすくすることができる。酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404bの材料および作製方法は、先の実施の形態を参酌することができる。
なお、酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404bを島状に形成する際に、まず、酸化物半導体膜404b上にハードマスクとなる膜およびレジストマスクを設け、ハードマスクとなる膜をエッチングしてハードマスクを形成し、その後、レジストマスクを除去し、ハードマスクをマスクとして酸化物半導体膜404a、酸化物半導体膜404bをエッチングする。その後、ハードマスクを除去する。
次に、ソース電極406aおよびドレイン電極406bを形成する(図14(C)参照)。ソース電極406aおよびドレイン電極406bの材料および作製方法は、先の実施の形態を参酌することができる。
次に、酸化物半導体膜404b、ソース電極406aおよびドレイン電極406b上に、酸化物半導体膜403cを成膜し、酸化物半導体膜403c上にゲート絶縁膜408となる第1の絶縁膜407aおよびトラップ膜407bを形成する(図15(A)参照)。酸化物半導体膜403c、第1の絶縁膜407aおよびトラップ膜407bの材料および作製方法は、先の実施の形態を参酌することができる。
次に、トラップ膜407b上にゲート電極410となる第2の導電膜409を形成する(図15(B)参照)。第2の導電膜409の材料および作製方法は、先の実施の形態を参酌することができる。
次に、ゲート電極410を形成するためのレジストマスクを用いて、第2の導電膜409を選択的にエッチングし、ゲート電極410を形成する(図15(C)参照)。
続いて、上記レジストマスクまたはゲート電極410をマスクとして第1の絶縁膜407aおよびトラップ膜407bを選択的にエッチングし、ゲート絶縁膜408となる第1の絶縁膜408aおよびトラップ膜408bを形成する。
続いて、上記レジストマスクまたはゲート電極410をマスクとして酸化物半導体膜403cをエッチングし、酸化物半導体膜404cを形成する。
つまり、酸化物半導体膜404cの上端部はゲート絶縁膜408の下端部と一致し、ゲート絶縁膜408の上端部はゲート電極410の下端部と一致する。なお、ゲート電極410をマスクとしてゲート絶縁膜408および酸化物半導体膜404cを形成しているがこれに限られず、第2の導電膜409の成膜前にゲート絶縁膜408および酸化物半導体膜404cを形成してもよい。
次に、ソース電極406a、ドレイン電極406b、ゲート電極410上に酸化物絶縁膜412を形成する。酸化物絶縁膜412の材料および作製方法は、先の実施の形態を参酌することができる。
次に、加熱処理を行う。加熱処理は、125℃以上450℃以下、好ましくは150℃以上300℃以下の温度で、ゲート電極410の電位をソースやドレインの電位より高い状態を、1秒以上、代表的には1分以上維持することで、多層膜404からゲート電極410に向かって、必要とする電子が移動し、そのうちのいくらかは電子捕獲準位に捕獲される。このようにして、捕獲される電子の量を制御して、しきい値の増加幅を制御することができる。
以上の工程で、図11に示すトランジスタ550を作製することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様のトランジスタを利用した回路の一例について、図面を参照して説明する。
図16(A)、図16(B)に半導体装置の回路図を、図16(C)、図16(D)に半導体装置の断面図をそれぞれ示す。図16(C)、図16(D)はそれぞれ、左側にトランジスタ450のチャネル長方向の断面図を示し、右側にチャネル幅方向の断面図を示している。また回路図には、酸化物半導体が適用されたトランジスタであることを明示するために、「OS」の記載を付している。
図16(C)、図16(D)に示す半導体装置は、下部に第1の半導体材料を用いたトランジスタ2200を有し、上部に第2の半導体材料を用いたトランジスタを有する。ここでは、第2の半導体材料を用いたトランジスタとして、実施の形態2で例示したトランジスタ450を適用した例について説明する。なお、図16に示す例ではソース電極406a及びドレイン電極406bを形成する際に、酸化物半導体膜406bの一部がエッチングされる例を示す。
ここで、第1の半導体材料と第2の半導体材料は異なる禁制帯幅を持つ材料とすることが望ましい。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料(シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、またはガリウムヒ素等など)とし、第2の半導体材料を実施の形態2で説明した酸化物半導体とすることができる。酸化物半導体以外の材料として単結晶シリコンなどを用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方で、酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が低い。
ここでは、トランジスタ2200がpチャネル型のトランジスタであるものとして説明するが、nチャネル型のトランジスタを用いて異なる回路を構成できることは言うまでもない。また、酸化物半導体を用いた実施の形態2に示すようなトランジスタを用いる他は、半導体装置に用いられる材料や半導体装置の構造など、半導体装置の具体的な構成をここで示すものに限定する必要はない。
図16(A)、図16(C)、図16(D)に示す構成は、pチャネル型のトランジスタとnチャネル型のトランジスタを直列に接続し、且つ、それぞれのゲートを接続した、いわゆるCMOS回路の構成例について示している。
本発明の一態様の酸化物半導体が適用されたトランジスタは、オン電流が高められているため、回路の高速動作が可能となる。
図16(C)に示す構成では、トランジスタ2200の上部に、絶縁膜2201を介してトランジスタ450が設けられている。また、トランジスタ2200とトランジスタ450の間には複数の配線2202が設けられている。また各種絶縁膜に埋め込まれた複数のプラグ2203により、上層と下層にそれぞれ設けられた配線や電極が電気的に接続されている。また、トランジスタ450を覆う絶縁膜2204と、絶縁膜2204上に配線2205と、トランジスタの一対の電極と同一の導電膜を加工して形成された配線2206と、が設けられている。
このように、2つのトランジスタを積層することにより、回路の占有面積が低減され、より高密度に複数の回路を配置することができる。
図16(C)では、トランジスタ450のソースまたはドレインの一方と、トランジスタ2200のソースまたはドレインの一方が配線2202やプラグ2203によって電気的に接続されている。また、トランジスタ450のゲートは、配線2205、配線2206、プラグ2203および配線2202などを経由して、トランジスタ2200のゲートと電気的に接続されている。
図16(D)に示す構成では、トランジスタ450のゲート絶縁膜にプラグ2203を埋め込むための開口部が設けられ、トランジスタ450のゲートとプラグ2203とが接する構成となっている。このような構成とすることで回路の集積化が容易であるのに加え、図16(C)に示す構成と比較して経由する配線やプラグの数や長さを低減できるため、回路をより高速に動作させることができる。
ここで、図16(C)、図16(D)に示す構成において、トランジスタ450やトランジスタ2200の電極の接続構成を異ならせることにより、様々な回路を構成することができる。例えば図16(B)に示すように、それぞれのトランジスタのソースとドレインを接続した回路構成とすることにより、いわゆるアナログスイッチとして機能させることができる。
また、先の実施の形態のトランジスタを用いて、対象物の情報を読み取るイメージセンサ機能を有する半導体装置を作製することができる。
図17に、イメージセンサ機能を有する半導体装置の等価回路の一例を示す。
フォトダイオード602は、一方の電極がフォトダイオードリセット信号線658に、他方の電極がトランジスタ640のゲートに電気的に接続されている。トランジスタ640は、ソースまたはドレインの一方がフォトセンサ基準信号線672に、ソースまたはドレインの他方がトランジスタ656のソースまたはドレインの一方に電気的に接続されている。トランジスタ656は、ゲートがゲート信号線659に、ソースまたはドレインの他方がフォトセンサ出力信号線671に電気的に接続されている。
フォトダイオード602には、例えば、p型の導電型を有する半導体層と、高抵抗な(i型の導電型を有する)半導体層と、n型の導電型を有する半導体層を積層するpin型のフォトダイオードを適用することができる。
フォトダイオード602に入射する光を検出することによって、被検出物の情報を読み取ることができる。なお、被検出物の情報を読み取る際に、バックライトなどの光源を用いることができる。
なお、トランジスタ640およびトランジスタ656には、先の実施の形態のいずれかで一例を示した、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタを用いることができる。図17では、トランジスタ640およびトランジスタ656が、酸化物半導体を含むことを明確に判明できるよう、トランジスタの記号に「OS」と付記している。
トランジスタ640およびトランジスタ656は、上記実施の形態で一例を示したトランジスタであり、酸化物半導体膜をゲート電極によって電気的に囲い込む構成を有することが好ましい。また、端部が丸みを帯び、曲面を有する酸化物半導体膜を用いたトランジスタであると、酸化物半導体膜上に形成される膜の被覆性を向上させることができる。また、ソース電極およびドレイン電極の端部に生じる恐れのある電界集中を緩和することができ、トランジスタの劣化を抑制することができる。よって、トランジスタ640およびトランジスタ656は、電気的特性変動が抑制された電気的に安定なトランジスタである。該トランジスタを含むことで、図17で示すイメージセンサ機能を有する半導体装置として信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様であるトランジスタを使用し、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置(記憶装置)の一例を、図面を用いて説明する。
図18に半導体装置の回路図をそれぞれ示す。
図18に示す半導体装置は、第1の半導体材料を用いたトランジスタ3200と第2の半導体材料を用いたトランジスタ3300、および容量素子3400を有している。なお、トランジスタ3300としては、実施の形態2で説明したトランジスタを用いることができる。
トランジスタ3300は、酸化物半導体を有する半導体層にチャネルが形成されるトランジスタである。トランジスタ3300は、オフ電流が小さいため、これを用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、或いは、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ない半導体記憶装置とすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。
図18において、第1の配線3001はトランジスタ3200のソース電極と電気的に接続され、第2の配線3002はトランジスタ3200のドレイン電極と電気的に接続されている。また、第3の配線3003はトランジスタ3300のソース電極またはドレイン電極の一方と電気的に接続され、第4の配線3004はトランジスタ3300のゲート電極と電気的に接続されている。そして、トランジスタ3200のゲート電極、およびトランジスタ3300のソース電極またはドレイン電極の他方は、容量素子3400の電極の一方と電気的に接続され、第5の配線3005は容量素子3400の電極の他方と電気的に接続されている。
図18に示す半導体装置では、トランジスタ3200のゲート電極の電位が保持可能という特徴を活かすことで、次のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線3004の電位を、トランジスタ3300がオン状態となる電位にして、トランジスタ3300をオン状態とする。これにより、第3の配線3003の電位が、トランジスタ3200のゲート電極、および容量素子3400に与えられる。すなわち、トランジスタ3200のゲート電極には、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という)のいずれかが与えられるものとする。その後、第4の配線3004の電位を、トランジスタ3300がオフ状態となる電位にして、トランジスタ3300をオフ状態とすることにより、トランジスタ3200のゲート電極に与えられた電荷が保持される(保持)。
トランジスタ3300のオフ電流は極めて小さいため、トランジスタ3200のゲート電極の電荷は長時間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線3001に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第5の配線3005に適切な電位(読み出し電位)を与えると、トランジスタ3200のゲート電極に保持された電荷量に応じて、第2の配線3002は異なる電位をとる。一般に、トランジスタ3200をnチャネル型とすると、トランジスタ3200のゲート電極にHighレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Hは、トランジスタ3200のゲート電極にLowレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけのしきい値とは、トランジスタ3200を「オン状態」とするために必要な第5の配線3005の電位をいうものとする。したがって、第5の配線3005の電位をVth_HとVth_Lの間の電位V0とすることにより、トランジスタ3200のゲート電極に与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、Highレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV0(>Vth_H)となれば、トランジスタ3200は「オン状態」となる。Lowレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV0(<Vth_L)となっても、トランジスタ3200は「オフ状態」のままである。このため、第2の配線3002の電位を判別することで、保持されている情報を読み出すことができる。
なお、メモリセルをアレイ状に配置して用いる場合、所望のメモリセルの情報のみを読み出せることが必要になる。このように情報を読み出さない場合には、ゲート電極の状態にかかわらずトランジスタ3200が「オフ状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより小さい電位を第5の配線3005に与えればよい。または、ゲート電極の状態にかかわらずトランジスタ3200が「オン状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより大きい電位を第5の配線3005に与えればよい。
本実施の形態に示す半導体装置では、チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたオフ電流の極めて小さいトランジスタを適用することで、極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない場合(ただし、電位は固定されていることが望ましい)であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
また、本実施の形態に示す半導体装置では、情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。例えば、従来の不揮発性メモリのように、フローティングゲートへの電子の注入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行う必要がないため、ゲート絶縁膜の劣化といった問題が全く生じない。すなわち、開示する発明に係る半導体装置では、従来の不揮発性メモリで問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上する。さらに、トランジスタのオン状態、オフ状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作も容易に実現しうる。
以上のように、微細化および高集積化を実現し、かつ高い電気的特性を付与された半導体装置を提供することができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、少なくとも先の実施の形態で説明したトランジスタを用いることができ、先の実施の形態で説明した記憶装置を含むCPUについて説明する。
図19は、実施の形態2で説明したトランジスタを少なくとも一部に用いたCPUの一例の構成を示すブロック図である。
図19に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198(Bus I/F)、書き換え可能なROM1199、およびROMインターフェース1189(ROM I/F)を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199およびROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図19に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図19に示すCPUまたは演算回路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作するような構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路やデータバスで扱えるビット数は、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行う。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、およびレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号CLK2を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号CLK2を上記各種回路に供給する。
図19に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジスタ1196のメモリセルとして、先の実施の形態に示したトランジスタを用いることができる。
図19に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ1196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
図20は、レジスタ1196として用いることのできる記憶素子の回路図の一例である。記憶素子700は、電源遮断で記憶データが揮発する回路701と、電源遮断で記憶データが揮発しない回路702と、スイッチ703と、スイッチ704と、論理素子706と、容量素子707と、選択機能を有する回路720と、を有する。回路702は、容量素子708と、トランジスタ709と、トランジスタ710と、を有する。なお、記憶素子700は、必要に応じて、ダイオード、抵抗素子、インダクタなどのその他の素子をさらに有していても良い。
ここで、回路702には、先の実施の形態で説明した記憶装置を用いることができる。記憶素子700への電源電圧の供給が停止した際、回路702のトランジスタ709のゲートには接地電位(0V)、またはトランジスタ709がオフする電位が入力され続ける構成とする。例えば、トランジスタ709のゲートが抵抗等の負荷を介して接地される構成とする。
スイッチ703は、一導電型(例えば、nチャネル型)のトランジスタ713を用いて構成され、スイッチ704は、一導電型とは逆の導電型(例えば、pチャネル型)のトランジスタ714を用いて構成した例を示す。ここで、スイッチ703の第1の端子はトランジスタ713のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ703の第2の端子はトランジスタ713のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ703はトランジスタ713のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ713のオン状態またはオフ状態)が選択される。スイッチ704の第1の端子はトランジスタ714のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ704の第2の端子はトランジスタ714のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ704はトランジスタ714のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ714のオン状態またはオフ状態)が選択される。
トランジスタ709のソースとドレインの一方は、容量素子708の一対の電極のうちの一方、およびトランジスタ710のゲートと電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM2とする。トランジスタ710のソースとドレインの一方は、低電位電源を供給することのできる配線(例えばGND線)に電気的に接続され、他方は、スイッチ703の第1の端子(トランジスタ713のソースとドレインの一方)と電気的に接続される。スイッチ703の第2の端子(トランジスタ713のソースとドレインの他方)はスイッチ704の第1の端子(トランジスタ714のソースとドレインの一方)と電気的に接続される。スイッチ704の第2の端子(トランジスタ714のソースとドレインの他方)は電源電位VDDを供給することのできる配線と電気的に接続される。スイッチ703の第2の端子(トランジスタ713のソースとドレインの他方)と、スイッチ704の第1の端子(トランジスタ714のソースとドレインの一方)と、論理素子706の入力端子と、容量素子707の一対の電極のうちの一方と、は電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM1とする。容量素子707の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子707の一対の電極のうちの他方は、低電位電源を供給することのできる配線(例えばGND線)と電気的に接続される。容量素子708の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子708の一対の電極のうちの他方は、低電位電源を供給することのできる配線(例えばGND線)と電気的に接続される。
なお、容量素子707および容量素子708は、トランジスタや配線の寄生容量等を積極的に利用することによって省略することも可能である。
トランジスタ709のゲート(ゲート電極)には、制御信号WEが入力される。スイッチ703およびスイッチ704は、制御信号WEとは異なる制御信号RDによって第1の端子と第2の端子の間の導通状態または非導通状態を選択され、一方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間が導通状態のとき他方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間は非導通状態となる。
トランジスタ709のソースとドレインの他方には、回路701に保持されたデータに対応する信号が入力される。図20では、回路701から出力された信号が、トランジスタ709のソースとドレインの他方に入力される例を示した。スイッチ703の第2の端子(トランジスタ713のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子706によってその論理値が反転された反転信号となり、回路720を介して回路701に入力される。
なお、図20では、スイッチ703の第2の端子(トランジスタ713のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子706および回路720を介して回路701に入力する例を示したがこれに限定されない。スイッチ703の第2の端子(トランジスタ713のソースとドレインの他方)から出力される信号が、論理値を反転させられることなく、回路701に入力されてもよい。例えば、回路701内に、入力端子から入力された信号の論理値が反転した信号が保持されるノードが存在する場合に、スイッチ703の第2の端子(トランジスタ713のソースとドレインの他方)から出力される信号を当該ノードに入力することができる。
図17におけるトランジスタ709は、実施の形態2で説明したトランジスタを用いることで、Icut電流をより低減することができる。なお、トランジスタ709としては、第2ゲートを有するトランジスタを用いることもできる。
また、図20において、記憶素子700に用いられるトランジスタのうち、トランジスタ709以外のトランジスタは、酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板1190にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。例えば、シリコン層またはシリコン基板にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。また、記憶素子700に用いられるトランジスタ全てを、チャネルが酸化物半導体膜で形成されるトランジスタとすることもできる。または、記憶素子700は、トランジスタ709以外にも、チャネルが酸化物半導体膜で形成されるトランジスタを含んでいてもよく、残りのトランジスタは酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板1190にチャネルが形成されるトランジスタとすることもできる。
図20における回路701には、例えばフリップフロップ回路を用いることができる。また、論理素子706としては、例えばインバータやクロックドインバータ等を用いることができる。
本発明の一態様における半導体装置では、記憶素子700に電源電圧が供給されない間は、回路701に記憶されていたデータを、回路702に設けられた容量素子708によって保持することができる。
また、酸化物半導体膜にチャネルが形成されるトランジスタはオフ電流が極めて小さい。例えば、酸化物半導体膜にチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流は、結晶性を有するシリコンにチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流に比べて著しく低い。そのため、当該トランジスタをトランジスタ709として用いることによって、記憶素子700に電源電圧が供給されない間も容量素子708に保持された信号は長期間にわたり保たれる。こうして、記憶素子700は電源電圧の供給が停止した間も記憶内容(データ)を保持することが可能である。
また、スイッチ703およびスイッチ704を設けることによって、プリチャージ動作を行うことを特徴とする記憶素子であるため、電源電圧供給再開後に、回路701が元のデータを保持しなおすまでの時間を短くすることができる。
また、回路702において、容量素子708によって保持された信号はトランジスタ710のゲートに入力される。そのため、記憶素子700への電源電圧の供給が再開された後、容量素子708によって保持された信号を、トランジスタ710の状態(オン状態、またはオフ状態)に変換して、回路702から読み出すことができる。それ故、容量素子708に保持された信号に対応する電位が多少変動していても、元の信号を正確に読み出すことが可能である。
このような記憶素子700を、プロセッサが有するレジスタやキャッシュメモリなどの記憶装置に用いることで、電源電圧の供給停止による記憶装置内のデータの消失を防ぐことができる。また、電源電圧の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。よって、プロセッサ全体、もしくはプロセッサを構成する一つ、または複数の論理回路において、短い時間でも電源停止を行うことができるため、消費電力を抑えることができる。
本実施の形態では、記憶素子700をCPUに用いる例として説明したが、記憶素子700は、DSP(Digital Signal Processor)、カスタムLSI、PLD(Programmable Logic Device)等のLSI、RF−ID(Radio Frequency Identification)にも応用可能である。
本実施の形態は、本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態9)
本発明の一態様に係る半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図21に示す。
図21(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体501、筐体502、表示部503、表示部504、マイクロフォン505、スピーカー506、操作キー507、スタイラス508等を有する。なお、図21(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部503と表示部504とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
図21(B)は携帯データ端末であり、第1筐体511、第2筐体512、第1表示部513、第2表示部514、接続部515、操作キー516等を有する。第1表示部513は第1筐体511に設けられており、第2表示部514は第2筐体512に設けられている。そして、第1筐体511と第2筐体512とは、接続部515により接続されており、第1筐体511と第2筐体512の間の角度は、接続部515により変更が可能である。第1表示部513における映像を、接続部515における第1筐体511と第2筐体512との間の角度に従って、切り替える構成としても良い。また、第1表示部513および第2表示部514の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしても良い。なお、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。或いは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。
図21(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体521、表示部522、キーボード523、ポインティングデバイス524等を有する。
図21(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体531、冷蔵室用扉532、冷凍室用扉533等を有する。
図21(E)はビデオカメラであり、第1筐体541、第2筐体542、表示部543、操作キー544、レンズ545、接続部546等を有する。操作キー544およびレンズ545は第1筐体541に設けられており、表示部543は第2筐体542に設けられている。そして、第1筐体541と第2筐体542とは、接続部546により接続されており、第1筐体541と第2筐体542の間の角度は、接続部546により変更が可能である。表示部543における映像を、接続部546における第1筐体541と第2筐体542との間の角度に従って切り替える構成としても良い。
図21(F)は普通自動車であり、車体551、車輪552、ダッシュボード553、ライト554等を有する。
本実施の形態は、本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。