JP6349897B2 - 駆動回路のタイミング調整方法及び駆動回路のタイミング調整回路 - Google Patents
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Description
VT=VB−VH×Crss/Ciss …(1)
電圧駆動型半導体素子の導通制御端子の電圧をVG,ターンオフ時の駆動電流(放電電流)をIGとすると、時間t[s]に応じた電圧VGの変化は、以下の式で表される。
VG=VB−(IG/Ciss)×t …(2)
この式から分かるように、電圧駆動型半導体素子の入力容量Ciss及び駆動電流IGのばらつきは、導通制御端子電圧VGの変化のばらつきとして現れる。
tE=VH×Crss/IG …(3)
そして、(2)式の右辺における時間tに(3)式を代入すれば(1)式となる。
ここで、帰還容量Crss,入力容量Cissは同じ増減方向,同じ割合でばらつくと考えられるので、両者の比Crss/Cissは固定値になる。したがって、(1)式の右辺は全て既知の値となるから、コンパレータの閾値電圧を明確に設定できる。
図1に示すように、本発明の調整対象となるゲート駆動回路1は、マイコン(マイクロコンピュータ)2より入力される駆動信号に応じてIGBT3(電圧駆動型半導体素子)をターンオン,ターンオフさせるもので、前記駆動信号は定電流駆動部4(導通制御部)を介してIGBT3のゲート(導通制御端子)に出力される。IGBT3のコレクタは高電位電源VHに接続されており、エミッタは図示しない負荷等に接続されている(ハイサイド駆動)。また、コレクタ,エミッタ間にはフリーホイールダイオードFDが接続されている。
また、駆動信号及びタイミング信号がハイレベルの場合はNORゲート20の出力がローレベルとなるから、スイッチ回路15のみがオンする。したがって、IGBT3のゲートは定電流I2により低速で放電される。
尚、コンパレータ9がTESTモードの実行時のみ接続される素子であれば、以降はメモリ25の端子をプルアップして書き込みを禁止すれば良い。またコンパレータ9がゲート駆動回路1に常時搭載される場合、メモリ25への書き込みは、例えばTESTモード信号とのAND条件で書き込むようにする。
VG=VB−(IG/Ciss)×t …(2)
この(2)式から分かるように、IGBT3の入力容量Ciss及び駆動電流IGのばらつきは、ゲート電圧VGの変化のばらつきとして現れる。
tE=VH×Crss/IG …(3)
そして、(2)式の右辺における時間tに(3)式を代入すれば(4)式となる。
VG=VB−VH×Crss/Ciss …(4)
(4)式に示すゲート電圧VGは、IGBT3のコレクタ−エミッタ間電圧VCEが電源電圧VHに等しくなった時点に達していると推定されるゲート電圧であり、これを推定ゲート電圧VT(推定端子電圧)と定義する。
VT=VB−VH×Crss/Ciss …(1)
そして、推定ゲート電圧VTをコンパレータ9の閾値電圧とする。
以下、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。図8に示すように、第2実施形態のゲート駆動回路31は、遅延時間設定部7を遅延時間設定部32に置き換えたものである。また、入力端子11は削除されている。そして、遅延時間設定部32には、立上り検出部5が出力する立上り検出信号と、パルス生成回路8が出力する駆動信号と、コンパレータ9の出力信号とが入力されている。
以上のように第2実施形態によれば、遅延時間設定部32は、TESTモード時にデータレジスタ24に格納するデータの更新を自動的に行うので、調整をより簡単に行うことができる。
以降の第3〜第5実施形態は、遅延回路の構成についてバリエーションを示すものである。図10に示すように、第3実施形態の遅延回路41(遅延時間設定手段)は、電源とグランドとの間に接続される可変定電流源42及びコンデンサCの直列回路と、両者の共通接続点に入力端子が接続されるシュミットトリガバッファ21と、コンデンサCに並列に接続されるNチャネルMOSFET43とで構成されている。NチャネルMOSFET43のゲートには立上り検出信号が入力され、遅延時間の設定データに応じて、可変定電流源42の定電流値が決定される。
図11に示す第4実施形態の遅延回路51は、偶数個のNOTゲート52(遅延素子)を直列に接続し、初段のNOTゲート52の入力端子(遅延回路51の入力端子)と1個おきのNOTゲート52の出力端子とにそれぞれスイッチ回路22を配置する。そして、スイッチ回路22の他端が共通に接続されて遅延回路51の出力端子となっている。スイッチ回路22のオンオフ制御はSW選択部53によって行われる。
以上のように第4実施形態によれば、遅延回路51を、直列に接続される偶数個のNOTゲート52と、NOTゲート52の出力端子に1個おきに接続されるスイッチ回路22とで構成したので、上記各実施形態と同様の効果が得られる。
図12に示す第5実施形態の遅延回路61は、リングオシレータ62,カウンタ63,データレジスタ64及びコンパレータ65を備えている。リングオシレータ62は、立上り検出信号が入力されると発振動作を開始し(例えば、発振周波数200MHz)、カウンタ63は、リングオシレータ62入力されるクロック信号によりカウント動作を行う。遅延時間の設定データはデータレジスタ64に格納され、コンパレータ65は、カウンタ63のカウント値がデータレジスタ64に格納されているデータ値に一致すると変更タイミング信号を出力する。
駆動信号レベルのハイ,ローとIGBT3のオン,オフとの関係は逆でも良い。
電圧駆動型半導体素子は、IGBTに限ることなくMOSFETなどでも良い。
調整時において、ゲート駆動回路にマイコン2を接続可能であれば、パルス発生回路8は不要である。
推定端子電圧VTの設定は、(1)式を用いて行うものに限らない。
Claims (9)
- 電圧駆動型半導体素子がターンオフする際に、前記電圧駆動型半導体素子の導通端子間電圧の立上り開始を検出する立上り検出部と、
前記立上り開始が検出された時点から設定された遅延時間が経過すると、速度変更タイミング信号を出力するタイミング信号出力部と、
入力される駆動信号に応じて前記電圧駆動型半導体素子をターンオフさせる際に、前記電圧駆動型半導体素子の導通制御端子を最初は高速で放電させて、前記速度変更タイミング信号が入力されると放電速度を低速に変化させる導通制御部とを備えてなる駆動回路について、前記タイミング信号出力部に設定する遅延時間を調整する方法において、
前記電圧駆動型半導体素子がターンオフする際に、前記導通端子間電圧が、前記立上り開始から、高電位側の導通端子に供給されている電源電圧VHに上昇するまでの時間を立上り完了時間とすると、前記立上り完了時間が経過した時点における前記導通制御端子の電圧を推定したものを推定端子電圧VTとして、
TESTモード信号がアクティブになると、前記電圧駆動型半導体素子をターンオフさせるレベルの前記駆動信号を、一定期間だけ前記駆動回路に出力するパルス生成回路を用い、
前記パルス生成回路により出力される駆動信号が、前記電圧駆動型半導体素子をターンオフさせるレベルに変化した時点から前記レベルを反転させるまでに前記導通制御端子の電圧が前記推定端子電圧VT以下にならなければ、前記タイミング信号出力部に設定する遅延時間を所定の単位時間増加させてから駆動信号を再度上述のように変化させ、
前記導通制御端子の電圧が最初に前記推定端子電圧VT以下になった時点に設定していた遅延時間を、前記タイミング信号出力部に固定的に設定する値として決定することを特徴とする駆動回路のタイミング調整方法。 - 前記導通制御部が前記放電動作を行うために使用している電源電圧をVB,前記電圧駆動型半導体素子の帰還容量をCrss,同入力容量をCissとすると、前記推定端子電圧VTを、以下の式により決定することを特徴とする請求項1記載の駆動回路のタイミング調整方法。
VT=VB−VH×Crss/Ciss - 電圧駆動型半導体素子(3)がターンオフする際に、前記電圧駆動型半導体素子の導通端子間電圧の立上り開始を検出する立上り検出部(5)と、
前記立上り開始が検出された時点から設定された遅延時間が経過すると、速度変更タイミング信号を出力するタイミング信号出力部(6)と、
入力される駆動信号に応じて前記電圧駆動型半導体素子をターンオフさせる際に、前記電圧駆動型半導体素子の導通制御端子を最初は高速で放電させて、前記速度変更タイミング信号が入力されると放電速度を低速に変化させる導通制御部とを備えてなる駆動回路について、前記タイミング信号出力部に設定する遅延時間を調整する回路であって、
TESTモード信号がアクティブになると、前記電圧駆動型半導体素子をターンオフさせるレベルの前記駆動信号を、一定期間だけ前記駆動回路に出力するパルス生成回路を備え、
前記電圧駆動型半導体素子がターンオフする際に、前記導通端子間電圧が、前記立上り開始から、高電位側の導通端子に供給されている電源電圧VHに上昇するまでの時間を立上り完了時間とすると、前記立上り完了時間が経過した時点における前記導通制御端子の電圧を推定したものを推定端子電圧VTとして、
前記導通制御端子の電圧が推定端子電圧VTを下回ると検出信号を出力するコンパレータ(9)と、
前記パルス生成回路により出力される駆動信号が、前記電圧駆動型半導体素子をターンオフさせるレベルに変化した時点から前記レベルが反転するまでに前記検出信号が出力されなければ、前記タイミング信号出力部に設定する遅延時間を所定の単位時間だけ増加させ、
前記検出信号が最初に出力された時点に設定していた遅延時間を、前記タイミング信号出力部に固定的に設定する遅延時間設定手段(6,7,32,41,51,61)とを備えたことを特徴とする駆動回路のタイミング調整回路。 - 前記導通制御部が前記放電動作を行うために使用している電源電圧をVB,前記電圧駆動型半導体素子の帰還容量をCrss,同入力容量をCissとすると、前記推定端子電圧VTを、以下の式により決定することを特徴とする請求項3記載の駆動回路のタイミング調整回路。
VT=VB−VH×Crss/Ciss - 前記遅延時間設定手段(7)は、データレジスタ(24)と、メモリ(25)と、セレクタ(26)と、遅延回路(6)とを備えて構成され、
タイミング調整期間を示す信号が入力されている間は、前記データレジスタに設定する、前記遅延時間に相当するデータ値を所定値ずつ増加させることで前記単位時間を増加させ、前記データレジスタのデータ値を前記セレクタを介して前記遅延回路に出力し、
前記検出信号が最初に出力されると、前記データレジスタのデータ値を前記メモリに書き込み、
前記タイミング調整期間を示す信号の入力が停止すると、前記メモリに書き込まれたデータ値を、前記セレクタを介して前記遅延回路に出力するように構成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の駆動回路のタイミング調整回路。 - 前記遅延時間設定手段(7)は、前記遅延時間の設定に応じてCR時定数を変化させることで、遅延時間を変化させる遅延回路を備えることを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載の駆動回路のタイミング調整回路。
- 前記遅延時間設定手段は、可変電流源(42)及びコンデンサ(C)の直列回路を有し、前記遅延時間の設定に応じて前記可変電流源の電流値を変化させることで、遅延時間を変化させる遅延回路(41)を備えることを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載の駆動回路のタイミング調整回路。
- 前記遅延時間設定手段は、直列に接続される複数の遅延素子(52)と、各遅延素子の出力端子間に接続される複数のスイッチ回路(22)とを備え、前記遅延時間の設定に応じて前記複数のスイッチ回路の何れか1つのみをオンさせることで、遅延時間を変化させる遅延回路(51)を備えることを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載の駆動回路のタイミング調整回路。
- 前記遅延時間設定手段は、所定周期のクロック信号でカウント動作を行うカウンタ(63)と、このカウンタのカウンタ値を前記遅延時間相当値と比較するコンパレータ(65)とで構成される遅延回路(61)を備えることを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載の駆動回路のタイミング調整回路。
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