JP6345371B1 - 誘電体フィルタ - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、導波管−ストリップ線路変換器においては信号入出力用プローブとして誘電体導波管に導体パターンを挿入するため、信号入出力用プローブ部の形状、およびこのプローブと相対向する導波管壁となる導体層との間隙において設計自由度の向上が図れることから、低損失な誘電体フィルタを提供できる。
実施例1.
図1および図2は、この発明の実施の形態1に係る誘電体フィルタを示す図である。
図1は導体層、ストリップ線路、プローブ、ヴィア、開口等の配列を示した分解斜視図である。
図2の(a)は図1のA−Aに沿った縦断面図、
図2の(b)は図2の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図2の(c)は図2の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
この実施の形態1では、主に多層誘電体基板1001の積層方向に導体層2001−2008からなる導体パターンと導体柱からなるヴィア3018,3024,3057とから形成した誘電体導波管9101と、多層誘電体基板1001の平面方向に形成された2本のストリップ線路6003,6006と、誘電体導波管9101と各ストリップ線路6003,6006間の伝送線路変換を行う2つのストリップ線路−導波管変換器9001と、から成る誘電体フィルタについて説明する。
導体層2002は、導体層2001と相対向して、多層誘電体基板1001の内層に配置されている。
導体層2003は、背面側に導体層2001がある導体層2002と相対向して、多層誘電体基板1001の内層に配置されている。
導体層2004は、背面側に導体層2002がある導体層2003と相対向して、多層誘電体基板1001の内層に配置されている。
導体層2005は、背面側に導体層2003がある導体層2004と相対向して、多層誘電体基板1001の内層に配置されている。
導体層2006は、背面側に導体層2004がある導体層2005と相対向して、多層誘電体基板1001の内層に配置されている。
導体層2007は、背面側に導体層2005がある導体層2006と相対向して、多層誘電体基板1001の内層に配置されている。
導体層2008は、背面側に導体層2006がある導体層2007と相対向して、導体層2001が配置された側とは反対側の多層誘電体基板1001の表層に配置されている。
開口4002から開口4007は、対向して配置されている。すなわち、開口4002から開口4007は、積層方向に重なる位置にある。
なお、開口4002から開口4007のそれぞれの内側は、中空の空洞ではなく、例えば、図2(a)の両側のヴィア3018の外側の多層誘電体基板1001と同様の誘電体が詰まっている状態にあり、この状態をドット柄で示している(以下同様)。
ストリップ線路6006は、導体層2006の一部が削除されて配置されている。
プローブ5006は、一端がストリップ線路6006に接続され、他端が開口4006の中に配置されている。
ヴィア3024は、ストリップ線路6003の長手方向の積層方向に沿った両側面に沿うとともに、導体層2002から導体層2004にかけて、多層誘電体基板1001および導体層2003とを貫いて複数個配置されている。
ヴィア3057は、ストリップ線路6006の長手方向の積層方向に沿った両側面に沿うとともに、導体層2005から導体層2007にかけて、多層誘電体基板1001および導体層2006とを貫いて複数個配置されている。
多層誘電体基板1001の平面方向から積層方向にかけて、導体層2006、導体層2007、導体層2008、ヴィア3018、プローブ5006、開口4006、開口4007からストリップ線路−導波管変換器9002が形成されている。
なお、このシミュレーションは、実施の形態1による誘電体フィルタにおいて、ストリップ線路6003からストリップ線路6006までを伝搬する高周波信号について計算した結果である。ここでは、図3に実線Aで示す通過特性、破線Bで示す反射特性に関して、比帯域幅120%の範囲で示している。
また、反射特性Bに着目すると、通過域端減衰量−3dBとなる通過域比帯域幅は0.4、阻止域端減衰量−10dBとなる阻止域比帯域幅は0.9となっていることが分かる。
よって、多層誘電体基板1001の平面方向に対して小形な帯域通過型の誘電体フィルタを得ることができる効果を奏する。
実施例1に係わる図1の例では、プローブ5003およびプローブ5006の幅が、ストリップ線路6003およびストリップ線路6006の幅と同じ寸法の誘電体フィルタについて示した。しかし、この発明は、このような構成に限るものではなく、プローブ5003またはプローブ5006の幅が、ストリップ線路6003またはストリップ線路6006の幅と異なる寸法で設けられている誘電体フィルタとしてもよい。
図4および図5は、プローブ5103およびプローブ5106の幅が、ストリップ線路6003およびストリップ線路6006の幅よりも広い寸法で設けられたこの発明の実施の形態1による誘電体フィルタを示す図である。
図4は導体層、ストリップ線路、プローブ、ヴィア、開口等の配列を示した分解斜視図である。
図5の(a)は図4のA−Aに沿った縦断面図、
図5の(b)は図5の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図5の(c)は図5の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
多層誘電体基板1001の平面方向から積層方向にかけて、導体層2006、導体層2007、導体層2008、ヴィア3018、プローブ5106、開口4006、開口4007からストリップ線路−導波管変換器9012が形成されている。
実施の形態1の実施例1に係わる図1および図2の例では、プローブ5003とプローブ5006が、誘電体導波管9101の管壁のうち同じ壁面側から管軸方向に向けて配置されている誘電体フィルタについて示した。
しかし、この発明は、このような構成に限るものではなく、プローブ5003とプローブ5006が、誘電体導波管9101の管壁のうちの異なる壁面側から管軸方向に向けて配置されている誘電体フィルタとしてもよい。
図6および図7は、2つのプローブが、誘電体導波管の管壁のうち、対向する壁面側からそれぞれ管軸方向に向けて設けられたこの発明の実施の形態1による誘電体フィルタを示す図である。
図6は導体層、ストリップ線路、プローブ、ヴィア、開口等の配列を示した分解斜視図である。
図7の(a)は図6のA−Aに沿った縦断面図、
図7の(b)は図7の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図7の(c)は図7の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
また、プローブ5206は、一端がストリップ線路6006に接続され、他端が開口4006の中に配置されている。
ヴィア3124は、ストリップ線路6003の長手方向の積層方向に沿った両側面に沿うとともに、開口4002と開口4003と開口4004の縁の一部において、導体層2002から導体層2004にかけて、多層誘電体基板1001および導体層2003とを貫いて複数個配置されている。
ヴィア3157は、ストリップ線路6006の長手方向の積層方向に沿った両側面に沿うとともに、開口4005と開口4006と開口4007の縁の一部において、導体層2005から導体層2007にかけて、多層誘電体基板1001、導体層2006とを貫いて複数個配置されている。
多層誘電体基板1001の平面方向から積層方向にかけて、導体層2006、導体層2007、導体層2008、ヴィア3018、ヴィア3157、プローブ5206、開口4006、開口4007からストリップ線路−導波管変換器9022が形成されている。
実施の形態1の実施例1に係わる図1および図2の例では、開口4002から開口4007が、同じ開口径で設けられている誘電体フィルタについて示した。しかし、これに限るものではなく、各開口を異なる開口径で設けている誘電体フィルタとしてもよい。
図8および図9は、ストリップ線路−導波管変換器におけるプローブから短絡面までの誘電体導波管部分、すなわちバックショート導波管における導体層の開口径が、誘電体導波管における導体層の開口径よりも小さくなるよう設けられたこの発明の実施の形態1による誘電体フィルタを示す図である。広義には、バックショート導波管は、管軸と直交する断面での管内形状が誘電体導波管と異なる。
図8は導体層、ストリップ線路、プローブ、ヴィア、開口等の配列を示した分解斜視図である。
図9の(a)は図8のA−Aに沿った縦断面図、
図9の(b)は図9の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図9の(c)は図9の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
また、開口4107は、開口4004および開口4005よりも小さい寸法で、導体層2007の一部が削除されることで設けられている。
多層誘電体基板1001の平面方向から積層方向にかけて、導体層2006、導体層2007、導体層2008、ヴィア3018、プローブ5006、開口4006、開口4107からストリップ線路−導波管変換器9032が形成されている。
ストリップ線路−導波管変換器9031におけるプローブ5003から短絡面(バックショート)となる導体層2001までの誘電体導波管部分の管内波長、および
ストリップ線路−導波管変換器9032におけるプローブ5006(5003)から短絡面となる導体層2008までの誘電体導波管部分の管内波長、を長くできることから、設計自由度の向上が図れる。また、図1および図2の例と同様の効果が得られる。
なお、開口4003と開口4004と開口4005と開口4006の開口径よりも、開口4102および開口4107の開口径を大きくすることで、図1および図2の例よりも、
ストリップ線路−導波管変換器9031におけるプローブ5003から短絡面(バックショート)となる導体層2001までの誘電体導波管部分の管内波長、および
ストリップ線路−導波管変換器9032におけるプローブ5006(5003)から短絡面(バックショート)となる導体層2008までの誘電体導波管部分の管内波長、を短くできることから設計自由度の向上が図れる。また、図1および図2の例と同様の効果が得られる。
図10および図11は、誘電体導波管における開口径が、ストリップ線路−導波管変換器におけるプローブから短絡面までの誘電体導波管部分、すなわちバックショート導波管の開口径よりも小さくなるよう設けられたこの発明の実施の形態1による誘電体フィルタを示す図である。
図10は導体層、ストリップ線路、プローブ、ヴィア、開口等の配列を示した分解斜視図である。
図11の(a)は図10のA−Aに沿った縦断面図、
図11の(b)は図11の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図11の(c)は図11の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
また、図10および図11の例では、開口4105は、開口4002と開口4003と開口4006と開口4007よりも小さい寸法で、導体層2005の一部が削除されることで設けられている。
実施の形態1の実施例1に係わる図1および図2の例では、開口4002から開口4007が、同じ開口形状で設けられている誘電体フィルタについて示した。しかし、これに限るものではなく、各開口を異なる開口形状で設けている誘電体フィルタとしてもよい。
図12および図13は、ストリップ線路−導波管変換器におけるプローブから短絡面までの誘電体導波管部分(バックショート)における導体層の開口形状がダンベル状に設けられたこの発明の実施の形態1による誘電体フィルタを示す図である。
図12は導体層、ストリップ線路、プローブ、ヴィア、開口等の配列を示した分解斜視 図である。
図13の(a)は図12のA−Aに沿った縦断面図、
図13の(b)は図13の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図13の(c)は図13の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
ここでダンベル状とは、図12に示すように細長い形状の開口4202の長手方向の中央部の幅を凹部7002a,7002bで示した部分のように狭くした形状を意味する。
図14および図15は、ストリップ線路−導波管変換器におけるプローブから短絡面までの誘電体導波管部分(バックショート)における導体層の開口形状をH形にしたこの発明の実施の形態1による誘電体フィルタを示す図である。
図14は導体層、ストリップ線路、プローブ、ヴィア、開口等の配列を示した分解斜視図である。
図15の(a)は図14のA−Aに沿った縦断面図、
図15の(b)は図15の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図15の(c)は図15の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
ここでH形とは、図14に示すように細長い形状の開口4302の短手方向の中央部の幅を凹部7102a,7102bで示した部分のように狭くした形状を意味する。
実施の形態1の実施例1に係わる図1および図2の例では、開口4002から開口4007を矩形の開口形状で設けている誘電体フィルタについて示した。しかし、これに限るものではなく、任意の開口径状で設けている誘電体フィルタとしてもよい。
図16および図17は各開口が楕円形状で設けられたこの発明の実施の形態1による誘電体フィルタを示す図である。
図16は導体層、ストリップ線路、プローブ、ヴィア、開口等の配列を示した分解斜視図である。
図17の(a)は図16のA−Aに沿った縦断面図、
図17の(b)は図17の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図17の(c)は図17の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
実施例1.
上記実施の形態1では、2つのストリップ線路−導波管変換器と誘電体導波管から構成された誘電体フィルタについて説明した。しかし、これに限るものではなく、ストリップ線路−導波管変換器または誘電体導波管にフィルタ機能を追加した構造の誘電体フィルタとしてもよい。
図18および図19は、ストリップ線路−導波管変換器のプローブに共振器として共振導体を付加したこの発明の実施の形態2による誘電体フィルタを示す図である。
図18の(a)は導体層、ストリップ線路、プローブ、共振導体、ヴィア、開口等の配列を示した分解斜視図、図18の(b)はプローブの拡大図である。
図19の(a)は図18のA−Aに沿った縦断面図、
図19の(b)は図19の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図19の(c)は図19の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
プローブ5306は、一端がストリップ線路6006に接続され、他端が図18の(b)に示すように開口4006の中に配置された共振導体5406に接続されている。
共振導体5406は、プローブ5306に接続された一端から、2分岐された先の各開放端までの長さが、高周波信号の伝搬を阻止したい周波数に対して1/4波長となるよう設けられている。
実施の形態2の実施例1に係わる図18および図19の例では、ストリップ線路−導波管変換器のプローブに共振器を付加した誘電体フィルタについて説明した。しかし、これに限るものではなく、誘電体導波管に共振器を加えた構造の誘電体フィルタとしてもよい。
図20および図21は、誘電体導波管の一部を共振器(共振空間)としたこの発明の実施の形態2による誘電体フィルタを示す図である。
図20は導体層、ストリップ線路、プローブ、共振器(共振空間)、ヴィア、開口等の配列を示した分解斜視図である。
図21の(a)は図20のA−Aに沿った縦断面図、
図21の(b)は図21の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図21の(c)は図21の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
導体層20010、導体層20020、導体層20030、導体層20040、導体層20050、導体層20060、導体層20070、導体層20080、導体層20090、導体層20100、導体層20110、
ヴィア31110、ヴィア30240、ヴィア38100、ヴィア30570、
ストリップ線路60030、ストリップ線路60090、プローブ50030、プローブ50090が設けられている。
導体層20020は、導体層20010と相対向して、多層誘電体基板10010の内層に配置されている。
導体層20030は、背面側に導体層20010がある導体層20020と相対向して、多層誘電体基板10010の内層に配置されている。
導体層20040は、背面側に導体層20020がある導体層20030と相対向して、多層誘電体基板10010の内層に配置されている。
導体層20050は、背面側に導体層20030がある導体層20040と相対向して、多層誘電体基板10010の内層に配置されている。
導体層20060は、背面側に導体層20040がある導体層20050と相対向して、多層誘電体基板10010の内層に配置されている。
導体層20070は、背面側に導体層20050がある導体層20060と相対向して、多層誘電体基板10010の内層に配置されている。
導体層20080は、背面側に導体層20060がある導体層20070と相対向して、多層誘電体基板10010の内層に配置されている。
導体層20090は、背面側に導体層20070がある導体層20080と相対向して、多層誘電体基板10010の内層に配置されている。
導体層20100は、背面側に導体層20080がある導体層20090と相対向して、多層誘電体基板10010の内層に配置されている。
導体層20110は、背面側に導体層20090がある導体層20100と相対向して、導体層20010が配置された側とは反対側の多層誘電体基板10010の表層に配置されている。
開口40020から開口40100は、対向して配置されている。すなわち開口40020から開口400100は、積層方向に重なる位置にある。
なお、開口40020から開口40100のそれぞれの内側は空洞ではなく、例えば図21(a)の両側のヴィア31110の外側の多層誘電体基板10010と同様の誘電体が詰まっている状態にあり、この状態をドット柄で示している。
ストリップ線路60090は、導体層20090の一部が削除されて配置されている。
プローブ50090は、一端がストリップ線路60090に接続され、他端が開口40090の中に配置されている。
ヴィア30240は、ストリップ線路60030の長手方向の積層方向に沿った両側面に沿うとともに、導体層20020から導体層20040にかけて、多層誘電体基板10010、導体層20030とを貫いて複数個配置されている。
ヴィア30570は、開口40050と開口40060と開口40070の縁の一部において、導体層20050から導体層20070にかけて、多層誘電体基板10010、導体層20060とを貫いて複数個配置されている。
ヴィア38100は、ストリップ線路60090の長手方向の積層方向に沿った両側面に沿うとともに、導体層20080から導体層20110にかけて、多層誘電体基板10010、導体層20090を貫いて複数個配置されている。
多層誘電体基板10010の平面方向から積層方向にかけて、導体層20090、導体層20100、導体層20110、ヴィア31110、プローブ50090、開口40090、開口40100からストリップ線路−導波管変換器90020が形成されている。
実施の形態2の実施例2に係わる図20および図21の例では、誘電体導波管91010の一部を共振空間92010とした誘電体フィルタについて示した。しかし、これに限るものではなく、誘電体導波管91010に共振導体を付加している誘電体フィルタとしてもよい。
図22および図23は、誘電体導波管に一端が短絡されて高周波信号の伝搬を阻止したい周波数に対し1/4波長の長さとなる導体を設けている、この発明の実施の形態2による誘電体フィルタを示す図である。
図22は導体層、ストリップ線路、プローブ、ヴィア、共振導体、開口等の配列を示した分解斜視図である。
図23の(a)は図22のA−Aに沿った縦断面図、
図23の(b)は図23の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図23の(c)は図23の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
実施の形態2の実施例3に係わる図22および図23の例では、誘電体導波管91010の積層方向にかけて共振導体を設けた誘電体フィルタについて示した。しかし、これに限るものではなく、誘電体導波管の平面方向のみにかけて導体パターンを設けた誘電体フィルタとしてもよい。
図24および図25は、誘電体導波管の平面方向のみにかけて導体パターンを設けているこの発明の実施の形態2による誘電体フィルタを示す図である。
図24は導体層、ストリップ線路、プローブ、ヴィア、導体パターン、開口等の配列を示した分解斜視図である。
図25の(a)は図24のA−Aに沿った縦断面図、
図25の(b)は図24の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図25の(c)は図24の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
実施の形態2の実施例3に係わる図22および図23の例では、誘電体導波管91010に一端が短絡されて、高周波信号の伝搬を阻止したい周波数に対し1/4波長の長さとなる共振導体31570を設けた誘電体フィルタについて示した。しかし、これに限るものではなく、誘電体導波管91010に両端が開放されて高周波信号の伝搬を阻止したい周波数に対し、半波長の長さとなる共振導体を付加している誘電体フィルタとしてもよい。
図26および図27は、誘電体導波管に両端が開放された1/4波長の導体を設けているこの発明の実施の形態2による誘電体フィルタを示す図である。
図26は導体層、ストリップ線路、プローブ、ヴィア、共振導体、開口等の配列を示した分解斜視図である。
図27の(a)は図26のA−Aに沿った縦断面図、
図27の(b)は図27の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図27の(c)は図27の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
実施の形態2の実施例2に係わる図20および図21の例では、誘電体導波管の一部を共振空間とした誘電体フィルタについて示した。しかし、これに限るものではなく、誘電体導波管の側部にチョーク構造を付加している誘電体フィルタとしてもよい。
図28および図29は、誘電体導波管の側部にチョーク構造として高周波信号を伝搬させる周波数に対し半波長の長さとなる空間を設けているこの発明の実施の形態2による誘電体フィルタを示す図である。
図28は導体層、ストリップ線路、プローブ、ヴィア、チョーク構造、開口等の配列を示した分解斜視図である。
図29の(a)は図28のA−Aに沿った縦断面図、
図29の(b)は図29の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図29の(c)は図29の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
ヴィア30151、ヴィア36101、ヴィア30241、ヴィア30791、ヴィア86101a、ヴィア86101b、
ストリップ線路60031、ストリップ線路60081、
プローブ50031、プローブ50081が設けられている。
導体層20021は、導体層20011と相対向して、多層誘電体基板10011の内層に配置されている。
導体層20031は、背面側に導体層20011がある導体層20021と相対向して、多層誘電体基板10011の内層に配置されている。
導体層20041は、背面側に導体層20021がある導体層20031と相対向して、多層誘電体基板10011の内層に配置されている。
導体層20051は、背面側に導体層20031がある導体層20041と相対向して、多層誘電体基板10011の内層に配置されている。
導体層20061は、背面側に導体層20041がある導体層20051と相対向して、多層誘電体基板10011の内層に配置されている。
導体層20071は、背面側に導体層20051がある導体層20061と相対向して、多層誘電体基板10011の内層に配置されている。
導体層20081は、背面側に導体層20061がある導体層20071と相対向して、多層誘電体基板10011の内層に配置されている。
導体層20091は、背面側に導体層20071がある導体層20081と相対向して、多層誘電体基板10011の内層に配置されている。
導体層20101は、背面側に導体層20081がある導体層20091と相対向して、導体層20011が配置された側とは反対側の多層誘電体基板10011の表層に配置されている。
開口40021から開口40091は、対向して配置されている。すなわち開口40021から開口40091は、積層方向に重なる位置にある。
ストリップ線路60081は、導体層20081の一部が削除されて配置されている。
プローブ50081は、一端がストリップ線路60081に接続され、他端が開口40081の中に配置されている。
ヴィア36101は、開口40061と開口40071と開口40081と開口40091とを、ストリップ線路60081に相当する部分を除いて取り囲むとともに、導体層20061から導体層20101にかけて、多層誘電体基板10011、導体層20071、導体層20081、導体層20091とを貫いて複数個配置されている。
ヴィア30241は、ストリップ線路60031の長手方向の積層方向に沿った両側面に沿うとともに、導体層20021から導体層20041にかけて、多層誘電体基板10011、導体層20031とを貫いて複数個配置されている。
ヴィア30791は、ストリップ線路60081の長手方向の積層方向に沿った両側面に沿うとともに、導体層20071から導体層20091にかけて、多層誘電体基板10011、導体層20081とを貫いて複数個配置されている。
多層誘電体基板10011の平面方向から積層方向にかけて、導体層20081、導体層20091、導体層20101、ヴィア36101、プローブ50081、開口40081、開口40091からストリップ線路−導波管変換器90021が形成されている。
導体からなるヴィア86101aは、切り欠き41061aの縁のうち誘電体導波管91011が位置する側とは反対側の縁に沿ってヴィア36101近傍まで、導体層20061と導体層20101とを接続するように複数個配置されている。
導体からなるヴィア86101bは、切り欠き41061bの縁のうち誘電体導波管91011が位置する側とは反対側の縁に沿ってヴィア36101近傍まで、導体層20061と導体層20101とを接続するように複数個配置されている。
チョーク路70061bは、導体層20051と導体層20061で挟まれた空間における開口40061の端部から切り欠き41061bまでの空間である。
チョーク路70071aは、導体層20061と導体層20071で挟まれた空間におけるヴィア86101aとヴィア36101とで囲まれた空間である。
チョーク路70071bは、導体層20061と導体層20071で挟まれた空間におけるヴィア86101bとヴィア36101とで囲まれた空間である。
なお、これらの空間は中空の空洞ではなく誘電体が詰まっている。
また上述のヴィア86101aは、切り欠き41061a、チョーク路70061aおよびチョーク路70071aからなる部分を、外側からC字形に囲むように設けられる。また上述のヴィア86101bは、切り欠き41061b、チョーク路70061bおよびチョーク路70071bからなる部分を、外側からC字形に囲むように設けられる。
上記実施の形態1および実施の形態2では、1枚の多層誘電体基板から構成された誘電体フィルタについて説明した。しかしながら、2枚以上の多層誘電体基板から構成された誘電体フィルタとしてもよい。
図30は導体層、ストリップ線路、プローブ、ヴィア、チョーク構造、開口等の配列を示した分解斜視図である。
図31の(a)は図30のA−Aに沿った縦断面図、
図31の(b)は図31の(a)のB−B’線に沿った縦断面図、
図31の(c)は図31の(a)のC−C’線に沿った縦断面図である。
多層誘電体基板10022には、導体層20062、導体層20072、導体層20082、導体層20092、導体層20102、ヴィア36102、ヴィア30792、ヴィア86102a、ヴィア86102b、ストリップ線路60082、プローブ50082が設けられている。
導体層20022は、導体層20012と相対向して、多層誘電体基板10012の内層に配置されている。
導体層20032は、背面側に導体層20012がある導体層20022と相対向して、多層誘電体基板10012の内層に配置されている。
導体層20042は、背面側に導体層20022がある導体層20032と相対向して、多層誘電体基板10012の内層に配置されている。
導体層20052は、背面側に導体層20032がある導体層20042と相対向して、導体層20012が配置された側とは反対側の多層誘電体基板10012の表層に配置されている。
導体層20062は、多層誘電体基板10012の導体層20052と相対向して、多層誘電体基板10022の表層に配置されている。
導体層20072は、導体層20062と相対向して、多層誘電体基板10022の内層に配置されている。
導体層20082は、背面側に導体層20062がある導体層20072と相対向して、多層誘電体基板10022の内層に配置されている。
導体層20092は、背面側に導体層20072がある導体層20082と相対向して、多層誘電体基板10022の内層に配置されている。
導体層20102は、背面側に導体層20082がある導体層20092と相対向して、導体層20062が配置された側とは反対側の多層誘電体基板10022の表層に配置されている。
開口40022から開口40092は、対向して配置されている。すなわち開口40022から開口40092は、積層方向に重なる位置にある。
ストリップ線路60082は、導体層20082の一部が削除されて配置されている。
プローブ50082は、一端がストリップ線路60082に接続され、他端が開口40082の中に配置されている。
ヴィア36102は、開口40062から開口40092を、ストリップ線路60082に相当する部分を除いて取り囲むとともに、導体層20062から導体層20102にかけて、多層誘電体基板10022および導体層20072から導体層20092までを貫いて複数個配置されている。
ヴィア30242は、ストリップ線路60032の長手方向の積層方向に沿った両側面に沿うとともに、導体層20022から導体層20042にかけて、多層誘電体基板10012、導体層20032とを貫いて複数個配置されている。
ヴィア30792は、ストリップ線路60082の長手方向の積層方向に沿った両側面に沿うとともに、導体層20072から導体層20092にかけて、多層誘電体基板10022、導体層20082とを貫いて複数個配置されている。
多層誘電体基板10022の平面方向から積層方向にかけて、導体層20082、導体層20092、導体層20102、ヴィア36102、プローブ50082、開口40082、開口40092からストリップ線路−導波管変換器90022が形成されている。
多層誘電体基板10022の積層方向にかけて、導体層20062、導体層20072、ヴィア36102、開口40062、開口40072から誘電体導波管91022が形成されている。
導体からなるヴィア86102aは、切り欠き41062aの縁のうち誘電体導波管91012が位置する側とは反対側の縁に沿ってヴィア36102近傍まで、導体層20062と導体層20102とを接続するように複数個配置されている。
導体からなるヴィア86102bは、切り欠き41062bの縁のうち誘電体導波管91012が位置する側とは反対側の縁に沿ってヴィア36102近傍まで、導体層20062と導体層20102とを接続するように複数個配置されている。
チョーク路70062bは、導体層20052と導体層20062で挟まれた空間における開口40062の端部から切り欠き41062bまでの空間である。
チョーク路70072aは、導体層20062と導体層20072で挟まれた空間におけるヴィア86102aとヴィア36102とで囲まれた空間である。
チョーク路70072bは、導体層20062と導体層20072で挟まれた空間におけるヴィア86102bとヴィア36102とで囲まれた空間である。
なお、これらの空間は中空の空洞ではなく誘電体が詰まっている。
また上述のヴィア86102aは、切り欠き41062a、チョーク路70062aおよびチョーク路70072aからなる部分を外側からC字形に囲むように設けられる。また上述のヴィア86102bは、切り欠き41062b、チョーク路70062bおよびチョーク路70072bからなる部分を外側からC字形に囲むように設けられる。
また、この発明による誘電体フィルタでは導体層は両側の短絡面の2つの導体層と、ストリップ線路が形成される2つの導体層の4枚以上の導体層があればよい。
例えば上記各実施の形態での2つのストリップ線路−導波管変換器、2つのプローブ等でのそれぞれの変形は、2つのうちの少なくとも一方で行なわれればよい。
Claims (11)
- 積層方向に互いに離間して形成された複数の導電層を有し高周波信号を伝搬する多層誘電体基板と、
積層方向に互いに離間した導電層に平面方向に延びて形成された第1のストリップ線路と第2のストリップ線路と、
前記多層誘電体基板の積層方向の前記第1のストリップ線路と前記第2のストリップ線路の間に平面方向の前記導電層と積層方向に延びた導体柱とから形成された誘電体導波管と、
前記第1のストリップ線路の積層方向の上側に形成された前記誘電体導波管と前記第1のストリップ線路との間の伝送線路変換を行う第1のストリップ線路−導波管変換器と、
前記第2のストリップ線路の積層方向の下側に形成された前記誘電体導波管と前記第2のストリップ線路との間の伝送線路変換を行う第2のストリップ線路−導波管変換器と、
を備え、
前記第1のストリップ線路−導波管変換器は、一端が前記第1のストリップ線路に接続され、他端が前記誘電体導波管に対向して配置された第1のプローブと、一端が短絡され、他端が前記誘電体導波管に対向して接続された第1のバックショート導波管を含み、
前記第2のストリップ線路−導波管変換器は、一端が前記第2のストリップ線路に接続され、他端が前記誘電体導波管に対向して配置された第2のプローブと、一端が短絡され、他端が前記誘電体導波管に対向して接続された第2のバックショート導波管を含む、
誘電体フィルタ。 - 前記第1のプローブは、誘電体導波管に対向して配置された端部が前記第1のストリップ線路の幅よりも広い、請求項1に記載の誘電体フィルタ。
- 前記第2のプローブは、誘電体導波管に対向して配置された端部が前記第2のストリップ線路の幅よりも広い、請求項1または2に記載の誘電体フィルタ。
- 前記第1のバックショート導波管および前記第2のバックショート導波管の少なくとも一方は、管軸と直交する断面での管内形状が前記誘電体導波管の管内形状と異なる、
請求項1から3までのいずれか1項に記載の誘電体フィルタ。 - 前記第1のバックショート導波管および前記第2のバックショート導波管の少なくとも一方は、管軸と直交する断面での管内形状が、長手方向の中央部の幅を狭くした形状である、
請求項1から4までのいずれか1項に記載の誘電体フィルタ。 - 前記第1のプローブおよび前記第2のプローブの少なくとも一方は、前記誘電体導波管に対向して配置された端部に、先端開放された高周波信号の伝搬を阻止したい周波数に対して1/4波長となる第1の1/4波長導体が接続されている、
請求項1から5までのいずれか1項に記載の誘電体フィルタ。 - 前記誘電体導波管における管壁の一部に開口径を小さくした絞りが設けられて成る共振空間を備える、
請求項1から6までのいずれか1項に記載の誘電体フィルタ。 - 前記誘電体導波管は、一端が管壁に接続され、他端が管内に配置された高周波信号の伝搬を阻止したい周波数に対して1/4波長となる第2の1/4波長導体を備える、
請求項1から7までのいずれか1項に記載の誘電体フィルタ。 - 前記誘電体導波管は、その管内に両端が開放された高周波信号の伝搬を阻止したい周波数に対して半波長となる第1の半波長導体を備える、
請求項1から8までのいずれか1項に記載の誘電体フィルタ。 - 前記誘電体導波管の側部には、チョーク構造が配置されており、
前記チョーク構造は、前記多層誘電体基板内に設けられた第1のチョーク路と第2のチョーク路を含み、
前記第1のチョーク路は、前記誘電体導波管の管壁からλe/4(λe:信号波の多層誘電体基板における実効的波長)離れた位置に設けられた切り欠きまでの空間で形成されており、
前記第2のチョーク路は、前記切り欠きからλe/4離れた位置に設けられた導体柱までの空間で形成されている、
請求項1から9までのいずれか1項に記載の誘電体フィルタ。 - 積層方向に互いに離間して形成された複数の導電層を有し高周波信号を伝搬する第1の多層誘電体基板と、
前記第1の多層誘電体基板の積層方向に重ねて設けられた、積層方向に互いに離間して形成された複数の導電層を有し高周波信号を伝搬する第2の多層誘電体基板と、
を備え、
高周波信号を伝搬する接続構造において、
前記第1の多層誘電体基板は、
前記第1の多層誘電体基板の平面方向に形成された第1のストリップ線路と、
前記第1の多層誘電体基板の積層方向に形成した第1の誘電体導波管と、
前記第1のストリップ線路と前記第1の誘電体導波管との間の伝送線路変換を行う第1のストリップ線路−導波管変換器と、を含み、
前記第2の多層誘電体基板は、
前記第2の多層誘電体基板の平面方向に形成された第2のストリップ線路と、
前記第2の多層誘電体基板の積層方向に形成した第2の誘電体導波管と、
前記第2のストリップ線路と前記第2の誘電体導波管との間の伝送線路変換を行う第2のストリップ線路−導波管変換器と、を含み、
前記第1の誘電体導波管は、前記第1の多層誘電体基板の前記第2の多層誘電体基板と対向する側に設けられた第1の開口から、前記第1の多層誘電体基板と前記前記第2の多層誘電体基板との間の第1の空間、および前記第2の多層誘電体基板の前記第1の多層誘電体基板と対向する側に設けられた第2の開口を介して、前記第2の誘電体導波管に接続され、
前記第1の空間を挟む多層誘電体基板のうち、少なくとも一方の多層誘電体基板の前記第1および第2の開口の周囲に、チョーク構造が配置され、
前記チョーク構造は、前記第1の空間と、前記多層誘電体基板内に設けられた第2の空間から成り、
前記第2の空間は、前記多層誘電体基板の表層に切り欠きを有しており、
前記第1および第2の開口の端から、前記第1の空間を含む前記第2の空間の端部までがλ/2(λ:信号波の自由空間波長)となる、
誘電体フィルタ。
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