JP2006101286A - マイクロストリップ線路結合器 - Google Patents

マイクロストリップ線路結合器 Download PDF

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Abstract

【課題】放射による挿入損失の増大を回避し、更には反射損失を低減したマイクロストリップ線路結合器を提供する。
【解決手段】入力マイクロストリップ線路10を伝搬する電磁波は、接地導体層20に設けられた結合用スロット24を介して、出力マイクロストリップ線路12へと導かれる。入力側導体筐体14および出力側導体筐体16は、結合用スロットから放射される電磁波を遮蔽する。出力側導体筐体16は、放射された電磁波を筐体内部へ反射して入力端に電磁波を励振し、当該電磁波とマイクロストリップ結合器1に入射された電磁波との位相関係を調整し、入力反射損失を低減するようその構成が決定される。入力側導体筐体14は、出力側導体筐体16と同様にして、出力反射損失を低減するようその構成が決定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、両面基板において互いに異なる面に構成されたマイクロストリップ線路間の電磁界の結合を図るマイクロストリップ線路結合器に関する。
近年の無線通信機器においては、高密度実装を実現するため、接地導体基板の両面に誘電体層を設けて基板の両面にマイクロストリップ線路を構成することが多い。このような両面基板では、片方の面に構成された励振源側のマイクロストリップ線路(以下、入力マイクロストリップ線路とする。)を伝搬する電磁波を、その反対側の面に構成された負荷側のマイクロストリップ線路(以下、出力マイクロストリップ線路とする。)へ導くため、接地導体基板に穴を開け、入力マイクロストリップ線路と出力マイクロストリップ線路とを接続する導体ピンを設けたマイクロストリップ線路結合器が用いられる。この構成では、導体ピンが線路導体に半田付けなどの手作業によって接続されるため、製品によって挿入損失、反射損失などの電気的特性がばらついてしまうという問題がある。
そこで、入力マイクロストリップ線路を伝搬する電磁波を、接地導体基板に設けられた結合用スロットによって出力マイクロストリップ線路へと導く構成が考えられる。この構成では、製造工程に手作業が介入しないため、製品によって電気的特性がばらつくという問題は回避される。
このように、マイクロストリップ線路に伝搬する電磁波を、結合用スロット等の結合手段によってその裏面側に設けられた導波路へ導く構成については、次の文献に開示されている。
特開2003−037406号公報
上述の、接地導体基板に結合用スロットを設けたマイクロストリップ線路結合器では、結合用スロットから電磁波が放射され、入力マイクロストリップ線路から出力マイクロストリップ線路に到るまでの間の挿入損失が増大してしまうという問題がある。そこで、線路導体と結合用スロットとが交叉する部分を、接地された導体筐体で覆ってしまう構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、結合用スロットから放射された電磁波が導体筐体内部へ反射され、その反射された電磁波が入力マイクロストリップ線路に電磁波を励振し、マイクロストリップ線路結合器から離れる方向に入力マイクロストリップ線路を伝搬する反射波を生ぜしめ、反射損失が増大してしまうという問題が生じる。
本発明はこのような課題に対してなされたものであり、放射による挿入損失の増大を回避し、更には反射損失を低減したマイクロストリップ線路結合器を提供することを目的とする。
本発明は、第1のマイクロストリップ線路と、第1のマイクロストリップ線路の接地導体面を挟んで、第1のマイクロストリップ線路が形成されている面の反対面側に形成された第2のマイクロストリップ線路と、第1のマイクロストリップ線路を伝搬する電磁波によって第2のマイクロストリップ線路を伝搬する電磁波を励振するための、前記接地導体面に設けられた結合穴と、を含むマイクロストリップ線路結合器において、結合穴の存在に起因して放射される放射電磁波を遮蔽する遮蔽筐体を含み、遮蔽筐体は、前記放射電磁波を遮蔽筐体内部へ反射して第1のマイクロストリップ線路に遮蔽筐体内部反射による電磁波を励振し、遮蔽筐体は、遮蔽筐体内部反射による電磁波と、第1のマイクロストリップ線路を結合穴へ向かう方向に伝搬する入射電磁波との位相関係を調整して、第1のマイクロストリップ線路を結合穴から離れる方向に伝搬する反射波を低減するよう構造が決定されることを特徴とする。
また、本発明に係るマイクロストリップ線路結合器においては、遮蔽筐体は、遮蔽筐体内部反射による電磁波によって生じる第1のマイクロストリップ線路を構成する線路導体表面の接線方向の磁界と、第1のマイクロストリップ線路を結合穴へ向かう方向に伝搬する入射電磁波によって生じる第1のマイクロストリップ線路を構成する線路導体表面の接線方向の磁界との位相関係を調整して、第1のマイクロストリップ線路を結合穴から離れる方向に伝搬する反射波を低減するよう構造が決定される構成とすることが好適である。
また、本発明に係るマイクロストリップ線路結合器においては、遮蔽筐体は、前記接地導体面の法線方向を伝搬方向とする導波管と、導波管端面を短絡する導体板と、によって構成され、第2のマイクロストリップ線路を構成する線路導体を覆い、前記導体板と、第1のマイクロストリップ線路を構成する線路導体が設けられている面との間の距離は、前記導波管の管内波長の半分の長さに基づいて決定される構成とすることが好適である。
本発明によれば、結合穴から放射する電磁波が遮蔽筐体内部へ反射されるため、マイクロストリップ線路結合器の挿入損失の増大を回避することができる。また、筐体内部へ反射された放射電磁波は、マイクロストリップ線路結合器入出力における反射損失を低減するよう振る舞うため、インピーダンス整合を容易に行うことができる。
図1は、本発明の実施形態であるマイクロストリップ線路結合器1の構成を層毎に分解して示したものである。多層基板50は、入力側パターン層32、入力側誘電体層34、接地導体層20、出力側誘電体層44、および出力側パターン層42から構成される。入力側パターン層32には入力線路導体30が設けられており、これと接地導体層20によって入力マイクロストリップ線路10が構成される。同様に、出力側パターン層42に設けられた出力線路導体40と接地導体層20によって出力マイクロストリップ線路12が構成される。
また、接地導体層20には結合用スロット24が設けられており、この結合用スロット24を介して、入力マイクロストリップ線路10と出力マイクロストリップ線路12との電磁界の結合が図られる。入力線路導体30の結合部38および出力線路導体40の結合部48では、入力マイクロストリップ線路10と出力マイクロストリップ線路12との結合を高め、入力インピーダンスおよび出力インピーダンスを整合インピーダンスに近づけるため、伝搬部分よりも幅を広くしている。ここで、入力インピーダンスとは、入力マイクロストリップ線路10において定義された入力端Iからマイクロストリップ線路結合器1の側を見たインピーダンスをいい、出力インピーダンスとは、出力マイクロストリップ線路12において定義された出力端Oからマイクロストリップ線路結合器1の側を見たインピーダンスをいう。
入力側パターン層32には、入力線路導体30の結合部38を取り囲むように接地パターン36が設けられている。結合部38を取り囲む形状および大きさは、接地導体層20に設けられている結合用スロット24の形状および大きさと同一にすることが好適である。この接地パターン36は入力側誘電体層34を貫く複数のスルーホール22を介して接地導体層20に電気的に接続されており、接地導体層20との同電位化が図られている。また、これら複数のスルーホール22は、接地パターン36が結合部38を取り囲んでいる境界線に沿って、マイクロストリップ線路結合器1に入射される電磁波の波長よりも十分短い間隔で配置されることが好適である。
入力側導体筐体14は、入力線路導体30の結合部38を覆うように入力側パターン層32の上に配置され、結合用スロット24から放射される電磁波を遮蔽する。入力側導体筐体14を入力側パターン層32と平行な平面で切断した場合の断面における内壁の形状および大きさは、接地導体層20に設けられている結合用スロット24の形状および大きさと同一にすることが好適である。入力側導体筐体14は、入力側パターン層32の接地パターン36と電気的に接触し、接地パターン36および接地導体層20との同電位化が図られている。また、出力側導体筐体16も入力側導体筐体14と同様の構成となっており、接地パターン46および接地導体層20との同電位化が図られている。ここで、入力側導体筐体14、接地パターン36、入力側誘電体層34を貫く複数のスルーホール22、結合用スロット24、出力側誘電体層44を貫く複数のスルーホール22、接地パターン46、および出力側導体筐体16から構成される管は、電磁波を基板の法線方向に伝搬させる導波管とみなすことができる。
また、入力側導体筐体14は入力線路導体30を引き出すためのスリット18を、出力側導体筐体16は出力線路導体40を引き出すためのスリット18をそれぞれ有する。このスリット18の高さhは、マイクロストリップ線路結合器1に入射される電磁波の波長よりも十分小さくしておくことが好適である。
図1に示すマイクロストリップ線路結合器1の直線AA’および直線BB’を含む面における断面図を図2に示す。また、直線DD’および直線FF’を含む面における断面図を図3に示す。入力端Iからマイクロストリップ線路結合器1に電磁波が入射されると、入力線路導体30には、図2に示すようにそれに流れる電流と鎖交する磁界H1およびH2が現れる。磁界H2は入力線路導体30のみならず、出力線路導体40をも取り囲んでいるので、出力線路導体40を取り囲む磁界H3を生ぜしめる。磁界H3は、図3に示すように接地導体層20と出力線路導体40との間に電界E3を生ぜしめ、出力マイクロストリップ線路12に伝搬電磁波を励振する。また、入力マイクロストリップ線路10から入射された電磁波によって、入力線路導体30を始点とし、出力線路導体40を終点とする電界E1が発せられ、これも出力マイクロストリップ線路12に伝搬電磁波を励振する。このようにして励振された伝搬電磁波は、出力マイクロストリップ線路12を結合用スロット24から離れる方向に伝搬していくため、入力マイクロストリップ線路10から入射された電磁波は出力マイクロストリップ線路12へと導かれたこととなる。
さて、入力マイクロストリップ線路10から電磁波が入射されると、その電磁波は出力マイクロストリップ線路12に導かれる他、そのエネルギーの一部が、結合用スロット24から放射電磁波として放射される。この放射電磁波は、入力側導体筐体14および出力側導体筐体16が設けられていない場合には、反射することなく無限遠まで伝搬するため、入力マイクロストリップ線路10に放射電磁波に起因する反射波を生ぜしめることはなく、反射損失を増加させることはない。しかしながら、入力側導体筐体14または出力側導体筐体16が設けられている場合には、放射電磁波は入力側導体筐体14の内部または出力側導体筐体16の内部へ反射され、入力マイクロストリップ線路10に筐体内部反射に基づく電磁波が励振される。
筐体内部反射によって励振された電磁波が、入力端Iにおける反射波、すなわち入力マイクロストリップ線路10を結合用スロット24を離れる方向に伝搬する反射波を生ぜしめるように寄与すると反射損失が増加してしまう。入力端Iにおける反射波を低減するためには、筐体内部反射によって励振された電磁波が入力マイクロストリップ線路10に伝搬電磁波を励振しないよう、入力側導体筐体14または出力側導体筐体16を構成すればよい。また、入力端Iにおける反射波を低減することは、筐体内部反射に係る電磁波を、出力マイクロストリップ線路12に導かれる電磁波を増大させるように寄与させることに他ならない。
そこで、本実施形態では、出力側導体筐体16が放射電磁波を出力側導体筐体16の内部へ反射し、この筐体内部反射による電磁波と、入力マイクロストリップ線路10から結合用スロット24を介して放射される電磁波との位相関係を調整することで、入力端Iにおける反射波を低減することとしている。
本実施形態のマイクロストリップ線路結合器1の動作を説明するため、入力マイクロストリップ線路10の伝搬断面内において入力線路導体30の表面に平行な軸をx軸とし、同伝搬断面内においてx方向に垂直な軸をy軸として座標系を定義する。出力側導体筐体16は図2および図3に示すように、その導体蓋64の内側表面が、入力側誘電体層34の入力側パターン層32が設けられている面(以下、入力側誘電体層面72とする。)からy方向に管内波長の半分の距離を隔てた位置に設けられるよう構成される。ここで管内波長とは、出力側導体筐体16の壁部60をy方向を伝搬方向とする導波管であるとみなした場合の、導波管基本モードの管内波長をいう。結合用スロット24から放射される電磁波は、導波管内にz方向に電界成分を有する導波管基本モードを励振する。
このような構成においては、導波管基本モード磁界のx方向成分のy方向への分布は、図2に示すように、導体蓋64の内側表面の接線方向および入力側誘電体層面72で磁界振幅が最大値を有するものとなる。このような分布となるのは、導波管基本モードの電磁波が次のように振る舞うことによる。
入力端Iから入射された電磁波によって、結合用スロット24を介して励振された導波管基本モードは、出力側導体筐体16によって形成される導波管を伝搬し、導波管を短絡する導体蓋64において反射し、再び導波管を伝搬して入力側誘電体層面72に到来する。その間の電気長は2πであり、かつ電磁波は導体蓋64において磁界を同相に保ちつつ反射するので、導体蓋64で反射して入力側誘電体層面72に到来する導波管基本モードの磁界のx方向成分は、そこから放射される導波管基本モードの磁界のx方向成分と同相で加わり、その振幅を増大せしめる。磁界の振幅が最大となっている、入力側誘電体層面72に平行な磁界は、入力線路導体30の両面に同一方向の磁界を発生させているので、入力マイクロストリップ線路10には電磁波を励振することはない。すなわち、入力線路導体30のそれぞれの面に、互いに異なる方向の磁界が発生している場合には、入力マイクロストリップ線路10には電磁波が励振され、入力端Iにおける反射波を生ずることになるが、図2の構成では、筐体内部反射による電磁波が、入力線路導体30の両面に同一方向の磁界を発生させているので、入力端Iにおける反射波を生じないのである。このような電磁波の振る舞いは、出力側導体筐体16が、入力端Iから入射された電磁波と筐体内部反射による電磁波との位相関係を調整するよう構成されていることによってなされる。
次に、このときの電界のz方向成分の分布と、そのマイクロストリップ線路結合器1の動作への寄与について図3を参照して説明する。導波管基本モード電界のz方向成分の分布は、図3に示すように導体蓋64の内側表面および入力側誘電体層面72で電界振幅が零となったものとなる。このような分布となるのは、導波管基本モードの電磁波の次のような振る舞いによる。
入力端Iから入射された電磁波によって、結合用スロット24を介して励振された導波管基本モードは、出力側導体筐体16によって形成される導波管を伝搬し、導波管を短絡する導体蓋64において反射し、再び導波管を伝搬して入力側誘電体層面72に到来する。その間の電気長は2πであり、かつ電磁波は導体蓋64において電界を逆相にして反射するので、導体蓋64で反射して入力側誘電体層面72に到来する導波管基本モードの電界のz方向成分は、そこから放射される導波管基本モードの電界のz方向成分と逆相で加わり、振幅を相殺する。これは、入力側誘電体層面72において、いわゆる電気壁が形成されていることに他ならない。このような状態においては、導波管基本モードの電界は入力マイクロストリップ線路10に電磁波を励振し得ず、入力端Iにおける反射波を生じない。
ここで説明した、出力側導体筐体16の壁部60を導波管であるとみなした場合の、導波管基本モードの振る舞いの観点から、出力側導体筐体16は、入力側誘電体層面72からy方向に導波管基本モードの管内波長の半分の距離を隔てた位置に、その導体蓋64の内側表面が設けられるよう構成されることが好適であるといえる。
次に、入力側導体筐体14の構成について説明する。入力側導体筐体14は、出力端Oからマイクロストリップ線路結合器1の側を見た反射損失を低減するよう構成される。出力マイクロストリップ線路12にはアンテナやフィルタなどの負荷が接続されるが、マイクロストリップ線路結合器1の出力インピーダンスと出力端Oから負荷側を見たインピーダンスとの整合がとれていない場合には、出力端Oにおいて不整合が生じ、負荷に供給される電磁波の電力が減少してしまう。そこで、マイクロストリップ線路結合器1の出力インピーダンスが、負荷に対する整合インピーダンスとなるようマイクロストリップ線路結合器1を構成する必要がある。ここで、負荷のインピーダンスが出力マイクロストリップ線路12の特性インピーダンスと同一値に設計されるものとすれば、マイクロストリップ線路結合器1の出力インピーダンスを負荷に対する整合インピーダンスに近づけることは、出力端Oからマイクロストリップ線路結合器1の側を見た反射損失を低減することに他ならない。
出力端Oからマイクロストリップ線路結合器1の側を見た反射損失を低減するためには、入力側導体筐体14の構成を、先述の出力側導体筐体16の構成と同様にすればよい。すなわち、入力側導体筐体14は、出力側誘電体層44の出力側パターン層42が設けられている面(以下、出力側誘電体層面82とする。)からy方向に管内波長の半分の距離を隔てた位置に、その導体蓋62の内側表面が設けられるよう構成することが好適である。ここで管内波長とは、入力側導体筐体14の壁部60を、y方向を伝搬方向とする導波管であるとみなした場合の、導波管基本モードの管内波長をいう。
以上の説明に従って出力側導体筐体16および入力側導体筐体14の構成を決定すると、入力端Iでの反射損失特性は入力側導体筐体14の存在によって、出力端Oでの反射損失特性は出力側導体筐体16の存在によって、若干の影響を受ける。その理由は、入力側誘電体層面72から入力側導体筐体14の導体蓋62の内側表面までの距離と、出力側誘電体層面82から出力側導体筐体16の導体蓋64の内側表面までの距離は、管内波長の半分の長さとはなっておらず、基板の厚みtだけ短くなっているからである。
しかしながら、この問題については、入力マイクロストリップ線路10および出力マイクロストリップ線路12に整合回路を設けることで対処可能である。この整合回路としてはオープンスタブ回路などが好適である。基板の厚みtは、通常、マイクロストリップ線路結合器1に入射される電磁波の波長よりも十分小さいため、反射損失特性に与える影響は極わずかであり、オープンスタブ回路は線路導体の導体幅をわずかに変化させたものとして構成することができる。
また、入力側誘電体層面72と導体蓋64の内側表面との間の距離、および出力側誘電体層面82と導体蓋62の内側表面との間の距離を、管内波長の半分の長さを初期パラメータとして最適化設計すれば整合回路を除去することができる。最適化設計は次のようにして行うことが好適である。
まず初めに、入力側誘電体層面72と導体蓋64の内側表面との間の距離、および出力側誘電体層面82と導体蓋62の内側表面との間の距離を、管内波長の半分の長さに設定し、電磁界シミュレータや実測などによりマイクロストリップ線路結合器1の散乱パラメータを求める。
次に、入力側誘電体層面72と導体蓋64の内側表面との間の距離、および出力側誘電体層面82と導体蓋62の内側表面との間の距離を設計パラメータとして微小変化させ、再びシミュレータなどにより散乱パラメータを再度求める。
次に、散乱パラメータの反射係数絶対値が設計目標値となるまで、設計パラメータの微小変化と散乱パラメータの算出若しくは実測を繰り返す。
上述のように、基板の厚みtは、通常、マイクロストリップ線路結合器1に入射される電磁波の波長よりも十分小さいため、管内波長の半分の長さは、最適化設計の収束を迅速ならしめる有効な初期パラメータとなることは明らかである。
以上、本発明の実施形態について説明した。本発明は、この実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて様々な実施形態が可能であることはいうまでもない。
マイクロストリップ線路結合器の構成を示す図である。 マイクロストリップ線路結合器の伝搬軸断面を示す図である。 マイクロストリップ線路結合器の伝搬軸に垂直な断面を示す図である。
符号の説明
1 マイクロストリップ線路結合器、10 入力マイクロストリップ線路、12 出力マイクロストリップ線路、14 入力側導体筐体、16 出力側導体筐体、18 スリット、20 接地導体層、22 スルーホール、24 結合用スロット、30 入力線路導体、32 入力側パターン層、34 入力側誘電体層、36,46 接地パターン、38,48 結合部、40 出力線路導体、42 出力側パターン層、44 出力側誘電体層、50 多層基板、60 壁部、62,64 導体蓋、72 入力側誘電体層面、82 出力側誘電体層面。

Claims (3)

  1. 第1のマイクロストリップ線路と、
    第1のマイクロストリップ線路の接地導体面を挟んで、第1のマイクロストリップ線路が形成されている面の反対面側に形成された第2のマイクロストリップ線路と、
    第1のマイクロストリップ線路を伝搬する電磁波によって第2のマイクロストリップ線路を伝搬する電磁波を励振するための、前記接地導体面に設けられた結合穴と、
    を含むマイクロストリップ線路結合器において、
    結合穴の存在に起因して放射される放射電磁波を遮蔽する遮蔽筐体を含み、
    遮蔽筐体は、前記放射電磁波を遮蔽筐体内部へ反射して第1のマイクロストリップ線路に遮蔽筐体内部反射による電磁波を励振し、
    遮蔽筐体は、遮蔽筐体内部反射による電磁波と、第1のマイクロストリップ線路を結合穴へ向かう方向に伝搬する入射電磁波との位相関係を調整して、第1のマイクロストリップ線路を結合穴から離れる方向に伝搬する反射波を低減するよう構造が決定されることを特徴とするマイクロストリップ線路結合器。
  2. 請求項1に記載のマイクロストリップ線路結合器において、
    遮蔽筐体は、遮蔽筐体内部反射による電磁波によって生じる第1のマイクロストリップ線路を構成する線路導体表面の接線方向の磁界と、第1のマイクロストリップ線路を結合穴へ向かう方向に伝搬する入射電磁波によって生じる第1のマイクロストリップ線路を構成する線路導体表面の接線方向の磁界との位相関係を調整して、第1のマイクロストリップ線路を結合穴から離れる方向に伝搬する反射波を低減するよう構造が決定されることを特徴とするマイクロストリップ線路結合器。
  3. 請求項1または請求項2に記載のマイクロストリップ線路結合器において、
    遮蔽筐体は、前記接地導体面の法線方向を伝搬方向とする導波管と、
    導波管端面を短絡する導体板と、によって構成され、
    第2のマイクロストリップ線路を構成する線路導体を覆い、
    前記導体板と、第1のマイクロストリップ線路を構成する線路導体が設けられている面との間の距離は、前記導波管の管内波長の半分の長さに基づいて決定されることを特徴とするマイクロストリップ線路結合器。
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