JP6248458B2 - 貼り合わせウェーハの製造方法および貼り合わせウェーハ - Google Patents

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Description

本発明は貼り合わせウェーハの製造方法および貼り合わせウェーハ関し、特に、高い放熱性を有する貼り合わせウェーハの製造方法に関するものである。
近年、高集積CMOS素子や高耐圧素子、さらにはイメージセンサ分野において、SOI(Silicon on Insulator)構造を有するSOIウェーハが注目されている。このSOIウェーハは、支持基板上に、絶縁性の高い酸化シリコン(SiO)等の絶縁膜、およびデバイス活性層として使用される単結晶シリコン層が順次形成された構造を有しており、通常のシリコン基板を用いた場合に、素子と基板との間に発生していた寄生容量が低減されるため、デバイスの高速化、高耐圧化、低消費電力化等を実現することができる。
こうしたSOIウェーハを製造する方法の代表的なものの1つに貼り合わせ法がある。この貼り合わせ法は、支持基板用ウェーハおよび活性層用ウェーハの少なくとも一方に絶縁膜を形成し、次いで、これらのウェーハを絶縁膜を介して貼り合わせた後、1200℃程度の高温にて熱処理を施すことによりSOIウェーハを製造する方法である(以下、貼り合わせ法により製造されたSOIウェーハを「貼り合わせウェーハ」と称する)。一般的に、貼り合わせウェーハは電気的特性に優れる点や、均質なシリコン層を形成できる点等のメリットを有する。
特許文献1には、貼り合わせウェーハとして、中間層によって支持基板から分離された半導体表面層を備え、前記中間層が、前記支持基板から前記半導体表面層を電気的に絶縁する多層構造を有する薄膜層型半導体構造体が開示されている。前記中間層は、少なくとも1つの第1層を含み、前記第1層と前記支持基板との間に配置された低誘電率の第2層をさらに備えている。
特開2007−318102
ところで、特許文献1に記載の貼り合わせウェーハは、第2層を必須とする。ここで、特許文献1には「第2層は、前記中間層と前記支持基板との間に十分な接合状態を実現可能でなければならない」(特許文献1段落[0013])と開示されており、好適な具体例として酸化シリコン膜を用いる事が開示されているのみである。また、特許文献1に記載の貼り合わせウェーハは、「デバイスが発散する熱による温度上昇の抑制」(同段落[0030])を目的としながら、「接合を容易」とするための「シリカ」(同段落[0035])(酸化シリコン膜)を必要としている。酸化シリコン膜は絶縁性が高いものの、熱伝導率が小さい。そのため、特許文献1に記載の貼り合わせウェーハを用いて高耐圧デバイスを作製した場合、デバイス面から基板への放熱性が悪く、デバイス特性悪化の原因となる。
半導体素子の高集積化が急速に進む近年において、チップサイズの縮小に伴う高耐圧デバイスの自己発熱が問題となりつつあり、より高い放熱性を有する貼り合わせウェーハが求められることが見込まれる。
そこで本発明は、高い放熱性を有する貼り合わせウェーハの製造方法および貼り合わせウェーハを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、活性層用ウェーハと支持基板ウェーハとの間に、熱伝導率の小さい酸化シリコン膜を介することなく、上記両ウェーハを貼り合わせる方途を鋭意検討した。その結果、活性層用ウェーハおよび支持基板用ウェーハのうち、少なくとも一方のウェーハの表面に、ダイヤモンドライクカーボンまたはダイヤモンドからなる炭素含有膜を形成し、この炭素含有膜を境界として、上記両ウェーハを貼り合わせ、この貼り合わせを強化する熱処理を施すことで、酸化シリコン膜を介することなく、高い放熱性を有する貼り合わせウェーハを製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
本発明による貼り合わせウェーハの製造方法は、シリコン単結晶からなる活性層用ウェーハおよび支持基板用ウェーハのうち、少なくとも一方のウェーハの表面に、ダイヤモンドライクカーボンまたはダイヤモンドからなる炭素含有膜を形成する第1工程と、
前記炭素含有膜を境界として、前記活性層用ウェーハと前記支持基板用ウェーハとを貼り合わせる第2工程と、
前記第2工程の後、前記活性層用ウェーハと前記支持基板用ウェーハとの貼り合わせを強化する熱処理を施す第3工程と
を有することを特徴とする。
ここで、ダイヤモンドライクカーボンについて説明する。本明細書において「ダイヤモンドライクカーボン」(DLC; Diamond Like Carbon)とはアモルファス硬質炭素系膜の総称であり、テトラへドラルアモルファスカーボン(ta−C; tetrahedral amorphous Carbon),アモルファスカーボン(a−C; amorphous Carbon),水素化テトラへドラルアモルファスカーボン(ta−C:H; Hydrogenated tetrahedral amorphous Carbon)および水素化アモルファスカーボン(a−C:H; Hydrogenated amorphous Carbon)を含む。水素フリーのダイヤモンドライクカーボンを示す場合、特にテトラへドラルアモルファスカーボン(ta−C)またはアモルファスカーボン(a−C)と表記する。
上述のダイヤモンドライクカーボン(以下、単に「DLC」と記載する)の一般的な特性を説明する。DLCは、上述のとおり、ta−C,a−C,ta−C:Hおよびa−C:Hの4つに分類できることが知られており、いずれも絶縁性を有する材料である。ta−Cは、実質的に水素を含まず、sp結合(ダイヤモンド構造)成分とsp結合(グラファイト構造)成分から構成され、sp結合成分が多くを占める。一方、a−Cも実質的に水素を含まないが、sp結合成分が少なく、sp結合成分が多くを占める。ta−Cおよびa−Cが水素を含む場合、ta−C:Hおよびa−C:Hにそれぞれ分類される。ここで言う実質的に水素を含まないとは、モル比で5%以上の水素を含まないことを意味し、水素含有量がモル比で5%未満であれば、水素フリーのta−Cまたはa−Cであることを意味する。
これらのDLCの中で、ta−Cが最も硬く、高密度であり、絶縁性および放熱性に優れる。ここで、sp/(sp+sp)構造比が0.45以上である場合に、sp結合成分の多いta−Cに分類される。また、sp/(sp+sp)構造比が0.45に満たない場合は、sp結合成分の多いa−Cに分類され、グラファイトに近い挙動を示すようになる。また、水素を含むta−C:Hおよびa−C:Hは、水素フリーのta−Cおよびa−Cに比べて耐熱性が劣る。すなわち、ta−C:Hおよびa−C:Hは、800℃以上のウェーハ製造工程やデバイス製造工程において、C−H結合が解離して膜質が劣化する。なお、すべてsp結合成分である(すなわち上記構造比が1)場合は、ダイヤモンドであり、ta−Cよりもさらに硬く、より高密度となり、絶縁性および放熱性により優れる。
また、本発明による貼り合わせウェーハの製造方法において、前記第1工程では、前記炭素含有膜を形成するウェーハをチャンバ内に配置し、
前記チャンバ内に炭素を含むガスのプラズマを生成し、
前記チャンバ内にパルス電圧を印加することにより、前記プラズマ中の炭素イオンを、前記ウェーハの表面へ照射して、前記ウェーハの表面に前記絶縁膜を形成することが好ましい。
また、本発明による貼り合わせウェーハの製造方法において、前記熱処理を800℃以上、1時間以上行うことが好ましい。
また、本発明による貼り合わせウェーハの製造方法において、前記第1工程では、前記活性層用ウェーハおよび前記支持基板用ウェーハの両方に前記炭素含有膜を形成することが好ましい。
また、本発明による貼り合わせウェーハの製造方法において、前記第1工程では、前記活性層用ウェーハおよび前記支持基板用ウェーハのいずれか一方のウェーハの両面に前記炭素含有膜を形成し、前記第3工程の後、前記貼り合わせた他方の面側の前記炭素含有膜を除去することが好ましい。
また、本発明による貼り合わせウェーハの製造方法において、前記炭素含有膜を5μm以上の厚みに形成することが好ましい。
また、本発明による貼り合わせウェーハの製造方法において、前記チャンバ内において、前記ガス導入後の真空度が1.0×10−1Pa以下であることが好ましい。
また、本発明による貼り合わせウェーハの製造方法において、前記パルス電圧の印加条件を、電圧100V以上20kV以下、周波数10Hz以上10kHz以下、パルス幅1μs以上1000μs以下とすることが好ましい。
また、本発明による貼り合わせウェーハは、シリコン単結晶からなる支持基板用ウェーハと活性層用ウェーハとを、前記支持基板用ウェーハ表面と前記活性層用ウェーハとの間の絶縁膜を境界として貼り合わせてなる貼り合わせウェーハであって、
前記絶縁膜は、少なくとも前記支持基板用ウェーハおよび活性層用ウェーハの少なくとも一方の表面に形成され、前記絶縁膜は、テトラへドラルアモルファスカーボンまたはダイヤモンドからなることを特徴とする。
また、本発明による貼り合わせウェーハにおいて、前記活性層用ウェーハは、前記絶縁膜側の表層部に炭素を含む改質層を有することが好ましい。
この場合、前記改質層は、前記活性層用ウェーハの前記絶縁膜側の表面から50nmまでの厚み領域における前記炭素の平均濃度が、1.0×1018atoms/cm以上であることが好ましい。
また、本発明による貼り合わせウェーハにおいて、前記絶縁膜の比抵抗は、1.0×10Ω・cm以上であることが好ましい。
また、本発明による貼り合わせウェーハにおいて、前記絶縁膜の厚みは10μm以上であることが好ましい。
本発明によれば、ダイヤモンドライクカーボンまたはダイヤモンドからなる炭素含有膜を境界として、活性層用ウェーハと支持基板用ウェーハとを貼り合わせ、その後、貼り合わせを強化する熱処理を施すので、高い放熱性を有する貼り合わせウェーハを製造することができる。
本発明の一実施形態に従う貼り合わせウェーハの製造方法を説明する摸式断面図である。 本発明の好適実施形態に用いるプラズマイオン照射装置の模式図である。 上記プラズマイオン照射により形成される改質層を説明する模式断面図である。 本発明の別の実施形態に従う貼り合わせウェーハの製造方法を説明する摸式断面図である。 本発明の他の実施形態に従う貼り合わせウェーハの製造方法を説明する摸式断面図である。 発明例1および比較例1について、貼り合わせウェーハの深さ方向における比抵抗の変化を比較したグラフである。
(貼り合わせウェーハの製造方法)
以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。なお、図1〜図5では説明の便宜上、実際の厚さ割合とは異なり、ウェーハ厚および膜厚を誇張して示す。また、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。
まず、図1を用いて、本発明の一実施形態に従う貼り合わせウェーハの製造方法を詳細に説明する。
本発明の一実施形態に従う貼り合わせウェーハの製造方法は、シリコン単結晶からなる活性層用ウェーハ11のウェーハ表面11Aに、ダイヤモンドライクカーボン(以下、単に「DLC」と記載する)またはダイヤモンドからなる炭素含有膜14を形成する第1工程と、炭素含有膜14を境界として、活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12とを貼り合わせる第2工程と、この第2工程の後、活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12との貼り合わせを強化する熱処理を施す第3工程とを有することを特徴とする。すなわち、本実施形態は、活性層用ウェーハ11のウェーハ表面11Aに炭素含有膜14を形成する実施形態である。以下、各工程をより詳細に説明する。
まず、図1(A)に示すように、活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12を用意する。ここで、活性層用ウェーハ11は、デバイス活性層として利用されるウェーハであり、この活性層用ウェーハ11として、シリコン単結晶からなる単結晶シリコンウェーハを用いる。単結晶シリコンウェーハは、チョクラルスキー法(CZ法)や浮遊帯域溶融法(FZ法)により育成された単結晶シリコンインゴットをワイヤーソー等でスライスしたものを使用することができる。また、任意の不純物を添加して、n型またはp型としてもよい。
一方、支持基板用ウェーハ12は、支持基板として利用されるウェーハであり、この支持基板用ウェーハ12としては、活性層用ウェーハ11と同様に、シリコン単結晶からなる単結晶シリコンウェーハを用いることが望ましい。
続いて、図1(B)ないし図1(C)に示すように、例えば化学蒸着法(CVD; Chemical Vapor Deposition)や物理蒸着法(PVD; Physical Vapor Deposition)等により、活性層用ウェーハ11の表面11Aに、DLCまたはダイヤモンドからなる炭素含有膜14を形成する第1工程を行う。この炭素含有膜14の厚さの調整は、熱処理の温度および処理時間、雰囲気ガス流量などを調整することにより行うことができ、炭素含有膜14の厚みは、5〜30μm程度とすることができる。後述するが、この炭素含有膜14は、熱処理を施す第3工程を経た後のSOIウェーハにおいて、埋め込み絶縁膜(BOX層;Buried OXideとも言う。)として機能する。なお、炭素含有膜14を5μm以上の厚みに形成することが好ましい。上記炭素含有膜であれば従来の酸化膜よりも放熱性がより改善されており、好ましい。
続いて、図1(D)に示すように、活性層用ウェーハ11の炭素含有膜14を境界として、活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12とを貼り合わせる第2工程を行う。すなわち、活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12との境界には、炭素含有膜14のみが存在する。この貼り合わせは、周知の任意のウェーハ貼り合わせ装置を用いて行うことができる。
上記貼り合わせ工程の後に、図1(E)に示すように、活性層用ウェーハ11と、支持基板用ウェーハ12との貼り合わせを強化するために、熱処理を施す第3工程を行うことで、活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12との間の貼り合わせ面の接合を強化する。こうして、ウェーハ間の接合を強化することができ、貼り合わせウェーハ100が得られる。なお、この強化熱処理は、例えば、酸化性ガスまたは不活性ガス雰囲気中において、800℃以上1200℃以下、10分以上6時間以下の条件下を行うことができる。
ここで、炭素含有膜14がDLCである場合、上記熱処理を施すことにより、DLC中の水素が放出され、水素フリーのta−Cとなる。なお、炭素含有膜14がダイヤモンドからなる場合、上記熱処理の前後で水素含有量の変化はない。したがって、図1(E)に示す貼り合わせウェーハ100において、炭素含有膜14は、テトラへドラルアモルファスカーボン(以下、単に「ta−C」と記載する)またはダイヤモンドからなる絶縁膜14′となる。かようにして得た絶縁膜14′は、SOIウェーハにおける埋め込み絶縁膜(BOX層)として十分に機能し、BOX層上の活性層用ウェーハ11はSOI層として機能する。また、従来技術である酸化シリコン膜の熱伝導率よりも、絶縁膜14′の熱伝導率は高く、貼り合わせウェーハ100は高い放熱性を有することができる。なお、sp結合成分とsp結合成分との比率や水素含有率を適宜調整することで、絶縁膜14′の比抵抗を1.0×10Ω・cm以上とすることができ、BOX層としてより確実に機能させることができる。
かようにして、本発明に従う貼り合わせウェーハ100を製造することができ、絶縁膜14′はta−Cまたはダイヤモンドからなるため、貼り合わせウェーハ100は高い放熱性を有することができる。ここで、貼り合わせウェーハ100は、酸化シリコン膜を介することなく、炭素含有膜14を境界として貼り合わせられているため、従来の酸化シリコン膜を境界として貼り合わせた貼り合わせウェーハに比べて、より高い放熱性を有することができる。なぜなら、従来の接合強化のために酸化シリコン膜を境界として貼り合わせた貼り合わせウェーハでは、熱伝導性の小さい酸化シリコン膜が介在するため、デバイス形成面(活性層側)で発生した熱を支持基板側に十分に放熱できないためである。
なお、図1(F)に示すように、活性層用ウェーハ11の厚さを、薄膜化処理を施して薄膜化してもよい。これにより、所望の厚さの活性層を有する貼り合わせウェーハ100′を得ることができる。この薄膜化工程は、例えば、周知の平面研削および鏡面研磨法を好適に用いることができる。また、薄膜化工程を周知のスマートカット法など、他の薄膜化技術を用いて行ってもよい。
ここで、第1工程における活性層用ウェーハ11の表面11Aに炭素含有膜14を形成する好適実施形態を、プラズマイオン照射装置の模式図である図2を用いて説明する。このプラズマイオン照射装置20は、プラズマチャンバ21と、ガス導入口22と、真空ポンプ23と、パルス電圧印加手段24と、ウェーハ固定台25とを備えており、任意の元素を含むガスのプラズマを生成するとともに、生成したプラズマに含まれる任意の元素のイオン13を活性層用基板11に照射することができる。なお、活性層用ウェーハ11は、プラズマを生成する前にプラズマチャンバ21内に予め導入し、ウェーハ固定台25上に載置しておけばよい。
上記好適実施形態においては、上記プラズマイオン照射装置を用いて、炭素含有膜14を形成する方のウェーハである活性層用ウェーハ11をチャンバ21内に配置し、このチャンバ21内に炭素を含むガスのプラズマを生成し、チャンバ21内にパルス電圧を印加することにより、プラズマ中の炭素イオン13を、活性層用ウェーハ11の表面11Aへ照射して(図1(B))、照射されたウェーハ表面11A上に炭素含有膜14を形成する。プラズマを生成するためにガス導入口22に導入する炭素を含むガスとしては、炭化水素系ガス、例えば、エタン、メタン、プロパン、ジベンジル(C1414)等のガスを使用することができる。より具体的には、DLCからなる炭素含有膜14を形成する場合には、例えば活性層用ウェーハ11を800℃未満の状態で処理し、ダイヤモンドからなる炭素含有膜14を形成する場合には、例えば活性層用ウェーハ11を800℃以上の状態で処理する。
かようにして炭素含有膜14を形成することで、以下の理由により活性層用ウェーハ11と炭素含有膜14との密着性をより強固にすることができると考えられる。すなわち、図1(B)に示すように、活性層用ウェーハ11にパルス電圧を印加して、生成されたプラズマ中の少なくとも炭素イオン13を活性層用ウェーハ11の表面11Aに照射すると、図1(C)に示すように、照射された活性層用ウェーハ11の表面11Aに、炭素含有膜14を形成されるのは既述のとおりである。これに加えて、図3に示すように、表面11A側の活性層用ウェーハ11の表層部には、表面11Aへのイオン照射により、炭素イオンが表層部に侵入することで、炭素を含む改質層18が形成される。この改質層18において珪素と炭素が混在することにより、「活性層用ウェーハ11を構成する珪素」と「改質層14を構成する炭素」との距離的な歪を緩和できると考えられ、活性層用ウェーハ11と、その表面11Aに形成される炭素含有膜14との密着性が強固になると考えられる。この結果、ウェーハ強度も強固とすることができる。なお、ここで言う表層部とは、ウェーハ表面11Aからの深さが50nm程度の範囲を意味する。
また、上述の密着性の強化に加えて、プラズマイオン照射装置20を用いて形成した炭素含有膜14および改質層18により、貼り合わせウェーハ100のゲッタリング能力を向上させることもできる。上記炭素イオンの照射により、炭素を含む改質層18が形成される原理についてより詳細に説明すると、以下のとおりである。
炭素イオン13を照射した結果形成される改質層18は、炭素が活性層用ウェーハ11の表面11Aの結晶の格子間位置または置換位置に固溶して局所的に存在する領域であり、高いゲッタリング能力を有するゲッタリング層として働く。その理由は、以下のように推測される。すなわち、モノマーやクラスターのイオンの形態で照射された炭素は、活性層用ウェーハ11を構成する単結晶シリコンの置換位置や格子間位置に高密度で局在する。そして、単結晶シリコンの平衡濃度以上にまで所定元素を固溶させると、重金属の固溶度(遷移金属の飽和溶解度)が極めて増加することが判明した。つまり、平衡濃度以上にまで固溶した炭素により重金属の固溶度が増加し、これにより重金属に対する捕獲率が顕著に増加したと考えられる。炭素の原子半径はシリコンに比べて小さいため、シリコン結晶格子の格子位置に位置すると、シリコン格子の収縮場が形成され、この収縮場により格子間の重金属(不純物)をより捕獲しやすくなるためである。
なお、炭素を含むガスのプラズマの生成は、具体的には以下のように行うことができる。ここで、プラズマの生成は、まず、真空ポンプ23によりプラズマチャンバ21内を減圧して真空とし、ついで、所定元素を含むガスをガス導入口22からチャンバ21内に導入して、パルス電圧印加手段24によりウェーハ固定台25(活性層用ウェーハ11)にパルス的に負電圧を印加することにより生成できる。
ここで、ガス導入後にプラズマチャンバ21内の真空度を1.0×10−1Pa以下とすることが好ましい。これは、1.0×10−1Paを超えると、ガス導入後にプラズマが安定せずにプラズマ状態を維持できないおそれがあるためである。
こうして、炭素のプラズマを生成して、炭素イオンを生成することができる。なお、本発明において「イオン」とは、単一の原子に正電荷または負電荷を与えてイオン化したものと、原子または分子が複数集合して塊となったクラスターを同様の方法でイオン化したものとの混合物を意味している。ここで、クラスターは、複数(通常2〜2000個程度)の原子または分子が互いに結合した塊状の集団である。
また、活性層用ウェーハ11に印加するパルス電圧は、100V以上20kV以下とすることが好ましい。これは、上記範囲内であれば、炭素イオン13を活性層用ウェーハ11の表面11Aに導入して炭素含有膜14を形成すると共に、改質層18を形成することができるためである。一方、100V未満であると、炭素イオンが活性層用ウェーハ11の表面11Aの表層部に侵入できず、改質層18を形成することができないおそれがある。また、20kV超であると、表面11A上に炭素が堆積せず、炭素含有膜14を形成することができないおそれがある。
また、パルス電圧の周波数は、活性層用ウェーハ11表面へイオンが照射する回数を決定する。パルス電圧の周波数は、10Hz以上10kHz以下とすることが好ましい。ここで、10Hz以上とすることにより、イオン照射ばらつきを吸収でき、イオン照射量を安定できる。また、10kHz以下とすることにより、グロー放電によるプラズマ形成を安定できる。
さらに、パルス電圧のパルス幅は、活性層用ウェーハ表面へイオンが照射する時間を決定する。1μsec以上1000μsec以下とすることが好ましい。ここで、1μsec以上とすることにより、安定して活性層用ウェーハ周辺(ウェーハ固定台)にシース領域を形成でき、安定してイオンを活性層用ウェーハへ照射できる。また、1000μsec以下とすることにより、グロー放電によるプラズマ形成を安定できる。
このような条件の下でパルス電圧を活性層用ウェーハ11に印加すると、生成されたプラズマ中の炭素イオン13は、低エネルギーで活性層用ウェーハ11の表面11Aに照射されることになる。その結果、炭素をウェーハ深さ方向のごく狭い領域に導入して、炭素の高濃度層である改質層18を形成するとともに、炭素含有膜14を形成することができる。具体的には、改質層18における所定元素のウェーハ厚み方向の濃度は、改質層18と炭素含有膜14との界面にて最大となり、界面から活性層用ウェーハ内部に向かって炭素濃度が減少し、改質層18と炭素含有膜14との界面(すなわち、表面11A)から活性層用ウェーハ11へ50nmまでの厚み領域における炭素の平均濃度を1.0×1018atoms/cm以上とすることができ、改質層18における炭素の平均濃度が上記範囲であれば、ゲッタリング能力を有することができる。
なお、改質層18における炭素濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)でシリコンウェーハの深さ方向における構成元素の濃度分布を測定した際に、構成元素がバックグラウンドより多く検出される範囲として特定される。
なお、上記プラズマイオン照射によってDLCからなる炭素含有膜14を形成する場合、DLCは水素を通常含み、ta−C:Hとなるが、既述のとおり、第3工程における熱処理により炭素含有膜14は水素フリーのta−Cからなる絶縁膜14′となる。
これまで、活性層用ウェーハ11のウェーハ表面11Aに炭素含有膜14を形成する実施形態を説明してきたが、本発明では、炭素含有膜14を形成するウェーハは活性層用ウェーハ11に限られず、活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12のうち、少なくとも一方のウェーハ表面に、DLCまたはダイヤモンドからなる炭素含有膜することで、本発明目的を達成することができる。例えば、活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12の両方に炭素含有膜を形成してもよい。以下、図4を用いて本発明に従う別の実施形態を説明する。なお、既述の実施形態と同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。
上記別の実施形態の第1工程において、図4(B)ないし図4(C)に示すように、活性層用ウェーハ11の表面11Aに、DLCまたはダイヤモンドからなる炭素含有膜14を形成することに加えて、支持基板用ウェーハ12の表面12Aに、DLCまたはダイヤモンドからなる炭素含有膜15を形成する。なお、炭素含有膜14がDLCからなる場合は炭素含有膜15もDLCからなり、炭素含有膜14がダイヤモンドからなる場合は炭素含有膜15もダイヤモンドからなる。同一材料同士を貼り合わせることで、活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12間の接合性を強化することができる。
続く第2工程(図4(D))で活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12とを、炭素含有膜14および炭素含有膜15を境界として貼り合わせ、DLCまたはダイヤモンドからなる炭素含有膜16を得る。第3工程において、この貼り合わせを強化する熱処理を行う。第3工程の後には、ta−Cまたはダイヤモンドからなる絶縁膜16′が形成されている(図4(E)。かようにして、貼り合わせウェーハ100を得ることができる。なお、既述の実施形態と同様に、活性層用ウェーハ11の厚さを、薄膜化処理を施して薄膜化して、貼り合わせウェーハ100′を得てもよい(図4(F))。
なお、活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12の両方に炭素含有膜を形成する場合であって、既述のプラズマイオン照射装置20を用いて炭素含有膜14および炭素含有膜15を形成する場合、炭素含有膜を形成する活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12の両ウェーハをチャンバ21内に配置することができる。ここで、貼り合わせ後の炭素含有膜16の厚みは、炭素含有膜14および炭素含有膜15の厚みの合計である。したがって、それぞれのウェーハに形成される炭素含有膜の目標厚さを薄くすることができるので、炭素含有膜の形成時間を短くすることができ、その結果製造効率を高めることもできる。もちろん、活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12とを別々にチャンバ21内に配置してもよい。活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12それぞれの密着性も向上することができ、活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12との接合性をより強固にすることができる。
また、本発明に従う他の実施形態において、第1工程では、活性層用ウェーハ11および支持基板用ウェーハ12のいずれか一方のウェーハの両面に炭素含有膜を形成し、第3工程の後、貼り合わせた他方の面側の前記炭素含有膜を除去して貼り合わせウェーハ200を得ることができる。この実施形態を、図5を用いて、より詳細に説明する。
図5(B)ないし図5(E)に示すように、上記他の実施形態の第1工程において、活性層用ウェーハ11の表面11Aの反対側の表面11Bに、DLCまたはダイヤモンドからなる炭素含有膜17を形成し(図5(B),(C))、さらに活性層用ウェーハ11の表面11Aに、DLCまたはダイヤモンドからなる炭素含有膜14を形成する。なお、炭素含有膜14がDLCからなる場合は炭素含有膜17もDLCからなり、炭素含有膜14がダイヤモンドからなる場合は炭素含有膜17もダイヤモンドからなることが好ましい。熱処理後にBOX層となる炭素含有膜14の膜厚が、例えば、8μm以上と厚い場合(厚BOXとも呼ばれる)に、活性層用ウェーハ11に生じる反りが過大となる場合があるが、同一材料の炭素含有膜を活性層用ウェーハ11の表裏面に形成することで、活性層用ウェーハ11に生じうる反りを相殺することができ、反りを抑制することができる。
続く第2工程(図5(F))で活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12とを、炭素含有膜14を境界として貼り合わせる。第3工程において、この貼り合わせを強化する熱処理を行う。第3工程の後には、絶縁膜14′が形成されている。さらに、第3工程の後、貼り合わせた他方の面側の炭素含有膜17を除去する(図5(H))。炭素含有膜17の除去は、任意の研削・研磨法により行うことができる。かようにして、貼り合わせウェーハ100を得ることができる。なお、既述の実施形態と同様に、活性層用ウェーハ11の厚さを、薄膜化処理を施して薄膜化すれば、貼り合わせウェーハ100′を得ることができる(図5(I))。
なお、活性層用ウェーハ11の両面11A,11Bに炭素含有膜を形成する場合であって、既述のプラズマイオン照射装置20を用いて炭素含有膜14および炭素含有膜17を形成する場合、炭素含有膜を形成する活性層用ウェーハ11をチャンバ21内に設置するにあたり、まず反対側の表面11Bに炭素含有膜17を形成するように設置し、次に表面11Aに炭素含有膜14を形成するように設置すればよい。もちろん、この順序を逆にしてもよい。
以上、本発明の代表的な実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、活性層用ウェーハに替えて、炭素含有膜を支持基板用ウェーハ表面に形成し、この炭素含有膜を境界として、支持基板用ウェーハと活性層用ウェーハとを貼り合わせてもよい。
ここで、第3工程における熱処理を800℃以上、1時間以上行うことがより好ましい。活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12との貼り合わせを確実に強化できるためである。
また、より高い放熱性を得るために、活性層用ウェーハと支持基板用ウェーハ12との貼り合わせの境界となる炭素含有膜および絶縁膜を、10μm以上の厚みに形成することが好ましい。
(貼り合わせウェーハ)
次に、上記製造方法により得られる貼り合わせウェーハ100について説明する。この貼り合わせウェーハ100は、図1(E)に示すように、シリコン単結晶からなる支持基板用ウェーハ12と活性層用ウェーハ11とを、支持基板用ウェーハ12の表面と活性層用ウェーハ11との間の絶縁膜14′を境界として貼り合わせてなる貼り合わせウェーハ100であって、絶縁膜14′は、活性層用ウェーハ11の表面11Aに形成され、絶縁膜14′は、テトラへドラルアモルファスカーボンまたはダイヤモンドからなることを特徴とするものである。なお、ここで言う活性層用ウェーハ11の表面11Aは、図1(E)において、支持基板用ウェーハ12の側の面である。
すなわち、上記した本発明の貼り合わせウェーハの製造方法により、貼り合わせウェーハ100は高い放熱性を有することができる。また、貼り合わせウェーハ100は、酸化シリコン膜を介することなく、テトラへドラルアモルファスカーボンまたはダイヤモンドからなる絶縁膜14′を境界とするので、従来の酸化シリコン膜を境界として貼り合わせた貼り合わせウェーハに比べて、より高い放熱性を有することができる。なお、絶縁膜は14′、少なくとも支持基板用ウェーハ11および活性層用ウェーハ12の少なくとも一方の表面に形成されればよい。
活性層用ウェーハ11は、絶縁膜14′側の表層部に炭素を含む改質層18を有することが好ましい。この場合、改質層と絶縁膜との界面から活性層用ウェーハ内部に向かって炭素濃度が減少し、改質層と絶縁膜との界面の炭素濃度が1.0×1020atoms/cm以上であることが好ましい。この改質層18は、活性層用ウェーハ11の絶縁膜14′側の表面11Aから、深さ(支持基板用ウェーハ12と反対側の方向)50nmの領域における前記炭素の平均濃度が、1.0×1018atoms/cm以上であることが好ましい。
また、絶縁膜14′の比抵抗は、1.0×10Ω・cm以上であることが好ましく、絶縁膜14′の厚みは、10μm以上であることが好ましい。
なお、「炭素含有膜を境界として、活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12とを貼り合わせる」とは、例えば活性層用ウェーハ11に炭素含有膜14を形成し、炭素含有膜14を境界として活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12とを貼り合わせる場合に、支持基板用ウェーハ12表面に製造工程上不可避に発生する酸化シリコン膜との貼り合わせの排除を意図するものではない。しかしながら、本発明目的である高い放熱性を実現する観点から、意図的に形成した酸化シリコン膜を介して、活性層用ウェーハ11と支持基板用ウェーハ12とを貼り合わせることを意図するものではない。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(発明例1)
活性層用ウェーハおよび支持基板用ウェーハとして、CZ法により得られた単結晶シリコンインゴットから採取されたn型のシリコンウェーハ(直径:200mm、厚さ:725μm、酸素濃度:3.0×1017atoms/cm、ドーパント種類:リン、ドーパント濃度:9.0×1014atoms/cm)を用意した。次いで、プラズマイオン照射装置内に、活性層用ウェーハおよび支持基板用ウェーハを導入して支持台上に載置した後、ガス導入口からメタンガスを導入してプラズマを生成した。その後、780℃に加熱した活性層用ウェーハおよび支持基板用ウェーハに、周波数:160Hz、パルス幅:70μsec、電圧:1kVのパルス電圧を印加して、生成したプラズマに含まれる炭素イオンを活性層用ウェーハおよび支持基板用ウェーハの表面に照射して、それぞれ厚み6μmのDLC膜(ta−C)を形成した。
以上の処理が施された活性層用ウェーハと支持基板用ウェーハとを、それぞれのDLC膜を境界として貼り合わせた。すなわち、DLC膜の総厚は12μmである。次いで、貼り合わせたウェーハを、水素および酸素混合ガス雰囲気下とした縦型熱処理装置内に搬送し、装置内を800℃まで昇温して2時間保持した後、1200℃まで昇温して1時間保持して、貼り合わせを強化する熱処理を施した。
その後、活性層用ウェーハの表面側(DLC膜を形成した反対側)から研削処理を施して活性層用ウェーハ厚みを薄膜化した後、その表面を鏡面研磨して、厚み6μmの活性層を有する貼り合わせウェーハを作製した。
(比較例1)
活性層用ウェーハおよび支持基板用ウェーハへのDLC膜形成に替えて、酸化シリコン膜(SiO)を形成した以外は、発明例1と同様にして、比較例1の貼り合わせウェーハを作製した。なお、酸化シリコン膜の形成にあたっては、熱酸化膜作製装置に活性層用ウェーハおよび支持基板用ウェーハを導入して、1000℃、酸素雰囲気下、20日間の条件で行った。
(評価1:比抵抗の評価)
発明例1および比較例1で作製した貼り合わせウェーハの、深さ方向における比抵抗を抵抗率測定装置(型番:SSM2000、日本エス・エス・エム株式会社製)を用いて、広がり抵抗法(SR法;Spreading Resistance Analysis)により測定した。結果を図6に示す。なお、図6の横軸の深さは活性層用ウェーハの表面(デバイス形成面)をゼロとしている。
図6から明らかなように、発明例1の絶縁膜における比抵抗は2.4×10Ω・cmであり、比較例1の絶縁膜の絶縁性よりは若干劣るものの、一般的に、高抵抗領域とされる1×10Ω・cm水準を大きく上回る抵抗値であり、活性層がSOI層として機能するには十分であることが確認された。
(評価2:耐圧による絶縁層の放熱性評価)
明例1および比較例1で作製した貼り合わせウェーハの耐圧を測定するにあたり、活性層をホトリソ・エッチング処理して電極加工した。電極加工処理した各ウェーハをウェーハ・ステージに載置した後、高温電流電圧測定装置を用いて、印加する電圧を変化させながら電圧印加してリーク電流値を取得した。測定は、ウェーハ・ステージ温度が常温の場合と200℃の場合との2条件にて実施した。
ウェーハ・ステージが常温の場合、900V以上の高電圧を印加しても、発明例1と比較例1とで、測定したリーク電流値に大きな差は生じなかった。一方、ウェーハ・ステージが200℃の場合、900V以上の高電圧を印加すると、比較例1に比べて、発明例1の方が、リーク電流値が大きく増加することが確認された。これは、発明例1の絶縁膜は、比較例1の絶縁膜よりも熱伝導率が高いために高温化して抵抗が小さくなり、その結果、リーク電流が増大しているものと考えられる。すなわち、本結果は、発明例1の貼り合わせウェーハは比較例1の貼り合わせウェーハよりも放熱性に優れることを意味する。
(評価3:ゲッタリング能力の評価)
発明例1および比較例1で作製した貼り合わせウェーハ表面を、Ni,Cu汚染液(Ni,Cu:1.0×1012/cm)で、それぞれスピンコート汚染法を用いて故意に汚染し、引き続き900℃、30分の熱処理を施した。
その後、SIMS測定を行い、発明例1および比較例1の貼り合わせウェーハにおけるNi,Cuの濃度分布を測定した。その結果、発明例1では汚染濃度1.0×1012/cmのNi,Cuを捕獲できる一方、比較例1では汚染濃度1.0×1012/cmのNi,Cuを捕獲できないことが分かった。
本発明によれば、ダイヤモンドライクカーボンまたはダイヤモンドからなる炭素含有膜を境界として、活性層用ウェーハと支持基板用ウェーハとを貼り合わせ、その後、貼り合わせを強化する熱処理を施すので、高い放熱性を有する貼り合わせウェーハを製造することができる。
11 活性層用ウェーハ
11A 活性層用ウェーハの表面
12 支持基板用ウェーハ
12A 支持基板用ウェーハの表面
13 炭素イオン
14〜17 炭素含有膜
18 改質層
14′ 絶縁膜
16′ 絶縁膜
20 プラズマイオン照射装置
21 プラズマチャンバ
22 ガス導入口
23 真空ポンプ
24 パルス電圧印加手段
25 ウェーハ固定台
100 貼り合わせウェーハ

Claims (13)

  1. シリコン単結晶からなる活性層用ウェーハおよび支持基板用ウェーハのうち、少なくとも一方のウェーハの表面に、水素化テトラヘドラルアモルファスカーボンまたはテトラヘドラルアモルファスカーボンからなる炭素含有膜を形成する第1工程と、
    前記炭素含有膜を境界として、前記活性層用ウェーハと前記支持基板用ウェーハとを貼り合わせる第2工程と、
    前記第2工程の後、前記活性層用ウェーハと前記支持基板用ウェーハとの貼り合わせを強化する熱処理を施す第3工程と
    を有し、
    前記第3工程の熱処理後において、前記炭素含有膜はテトラヘドラルアモルファスカーボンからなることを特徴とする貼り合わせウェーハの製造方法。
  2. 前記第1工程では、前記炭素含有膜を形成するウェーハをチャンバ内に配置し、
    前記チャンバ内に炭素を含むガスのプラズマを生成し、
    前記チャンバ内にパルス電圧を印加することにより、前記プラズマ中の炭素イオンを、前記ウェーハの表面へ照射して、前記ウェーハの表面に前記炭素含有膜を形成する請求項1に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  3. 前記熱処理を800℃以上、1時間以上行う請求項1または2に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  4. 前記第1工程では、前記活性層用ウェーハおよび前記支持基板用ウェーハの両方に前記炭素含有膜を形成する請求項1〜3いずれか1項に記載の貼り合わせウェーハの製造方法 。
  5. 前記第1工程では、前記活性層用ウェーハおよび前記支持基板用ウェーハのいずれか一方のウェーハの両面に前記炭素含有膜を形成し、前記第3工程の後、前記貼り合わせた他方の面側の前記炭素含有膜を除去する請求項1〜3いずれか1項に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  6. 前記炭素含有膜を、5μm以上の厚みに形成する請求項1〜5いずれか1項に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  7. 前記チャンバ内において、前記ガス導入後の真空度が1.0×10−1Pa以下である請求項2、または、請求項2に従属する請求項3〜6いずれか1項に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  8. 前記パルス電圧の印加条件を、電圧100V以上20kV以下、周波数10Hz以上10kHz以下、パルス幅1μs以上1000μs以下とする請求項2、または、請求項2に従属する請求項3〜7いずれか1項に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  9. シリコン単結晶からなる支持基板用ウェーハと活性層用ウェーハとを、前記支持基板用ウェーハ表面と前記活性層用ウェーハとの間の絶縁膜を境界として貼り合わせてなる貼り合わせウェーハであって、
    前記絶縁膜は、少なくとも前記支持基板用ウェーハおよび活性層用ウェーハの少なくとも一方の表面に形成され、
    前記絶縁膜は、テトラへドラルアモルファスカーボンからなる貼り合わせウェーハ。
  10. 前記活性層用ウェーハは、前記絶縁膜側の表層部に炭素を含む改質層を有する請求項9に記載の貼り合わせウェーハ。
  11. 前記改質層は、前記活性層用ウェーハの前記絶縁膜側の表面から50nmの領域における前記炭素の平均濃度が、1.0×1018atoms/cm以上である請求項10に記載の貼り合わせウェーハ。
  12. 前記絶縁膜の比抵抗は、1.0×10Ω・cm以上である請求項9〜11に記載の貼り合わせウェーハ。
  13. 前記絶縁膜の厚みは、10μm以上である請求項9〜12いずれか1項に記載の貼り合わせウェーハ。
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