JPH09199507A - 半導体基板およびその製造方法 - Google Patents

半導体基板およびその製造方法

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JPH09199507A
JPH09199507A JP8024797A JP2479796A JPH09199507A JP H09199507 A JPH09199507 A JP H09199507A JP 8024797 A JP8024797 A JP 8024797A JP 2479796 A JP2479796 A JP 2479796A JP H09199507 A JPH09199507 A JP H09199507A
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semiconductor substrate
hours
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oxygen
treatment
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JP8024797A
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English (en)
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Koji Sueoka
浩治 末岡
Hisashi Adachi
尚志 足立
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Sitix Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表層には無欠陥層を有した酸素を含む半導体
基板、並びにSiエピ層を設ける半導体基板において、
汚染重金属のゲッタリング能力が高く、なおかつ基板の
強度が優れた半導体基板を提供する。 【解決手段】 特定の熱処理により、表層には無欠陥層
を有する場合はLSI形成領域より深層にSiO2析出
物を所定量含有させ、後工程でエピタキシャル成膜する
場合は表面よりほぼ均一にSiO2析出物を所定量含有
させることにより、汚染重金属のゲッタリング能力が高
く、基板の反りを著しく低減した強度の優れた半導体基
板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、LSI等の基板
として用いられ、表層に無欠陥層を有するかあるいは表
面にエピタキシャル成膜した単結晶シリコンの半導体基
板およびその製造方法に係り、特定の熱処理により、表
層に無欠陥層を有する場合はLSI形成領域より深層に
SiO2析出物を所定量含有させ、後工程でエピタキシ
ャル成膜する場合は表面よりほぼ均一にSiO2析出物
を所定量含有させることにより、汚染重金属のゲッタリ
ング能力が高く、さらには基板の反りを著しく低減した
強度の優れた半導体基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI等の集積回路形成用基板として用
いられている半導体基板の大部分は、石英るつぼ内に充
填されたシリコン溶融液を回転させながら引き上げるチ
ョクラルスキー法(CZ法)と呼ばれる引上方法により
形成された単結晶シリコンから製造されている。
【0003】単結晶シリコンをCZ法を用いて成長させ
ると、石英るつぼ自身がシリコン溶融液に溶解して酸素
を溶出し、一般にこの酸素は固液界面からシリコンイン
ゴット中に13〜17×1017個/cm3の濃度で取り
込まれる。一方、例えばLSI製造時の代表的熱処理温
度である1000℃では、単結晶Si中の酸素の固溶度
は約3×1017個/cm3であり、1000℃以下では
さらに小さい値となっており、従って単結晶シリコン内
に含有された酸素は常に過飽和状態となっている。
【0004】このため、単結晶シリコン半導体基板(以
下、単に半導体基板と記す)が1000℃程度の温度で
熱処理を施されると、酸素は半導体基板内部で析出し、
SiO2構造に変化する(以下、単にSiO2析出物と記
す)。熱処理温度によっては、SiO2析出物の周囲に
歪みが生じる場合があり、歪みが生じると転位が発生す
る場合がある。
【0005】これらの析出物と転位が、前記半導体基板
の表面から数μmの範囲、すなわちLSI形成領域に存
在する場合、酸化膜耐圧の低下やリーク電流の発生等が
生じ、LSIにとって有害となる。
【0006】他方、前記半導体基板の表面から十分離れ
た内部のみに存在する場合、この転位がFe(鉄)、N
i(ニッケル)、Cu(銅)等の重金属の汚染物質を吸
着し、この汚染物質を前記素子の活性領域から除去する
いわゆるゲッタリング作用が働くため、高品質のLSI
を製造する上で有用となる。
【0007】上記の理由により、前記半導体基板では、
その表面に前記析出物および転位が存在しない無欠陥層
(以下、DZ(Denuded Zone)層と記す)
を形成するとともに、その内部に前記析出物および転位
が存在する欠陥層(以下、IG(Intrinsic
gettering)層と記す)を形成するための熱処
理が施されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】具体的には、前記半導体
基板に窒素ガス中1100℃で4時間程度保持する熱処
理(以下、熱処理条件を℃×時間hで表示する)を施
し、酸素を外方に拡散させることにより表面近傍におけ
る酸素濃度を低下させてDZ層を形成し、ついで窒素ガ
ス中で1100℃よりも低い温度で熱処理、例えば、7
00℃×4時間+1000℃×16時間等を施し、前記
半導体基板の内部に前記酸素析出物および前記転位を発
生させる、すなわちIG層の形成を行っていた。(文献
1、岸野正剛著、「超LSI材料 プロセスの基礎」8
3頁、1987年、オーム社発行)
【0009】しかしながら、上記したIG層の形成熱処
理においては、酸素析出に伴い基板の強度が低下する問
題があることが指摘されている(J.J.A.P. v
ol.24、pp815〜821、1985)。
【0010】また、SiO2析出物が半導体基板の表面
から数μmの範囲に存在する場合、前記理由によりLS
Iにとって有害となるため、酸素を含む半導体基板の表
面に数μmの厚さの酸素を含まないシリコン単結晶層
(以下、Siエピ層と記す)をエピタキシャル法で成長
させ、Siエピ層上にLSIを製造することも行われて
いる。
【0011】Siエピ層を設ける場合、一般に半導体基
板には、不純物のゲッタリングに優れたB(ボロン)を
高密度で含有する基板を用いている。しかしながら、こ
の高密度B含有の半導体基板においては、Bの濃度によ
り酸素の析出状態が大きく変動し、そのため、基板の強
度維持が困難であるという問題があった(応用物理学
会、予稿集1995年秋季27a−ST−16)。
【0012】上記したIG層の形成熱処理においては、
その熱処理条件によって、(1)酸素析出物のみが発
生、(2)酸素析出物および、析出物からパンチアウト
転位が発生、(3)酸素析出物および、析出物から積層
欠陥が発生、(4)酸素析出物および、析出物からパン
チアウト転位と積層欠陥が発生する4種類の場合があ
る。この4種類のIG層について、(1)の場合はゲッ
タリング能力は小さい。
【0013】ところで、パンチアウト転位あるいは積層
欠陥によるFe、NiおよびCuのゲッタリング能力に
ついては、最近明らかになってきた。その結果は次のよ
うに整理できる(Proceeding of 18t
h Inter. Conf. on Defects
in Semiconductors p.2111
995)。 (i)Feのゲッタリング能力;積層欠陥>パンチアウ
ト転位 (ii)Niのゲッタリング能力;パンチアウト転位>
積層欠陥 (iii)Cuのゲッタリング能力;パンチアウト転位
>積層欠陥
【0014】従って、これら3種類の汚染重金属を同時
に効率よくゲッタリングするためには、IG層として上
記(4)のような構造を持つことが望ましい。しかしな
がら、従来の方法ではいかに短時間でIG層を形成する
かということに注目しており、IG層の構造には注目し
ていない。このため、3種類の汚染重金属を同時に効率
よくゲッタリングすることができなかった。
【0015】この発明は、このような課題に鑑みなされ
たものであり、表層には無欠陥層を有した酸素を含む半
導体基板、並びにSiエピ層を設ける半導体基板におい
て、汚染重金属のゲッタリング能力が高く、なおかつ基
板の強度が優れた半導体基板を提供することを目的とし
ている。
【0016】
【課題を解決するための手段】発明者は、基板の所定深
層部に酸素析出物を所定密度で発生させることができる
熱処理方法を目的に種々検討した結果、酸素を含む半導
体基板に、1100℃×4時間の熱処理を施した後、7
50〜950℃×8〜16時間の熱処理を施し、さら
に、950〜1050℃の範囲では4〜16時間、10
50℃を越え1150℃以下の範囲では1〜2時間の熱
処理を施すことにより、半導体基板のLSI形成領域よ
り深層範囲に、SiO2析出物を108〜1012個/cm
3の密度で含有させることが可能で、Fe、Ni、Cu
の3種類の汚染重金属すべてを同時に効率よくゲッタリ
ングできるだけでなく、基板の反りを著しく低減した強
度の優れた半導体基板が得られることを知見し、この発
明を完成した。
【0017】また、発明者は、Siエピ層を設ける半導
体基板において、酸素を含む半導体基板に、窒素ガス雰
囲気中において、750〜950℃×8〜16時間の熱
処理を施し、さらに、950〜1050℃の範囲では4
〜16時間、1050℃を越え1150℃以下の範囲で
は1〜2時間の熱処理を施すことにより、基板の表面か
らほぼ均一に、SiO2析出物を108〜1012個/cm
3の密度で含有させることが可能で、Fe、Ni、Cu
の3種類の汚染重金属すべてを同時に効率よくゲッタリ
ングできるだけでなく、基板の反りを著しく低減した強
度の優れた半導体基板が得られることを知見し、この発
明を完成した。
【0018】さらに、発明者は、基板の所定深層部にパ
ンチアウト転位を伴う酸素析出物および積層欠陥を伴う
酸素析出物をいずれも所定密度で発生させることができ
る熱処理方法を目的に種々検討した結果、酸素を含む半
導体基板に、窒素雰囲気において、1100℃×4時間
の熱処理を施した後、850〜950℃×1〜16時間
+750〜850℃×8〜32時間の熱処理を施し、さ
らに酸素雰囲気において1100℃×8〜16時間の熱
処理を施すことにより、半導体基板のLSI形成領域よ
り深層範囲に、パンチアウト転位を発生した酸素析出物
(SiO2)および積層欠陥を発生した酸素析出物をい
ずれも1010個/cm3以上の密度で含有した半導体基
板を得ることができ、強度の向上は少ないが、Fe、N
i、Cuの3種類の汚染重金属すべてを同時に効率よく
ゲッタリングできることを知見し、この発明を完成し
た。
【0019】また、Siエピ層用の基板でない上記の酸
素を含む半導体基板(B濃度が1015〜1017個/cm
3)に、窒素雰囲気において、850〜950℃×1〜
16時間+750〜850℃×8〜32時間の熱処理を
施し、さらに酸素雰囲気において1100℃×8〜16
時間の熱処理を施すことにより、基板表面より基板の深
さ方向にパンチアウト転位を発生した酸素析出物および
積層欠陥を発生した酸素析出物をいずれも1010個/c
3以上の密度で含有した半導体基板を得ることがで
き、強度の向上は少ないが、Fe、Ni、Cuの3種類
の汚染重金属すべてを同時に効率よくゲッタリングでき
るSiエピ層用の半導体基板が得られることを知見し、
この発明を完成した。
【0020】
【発明の実施の形態】この発明による半導体基板は、酸
素を含む半導体基板のLSI形成領域より深層範囲に、
SiO2析出物を108〜1012個/cm3の密度で含有
させることができるため、Fe、Ni、Cuの3種類の
汚染重金属すべてを同時に効率よくゲッタリングでき、
さらに、基板強度を向上させて基板の反りを低減でき
る。
【0021】この発明において、酸素を含む半導体基板
に窒素雰囲気で1100℃×4時間の熱処理を施す理由
は、この熱処理により基板の表面近傍、すなわち、LS
I形成領域程度に含まれる酸素が基板の外方に拡散する
ため、低酸素濃度となり、以下に示すIG層形成の熱処
理により、この領域がDZ層となるためである。
【0022】この発明において、IG層形成の熱処理条
件を、窒素雰囲気で、 1段目処理:750〜950℃×8〜16時間、 2段目処理:950〜1050℃の範囲では4〜16時
間、1050℃を越え1150℃以下の範囲では1〜2
時間、 の範囲に限定した理由は以下の通りである。
【0023】1段目処理において、温度が750℃未
満、処理時間が8時間未満では、酸素析出物の成長が不
十分であり、また、950℃を越えると同じく酸素析出
物の成長が不十分となり、処理時間が16時間を越える
と工業生産上実用的でない。
【0024】2段目処理において、酸素析出物の成長を
確保するには処理温度が、950℃〜1050℃の範囲
では4時間以上保持する必要あるが、保持時間が16時
間を越えると基板の強度が低下するため好ましくない。
また、酸素析出物の成長を確保するには処理温度が、1
050℃〜1150℃の範囲では1時間以上保持する必
要あるが、保持時間が2時間を越えると基板の強度が低
下するため好ましくない。また、処理温度が1150℃
を越えると基板の強度が低下し好ましくない。
【0025】この発明において、窒素雰囲気で1100
℃×4時間の熱処理を施した後、IG層形成の熱処理条
件を、(1)窒素雰囲気で、850〜950℃×1〜1
6時間+750〜850℃×8〜32時間、さらに、
(2)酸素雰囲気で、1100℃×8〜16時間の熱処
理の範囲に限定した理由は以下のとおりである。
【0026】まず、第1段階は、窒素雰囲気で、850
〜950℃×1〜16時間の熱処理により、酸素析出物
がパンチアウト転位を発生するが、温度および処理時間
がこの範囲外ではパンチアウト転位が発生せず、また、
続く750〜850℃×8〜32時間の熱処理により積
層欠陥の核となる酸素析出物が発生するが、温度および
処理時間がこの範囲外では酸素析出物が積層欠陥の核と
ならない。
【0027】第2段階で酸素雰囲気に限定した理由は、
酸素熱処理により基板表面から格子間Siが注入され、
第1段階の750〜850℃×8〜32時間の熱処理で
発生した酸素析出物がこの格子間Siを吸収して積層欠
陥を発生するためである。また、温度および処理時間が
この範囲外では積層欠陥の成長が起こらない。
【0028】
【実施例】
実施例1 図1は、実施例に係る半導体基板の製造方法に用いる石
英ボートと熱処理炉を模式的に示した斜視図である。熱
処理炉1には後述する石英ボート4を挿入するための石
英チューブ2が内臓されている。この石英チューブ2内
の温度分布は入り口、中央部、出口でほぼ一定となって
いる。単結晶インゴットをスライスして得た半導体基板
3に熱処理を施す場合は、まず図1に示したごとく半導
体基板3を石英ボート4に載置し、この石英ボート4を
上記した熱処理炉1の石英チューブ2内に5cm/mi
nの速度で送り込む。
【0029】次に、石英チューブ2内で半導体基板3に
窒素ガス雰囲気中で、1100℃×4時間の熱処理を施
した後、800℃×8時間の熱処理を施した後、続い
て、1000℃×16時間の3段階熱処理を施した後、
半導体基板13を熱処理炉10の石英チューブ11内よ
り5cm/minの速度で取り出した。
【0030】上述の方法によって得られた半導体基板
を、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したとこ
ろ、基板表面から約50μmまで析出物の存在は確認さ
れなかった。また表面から約50μm以上の範囲には、
図2に示したごとく、2枚の{100}面で囲まれた長
さ300nm程度の板状のSiO2析出物の存在が確認
され、SiO2析出物が1×109個/cm3の密度をも
って確認された。
【0031】実施例2 実施例1と同様に単結晶インゴットをスライスして得た
半導体基板3を用い、石英チューブ2内で窒素ガス雰囲
気中で、半導体基板3に800℃×8時間の熱処理を施
した後、続いて、1100℃×1.5時間の2段階熱処
理を施した後、半導体基板13を熱処理炉10の石英チ
ューブ11内より5cm/minの速度で取り出した。
【0032】上述の方法によって得られた半導体基板
を、TEM(透過型電子顕微鏡)により観察したとこ
ろ、基板表面から裏面まで図2に示したような板状のS
iO2析出物の存在が確認され、含有密度は、2×109
個/cm3であった。
【0033】実施例3 この発明に係る半導体基板と従来方法に係る半導体基板
に熱応力を負荷した際の基板の反り量を調査した。実施
例の熱処理条件は以下のとおりである。 (実施例3a)1100℃×4時間の熱処理後、800
℃×8時間+1000℃×8時間 (実施例3b)1100℃×4時間の熱処理後、800
℃×8時間+1100℃×1.5時間 なお、従来法は文献1に示されるように、IG処理とし
て2段階熱処理を行なうとしているが、その温度T
(℃)および時間t(時間)は限定されていないので以
下の2例を実施した。 (従来例1a)1100℃×4時間の熱処理後、800
℃×8時間+1000℃×20時間 (従来例1b)1100℃×4時間の熱処理後、800
℃×8時間+1100℃×10時間
【0034】なお、熱応力の負荷は以下の手順で行っ
た。まず、半導体基板3を図1中の石英ボート4に3〜
4mmの間隔で載置し、この石英ボート4を1000℃
に設定された熱処理炉1の石英チューブ2内に15cm
/minの速度で送り込む。次に、石英チューブ2内で
半導体基板3に窒素ガス雰囲気中で、1000℃で30
分の熱処理を施した後、熱処理後の半導体基板3を熱処
理炉1の石英チューブ2内より15cm/minの速度
で取り出す。
【0035】実施例4 半導体基板表面に5μmのSiエピ層を形成したこの発
明に係る半導体基板と従来方法に係る半導体基板に、実
施例3と同様の熱応力を負荷した際の基板の反り量を調
査した。実施例の熱処理条件は以下のとおりである。 (実施例4a)800℃×8時間+1000℃×8時間
+Siエピ層 (実施例4b)800℃×8時間+1100℃×1.5
時間+Siエピ層 従来法は以下の2例を実施した。 (従来例2a)800℃×8時間+1000℃×20時
間+Siエピ層 (従来例2b)800℃×8時間+1100℃×10時
間+Siエピ層
【0036】図3のAに実施例3と従来例の比較結果、
図3のBに実施例4と従来例の比較結果を示す。基板の
反り量が約50μm以上になると、リソグラフィーの工
程で品質歩留りが低下すると考えられている。図3から
明かなように、実施例3により製造された半導体基板お
よび実施例4に係る半導体基板表面に5μmのSiエピ
層を形成した半導体基板は、従来法により製造された半
導体基板と比べて、反り量が非常に小さくなっているこ
とがわかる。すなわち、この発明による半導体基板の強
度は従来法と比較して非常に優れていることがわかる。
【0037】実施例5 図1は、実施例に係る半導体基板の製造方法に用いる石
英ボートと熱処理炉を模式的に示した斜視図である。熱
処理炉1には後述する石英ボート4を挿入するための石
英チューブ2が内蔵されている。この石英チューブ2内
の温度分布は入り口、中央部、出口でほぼ一定となって
いる。単結晶インゴットをスライスして得た半導体基板
3に熱処理を施す場合は、まず図1に示したごとく半導
体基板3を石英ボート4に載置し、この石英ボート4を
上記した熱処理炉1の石英チューブ2内に5cm/mi
nの速度で送り込んだ。
【0038】次いで、石英チューブ2内で半導体基板3
に窒素雰囲気中で、1100℃×4時間の熱処理を施し
た後、850〜950℃×1〜16時間+750〜85
0℃×8〜32時間の熱処理を施し、さらに酸素雰囲気
において1100℃×8〜16時間の熱処理を施し、熱
処理後、半導体基板13を載せた石英ボート4を石英チ
ューブ2内より5cm/minの速度で取り出した。
【0039】上述の方法によって得られた半導体基板
を、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したとこ
ろ、基板表面から約50μmまで析出物の存在は確認さ
れなかった。また表面から約50μm以上の範囲には、
図4のAに示すごとく、酸素析出物20から発生したパ
ンチアウト転位21、並びに図4のBに示すごとく、酸
素析出物20から発生した積層欠陥22が、いずれも1
10個/cm3以上の密度をもって確認された。
【0040】比較例 従来の熱処理に係る半導体基板について、パンチアウト
転位および積層欠陥の発生の有無をTEMにより調査し
た。なお、従来法は、IG処理として2段熱処理を行な
っているが、その温度および時間は限定されていないの
で、比較例として、 (1)1100℃×4時間の熱処理後、800℃×1時
間+1100℃×16時間、 (2)1100℃×4時間の熱処理後、800℃×16
時間+1100℃×16時間 (3)1100℃×4時間の熱処理後、900℃×16
時間+1100℃×16時間 の3つを挙げ、実施例1と比較した。
【0041】まず、比較例(1)に係る半導体基板のI
G層内にて観察された典型的な酸素析出物のTEM写真
を図示化したものを図5に示す。図5に明らかなよう
に、酸素析出物は観察されたものの、パンチアウト転位
および積層欠陥は観察されなかった。次に、比較例
(2)については、酸素析出物から発生した積層欠陥は
観察されたものの、パンチアウト転位は観察されなかっ
た。最後に、比較例(3)については、酸素析出物から
発生したパンチアウト転位は観察されたものの、積層欠
陥は観察されなかった。
【0042】以上の結果から明らかなように、従来法に
より製造された半導体基板は、パンチアウト転位および
積層欠陥の両方を高密度で発生する場合がないのに対
し、実施例5ではパンチアウト転位および積層欠陥の両
方を高密度で発生していることがわかる。
【0043】次に、実施例5と、比較例1、比較例2お
よび比較例3について、半導体基板表面の欠陥密度を調
べた結果を図6に示す。半導体基板の欠陥密度は、各基
板の表面からFe、Ni、およびCuを別々に拡散さ
せ、さらに1000℃×1時間の熱処理を施した後、S
i基板表面をエッチングして行った。ここで、半導体基
板表面の欠陥は、各汚染重金属に起因して発生するた
め、この欠陥密度は各汚染重金属のゲッタリング能力を
示していることになる。すなわち、表面の欠陥密度が低
いほどゲッタリング能力が高いことを意味している。
【0044】図6から明らかなように、この発明により
製造された半導体基板は、比較例により製造された半導
体基板に比べて、Fe、Ni、およびCuの3種類すべ
ての汚染重金属に起因する欠陥密度が非常に低く、高い
ゲッタリング能力を持っていることがわかる。従って、
この発明により製造された半導体基板は高品質のLSI
を製造するための基板として非常に有用であるといえ
る。
【0045】
【発明の効果】この発明は、酸素を含む半導体基板に、
窒素雰囲気において、1100℃×4時間の熱処理を施
した後、750≦T≦950、8≦t≦16の熱処理を
施し、さらに950〜1050℃の範囲では4〜16時
間、1050℃を越え1150℃以下の範囲では1〜2
時間の2段階熱処理を施すことにより、該半導体基板の
LSI形成領域より深層の範囲にSiO2析出物を108
〜1012個/cm3の密度で含有させることができ、そ
の結果、実施例に明らかなようにFe、NiおよびCu
の3種類の汚染重金属すべてに高いゲッタリング能力を
有するだけでなく、強度が高い半導体基板を製造するこ
とができ、この半導体基板を用いれば高品質なLSIを
歩留りよく製造することができる。
【0046】また、エピタキシャル成長により、酸素を
含まないSi単結晶層を表面に形成する半導体基板にお
いては、基板の深さ方向にほぼ一定にSiO2析出物を
108〜1012個/cm3の密度で含有して汚染不純物の
ゲッタリング能力に優れ、なおかつ強度が優れているた
め、この発明による半導体基板はSiエピ層用の半導体
基板として極めて有効である。
【0047】さらに、この発明は、酸素を含む半導体基
板に、窒素雰囲気において、1100℃×4時間の熱処
理を施した後、850〜950℃×1〜16時間+75
0〜850℃×8〜32時間の熱処理を施し、さらに酸
素雰囲気において、1100℃×8〜16時間の熱処理
を施すことにより、該半導体基板のLSI形成領域より
深層の範囲にパンチアウト転位を伴う酸素析出物および
積層欠陥を伴う酸素析出物をいずれも1010個/cm3
以上の密度で含有させることができ、その結果、実施例
に明らかなようにFe、NiおよびCuの3種類の汚染
重金属すべてに高いゲッタリング能力を有する半導体基
板を提供することができる。また、Fe、Ni、Cuの
3種類の汚染重金属すべてを同時に効率よくゲッタリン
グできるSiエピ層用の半導体基板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る半導体基板の製造方法に用いる
熱処理装置を示す斜視説明図である。
【図2】この発明に係る半導体基板内部のSiO2析出
物のTEM写真を図示化した説明図である。
【図3】熱応力負荷による半導体基板の反り量を示すグ
ラフであり、Aは実施例3、Bは実施例4の場合を示
す。
【図4】この発明に係る半導体基板内部のパンチアウト
転位および積層欠陥のTEM写真を図示化した説明図で
ある。
【図5】従来の熱処理による半導体基板内部の酸素析出
物のTEM写真を図示化した説明図である。
【図6】
【符号の説明】
1 熱処理炉 2 石英チューブ 3 半導体基板 4 石英ボート 20 酸素析出物 21 パンチアウト転位 22 積層欠陥

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素を含む半導体基板において、該半導
    体基板のLSI形成領域より深層範囲に、SiO2析出
    物を108〜1012個/cm3の密度で含有した半導体基
    板。
  2. 【請求項2】 酸素を含む半導体基板に窒素ガス雰囲気
    において、1100℃×4時間の熱処理を施した後、7
    50〜950℃×8〜16時間の熱処理を施し、さら
    に、950〜1050℃の範囲では4〜16時間、10
    50℃を越え1150℃以下の範囲では1〜2時間の熱
    処理を施す請求項1の半導体基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸素を含む半導体基板に、窒素雰囲気に
    おいて、1100℃×4時間の熱処理を施した後、85
    0〜950℃×1〜16時間+750〜850℃×8〜
    32時間の熱処理を施し、さらに酸素雰囲気において1
    100℃×8〜16時間の熱処理を施す請求項1の半導
    体基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 半導体基板の表面に酸素を含まない半導
    体単結晶層をエピタキシャル成長法により形成する酸素
    を含む半導体基板において、基板の深さ方向にSiO2
    析出物を108〜1012個/cm3の密度で含有した半導
    体基板。
  5. 【請求項5】 酸素を含む半導体基板に窒素ガス雰囲気
    中において、750〜950℃×8〜16時間の熱処理
    を施した後、950〜1050℃の範囲では4〜16時
    間、1050℃を越え1150℃以下の範囲では1〜2
    時間の熱処理を施す請求項4の半導体基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 酸素を含む半導体基板に窒素ガス雰囲気
    中において、850〜950℃×1〜16時間+750
    〜850℃×8〜32時間の熱処理を施し、さらに酸素
    雰囲気において1100℃×8〜16時間の熱処理を施
    す請求項4の半導体基板の製造方法。
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