JP6398096B2 - 樹脂構造体、並びにそれを用いたプリプレグ、樹脂シート、金属箔張積層板、及びプリント配線板 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント配線板の絶縁層等を構成する樹脂構造体において、表面粗さを小さく抑えつつ、金属めっきを形成する際のめっき密着性が改善された樹脂構造体、並びにそれを用いたプリプレグ、樹脂シート、金属箔張積層板、及びプリント配線板に関する。
近年、電子機器の小型化、高性能化が進み、多層プリント配線板は、電子部品の実装密度を向上させるため、導体配線の微細化が進んでおり、その配線形成技術が望まれている。絶縁層上に高密度の微細配線を形成する方法としては、無電解めっきのみで導体層を形成するアディティブ法や、無電解めっきで全面に薄い銅層を形成した後に電解めっきで導体層を形成し、そのあとに薄い銅層をフラッシュエッチングするセミアディティブ法等が知られている。
一般に、プリント配線板の層間接続で必要となるスルーホールやブラインドビアをレーザー加工にて形成する場合、その際生じるスミアを除去するため、膨潤剤とアルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による湿式処理を経て、還元剤による中和工程を行う、デスミア処理が実施される。またセミアディティブ法においては、スミアを除去する目的に加え、絶縁層表面に比較的大きな物理アンカーを形成し、その上に形成される導体層との密着強度を確保する目的で、湿式処理が用いられることもある。
絶縁層表面の粗度が大きいと、後工程のフラッシュエッチング処理において、物理アンカー深部のめっきを除去しきれなくなってしまうため、絶縁層表面の粗度は極力小さくすることが望ましい。一方、絶縁層表面の粗度が小さいことで導体層と絶縁層間の密着強度は低くなる傾向にある。よって、絶縁層の材料となる樹脂組成物は、絶縁層表面の粗度が小さくても導体層との密着強度が高い樹脂組成物とする必要がある。
この問題を解決するものとして、絶縁層樹脂組成物の成分として、デスミア処理時の酸化剤であるアルカリ性過マンガン酸溶液に分解、脱落又は溶解するゴム成分及び/又はフィラーを用いる技術が知られている(特許文献1〜3参照)。これらのゴム及び/又はフィラーがデスミア処理時に分解、脱落又は溶解することで絶縁層表面に細かい凹凸が生じ、導体層と絶縁層とが高い密着力を示すことが開示されている。
特開2007−294487号公報 特開平9−148748号公報 特開2007−254709号公報
しかし、これら樹脂組成物でも、絶縁層表面の粗度とめっき銅密着性とを両立させることはできなかった。よって、プリント配線板の絶縁層等を構成する樹脂構造体について、表面粗さを小さく抑えつつ、表面に金属めっきを形成した際のめっき密着性の更なる改善が求められていた。
本発明者等は鋭意検討の結果、平均孔径5〜350nmのナノ孔構造、好ましくは三次元連続孔構造を有する樹脂構造体を用いることにより、表面粗さを小さく抑えながらも、めっき密着性が顕著に改善されることを見出した。更に、特定のエポキシ樹脂(A)、ブロック共重合体(B)、及び硬化剤(C)の組み合わせを含む樹脂組成物を硬化させた後に表面粗化処理を施すことにより、斯かる樹脂構造体を効率的に形成できることを見出して、本発明に到達した。
即ち、本発明の主旨は以下に存する。
[1]平均孔径5〜350nmのナノ孔構造を有する樹脂構造体。
[2]樹脂構造体がエポキシ樹脂(A)を含む、[1]に記載の樹脂構造体。
[3]樹脂構造体が更に、・エポキシ樹脂(A)に対して溶解性の第1の重合体ブロック、及び、エポキシ樹脂(A)に対して不溶性の第2の重合体ブロックを少なくとも含むブロック共重合体(B)と、
・エポキシ樹脂を硬化させることが可能な硬化剤(C)と
を含む、[2]に記載の樹脂構造体。
[4]エポキシ樹脂(A)が、式(1):
(式中nは、整数を表す。)
で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂である、[3]に記載の樹脂構造体。
[5]ブロック共重合体(B)が、式(2):
(式中l、m及びnは、各々独立に整数を表す。)
で表される、[3]又は[4]に記載の樹脂構造体。
[6]硬化剤(C)が、式(3):
(式中nは、整数を表す。)
で表される、[3]〜[5]の何れか一項に記載の樹脂構造体。
[7]硬化促進剤(D)を更に含む、[3]〜[6]の何れか一項に記載の樹脂構造体。
[8]硬化促進剤(D)が、式(4):
で表される、[7]に記載の樹脂構造体。
[9]少なくとも一の表面に表面粗化処理が施されてなる、[1]〜[8]の何れか一項に記載の樹脂構造体。
[10]表面粗化処理が、溶媒処理、紫外線処理、及びプラズマ処理から選択される一又は二以上の処理である、[9]に記載の樹脂構造体。
[11]基材と、該基材に添着された、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の樹脂構造体とを含むプリプレグ。
[12]金属箔、金属フィルム、又は有機フィルムからなる外層と、該外層上に積層された、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の樹脂構造体とを含む樹脂シート。
[13][11]に記載のプリプレグと、該プリプレグの片面又は両面に積層された金属箔とを含む金属箔張積層板。
[14]金属箔のマット面の表面粗さRzが1.0μm〜2.5μmである、[13]に記載の金属箔張積層板。
[15][11]に記載のプリプレグ、又は、[12]に記載の樹脂シートをビルドアップ材料として用いて作製されたプリント配線板。
[16]前記プリプレグ又は樹脂シートの樹脂構造体の表面にめっきにより金属パターン形成することにより作製された、[15]に記載のプリント配線板。
[17][13]に記載の金属箔張積層板をビルドアップ材料として用いて作製されたプリント配線板。
[18]前記金属箔張積層板の金属箔をエッチングし、樹脂構造体の表面にめっきにより金属パターン形成することにより作製された、[17]に記載のプリント配線板。
[19]絶縁層と、前記絶縁層表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、前記絶縁層が[1]〜[10]のいずれか1項に記載の樹脂構造体を含むプリント配線板。
本発明の樹脂構造体は、表面粗さが小さいにもかかわらず、表面に金属めっきを形成した際のめっき密着性に優れており、プリント配線板の絶縁層等に有用である。
図1は、実施例1及び2の表面粗化処理前の樹脂硬化物の切断断面のTEM/SEM画像である。 図2は、比較例1の表面粗化処理前の樹脂硬化物の切断断面のTEM/SEM画像である。
[樹脂構造体]
・構造
本発明の一態様によれば、平均孔径5〜350nmのナノ孔構造を有する樹脂構造体が提供される。ここで「ナノ孔構造」とは、平均孔径がナノサイズ、具体的には5〜350nmのナノ孔を有する多孔構造を意味する。ナノ孔構造の平均孔径は、通常5nm以上、好ましくは8nm以上、更に好ましくは10nm以上である。また、通常350nm以下、好ましくは300nm以下、更に好ましくは250nm以下、とりわけ好ましくは200nm以下である。
樹脂構造体がナノ孔構造を有することは、例えば、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)や走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)等の電子顕微鏡や、走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope:SPM)によって多孔構造を観察し、平均孔径を測定することにより確認することができる。また、ナノ孔構造を有する樹脂構造体を用いて直接確認してもよいが、後述のように樹脂硬化物に表面粗化処理を施してナノ孔構造を形成する場合、表面粗化処理で孔が形成される部分が特定できるのであれば、表面粗化処理前の樹脂硬化物を用いて確認してもよい。斯かる確認手法の具体例については実施例で後述する。
好ましい態様によれば、ナノ孔構造を有する本発明の樹脂構造体は、架橋された樹脂構造体である。
好ましい態様によれば、ナノ孔構造は三次元連続孔構造である。ここで「三次元連続孔構造」とは、ナノサイズの孔が連通して形成される三次元の網目状構造を意味する。樹脂構造体がナノ孔構造を有することは、例えば上述のように、TEMやSEM等の電子顕微鏡やSPMによって多孔構造を観察することにより、確認することができる。
好ましい態様によれば、本発明の樹脂構造体は、エポキシ樹脂(A)、ブロック共重合体(B)及び硬化剤(C)を含み、更に任意により硬化促進剤(D)やその他の成分を含む樹脂組成物を用いて形成される樹脂硬化物の少なくとも一表面に表面粗化処理を施して得られる樹脂構造体である。
具体的に、本発明の樹脂構造体は、エポキシ樹脂(A)と、ブロック共重合体(B)と、硬化剤(C)と、任意により硬化促進剤(D)と、任意によりその他の成分とを含む硬化性樹脂組成物を調製し、斯かる硬化性樹脂組成物を硬化させて樹脂硬化物を形成した後、得られた樹脂硬化物の少なくとも一表面に表面粗化処理を施すことにより形成される。
・エポキシ樹脂(A)
エポキシ樹脂(A)は樹脂構造体の主成分である。その種類は限定されず、従来公知の任意のエポキシ樹脂が使用できる。エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジフェニルフルオレン型エポキシ樹脂及びこれらのハロゲン、アミノ基またはアルキル置換体、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等の芳香族環・脂肪族環含有型エポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂、ジアリールスルホン型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、レゾルシノールジグリシジルエーテル、トリグリシジル−p−アミノフェノール、m−アミノフェノールトリグリシジルエーテル、テトラグリシジルメチレンジアニリン、(トリヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、テトラフェニルエタンテトラグリシジルエーテル等の分子中にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ樹脂(ポリエポキシ化合物)等が挙げられる。
中でも、樹脂組成物の取り扱い性、工程性、樹脂硬化物の耐熱性、破壊靭性、剥離接着強さ等の点から、エポキシ樹脂(A)としてはビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。ビスフェノール型エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの反応により得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFとエピクロロヒドリンの反応により得られるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールSとエピクロロヒドリンの反応により得られるビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールADとエピクロロヒドリンの反応により得られるビスフェノールAD型エポキシ樹脂、及びこれらのハロゲンあるいはアルキル置換体等が挙げられる。
中でも、硬化性樹脂組成物の取り扱い性及び工程性並びに樹脂硬化物の耐熱性がより優れたものとなる点から、エポキシ樹脂(A)としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましく、下記式(1)で表されるビスフェノールA型ジグリシジルエーテルが特に好ましい。
(式中nは、整数を表す。)
これらのエポキシ樹脂は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
エポキシ樹脂(A)の質量平均分子量(Mw)は、制限されるものではないが、硬化樹脂の靱性発現の観点から、通常250以上、中でも300以上であることが好ましく、また、未硬化樹脂の塗布性及び硬化樹脂の耐熱性を向上させる観点から、通常5000以下、中でも3000以下であることが好ましい。なお、本明細書における樹脂や重合体の質量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、実施例の欄で後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した質量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を指すものとする。
・ブロック共重合体(B)
ブロック共重合体(B)は、エポキシ樹脂に対して溶解性の第1の重合体ブロックと、エポキシ樹脂に対して不溶性の第2の重合体ブロックとを少なくとも含む。ここで、ある重合体ブロックがエポキシ樹脂に対して「溶解性」であるとは、その重合体ブロックが液体エポキシ樹脂に対して分離することなく混合・均一化し、透明性を呈することをいう。また、ある重合体ブロックがエポキシ樹脂に対して「不溶性」であるとは、その重合体ブロックが液体エポキシ樹脂に対して混合・均一化せず分離してしまうことをいう。
エポキシ樹脂に対して溶解性の第1の重合体ブロックとしては、制限されるものではないが、メタクリル酸アルキルエステルに由来する重合体ブロックであることが好ましい。メタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソボルニル等の、アルキル基炭素数1〜18のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。なお、これらのメタクリル酸アルキルエステルは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
中でも、メタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル等が好ましい。メタクリル酸メチルは、汎用の化合物として容易且つ安価に入手可能である上に、得られる重合体ブロックのエポキシ樹脂に対する溶解性が高く、更に得られる樹脂硬化物の耐候性も良好となるので好ましい。
第1の重合体ブロックは、メタクリル酸アルキルエステル以外の単量体成分に由来する一種又は二種以上の構造単位を含んでいてもよい。但しこの場合でも、メタクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位が、第1の重合体ブロックの主成分であることが好ましい。ここで「主成分」とは、重合体ブロックの70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上を占める構造単位を意味する。中でも、第1の重合体ブロックは、メタクリル酸アルキルエステル単独からなることが好ましい。
第1の重合体ブロックを構成するポリメタクリル酸メチルのシンジオタクティシティは、耐熱性の観点からは、通常60質量%以上、中でも60質量%以上、更には70質量%以上であることが好ましい。ポリメタクリル酸メチルのシンジオタクティシティの上限は、通常は100質量%以下であるが、未硬化樹脂の溶解性の観点からは、中でも90質量%以下、特に80質量%以下であることが好ましい。
エポキシ樹脂に対して不溶性の第2の重合体ブロックとしては、制限されるものではないが、アクリル酸アルキルエステルに由来する重合体ブロックであることが好ましい。アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル等の、アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらのアクリル酸アルキルエステルは、一種を単独で用いても、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
中でも、アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が好ましい。これらのアクリル酸アルキルエステルを用いることにより、第2の重合体ブロックのガラス転移温度を下記所望の範囲に調整することができ、得られるブロック共重合体(B)が、エポキシ樹脂の樹脂硬化物と適度に相分離を生じる結果、表面処理後に適度なナノ孔構造を形成することができ、惹いてはエポキシ樹脂が本来有する優れた耐熱性と弾性率を維持しながら、優れためっき密着性を有する樹脂構造体を得ることが可能となる。これらの中でも、アクリル酸アルキルエステルとしては、汎用化合物として容易に且つ安価に入手できることから、アクリル酸n−ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく、特にアクリル酸n−ブチルが好ましい。
第2の重合体ブロックは、アクリル酸アルキルエステル以外の単量体成分に由来する一種又は二種以上の構造単位を含んでいてもよい。但しこの場合でも、アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位が、第2の重合体ブロックの主成分であることが好ましい。中でも、第2の重合体ブロックは、アクリル酸アルキルエステル単独からなることが好ましい。
なお、第1及び第2の重合体ブロックが必要に応じて有することのできる構造単位としては、上に挙げた各種のアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルの他、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基を有する不飽和単量体或いはそれらのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系単量体;エチレン、プロピレン等のオレフィン系単量体;ε−カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトン単量体等に由来する構造単位を挙げることができ、重合体ブロックA及び重合体ブロックBは前記した構造単位の1種または2種以上を有することができる。
ブロック共重合体(B)の構成も制限されず、任意の構成とすることができる。
具体的に、第1及び第2の重合体ブロックの数は、各々1つのみでも、2つ以上であってもよい。第1及び/又は第2の重合体ブロックが複数存在する場合、複数の重合体ブロックは、分子量(質量平均分子量及び数平均分子量)、分子構造(単量体単位の組成割合や配列状態、立体配置、結晶構造等)等の特性が各々同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、ブロック共重合体(B)は、第1及び第2の重合体ブロックの他に、別の任意の重合体ブロック(これを第3の重合体ブロックとする。)を有していてもよい。
第1及び第2の重合体ブロック(更に存在する)の配置についても制限されず、任意の配置を取ることが可能である。具体的に、第1及び第2の重合体ブロックをそれぞれBlock1及びBlock2で表し、その他の重合体ブロックをBlock3で表すと、Block1−Block2型のジブロック共重合体;Block1−Block2−Block1型、Block2−Block1−Block2型、Block1−Block2−Block3型、Block2−Block1−Block3型、Block2−Block3−Block1型のトリブロック共重合体;(Block1−Block2)型、(Block1−Block2−)Block1型及び(Block2−Block1−)Block2型等の直鎖状ポリブロック共重合体(前記式中nは2以上の整数);(Block1−Block2−)X型(Xはカップリング残基を表す)、(Block3−Block2−Block1−)X型、(Block3−Block1−Block2−)X型等の星型ブロック共重合体(前記式中nは2以上の整数);櫛型ブロック共重合体等が挙げられる。中でも、単一の第2の重合体ブロックBlock2の両末端に各々1つずつ、計2つの第1の重合体ブロックBlock1が配置された、Block1−Block2−Block1型のブロック共重合体が好ましい。
なお、これらのブロック共重合体は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
中でも、本発明では、ブロック共重合体(B)として、ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸n−ブチル−ポリメタクリル酸メチルからなるトリブロック共重合体、及び/又は、ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸n−ブチルからなるジブロック共重合体を用いることが好ましく、特にポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸n−ブチル−ポリメタクリル酸メチルからなるトリブロック共重合体がより好ましく用いられる。この場合、当該トリブロック共重合体及びジブロック共重合体のポリメタクリル酸メチルブロックは、当該重合体ブロックの質量に基づいて、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の割合が80質量%以上、更には90質量%以上、特に95質量%以上であることが好ましい。また、当該トリブロック共重合体及びジブロック共重合体のポリアクリル酸n−ブチルブロックは、当該重合体ブロックの質量に基づいて、アクリル酸n−ブチルに由来する構造単位の割合が80質量%以上、更には90質量%以上、特に95質量%以上であることが好ましい。
特に、ブロック共重合体(B)としては、下記式(2)で表されるブロック共重合体が好ましい。
(式中l、m及びnは、各々独立に整数を表す。)
ブロック共重合体(B)の質量平均分子量(Mw)は、得られる樹脂構造体の破壊靭性及びめっき接着性の向上の観点から、通常30,000以上、中でも50,000以上、更には70,000以上、特に80,000以上であることが好ましい。但し、ブロック共重合体(B)の質量平均分子量(Mw)が大きすぎると、エポキシ樹脂(A)に対する溶解性が低下し、硬化性樹脂組成物の粘度上昇による取り扱い性、工程性の低下、硬化後のマクロ相分離による破壊靭性の低下等が生じ易くなるおそれがあるため、ブロック共重合体(B)の質量平均分子量(Mw)は、通常300,000以下、中でも200,000以下、更には180,000以下、特に170,000以下であることが好ましい。
ブロック共重合体(B)の分子量分布[質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)]は、得られる樹脂硬化物の破壊靭性及びめっき接着性をより優れたものにする観点から、通常1.5以下、中でも1.4以下、更には1.3以下、特に1.2以下であることが好ましい。
ブロック共重合体(B)における第1の重合体ブロックの含有割合は、エポキシ樹脂(A)に対する溶解性の向上や、得られる樹脂硬化物の破壊靭性の向上の観点から、ブロック共重合体(B)の質量に基づいて、通常3質量%以上、中でも5質量%以上、更には10質量%以上、特に15質量%以上、また、通常60質量%以下、中でも52質量%以下、更には45質量%以下、特に35質量%以下であることが好ましい。ブロック共重合体(B)における第1の重合体ブロックの含有割合が多過ぎると、粘度が上昇し、取り扱い性、工程性の低下、硬化後のマクロ相分離による破壊靭性の低下等が生じたり、得られる樹脂硬化物における破壊靭性の向上効果が低下したりする場合がある。一方、ブロック共重合体(B)における第1の重合体ブロックの含有割合が少な過ぎると、エポキシ樹脂(A)に対する溶解性が低下する場合がある。
ブロック共重合体(B)の製法は特に限定されず、従来公知の種々のブロック共重合体の製法を用いることができる。例としては、重合体の構造単位を形成する単量体をリビング重合する方法が挙げられる。リビング重合法としては、例えば、有機希土類金属錯体を重合開始剤として重合する方法(例えば特開平6−93060号公報等参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩等の鉱酸塩の存在下でアニオン重合する方法(例えば特公平7−25859号公報等参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とし有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法(例えば特開平11−335432号公報等参照)、原子移動ラジカル重合方法(ATRP)(例えばMoineau et al., Macromol. Chem. Phys. (2000) 201:1108-1114等参照)等が挙げられる。より具体的には、例えば国際公開第2009/101961号等に記載の方法等を参照することができる。
・硬化剤(C)
硬化剤(C)としては、エポキシ樹脂(A)を硬化させることが可能な硬化剤(エポキシ樹脂硬化剤)であれば、その種類は制限されない。例としては、フェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂等のポリフェノール化合物、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルスルフォンの各種異性体、アミノ安息香酸エステル類、イミダゾール誘導体、脂肪族アミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、各種酸無水物(メチルヘキサヒドロフタル酸無水物等のカルボン酸無水物等)、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリメルカプタン、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体等のルイス酸錯体、シアネート基を有する樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、アミンイミド、マイクロカプセル型硬化剤、イミダゾール型潜在性硬化剤等が挙げられる。
中でも、ブロック共重合体(B)が適切に分散した樹脂硬化物を形成する観点から、硬化剤(C)としてはポリフェノール系化合物が好ましく、中でもフェノールノボラック樹脂(PN)が好ましい。フェノールノボラック樹脂としては、フェノール・ホルムアルデヒド型ノボラック、フェノール・アラルキル型ノボラック等が挙げられる。フェノールノボラック樹脂の具体例としては、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、クレゾールノボラック、キシリレンノボラック、トリフェニルメタンノボラック、ビフェニルノボラック、ジシクロペンタジエンフェノールノボラック、テルペンフェノールノボラック、ビフェニレンメチレンノボラック等が挙げられる。これらの硬化剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
中でも、硬化剤(C)としては、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、クレゾールノボラック等が好ましく、特に下記式(3)で表されるフェノールノボラックが好ましい。
(式中nは、整数を表す。)
・硬化促進剤(D)
硬化促進剤(D)は任意成分である。硬化促進剤(D)の例としては、イミダゾール化合物、尿素化合物[例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素等]、リン化合物(例えばトリフェニルフォスフィン等)、有機金属塩[例えば、Co(III)アセチルアセトネート等]、第3アミン等が挙げられる。中でも2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールが好ましい。これらの硬化促進剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
中でも、硬化促進剤(D)としては、リン化合物が好ましく、下記式(4)で表されるトリフェニルフォスフィンがより好ましい。
硬化剤(C)と共に硬化促進剤(D)を用いることで、硬化温度を低下させると共に硬化時間を短縮することができ、更にエポキシ樹脂(A)に硬化剤(C)が溶解しやすくなるという効果等が得られる。但し、上述の通り硬化促進剤(D)の使用は必須ではなく、あくまでも任意である。
・各成分の使用比率
本発明の樹脂構造体の製造時における各成分の使用比率は、限定されるものではないが、例えば以下のとおりである。
エポキシ樹脂(A)とブロック共重合体(B)との使用比率は、エポキシ樹脂(A)及びブロック共重合体(B)の種類に応じて、適宜調整することが好ましい。但し、一般的には、得られる樹脂硬化物の破壊靭性及びめっき接着性を向上させる観点から、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、ブロック共重合体(B)を通常5質量部以上、中でも7質量部以上、更には10質量部以上、特に12質量部以上の割合で使用することが好ましい。一方、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、ブロック共重合体(B)を通常50質量部以下、中でも45質量部以下、更には40質量部以下、特に35質量部以下の割合で使用することが好ましい。
硬化剤(C)は、得られる樹脂硬化物の破壊靭性及びめっき接着性を向上させる観点から、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して通常1質量部以上、中でも5質量部以上、更には35質量部以上の割合で使用することが好ましい。一方、硬化剤(C)は、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して通常70質量部以下、中でも60質量部以下、更には50質量部以下の割合で使用することが好ましい。
また、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(C)との使用比率は、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基数(これをEpと表す。)と、これと反応する硬化剤(C)の反応性基数(例えばポリフェノール化合物の水酸基等。これをRFと表す。)との比(RF/Ep)が、通常0.3以上、中でも0.7以上、また、通常3以下、好ましくは2.5以下となるような比率で用いることが好ましい。CN/Epが上記範囲内であれば、良好な難燃性と硬化性を得ることができる。
硬化促進剤(D)は上述のように任意成分であるが、硬化温度の低下や、硬化時間の短縮、取り扱い性や工程性の向上の観点からは、使用することが好ましい。もし硬化促進剤(D)を使用する場合には、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して通常0.01質量部以上、中でも0.1質量部以上、更には0.2質量部以上の割合で使用することが好ましい。一方、硬化促進剤(D)は、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して通常20質量部以下、中でも10質量部以下、更には5質量部以下の割合で使用することが好ましい。
・その他の成分
硬化性樹脂組成物は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、その他の成分を含んでいてもよい。
また、その他の成分の別の例としては、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等の強化繊維や、消泡剤、レオロジー調整剤、難燃剤、充填材、重合防止剤、顔料、染料、カップリング剤、イオン補足剤、離型剤等が挙げられる。これらその他の成分は一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
・樹脂構造体の製法
本発明の樹脂構造体は、エポキシ樹脂(A)と、ブロック共重合体(B)と、硬化剤(C)と、任意により硬化促進剤(D)と、任意によりその他の成分とを含む硬化性樹脂組成物を調製し、斯かる硬化性樹脂組成物を硬化させて樹脂硬化物を形成した後、得られた樹脂硬化物の少なくとも一の表面に表面粗化処理を施すことを含む製法により製造される。
硬化性樹脂組成物を調製する手法は制限されず、エポキシ樹脂(A)と、ブロック共重合体(B)と、硬化剤(C)と、任意により硬化促進剤(D)と、任意によりその他の成分とを均一に混合することが可能な手法であれば、任意の手法を利用可能である。例としては以下が挙げられる。
(i)エポキシ樹脂(A)を反応器に導入し、エポキシ樹脂(A)が固体の場合は適当な温度で加熱して液体にし、そこにブロック共重合体(B)加えて完全に溶解させ、そこに硬化剤(C)及び必要に応じて硬化促進剤(D)を加えて液体状で均一に混合し、更に必要に応じて脱泡処理して硬化性樹脂組成物を調製する方法。
(ii)ミキサー等を用いて、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(C)、ブロック共重合体(B)及び必要に応じて添加される硬化促進剤(D)やその他の成分を均一に混合した後、熱ロール、二軸押出機、ニーダー等を使用して溶融混練して硬化性樹脂組成物を調製する方法。
(iii)エポキシ樹脂(A)、硬化剤(C)、ブロック共重合体(B)及び必要に応じて添加される硬化促進剤(D)やその他の成分を、例えばメチルエチルケトン、アセトン、トルエン等の溶剤に溶解してワニス状の硬化性樹脂組成物を調製する方法。
なお、エポキシ樹脂(A)とブロック共重合体(B)の混合物に硬化剤(C)を加えると硬化反応が開始するので、硬化剤(C)の添加した後の工程はできるだけ短時間で迅速に行なうことが好ましい。
硬化性樹脂組成物を硬化させて樹脂硬化物を形成する手法も制限されず、従来から採用されているエポキシ樹脂組成物の硬化方法を任意に選択して用いることが可能である。斯かる硬化方法の例としては、熱硬化法、エネルギー線硬化法(電子線硬化法、紫外線硬化法等)、湿気硬化法等が挙げられるが、熱硬化法が好ましい。
具体的に、硬化性樹脂組成物が常温で固体状である場合は、例えば粉砕、打錠後に、トランスファー成形、コンプレッション成形、インジェクション成形等の従来公知の成形方法で硬化成形することにより、樹脂硬化物(硬化した成形品)を製造することができる。
一方、硬化性樹脂組成物が常温で液状やワニス状を呈する場合は、例えば硬化性樹脂組成物を型に注いだり(成形)、容器に注いだり(ポッティング等)、基材上に塗布したり(積層)、繊維(フィラメント)等に含浸させたり(フィラメントワイディング等)する等の適当な方法で施した後、加熱硬化させる等の手法により、樹脂硬化物を得ることができる。また、常温で液状やワニス状の硬化性樹脂組成物は、必要であれば、注型、ポッティング、含、塗工、繊維への含浸等を行った後、加熱や乾燥を行って半硬化状態(Bステージ)にすると、タック性が低減して作業性を向上させることができる。また、ワニス状を呈する本発明の硬化性樹脂組成物は、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の塗工装置を使用してキャリアフィルムに塗工し、乾燥し、硬化させたフィルム状に成形することもできるし、真空脱泡して使用することもできる。
硬化性樹脂組成物を硬化させる際の硬化温度および硬化時間は、エポキシ樹脂(A)や硬化剤(C)の種類等に応じて異なり得るが、例えば、硬化温度20〜250℃、硬化時間1〜24時間の条件等が採用される。
なお、硬化性樹脂組成物の熱硬化を多段階で徐々に行なうと、樹脂硬化物の表面が美麗になり、しかも表面粗化処理後の樹脂硬化物内にナノ孔構造が形成され易くなる。例えば、硬化性樹脂組成物を2段階で熱硬化する場合には、硬化温度20〜160℃および硬化時間1〜5時間で予備硬化を行ない、次いで硬化温度130〜250℃および硬化時間1〜3時間で後硬化を行なう方法が好ましく採用される。
樹脂硬化物の表面粗化処理の手法も制限されず、エポキシ樹脂(A)及びブロック共重合体(B)の種類に応じて適宜選択すればよいが、紫外線照射処理、プラズマ処理、溶媒処理等が挙げられる。これらは何れか一種を単独で施してもよく、二種以上を任意の組み合わせで施してもよい。
紫外線照射処理は、樹脂硬化物の多孔構造を形成する表面に対して、紫外線を照射して行う。紫外線の波長は限定されないが、通常は20nm以上、中でも50nm以上、更には100nm以上、また、通常は400nm以下、中でも350nm以下、更には300nm以下の範囲が好ましい。紫外線の照射時間も限定されないが、通常2分以上、中でも5分以上とすることが好ましく、また、通常240分以下、中でも120分以下とすることが好ましい。
プラズマ処理は、樹脂硬化物の多孔構造を形成する表面に対して、プラズマを照射して行う。プラズマの種類は任意である。例としては酸素(酸素プラズマ)、アルゴン(アルゴンプラズマ)、空気(エアプラズマ)、窒素(窒素プラズマ)等のプラズマが挙げられる。これらは何れか一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。プラズマの照射時間も限定されないが、通常2分以上、中でも5分以上とすることが好ましく、また、通常240分以下、中でも120分以下とすることが好ましい。
溶媒処理としては、限定されるものではないが、例えば酸性溶媒による酸化処理、アルカリ性溶媒による還元処理等が挙げられる。
中でも、溶媒処理としては、膨潤工程、表面粗化及びスミア溶解工程、及び中和工程からなる溶媒処理を実施することが好ましい。
膨潤工程は、膨潤剤を用いて表面絶縁層を膨潤させることにより行う。膨潤剤としては、表面絶縁層の濡れ性が向上し、次の表面粗化及びスミア溶解工程において酸化分解が促進される程度にまで表面絶縁層を膨潤させることができるものであれば、制限されない。例としては、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられる。
表面粗化及びスミア溶解工程は、酸化剤を用いて行う。酸化剤としては、例えば過マンガン酸塩溶液等が挙げられ、好適な具体例としては、過マンガン酸カリウム水溶液、過マンガン酸ナトリウム水溶液等が挙げられる。斯かる酸化剤処理はウェットデスミアと呼ばれるが、当該ウェットデスミアに加えて、プラズマ処理やUV処理によるドライデスミア、バフ等による機械研磨、サンドブラスト等の他の公知の粗化処理を、適宜組み合わせて実施してもよい。
中和工程は、前工程で使用した酸化剤を還元剤で中和するものである。還元剤としては、アミン系還元剤が挙げられ、好適な具体例としては、ヒドロキシルアミン硫酸塩水溶液、エチレンジアミン四酢酸水溶液、ニトリロ三酢酸水溶液等の酸性還元剤が挙げられる。
以上の手順に従い調製された硬化性樹脂組成物を硬化させ、得られた樹脂硬化物の少なくとも1の表面に表面粗化処理を施すことにより、ナノ孔構造を有する本発明の樹脂構造体が形成される。
斯かる手法により、ナノ孔構造を有するめっき密着性に優れた樹脂構造体が形成される理由は定かではないが、以下のように推測される(但し、以下の理論に束縛されるものではない。)。即ち、上記組成の硬化性樹脂組成物では概ね、エポキシ樹脂(A)に対して溶解性のブロック共重合体(B)の第1の重合体ブロックが、エポキシ樹脂(A)に溶解した状態で存在する一方、エポキシ樹脂(A)に対して不溶性のブロック共重合体(B)の第2の重合体ブロックが、エポキシ樹脂(A)に溶解しない状態で存在する。この状態で硬化性樹脂組成物を硬化させると、エポキシ樹脂(A)及びブロック共重合体(B)の第1の重合体ブロックと、ブロック共重合体(B)の第2の重合体ブロックとが概ね相分離した状態で、エポキシ樹脂(A)を含む相が硬化した樹脂組成物が得られることになる(但し、各重合体ブロックの溶解性及び相分離の状態は、樹脂硬化時にも逐次変動し得るため、ブロック共重合体(B)の第1の重合体ブロックが硬化相に含まれるか否かは定かではない。)。こうして得られた樹脂硬化物に対して表面粗化処理を施すことにより、主にブロック共重合体(B)の第2の重合体ブロックからなる非硬化相のみが除去され、ナノ孔構造を有する本発明の樹脂構造体が形成されるものと推測される。
こうして形成されたナノ孔構造を有する本願発明の樹脂構造体は、表面粗さが小さいにもかかわらず、表面に金属めっきを形成した際のめっき密着性に優れており、プリント配線板の絶縁層等に有用である。
[プリプレグ]
本発明のプリプレグは、上述した本発明の樹脂構造体が、基材に添着されたものである。基材としては、各種プリント配線板の材料として一般に用いられる公知の基材を使用することができる。例としては、ガラス繊維(例えばEガラス、Dガラス、Sガラス、NEガラス、Tガラス、Qガラス等)、石英(クオーツ)等の無機繊維、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル等の有機繊維が挙げられ、目的とする用途や性能により適宜選択できる。形状としては、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフェシングマット等が挙げられる。これらの中でも、強度や吸水性の面からは、ガラス繊維が好ましく、電気特性の面からは、液晶ポリエステル織布が好ましい。基材の厚みは限定されないが、例えば0.01〜0.3mmの範囲が好ましい。吸湿耐熱性の面からは、エポキシシラン処理、アミノシラン処理等のシランカップリング剤などで表面処理を施したガラス織布が好適であり、寸法安定性の面からは、超開繊処理や目詰め処理を施した織布が好適である。
本発明の樹脂構造体を上述の基材と組み合わせて本発明のプリプレグを製造する方法は、限定されるものではないが、例としては、本発明の樹脂構造体の材料となる上述の硬化性樹脂組成物を基材上に添着させ、硬化させた上で、表面粗化処理を行う手法が挙げられる。具体的に、硬化性樹脂組成物が常温で固体の場合には、これを有機溶剤等に溶解又は分散させた溶液又は分散液(ワニス)を調製し、これを基材に含浸又は塗布し、加熱(例えば100〜200℃の乾燥機中で1〜60分加熱等)及び/又は減圧下で乾燥し、溶媒を除去して半硬化させて基材に添着させる。一方、硬化性樹脂組成物が常温で液状やワニス状を呈する場合は、これをそのまま基材に含浸又は塗布して添着させる。基材に対する樹脂組成物の付着量は、プリプレグ全体に対する本発明の樹脂構造体の比率が、通常15〜95質量%、好ましくは20〜90質量%の範囲となるように調整することが好ましい。その後、基材上に添着した硬化性樹脂組成物を上述の手法により硬化させて樹脂硬化物を形成し、その表面に上述の手法により表面粗化処理を施すことにより、本発明の樹脂構造体からなる層を基材上に形成する。
本発明のプリプレグは、プリント配線板のビルドアップ材料として使用することが可能である。ここで、ビルドアップとは、プリプレグ又は樹脂シートを積層すると共に、一層毎に孔あけ加工、配線形成などを繰り返すことによって、多層構造のプリント配線板を作製することを意味する。本発明のプリプレグを用いて形成されたプリント配線板においては、本発明のプリプレグ(基材及びこれに添着された本発明の樹脂構造体)が、絶縁層を構成することになる。なお、プリント配線板については後述する。
[樹脂シート]
本発明の樹脂シートは、金属箔、金属フィルム、又は有機フィルムからなる外層上に、上述した本発明の樹脂構造体からなる層が積層されたものである。
外層として使用される金属箔又は金属フィルムは特に限定されないが、例えば銅やアルミニウム等の金属からなる箔又はフィルムが挙げられる。中でも銅箔又は銅フィルムが好ましく、特に電解銅箔、圧延銅箔、銅合金フィルム等が好適に使用できる。金属箔又は金属フィルムには、例えばニッケル処理やコバルト処理等、公知の表面処理が施されていてもよい。外層として使用される有機フィルムも特に限定されないが、例えばポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、PETフィルム、PBTフィルム、PPフィルム、PEフィルム、などが挙げられる。その中でもPETフィルムが好ましい。金属箔、金属フィルム、又は有機フィルムの厚さは、使用用途によって適宜調整することができるが、例えば5〜70μmの範囲が好適である。
上述の金属箔又は金属フィルムからなる外層上に、本発明の樹脂構造体からなる層(樹脂組成物層)を形成して本発明の樹脂シートを製造する方法は、限定されるものではないが、例としては、本発明の樹脂構造体の材料となる上述の硬化性樹脂組成物を、上述の金属箔又は金属フィルムからなる外層上に添着させ、硬化させた上で、表面粗化処理を行う手法が挙げられる。具体的に、硬化性樹脂組成物が常温で固体の場合には、これを有機溶剤等に溶解又は分散させた溶液又は分散液(ワニス)を調製し、これを外層に含浸又は塗布し、加熱(例えば100〜200℃の乾燥機中で1〜60分加熱等)及び/又は減圧下で乾燥し、溶媒を除去して半硬化させて外層に添着させる。一方、硬化性樹脂組成物が常温で液状やワニス状を呈する場合は、これをそのまま外層に含浸又は塗布して添着させる。その後、基材上に添着した硬化性樹脂組成物を上述の手法により硬化させて樹脂硬化物を形成し、その表面に上述の手法により表面粗化処理を施すことにより、本発明の樹脂構造体からなる層を基材上に形成する。本発明の樹脂シートにおける樹脂組成物層の厚さは限定されないが、通常は外層の厚さ(上述のように通常は5〜70μm程度)であり、例えば10〜100μmの範囲が好適である。
本発明の樹脂シートも、プリント配線板のビルドアップ材料として使用可能である。本発明の樹脂シートを用いて形成されたプリント配線板においては、本発明の樹脂構造体からなる層が、絶縁層を構成することになる。プリント配線板については後述する。
[金属箔張積層板]
本発明の金属箔張積層板は、上述した本発明のプリプレグの片面又は両面に金属箔が積層されたものである。本発明のプリプレグは一枚でもよく、二枚以上を積層して用いてもよい。
本発明の金属箔張積層板を作製する方法は限定されないが、例えば、本発明のプリプレグを一枚、或いは二枚以上を積層した上で、その片面又は両面に金属箔を配置し、例えば温度180〜220℃、加熱時間100〜300分、面圧20〜40kgf/cm(約2.0MPa〜約3.9MPa)等の条件で積層成形する手法等が挙げられる。
金属箔は特に限定されないが、例えば銅やアルミニウム等の金属箔、中でも銅箔が好ましい。特に電解銅箔、圧延銅箔等が好適に使用できる。金属箔には、例えばニッケル処理やコバルト処理等、公知の表面処理が施されていてもよい。金属箔の厚さは、プリント配線板の材料として適した範囲内で適宜調整することができるが、例えば2〜35μmの範囲が好適である。
また、金属箔のマット面を絶縁層(本発明のプリプレグからなる層)の表面に転写させ、絶縁層表面に転写された凹凸のアンカー効果によって、絶縁層上にめっき形成される導体層との密着を高める観点から、マット面の表面粗さRzが1.0μm〜2.5μmの金属箔を使用するのが好適である。ここで表面粗さRzとは、金属箔のマット面の粗さを表す指標であり、通常は、レーザー顕微鏡により測定対象面の粗さ曲線を測定し、平均線を越える山頂を高い順に5つ、平均線に届かない谷底を低い順に5つ夫々抽出し、抽出された山頂の高さ及び谷底の低さの絶対値の平均値を算出することにより求める。
本発明の金属箔張積層板も、プリント配線板のビルドアップ材料として使用することが可能である。本発明の金属箔張積層板を用いて形成されたプリント配線板においては、本発明のプリプレグ(基材及びこれに添着された本発明の樹脂構造体)が、絶縁層を構成することになる。プリント配線板については後述する。
[プリント配線板]
本発明のプリント配線板は、絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、前記絶縁層が本発明の樹脂構造体を含むものである。
斯かるプリント配線板は、上述の本発明のプリプレグ、樹脂シート又は金属箔張積層板をビルドアップ材料として用いて作製される。すなわち、これらをビルドアップ材料として用いてプリント配線板を作製することにより、本発明のプリプレグ(基材及びこれに添着された本発明の樹脂構造体)、又は、本発明の樹脂シートの樹脂組成物層(本発明の樹脂構造体からなる層)が、本発明の樹脂構造体を含む絶縁層を構成することになる。
具体的に、本発明の樹脂シートをビルドアップ材料として用いる場合は、常法により、当該樹脂シートの樹脂組成物層(絶縁層)を表面処理し、絶縁層表面にめっきにより配線パターン(導体層)を形成することにより、本発明のプリント配線板が得られる。
本発明の金属箔張積層板をビルドアップ材料として用いる場合は、常法により、金属箔張積層板の金属箔をエッチングした後、本発明のプリプレグからなる層(絶縁層)を表面処理し、絶縁層表面にめっきにより配線パターン(導体層)を形成することにより、本発明のプリント配線板が得られる。
本発明のプリプレグをビルドアップ材料として用いる場合は、上記手順により本発明の金属箔張積層板の形態としてから使用する。或いは、後述のように多層プリント配線板の材料として用いる場合等は、そのままの形態で使用してもよい。
なお、何れの場合も、必要に応じてその他の各種の工程(例えば、ビアホール、スルーホール等を形成する穴加工処理等)を加えてもよい。
以下、本発明のプリント配線板を製造するための各工程について説明する。
穴加工処理は、ビアホール、スルーホール等の形成のために実施される。穴加工処理は、NCドリル、炭酸ガスレーザー、UVレーザー、YAGレーザー、プラズマ等の公知の方法のうち何れか1種を用い、或いは必要により2種以上を組み合わせて行う。
絶縁層に対する表面処理は、絶縁層とめっき導体層との密着性の向上や、スミア除去等の観点から実施される。表面処理としては、表面粗化処理、シランカップリング処理等があるが、本発明では、上述の手順により本発明の樹脂構造体からなる層を形成する際に、表面粗化処理を行うことになる。かかる表面粗化処理は、特にめっきの密着性を高める観点から好ましい。表面粗化処理は、孔あけ工程により生じたスミアの除去も兼ねる。この場合、樹脂組成物の硬化度の違いにより粗化状態が異なるため、後述の積層成形の条件は、表面粗化処理条件やめっき条件との組み合わせで最適な条件を選ぶことが好ましい。
微細配線パターンを形成する上で、粗化処理後の絶縁層の表面凹凸は小さい方が好ましい。具体的には、Rz値で4.0μm以下が好ましく、より好ましくは2.0μm以下である。粗化処理後の表面凹凸は、樹脂組成物の硬化度や粗化処理の条件等に応じて決まるため、所望の表面凹凸を得るための最適条件を選ぶことが好ましい。特に、本発明の樹脂構造体を含む絶縁層は、表面粗度が低くても、めっき導体層との密着性を確保することができ、極めて好適である。
めっきにより配線パターン(導体層)を形成する方法としては、セミアディティブ法、フルアディティブ法、サブトラクティブ法等が挙げられる。中でも、微細配線パターンを形成する観点からは、セミアディティブ法が好ましい。
セミアディティブ法でパターン形成する手法の例としては、絶縁層表面に無電解メッキ等により薄い導体層を形成した後、メッキレジストを用いて選択的に電解メッキを施し(パターンメッキ)、その後メッキレジストを剥離し、全体を適量エッチングして配線パターン形成する手法が挙げられる。
フルアディティブ法でパターン形成する手法の例としては、絶縁層表面にメッキレジストを用いて予めパターン形成を行い、選択的に無電解メッキ等を付着させることにより配線パターンを形成する手法が挙げられる。
サブトラクティブ法でパターン形成する手法の例としては、絶縁層表面にメッキにより導体層を形成した後、エッチングレジストを用いて選択的に導体層を除去することにより、配線パターンを形成する手法が挙げられる。
めっきにより配線パターンを形成する際に、絶縁層と導体層との密着強度を向上させる観点から、メッキの後に乾燥を行うことが好ましい。セミアディティブ法によるパターン形成では、無電解めっきと電解めっきとを組み合わせて行うが、その際、無電解めっきの後と、電解めっきの後に、それぞれ乾燥を行うことが好ましい。無電解後の乾燥は、例えば80〜180℃で10〜120分に亘って行うことが好ましく、電解めっき後の乾燥は、例えば130〜220℃で10〜120分に亘って行うことが好ましい。
本発明のプリント配線板は、多層プリント配線板とすることも可能である。例えば、上記手順により、本発明のプリプレグの両面に金属箔(例えば銅やアルミニウム等)を配置した本発明の金属箔張積層板を形成した後、これに内層回路を形成し、得られた回路に黒化処理を実施して、内層回路板とする。こうして得られた内層回路板、又は、金属箔(例えば銅やアルミニウム等)の片面又は両面に、本発明のプリプレグ又は樹脂シートを配置し、更に金属箔(例えば銅やアルミニウム等)又は離型フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体フィルム等の表面に離型剤を塗布したフィルム)をその外側に配置する、という操作を繰り返し、積層成形することにより、多層プリント配線板が製造される。
積層成形は、通常のプリント配線板用積層板の積層成形に一般に使用される手法、例えば、多段プレス、多段真空プレス、ラミネーター、真空ラミネーター、オートクレーブ成形機等を使用し、温度は例えば100〜300℃、圧力は例えば0.1〜100kgf/cm(約9.8kPa〜約38MPa)、加熱時間は例えば30秒〜5時間の範囲で適宜選択して行う。また、必要に応じて、例えば150〜300℃の温度で後硬化を行い、硬化度を調整してもいい。
[実施例1]
(A)樹脂構造体の製造:
以下の手順で多孔構造を有する樹脂構造体を製造した。
・樹脂硬化物の製造:
硬化性樹脂であるエポキシ樹脂(A)としては、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(三菱化学(株)製エピコート828、エポキシ当量189g/eq、以下「DGEBA」と略記)を用いた。
硬化樹脂に相分離構造を形成させるための改質剤であるブロック共重合体(B)としては、ポリメチルメタクリレート−ポリn−ブチルアクリレート−ポリメチルメタクリレート(PMMA−PnBA−PMMA)トリブロック共重合体((株)クラレ製、以下「BCP」と略記)を用いた。このBCPの質量平均分子量は72,000、BCP中のPnBAブロック含有率は77.0質量%、分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は1.19であった。
硬化剤(C)としては、フェノールノボラック(住友ベークライト(株)製PR−HF−3、フェノール性水酸基当量105g/eq、以下「PN」と略記)を用いた。
硬化促進剤(硬化触媒)(D)としては、トリフェニルフォスフィン(東京化成工業(株)製、以下「TPP」と略記)を使用した。
これらの原料を用いて、硬化樹脂板を次の手順で作製した。まず、DGEBA100gにBCP粉末17.3g(硬化樹脂全体の10質量%に相当)を室温で混合した後、この混合物を200℃のオイルバス中で加熱しながら1時間攪拌することによりBCPを溶解させた。得られた混合樹脂を60℃まで冷却し、PN55.6gとTPP0.5gとを加えた後、攪拌・脱泡を行った。この混合樹脂を予め120℃に加熱しておいたアルミ製のモールドに流し込み、120℃で2時間、次いで150℃で2時間加熱して、混合樹脂を硬化させた。その後、室温まで徐冷し、モールドから厚さ2mmの硬化樹脂板(樹脂硬化物)を取り出した。
・表面粗化処理による多孔構造の形成:
得られた硬化樹脂板の平滑面に、表面粗化処理を施すことにより多孔構造を形成し、多孔樹脂構造体を作製した。表面粗化処理としては、プラズマ処理(酸素プラズマ処理)、次いで紫外線照射処理を施した。
酸素プラズマ処理は、プラズマ処理装置(サムコ(株)製Model:PT−500S)を用いて行った。プラズマ処理条件は、高周波(RF)電源13.56MHz、RF出力10W、プロセス圧力100Pa、酸素ガス流量100ml/分とした。処理時間は20分とした。
紫外線照射処理は、低圧水銀ランプ(セン特殊光源(株)製PHOTO SURFACE PROCESSOR UVE−200G−SS II)を用い、波長253.7nmで行った。処理時間は20分とした。
得られた多孔樹脂構造体を実施例1の樹脂構造体とする。
・樹脂硬化物の平均孔径測定:
多孔樹脂構造体の平均孔径は、表面粗化処理前の樹脂硬化物を用い、以下の手順で測定した。即ち、まず表面粗化処理前の樹脂硬化物を切断し、その断面をSEMで撮像した。得られたSEM画像を図1に示す。図1から明らかなように、このSEM画像上には、硬化相に相当する淡色部分と、非硬化相に相当する濃色部分とが存在する。表面粗化処理時には、非硬化相に相当する濃色部分が除去されることにより、多孔構造が形成される。よって、SEM画像上の非硬化相に相当する濃色部分の平均径を測定することにより、最終的に得られる多孔構造の平均孔径を推算することができる。そこで、このSEM画像上に5μm相当の線分を引き、この線分と交差する濃色部分の切断長を測定し、当該切断長の平均を求めることにより、最終的に得られる多孔構造の平均孔径を推算した。その結果、この多孔樹脂構造体の平均孔径は55.3nmと推算され、ナノ孔構造を有することが確認された。なお、本明細書に記載の実施例及び比較例ではSEM画像を用いて測定を行ったが、TEM画像を用いても同様の測定が可能である。
(B)樹脂構造体の評価:
上記手順で得られた実施例1の樹脂構造体について、以下の手順で表面粗さ及びめっき密着性の評価を行った。
・樹脂構造体の表面粗さ測定:
樹脂構造体の多孔構造が形成された表面の表面粗さを、原子間力顕微鏡(ビーコ・インスツルメンツ社製Nanoscope IIIa-Dimension 3100、探針先端曲率半径7nm)によりタッピングモードで測定した。その結果、実施例1の樹脂構造体の表面粗さRzは93nmであった。
・樹脂構造体のめっき密着性評価:
樹脂構造体の多孔構造が形成された表面に、無電解銅めっき(奥野製薬工業(株)製標準工程OPCプロセスMシリーズを使用)を行った。得られた無電解銅めっき膜の厚さは約0.2μmであった。この無電解銅めっき上に、更に電解銅めっき((株)クオルテックの標準条件を使用)を施した。得られた電解銅めっき膜の厚さは約18μmであった。
こうして得られた銅めっき(無電解銅めっき+電解銅めっき)膜と多孔樹脂構造体との密着強度を測定するため、小型卓上試験機((株)島津製作所製EZ−TEST−500N)を用いて、50mm/分の速度で90°ピール試験を行った。その結果、実施例1の樹脂構造体は、表面粗さRzが93nmと小さいにもかかわらず、剥離接着強さは8.1N/cmという優れた値を示した。
[実施例2]
(A)多孔樹脂構造体の製造:
実施例1と同様の手順により作製した樹脂硬化物に対して、表面粗化処理として紫外線照射処理を実施せず、実施例1と同様の手順によりプラズマ処理のみを実施することにより、多孔構造を形成した。得られた多孔樹脂構造体を実施例2の樹脂構造体とする。
表面粗化処理前の樹脂硬化物の作成手順は実施例1と同様であることから、最終的に得られた実施例2の樹脂構造体も、実施例1の樹脂構造体と同程度、即ち平均孔径約82.1nmのナノ孔構造を有すると推測される。
(B)多孔樹脂構造体の評価:
得られた実施例2の樹脂構造体について、実施例1と同様の手順で多孔構造表面の表面粗さRzを測定したところ、表面粗さRzは280nmであった。
また、実施例2の樹脂構造体の多孔構造が形成された表面に、実施例1と同じ手順で無電解銅めっき(厚さ約0.2μm)及び電解銅めっき(厚さ約20μm)を施した。得られた銅めっき膜と多孔樹脂構造体との密着強度を、実施例1と同じ手順で90°ピール試験により測定した。その結果、実施例2の樹脂構造体も、表面粗さRzが280nmと比較的小さいにもかかわらず、剥離接着強さは3.5N/cmという比較的優れた値を示した。
[比較例1]
(A)多孔樹脂構造体の製造:
BCPを使用しない他は実施例1と同じ手順により樹脂硬化物を作製した。得られた樹脂硬化物の表面に、相分離構造を形成させる従来公知の樹脂組成物(味の素ファインテクノ(株)製ABF−GX13、以下「GX13」と略記)を、170℃のホットプレスにより貼り合わせて積層体を作製した。得られた積層体のGX13樹脂層の表面に、表面粗化処理として、標準デスミア工程(奥野製薬工業(株)製)を用いてエッチング処理を行い、多孔構造を形成した。得られた多孔樹脂構造体を比較例1の樹脂構造体とする。
比較例1の樹脂構造体の平均孔径は、表面粗化処理前のGX13を用い、実施例1と同様の手順で測定した。表面粗化処理前のSEM画像を図2に示す。測定の結果、この多孔樹脂構造体の平均孔径は420nmと推算され、本発明で規定するナノ孔構造を有さないことが確認された。
(B)多孔樹脂構造体の評価:
得られた比較例1の樹脂構造体について、実施例1と同様の手順で多孔構造表面の表面粗さRzを測定したところ、表面粗さRzは610nmであり、実施例1及び2の樹脂構造体よりも大きいことが分かった。
また、比較例1の樹脂構造体の多孔構造が形成された表面に、実施例1と同じ手順で無電解銅めっき(厚さ約0.2μm)及び電解銅めっき(厚さ約20μm)を施した。得られた銅めっき膜と多孔樹脂構造体との密着強度を、実施例1と同じ手順で90°ピール試験により測定した。その結果、比較例1の樹脂構造体は、表面粗さRzが610nmと比較的大きいにもかかわらず、剥離接着強さは3.2N/cmと、実施例1及び2の樹脂構造体よりもめっき密着性に劣ることが分かった。
本発明の樹脂構造体は、表面粗さが小さいにもかかわらず、表面に金属めっきを形成した際のめっき密着性に優れており、プリント配線板の絶縁層等に有用である。

Claims (16)

  1. エポキシ樹脂(A)と、エポキシ樹脂(A)に対して溶解性の第1の重合体ブロック、及び、エポキシ樹脂(A)に対して不溶性の第2の重合体ブロックを少なくとも含むブロック共重合体(B)と、エポキシ樹脂を硬化させることが可能な硬化剤(C)とを含む樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物の少なくとも一の表面に粗化処理を施こしてなる、平均孔径5〜350nmのナノ孔構造を有する樹脂構造体であって、
    ここで、エポキシ樹脂(A)が、式(1):
    (式中nは、整数を表す。)
    で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂である、樹脂構造体。
  2. ブロック共重合体(B)が、式(2):
    (式中l、m及びnは、各々独立に整数を表す。)
    で表される、請求項1記載の樹脂構造体。
  3. 硬化剤(C)が、式(3):
    (式中nは、整数を表す。)
    で表される、請求項1又は2に記載の樹脂構造体。
  4. 硬化促進剤(D)を更に含む、請求項1〜の何れか一項に記載の樹脂構造体。
  5. 硬化促進剤(D)が、式(4):
    で表される、請求項に記載の樹脂構造体。
  6. 表面粗化処理が、溶媒処理、紫外線処理、及びプラズマ処理から選択される一又は二以上の処理である、請求項1〜の何れか一項に記載の樹脂構造体。
  7. 基材と、該基材に添着された、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂構造体とを含むプリプレグ。
  8. 金属箔、金属フィルム、又は有機フィルムからなる外層と、該外層上に積層された、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂構造体とを含む樹脂シート。
  9. 請求項に記載のプリプレグと、該プリプレグの片面又は両面に積層された金属箔とを含む金属箔張積層板。
  10. 金属箔のマット面の表面粗さRzが1.0μm〜2.5μmである、請求項に記載の金属箔張積層板。
  11. 請求項に記載のプリプレグ、又は、請求項に記載の樹脂シートをビルドアップ材料として用いて作製されたプリント配線板。
  12. 前記プリプレグ又は樹脂シートの樹脂構造体の表面にめっきにより金属パターン形成することにより作製された、請求項11に記載のプリント配線板。
  13. 請求項に記載の金属箔張積層板をビルドアップ材料として用いて作製されたプリント配線板。
  14. 前記金属箔張積層板の金属箔をエッチングし、樹脂構造体の表面にめっきにより金属パターン形成することにより作製された、請求項13に記載のプリント配線板。
  15. 絶縁層と、前記絶縁層表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、前記絶縁層が請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂構造体を含むプリント配線板。
  16. ナノ孔構造を有する樹脂構造体を製造する方法であって、エポキシ樹脂(A)と、エポキシ樹脂(A)に対して溶解性の第1の重合体ブロック、及び、エポキシ樹脂(A)に対して不溶性の第2の重合体ブロックを少なくとも含むブロック共重合体(B)と、エポキシ樹脂を硬化させることが可能な硬化剤(C)とを含む樹脂組成物を硬化させ、得られた樹脂硬化物の少なくとも一の表面に粗化処理を施こすことを含み、
    ここで、エポキシ樹脂(A)が、式(1):
    (式中nは、整数を表す。)
    で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂である、方法。
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