JP2019506360A - シリコンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、二酸化ケイ素のマグネシウム熱還元によってシリコンを製造する方法に関し、二酸化ケイ素(SiO2)、マグネシウム(mg)及び、モデレータとして、40m2/g以下のBET表面積を有する酸化マグネシウム(MgO)を含有する原料混合物をマグネシウム熱還元のために用いることを特徴とする。

Description

本発明は、二酸化ケイ素のマグネシウム熱還元によってシリコンを製造する方法に関する。
シリコンは、特にエレクトロニクス分野で、たとえば半導体、リチウムイオン電池又は太陽電池において大きく経済成長する見込みがある極めて多種多様な製品の構成要素であり、そのためシリコンの需要は絶えず増加し続けている。結果として、シリコンの製造方法をさらに改善することが絶えず必要である。シリコンを得るための確立された化学的方法の1つは、次の反応スキームで示されるマグネシウムによる二酸化ケイ素の還元(マグネシウム熱還元)である。
SiO+2Mg→2MgO+Si
マグネシウム熱還元の欠点は、ケイ酸マグネシウムやケイ化マグネシウムなど、相当な量の副生成物が形成されることである。
マグネシウム熱還元は、1889年、Gattermannによって最初に「Ber.Deut.Chem.Ges.1889、22、186」で説明された。反応の膨大な反応エンタルピーΔH(ΔH=−293kJ/mol)が、この場合においても報告された。反応の進行を制御可能に保つため、「Lehrbuch der Anorganischen Chemie,Holleman and Wiberg(1995,101st Edition,page 877)」には、モデレータとして酸化マグネシウムの添加が推奨されている。この目的のために、WO2008/067391A2には、反応器を冷却する、又は金属(酸化物)若しくはたとえば塩化物、硫化物、硝酸塩の金属塩類を例とする不活性材料を添加することが推奨されている。不活性材料の例としては、塩化ナトリウム又は酸化マグネシウムが挙げられ、これらは出発混合物に対してたとえば72重量%(MgO、Riedel−de−Haen #13138、BET:42m/g)又は65重量%(NaCl)の割合で用いる。WO2011/042742A1には、マグネシウムによるSiOの還元のためのモデレータとして塩化ナトリウム又は塩化カルシウムが推奨されている。
しかし、モデレータの添加なしで行うマグネシウム熱還元の公知の方法も多数存在する。たとえば、US7615206B2には、ケイソウ土などのナノスケールからマイクロスケールのシリカ出発構造の構造維持マグネシウム熱還元が記載されている。「Nature 2007 446,172」にも、マグネシウムによるSiOの還元による、規定のシリコン構造への構造維持方法が教示されている。さらに、モデレートされていないマグネシウム熱還元の変形例が、WO10139346A1、WO2013179068A2、KR100493960、TWI287890B及びWO2013147958A2に記載されている。US8268481BBには、たとえばマグネシウム又はアルミニウムなどの金属還元剤による焼成シリカの還元によってシリコンを製造する方法が記載されている。融剤又は溶剤の添加が金属還元剤を活性化するために推奨され、銅や真鍮などの高熱伝導性金属の使用が反応温度を制御するために推奨されている。
こうした背景の中、瞬間的に放出される大量の反応熱を制御することが、SiOのマグネシウム熱還元において、依然として課題である。これは特に、産業規模で反応を行う場合に重大な問題である。さらなる目的は、マグネシウム熱還元において、ケイ酸マグネシウムやケイ化マグネシウムなどの副生成物の量を減らし、シリコンの収率を高めることである。
したがって、本発明の目的は、反応温度を制御すると同時に、副生成物の形成が、特にケイ酸マグネシウムの形成が減少し、シリコンの収率が上がるように、二酸化ケイ素のマグネシウム熱還元を改良することである。
この目的は、驚くべきことにマグネシウム熱還元の反応物に、モデレータとしてBET表面積が40m/g以下の酸化マグネシウムを混合させたときに達成された。従来の酸化マグネシウムの添加が、望ましくない副生成物であるケイ酸マグネシウムの形成を増加させ、したがってSiの収率を低下させるだけに、これはなおさら驚くべきことであった。
国際公開第2008/067391号 国際公開第2011/042742号 米国特許第7615206号明細書 国際公開第10/139346号 国際公開第2013/179068号 韓国登録特許第10−0493960号公報 台湾特許第287890(B)号公報 国際公開第2013/147958号 米国特許第8268481号明細書
Ber.Deut.Chem.Ges.1889、22、186 Lehrbuch der Anorganischen Chemie,Holleman and Wiberg(1995、第101版、877頁) Nature 2007 446,172
本発明は、マグネシウム熱還元を達成するために、二酸化ケイ素(SiO)、マグネシウム(Mg)及びモデレータとしてBET表面積が40m/g以下の酸化マグネシウム(MgO)を含有する混合物(反応混合物)を用いることを特徴とする、二酸化ケイ素のマグネシウム熱還元によってシリコンを製造する方法を提供する。
二酸化ケイ素は、非晶質であっても、又は結晶形であってもよい。二酸化ケイ素は、合成由来であっても、又は天然由来であってもよい。二酸化ケイ素の例としては、焼成シリカ、沈降シリカ、石英、トリジマイト、クリストバライト、ケイソウ土又はフォルステライトやエンスタタイトなど、ケイ酸塩の形態で結合されたSiOがある。合成非晶質シリカが好ましく、焼成シリカが特に好ましい。
SiO粒子の体積基準粒子径分布D50は、たとえば10nm〜500μm、好ましくは100nm〜100μm、及び特に好ましくは500nm〜50μmである(測定方法:静的光散乱、堀場製作所 LA950装置、分散媒水)。
SiOの比表面積(BET)は、たとえば1〜500m/g、好ましくは10〜300m/g、及び特に好ましくは15〜200m/g(たとえばPorotec Sorptomatic 1990装置を用いて、DIN 66131(窒素使用)に準じて測定する。)である。
マグネシウムは、たとえば、ワイヤの形態、好ましくは削りくずの形態、及び特に好ましくは粉体の形態で用いてもよい。マグネシウムの粒子径は、たとえば1μm〜10mm、好ましくは5μm〜5mm、及び特に好ましくは10μm〜500μmである。
反応混合物中のマグネシウムに対する二酸化ケイ素の化学量論比(SiO/Mg)は、好ましくは0.3〜1、特に好ましくは0.4〜0.7、及び最も好ましくは0.4〜0.6である。
反応混合物中に存在する酸化マグネシウムは、以下、モデレータともいう。
モデレータとして用いられる酸化マグネシウムは、天然由来であっても、又は合成由来であってもよい。
MgO粒子の体積基準粒子径分布D50は、たとえば1μm〜1mm、好ましくは5μm〜500μm、及び特に好ましくは10μm〜200μmである。
酸化マグネシウムの比表面積(BET表面積)は、40m/g以下、好ましくは35m/g以下、より好ましくは30m/g以下、特に好ましくは25m/g以下、及び最も好ましくは20m/g以下である。酸化マグネシウムのBET表面積は、好ましくは0.01m/g以上である。BET表面積の測定は、たとえばPorotec Sorptomatic 1990装置を用いて、DIN 66131に準じて(窒素使用)行う。
酸化マグネシウムのかさ密度は、好ましくは0.05〜3g/cm、特に好ましくは0.08〜2.5g/cm、及び最も好ましくは0.1〜2g/cm(DIN ISO 697に準じて測定)である。
酸化マグネシウムの純度は、85重量%以上が好ましく、90重量%以上が特に好ましく、95重量%以上が最も好ましい。純度は、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析(パーキンエルマー Optima 7300DV)により測定する。酸化マグネシウムに、そのための酸分解法を施す。ICP測定は、「ISO 11885 Wasserbeschaffenheit-Bestimmung von ausgewahlten Elementen durch induktiv gekoppelte Plasma−Atom−Emissionsspektrometrie(ICP−OES)(ISO 11885:2007);German version EN ISO 11885:2009」に基づいている。
酸化マグネシウムに加えて、さらなるモデレータを任意に用いてもよい。さらなるモデレータの例としては、塩化ナトリウムや塩化カルシウムなどのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属ハロゲン化物、又は進歩性がないBET表面積を有する酸化マグネシウムがある。
反応混合物は、モデレータの総重量に対して、好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上、及び特に好ましくは90重量%以上の酸化マグネシウムを含有する。可能なさらなるモデレータは、モデレータの総重量に対して、たとえば40重量%以下程度、好ましくは20重量%以下、及び特に好ましくは10重量%以下、反応混合物中に存在する。酸化マグネシウムに加えて、さらなるモデレータを用いない場合が最も好ましい。
以下、二酸化ケイ素及びマグネシウムは、まとめて反応物ともいう。
モデレータに対する反応物の重量比は、好ましくは0.05〜1、特に好ましくは0.2〜0.7、及び最も好ましくは0.3〜0.6である。
反応混合物は、さらなる任意の成分、たとえば、三酸化二ホウ素などのドーパントを含有してもよい。マグネシウム熱還元中に、三酸化二ホウ素はたとえば元素ホウ素に還元され、結果として生じるシリコンのためドーパントとして機能してもよい。任意の成分の割合は、反応混合物の総重量に対して、たとえば5重量%以下、好ましくは1ppb(10億分の1)〜5重量%である。
反応混合物を調製するために、それらの成分は任意の順序で混合してもよい。二酸化ケイ素及びマグネシウムは、別々に用いてもよいし、又は好ましくは混合物の形態で用いてもよい。モデレータは二酸化ケイ素とマグネシウムの混合物に添加してもよいし、又は好ましくは二酸化ケイ素及びマグネシウムと一緒に混合してもよい。
二酸化ケイ素、マグネシウム及びモデレータとして用いられる酸化マグネシウムは、したがって一般にマグネシウム熱還元を行う前に、すなわち一般に反応器の中に導入する前に混合する。
混合は、好ましくは周囲温度、たとえば室温で、特に好ましくは15℃〜35℃で実施する。いずれの場合も、混合は、好ましくは400℃未満、より好ましくは390℃以下、及び特に好ましくは350℃以下の温度で実施する。
反応混合物の成分を混合するために、それに対して一般的に用いられるミキサ、特に産業用ミキサを用いてもよい。ミキサの例としては、コンテナミキサ、コーンミキサ、ドラムローラーミキサ、ジャイロミキサ、タンブルミキサなどの自由落下ミキサ、又はドラムミキサ及びスクリューミキサなどのディスプレースメント及び羽根車ミキサがある。好適なミキサのさらなる例は、R.Weinekotter及びH.Gericke、Springer 1995による「Mischen von Feststoffen」で述べられている。
マグネシウム熱還元は、それに対して一般的に用いられる反応器、特に炉、たとえばチューブ炉、回転チューブ炉、チャンバー炉、ベルト炉又は可動火格子炉の中で行ってもよい。反応器は不連続的に操作しても、連続的に操作してもよい。反応器は従来の手段によって、任意で冷却してもよい。しかし、反応器は一般には冷却しない。
反応混合物は、たとえば、ペレット、顆粒の形態、又は好ましくは粉体層の形態で反応器の中に導入してもよい。
マグネシウム熱還元は、好ましくは400℃〜1200℃で、特に好ましくは500℃〜1100℃で、及び最も好ましくは600℃〜1050℃で行う。
マグネシウム熱還元は、一般に熱的に、すなわち上記の温度範囲の温度まで反応混合物を加熱することにより開始する。
反応器中の圧力は、好ましくは0.5〜10barabs.、特に好ましくは0.7〜5barabs.の間、及び最も好ましくは0.8〜1.5barabs.の間である。
マグネシウム熱還元は、好ましくは保護ガス雰囲気下で、特にアルゴン雰囲気又は特に5体積%以下の割合で水素を有するアルゴン/水素雰囲気下で行う。
反応器中の混合物の滞留時間は、好ましくは1秒〜12時間、特に好ましくは1秒〜6時間、及び最も好ましくは1秒〜3時間である。
反応器から出る混合物(生成物混合物)は、一般にシリコン、酸化マグネシウム及び任意に1つ以上のさらなる成分、たとえばケイ酸マグネシウム、ケイ化マグネシウム、又は任意にホウ素などを含有する。さらに、マグネシウム、二酸化ケイ素、又は場合により三酸化二ホウ素などの未反応反応物も存在してもよい。
生成物混合物は、シリコンを好ましくは1%〜40重量%、特に好ましくは2%〜35重量%、最も好ましくは5%〜30重量%、酸化マグネシウムを好ましくは45%〜99重量%、及び特に好ましくは50%〜96重量%、及び最も好ましくは55%〜94重量%、さらなる成分を好ましくは0%〜40重量%、特に好ましくは0%〜30重量%、及び最も好ましくは0%〜20重量%含有し、報告された重量%の値は、各々生成物混合物の総重量に対するものであり、及び各生成物混合物の合計は100重量%である。
生成物混合物のワークアップは、たとえば1つ以上の酸の添加により実施してもよい。酸の例としては、塩酸やフッ化水素酸などのハロゲン化水素酸、酢酸などのカルボン酸、又はリン酸などのリンのオキソ酸がある。酢酸又は塩酸が優先される。2つ以上の酸を用いる場合、これらは混合物として用いてもよいし、又は好ましくは連続して用いてもよい。ワークアップはしたがって、異なる酸を用いて2段階で、たとえば塩酸を用いる第1の酸処理及びフッ化水素酸を用いる第2の酸処理によって実施してもよい。
酸は、好ましくは水溶液の形態で用いる。用いられる酸の濃度は、好ましくは0.01〜10mol/L、特に好ましくは0.1〜8mol/L、最も好ましくは1〜5mol/Lである。
ワークアップを実施する生成物混合物の酸化マグネシウムに対する酸のプロトンのモル比は、少なくとも2:1であることが好ましい。
このように得られたシリコンは、たとえば0℃〜200℃、好ましくは20℃〜150℃、及び特に好ましくは40℃〜100℃の温度で、最後に乾燥させてよい。乾燥中の圧力は、好みによって0.01〜1barabs.であり、及び好ましくは0.1〜0.5barabs.である。
このように得られた生成物は、生成物の総重量に対して、好ましくは50〜100wt%、特に好ましくは60〜100wt%、及び最も好ましくは70〜100wt%のシリコンを含有する。
本発明に従って製造されたシリコンは、全ての一般的なシリコンの用途、たとえばエレクトロニクスに関する用途で、材料として使用できる。特定の例としては、半導体、太陽電池、熱電式発電機、及び特にリチウムイオン電池用活物質がある。
マグネシウム熱還元において、本発明による酸化マグネシウムをモデレータとして使用することにより、その反応の熱を制御することができ、したがって、この製法を産業規模で行う場合でも、この製法を制御できる。驚くべきことに、本発明によるBET表面積の酸化マグネシウムの使用によって、より高いシリコンの収率が得られる。幸いにも、副生成物であるケイ酸マグネシウムの形成は抑制され、反応物の転化率は向上した。
もう一つの利点は、モデレータとして用いられる酸化マグネシウムは、マグネシウム熱還元の副生成物と化学的に同一であるので、モデレータを除去するために別途の洗浄工程を要せず、反応中に形成された酸化マグネシウムとともにモデレータを除去できることである。
以下の実施例により、本発明をさらに解明する。
以下の実施例において、特に記載のない限り、全ての量及び百分率は重量によるものであり、全ての圧力は0.10MPa(abs.)であり、全ての温度は、20℃である。報告された元素含有量(Mg、Si)は、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析(パーキンエルマー Optima 7300DV装置)により測定した。酸素含有量は100%との差から算出した。
生成物の組成は、XRDにより実証できるように満たされている境界条件下で、元素含有量(Si、O、Mg)から出発して算出し、酸化マグネシウムは水性ワークアップで完全に除去され、分離された生成物はSi(0)、MgSiO及びSiOにより構成される。分離された生成物のMg含有量を用いて、ケイ酸マグネシウム含有量を算出し、続いて、分離された生成物のSiOとSi(0)の含有量を算出した。水性ワークアップ前に存在するMgOの割合は、洗浄液のろ液中に溶解しているマグネシウムの量から定量した。
[比較例1]:
BET表面積が102m/gのMgOをモデレータとして用いるMg熱還元:
二酸化ケイ素1.16g(WACKER HDK(R)V15)及びマグネシウム粉末0.94g(アルファエイサー社、325メッシュ、99.8%)を、乳棒及び乳鉢を用いて、表面積が102m/g(DIN 66131に準じてPorotec Sorptomatic 1990装置で計測)の酸化マグネシウム4.88g(シグマアルドリッチ、製品番号 342793、≧99%、325°メッシュ)と混合し、続いて、アルゴン不活性チューブ炉内の鋼製ボート中で、1000℃まで2時間加熱(加熱速度 10℃/分)し、その後冷却した。
4.7重量%のSi(0)、87.2重量%のMgO、6.3重量%のMgSiO、1.8重量%のSiOの組成を有する得られた生成物混合物6.51gを、氷浴にて冷却しながら酢酸136g(水中に20重量%)に添加し、該混合物を3時間撹拌した。得られた懸濁液をろ過し、水洗(孔径4〜7μmのろ紙、ろ液中に溶解している5.60gのMgO)し、残留物を55℃(2mbar abs.)で20時間乾燥させた。元素組成で53重量%のSi、17重量%のMg、30重量%のOの生成物0.82gが得られた。これは、36.5重量%のSi(0)、49.2重量%のMgSiO、14.3重量%のSiOに相当し、したがって、SiOの形態で用いられるシリコンの量に対して59%のSi(0)のモル収率に相当する。
[比較例2]:
BET表面積が42m/gのMgOをモデレータとして用いるWO2008/067391A2によるMg熱還元:
二酸化ケイ素1.33g(WACKER HDK(R)V15)及びマグネシウム粉末1.07g(アルファエイサー社、325メッシュ、99.8%)を、乳棒及び乳鉢を用いて、表面積が42m/g(DIN 66131に準じてPorotec Sorptomatic 1990 装置で計測)の酸化マグネシウム5.61g(シグマアルドリッチ、製品番号 13138、puriss.)と混合し、続いて、アルゴン不活性チューブ炉内の鋼製ボート中で、1000℃まで2時間加熱(加熱速度 10℃/分)し、その後冷却した。
5.1重量%のSi(0)、91.0重量%のMgO、1.3重量%のMgSiO、2.6重量%のSiOの組成を有する得られた生成物混合物7.32gを、氷浴にて冷却しながら酢酸151g(水中に20重量%)に添加し、該混合物を3時間撹拌した。得られた懸濁液をろ過し、水洗(孔径4〜7μmのろ紙、ろ液中に溶解している6.24gのMgO)し、残留物を55℃(2mbar abs.)で20時間乾燥させた。元素組成で73重量%のSi、5重量%のMg、及び22重量%のOの生成物0.62gが得られた。これは、56.6重量%のSi(0)、14.5重量%のMgSiO、28.9重量%のSiOに相当し、したがって、SiOの形態で用いられるシリコンの量に対して62%のSi(0)のモル収率に相当する。
[実施例3]
BET表面積が25m/gのMgOをモデレータとして用いるMg熱還元:
二酸化ケイ素1.00g(WACKER HDK(R)V15)及びマグネシウム粉末0.81g(アルファエイサー社、325メッシュ、99.8%)を、乳棒及び乳鉢を用いて、表面積が25m/g(DIN 66131に準じてPorotec Sorptomatic 1990装置で計測)の酸化マグネシウム4.21g(シグマアルドリッチ、製品番号 63090、puriss.p.a.)と混合し、続いて、アルゴン不活性チューブ炉内の鋼製ボート中で、1000℃まで2時間加熱(加熱速度 10℃/分)し、その後冷却した。
6.3重量%のSi(0)、91.5重量%のMgO、2.0重量%のMgSiO、0.2重量%のSiOの組成を有する得られた生成物混合物5.90gを、氷浴にて冷却しながら酢酸123g(水中に20重量%)に添加し、該混合物を3時間撹拌した。得られた懸濁液をろ過し、水洗(孔径4〜7μmのろ紙、ろ液中に溶解している5.47gのMgO)し、残留物を55℃(2mbar abs.)で20時間乾燥させた。元素組成で80重量%のSi、8重量%のMg、12重量%のOの生成物0.51gが得られた。これは、74.1重量%のSi(0)、23.2重量%のMgSiO、2.8重量%のSiOに相当し、したがって、SiOの形態で用いられるシリコンの量に対して82%のSi(0)のモル収率に相当する。
[実施例4]
BET表面積が8m/gのMgOをモデレータとして用いるMg熱還元:
二酸化ケイ素1.33g(WACKER HDK(R)V15)及びマグネシウム粉末1.08g(アルファエイサー社、325メッシュ、99.8%)を、乳棒及び乳鉢を用いて、表面積が8m/g(DIN 66131に準じてPorotec Sorptomatic 1990装置で計測)の酸化マグネシウム5.60g(シグマアルドリッチ、製品番号 63093、purum p.a.)と混合し、続いて、アルゴン不活性チューブ炉内の鋼製ボート中で、1000℃まで2時間加熱(加熱速度 10℃/分)し、その後冷却した。
6.3重量%のSi(0)、92.1重量%のMgO、0.7重量%のMgSiO、0.9重量%のSiOの組成を有する得られた生成物混合物7.89gを、氷浴にて冷却しながら、酢酸165g(水中に20重量%)に添加し、該混合物を3時間撹拌した。得られた懸濁液をろ過し、水洗(孔径4〜7μmのろ紙、ろ液中に溶解している7.21gのMgO)し、残留物を55℃(2mbar abs.)で20時間乾燥させた。元素組成で87重量%のSi、3重量%のMg、及び10重量%のOの生成物0.62gが得られた。これは、80.0重量%のSi(0)、8.7重量%のMgSiO、11.4重量%のSiOに相当し、したがって、SiOの形態で用いられるシリコンの量に対して81%のSi(0)のモル収率に相当する。
Figure 2019506360
本発明による酸化マグネシウムをモデレータとして用いることにより(実施例3及び実施例4)、SiOの形態で用いられるシリコンに対して著しく高い元素Si(0)の収率が得られ、副生成物の割合が大幅に減少した。

Claims (8)

  1. 二酸化ケイ素のマグネシウム熱還元によってシリコンを製造する方法であって、マグネシウム熱還元を達成するために、二酸化ケイ素、マグネシウム及びモデレータとして40m/g以下のBET表面積を有する酸化マグネシウムを含有する反応混合物を用いることを特徴とする、シリコンを製造する方法。
  2. モデレータとして用いられる酸化マグネシウムが、35m/g以下のBET表面積を有することを特徴とする、請求項1に記載のシリコンを製造する方法。
  3. モデレータ酸化マグネシウムに対する二酸化ケイ素及びマグネシウムの重量比が、0.05〜1であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシリコンを製造する方法。
  4. 酸化マグネシウムに加えて、反応混合物が、1つ以上のさらなるモデレータを任意に含有し、酸化マグネシウムの割合が、モデレータの総重量に対して60重量%以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリコンを製造する方法。
  5. 酸化マグネシウムに加えて、さらなるモデレータを用いないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリコンを製造する方法。
  6. 二酸化ケイ素、マグネシウム及びモデレータとして用いられる酸化マグネシウムを、マグネシウム熱還元を行うための反応器の中に導入する前に混合することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシリコンを製造する方法。
  7. 生成物混合物が、1%〜40重量%のシリコン、45%〜99重量%の酸化マグネシウム及び0%〜40重量%のさらなる成分を含有し、報告された重量%の値は、生成物混合物の総重量に対するものであり、各生成物混合物の合計は100重量%であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシリコンを製造する方法。
  8. 生成物混合物に1つ以上の酸の添加によってワークアップを実施し、このように得られた生成物は、生成物の総重量に対して50%〜100重量%のシリコンを含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシリコンを製造する方法。
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