JP2010047897A - 鉄道橋床版防水工 - Google Patents

Abstract

【課題】施工費用を低減でき、かつ防水工重量を軽量にでき、しかも床版の厚さが制限される場合にも有効に活用できる鉄道橋床版防水工を提供する。
【解決手段】鉄道橋床版防水工において、床版面２上に防水層３を形成し、この防水層３上に付着力および粘りが強く、かつ、質量効果の大きいゴムラテックスモルタル４を形成する。
【選択図】図１

Description

本発明は、鉄道橋床版防水工に係り、特に、ゴムラテックスモルタル被覆を用いた鉄道橋床版防水工に関するものである。

従来、鉄道橋床版では防水工を施すようにしている。

図２はかかる従来の鉄道橋床版の防水工一例を示す図である。

この図において、１０は鉄道橋、１１は鉄道橋床版防水工、１２は排水勾配コンクリート、１３は路盤コンクリート、１４はケーブルダクト壁である。

このような鉄道橋床版の防水工は、劣化や切断防止のために保護モルタルを設置するようにしてきた。保護モルタルは割れを防ぐために、約４０ｍｍ（溶接金網入り）の厚さのものを用いるのが通常である。

図３は従来の鉄道橋床版防水工の部分断面図である。

この図において、１０１は床版、１０２は床版面、１０３は床版面１０２に形成される防水層（５ｍｍ）、１０４は防水層１０３上に形成される溶接金網１０５が入った保護モルタル（４０ｍｍ以上）である。

保護モルタル１０４は防水層１０３の損傷を防ぐとともに、防水層１０３への直射日光をさえぎることにより防水層１０３の耐久性を確保する。一般に、保護モルタル１０４の水セメント比は３５％以下、施工厚さは４０ｍｍ以上を基準とする。鋼床板については、高力ボルトの形状によってできる凹凸を考慮して、防水層１０３及び保護モルタル１０４を合わせた厚さは６０ｍｍ以上を基準とする。この保護モルタル１０４は防水層１０３上に施工するため、溶接金網１０５を入れて補強する。
なし

しかしながら、従来の防水工の保護モルタルは、施工費用と重量が大きくなるといった問題があった。

本発明は、上記状況に鑑みて、施工費用を低減でき、しかも重量を軽量にできる鉄道橋床版防水工を提供することを目的とする。

本発明は、上記目的を達成するために、
〔１〕鉄道橋床版防水工において、床版面上に防水層を形成し、この防水層上に付着力および粘りが強く、かつ、質量効果の大きいゴムラテックスモルタルを形成することを特徴とする。

〔２〕上記〔１〕記載の鉄道橋床版防水工において、前記ゴムラテックスモルタルの厚さが５〜１５ｍｍであることを特徴とする。

本発明によれば、施工費用と防水工重量を大きく低減させることができる。

また、従来の保護モルタルに比べて薄くなるので床版の厚さが制限される場合にも有効に活用できる。

更に、従来の保護モルタルに用いられていた溶接金網も不要になる。

本発明の鉄道橋床版防水工は、床版面上に防水層を形成し、この防水層上に付着力および粘りが強く、かつ、質量効果の大きいゴムラテックスモルタルを形成する。

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。

図１は本発明の実施例を示す鉄道橋床版防水工の断面図である。

この図において、１は床版、２は床版面、３は床版面に形成される防水層（５ｍｍ）、４は防水層３の上に形成されるゴムラテックスモルタル（厚さは５〜１５ｍｍ）である。

まず、床版面２に防水工を施す。ここでは、塗布（塗膜）防水を行う。溶液状あるいは加熱溶融された防水材料を床版面２に塗布または吹付けることで防水層３を形成する。一般に、塗布防水は比較的薄い防水層を設けるもので、その厚みを増したものが塗膜防水である。塗膜防水には、アスファルト系、改質アスファルト系（ゴムアスファルト系）、合成ゴム系、合成樹脂系がある。

次いで、防水層３の保護のために、ゴムラテックスモルタル４を形成する。つまり、ゴムラテックスモルタル４は防水層３の損傷を防ぐとともに、防水層３への直射日光をさえぎることにより防水層３の耐久性を確保する。ゴムラテックスモルタル４の厚さは、５〜１５ｍｍあれば十分であり、質量効果が大きい。ゴムラテックスモルタル４は防水層３上に施工するが、付着力および粘りが強いため、従来の保護モルタルのように溶接金網を入れて補強する必要はない。

なお、ゴムラテックスモルタルは、スチレンブタジエン（ＳＢＲ）を混入したモルタルであり、ゴムとモルタルとの両者の性能を併せ持っている。すなわち、（１）鉄道橋床版面への吸着力が非常に強い。（２）ゴムの性質により、薄く形成しても剥離しない。（３）モルタルの性質により、ゴムより質量効果が大きい。（４）透水、透気性が低く、鋼材の腐食防止、コンクリートの中性化抑制が可能である。

このように、付着力および粘りが強く、かつ、質量効果の大きいゴムラテックスモルタルを防水層上に５〜１５ｍｍ形成することで、保護モルタルとして用いることができる。

なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。

本発明の鉄道橋床版防水工は、付着力および粘りが強く、かつ、質量効果の大きいゴムラテックスモルタルを用いた施工費用と防水工重量を大きく低減させることができる鉄道橋床版防水工として利用可能である。

本発明の実施例を示す鉄道橋床版防水工の断面図である。 従来の鉄道橋床版の防水工一例を示す図である。 従来の鉄道橋床版防水工の部分断面図である。

符号の説明

１ 床版
２ 床版面
３ 防水層
４ ゴムラテックスモルタル（厚さは５〜１５ｍｍ）

Claims (2)

1. （ａ）床版面上に防水層を形成し、
   （ｂ）該防水層上に付着力および粘りが強く、かつ、質量効果の大きいゴムラテックスモルタルを形成することを特徴とする鉄道橋床版防水工。
2. 請求項１記載の鉄道橋床版防水工において、前記ゴムラテックスモルタルの厚さが５〜１５ｍｍであることを特徴とする鉄道橋床版防水工。

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