JP2004006581A - プラズマ処理用シャワープレート及びその製造方法 - Google Patents

プラズマ処理用シャワープレート及びその製造方法 Download PDF

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後藤 圭一
Makoto Kawai
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Abstract

【課題】プラズマ組成の変化やコンタミネーションの発生を防ぐといったシリコンの優位性を生かしつつ、エッチングレートを一定に保ち、エッチング均一性を維持することができる長寿命のシャワープレートを提供する。
【解決手段】プラズマ処理装置において上部電極として用いられ、反応ガスを噴出させるためのガス噴出口が形成されているシャワープレートであって、少なくともシャワープレートのガスを噴出させる側の面がシリコン7からなり、且つ該ガスを噴出させる側の面における前記ガス噴出口5の周囲にのみシリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い材質からなる膜6が形成されているものであることを特徴とするプラズマ処理用シャワープレート1。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウェーハ等をプラズマ処理する際、プラズマ処理装置の上部電極として使用するシャワープレート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造装置として、プラズマドライエッチング装置に代表されるような、被処理物であるシリコンウェーハと対向する位置に上部電極を設けた平行平板型のプラズマ処理装置が知られている。
一般的なプラズマ処理装置は、例えば図3に示されるように、チャンバ2内に、上部電極11と下部電極4が所定の間隔をあけて平行に設けられている。上部電極11は、シャワープレートとも呼ばれ、反応ガス(エッチングガス)を整流して噴出させるための微小径の孔(ガス噴出口5)が多数あけられており、また、不図示の高周波電源と接続されている。一方、下部電極4の外周部にはウェーハWに対して均一にプラズマ処理を行うためのフォーカスリング3が設けられている。
【0003】
このようなプラズマ処理装置10を用いてプラズマ処理を行う場合、シリコンウェーハWを下部電極4上に載置し、シャワープレート11のガス噴出口5から不図示のガス供給系から供給されたCF等の反応ガスを噴出させるとともに、高周波を印加してシャワープレート11とウェーハWとの間にプラズマを発生させることで、ウェーハ表面に所望の処理が施される。
このようにプラズマ処理装置10は、ウェーハWとシャワープレート11との間にプラズマを発生させてエッチング処理を行うものであり、その原理上、ウェーハWだけでなくシャワープレート11自体もエッチングされる。
【0004】
従来、シャワープレートの材質としては、カーボンやアルミニウムが用いられてきたが、プレート自体が上記のようにエッチングされると、パーティクルやコンタミネーションの発生の原因になってしまう。
その一方で近年のデバイスの高集積化、微細化にともないシャワープレートに要求される性能等も一段と厳しくなっている。
【0005】
そこで、パーティクルやコンタミネーションの発生を低減すべく、従来のカーボンやアルミニウム製のシャワープレートに代わり、ウェーハと同素材であるシリコンを材料としたシャワープレートが注目を集めている。すなわち、シリコンを材料としてシャワープレートを作製すれば、たとえシャワープレート自体がエッチングされてもコンタミネーションとはならず、デバイスに悪影響を及ぼすことが防がれるので、歩留りの向上に大きな役割を果すことになる。
【0006】
さらに、シリコン製のシャワープレートの利点として、プロセス中の余剰なフッ素を除去できることがある。例えばCFを含むエッチングガスは、CF→CF+F、CF→CF+Fというようにプラズマ中で解離することによってフッ素が生成される。このようなプラズマ中に生成されるフッ素が除去されないと、処理が進むにつれてフッ素が余剰に存在することとなってプラズマ組成が変化し、所望の処理が行えなくなってしまう。ところが、プラズマ中にシリコンが存在すれば、Si+4F→SiF(↑)という反応によって、余剰なフッ素を除去することができる。
【0007】
このようにシリコン製のシャワープレートは、カーボンやアルミニウム製のシャワープレートに比べて種々の利点があるが、シリコン製のシャワープレート自体もエッチングされ、特にガスを噴出させる側のガス噴出口のエッジの消耗が激しく、使用時間が長くなるにつれて次第にラッパ状に変形してしまう。このようなガス噴出口の変形が起こると、反応ガスの流れが当初と変わってしまい、ウェーハに対し所定のエッチングレートやエッチングの均一性を維持できないという問題が発生する。
【0008】
そこで近年では、シャワープレート自体の消耗を防ぐものとして、シャワープレートの表裏面にアルミナなどの耐プラズマエッチング性に優れた膜を被覆すると共に、プレートにセラミックス製の筒状ピースを埋め込んでガス噴出口を形成したシャワープレート(特開平8−227874号公報)や、シリコン等を母材とし、プラズマに曝される部位を、硬質カーボンなどの耐プラズマエッチング性に優れた材質の膜で被覆したシャワープレート(特開平11−251093号公報)が提案されている。
【0009】
これらのシャワープレートでは、少なくともプレートのガスを噴出させる側の面(ウェーハに対向する面)が耐プラズマエッチング性に優れた材質で覆われているので、エッチングされにくく、使用に伴うシャワープレート自体の消耗を抑えることができ、プレートの寿命を延ばすことが可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようなガスを噴出させる側の面全体が膜で覆われているシャワープレートを用いると、母材シリコンの特性を生かすことができないという問題がある。
すなわち、特開平11−251093号公報のようにシリコン等を母材としてもプラズマに曝される部分を別の材質(硬質カーボン)の膜で覆ってしまうと、母材のシリコンがプラズマと接触しないため、反応ガスが解離して生成するフッ素を除去することができない。その結果、プラズマ処理中にフッ素が余剰に存在することとなり、エッチング処理が進むにつれてプラズマ組成が変化し、所望の処理を施すことができなくなる。
【0011】
また、特開平8−227874号公報に開示されているシャワープレートのように筒状ピースを埋め込んでガス噴出口を形成するとなると、極めて高い加工精度が要求される上、多数の孔の一つ一つに筒状ピースを埋め込む必要上製造コストが非常に高くなり、また、筒状ピースと本体の密着性が十分確保できないなど、実用的でない。
【0012】
さらに、アルミナや硬質カーボンなどの耐プラズマエッチング性に優れた材質であっても、プラズマに曝される面全体がシリコン以外のもので覆われているとなると、プラズマ処理中に微量ながらエッチングされてコンタミネーションを引き起こすおそれもある。
【0013】
そこで、本発明は、プラズマ組成の変化やコンタミネーションの発生を防ぐといったシリコンの優位性を生かしつつ、エッチングレートを一定に保ち、エッチングの均一性を維持することができる長寿命のシャワープレートを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によれば、プラズマ処理装置において上部電極として用いられ、反応ガスを噴出させるためのガス噴出口が形成されているシャワープレートであって、少なくともシャワープレートのガスを噴出させる側の面がシリコンからなり、且つ該ガスを噴出させる側の面における前記ガス噴出口の周囲にのみシリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い材質からなる膜が形成されているものであることを特徴とするプラズマ処理用シャワープレートが提供される(請求項1)。
【0015】
このようにシャワープレートのガスを噴出させる側の面がシリコンからなるとともに、ガス噴出口の周囲にのみシリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い材質からなる膜が形成されていれば、シリコンの優位性を生かしつつ、ガス噴出口の周囲では消耗され難いシャワープレートを実現することができる。
【0016】
すなわち、エッチングによりCF等の反応ガスを供給しながらシリコンウェーハのプラズマ処理を行う際、上記のようなシャワープレートを用れば、シャワープレートのガスを噴出させる側の面のガス噴出口の周りを除いた大部分がシリコンであるので、反応ガスが解離して発生する余剰なフッ素を除去し、また、エッチングされてもウェーハと同素材であるのでコンタミネーションを引き起こすこともない。
【0017】
さらに、最も消耗されやすいガス噴出口の周囲には、耐プラズマエッチング性に優れた膜が形成されているので、長時間使用しても噴出口がほとんど変形することがない。従って、エッチングレートの変化を引き起こさず、ウェーハに対するエッチングの均一性も維持することができる。
【0018】
上記ガス噴出口の周囲のシリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い材質からなる膜は、アルミナ、イットリア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、サファイア、及びダイヤモンドのうちの少なくとも一種とすることができる(請求項2)。
これらの材質は、シリコンよりも耐プラズマエッチング性が充分優れ、また、比較的汎用なものであるため入手し易いという利点もある。
【0019】
ガス噴出口の周囲の膜の厚みは、1μm〜2mmであることが好ましい(請求項3)。
上記範囲内の厚さの膜であれば、ガス噴射口周辺の変形を抑制する効果を十分得ることができるとともに、製造コストも低く抑えることができる。
【0020】
また、膜の大きさについては、膜の外径をD、前記ガス噴出口の内径をdとしたとき、d<D<10dとなるように形成されていることが好ましい(請求項4)。
ガス噴出口に対して上記のような大きさの膜が形成されていれば、ガス噴出口の変形を防ぐことができるとともに、シリコンが十分露出していることになるので、プロセス中に生成するフッ素を効果的に除去し、コンタミネーションの発生も防ぐことができる。
【0021】
用いられるシリコンの比抵抗は、0.001〜100Ω・cmであることが好ましい(請求項5)。
比抵抗がこの範囲のシリコンであれば上部電極として好適であり、また、シリコンウェーハとしても汎用的に用いられるものなので、入手が容易であり経済的にも有利である。
【0022】
また、シャワープレートは、180〜500mmの直径及び2〜30mmの厚さを有するものであることが好ましい(請求項6)。
シャワープレートの直径は処理する基板よりも大きな直径とすることが有利であり、上記範囲の大きさのシャワープレートであれば、汎用の6インチ(150mm)以上のシリコンウェーハに対するプラズマ処理に好適に対応することができるし、機械的強度、整流作用も十分となる。
【0023】
さらに本発明によれば、プラズマ処理装置における上部電極として用いるシャワープレートの製造方法において、少なくとも、シリコンからなる母材を用い、該母材に反応ガスを噴出させるためのガス噴出口を形成し、該母材のガスを噴出させる側の面において前記ガス噴出口の周囲にのみ膜を形成させるようにマスクをしてシリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い材質からなる膜を形成させる工程を含むことを特徴とするプラズマ処理用シャワープレートの製造方法が提供される(請求項7)。
【0024】
このような製造方法によれば、各ガス噴出口の周囲にのみ所望の膜を容易に形成させることができ、前記のようなシャワープレートを低コストで製造することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明のシャワープレートの一例を示しており、図2は、ガス噴出口付近の断面を示している。
このシャワープレート1は、シリコン単結晶からなる円板(シリコン母材)7に反応ガスを噴出させるためのガス噴出口5が多数形成されており、さらに、ガスを噴出させる側の面におけるガス噴出口5の周囲にのみリング状にシリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い材質からなる膜6が形成されている。
【0026】
膜6の材質は、プラズマ化された反応ガスに対してシリコンよりもエッチングされ難く、コンタミネーションの発生が効果的に防がれるものであれば特に限定されないが、アルミナ、イットリア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、サファイア、及びダイヤモンドのうちの少なくとも一種からなる膜を用いることができる。
これらの材質からなる膜は、ガス噴出口の周囲に強く密着して母材のシリコンよりも優れた耐プラズマエッチング性を発揮するので、エッチングにより消耗され易いガス噴出口周囲の消耗を効果的に防ぐことができる。また、上記材質は比較的汎用なものであるため入手し易いという利点もある。
【0027】
ガス噴出口5の周囲の膜6の厚さは、ガス噴射口5周辺の変形を抑制する効果を十分得ることができる厚さであればよいが、膜6の厚さが1μmより薄いと、ガス噴射口5の周辺の変形を抑制する効果が長く得られないおそれがあり、一方、2mmより厚いと、当初シャワープレートに加工する孔を大きくする必要が生じて機械的強度が劣ったり、製造コストが上昇してしまうので、1μm〜2mmの厚さであることが好ましい。
【0028】
また、膜6の大きさ等に関しては、ガス噴出口5の変形を防ぐことができるとともに、ガス噴出口5の周囲以外ではシリコンが十分露出する大きさであれば良い。好ましくは、図1に示されるように、各ガス噴出口5の周りに円形状に均一に形成されたものであり、ガス噴出口5の内径、数、間隔などにもよるが、膜6の外径をD、ガス噴出口5の内径をdとしたとき、d<D<10dとなるように形成されていることが好ましい。このような膜6がガス噴出口5の周囲に沿って形成されていれば、ガス噴出口5の変形を効果的に防ぐことができるとともに、ガス噴出側の面、すなわち、プラズマに接し得る面にはシリコンが十分露出していることになるので、プロセス中に発生するフッ素を十分除去することができ、また、コンタミネーションの発生も効果的に防ぐことができる。
一方、膜の大きさがD>10dであると、ガス噴出口5周囲の消耗を防ぐことはできるが、シリコンの表面積が十分でなくなり、シリコンによるフッ素を除去する効果が十分得られなくなるおそれがあるので、膜6の大きさはD<10dであることが好ましい。
【0029】
シャワープレート1の大きさに関しては、その直径が処理する基板よりも大きな直径とすることが有利であり、例えば、プラズマ処理されるシリコンウェーハは、主に6インチ(150mm)、8インチ(200mm)、12インチ(300mm)径のものがあるので、これらのウェーハの処理に対応すべく、180〜500mmの範囲の直径とすることが好ましい。
また、シャワープレート1の厚さに関しては、2mm未満であると反応ガスを整流する効果が得られなかったり、機械的な強度が劣るおそれがあり、一方、30mmを超えると、シリコン母材7に多数のガス噴出口5を形成するのが難しくなり、製造コストも上昇するので、2〜30mmの厚さとすることが好ましい。
【0030】
母材7のシリコンに関しては、デバイス作製用のシリコンウェーハとして通常使用されている、比抵抗が0.001〜100Ω・cmのシリコン単結晶を好適に用いることができる。このようなシリコンを母材7とすれば、プラズマ処理装置の上部電極として好適に使用することができ、プレート1の材質が被処理物であるシリコンウエーハの材質とほぼ同じになるので、表面のシリコンがエッチングされてもコンタミネーションの発生をより効果的に防ぐことができる。また、上記範囲の比抵抗を有するシリコン単結晶はシリコンウェーハとしても汎用されているため入手し易く、経済的にも有利である。
【0031】
上記のようなシャワープレート1は、例えば以下のように製造することができる。
まず、母材として、チョクラルスキー法(CZ法)により育成したシリコン単結晶インゴットを所望の厚さに切断するなどして所定の大きさのシリコン円板を用意する。次いでこのシリコン母材7に反応ガスを噴出させるためのガス噴出口5を形成する。具体的には、超音波加工法、放電加工法、レーザー加工法、ダイヤ加工法などの従来利用されている加工法により、シリコン母材の所定の位置に、所望の径を有する多数のガス噴出口5を穿設することができる。
なお、各ガス噴出口5の大きさや数は特に限定されるものでないが、例えば直径0.1〜3mmの範囲のものを数十〜数百個、あるいはそれ以上形成することで、反応ガスの流量、圧力等を制御しながらガスを整流して噴出させることができる。
【0032】
次に、シリコン母材7のガスを噴出させる側の面においてガス噴出口5の周囲にのみシリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い材質からなる膜6を形成させる。このような膜6を形成させる方法は特に限定されるものではないが、化学気相蒸着(CVD)法や溶射法などを好適に用いることができる。例えば、各ガス噴出口5の周囲にのみ所望の径の膜6を形成させるようにマスクをした後、露出しているガス噴出口5の周囲だけに溶射によりイットリア等の膜6を強い密着力で形成させることができる。さらに、プラズマ処理装置に取り付けるための取付穴をプレートの周囲に設ければ良い。
【0033】
上記のようなシャワープレート1を用いてシリコンウエーハのプラズマ処理を行う際には、図3に示すようなプラズマ処理装置10に、プレートの周囲に設けた取付穴(図示せず)を介してビスで取付け、上部電極11として使用する。
そして、下部電極4上に処理されるシリコンウエーハWを載置し、CF等の反応ガスをガス噴出口5から噴出させながら、対向する上部電極11との間の放電によりプラズマを発生させることで、ウエーハWの表面をプラズマエッチング処理することができる。
【0034】
本発明では、シャワープレート1の表面のうち、ガス噴出口5の周りを除いた大部分はシリコンであり、この表面がプラズマに接触することになるので、反応ガスが解離して発生する余剰なフッ素を除去することができる。これにより、プラズマの組成が処理中に変化することなく、均一なプラズマ処理が可能となる。また、表面に露出しているシリコンの部分はエッチングされるが、処理するウェーハと同素材であるのでコンタミネーションの発生を防ぐことができる。
【0035】
また、プラズマエッチングにより最も消耗されやすいガス噴出口5の周囲には、シリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い膜6が形成されているので、長時間使用しても噴出口5がほとんど変形せず、エッチングレートの変化を起こさず、ウェーハに対するエッチングの均一性も維持することができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜3)
CZ法により育成したシリコン単結晶インゴットを加工して直径280mm、厚さ5mmの単結晶シリコンを母材とし、ガス噴出口として内径0.5mmの孔を厚さ方向に500ヶ所穿孔して形成した。次いで、ガスを噴出させる側の面において各ガス噴出口の周囲にのみ膜を形成させるようにマスクをし、溶射によってイットリアの膜を形成してシャワープレートを製造した。このようなシャワープレートを、それぞれイットリアの膜の厚さと直径を変えて、実施例1〜3として3枚製造した。
各シャワープレートのガス噴出口の周囲にのみ形成したイットリアの膜の厚さと直径は表1の通りである。
【0037】
【表1】
Figure 2004006581
【0038】
(比較例)
比較例として、上記と同様の単結晶シリコンからなり、同様のガス噴出口を穿孔により形成したが、イットリアの膜を形成しなかったシャワープレートも用意した。
【0039】
実施例1〜3及び比較例で製造した4枚のシャワープレートを図3に示したようなプラズマエッチング装置に上部電極として順に取り付け、CFを含有する反応ガスを供給しながら各々200時間にわたってシリコンウェーハをプラズマ処理し、デバイス歩留まりを確認した。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
Figure 2004006581
【0041】
表2の結果から明らかなように、比較例のシャワープレートを用いた場合では89%のデバイス歩留りに留まったが、実施例1〜3のシャワープレートを用いた場合では97〜98%の極めて高いデバイス歩留りが達成された。
【0042】
また、200時間の処理を行った後の各プレートのガス噴出口の口径を測定した結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
Figure 2004006581
【0044】
表3に示されるように、比較例のシャワープレートでは、ガスを噴出させる側の口径が3.1mmと大きく広がっていたのに対し、ガス噴出口の周囲に膜を形成した実施例1〜3のシャワープレートでは0.55〜0.6mmの範囲にあり、ほぼ当初の口径(0.5mm)が維持されていた。
【0045】
以上の結果から、実施例1〜3のシャワープレートを用いた場合、プラズマ処理中に発生した余剰なフッ素を除去する効果を発揮したためプラズマ組成が変化せず、また、ガス噴出口がほとんど変形しなかったため、均一な処理を行うことができ、それにより極めて高いデバイス歩留まりを実現することができたと考えられる。
【0046】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記実施形態では、母材としてシリコンの円板を用いる場合について説明したが、ガスを噴出させる側の面がシリコンであれば必ずしも母材全体がシリコンである必要はなく、例えば、シャワープレートのガスを噴出させる側の面をシリコンでコーティングしたものを母材としてシャワープレートを構成しても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、プラズマ処理装置において用いられるシャワープレートのガスを噴出させる側の面がシリコンからなり、且つガスを噴出させる側の面におけるガス噴出口の周囲にのみシリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い材質からなる膜を形成したことにより、シリコンの優位性を生かしつつ、ガス噴出口の周囲が消耗されにくい長寿命のシャワープレートとなる。従って、これを長時間使用してシリコンウェーハのプラズマ処理を行っても、プロセス中に生成するフッ素を除去し、コンタミネーションを引き起こさず、均一なプラズマ処理を行うことができ、結果としてデバイス歩留りの向上を計ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャワープレートの一例を示す概略平面図である。
【図2】ガス噴出口付近の概略断面図である。
【図3】プラズマ処理装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1,11…シャワープレート(上部電極)、 2…チャンバ、
3…フォーカスリング、 4…下部電極、 5…ガス噴出口、
6…シリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い膜、
7…母材(シリコン)、 10…プラズマ処理装置、 W…シリコンウェーハ。

Claims (7)

  1. プラズマ処理装置において上部電極として用いられ、反応ガスを噴出させるためのガス噴出口が形成されているシャワープレートであって、少なくともシャワープレートのガスを噴出させる側の面がシリコンからなり、且つ該ガスを噴出させる側の面における前記ガス噴出口の周囲にのみシリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い材質からなる膜が形成されているものであることを特徴とするプラズマ処理用シャワープレート。
  2. 前記シリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い材質からなる膜が、アルミナ、イットリア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、サファイア、及びダイヤモンドのうちの少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理用シャワープレート。
  3. 前記シリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い材質からなる膜の厚みが、1μm〜2mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプラズマ処理用シャワープレート。
  4. 前記シリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い材質からなる膜が、該膜の外径をD、前記ガス噴出口の内径をdとしたとき、d<D<10dとなるように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプラズマ処理用シャワープレート。
  5. 前記シリコンの比抵抗が、0.001〜100Ω・cmであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラズマ処理用シャワープレート。
  6. 前記シャワープレートが、180〜500mmの直径及び2〜30mmの厚さを有するものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプラズマ処理用シャワープレート。
  7. プラズマ処理装置における上部電極として用いるシャワープレートの製造方法において、少なくとも、シリコンからなる母材を用い、該母材に反応ガスを噴出させるためのガス噴出口を形成し、該母材のガスを噴出させる側の面において前記ガス噴出口の周囲にのみ膜を形成させるようにマスクをしてシリコンよりも耐プラズマエッチング性が高い材質からなる膜を形成させる工程を含むことを特徴とするプラズマ処理用シャワープレートの製造方法。
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