JP6351086B1 - 型枠用防錆セット及び型枠用防錆方法 - Google Patents

型枠用防錆セット及び型枠用防錆方法 Download PDF

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Abstract

【課題】型枠の防錆期間を長期化出来るにもかかわらず、防錆剤のゴム状組成物を連続して容易に剥離させることが可能な型枠用防錆セット及び型枠用防錆方法を提供する。【解決手段】乾燥硬化により耐候性のゴム状組成物を形成する防錆剤10と、メッシュシート11と、を備え、コンクリート成型体用の型枠2の表面に前記メッシュシート11が配置され、前記防錆剤10が、前記配置されたメッシュシート11の網目が前記防錆剤10で浸るまで、前記メッシュシート11の上面から前記型枠2の表面全体に対して塗布され、前記塗布された防錆剤10がゴム状組成物10dに乾燥硬化した後に、前記防錆剤10が前記ゴム状組成物10dの上面から、前記ゴム状組成物10dが形成された前記型枠2の表面全体に対して重ね塗りされる。これにより、型枠の防錆期間を長期化出来るにもかかわらず、防錆剤のゴム状組成物(被膜)を連続して容易に剥離させることが可能となる。【選択図】図2

Description

本発明は、型枠用防錆セット及び型枠用防錆方法に関する。
従来、コンクリート成型体を製造する場合、生コンクリートをコンクリート成型体用の型枠に流し込んで、型枠全体をコンクリート養生シートで覆い、又、養生室に入れ、コンクリートを養生・硬化し、硬化後のコンクリート成型体を脱型する方法が行われている。
使用後又は不使用の型枠は、屋内で保管される場合はあるが、多くの場合、屋外で保管されるため、雨風に曝される。型枠の材質は、鉄等の金属であることから、型枠を屋外にそのまま保管すると、型枠の表面に錆が生じる。
そこで、型枠を屋外に保管する場合には、型枠の表面に防錆剤を塗布することで、型枠に発生する錆を防止し、型枠の寿命を延長させる対策が取られている。このような型枠用の防錆に関する技術は、従来より多種存在する。
例えば、特開平1−207366号公報(特許文献1)には、コンクリート又はモルタル成形体を型枠内で成形し脱型した際に予め型枠内面に塗布しておいた塗料で形成された被膜がコンクリート又はモルタル成形体の表面に反転して被覆されるような可剥性塗料が開示されている。この可剥性塗料は、陽極型防錆剤又は両性型防錆剤を1〜3重量%含有する。これにより、可剥性被膜を型枠から反転して、これをそのままとしてコンクリートの保護層とする場合、可剥性被膜の表面にサビの付着をより確実に回避することが出来て、同時に、型枠においてもサビの発生を防止することが出来るため、その一層の長期使用を可能にするとしている。
又、特開2004−17568号公報(特許文献2)には、下塗り剤と上塗り剤とからなり、下塗り剤は熱硬化性樹脂とポリアミド系の硬化剤とを含有し、かつパテ状をなし、上塗り剤は熱硬化性樹脂と硬質のフィラーと柔らかいフィラーとを含有してなる表面処理剤が開示されている。この表面処理剤を型枠の表面にコーティングし、コーティングにあたっては、先ず、下塗り剤をへら等で塗り、この際、被塗布面の凹凸をパテ状の下塗り剤によって吸収し、平坦化し、この上に上塗り剤を塗って仕上げる。これにより、型枠表面の劣化を防止することが出来るとしている。
特開平1−207366号公報 特開2004−17568号公報
一般的に、型枠の表面に塗布・施工が容易な型枠用防錆剤では、防錆期間が短いという課題がある。一方、防錆期間が長い型枠用防錆剤では、塗布後の剥がし作業や清掃に手間と時間が掛かるという課題がある。上述した特許文献1に記載の技術では、可剥性塗料により可剥性被膜を形成するものの、可剥性被膜の剥がし作業中に破れが生じる可能性がある。上述した特許文献2に記載の技術でも、同様に、被膜の剥がし作業中に破れが生じる可能性がある。
そこで、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、型枠の防錆期間を長期化出来るにもかかわらず、防錆剤のゴム状組成物(被膜)を連続して容易に剥離させることが可能な型枠用防錆セット及び型枠用防錆方法を提供することを目的とする。
本発明に係る型枠用防錆セットは、乾燥硬化により耐候性のゴム状組成物を形成する防錆剤と、メッシュシートと、切断用糸と、を備える。そして、コンクリート成型体用の型枠の表面に前記メッシュシートが所定の間隔を空けて配置され、前記切断用糸が前記間隔内に配置され、前記配置されたメッシュシートの網目が前記防錆剤で浸るまで、前記防錆剤が前記メッシュシートと前記切断用糸の上面から前記型枠の表面全体に対して塗布され、前記塗布された防錆剤がゴム状組成物に乾燥硬化した後に、前記防錆剤が前記ゴム状組成物の上面から、前記ゴム状組成物が形成された前記型枠の表面全体に対して重ね塗りされる。
本発明に係る型枠用防錆方法は、コンクリート成型体用の型枠の表面にメッシュシートを所定の間隔を空けて配置し、前記間隔内に前記切断用糸を配置する配置ステップと、前記配置されたメッシュシートの網目が、乾燥硬化により耐候性のゴム状組成物を形成する防錆剤で浸るまで、前記メッシュシートと前記切断用糸の上面から前記型枠の表面全体に対して前記防錆剤を塗布する塗布ステップと、前記塗布された防錆剤がゴム状組成物に乾燥硬化した後に、前記防錆剤を前記ゴム状組成物の上面から、前記ゴム状組成物が形成された前記型枠の表面全体に対して前記防錆剤を重ね塗りする重ね塗りステップと、を備える。
本発明によれば、型枠の防錆期間を長期化出来るにもかかわらず、防錆剤のゴム状組成物(被膜)を連続して容易に剥離させることが可能となる。
本発明に係る型枠用防錆セットの概念図である。 本発明に係る型枠用防錆セットの使用方法についてメッシュシートの配置の一例を示す概念図(図2A)と、メッシュシートの上面に対する防錆剤の塗布の一例を示す概念図(図2B)と、である。 本発明に係る型枠用防錆セットの引き剥がし作業について切断用糸の引き剥がしの一例を示す写真(図3A)と、メッシュシートを含むゴム状組成物の引き剥がしの一例を示す写真(図3B)と、である。 型枠の表面の面積が広い場合のメッシュシートの配置形態の一例を示す概略図(図4A)と、型枠の表面の面積が狭い場合のメッシュシートの配置形態の一例を示す概略図(図4B)と、である。 引っ張り剥離試験のための防錆剤とメッシュシートと鉄板の一例を示す写真(図5A)と、実施例1と比較例1において形成されたゴム状組成物の一例を示す写真(図5B)と、である。 実施例1においるゴム状組成物の引っ張り剥離試験の結果を示す写真(図6A)と、比較例1においるゴム状組成物の引っ張り剥離試験の結果を示す写真(図6B)と、実施例1と比較例1におけるゴム状組成物の引っ張り剥離試験の結果を示す写真(図6C)と、である。
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本発明に係る型枠用防錆セット1は、図1に示すように、乾燥硬化により耐候性のゴム状組成物(被膜)を形成する防錆剤10と、メッシュシート11とを備える。防錆剤10は、缶10aに密封され、ローラー10b又は刷毛10cによりコンクリート成型体用の型枠2の表面に塗布される。メッシュシート11は、網目を有し、型枠2の表面に配置される。又、本発明に係る型枠用防錆セット1は、切断用糸12を更に備える。切断用糸12は、直径が0.2mmのナイロン製の釣り糸又は直径が0.3mm〜0.5mmの建築用の水糸である。
次に、本発明に係る型枠用防錆セット1の使用方法を具体的に説明する。先ず、塗布対象の型枠2の表面が清掃され、型枠2の表面に見えるゴミ等が除去される。次に、防錆剤10が撹拌棒で撹拌され、粘度が均一にされた後に、図2Aに示すように、防錆剤10が、型枠2の表面の一端2a(例えば、型枠2の表面の長手方向の上端)に、所定の幅(例えば、50mm〜100mm)でローラー10bを用いて連続して帯状に塗布される(捨て塗り)。防錆剤10の厚みは、例えば、0.3mm〜0.5mmとされる。ローラー10b又は刷毛10cにより防錆剤10が液だれ無く均一に塗布される。
次に、塗布された帯状の防錆剤10が乾燥硬化し、帯状のゴム状組成物10dになると、所定の幅(例えば、50mm〜100mm)のメッシュシート11の一端11a(例えば、メッシュシート11の長手方向の上端)が、この帯状のゴム状組成物10dに貼り付けられるとともに、メッシュシート11の他端11b(メッシュシート11の長手方向の下端)が、型枠2の表面の一端2aから他端2b(型枠2の表面の長手方向の下端)までを覆うように配置される。最初の防錆剤10の捨て塗りにより、メッシュシート11の位置決めを確実に出来る。
又、メッシュシート11の一端11aは、型枠2の表面の一端2aから所定の長さ(例えば、20mm)だけ外側に延出させた状態で帯状のゴム状組成物10dに貼り付けられる。これにより、型枠2の表面の一端2aから延出した所定の長さのメッシュシート11の一端11aは、ゴム状組成物10dを引き剥がす際の持ち手となり、剥がし作業を容易にする。
ここで、メッシュシート11は、所定の間隔Gを空けて型枠2の表面に配置され、この間隔G(例えば、中央)内に切断用糸12が配置される。切断用糸12の一端12a(例えば、切断用糸12の長手方向の上端)は、帯状のゴム状組成物10dに貼り付けられ、切断用糸12の他端12b(例えば、切断用糸12の長手方向の下端)は、型枠2の表面の一端2aから他端2bまでを横切る(通る)ように配置される。
この際、切断用糸12は、メッシュシート11に沿って配置され、切断用糸12の一端12aは、型枠2の表面の一端2aから所定の長さ(例えば、20mm)だけ外側に延出させた状態で帯状のゴム状組成物10dに貼り付けられ、切断用糸12の他端12bは、型枠2の表面の他端2bから所定の長さ(例えば、20mm)だけ外側に延出させた状態で配置される。これにより、切断用糸12の一端12a又は他端12bは、上述と同様に、ゴム状組成物10dを引き剥がす際の持ち手となり、剥がし作業を容易にする。
次に、防錆剤10が、メッシュシート11の網目が防錆剤10で浸る(隠れる)までメッシュシート11の上面から型枠2の表面全体に対して塗布される(上塗り)。ここで、メッシュシート11の網目が防錆剤10で浸るとは、メッシュシート11の網目内に防錆剤10が充填して溢れることを意味する。このような防錆剤10の塗布により、塗布後の防錆剤10の内部にメッシュシート11の網目が存在することになる。又、メッシュシート11の網目が防錆剤10で浸るまで塗布することで、防錆剤10の塗布時に、メッシュシート11の網目や線径を目安にしてメッシュシート11の上面に防錆剤11を塗布出来るため、型枠2の表面全体に防錆剤10を均一な厚みで塗布することが出来る。更に、防錆剤10の膜厚を均一化出来るため、必要な防錆剤10のみを塗布することが可能となり、コストダウンに繋がる。
又、防錆剤10は、図2Bに示すように、メッシュシート11と切断用糸12とを含む型枠2の表面の一端2aから他端2bまで、型枠2の表面の長手方向に沿ってローラー10bで塗布される。又、防錆剤10をローラー10bに十分に含ませ、メッシュシート11を介してローラー10bで型枠2の表面を軽く押し付けるように、防錆剤10が塗布される。
防錆剤10の塗布は、気泡やピンホールが生じないように一方向に沿って行われ、メッシュシート11及び切断用糸12が配置された領域とメッシュシート11及び切断用糸12が無い領域とを含み、型枠2の表面全体に対して行われる。
そして、防錆剤10の塗布完了から所定時間が経過し、型枠2の表面全体に対して塗布された防錆剤10が乾燥硬化し、ゴム状組成物10dになると、更に、防錆剤10が、ゴム状組成物10dの上面から、ゴム状組成物10dが形成された型枠2の表面全体に対して重ね塗りされる(二度塗り、仕上げ塗り)。ここで、仕上げ塗りの場合、防錆剤10は、図2Bに示すように、型枠2の表面の短手方向(長手方向と垂直方向)に沿ってローラー10bで塗布される。仕上げ塗りでは、既に乾燥硬化した下塗りでのゴム状組成物の凹凸が無くなるように防錆剤10の塗布厚みが調整されながら行われる。
ここでも、防錆剤10の塗布は、気泡やピンホールが生じないように一方向に沿って行われる。気泡やピンホールの発生が目立つ場合には、防錆剤10に揮発性有機溶媒を添加して、防錆剤10全体の粘度を調整する。
ここで、仕上げ塗りの防錆剤10が、先に乾燥硬化したゴム状組成物10dの上面に塗られると、防錆剤10に含まれる溶媒がゴム状組成物10dの上面(表面)を溶かすことで、ゴム状組成物10dの上面が仕上げ塗りの防錆剤10と一体化し、この状態で、乾燥硬化が進む。そして、ゴム状組成物10dの上面を含む仕上げ塗りの防錆剤10が乾燥硬化すると、型枠2の表面全体には、ゴム状組成物10dが形成される。ゴム状組成物10dが形成された型枠2は、屋外や保管倉庫内に保管される。
ここで、ゴム状組成物10dは、耐候性が極めて優れ、耐水、耐熱、耐寒、密着性が良好である。そのため、型枠2の防錆期間を延長することが可能となる(2年以上)。
一方、ゴム状組成物10dには、メッシュシート11で構成される骨格が内蔵される。このメッシュシート11は、ゴム状組成物10dの骨格部分となり、ゴム状組成物10dを保持する機能を有する。そのため、防錆期間を過ぎた型枠2を再使用する際に、メッシュシート11を型枠2の表面から引き剥がすと、メッシュシート11とともにゴム状組成物10dが剥がされるため、剥がし作業が極めて容易となる。
ゴム状組成物10dは、通常、柔軟性を有し、ゴム状組成物10d単体を手作業で剥がそうとすると、ゴム状組成物10dが引き伸ばされて、型枠2の表面から引き剥がし難く、更に、引き剥がしの途中でゴム状組成物10dが破れる場合がある。
本発明では、メッシュシート11がゴム状組成物10dを保持するため、ゴム状組成物10dを引き剥がすと、メッシュシート11の骨格機能により、引き剥がしの途中でゴム状組成物10dが破れることが無い。又、引き剥がし作業において、ゴム状組成物10dの伸びが殆ど無いため、ゴム状組成物10dの伸びに要する力は、全て、ゴム状組成物10dの引き剥がしに要する力となり、無駄のない引き剥がし作業となる。又、メッシュシート11の骨格を有することで、メッシュシート11が無く、ゴム状組成物10dだけの無骨格部分も連続して容易に剥がすことが出来るため、剥がし残しが生じることなく、綺麗に引き剥がすことが出来る。そのため、一回の引き剥がし作業でゴム状組成物10dを型枠2の表面に残存させることなく連続して容易に剥離することが出来、剥がし作業の軽減や時間の短縮を図ることが出来る。又、ゴム状組成物10dは、清掃後の型枠2の表面に浮遊したり微細な凹凸に存在したりする軽微な浮遊物又は付着物を吸着するため、ゴム状組成物10dの剥離の後は、型枠2の表面を清掃する必要が無い。
尚、防錆剤10の重ね塗りの回数に特に限定は無く、ゴム状組成物10dの形成(成膜)状況に応じて2回以上に分けても良い。
ゴム状組成物10dの引き剥がし作業を具体的に説明する。図3Aには、上述の手順に従って、鉄板の表面にメッシュシート11と切断用糸12とを介してゴム状組成物10dが形成されている。図3Aに示すように、先ず、外側に延出された切断用糸12の一端12aを(なるべく低い位置で)引っ張り、切断用糸12を引き剥がして、ゴム状組成物10dを、メッシュシート11を含む領域に分割する。
次に、図3Bに示すように、外側に延出されたメッシュシート11の一端11aを(なるべく低い位置で)引っ張り、メッシュシート11を含むゴム状組成物10dを(型枠2の表面から)引き剥がす。図3Bに示すように、メッシュシート11の骨格機能により、ゴム状組成物10dがメッシュシート11に追従して破れることなく連続して引き剥がされる。つまり、メッシュシート11の骨格を有することで、無骨格部分も骨格部分とともに連続して引き剥がされる。そのため、一回の引き剥がし作業によりゴム状組成物10dを綺麗に引き剥がすことが出来る。
ここで、防錆剤10の構成に特に限定は無いが、例えば、ジエン系の防錆剤が好ましく、具体的には、防錆剤全体に対して10重量%〜20重量%のスチレンブタジエンゴムを含有する防錆剤が好ましい。スチレンブタジエンゴムは、透水性が略ゼロであり、耐候性及び付着性に優れる。又、防錆剤全体に対して10重量%〜20重量%のポリイソブチレンを更に含有すると好ましい。ポリイソブチレンは、スチレンブタジエンゴムとの相性が良く、透水性が略ゼロであり、耐候性及び付着性に優れる。更に、防錆剤10には、添加物が添加されても良く、例えば、シリカ、カーボンブラック等の無機粒子や有機粒子を添加物として添加しても構わない。シリカであれば、防錆剤全体に対して1重量%〜5重量%添加され、カーボンブラックであれば、防錆剤全体に対して0.1重量%〜1.0重量%添加される。防錆剤10の60重量〜80重量%は、揮発性溶媒であり、例えば、エチルシクロヘキサン、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチルの混合溶媒である。この揮発性溶媒は、スチレンブタジエンゴムとポリイソブチレンとを溶解する。ここで、揮発性溶媒は、沸点が低く、防錆剤10が塗布した後、間もなく揮発するため、残ったスチレンブタジエンゴム又はスチレンブタジエンゴムとポリイソブチレンの混合物は乾燥硬化し、耐候性を有するゴム状組成物となる。
又、防錆剤10を収容する缶10aの構成に特に限定は無く、防錆剤10が入れられた缶10aは不使用時に密封され、火器、熱源、可燃物から遠い位置で冷暗所に保管される。ローラー10bや刷毛10cの構成に特に限定は無い。
又、メッシュシート11の構成に特に限定は無く、例えば、目付が20g/m〜80g/mであると好ましく、厚みが0.2mm〜0.5mmであると好ましい。又、縦密度が10本/インチ〜20本/インチ、横密度が10本/インチ〜20本/インチであると好ましい。又、メッシュシート11の材質に特に限定は無く、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂を採用することが出来る。メッシュシート11として、合成樹脂製の寒冷紗を採用しても良い。
又、本発明に係る型枠用防錆セット1の使用方法について、メッシュシート11や切断用糸12の位置決めのために防錆剤10を捨て塗りしたが、これに代えてマスキングテープ又は養生テープを用いて、メッシュシート11の一端11aや切断用糸12の一端12aを型枠2の表面の一端2aに固定して位置決めするよう構成しても良い。
又、メッシュシート11の配置形態に特に限定は無い。例えば、型枠2の表面の面積が広い場合、図4Aに示すように、防錆剤10が、型枠2の表面の一端2a(例えば、型枠2の表面の長手方向の上端)に、所定の幅W1(例えば、50mm〜100mm)でローラー10bを用いて(型枠2の表面の短手方向に沿って)帯状に塗布される(捨て塗り)。そして、メッシュシート11は、型枠2の表面の一側端2c(例えば、左端)から所定の幅W2(例えば、10mm)だけ内側に配置される。これにより、型枠2の表面の一側端2cの近傍は、防錆剤10がメッシュシート11を介さずに直接塗布されるため、防錆剤10の乾燥硬化によるゴム状組成物10dがメッシュシート11を内蔵するゴム状組成物10dを挟み込むように形成されるため、型枠2の表面が外部からの影響を受け難くなる。又、メッシュシート11の一端11aは、型枠2の表面の一端2aから所定の長さL1(例えば、20mm〜30mm)だけ外側に延出させた状態で、捨て塗りにより形成されたゴム状組成物10dに貼り付けられる。
ここで、メッシュシート11は、所定の幅W3(例えば、200mm)を有する。そのため、別のメッシュシート11は、この幅W2と同程度の間隔G1(例えば、240mm)だけ空けて配置され、更に、その一端11aを、型枠2の表面の一端2aから所定の長さL1(例えば、20mm〜30mm)だけ外側に延出させて、捨て塗りによるゴム状組成物10dに貼り付けられる。そして、この間隔Gの中央付近に切断用糸12が型枠2の表面の一端2aから他端2bまでに沿って配置される。この状態で、防錆剤10が重ね塗りされる。
又、型枠2の表面の面積が広い場合、引き剥がし用のメッシュシート11cが、型枠2の表面の一端2aから所定の長さL2(例えば、20mm〜30mm)だけ外側に延出させた状態で、捨て塗りによる帯状のゴム状組成物に貼り付けられ、その上から、上述のメッシュシート11が配置されても良い。この引き剥がし用のメッシュシート11cにより、重ね塗りされたゴム状組成物10dの引き剥がしを容易にする。
一方、型枠2の表面の面積が狭い場合、図4Bに示すように、防錆剤10が、型枠2の表面の四端(四辺)に塗布され(捨て塗り)、メッシュシート11が、型枠2の表面の四端から所定の幅W2(例えば、10mm)だけ内側に配置される。ここで、メッシュシート11の幅は、先ほどのよりも小さい所定の幅W4(例えば、50mm)に調整される。そして、別のメッシュシート11は、所定の間隔G2(例えば、200mm)だけ空けて配置される。この状態で、防錆剤10が重ね塗りされる。このように、メッシュシート11の配置形態は、枠体2の表面の大きさや形状に応じて適宜調整すれば良い。
さて、本発明に係る型枠用防錆セット1の作用効果を示すために、防錆剤とメッシュシートを使用した場合を実施例1とし、メッシュシートを使用せずに、防錆剤のみを使用した場合を比較例1として、防錆剤を乾燥硬化させた後のゴム状組成物の引っ張り剥離試験の結果を以下に示す。
図5Aに示すように、防錆剤10として、防錆剤全体に対して20重量%のスチレンブタジエンゴムと10重量%のポリイソブチレンと3重量%のシリカと0.5重量%のカーボンブラックを含有し、残りの約70重量%の揮発性溶媒を含有するジエン系の防錆剤を用意した。塗布直後の防錆剤10の膜厚が1.0mmである場合、乾燥硬化後のゴム状組成物10dの膜厚は0.3mmとなる。又、メッシュシート11として、軟化点が240度、融点が260度のポリエステル製で、目付が55g/m、厚みが0.37mm、縦密度が14本/インチ、横密度が14本/インチ、縦引張強度が484N/5cm、横引張強度が457N/5cm、縦伸び率は12.2%、横伸び率は15.5%のメッシュシートを用意した。型枠2の表面として、長さが1800mm、幅が100mmの鉄板を2枚用意した。
先ず、図5Bに示すように、1つの鉄板の表面に対して、長さが1800mm、幅が90mmのメッシュシートを配置し、その上に防錆剤を一回塗布した。ここで、メッシュシートの幅は、鉄板の表面の幅よりも短くすることで、メッシュシートを介さずにゴム状組成物のみの領域を鉄板の表面の両端に形成し、防錆効果を高める。この防錆剤が乾燥硬化した後に、その上に防錆剤もう一度塗布し、乾燥硬化させたゴム状組成物を実施例1とした。防錆剤は約90g使用し、乾燥硬化後のゴム状組成物の厚みは、約0.16mmである。
又、もう1つの鉄板の表面の上に防錆剤を一回塗布し、その防錆剤が乾燥硬化した後に、その上に防錆剤もう一度塗布し、乾燥硬化させたゴム状組成物を比較例1とした。防錆剤は約90g使用し、乾燥硬化後のゴム状組成物の厚みは、約0.16mmである。
実施例1、比較例1のゴム状組成物をバネばかりを用いて一定の力でゴム状組成物の長手方向に引っ張って、引っ張り剥離試験を行った。引き剥がしの力は、最初、ゆっくりと等速で1.5kgの力とし、その後、2.0kgの力とした。力点の始点位置は、鉄板の端部から300mmとし、作用点の始点位置は、鉄板の端部から100mmとした。ゴム状組成物の端部をクリップで止め、クリップを横丸棒に連結し、横丸棒にバネばかりを取り付けて、バネばかりの力が1.5kgから2.0kgになるようにバネばかりをゴム状組成物の長手方向に引っ張ることで、引っ張り剥離試験を開始した。
実施例1では、引っ張り剥離を開始してから、バネばかりの力を1.5kgから2.0kgに変更し、そのまま引っ張ると、図6Aに示すように、引き剥がしの力が2.0kgに維持された状態で、ゴム状組成物を全て引き剥がすことが出来た。その際、ゴム状組成物の引っ張り長さを確認すると、メッシュシートが内蔵されているため、ゴム状組成物の伸長は無かった。剥離したゴム状組成物の厚みは0.14mm〜0.17mmであった。
一方、比較例1では、引っ張り剥離を開始してから、バネばかりの力を1.5kgから2.0kgに変更し、そのまま引っ張ると、図6Bに示すように、引っ張り剥離を開始してから870mmまで引っ張った時に、ゴム状組成物が破断した。ここで、破断時のゴム状組成物の伸びは2280mmであり、その伸び率は2280/870=262%であった。破断後の剥離したゴム状組成物の厚みは0.15mm〜0.18mmであった。
図6Cに示すように、実施例1では、問題無く最後までゴム状組成物を剥離することが出来たため、鉄板の表面が綺麗に露出している。一方、比較例1では、剥がし作業の途中でゴム状組成物が破断し、鉄板の表面の半分にゴム状組成物が残存した。比較例1では、再度、残存したゴム状組成物を引き剥がす必要があり、手間と時間が生じることが理解される。
ここで、上述の防錆剤のゴム状組成物の物性について説明する。ゴム状組成物の初期物性値について、最大伸び率は600%(破断時)であり、引張強度は100kg/cm(引張速度500mm/分)であり、第一の付着性は3g/cm(180度剥離でテストピースが無処理のステンレススチール、引張速度80mm/分)、第二の付着性は77g/cm(180度剥離でテストピースがサンドブラスト処理のカーボンスチール、引張速度80mm/分)であった。
一方、ゴム状組成物に耐候性促進試験(サンシャイン型ウェザーメーターテスト、JIS K6860)を行い、800時間後の物性値を調べると、最大伸び率は600%(破断時)であり、引張強度は132kg/cm(引張速度500mm/分)であり、第一の付着性は70g/cmであり、第二の付着性は360g/cmであった。
ゴム状組成物に屋外暴露試験を行い、6ヶ月後の物性値を調べると、最大伸び率は600%(破断時)であり、引張強度は106kg/cm(引張速度500mm/分)であり、第一の付着性は70g/cmであり、第二の付着性は170g/cmであった。
又、ゴム状組成物に80度耐熱劣化試験(JIS K6301)を行い、3ヶ月後の物性値を調べると、最大伸び率は600%(破断時)であり、引張強度は135kg/cm(引張速度500mm/分)であり、第二の付着性は75g/cmであった。
更に、ゴム組成物に100度耐熱劣化試験(JIS K6301)を行い、3ヶ月後の物性値を調べると、最大伸び率は600%(破断時)であり、引張強度は131kg/cm(引張速度500mm/分)であり、第二の付着性は183g/cmであった。
つまり、ジエン系の防錆剤では、乾燥硬化後のゴム状組成物は、屋外暴露や経年、熱影響により、耐候性と付着性を初期物性値より向上させる。このような特性により、型枠の防錆期間を延長させ、実際に、ゴム状組成物で被覆した型枠の表面は、2年以上経過しても、錆が発生しない。このような防錆効果は、ゴム状組成物にメッシュシートを内蔵したとしても、重ね塗りしていることから、変わらなかった。
従って、本発明では、型枠の防錆期間が長いにもかかわらず、ゴム状組成物の被膜を連続して容易に剥離させることが可能となる。
尚、上述の実施例1では、ジエン系の防錆剤を採用したが、これに限らず、型枠2の表面に使用され、ゴム状組成物を形成するエポキシ系防錆剤、ナイロン系防錆剤、ポリエステル系防錆剤、ポリオレフィン系防錆剤等であれば、同様の作用効果があった。
以上のように、本発明に係る型枠用防錆セット及び型枠用防錆方法は、様々な種類のコンクリート成型体用の型枠に有用であり、型枠の防錆期間を長期化出来るにもかかわらず、防錆剤のゴム状組成物(被膜)を連続して容易に剥離させることが可能な型枠用防錆剤及び型枠用防錆方法として有効である。
1 型枠用防錆セット
10 防錆剤
11 メッシュシート
12 切断用糸
2 型枠

Claims (2)

  1. 乾燥硬化により耐候性のゴム状組成物を形成する防錆剤と、
    メッシュシートと、
    切断用糸と、
    を備え、
    コンクリート成型体用の型枠の表面に前記メッシュシートが所定の間隔を空けて配置され、前記切断用糸が前記間隔内に配置され、前記配置されたメッシュシートの網目が前記防錆剤で浸るまで、前記防錆剤が前記メッシュシートと前記切断用糸の上面から前記型枠の表面全体に対して塗布され、前記塗布された防錆剤がゴム状組成物に乾燥硬化してから、前記防錆剤が前記ゴム状組成物の上面から、前記ゴム状組成物が形成された型枠の表面全体に対して重ね塗りされる
    型枠用防錆セット。
  2. コンクリート成型体用の型枠の表面にメッシュシートを所定の間隔を空けて配置し、前記間隔内に前記切断用糸を配置する配置ステップと、
    前記配置されたメッシュシートの網目が、乾燥硬化により耐候性のゴム状組成物を形成する防錆剤で浸るまで、前記防錆剤を前記メッシュシートと前記切断用糸の上面から前記型枠の表面全体に対して塗布する塗布ステップと、
    前記塗布された防錆剤がゴム状組成物に乾燥硬化してから、前記防錆剤を前記ゴム状組成物の上面から、前記ゴム状組成物が形成された前記型枠の表面全体に対して重ね塗りする重ね塗りステップと、
    を備える型枠用防錆方法。
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