JP2652346B2 - シリコンウエーハの製造方法 - Google Patents

シリコンウエーハの製造方法

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法平 高井
好生 桐野
賢二 赤井
武志 今
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    • H01L21/3221Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26 to modify their internal properties, e.g. to produce internal imperfections of silicon bodies, e.g. for gettering
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はシリコンウエーハの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体用のシリコン単結晶において、結
晶欠陥を低減するために種々の処理が行なわれている。
例えば、そのような結晶欠陥を低減する技術の1つとし
て無欠陥層(Denuded Zone)処理が知られ
ている。
【0003】無欠陥層処理を施したウエーハは高温熱処
理工程を経て製造されるため、ウエーハ表面の格子間の
酸素濃度が減少する。そのために、ウエーハ表面近傍に
は微小欠陥(Bulk Micro Defect、酸
素析出物)が生成せず、デバイスプロセスにおいて、結
晶欠陥の誘因となる汚染重金属元素がバルク中の微小欠
陥(Bulk Micro defect)にトラップ
される。すなわち、イントリンシック・ゲッタリング効
果(IG効果)が生ずるのである。この結果、酸化誘起
積層欠陥(Oxidation Induced St
ackingFault)の発生が減少する。
【0004】一般にIG効果は製造歩留りの向上とデバ
イスの信頼性の向上に役立つといわれている。
【0005】周知のように、酸化誘起積層欠陥はウェー
ハ表面に存在する微小な結晶欠陥が酸化した際に大きな
欠陥に成長するものであり、酸化膜をエッチングするこ
とで観察される。酸化誘起積層欠陥の発生原因となる結
晶の欠陥はウェーハ表面にのみ存在するのではなく、当
然ウェーハ内部にも存在し、それらの内の表面に存在す
るものが酸化により積層欠陥に発展するものである。ま
た、ウェーハの内部や、表面を問わず、結晶の欠陥とい
うものは種々のものがあり、それらが全て酸化誘起積層
欠陥の原因となるものでは無いことはよく知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】無欠陥層処理を行なっ
たウエーハであっても、基板の元の酸化誘起積層欠陥密
度が大きい場合には、所望の酸化誘起積層欠陥密度の低
下が期待できないことがある。
【0007】また、無欠陥層処理を行なうには、相当長
い熱処理時間が必要であり、そのため、製造効率が悪く
なる欠点がある。
【0008】また、無欠陥層処理を行なったウエーハに
あっては、結晶中の格子間の酸素を析出させてしまうた
め、ウエーハの機械的強度が低下し、スリップ等が生じ
やすくなる。
【0009】この発明は前述のような従来技術の欠点を
解消して、結晶欠陥密度を大幅に低減したシリコンウエ
ーハを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、水素ガス10
0%の雰囲気下においてシリコンウエーハを1000℃
から1350℃の温度範囲に少なくとも30分間滞留さ
せて熱処理を施すとともに、無欠陥層処理を施し、平均
酸化誘起積層欠陥密度を熱処理前に比較して約1/5以
下にし、熱処理後に存在する酸化誘起積層欠陥発生原因
となる結晶欠陥の平均密度が、表面から深さ5μmの平
面までの内部においてほぼ同じであることを特徴とする
シリコンウエーハの製造方法を要旨としている。
【0011】
【実施例】この発明の好ましい態様では、シリコンウエ
ーハの製造のときに、水素ガスの雰囲気下において10
00℃から1350℃の温度範囲に少なくとも30分間
滞留させる熱処理を施し、かつ、無欠陥層処理を施す。
その後に、乾燥酸素ガス雰囲気中で16時間熱処理を行
い、エッチングをした場合の表面の酸化誘起積層欠陥密
度が、水素ガス雰囲気中で熱処理をする前の密度1/5
以下である。
【0012】Hガスは、Hガス100%のものとす
る。Hの含有割合を100%にする。
【0013】なお、この発明は半導体用のチョコラルス
キー引き上げ法(CZ法)により育成するシリコン単結
晶の製造方法を含むものである。
【0014】シリコン単結晶をHガスの雰囲気下で高
温にて熱処理することにより、熱処理によって誘起され
る結晶欠陥密度を大幅に低減することができる。しか
も、このような熱処理であると、他の特性に影響を与え
ることがなく、実用上の作用効果が大である。
【0015】実施例1 同一のCZ−シリコン単結晶インゴットの同一領域から
切り出したnタイプ、20Ωcm程度で面方位(10
0)のミラーウエーハを、N100%ガスあるいはH
100%ガスの雰囲気下において熱処理温度、熱処理
時間をかえて熱処理をした。さらに、これらのウエーハ
を乾燥Oガス雰囲気下において、1000℃にて16
時間熱処理したのち、ライトエッチング(Wright
etching)を行なった。
【0016】ライトエッチングを行なったサンプルにつ
いて、顕微鏡を使って酸化誘起積層欠陥密度を測定し
た。その結果を第1図と第2図に示す。第1図は、熱処
理時間を30分として熱処理温度を800℃から135
0℃まで変えたときの酸化誘起積層欠陥の発生状況を示
す。第2図は、熱処理温度を1100℃として熱処理時
間を0時間から100時間まで変えたときの酸化誘起積
層欠陥の発生状況を示す。この結果から、Nアニー
ル、Hアニールを行なった場合の方が、行なわない場
合よりも、酸化誘起積層欠陥の発生頻度は低く、さらに
アニールサンプルよりもHアニールサンプルの方
が、酸化誘起積層欠陥の発生頻度が低いことが明らかで
ある。NアニールサンプルよりもHアニールサンプ
ルの方が酸化誘起積層欠陥の発生頻度が低いことから、
酸化誘起積層欠陥の低減に関して、ウエーハ表面近傍の
酸素の外方拡散による効果以外に、Hアニールによる
効果が確認される。
【0017】この実験から、Hガス雰囲気下における
熱処理により酸化誘起積層欠陥の発生が抑制されること
が明らかになった。
【0018】第1図および第2図から明らかなように、
熱処理時間は30分間以上が適切である。好ましくは9
0分間から4時間が生産性やコストの面から好ましい。
また、熱処理温度は1000℃〜1350℃までの温度
範囲が適当である。好ましくは1100℃以上が良い。
【0019】実施例2 Pタイプ、10Ωcm程度でチョコラルスキー法により
引き上げた方位〔100〕のシリコン単結晶の隣接する
2つのブロックを取出した。これらのブロックは直径1
25mmで、長さが5cmであった。これら2つのブロ
ックの一方をH100%ガスの雰囲気下で1200℃
にて48時間熱処理した。このブロックともう1つのブ
ロックとを通常のミラーウエーハに加工した後、前述の
実施例1と同じ酸化誘起積層欠陥密度の検査を実施し
た。その結果、Hガス雰囲気で熱処理したブロックか
ら切出したウエーハの酸化誘起積層欠陥密度は平均10
個/cmであった。これに対し、Hガスで熱処理し
なかった方のブロックから切出したウエーハの酸化誘起
積層欠陥密度は平均80個/cmであり、H雰囲気
下における熱処理による酸化誘起積層欠陥の発生の抑制
効果が確認された。
【0020】実施例3 同一のCZ−シリコン単結晶インゴットの同一領域から
切り出したnタイプ、20Ωcm程度で面方位(10
0)のミラーウエーハを、表3に示すように、H10
0%ガスの雰囲気下において1000℃あるいは110
0℃にて30分間熱処理を行ない、さらに一部のサンプ
ルについてミラー表面を鏡面研磨して厚さ5μ分除去し
た。これらのウエーハについて前述の実施例1と同じ酸
化誘起積層欠陥密度の検査を実施した。その結果、H
ガス雰囲気で熱処理したままのウエーハとHガス雰囲
気で熱処理したのち5μ除去したウエーハとでは、酸化
誘起積層欠陥密度はほぼ同じであり、1000℃でのH
アニールでは平均50個/cmであり、1100℃
では平均30個/cmであった。一方、Hガス雰囲
気で熱処理しなかったウエーハの酸化誘起積層欠陥密度
は平均300個/cmであった。
【0021】この実験により、Hガス雰囲気下におけ
る熱処理による酸化誘起積層欠陥の低減効果は、さらに
5μ程度ミラー表面を研磨により除去しても、失われな
いことが明らかになった。
【0022】実施例4 同一のCZ−シリコン単結晶インゴットの同一領域から
切り出したnタイプ、20Ωcm程度で面方位(10
0)のミラーウエーハを、HガスとArガスとを混合
した雰囲気下において、1100℃にて30分間熱処理
した。これらのウエーハについて前述の実施例1と同じ
酸化誘起積層欠陥密度の検査を実施した。
【0023】その結果、第3図に示すように、混合ガス
中のHの割合が減少するにつれ、酸化誘起積層欠陥が
発生しやすくなる傾向があることが示され、Hガスの
割合が10%以下の場合には、この熱処理による酸化誘
起積層欠陥の抑制効果はみられない。
【0024】この実験結果から明らかなように、H
または不活性ガスを混合する場合よりも、Hガス
の含有割合を100%にするのが最善である。
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、結晶欠陥密度の低減
効果が極めて顕著であり、しかも短時間の処理であって
も有効な結果が得られる。特に酸化誘起積層欠陥の密度
の点で歩留まりの悪かったnタイプにあっては、高抵抗
品であっても、本発明によれば、平均酸化誘起積層欠陥
密度が約1/5に減少した。
【0026】無欠陥層(Denuded Zone)処
理とHガスの熱処理とは全く別の処理であり、本発明
においては、Hガスの熱処理と無欠陥層処理を組み合
わせる。一般的にいって、この無欠陥層処理は特殊な用
途に限られており、通常、ウエーハには施さない。
【0027】なお、本願発明は前述の実施例に限定され
ず各種の実施態様も含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果を示すためのグラフ。
【図2】本発明の効果を示すためのグラフ。
【図3】本発明の効果を示すためのグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桐野 好生 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番 地 東芝セラミックス株式会社 小国製 造所内 (72)発明者 赤井 賢二 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番 地 東芝セラミックス株式会社 小国製 造所内 (72)発明者 今 武志 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番 地 東芝セラミックス株式会社 小国製 造所内 (72)発明者 中西 宏円 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番 地 東芝セラミックス株式会社 小国製 造所内 (56)参考文献 特開 昭51−134071(JP,A) 特開 昭58−85534(JP,A) J.M.GREEN,ET AL,J OURNAL OF ELECTRON IC MATERIALS,VOL. 3,NO.2,(1974),PP.579− 599

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素ガス100%の雰囲気下においてシ
    リコンウエーハを1000℃から1350℃の温度範囲
    に少なくとも30分間滞留させて熱処理を施すととも
    に、無欠陥層処理を施し、平均酸化誘起積層欠陥密度を
    熱処理前に比較して約1/5以下にし、熱処理後に存在
    する酸化誘起積層欠陥発生原因となる結晶欠陥の平均密
    度が、表面から深さ5μmの平面までの内部においてほ
    ぼ同じであることを特徴とするシリコンウエーハの製造
    方法。
JP6234476A 1994-09-05 1994-09-05 シリコンウエーハの製造方法 Expired - Lifetime JP2652346B2 (ja)

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JPS51134071A (en) * 1975-05-16 1976-11-20 Nippon Denshi Kinzoku Kk Method to eliminate crystal defects of silicon
JPS5885534A (ja) * 1981-11-18 1983-05-21 Komatsu Denshi Kinzoku Kk 半導体シリコン基板の製造法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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J.M.GREEN,ET AL,JOURNAL OF ELECTRONIC MATERIALS,VOL.3,NO.2,(1974),PP.579−599

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