JP6421611B2 - プラズマ処理装置用電極板及びその製造方法 - Google Patents

プラズマ処理装置用電極板及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマ処理装置において、プラズマ生成用ガスを厚さ方向に通過させながら放電するプラズマ処理装置用電極板及びその製造方法に関する。
半導体デバイス製造プロセスに使用されるプラズマエッチング装置やプラズマCVD装置等のプラズマ処理装置は、チャンバー内に、高周波電源に接続される一対の電極を、例えば上下方向に対向配置し、その下側電極の上に被処理基板を配置した状態として、上部電極に形成した通気孔からエッチングガスを被処理基板に向かって流通させながら高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させ、被処理基板にエッチング等の処理を行う構成とされている。
このプラズマ処理装置で使用される上部電極として、一般に、シリコン製の電極板を冷却板に固定し重ね合せた積層電極板が用いられており、プラズマ処理中に上昇する電極板の熱は、冷却板を通じて放熱されるように構成されている。
そして、この種のシリコン製の電極板は、例えばチョクラルスキー(CZ)法により製造された単結晶シリコンからなるインゴットをダイヤモンドバンドソーなどで略円板状に薄く切断することにより形成されている。
ところが、例えばチョクラルスキー法においては、石英るつぼから溶け出した酸素が溶解したシリコン中に混入し、その溶け込んだ酸素が単結晶シリコンの成長とともに結晶内に混入する。このように酸素が混入したシリコンインゴットから形成された電極板においては、電極板がプラズマ処理中に500℃未満の温度で加熱されることにより、シリコン結晶内の酸素原子が集合して酸素ドナーを形成して(例えば特許文献1参照)、予め添加した不純物により決定されるはずの比抵抗値(抵抗率)に変動が生じる。この場合、電極板平面内において比抵抗値にばらつきが生じ、対向する被処理基板に面内均一なプラズマ処理を行うことが難しくなる。
この点、半導体デバイスや太陽電池の製造分野においては、その製造工程で実施される熱処理において酸素ドナーが多量に生成されることに対し、その酸素ドナーの発生量を抑制するためにドナーキラー処理が行われてきた(例えば特許文献2参照)。ドナーキラー処理は、シリコンウエハを不活性ガス中で短時間、600℃〜700℃に加熱して行うことにより行われ、これにより、酸素原子を分散させることができ、その後の比抵抗値の変動を防止することができる。
特開2012‐28482号公報 特開2011‐138866号公報
電極板においても、半導体デバイスと同様のドナーキラー処理を行うことにより、シリコン中の酸素原子を分散させることができる。ところが、ドナーキラー処理を施した電極板であっても、プラズマ処理中に400℃程度の高温にさらされることにより、酸素原子が集合して酸素ドナーを形成し、局所的な比抵抗値の変動を生じさせることが問題となっている。またこの場合、局所的な比抵抗値の変動により、対向する被処理基板との間のプラズマ発生状態が不安定となることから、早い段階での電極板の交換が必要となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、プラズマ処理中の比抵抗値の変動を抑制することができ、長時間の使用を可能としたプラズマ処理装置用電極板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のプラズマ処理装置用電極板は、酸素が混入した単結晶シリコンにより板状に形成され、該単結晶シリコンの素地中に長さ3μm以上の積層欠陥を2×10個/cm以上有することを特徴とする。
単結晶シリコンの素地中に長さ3μm以上の積層欠陥が生じると、その副生物である酸素析出が生じ、これが比抵抗値の安定化に繋がると考えられる。この積層欠陥が2×10個/cm以上形成された電極板においては、シリコン中に含有される酸素原子の多くが安定した状態の酸素析出として存在するので、プラズマ処理中に400℃程度の高温にさらされた場合でも、酸素ドナーの形成が抑制され、局所的な比抵抗値の変動を引き起こすことを防止することができる。このため、電極板を長時間安定した状態で使用することが可能となる。
なお、長さ3μm未満の積層欠陥は、格子欠陥であるエッチピットであり、これらエッチピットは比抵抗値の安定化に寄与するものではない。
本発明のプラズマ処理装置用電極板の製造方法は、酸素が混入した単結晶シリコンのシリコンインゴットをスライスして板状の素地板を形成するスライス工程と、前記シリコンインゴット又は前記素地板に1100℃の温度では8時間以上、1200℃の温度では4時間以上、1100℃から1200℃の間の温度では8時間から4時間の間で案分により定められる所定時間以上の熱処理を、当該熱処理温度に到達するまでの昇温速度を0.5℃/min〜2.0℃/min、その後の降温速度を0.25℃/min〜1.0℃/minで施す熱処理工程とを有することを特徴とする。
熱処理工程は、シリコンインゴットの状態又は、シリコンインゴットをスライスした素地板の状態のいずれの状態においても行うことが可能であり、シリコンインゴット又は素地板に熱処理を施すことにより、単結晶シリコンの素地中に長さ3μm以上の積層欠陥を析出させ、その副生成物である酸素析出(SiO)を生じさせることができる。このように積層欠陥及び酸素析出を有する電極板においては、前述したように、プラズマ処理中の酸素ドナーの形成が抑制されるので、局所的な比抵抗値の変動を防止することができる。
なお、シリコンインゴットの状態で熱処理を施した場合には、熱処理により加工応力を緩和することができるので、後のスライス工程において、割れや欠け等が生じることを防止することができる。
本発明のプラズマ処理装置用電極板の製造方法は、酸素が混入した単結晶シリコンのインゴットをスライスして板状の素地板を形成するスライス工程と、前記シリコンインゴット又は前記素地板に、600℃から800℃の温度で4時間以上の熱処理を施す第一段階熱処理工程と、前記第一段階熱処理工程を施した前記シリコンインゴット又は前記素地板に、900℃の温度では16時間以上、1000℃の温度では8時間以上、1200℃の温度では1時間以上、900℃から1000℃の間の温度では8時間から16時間の間で案分により定められる所定時間以上、1000℃から1200℃の間の温度では1時間から8時間の間で案分により定められる所定時間以上の熱処理を施す第二段階熱処理工程と、を有しており、前記第一段階熱処理工程及び前記第二段階熱処理工程では、熱処理温度に到達するまでの昇温速度を0.5℃/min〜2.0℃/min、その後の降温速度を0.25℃/min〜1.0℃/minで施すことを特徴とする。
シリコンインゴット又は素地板に、第一段階熱処理工程と第二段階熱処理工程とを組み合わせた熱処理を施すことにより、単結晶シリコンの素地中に長さ3μm以上の積層欠陥を析出させ、その副生成物である酸素析出(SiO)を生じさせることができる。この場合、第一段階熱処理工程と第二段階熱処理工程との加熱温度や加熱時間の組み合わせによっては、これら第一段階熱処理工程と第二段階熱処理工程とを通じて、1000℃以下の加熱処理によって長さ3μm以上の積層欠陥を析出させることができ、1200℃までの加熱を行うことなく積層欠陥を生じさせることができる。さらに、第二段階熱処理工程において1200℃で加熱する場合にあっても、加熱時間を短縮することができる。
本発明のプラズマ処理装置用電極板の製造方法において、前記スライス工程は、前記第一段階熱処理工程と前記第二段階熱処理工程との間に行うことができる。
シリコンインゴットに対して第一段階熱処理工程により熱処理を施した後に、スライス工程に移行して素地板を形成し、その素地板に対して第二段階熱処理工程による熱処理を施した場合であっても、第一段階熱処理工程と第二段階熱処理工程とを通じて、1000℃以下の加熱処理によって長さ3μm以上の積層欠陥を析出させることができる。
本発明によれば、プラズマ処理中における酸素ドナーの発生を抑制することができるので、比抵抗値の大きな変動を生じさせることがなく、長時間の使用が可能な電極板を提供することができ、これに伴い、プラズマ処理におけるコストの低減を図ることができる。
本発明の実施形態のプラズマ処理装置用電極板が用いられるプラズマ処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の第1実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の第3実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の第4実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の第5実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法を説明するフローチャートである。 実施例のプラズマ処理装置用電極板の要部画像である。 比較例のプラズマ処理装置用電極板の要部画像である。
以下、本発明に係るプラズマ処理装置用電極板及びその製造方法の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
まず、このプラズマ処理装置用電極板(以下、電極板と称す。)が用いられるプラズマ処理装置として、プラズマエッチング装置100について説明する。
プラズマエッチング装置100は、図1に示すように、真空チャンバー2内の上側に電極板(上側電極)3が設けられるとともに、下側に上下動可能な架台(下側電極)4が電極板3と相互間隔をおいて平行に設けられる。この場合、上側の電極板3は絶縁体5により真空チャンバー2の壁に対して絶縁状態に支持されているとともに、架台4の上に、静電チャック6と、その周りを囲むシリコン製の支持リング7とが設けられており、静電チャック6上に支持リング7により周縁部を支持した状態でウエハ(被処理基板)8が載置されるようになっている。また、真空チャンバー2の上側には、エッチングガス供給管21が設けられ、このエッチングガス供給管21から送られてきたエッチングガスは、拡散部材9を経由した後、電極板3に設けられた通気孔31を通してウエハ8に向かって流され、真空チャンバー2の側部の排出口22から外部に排出される構成とされる。一方、電極板3と架台4との間には、高周波電源10により高周波電圧が印加されるようになっている。
また、電極板3の背面には熱伝導性に優れるアルミニウム等からなる冷却板11が固定されている。この冷却板11にも、電極板3の通気孔31に連通するように、この通気孔31と同じピッチで貫通孔12が形成されている。そして、電極板3は、背面が冷却板11に接触した状態でねじ止め等によってプラズマエッチング装置100内に固定される。
そして、本実施形態の電極板3は、単結晶シリコンの素地中に積層欠陥を2×10個/cm以上有する単結晶シリコンにより、例えば厚さ12mm程度、直径400mm程度の円板に形成される。また、この電極板3には、数mm〜10mmピッチで数百〜3000個程度の通気孔31が縦横に整列した状態で厚さ方向に平行に貫通するように形成されている。なお、各通気孔31は、ドリル加工又はレーザ加工により形成され、例えば、厚さ12mmとされる電極板3に対して穴径が0.5mmで形成される。
このように構成される電極板3は、例えば図2のフローチャートに示すように、単結晶シリコンのシリコンインゴットを形成するインゴット形成工程(S1)と、そのシリコンインゴットをスライスして板状の素地板を形成するスライス工程(S2)と、素地板に熱処理を施す熱処理工程(S3)と、素地板に複数の通気孔を加工する通気孔形成工程(S4)を経て製造される。
上記電極板3の製造工程について詳述すると、まずチョクラルスキー法や鋳造法等の方法により、単結晶シリコンからなるシリコンインゴットを形成する(インゴット形成工程:S1)。次に、形成された単結晶シリコンからなるシリコンインゴットに対して、スライス工程(S2)を施す。
スライス工程(S2)では、ダイヤモンドバンドソー等で略円板状に薄く切断して素地板を形成し、その後に、その素地板をアルゴン雰囲気中で1100℃の温度では8時間以上、1200℃の温度では4時間以上、1100℃から1200℃の間の温度では8時間から4時間の間で案分により定められる所定時間以上加熱することにより熱処理工程(S3)を施して、図7に示すように、単結晶シリコンの素地中に長さ3μm以上の積層欠陥33を析出させ、その副生成物である酸素析出(SiO)を生じさせる。なお、熱処理工程(S3)において、所定の加熱温度に到達するまでの昇温速度は0.5℃/min〜2.0℃/minとされ、その後の降温速度(冷却温度)は0.25℃/min〜1.0℃/minとされる。
そして、最後に、単結晶シリコンの素地中に積層欠陥33及び酸素析出が形成された各素地板に対し、素地板の一方の表面側から厚さ方向に平行にドリルを下降させる、またはレーザ照射を行うことにより、通気孔31を1つずつ加工して電極板3を仕上げる(通気孔形成工程:S4)。なお、ドリル加工により通気孔31の内面に多数発生するいわゆるマイクロクラックを除去するために、電極板をエッチング液に一定時間浸漬してエッチング処理を施すこととしてもよい。
また、電極板3の製造工程において、図3のフローチャートに示すように、スライス工程(S2)と熱処理工程(S3)との順番を逆にすることもできる。すなわち、インゴット形成工程(S1)から熱処理工程(S3)に移行し、シリコンインゴットをアルゴン雰囲気中で1100℃の温度では8時間以上、1200℃の温度では4時間以上、1100℃から1200℃の間の温度では8時間から4時間の間で案分により定められる所定時間以上加熱して熱処理を施した後に、そのシリコンインゴットを略円板状に薄く切断して素地板を形成するスライス工程(S2)を施す。そして、最後に、通気孔形成工程(S4)に移行し、単結晶シリコンの素地板に通気孔31を加工して仕上げる。
このように、本実施形態の電極板の製造方法においては、単結晶シリコンのシリコンインゴット又は素地板を1100℃の温度では8時間以上、1200℃の温度では4時間以上、1100℃から1200℃の間の温度では8時間から4時間の間で案分により定められる所定時間以上の加熱する熱処理工程(S3)を経ることにより、図6に示すように長さ3μm以上の積層欠陥33を析出させるとともに、その副生成物として、シリコン結晶中に不安定な状態で存在する酸素原子を酸素析出として固定している。このように、単結晶シリコンの素地中に長さ3μm以上の積層欠陥33が2×10個/cm以上形成された電極板3においては、プラズマ処理中に400℃程度の高温にさらされた場合でも、酸素ドナーの形成が抑制され、局所的な比抵抗値の変動を防止することができる。したがって、電極板3を長時間安定した状態で使用することが可能となる。なお、積層欠陥33が2×10個/cm未満であると、酸素原子の集合による酸素ドナーが形成されるおそれがある。また、長さ3μm未満の積層欠陥は格子欠陥であるエッチピットであり、これらエッチピットは比抵抗値の安定化に寄与するものではない。
また、熱処理工程は、上述したように、シリコンインゴットの状態又は、シリコンインゴットをスライスした素地板の状態のいずれの状態においても行うことができる。シリコンインゴットの状態で熱処理を施した場合には、熱処理により加工応力を緩和することができるので、後のスライス工程において、割れや欠け等が生じることを防止することができる。
図4及び図5は、本発明の他の実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法を説明するフローチャートを示している。
図2に示す第1実施形態、及び図3に示す第2実施形態の電極板の製造方法では、熱処理工程(S3)を設けていたが、図4に示す第3実施形態、図5に示す第4実施形態、及び図6に示す第5実施形態の電極板の製造方法では、第一段階熱処理工程(S11)と第二段階熱処理工程(S12)との二段階の熱処理を経ることにより、図7に示すように長さ3μm以上の積層欠陥33を析出させるとともに、その副生成物として、シリコン結晶中に不安定な状態で存在する酸素原子を酸素析出として固定している。
なお、第3実施形態、第4実施形態及び第5実施形態の電極板の製造方法において、第一段階熱処理工程(S11)と第二段階熱処理工程(S12)とによる二段階の熱処理工程以外の工程、すなわちインゴット形成工程(S1)、スライス工程(S2)及び通気孔形成工程(S4)は、第1実施形態及び第2実施形態と同じ工程を経て施される。
図4に示す第3実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造工程について詳述すると、まずチョクラルスキー法や鋳造法等の方法により、単結晶シリコンからなるシリコンインゴットを形成する(インゴット形成工程:S1)。次に、形成された単結晶シリコンからなるシリコンインゴットに対して、スライス工程(S2)を施す。
スライス工程(S2)では、ダイヤモンドバンドソー等で略円板状に薄く切断して素地板を形成する。そして、その素地板をアルゴン雰囲気中において600℃から800℃の温度で4時間以上の加熱をする第一段階熱処理工程(S11)を施し、さらに第一段階熱処理工程(S11)を施した素地板に、900℃の温度では16時間以上、1000℃の温度では8時間以上、1200℃の温度では1時間以上、、900℃から1000℃の間の温度では8時間から16時間の間で案分により定められる所定時間以上、1000℃から1200℃の間の温度では1時間から8時間の間で案分により定められる所定時間以上の加熱をする第二段階熱処理工程(S12)を施すことにより、図7に示すように、単結晶シリコンの素地中に長さ3μm以上の積層欠陥33を析出させ、その副生成物である酸素析出(SiO)を生じさせる。
そして、最後に、単結晶シリコンの素地中に積層欠陥33及び酸素析出が形成された各素地板に対し、素地板の一方の表面側から厚さ方向に平行にドリルを下降させる、または
レーザ照射を行うことにより、通気孔31を1つずつ加工して電極板3を仕上げる(通気孔形成工程:S4)。
なお、第一段階熱処理工程(S11)及び第二段階熱処理工程(S12)において、所定の加熱温度に到達するまでの昇温速度は0.5℃/min〜2.0℃/minとされ、その後の降温速度(冷却温度)は0.25℃/min〜1.0℃/minとされる。
また、電極板3の製造工程において、図5の第4実施形態のフローチャートに示すように、スライス工程(S2)と第一段階熱処理工程(S11)及び第二段階熱処理工程(S12)との順番を逆にすることもできる。すなわち、インゴット形成工程(S1)から第一段階熱処理工程(S11)に移行し、シリコンインゴットをアルゴン雰囲気中において600℃から800℃の温度で4時間以上加熱して熱処理を施した後に、そのシリコンインゴットを第二段階熱処理工程(S12)に移行して、アルゴン雰囲気中で900℃の温度では16時間以上、1000℃の温度では8時間以上、1200℃の温度では1時間以上、900℃から1000℃の間の温度では8時間から16時間の間で案分により定められる所定時間以上、1000℃から1200℃の間の温度では1時間から8時間の間で案分により定められる所定時間以上の加熱を施す。これらの熱処理を施した後、シリコンインゴットを略円板状に薄く切断して素地板を形成するスライス工程(S2)を施す。そして、最後に、通気孔形成工程(S4)に移行し、単結晶シリコンの素地板に通気孔31を加工して仕上げる。
なお、第3実施形態及び第4実施形態の電極板の製造方法において、第一段階熱処理工程(S11)から第二段階熱処理工程(S12)への移行は、第一段階熱処理工程(S11)を施した素地板を冷却することなく、そのまま連続して加熱することにより昇温を行う場合と、第一段階熱処理工程(S11)から第二段階熱処理工程(S12)へ移行するに際し、第一段階熱処理工程(S11)後に素地板を一旦冷却し、その後に第二段階熱処理工程(S12)を行う場合との、いずれを選択した場合であっても、これら第一段階熱処理工程(S11)と第二段階熱処理工程(S12)とを通じて、1000℃以下の加熱処理によって長さ3μm以上の積層欠陥を析出させることができる。
さらに、電極板3の製造工程において、図6の第5実施形態のフローチャートに示すように、シリコンインゴットに対して第一段階熱処理工程(S11)による第一段階の熱処理を施した後に、スライス工程(S2)に移行して素地板を形成し、その素地板に対して第二段階熱処理工程(S12)による第二段階の熱処理を施すこともできる。すなわち、インゴット形成工程(S1)から第一段階熱処理工程(S11)に移行し、シリコンインゴットをアルゴン雰囲気中において600℃から800℃の温度で4時間以上加熱して熱処理を施した後に、そのシリコンインゴットをスライス工程(S2)に移行して、シリコンインゴットを略円板状に薄く切断して素地板を形成する。そして、得られた素地板を第二段階熱処理工程(S12)に移行して、アルゴン雰囲気中で900℃の温度では16時間以上、1000℃の温度では8時間以上、1200℃の温度では1時間以上、900℃から1000℃の間の温度では8時間から16時間の間で案分により定められる所定時間以上、1000℃から1200℃の間の温度では1時間から8時間の間で案分により定められる所定時間以上の加熱を施す。最後に、通気孔形成工程(S4)に移行し、単結晶シリコンの素地板に通気孔31を加工して仕上げる。
このように、第3から第5実施形態の電極板の製造方法においては、第1実施形態及び第2実施形態の電極板の製造方法における熱処理工程(S3)に替えて、第一段階熱処理工程(S11)と第二段階熱処理工程(S12)とを組み合わせた二段階の熱処理を施すことにより、単結晶シリコンのシリコンインゴット又は素地板に、図7に示すように長さ3μm以上の積層欠陥を析出させ、その副生成物である酸素析出(SiO)を生じさせることができる。また、第3から第5実施形態の電極板の製造方法においては、第一段階熱処理工程(S11)と第二段階熱処理工程(S12)との加熱温度や加熱時間の組み合わせによって、これら第一段階熱処理工程(S11)と第二段階熱処理工程(S12)とを通じて、1000℃以下の加熱処理によって長さ3μm以上の積層欠陥を析出させることができ、1200℃までの加熱を行うことなく積層欠陥を生じさせることができる。さらに、第二段階熱処理工程(S12)において、最も高い温度の1200℃で加熱する場合にあっても、加熱時間を短縮することができる。
本発明の効果を確認するために、複数の電極板の試料1〜28を製造し、各試料1〜28の電極板を、一定時間(1h〜20h)、400℃で加熱するプラズマ処理の模擬試験(400℃加熱試験)行い、1h、2h、3h、5h、10h、20h経過時間毎の各試料1〜28の比抵抗値の変化を評価した。
各電極板の試料1〜28は、熱処理工程又は第一段階熱処理工程前の比抵抗値が70〜80Ω・cm、外径450mm、厚さ12mmの単結晶シリコンの円板を用いて作製し、試料1〜28ごとに、熱処理の条件(温度と時間)をそれぞれ変化させて、アルゴン雰囲気中で熱処理を行った。試料2〜9の電極板は、熱処理工程を経て製造したものであり、試料10〜28は、二段階の熱処理(第一段階熱処理工程及び第二段階熱処理工程)を経て製造した。そして、それぞれの熱処理後の各試料1〜28について、鏡面研磨、エッチングを施した後、図7又は図8に示すように、電極板表面の一部を撮影倍率500倍で撮影し、その視野内に存在する長さ3μm以上の積層欠陥の個数を計測した。この測定を、撮影位置を変えて複数個所で行い、各視野の計測結果の平均値から単位面積当たりの積層欠陥の個数(積層欠陥密度)を算出した。なお、試料1の電極板については、熱処理を行わなかったため、熱処理条件の項目の「温度」と「時間」を、「―」で表記した。エッチングは、HFの50wt%水溶液(100cc)と、KCrの0.15モル水溶液(50cc)の混合液に、常温で、各試料を30秒浸漬して実施した。
試験結果を表1及び表2に示す。
表1及び表2からわかるように、素地中に長さ3μm以上の積層欠陥を析出させた試料5,7〜9,13,15〜17,21,23,25,17においては、400℃加熱試験の経過時間が長くなっても、比抵抗値が予め決定した比抵抗値から大きく変化することなく70〜80Ω・cmの範囲内にとどまっており、比抵抗値の変動を生じさせることなく、安定してプラズマ処理を行うことができた。
一方、熱処理を行わなかった試料1、及び熱処理を施したが長さ3μm以上の積層欠陥が確認されなかった試料2〜4,6,10〜12,14,18,20,22,24,26,28においては、予め添加した不純物により決定されるはずの比抵抗値が、400℃加熱試験の経過時間が長くなるとともに上昇し、比抵抗値の変動が生じる結果となった。
また、図7は試料4の電極板表面の顕微鏡画像、図8は試料2の電極板表面の顕微鏡画像であり、熱処理を施す場合においても、加熱温度と加熱時間の条件によっては、積層欠陥を生成できないことがわかる。つまり、表1の結果からわかるように、熱処理工程においては、少なくとも1100℃以上の加熱温度が必要であり、1100℃で加熱した場合は8時間以上、1200℃で加熱した場合は4時間以上の時間が必要であることがわかった。また、これらの結果から、1100℃から1200℃の間の温度では、積層欠陥を析出させるために8時間から4時間の間の所定時間以上の加熱が必要であると考えられ、加熱温度を高くするほど加熱時間を短くできるものと考えられる。具体的には、1100℃から1200℃の間の温度では、8時間から4時間の間を案分して加熱時間を設定すればよい。この場合、8時間から4時間の間の4時間に対して、1100℃から1200℃の
間の100℃の温度を10℃ずつ正確に案分した場合の時間は10℃当たり24分間で定められるが、この時間は厳密なものではなく、ほぼ案分されていればよい。
また、表2の結果からわかるように、第一段階熱処理工程と第二段階熱処理工程とによる二段階の熱処理を行う場合にあっては、第一段階熱処理工程において、少なくとも600℃以上の加熱温度で4時間以上の加熱時間が必要であり、第二段階熱処理工程においては900℃で加熱した場合は16時間以上、1000℃で加熱した場合は8時間以上、1200℃で加熱した場合には1時間以上の加熱が必要であることがわかった。また、これらの結果から、900℃から1000℃の間の温度では、積層欠陥を析出させるために8時間から16時間の間の所定時間以上の加熱が必要であると考えられ、また1000℃から1200℃の間の温度では、1時間から8時間の間の所定時間以上の加熱が必要であると考えられる。そして、この場合においても、加熱温度を高くするほど加熱時間を短くできるものと考えられる。具体的には、900℃から1000℃の間の温度では、8時間から16時間の間を案分して加熱時間を設定すればよく、1000℃から1200℃の間の温度では、1時間から8時間の間を案分して加熱時間を設定すればよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
2 真空チャンバー
3 電極板(プラズマ処理装置用電極板)
4 架台
5 絶縁体
6 静電チャック
7 支持リング
8 ウエハ(被処理基板)
9 拡散部材
10 高周波電源
11 冷却板
12 貫通孔
21 エッチングガス供給管
22 排出口
31 通気孔
33 積層欠陥
100 プラズマエッチング装置(プラズマ処理装置)

Claims (4)

  1. 酸素が混入した単結晶シリコンにより板状に形成され、該単結晶シリコンの素地中に長さ3μm以上の積層欠陥を2×10個/cm以上有することを特徴とするプラズマ処理装置用電極板。
  2. 酸素が混入した単結晶シリコンのシリコンインゴットをスライスして板状の素地板を形成するスライス工程と、
    前記シリコンインゴット又は前記素地板に1100℃の温度では8時間以上、1200℃の温度では4時間以上、1100℃から1200℃の間の温度では8時間から4時間の間で案分により定められる所定時間以上の熱処理を、当該熱処理温度に到達するまでの昇温速度を0.5℃/min〜2.0℃/min、その後の降温速度を0.25℃/min〜1.0℃/minで施す熱処理工程とを有することを特徴とするプラズマ処理装置用電極板の製造方法。
  3. 酸素が混入した単結晶シリコンのインゴットをスライスして板状の素地板を形成するスライス工程と、
    前記シリコンインゴット又は前記素地板に、600℃から800℃の温度で4時間以上の熱処理を施す第一段階熱処理工程と、
    前記第一段階熱処理工程を施した前記シリコンインゴット又は前記素地板に、900℃の温度では16時間以上、1000℃の温度では8時間以上、1200℃の温度では1時間以上、900℃から1000℃の間の温度では8時間から16時間の間で案分により定められる所定時間以上、1000℃から1200℃の間の温度では1時間から8時間の間で案分により定められる所定時間以上の熱処理を施す第二段階熱処理工程と、を有しており、
    前記第一段階熱処理工程及び前記第二段階熱処理工程では、熱処理温度に到達するまでの昇温速度を0.5℃/min〜2.0℃/min、その後の降温速度を0.25℃/min〜1.0℃/minで施すことを特徴とするプラズマ処理装置用電極板の製造方法。
  4. 前記スライス工程は、前記第一段階熱処理工程と前記第二段階熱処理工程との間に行うことを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置用電極板の製造方法。
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