JP6287462B2 - プラズマ処理装置用電極板及びその製造方法 - Google Patents
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また、この種のシリコン製の電極板としては、特許文献1に記載されているように、単結晶シリコン、多結晶シリコン、柱状晶シリコンからなる電極板が知られているが、現在では、チョクラルスキー法(CZ法)により引き上げられた単結晶シリコンからなるインゴットをダイヤモンドバンドソーなどで略円板状に薄く切断することにより作製された単結晶シリコン電極板が多く使用されている。
この点、本発明のプラズマ処理装置用電極板の製造方法においては、シリコンインゴットを切断する前に、すなわちスライス工程の前に上記条件で熱処理を行うことにより、シリコンインゴットの内部ひずみを除去することとしているので、後のスライス工程において、素地板に割れや欠けが生じることを防止でき、単結晶シリコンからなる大口径の電極板を製造することが可能となる。また、素地板に反りが生じることも防止できることから、電極板の材料使用率を向上させることもできる。
また、このようにして製造される電極板においては、比抵抗値の面内ばらつきを低減させることができ、被処理基板へのプラズマ処理を均一に行うことが可能となる。
なお、熱処理工程において、シリコンインゴットを加熱、保持する温度が1100℃未満の場合や、保持の時間が10分未満の場合、また降温のレートが1℃/分を超える場合は、十分に内部ひずみを除去することができず、後のスライス工程において素地板に生じる割れや欠けを防止することができない。また、加熱、保持の温度が1250℃を超えると、シリコンインゴットの自重により歪みがかえって蓄積され、最悪の場合は強度的にシリコンインゴットの形状が保てなくおそれがある。
比抵抗値の面内ばらつきは、電極板の面方向の中心位置、外周位置及中心位置と外周位置との中間位置を含む複数箇所で測定して、それらの比抵抗値の最大値と最小値の差から求められるものである。
また、本発明のプラズマ処理装置用電極板の好ましい実施形態として、前記比抵抗値が76.95Ω・cm以上89.84Ω・cm以下であるとよい。
まず、このプラズマ処理装置用電極板(以下、電極板と称す。)が用いられるプラズマ処理装置として、プラズマエッチング装置100について説明する。
プラズマエッチング装置100は、図2に示すように、真空チャンバー2内の上側に電極板(上側電極)3が設けられるとともに、下側に上下動可能な架台(下側電極)4が電極板3と相互間隔をおいて平行に設けられる。この場合、上側の電極板3は絶縁体5により真空チャンバー2の壁に対して絶縁状態に支持されているとともに、架台4の上に、静電チャック6と、その周りを囲むシリコン製の支持リング7とが設けられており、静電チャック6上に支持リング7により周縁部を支持した状態でウエハ(被処理基板)8が載置されるようになっている。
さらに、このようにして製造される電極板においては、比抵抗値の面内ばらつきを低減させることができるので、被処理基板へのプラズマ処理を均一に行うことが可能となる。
なお、熱処理工程(S1)において、シリコンインゴットを加熱、保持する温度が1100℃未満の場合や、保持の時間が10分未満の場合、また降温のレートが1℃/分を超える場合は、十分に内部ひずみを除去することができず、後のスライス工程(S2)において素地板に生じる割れや欠けを防止することができない。また、加熱、保持の温度が1250℃を超えると、シリコンインゴットの自重により歪みがかえって蓄積され、最悪の場合は強度的にシリコンインゴットの形状が保てなくおそれがある。
各試料は、直径540mmの単結晶シリコンからなるシリコンインゴットを切断することにより、厚み12mmの素地板を形成した。
比較例7〜9の試料については、シリコンインゴットに対して熱処理工程を行うことなく、素地板の切り出しを行った。
表1に結果を示す。
3 電極板(上側電極)
4 架台(下側電極)
5 絶縁体
6 静電チャック
7 支持リング
8 ウエハ(被処理基板)
9 拡散部材
10 高周波電源
11 冷却板
12 貫通孔
21 エッチングガス供給管
22 排出口
30 素地板
31 通気孔
100 プラズマエッチング装置(プラズマ処理装置)
Claims (3)
- 直径500mm以上の口径を有するプラズマ処理装置用電極板を製造する方法であって、
単結晶シリコンのシリコンインゴットを1100℃以上1250℃以下の温度範囲まで1℃/分以下の昇温レートで加熱して該温度範囲で10分以上保持した後に、1℃/分以下の降温レートで250℃まで冷却を行うことにより熱処理を施す熱処理工程と、
その熱処理がされた前記シリコンインゴットを切断して円板状の素地板を形成するスライス工程と
を有することを特徴とするプラズマ処理装置用電極板の製造方法。 - 単結晶シリコンにより直径500mm以上の円板状に形成され、比抵抗値の面内ばらつきが10Ω・cm以下とされることを特徴とするプラズマ処理装置用電極板。
- 前記比抵抗値が76.95Ω・cm以上89.84Ω・cm以下であることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置用電極板。
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