JP2022043655A - ゲート駆動装置および負荷給電回路 - Google Patents

ゲート駆動装置および負荷給電回路 Download PDF

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Abstract

【課題】スイッチング素子のばらつきによる切り換えタイミングのずれをなくすとともに、サージ電圧が耐圧を超えることがないように制御することができるようにしたゲート駆動装置を提供する。【解決手段】スイッチング素子のターンオフ時のピーク電圧をサージ電圧として検出するサージ電圧検出回路20と、ターンオフ開始信号が与えられると、設定された遅延時間が経過するとタイミング信号を出力する遅延回路50と、ターンオフ開始信号が与えられると、スイッチング素子のゲートに対して第1ゲート駆動電流を流し始め、遅延回路からタイミング信号が出力されると第1ゲート駆動電流よりも低い第2ゲート駆動電流を流す駆動電流出力部60とを備え、遅延回路は、サージ電圧検出回路により検出されるサージ電圧が狙い値と異なるときに、遅延時間を変更設定するように構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、ゲート駆動装置および負荷給電回路に関する。
ゲート駆動型の半導体スイッチング素子を駆動制御する制御形態として、AGC(Active Gate Control)技術が提案されている。このようなAGC技術としては、さまざまな方式が提案されているが、実用上においては次のような課題が残っている。
第1に、制御対象の半導体スイッチング素子の特性ばらつきや動作条件によって切り換えタイミングがずれてしまうため、結果としてサージ電圧が耐圧をオーバーしたり、損失低減効果が目減りしたりするなどのデメリットが生ずる。
第2に、サージ電圧をモニタしない構成を採用するものでは、サージ電圧が耐圧を超えているかどうかを判定できないため、確実に制御することが難しくなる。
特開2005-033873号公報 特開2008-054098号公報 特開2002-369495号公報 特開2006-222593号公報
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、制御対象の半導体スイッチング素子の特性ばらつきや動作条件のばらつきによる切り換えタイミングのずれをなくすとともに、サージ電圧が耐圧を超えることがないように制御することができるようにしたゲート駆動装置および負荷給電回路を提供することにある。
請求項1に記載のゲート駆動装置は、ゲート駆動形のスイッチング素子をオンまたはオフのゲート駆動時にゲートを駆動制御するゲート駆動装置であって、前記スイッチング素子のターンオフ時のドレイン-ソース間電圧もしくはコレクタ-エミッタ間電圧のピーク電圧をサージ電圧として検出するサージ電圧検出回路と、ターンオフ開始信号が与えられると、設定された遅延時間が経過するとタイミング信号を出力する遅延回路と、前記ターンオフ開始信号が与えられると、前記スイッチング素子のゲートに対して第1ゲート駆動電流を流し始め、前記遅延回路から前記タイミング信号が出力されると前記第1ゲート駆動電流よりも低い第2ゲート駆動電流を流す駆動電流出力部とを備え、前記遅延回路は、前記サージ電圧検出回路により検出される前記サージ電圧が狙い値と異なるときに、前記遅延時間を変更設定するように構成される。
上記構成を採用することにより、ターンオフ開始信号が与えられると、遅延回路は遅延時間の計時を開始し、駆動電流出力部は、スイッチング素子のゲートにターンオフの第1ゲート駆動電流を流してターンオフ動作を開始させる。この後、遅延時間が経過して遅延回路からタイミング信号が与えられると、駆動電流出力部は、スイッチング素子のゲートにターンオフの第2ゲート駆動電流を流すように切り替える。
これにより、スイッチング素子は、ゲート電荷が放電されてターンオフする。このとき、スイッチング素子の電圧はターンオフ時に一時的に電源電圧を超えて上昇するサージ電圧となる。このサージ電圧は、スイッチング素子のターンオフ時のドレイン-ソース間電圧もしくはコレクタ-エミッタ間電圧のピーク電圧としてサージ電圧検出回路により検出され、サージ電圧が狙い値と異なるときに、遅延回路は、サージ電圧が狙い値になるように遅延時間を変更設定して駆動電流出力部にタイミング信号を与える。
このようにして、遅延回路により遅延時間を変更設定することで、スイッチング素子のターンオフ時のサージ電圧を狙い値になるように設定することができる。この結果、スイッチング素子のターンオフ時のサージ電圧が耐圧を超えない条件を保持しつつ、高い第1ゲート駆動電流でターンオフ動作を短時間で実施させることでターンオフ損失を抑制することができる。
第1実施形態を示す電気的構成図 サージ電圧検出回路の電気的構成図 サージ電圧検出の作用説明図 遅延時間制御の作用説明図 遅延時間制御の流れ図 遅延時間の調整の説明図 遅延時間の設定条件を示す図 電源電圧が上昇した場合の作用説明図 アクティブゲート制御の説明図 ターンオフ波形の説明図 サージ電圧とターンオフ損失の関係を示す図 サージ電圧とターンオフ損失の説明図 遅延時間の設定と特性の関係を説明する図 サージ電圧とターンオフ損失の関係を示すタイミングチャート 第2実施形態を示す遅延回路の例を示す図 遅延回路の例その1 遅延回路の例その2 遅延回路の例その3 遅延回路の例その4
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1~図14を参照して説明する。
図1は全体の電気的構成を示すもので、制御対象となるゲート駆動型のスイッチング素子としての例えばnチャンネル型のMOSトランジスタ1は、電源端子から負荷への通電経路に設けられ、ゲート駆動装置10によりゲートにゲート電圧が与えられてオンオフのスイッチング駆動制御がなされる。
ゲート駆動装置10は、サージ電圧検出回路20、第1コンパレータ30、第2コンパレータ40、遅延回路50および駆動電流出力部60を備えている。ゲート駆動装置10は、この実施形態では、特にターンオフ時の動作を制御するための制御動作が行われるもので、MOSトランジスタ1の駆動信号であるターンオフ開始信号が外部から与えられると、MOSトランジスタ1に対して後述するようにしてオフ動作の制御を実行する。なお、実際のゲート駆動装置10においては、ターンオン開始信号が外部から与えられると、図示しないターンオン駆動回路によりMOSトランジスタ1をオン駆動するように構成されている。
サージ電圧検出回路20は、MOSトランジスタ1のドレイン-ソース間電圧Vdsを検出し、ピーク値を保持する回路によりサージ電圧Vsを検出する構成である。第1コンパレータ30は、サージ電圧検出回路20により検出されたサージ電圧Vsのレベルを判定するもので、判定レベルVref_α に対して、これ以上であるか否かを検出している。第2コンパレータ40は、サージ電圧Vsのレベルが判定レベルVref_β 未満であるか否かを検出している。
なお、上記した判定レベルVref_α およびVref_β は、サージ電圧Vsの許容上限値となる耐圧Vrefに対して、次式(1)の関係を満たすように設定されている。また、判定レベルの下限値Vref_α および上限値Vref_β は、次式(2)に示すように、サージ電圧Vsの適正許容値の範囲を示している。
Vref_α <Vref_β <Vref …(1)
Vref_α <Vs <Vref_β …(2)
なお、上記した式(2)で示されるサージ電圧Vsの適正許容値の範囲は、サージ電圧の「狙い値」として設定されるもので、所定の幅をもって範囲として設定することで実際の制御動作での安定性を確保するようにしている。また、サージ電圧Vsの適正許容値の範囲は、耐圧Vrefに対して少し低い値となるようにマージンを設定している。これによって後述するように、電源変動にも対応できるように構成されている。
遅延回路50は、第1コンパレータ30および第2コンパレータ40の判定結果を入力し、これらの判定結果に基づいて、遅延時間Tdを変更設定して駆動電流出力部60にタイミング信号として出力する。遅延時間Tdは、駆動電流出力部60によるゲート駆動電流Igoffの切り換えタイミングを設定するものである。
駆動電流出力部60は、MOSトランジスタ1のゲートに対して、ターンオフ時のゲート駆動電流Igoffを第1のゲート駆動電流Igoff1および第2のゲート駆動電流Igoff2の2段階で切り替えて流すように構成されている。
駆動電流出力部60は、外部からターンオフ開始信号が与えられると、MOSトランジスタ1をターンオフさせるために、まず、ゲート駆動電流Igoffを第1のゲート駆動電流Igoff1に設定してターンオフ駆動を開始する。駆動電流出力部60は、この後、遅延時間Tdが経過して遅延回路50からタイミング信号が与えられると、ゲート駆動電流Igoffを第1のゲート駆動電流Igoff1よりも電流レベルが低い第2のゲート駆動電流Igoff2に切り換えてターンオフ駆動を継続する。
図2は、サージ電圧検出回路20の電気的構成を示すもので、分圧回路21、オペアンプ22、npn型のトランジスタ23およびコンデンサ24を備えている。分圧回路21は、2個の分圧抵抗21a、21bを直列にした回路で、MOSトランジスタ1のドレインとソースの間に接続され、MOSトランジスタ1のターンオフ時に発生するサージ電圧Vsを、分圧出力Vdivとして出力する。
オペアンプ22は、非反転入力端子に分圧回路21の分圧出力Vdivが入力され、出力端子はトランジスタ23のベースに接続される。トランジスタ23は、コレクタが直流電源VDに接続され、エミッタがコンデンサ24を介してグランドに接続されている。オペアンプ22の反転入力端子はトランジスタ23のエミッタに接続される。
上記の構成により、サージ電圧検出回路20は、MOSトランジスタ1のドレイン-ソース間電圧Vdsを分圧回路21により分圧した分圧電圧Vdivをオペアンプ22にてモニタし、コンデンサ24の端子電圧よりも高くなるとトランジスタ23がオンする。コンデンサ24は、端子電圧が分圧電圧Vdivに等しくなるまで充電される。
この結果、MOSトランジスタ1のドレイン-ソース間電圧Vdsがサージ電圧Vsを経て低下したときに、コンデンサ24の端子電圧はサージ電圧Vsに相当する電圧になるまで充電されることになり、この結果、コンデンサ24の端子電圧としてサージ電圧Vsを検出することができる。
次に、上記構成の作用を説明するに先立って、図9から図14を参照して、AGC技術について概略的に説明するとともに、そのAGC技術における技術的課題から本発明に至った経緯を示す。
すなわち、まず、図9に示すように、ゲート駆動型の半導体スイッチング素子として、例えば2つのMOSトランジスタA、Bを直列に接続した負荷給電回路において、駆動ICによりオンオフの駆動制御を行う構成を対象とする。MOSトランジスタAおよびBの直列回路が直流電源VdとグランドGNDとの間に接続され、MOSトランジスタAとBとの間の共通接続点が誘導性負荷Lに接続される構成である。
駆動ICは、MOSトランジスタBをオフ状態に保持し、MOSトランジスタAをオン駆動することで誘導性負荷Lに直流電源Vdから給電し、MOSトランジスタAをオフ駆動した後にMOSトランジスタBをオン駆動することで誘導性負荷LからグランドGND側に電流を流す。
このとき、MOSトランジスタA、Bをターンオフ駆動する際に、通電系統に介在する寄生インダクタンスLsや誘導性負荷Lのインダクタンスにより発生するサージ電圧が、MOSトランジスタA、Bのドレイン・ソース間に印加された状態となる。MOSトランジスタに耐圧を超えるサージ電圧Vsが印加されるとダメージを受けたり、損傷、破壊に至ったりするので、抑制する必要がある。サージ電圧はターンオフ時間が短いほど大きくなる。
一方で、MOSトランジスタにおいては、ターンオン状態で流れていたドレイン電流がターンオフ駆動時に減少する際に、ドレイン・ソース間電圧Vdsとの積を積分した値に相当するターンオフ損失Ltoffが発生する。つまり、MOSトランジスタに電圧が印加された状態で流れる電流によって発生するターンオフ損失Ltoffは、ターンオフ時間が長いとそれだけ大きくなる。
駆動ICは、上記したサージ電圧Vsを抑制しつつ、ターンオフ損失Ltoffを抑制することが求められる。この場合、図10に示すように、駆動ICにより例えばMOSトランジスタBをターンオフ駆動する際に、ゲート駆動電流Igoffを流すと、ドレイン電圧Vdsが上昇する期間中にドレイン電流Idが減少していくので、これらの積すなわち面積に相当する部分がターンオフ損失Ltoffとなる。
このとき、低速スイッチング動作では、ゲート駆動電流Igoffが小さいため、ドレイン電流Idの変化が小さくなり、ターンオフ時間は長くなる。これにより、サージ電圧Vsは小さく抑制することができるが、ターンオフ損失Ltoffは大きくなる。また、高速スイッチング動作では、ゲート駆動電流Igoffが大きいため、ドレイン電流Idの変化が大きくなり、ターンオフ時間は短くなる。これにより、サージ電圧Vsは大きくなるが、ターンオフ損失Ltoffは小さくすることができる。
MOSトランジスタのターンオフ駆動に関しては、上記のようにサージ電圧Vsの抑制とターンオフ損失Ltoffの抑制は、ゲート駆動電流Igoffのレベルを設定する際にトレードオフの関係となる。これは、例えば、図11に示すように、ゲート駆動電流Igoffをパラメータとしたときのサージ電圧Vsとターンオフ損失Ltoffとの関係が、白丸で示す点を破線で結んだような特性曲線となる。
このため、ゲート駆動電流Igoffを固定的に設定してターンオフ駆動する場合には、図11の破線で示す条件から、サージ電圧Vsが耐圧Vref以下となる条件を満たした範囲で、ターンオフ損失Ltoffをできるだけ低減させるゲート駆動電流Igoffを設定することが一般的であった。
これに対して、本発明が前提とするAGC技術では、図11中の低速スイッチング領域で大きくなっていたターンオフ損失Ltoffについても、実質的にこれを低減できるようにしたターンオフ駆動を実現するものである。
具体的には、図12に示すように、ターンオフ駆動の開始時点では高速スイッチングを行う条件の大きい第1のゲート駆動電流Igoff1を設定し、サージ電圧Vsが高くなる前に低速スイッチングを行う条件の小さい第2のゲート駆動電流Igoff2を設定するように切り替えるものである。
これにより、図12に示しているように、第1のゲート駆動電流Igoff1の期間中はドレイン電圧Vdsの傾きが大となり、ゲート駆動電流が少ない場合に比べて短時間でドレイン電圧Vdsが上昇するので、ターンオフ損失Ltoffを低減している。また、第2のゲート駆動電流Igoff2に切り替わると、ドレイン電圧Vdsの傾きが減少するので、サージ電圧Vsを抑制することができている。
この場合、前提となるAGC制御は、対象となるスイッチング素子の特性ばらつきを考慮して安全サイドで動作させる条件が選択されるので、第1のゲート駆動電流Igoff1から第2のゲート駆動電流Igoff2への切り替えタイミングが最適条件からずれることがあり、ターンオフ損失Ltoffの低減を最適に設定することが難しくなる。また、サージ電圧をモニタしていない構成では、確実にサージ電圧が耐圧の範囲にあるかどうかが不明となる。
そこで、本実施形態においては、第1のゲート駆動電流Igoff1から第2のゲート駆動電流Igoff2への切り替えタイミングをあらかじめ設定しておくのではなく、対象となるスイッチング素子であるMOSトランジスタ1の特性に対応して最適な条件となるように設定する構成が採用されている。またMOSトランジスタ1のサージ電圧Vsをモニタして切り換えタイミングを設定するので、確実に耐圧Vrefよりも低いサージ電圧Vsの条件で駆動させることができる。また、このような切り換えタイミングの設定を常に自動的に実施することで、動作条件が変動する場合でもこれに対応することができる構成となっている。
図13は、第1のゲート駆動電流Igoff1から第2のゲート駆動電流Igoff2への最適な切り換えタイミングおよびその前後でのドレイン電圧Vdsおよびドレイン電流Idとターンオフ損失Ltoffとの関係を4つのパターンで示している。ゲート駆動電流Igoffは、時刻t0で第1のゲート駆動電流Igoff1を流し、切り換えタイミングの時刻txで第2のゲート駆動電流Igoff2に切り替える。
まず、Aの切り替えタイミングが早い場合1のパターンでは、ドレイン電圧Vdsが電源電圧に達する前の時刻txaに切り替えているため、ドレイン電流Idが時刻txの後にも流れ、ターンオフ損失Ltoffを増大させている。一方、サージ電圧Vsは、低く抑えられていて耐圧までまだ余裕がある状態である。
次に、Bの切り替えタイミングが早い場合2のパターンでは、ドレイン電圧Vdsが電源電圧に達した時点txbで切り替えているので、ターンオフ損失Ltoffは比較的最適状態に近づいている。また、サージ電圧Vsについては、耐圧に近づきつつあるが、少し余裕がある状態である。
Cの最適タイミングのパターンでは、ドレイン電圧Vdsが電源電圧と耐圧との間にある時刻txcのタイミングで切り替えられ、ターンオフ損失Ltoffは最も少なくなる状態となり、耐圧も最適な状態である。
そして、Dの切り替えタイミングが遅い場合のパターンでは、ドレイン電圧Vdsがサージ電圧Vsを経た後の時刻txdのタイミングで切り替えられているので、ターンオフ損失Ltoffは少なく抑制されているが、サージ電圧Vsが高くなって耐圧をオーバーした状態となっている。
以上の結果をまとめると、図14に示すようになる。すなわち、MOSトランジスタ1のドレイン電圧Vdsがターンオフ開始時点からターンオフ後に電源電圧に達するまでの期間中において、第1のゲート駆動電流Igoff1から第2のゲート駆動電流Igoff2に切り替えるタイミングに応じて、サージ電圧Vsおよびターンオフ損失Ltoffの大きさが変化する様子が示されている。
上記のように、最適な切り換えタイミングは、Cのパターンの時刻txcであり、サージ電圧Vsは耐圧を満たしており、ターンオフ損失Ltoffも比較的低い値となっている。時刻txcよりも早いタイミングで切り替えるAやBの場合には、サージ電圧Vsは耐圧を満たしているが、ターンオフ損失Ltoffが大きくなっている。そして、時刻txcよりも遅いタイミングで切り替えるDの場合には、ターンオフ損失Ltoffは小さくなっているが、サージ電圧Vsが耐圧を超えている。
この結果から、サージ電圧検出回路20により、Cのパターンに対応するドレイン電圧Vdsを検出した時点txcを切り換えタイミングとして設定するように制御すればよいことがわかる。
次に、本実施形態における具体的な制御内容について、図3から図8を参照して説明する。
まず、図3を参照してサージ電圧検出回路20の動作について説明する。この構成では、MOSトランジスタ1は、ドレインが負荷を介して電源に接続され、ソースがグランドに接続された状態としている。MOSトランジスタ1は、オン状態ではドレイン電圧Vdsはほぼグランドレベルとなっている。
ターンオフ信号によってMOSトランジスタ1がオフ動作されると、ゲートの電位が低下し、閾値電圧近傍に達する時刻taでオフ状態に移行し始め、ドレイン電圧Vdsが上昇し始める。ドレイン電圧Vdsは、MOSトランジスタ1のオフ状態が進行するにしたがって上昇し、負荷の種類や寄生インダクタンスの影響で電源電圧を超えて上昇し、時刻tbでサージ電圧Vsに達する。この後、ドレイン電圧Vdsは下降していって時刻tcで電源電圧になる。
サージ電圧検出回路20においては、このとき、ドレイン電圧Vdsを分圧回路21においてモニタしており、分圧電圧Vdivがオペアンプ22に入力される。初期状態ではコンデンサ24の端子電圧すなわちサージ電圧の検出電圧Vsは0Vであるから、オペアンプ22は、トランジスタ23を駆動してコンデンサ24に充電する。
オペアンプ22によるコンデンサ24への充電動作は、分圧電圧Vdivがサージ電圧Vsに相当する電圧に達するまで行われる。MOSトランジスタ1のドレイン電圧Vdsが時刻tbを過ぎて低下し始めると、分圧電圧Vdivも低下するので、オペアンプ22はトランジスタ23の駆動を停止し、サージ電圧の検出電圧Vsは保持された状態となる。この結果、サージ電圧検出回路20により、MOSトランジスタ1のドレイン電圧Vdsがピーク値となるときのサージ電圧Vsが検出できる。
次に、図4から図8を参照してゲート駆動装置10による遅延時間Tdの調整制御について説明する。図4は、ゲート駆動装置10がMOSトランジスタ1のゲートに与えるゲート駆動電流の時間推移とこのときのMOSトランジスタ1のドレイン電圧Vdsの時間推移を示している。
図示のように、ゲート駆動装置10は、ターンオフ開始信号が与えられると、オン状態のMOSトランジスタ1に対して、時刻t1において第1のゲート駆動電流Igoff1でゲートから電荷を流す。MOSトランジスタ1のゲート電圧が低下してくると、ドレイン電圧Vdsが時刻t2で上昇し始める。この後、ゲート駆動装置10は、時刻t1から遅延時間Tdが経過した時刻t3になると、第1のゲート駆動電流Igoff1から第2のゲート駆動電流Igoff2に切り換える。
MOSトランジスタ1のドレイン電圧Vdsは、少し緩やかな変化で上昇するようになり、電源電圧を超えて上昇して時刻t4でピーク電圧すなわちサージ電圧Vsに達する。以後、MOSトランジスタ1のドレイン電圧Vdsは、低下し始め、時刻t5で電源電圧に落ち着くようになる。
図5は、ゲート駆動装置10による遅延時間Tdの調整制御についての流れを示している。以下、ゲート駆動装置10内の各部における動作を図5の流れに従って説明する。ゲート駆動装置10は、オン状態に駆動制御しているMOSトランジスタ1に対して、外部からターンオフ開始信号が入力されると、以下のようなターンオフ駆動の制御を常時実施している。
まず、ゲート駆動装置10は、ステップS100で、遅延時間Tdの初期値としてTd0を設定する。遅延時間Tdは、遅延回路50が駆動電流出力部60に対して設定する信号の値であり、駆動電流出力部60は、遅延時間Tdが経過してタイミング信号が与えられた時点がゲート駆動電流Igoffを第1のゲート駆動電流Igoff1から第2のゲート駆動電流Ioff2に切り替えるタイミングとなる。
この場合、遅延時間Tdの初期値Td0の値は、MOSトランジスタ1の特性ばらつきを考慮してサージ電圧Vsが耐圧を超えない範囲の値に設定される。すなわち、この初期値Td0は、MOSトランジスタ1は破壊に至ることがない安全側であるが、ターンオフ損失Ltoffが大きくなる値に設定されている。
次に、ゲート駆動装置10は、ステップS110で、駆動電流出力部60によりMOSトランジスタ1のターンオフ駆動を開始する。ここでは、駆動電流出力部60は、MOSトランジスタ1のゲートに対して、第1のゲート駆動電流Igoff1で電荷を放電させるように動作する。駆動電流出力部60は、遅延時間Tdが経過してタイミング信号が与えられると、第2のゲート駆動電流Igoff2に切り換えてMOSトランジスタ1のゲートの電荷を放電させるようになる。
これにより、ターンオン状態であったMOSトランジスタ1は、時刻t1で第1のゲート駆動電流Igoff1でターンオフのゲート駆動が開始され、ゲート電圧が低下して閾値電圧に達すると、ドレイン電圧Vdsが上昇し始める。ドレイン電圧Vdsが上昇している途中で、時刻t3になると、ゲート駆動電流Igoffが第1のゲート駆動電流Igoff1よりも小さい第2のゲート駆動電流Igoff2に切り替えられる。これにより、ドレイン電圧Vdsの上昇する傾きは第1のゲート駆動電流Igoff1の時よりも小さくなる。
この後、ドレイン電圧Vdsは電源電圧を超えて上昇し、時刻t4でサージ電圧Vsに達した後に時刻t5で電源電圧に戻る。この結果、時刻t5で、MOSトランジスタ1はターンオフされ、ゲートの電荷も放電されたため、第2のゲート駆動電流Igoff2はゼロになる。
次に、ステップS120で、サージ電圧検出回路20は、MOSトランジスタ1のドレイン電圧Vdsが時刻t4でピーク値すなわちサージ電圧Vsに達したことで、これをホールドしてサージ電圧Vsとして第1コンパレータ30、および第2コンパレータ40に入力する。
このサージ電圧Vsは、第1コンパレータ30および第2コンパレータ40により、前述した式(2)で示す適正許容値の範囲にあるか否かが判定される。まず、ステップS130で、第1コンパレータ30は、サージ電圧検出回路20から入力されたサージ電圧Vsのレベルが判定レベルVref_α 以上であるか否かを判定する。
この場合、前述したように、遅延時間Tdの初期値Td0が短く設定されているので、サージ電圧Vsも小さく、適正許容値の範囲に達していない状態が想定されている。これにより、ステップS130では、初期的にはNOと判断されてステップS140に移行し、遅延時間Tdを前回の遅延時間Tdに対して所定時間ΔTだけ長く設定する。
遅延時間Tdを長くするように変更することは、ゲート駆動電流Igoffとして、高いレベルの第1のゲート駆動電流Igoff1を流す期間を長くすることであり、これによって、サージ電圧Vsが増大することとなる。このとき増大したサージ電圧Vsが上記した適正許容値の範囲を超えて大きな値とならないように、所定時間ΔTの値は適切な時間に設定されている。
この後、MOSトランジスタ1は再びターンオン駆動された状態となり、次のターンオフ開始信号が与えられたときに、ゲート駆動装置10は、ステップS110に戻り、駆動電流出力部60によりMOSトランジスタ1のターンオフ駆動を開始する。このとき、駆動電流出力部60は、第1のゲート駆動電流Igoff1でMOSトランジスタ1のゲート電荷の放電を開始し、新たに設定された遅延時間Tdが経過してタイミング信号があたえられると、第2のゲート駆動電流Igoff2に切り換える。
これにより、ターンオン状態であったMOSトランジスタ1は、時刻t1においてゲート駆動電流Igoff1でターンオフのゲート駆動が開始され、ゲート電圧が低下して閾値電圧に達すると、ドレイン電圧Vdsが上昇し始める。ドレイン電圧Vdsが上昇している途中で、時刻t3になると、ゲート駆動電流Igoffが第1のゲート駆動電流Igoff1よりも小さい第2のゲート駆動電流Igoff2に切り替えられる。これにより、ドレイン電圧Vdsの上昇する傾きは第1のゲート駆動電流Igoff1の時よりも小さくなる。
この後、ドレイン電圧Vdsは電源電圧を超えて上昇し、時刻t4でサージ電圧Vsに達した後に時刻t5で電源電圧に戻る。この結果、時刻t5で、MOSトランジスタ1はターンオフされ、ゲートの電荷も放電されたため、第2のゲート駆動電流Igoff2はゼロになる。
次に、ステップS120で、サージ電圧検出回路20は、MOSトランジスタ1のドレイン電圧Vdsが時刻t4でピーク値すなわちサージ電圧Vsに達したことで、これをホールドしてサージ電圧Vsとして第1コンパレータ30、および第2コンパレータ40に入力する。このとき、第1のゲート駆動電流Igoff1の時間が長くなっていることから、サージ電圧Vsは前回よりも高い値となる。
例えば、サージ電圧Vsが判定レベルVref_α とVref_β との間の電圧つまり適正許容値の範囲に達した場合には、ステップS130で、第1のコンパレータ30は、YESと判定してステップS150に移行する。さらに、ステップS150では、第2のコンパレータ40は、サージ電圧Vsが判定レベルVref_β よりも小さいことからYESとなり、ステップS160に進む。ステップS160では、実質的には何も実施しないが、遅延時間Tdを変更せず、前回設定した遅延時間Tdを維持した状態でステップS110に戻る。
なお、サージ電圧Vsがまだ適正許容値の範囲に入らない場合で、ステップS130でNOとなる場合には、まだ遅延時間Tdが短いため、ステップS140で再び遅延時間Tdに所定時間ΔTが加算される。以下、同様にして、ステップS110~S130を実行し、ターンオフ時のサージ電圧Vsが適正許容値の範囲となるまで遅延時間Tdが変更設定される。
このようにして、サージ電圧Vsが適正許容値の範囲すなわち判定レベルVref_α以上で、且つ判定レベルVref_β未満になると、ステップS130およびS150にてYESとなり、このとき設定している遅延時間Tdが適切な遅延時間に設定されていることとなり、ステップS160では、この遅延時間Tdを変更設定することなく保持された状態となる。
一方、何らかの変動要素によって上記のようにして設定された遅延時間Tdでも、サージ電圧Vsの値が適正許容値の範囲を外れてしまうことがある。例えば、サージ電圧Vsが判定レベルVref_α よりも小さくなった場合には、ステップS130でNOと判断され、ステップS140で、遅延時間Tdに所定時間ΔTだけ加算した値に再設定する。
また、サージ電圧Vsが判定レベルVref_β 以上に大きくなった場合には、ステップS150でNOと判断され、ステップS170で、遅延時間Tdを所定時間ΔTだけ減算した値に再設定する。
このように、サージ電圧Vsが変動して適正許容値の範囲を外れた場合でも、その都度、遅延時間Tdを調整して再設定することで、再び適正許容値の範囲内に入るように制御することができる。
次に、上記の遅延時間Tdの調整処理は、図6で示すように、3つの状態を経て適正値となるように実施されている。遅延時間Tdが初期値Td0に設定された状態では、図6中、左側に示しているように、ターンオフ時の第1のゲート駆動電流Igoff1で時刻t1に通電を開始すると、ゲート電圧が閾値電圧に近づいてドレイン電圧Vdsが時刻t2で上昇し始める。このときのドレイン電圧Vdsの上昇の傾きは大きい。
この後、初期値Td0に設定された遅延時間Tdが経過した時刻t3になると、第2のゲート駆動電流Igoff2に切り替えられ、ドレイン電圧Vdsの上昇の傾きは小さくなる。ドレイン電圧Vdsは、電源電圧を超えて上昇し、時刻t4でサージ電圧Vsに達してから下降していく。ドレイン電圧Vdsは時刻t5で電源電圧に等しくなる。MOSトランジスタ1はオフ状態となるので、ゲート駆動電流Igoffはゼロになる。
制御開始直後の遅延時間Td0は短く設定されているので、サージ電圧Vsは適正許容値の範囲すなわち、判定値Vref_α に達していない程度の低い値となる。したがって、耐圧に対する余裕は大きく耐圧をオーバーすることはないが、ドレイン電圧Vdsが上昇する期間が長いため、ターンオフ損失Ltoffは大きい状態である。
このため、遅延回路50により遅延時間Tdは調整され、所定時間ΔTだけ加算される。遅延時間Tdが調整されると、図6中、中央に示されるように、時刻t2から時刻t3までの時間が長くなり、ドレイン電圧Vdsの上昇傾きが大きい状態の期間が長くなり、サージ電圧Vsは大きくなる。
このようにして、遅延回路50により遅延時間Tdが調整され、最適な値に設定されると、図6中、右側に示しているように、サージ電圧Vsが適正許容値の範囲すなわち判定値Vref_α とVref_β との間に入る。これによって、サージ電圧Vsが耐圧Vrefを超えない範囲で、ターンオフ損失Ltoffを抑制した遅延時間Tdを設定することができる。
このように遅延時間Tdを最適な値に設定した状態では、図7に示すように、サージ電圧Vsは、適正許容値の範囲に入るように調整される。図中、サージ電圧Vsが適正許容値の範囲よりも小さい領域となる場合には、遅延時間Tdが増加されるように調整することとなり、逆に、サージ電圧Vsが適正許容値の範囲よりも大きい領域となる場合には、遅延時間Tdが短縮されるように調整することとなる。
なお、前述のように、遅延時間Tdを最適な値に調整設定した場合でも、例えば、電源電圧が上昇するなどの環境変化が生ずると、図8に示すように、サージ電圧Vsが適正許容値の範囲を超えた大きいサージ電圧Vsxになることがある。このような場合に備えて、サージ電圧Vsの適正許容値の範囲は耐圧Vrefに対して一定のマージンをもって設定されている。これにより、サージ電圧Vsxは、短縮調整の領域に入るので、前述した図5の流れに従って、遅延時間Tdは短くなるように再調整される。
このような第1実施形態によれば、MOSトランジスタ1を駆動電流出力部60により高い第1のゲート駆動電流Igoff1から低い第2のゲート駆動電流Igoff2に切り換えるときの切り替えタイミングを、サージ電圧検出回路20およびコンパレータ30、40および遅延回路50を設けて遅延時間Tdとして設定する構成とした。
これにより、サージ電圧検出回路20により検出するサージ電圧Vsのレベルが、耐圧Vrefに対して少し低く設定された適正許容値の範囲に入るように遅延時間Tdを設定することができ、MOSトランジスタ1の特性のばらつきや、特性の経年変化にも対応して常に適正な遅延時間Tdで駆動させることができる。この結果、耐圧Vrefを超えない範囲で、且つターンオフ損失Ltoffを最も低くしてターンオフ駆動させることができる。
また、上記のように、サージ電圧Vsのレベルを、耐圧Vrefに対してマージンを持って設定する適正許容値の範囲に入るように遅延時間Tdを調整するので、電源電圧の変動にも対応してサージ電圧Vsが耐圧Vrefを超えるのを抑制することができる。
(第2実施形態)
図15から図19は第2実施形態を示すもので、第1実施形態で用いた遅延回路50の具体的な構成について示している。図15は、遅延回路50の構成型をA~Dの4つの型で示している。遅延回路50の機能として、遅延時間Tdを変更設定する機能を達成する必要がある。
構成型のA型は、回路方式としてCR時定数により調整する構成で、抵抗値を変更することで調整を行うものである。B型は、回路方式として定電流でコンデンサに充電を行い、閾値電圧に達した時点までを遅延時間とする構成で、定電流の値を変更することで調整を行うものである。
C型は、回路方式としてインバータ回路で発生する遅延時間を利用して、複数個のインバータ回路を直列に設ける構成で、個数を変更することで遅延時間を調整するものである。D型は、回路方式として発信回路とカウンタを設ける構成で、カウント値を変更することで遅延時間を調整するものである。
以下、具体例について一例を示す。図16は、A型の遅延回路100を示している。端子Pへの入力信号Sinを遅延時間Tdが経過した時点で端子Qから出力信号Soutとして出力する構成である。入力信号Sinは、ターンオフ開始信号に相当し、出力信号Soutは遅延時間Tdの切り替えタイミング信号となる。また、調整信号はコンパレータ30、40の検出結果から遅延時間Tdを長くするか短くするかに応じた信号として入力される。
直列接続した複数の抵抗101とコンデンサ102からなるCR時定数回路が設けられており、各抵抗101の両端子には短絡用のアナログスイッチ103が接続されている。複数のアナログスイッチ103は、調整回路104によりオンオフの制御が行われる。バッファ回路105は、コンデンサ102の端子電圧が閾値電圧に達するとハイレベルの信号を端子Qに出力する。
上記構成において、調整回路104は、初期的にはアナログスイッチ103を所定個数オン状態として短いCR時定数を設定する。これにより、遅延時間Td0に相当する遅延時間Tdを設定する。調整信号が入力されて遅延時間Tdを変更設定する場合には、調整回路104は、オン状態のアナログスイッチ103をオフさせることにより抵抗101を有効にし、CR時定数を長くあるいは短くすることができる。これにより、遅延時間Tdを所定時間ΔTだけ変更設定することができる。
図17は、B型の遅延回路200を示している。電流値を調整することができる定電流回路201とMOSトランジスタ202を直列に接続して電源とグランドとの間に接続している。定電流回路201は、定電流値が電流調整回路201aにより変更設定される。電流調整回路201aは、調整信号に応じて電流値を変更設定する。
MOSトランジスタ202のゲートは、端子Pへの入力信号Sinをインバータ回路203で反転した信号が与えられる。コンデンサ204は、定電流回路201により充電される。コンデンサ204の端子電圧が閾値電圧に達するとバッファ回路205からハイレベルの信号を端子Qに出力する。
ハイレベルの入力信号Sinが入力されると、MOSトランジスタ202はオン状態からオフ状態に変化する。コンデンサ204は、電荷が放電されていた状態から、定電流回路201で設定された定電流で充電が開始される。コンデンサ204への充電が進んで、遅延時間が経過して端子電圧が閾値電圧に達するとハイレベルの信号Soutが端子Qに出力される。
上記構成において、電流調整回路201aは、初期的には定電流回路201の定電流値を大きい値に設定してコンデンサ204の端子電圧が早く上昇するように設定されている。これにより、遅延時間Td0に相当する遅延時間Tdを設定する。調整信号が入力されて遅延時間Tdを変更設定する場合には、電流調整回路201aは、定電流値を所定値だけ変更することでコンデンサ204の充電時間を長くあるいは短くする。これにより、遅延時間Tdを所定時間ΔTだけ変更設定することができる。
図18は、C型の遅延回路300を示している。遅延回路300においては、遅延時間をつくるためのインバータ301が2個を一組として複数組が直列に接続されている。直列接続された複数個のインバータ301は、初段の入力端子は端子Pに接続され、終段のものの出力端子はアナログスイッチ302を介して端子Qに接続されている。また、端子Qは、端子Pとの間に別のアナログスイッチ302が接続され、さらに、2個ずつのインバータ301の接続点との間にもそれぞれ別々のアナログスイッチ302が接続されている。複数のアナログスイッチ302は、調整回路303によりオンオフの制御が行われる。
上記構成において、調整回路303は、初期的にはあらかじめ設定されたアナログスイッチ302をオン状態として所定個数のインバータ301を端子PとQとの間に接続した状態に設定する。これにより、端子Pへの入力信号Sinは、所定個数のインバータ301を介してオン状態のアナログスイッチ302から端子Qに出力信号Soutとして出力される。このとき、経由したインバータ301の個数分の遅延時間により遅延時間Td0に相当する遅延時間Tdが設定される。
また、調整信号が入力されて遅延時間Tdを変更設定する場合には、調整回路302は、オン状態のアナログスイッチ302をオフさせ、隣接するアナログスイッチ302をオンさせることにより、経由するインバータ301の個数を2個変更した状態にする。これにより、遅延時間Tdを所定時間ΔTだけ変更設定することができる。
図19は、D型の遅延回路400を示している。遅延回路400においては、端子Pは、リングオシレータ401、カウンタ402およびコンパレータ403を介して端子Qに接続される。コンパレータ403の他方の入力端子にはレジスタ404が接続される。
リングオシレータ401は、端子Pの入力信号Sinによりトリガが与えられると、所定周波数のパルス信号をカウンタ402に出力する。コンパレータ403は、カウンタ402から入力されるパルスのカウント信号のレベルがレジスタ404により設定された参照レベルに達すると端子Qに出力信号Soutを出力する。レジスタ404は、遅延時間を設定するための調整信号が入力されると、遅延時間を変更設定した参照レベルの信号をコンパレータ403に出力する。
上記構成において、レジスタ404は、初期的にはあらかじめ設定された参照レベルの信号をコンパレータ403に出力している。これにより、カウンタ402によりパルス信号が参照レベルに達するまでの時間が遅延時間Td0に相当する遅延時間Tdとして設定される。
また、調整信号が入力されて遅延時間Tdを変更設定する場合には、レジスタ404は、参照レベルを所定値だけ変更設定することで、カウンタ402によるパルス信号のカウント数を増加あるいは減少させ、これにより、遅延時間Tdを所定時間ΔTだけ変更設定することができる。
以上により、第1実施形態における遅延回路50では、上記したA型からD型までの種々の遅延回路100~400を用いることで遅延時間を設定することができる。
なお、遅延回路は、上記の他にも一般的な遅延回路を採用することができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能であり、例えば、以下のように変形または拡張することができる。
上記実施形態においては、遅延時間Tdの調整の制御をMOSトランジスタ1の駆動制御中において常に実施する場合で説明したが、遅延時間Tdの調整の制御は、装置の始動時に実施しても良いし、装置の稼働中の所定のタイミングで定期的に実施しても良い。
上記実施形態においては、サージ電圧Vsの狙い値として式(2)で示す適正許容値の範囲として設定しているが、この範囲の設定は、制御性を考慮して適宜の範囲に設定することができる。
また、上記実施形態においては、サージ電圧検出回路20を設ける構成としたが、サージ電圧Vsは、他の検出構成を採用することもできる。
上記実施形態においては、ゲート駆動型のスイッチング素子としてMOSトランジスタ1を対象としたが、絶縁ゲート型のバイポーラトランジスタIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を制御対象とすることもできる。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
図面中、1はMOSトランジスタ(ゲート駆動型のスイッチング素子)、10はゲート駆動装置、20はサージ電圧検出回路、21は分圧回路、24はコンデンサ、30は第1コンパレータ、40は第2コンパレータ、50は遅延回路、60は駆動電流出力部、100、200、300、400は遅延回路である。

Claims (6)

  1. ゲート駆動形のスイッチング素子をオンまたはオフのゲート駆動時にゲートを駆動制御するゲート駆動装置であって、
    前記スイッチング素子のターンオフ時のドレイン-ソース間電圧もしくはコレクタ-エミッタ間電圧のピーク電圧をサージ電圧として検出するサージ電圧検出回路(20)と、
    ターンオフ開始信号が与えられると、設定された遅延時間が経過するとタイミング信号を出力する遅延回路(50)と、
    前記ターンオフ開始信号が与えられると、前記スイッチング素子のゲートに対して第1ゲート駆動電流を流し始め、前記遅延回路から前記タイミング信号が出力されると前記第1ゲート駆動電流よりも低い第2ゲート駆動電流を流す駆動電流出力部(60)とを備え、
    前記遅延回路は、前記サージ電圧検出回路により検出される前記サージ電圧が狙い値と異なるときに、前記遅延時間を変更設定するように構成されるゲート駆動装置。
  2. 前記狙い値は、判定レベル下限値および上限値で規定される適正許容値の範囲として設定されている請求項1に記載のゲート駆動装置。
  3. 前記狙い値は、前記スイッチング素子の耐圧に対して所定のマージンを設定した値に設定されている請求項1または2に記載のゲート駆動装置。
  4. 前記遅延回路は、前記サージ電圧検出回路により検出される前記サージ電圧が前記狙い値よりも小さいときに前記遅延時間を所定時間だけ長く設定し、前記サージ電圧が前記狙い値よりも大きいときに前記遅延時間を所定時間だけ短く設定する請求項1から3のいずれか一項に記載のゲート駆動装置。
  5. 前記遅延回路は、前記サージ電圧検出回路により検出される前記サージ電圧と前記狙い値とを比較するコンパレータを備える請求項1から4のいずれか一項に記載のゲート駆動装置。
  6. ゲート駆動型の2つの半導体スイッチング素子を直列接続して共通接続点から誘導性負荷に給電する構成の負荷給電回路であって、
    前記2つの半導体スイッチング素子を交互にオンオフ駆動制御する請求項1から5のいずれかに記載のゲート駆動装置を備えた負荷給電回路。
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