JP6430639B2 - シリコンを製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二酸化ケイ素のマグネシオ熱還元によってシリコンを製造する方法に関する。
シリコンを含む生成物は、現在の製品環境、特に、エレクトロニクス分野、例えば、半導体、リチウムイオン電池または太陽電池において至るところに存在している。従って、シリコンを製造する方法をさらに改善する必要が定常的にある。シリコンを得るための1つの確立された化学的方法は、次の反応スキームによって説明されるマグネシウムによる二酸化ケイ素の還元(マグネシオ熱還元)である。
SiO+2Mg→2MgO+Si
マグネシオ熱還元は、例えば、副生成物として相当な量のケイ酸マグネシウムまたはマグネシウムケイ素化合物を一般に形成する。
マグネシオ熱還元は、Ber.Deut.Chem.Ges.1889,22,186においてGattermannによって1889年に最初に説明された。この場合においても、反応の大きな反応エンタルピーΔH(ΔH=−293kJ/mol)が留意された。Lehrbuch der Anorganischen Chemie,Holleman and Wiberg(1995,101st edition、page 877)は、反応の進行を制御可能に保つために、モデレーターとしての酸化マグネシウムの添加を推奨する。この目的のために、WO2008/067391A2は、リアクターを冷却する、または不活性材料、例えば、金属(酸化物)または例えば、塩化物、硫化物または硝酸塩の金属塩類を添加することを推奨する。不活性材料の具体的な例は、塩化ナトリウムまたは代わりに酸化マグネシウムであり、例えば、72重量%(MgO)または65重量%(NaCl)の割合で、出発混合物に使用される。還元は不連続的に達成される。WO2011/042742A1は、マグネシウムによるSiOの還元のためのモデレーターとして塩化ナトリウムまたは代わりに塩化カルシウムを推薦する。
しかし、モデレーターの添加なしで稼働するマグネシオ熱還元の多くの方法も知られている。従って、US7615206B2は、モデレーターなしで不連続的に行われるマグネシオ熱還元について記載している。US7615206は、例えば、珪藻土などのナノからミクロスケールシリカ出発構造の構造維持反応によって、特別のナノからミクロスケール構造を有するシリコンの調製と特に関係がある。この文献は、Nature2007,446,172で検討されるように、マグネシウムによる二酸化ケイ素の還元が構造を維持しながら進むという観察に基づく。SiOのマグネシオ熱還元は、このように、構造維持により、規定のシリコン構造を生成することを可能にする。さらに、モデレートされていないマグネシオ熱還元の変形例も、WO10139346A1、WO2013179068A2、KR100493960号、TWI287890号、WO2013/147958A2に記載されている。US8268481BBは、例えば、マグネシウムまたはアルミニウムなどの金属還元剤による焼成シリカの還元によってシリコンを製造する方法について記載した。流動剤または溶剤の添加が金属還元剤を活性化するために推奨され、銅または真鍮などの高熱伝導性金属の使用は反応温度を制御するために推奨される。不連続方法が記載されている。
このような背景により、SiOのマグネシオ熱還元において、大きな突然に放出される反応熱を制御することに対する持続的な必要が存在する。
これは、特に、工業規模での反応の実行に重大問題を引き起こす。塩化ナトリウムなどのモデレーターの添加によって反応熱を吸収することができる一方、これを反応混合物から取り除くことは、さらなる複雑性、例えば、別途に洗浄ステップを必要とし、これは別の不都合を表し、複雑な処分または大きな経済コストでの再利用のために送られなければならないさらなる量の廃棄物をさらに生成する。
国際公開第2008/067391号 国際公開第2011/042742号 米国特許第7615206号明細書 国際公開第2010/139346号 国際公開第2013/179068号 韓国登録特許第100493960号公報 台湾特許第287890号公報 国際公開第2013/147958号 米国特許第8268481号明細書
Ber.Deut.Chem.Ges.1889,22,186 Lehrbuch der Anorganischen Chemie,Holleman and Wiberg(1995,101st edition、page 877) Nature 2007,446,172
従って、本発明の目的は、反応温度が制御され得、モデレーターの除去の複雑性が同時に低減され得るように、二酸化ケイ素のマグネシオ熱還元を変更することである。さらに、可能な限り、シリコンの収率は向上されるべきであり、副生成物、特にケイ酸マグネシウムの形成の規模は低減されるべきである。
驚いたことに、ここで酸化マグネシウムおよびさらにシリコンをモデレーターとしてマグネシお熱還元の反応物に添加することによって目的が達成されることが分かった。従って、マグネシオ熱還元の生成物として入手可能なモデレーターが、反応物に添加された。
本発明は、二酸化ケイ素のマグネシオ熱還元によってシリコンを製造する方法を提供し、マグネシオ熱還元を達成するために、二酸化ケイ素(SiO)、マグネシウム(Mg)、ならびにモデレーターとして酸化マグネシウム(MgO)、シリコン(Si)、および場合により、さらなるモデレーターを含む混合物(反応混合物)が使用される。
二酸化ケイ素はアモルファスまたは結晶の形態であってもよい。これは合成または天然起源であってもよい。二酸化ケイ素の例は、焼成シリカ、沈降シリカ、石英、トリジマイト、クリストバライト、珪藻土、またはフォルステライトや頑火輝石などのケイ酸塩の形態で結合されたSiOである。合成アモルファスシリカが優先され、焼成シリカが特に優先される。
SiO粒子の体積加重粒度分布D50は、例えば、10nmから500μm、好ましくは100nmから100μm、特に好ましくは500nmから50μmである(定量法:静的光散乱、堀場製作所LA 950 instrument、分散媒体水)。
SiOの比表面積(BET)は、例えば、1から500m/g、好ましくは10から300m/g、特に好ましくは15から200m/g(例えば、Porotec Sorptomatic 1990 instrumentを使用して、DIN 66131(窒素使用)によって決定された。)である。
マグネシウムは、例えば、ワイヤーの形態、好ましくは削りくずの形態、特に好ましく粉末の形態で使用されてもよい。マグネシウムの粒径は、例えば、1μmから1mm、好ましくは5μmから500μm、特に好ましくは10μmから200μmである。
反応混合物中のマグネシウムに対する二酸化ケイ素の理論混合比(SiO/Mg)は、0.3から1が好ましく、0.4から0.7が特に好ましく、0.4から0.6が最も好ましい。
反応混合物中に存在するシリコンおよび酸化マグネシウムおよび任意のさらなるモデレーターは、以下にまとめてモデレーターとも称する。
さらなるモデレーター、例えば、ケイ酸マグネシウムは、場合により使用されてもよい。さらなるモデレーターの例は、塩化ナトリウムや塩化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属ハロゲン化物である。
反応混合物は、モデレーターの全重量に対して、好ましくは45から95重量%、特に好ましくは50から93重量%、最も好ましくは55から90重量%の酸化マグネシウムを含む。反応混合物は、モデレーターの全重量に対して、好ましくは3から40重量%、特に好ましくは4から35重量%、最も好ましくは5から30重量%のシリコンを含む。任意のさらなるモデレーターは、モデレーターの全重量に対して、例えば、0から40重量%、好ましくは0から20重量%の量で反応混合物中に存在する。
モデレーターは、SiOのマグネシオ熱還元、特に本発明によるSiOのマグネシオ熱還元によって得られた混合物であることが好ましい。このような混合物は、例えば、シリコン、酸化マグネシウム、および場合によりケイ酸マグネシウムなどのさらなる成分を含んでいてもよい。モデレーターは、混合物にさらに添加されてもよい。
二酸化ケイ素およびマグネシウムは、以下にまとめて反応物とも称する。
シリコンおよび酸化マグネシウムを含むモデレーターに対する反応物の重量比は、0.05から1が好ましく、0.2から0.7が特に好ましく、0.3から0.6が最も好ましい。
反応混合物は、さらなる任意の成分、例えば、三酸化ジボロンなどのドーパントを含んでいてもよい。マグネシオ熱還元の間に、三酸化ジボロンは、例えば、元素ホウ素に還元され、結果として生じるシリコンのためのドーパントとして機能し得る。任意の成分の割合は、反応混合物の全重量に対して、例えば5重量%以下、1ppb(10億分の1)から5重量%が好ましい。
反応混合物を製造するために、成分は任意の所望の順序で混合されてもよい。二酸化ケイ素およびマグネシウムは、別々にまたは好ましくは混合物の形態で使用されてもよい。モデレーターは、別々にまたは好ましくは混合物の形態で添加されてもよい。2以上、好ましくはすべてのモデレーターが混合物の形態で工程に導入されるときが特に好ましい。
モデレーターのシリコン、酸化マグネシウム、および場合により、1つ以上のさらなるモデレーターが最初に混合され、次いで、二酸化ケイ素もしくはマグネシウムに、または好ましくは二酸化ケイ素およびマグネシウムの混合物に添加される場合が好ましい。二酸化ケイ素およびマグネシウムは、好ましくは別々にまたは好ましくは1つ以上のモデレーター、特に2以上の混合物または好ましくはすべてのモデレーターと一緒に混合されてもよい。
二酸化ケイ素、マグネシウム、酸化マグネシウム、およびシリコンは、このように、一般に、マグネシオ熱還元の実行の前、つまり、一般にリアクターへの導入の前に混合される。
混合は周囲温度、例えば室温で、特に好ましくは15℃から35℃で達成されることが好ましい。混合は、どんな場合でも、好ましくは<400℃、より好ましくは≦390℃、特に好ましくは≦350℃の温度で達成される。
反応混合物の成分を混合するために、一般にこのために、特に工業ミキサーで使用されるミキサーが使用されてもよい。ミキサーの例は、コンテナミキサー、円錐ミキサー、ドラムローラーミキサー、ジャイロミキサー、タンブルミキサーなどの自由落下ミキサー、またはドラムミキサーおよびスクリューミキサーなどのディスプレースメントおよびインペラミキサーである。適切なミキサーのさらなる例は、R.Weinekotter and H.Gericke,Springer 1995によるMischen von Feststoffenで述べられる。
マグネシオ熱還元は、一般にこのために用いられるリアクター、特に、炉、例えば、管式炉、回転式管式炉、チャンバー炉、ベルト炉、または移動格子炉で行われてもよい。リアクターは、不連続的または連続的に操作されてもよい。リアクターは、従来の手段によって場合により冷却されてもよい。しかし、リアクターは一般に冷却されない。
反応混合物は、リアクター内に、例えばペレット、顆粒の形態で、または好ましくは粉末ベッドの形態で導入されてもよい。
マグネシオ熱還元は、好ましくは400から1200℃で、特に好ましくは500から1100℃で、最も好ましくは600から1000℃で行われる。
マグネシオ熱還元は、一般に熱的に、つまり、上記温度領域内の温度に反応混合物を加熱することによって始められる。
リアクター中の圧力は、好ましくは0.5から10barabs、特に好ましくは0.7から5barabs、最も好ましくは0.8から1.5barabsである。
マグネシオ熱還元は、好ましくは保護ガス雰囲気下で、特にアルゴン雰囲気または特に≦5体積%の水素割合を有するアルゴン/水素雰囲気下で行われる。
リアクター中の反応混合物の滞留時間は、好ましくは1秒から12時間、特に好ましくは1秒から6時間、最も好ましくは1秒から3時間である。
リアクターを出る混合物(生成混合物)は、一般にシリコン、酸化マグネシウム、および場合によりケイ酸マグネシウム、マグネシウムケイ素化合物、または場合によりホウ素などの1つ以上のさらなる成分を含む。さらに、マグネシウム、二酸化ケイ素、または場合により三酸化ジボロンなどの未反応反応物も存在してもよい。
生成混合物は、シリコンを好ましくは3から40重量%、特に好ましくは4から35重量%、最も好ましくは5から30重量%、酸化マグネシウムを好ましくは45から95重量%、特に好ましくは50から93重量%、最も好ましくは55から90重量%、さらなる成分を好ましくは0から40重量%、特に好ましくは0から30重量%、最も好ましくは0から20重量%含み、公表された重量%の値は、各々生成混合物の全重量に対するものであり、各生成混合物の合計は100重量%である。
マグネシオ熱還元は、バッチ工程、または好ましくはリサイクル工程として行われてもよい。バッチ工程では、質量流は、通常の方法でリアクターを一度だけ通る。リサイクル工程では、生成混合物は、全体的に、または好ましくは部分的にリアクターに再導入される(リサイクル混合物)。リサイクル混合物は、好ましくは、反応物、および場合により1つ以上のモデレーターと混合され、続いて、リアクター内に導入される。場合により残留する生成混合物の一部は、例えば、利用、特にワークアップのために送られてもよい。
リサイクル混合物は、それぞれの生成混合物の全重量に対して好ましくは50から95重量%、特に好ましくは55から85重量%、最も好ましくは60から75重量%である。リサイクル混合物の組成は、生成混合物の上述の組成と一般に同一である。
好ましい実施形態では、リサイクル混合物は、このようにモデレーターとして機能する。
リサイクル工程の操作中に、工程における特定の時点でのモデレーター全体で使用される量の総量中のリサイクル混合物の割合は、好ましくは70から100重量%、特に好ましくは80から100重量%、最も好ましくは90から100重量%である。排他的に、リサイクル混合物が、リサイクル工程の操作中にモデレーターとして使用される場合が最も好ましい。リサイクル工程の操作中に、さらなるシリコンおよび/またはさらなる酸化マグネシウムが、リサイクル混合物に加えて反応物に添加されない場合が好ましい。
好ましい実施形態では、工程外からのモデレーターが、このように、リサイクル工程の開始の間にのみに工程に導入され/反応物と混合される。リサイクル工程の開始は、普通の知識であるが、工程のスタートからリサイクル工程が操作の連続モードを経過する、つまり、反応物と混合される生成混合物がリアクター内に導入される時点までの工程の期間を称する。
リサイクル混合物は、好ましくは<400℃の温度、特に好ましくは≦390℃、最も好ましくは≦350℃の温度に冷却される。冷却は、例えば水冷または空冷によって、積極的または消極的に従来の手段によって達成されてもよい。慣習的に、外部冷却が使用される。外部冷却は、冷却剤をリサイクル混合物と接触させずに、装置、例えば、リサイクル混合物が通過する、またはサイクル混合物を含む、パイプや他の慣習的な冷却装置を冷却することを意味するとして理解される。
生成混合物のワークアップは、例えば、1つ以上の酸の添加によって達成されてもよい。酸の例は、塩酸やフッ酸などのハロゲン化水素酸、酢酸などのカルボン酸、リン酸などの燐オキソ酸である。酢酸または塩酸が優先される。2つ以上の酸が使用される場合、これらは混合物として、または好ましくは連続的に使用されてもよい。ワークアップは、このように、例えば、塩酸での第1の酸処理およびフッ酸での第2の処理によって、異なる酸での2段階で達成されてもよい。
酸は、好ましくは水溶液の形態で使用される。使用される酸の濃度は、好ましくは0.01から10mol/L、好ましくは0.1から8mol/L、特に好ましくは1から5mol/Lである。
ワークアップされる生成混合物の酸化マグネシウムに対する酸のプロトンのモル比は、少なくとも2:1であることが好ましい。
このように得られたシリコンは、最後に、例えば、0℃から200℃の温度、好ましくは20℃から150℃、特に好ましくは40℃から100℃で乾燥されてもよい。乾燥の間の圧力は、好ましくは0.01から1barabsであり、好ましくは0.1から0.5barabsである。
生成物は、生成物の全重量に対して、好ましくは50から100重量%、特に好ましくは60から100重量%、最も好ましくは70から100重量%のシリコンを含む。
本発明によって製造されたシリコンは、シリコン向けの任意の一般に使用される用途例えば、電子用途での材料として使用されてもよい。特定の例は、半導体、太陽電池、熱電発電装置、特にリチウムイオン電池用活物質である。
本発明で、二酸化ケイ素およびマグネシウムへのモデレーターとしてのシリコンおよび酸化マグネシウムの添加が、マグネシオ熱還元の反応熱、従って工程が制御されることを可能にすることが分かった。驚いたことに、本発明によるモデレーターの使用は、より高いシリコン収率をもたらす。幸いにも、副生成物のケイ酸マグネシウムの形成は低減された。
リサイクル工程としての本発明による工程の実行は特に有利である。ここで、例えば、マグネシお熱還元で生成される生成混合物の一部は、本発明によるマグネシオ熱還元に本発明のモデレーター混合物として使用されることができる。この場合、さらに後の除去を必要とする、または汚染源となり得る付加的な外部モデレーター材料が工程に導入されない場合が有利である。生成混合物の一部分は、このようにモデレーターとして再使用のために再利用されてもよく、一方、他の部分は生成物のワークアップに提供されてもよい。これは、本発明によるマグネシオ熱還元の経済性を向上する。
続く実施例は、さらに本発明を明らかにする:
続く実施例において、特に指定のない限り、すべての量および割合は重量により、圧力はすべて0.10MPa(abs.)であり、温度はすべて20℃である。報告される元素含有量(Mg、Si)は、ICP(誘導結合プラズマ)発光分光法(Perkin Elmer Optima 7300 DV instrument)によって決定された。酸素含有量は100%からの差から計算された。
生成物組成は、XRDによって実証可能に満足される境界条件下で、元素含有量(Si、O、Mg)からスタートして計算され、酸化マグネシウムは、水性のワークアップで完全に取り除かれ、分離された生成物は、Si(0)、MgSiO、およびSiOからなった。分離された生成物のMgの含有量が使用されて、ケイ酸マグネシウム含有量、その後、分離された生成物のSiOおよびSi(0)の含有量を計算した。水性のワークアップ前に存在するMgOの割合は、洗浄溶液の濾液中のマグネシウムの溶解量から決定された。
比較例1:
バッチ工程、モデレーターとしてのMgOによるMg熱還元:二酸化ケイ素1.00g(WACKER HDK(R) V15)およびマグネシウム粉末0.81g(Alfa Aesar,item no.10233,325mesh,99.8%)が乳棒および乳鉢で酸化マグネシウム4.20g(Sigma−Aldrich,item no.342793,≧99% trace metals basis,−325mesh)と混合され、続いて、アルゴン不活性管式炉内の鋼アンプル中で、2時間で900℃に加熱(加熱速度10℃/分)され、次いで冷却された。
5.0重量%のSi(0)、87.4重量%のMgO、6.0重量%のMg2SiO、1.6重量%のSiOの組成を有する得られた生成混合物5.75gは、氷浴冷却して、酢酸120g(水中に20重量%)に添加され、混合物は3時間撹拌された。得られた懸濁液はろ過され、水洗され(気孔サイズ4から7μmの紙フィルタ;濾液に溶解された4.95gのMgO)、残留物は55℃(2mbar abs.)で20時間乾燥された。元素組成で55.0重量%のSi、16.5重量%のMg、28.5重量%ののOの生成物0.71gが得られた。これは、39.5重量%のSi(0)、47.8重量%のMgSiO、12.7重量%のSiOに相当し、従って、SiOの形態で使用されるシリコンの量に基づいて、63%のSi(0)のモル収率に相当する。
[実施例2]
バッチ工程、SiおよびMgOを含むモデレーター混合物によるMg熱還元:二酸化ケイ素1.16g(WACKER HDK(R) V15)およびマグネシウム粉末0.94g(Alfa Aesar,item no.10233,325mesh,99.8%)が、乳棒および乳鉢で酸化マグネシウム3.28g、シリコン1.03g、ケイ酸マグネシウム0.29g、二酸化ケイ素0.29gからなるモデレーター混合物と混合され、続いて、アルゴン不活性管式炉内の鋼アンプル中で2時間で900℃に加熱(加熱速度10℃/分)され、次いで冷却された。
19.8重量%のSi(0)、68.1重量%のMgO、9.2重量%のMgSiO、2.9重量%のSiOの組成を有する得られた生成混合物3.47gは、氷浴冷却して、酢酸56g(水中に20重量%)に添加され、混合物は3時間撹拌された。得られた懸濁液は、ろ過され、水洗され(気孔サイズ4から7μmの紙フィルタ;濾液に溶解された2.39gのMgO)、残留物は55℃(2mbar abs.)で20時間乾燥された。元素組成で72重量%のSi、10重量%のMg、18重量%のOの生成物1.12gが得られた。これは、62.0重量%のSi(0)、28.9重量%のMgSiO、9.1重量%のSiOに相当する。これは、モデレーター混合物の導入割合を引いて、SiOの形態で使用されるシリコンの量に基づいて、68%のSi(0)のモル収率をもたらす。
比較例1と比較して、本発明によるモデレーターの使用が元素シリコンの収率の増加をもたらす。
Figure 0006430639
比較例3:
モデレーターとしてのMgOによるMg熱還元(リサイクル工程スタート):二酸化ケイ素16.6g(WACKER HDK(R) V15)およびマグネシウム粉末13.4g(Alfa Aesar,item no.10233,325mesh,99.8%)が酸化マグネシウム70g(Sigma−Aldrich,item no.63090,≧97.0% 焼成物質系、KT)とボールミル中で1時間混合され、続いて、マッフル炉中でアルゴン不活性鋼アンプル中で4.5時間で1000℃に加熱され、次いで冷却された。
得られた生成混合物18.6g(4.4重量%のSi(0)、90.3重量%のMgO、3.2重量%のMgSiO、2.1重量%のSiO)は、氷浴冷却して、酢酸409g(水中に20重量%)に添加され、混合物は4時間撹拌された。得られた懸濁液は、ろ過され、水洗され(気孔サイズ4から7μmの紙フィルタ;濾液に溶解された16.8gのMgO)、残留物は55℃(2mbar abs.)で20時間乾燥された。元素組成で62重量%のSi、11.5重量%のMg、26.5重量%のOの生成物1.80gが得られた。これは、45.4重量%のSi(0)、33.3重量%のMgSiO、21.3重量%のSiOに相当し、従って、SiOの形態で使用されるシリコンの量に基づいて、57%のSi(0)のモル収率に相当する。
[実施例4]
リサイクル工程、SiおよびMgOを含むモデレーター混合物によるMg熱還元:二酸化ケイ素16.6g(WACKER HDK(R) V15)およびマグネシウム粉末13.4g(Alfa Aesar,item no.10233,325mesh,99.8%)がモデレーター70g(比較例3の生成混合物)とボールミル中で1時間混合され、続いて、マッフル炉中でアルゴン不活性鋼アンプル中で4.5時間で1000℃に加熱され、次いで冷却された。
ここで得られた混合物は、同一の手順でモデレーターとして再度使用され、さらに、生成混合物がそこから生じた。
こうして得られた生成混合物14.6g(14.5重量%のSi、72.8重量%のMgO、6.7重量%のMgSiO、6.0重量%のSiO)は、氷浴冷却して、酢酸294g(水中に20重量%)に添加され、混合物は4時間撹拌された。得られた懸濁液は、ろ過され(気孔サイズ4から7μmの紙フィルタ;濾液に溶解された10.6gのMgO)、残留物は55℃(2mbar abs.)で20時間乾燥された。元素組成で68.5重量%のSi、8.5重量%のMg、23重量%のOの生成物3.95gが得られた。これは、53.2重量%のSi(0)、24.6重量%のMgSiO、22.2重量%のSiOに相当する。
比較例3および実施例4の生成組成物の比較は、本発明の手順がシリコン(Si(0))の収率を向上し、経済的に、および技術的にも有利なリサイクル工程のために、副生成物MgSiOの形成を低減したことを示す。
Figure 0006430639

Claims (10)

  1. 二酸化ケイ素のマグネシオ熱還元によってシリコンを製造する方法であって、
    マグネシオ熱還元を達成するために、二酸化ケイ素、マグネシウム、ならびにモデレーターとして酸化マグネシウム、シリコン、および場合により、1つ以上のさらなるモデレーターを含む反応混合物が使用される、方法。
  2. 反応混合物は、モデレーターの全重量に対して酸化マグネシウム45から95重量%を含む、請求項1に記載のシリコンを製造する方法。
  3. 反応混合物は、モデレーターの全重量に対してシリコン5から55重量%を含む、請求項1または2に記載のシリコンを製造する方法。
  4. 二酸化ケイ素のマグネシオ熱還元によって得られる混合物は、モデレーターとして少なくとも一部分において使用される、請求項1から3に記載のシリコンを製造する方法。
  5. モデレーターに対する二酸化ケイ素およびマグネシウムの合計の重量比は、0.05から1である、請求項1から4に記載のシリコンを製造する方法。
  6. マグネシオ熱還元によって得られる生成混合物は、シリコン3から40重量%、酸化マグネシウム45から95重量%、および場合によりさらなる成分0から40重量%を含み、報告された重量%の値は、各場合において生成混合物の全重量に対するものであり、各生成混合物の合計は100重量%である、請求項1から5に記載のシリコンを製造する方法。
  7. マグネシオ熱還元はバッチ工程またはリサイクル工程として構成される、請求項1から6に記載のシリコンを製造する方法。
  8. リサイクル工程で得られた生成混合物は、反応混合物に全体的または部分的に導入される、請求項7に記載のシリコンを製造する方法。
  9. リサイクル工程で得られた生成混合物50から95重量%は、モデレーターとして反応混合物に導入される、請求項8に記載のシリコンを製造する方法。
  10. モデレーター全体で使用される量の総量中の、リサイクル工程で得られた生成混合物の割合が70から100重量%である、請求項8または9に記載のシリコンを製造する方法。
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