JP2008079085A - 伝送線路導波管変換器 - Google Patents

伝送線路導波管変換器 Download PDF

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英喜 浅尾
Mitsuko Katayama
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Abstract

【課題】 不要帯域の電波を抑圧するためにフィルタを設けている従来の伝送線路導波管変換器は、フィルタが伝送線路に対応して設けているため、そのフィルタによって不要帯域の電波が抑制されるだけでなく、フィルタによる線路長の増加で使用周波数の電波の通過損失が大きくなるということが起こる。
【解決手段】 伝送線路を導波管の側壁を介して電磁的に結合し、前記伝送線路と前記導波管の一方の側との間で伝搬する電力を相互に変換する伝送線路導波管変換器において、前記導波管を伝搬する電波の中から不要帯域の電波を共振させる共振器を、前記導波管の他方の側に設けた伝送線路導波管変換器。
【選択図】 図1

Description

この発明は、マイクロ波及びミリ波領域で使用される伝送線路(マイクロストリップ線路,ストリップ線路,同軸線路をいう。)と導波管とを伝搬する電波の電力を電磁結合により相互に変換する伝送線路導波管変換器に関するものである。
この種の伝送線路導波管変換器は、一般に、伝送線路と導波管との間を伝搬する電波の電力を電磁結合により相互に変換するものである。従来の伝送線路導波管変換器に関し、伝送線路がマイクロストリップ線路又はストリップ線路である場合には、それらの線路の接地導体は導波管の導体に接続し、マイクロストリップ線路又はストリップ線路自体は導波管の導体には接続しない状態で、導波管の短絡面と異なる面から導波管の内部に挿入するように構成されている。
一方、伝送線路が同軸線路である場合には、その同軸線路の外部導体を導波管の導体に接続して共通接地とし、その中心導体を導波管の短絡面と異なる面から導波管の内部に挿入するように構成されている。ここで、従来における伝送線路導波管変換器について説明する。例えば、特許文献1には、伝送線路と導波管とを伝搬する電波の電力を電磁結合により相互に変換する伝送線路導波管変換器が記載されている。
その具体的な構成は、伝送線路がマイクロストリップ線路であり、接地導体を導波管に電気的に接続して共通接地にし、マイクロストリップ線路、又は、ストリップ線路の信号導体であるストリップ導体と誘電体基板とにより構成されたプローブを終端が短絡された導波管の短絡面から通過帯域電波である使用周波数の導波管管内波長λの約1/4だけ離れ、導波管内の電界が強い位置に挿入した構造を採っている。
また、伝送線路導波管変換器に使用周波数と異なる周波数や高次の信号周波数の不要帯域電波を抑制する機能が必要な場合(帯域阻止機能を付加した場合)には、伝送線路導波管変換器の主線路上に不要帯域電波を抑制する共振器(フィルタ)を設ける必要がある。
例えば、特許文献2に示されるように、導波管にマイクロリップ線路のストリップ導体が挿入された導波管内において、ストリップ導体が導波管に挿入された位置からストリップ導体の先端部分までで導波管の短絡面が対向する部分を除き、ストリップ導体に対向した面が交互に窪んだ溝部と隆起した隆起部とにより構成され、主線路であるマイクロリップ線路に近接した隆起部とマイクロストリップ線路から離れた溝部とにより、不要帯域電波を抑圧するものがある。なお、溝部と隆起部との寸法は、不要帯域電波の周波数によって決定される。
また、特許文献2において、従来技術として挙げられているものでは、マイクロストリップ線路の上に溝部と隆起部とを設ける代わりに、導波管にマイクロストリップ線路のストリップ導体が挿入される手前で、マイクロストリップ線路上のストリップ導体の導体パターンを二つに分岐させた分岐部によるストリップラインタイプの低域通過フィルタを構成して不要帯域電波を抑制するものがある。
なお、ストリップラインタイプの低域通過フィルタの寸法は、不要帯域電波の周波数によって決定される。さらに、特許文献3に示されるように、導波管に挿入された主線路であるマイクロストリップ線路のストリップ導体が形成された基板の反対面に不要帯域電波の約1/2の長さのストリップ導体を設けることにより基板の両面に形成されたストリップ導体により構成された共振回路により、不要帯域電波を抑制するものがある。
特開2000−244212号公報(第13図)
特開2003−8313号公報(第1図,第8図)
特開2005−260570号公報(第1図)
しかし、このような従来の伝送線路導波管変換器は、不要帯域の電波を抑圧するためにフィルタを設けているが、このフィルタは伝送線路に対応して設けているため、そのフィルタによって不要帯域の電波が抑制されるだけでなく、フィルタによる線路長の増加で使用周波数の電波の通過損失が大きくなるということが起こる。したがって、従来の伝送線路導波管変換器では、そのフィルタにより不要帯域の電波を抑制することができる反面、使用周波数の電波の通過損失が大きくなり、伝送線路導波管変換器における電気特性が劣化するという課題があった。
そこで、この発明は、前記のような課題を解消するためになされたもので、不要帯域の電波を共振させて抑圧する共振器を設けても、使用周波数の電波の通過損失が大きくならない良好な電気特性を呈する新規な伝送線路導波管変換器を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る伝送線路導波管変換器は、伝送線路を導波管の側壁を介して電磁的に結合し、前記伝送線路と前記導波管の一方の側との間で伝搬する電力を相互に変換する伝送線路導波管変換器において、前記導波管を伝搬する電波の中から不要帯域の電波を共振させる共振器を、前記導波管の他方の側に設けたものである。
請求項2に係る伝送線路導波管変換器は、伝送線路の信号導体を導波管の側壁を介して前記導波管の管内に挿入し、前記伝送線路と前記導波管の一方の側との間で伝搬する電力を相互に変換する伝送線路導波管変換器において、前記導波管の他方の側に前記信号導体から所定距離だけ離隔して形成した結合孔を介し、前記導波管を伝搬する電波の中から不要帯域の電波を共振する共振器を備えたものである。
請求項3に係る伝送線路導波管変換器は、上側及び下側導波管に分割して構成され、上側導波管の側壁に開口部を設けた導波管と、前記開口部に信号導体を挿入し、前記導波管の一方の側との間において使用周波数の電波を伝搬する伝送線路と、前記導波管の他方の側に前記信号導体から所定距離だけ隔てた結合孔を介して前記導波管の他方の側に連続して形成し、かつ、前記上側及び下側導波管に対応して分割し、使用周波数以外の不要帯域の電波を共振する共振器とを備えたものである。
請求項4に係る伝送線路導波管変換器は、前記結合孔と別の結合孔を前記共振器の内部に設け、前記共振器を複数個とした請求項1〜3のいずれかに記載のものである。
請求項5に係る伝送線路導波管変換器は、電波吸収体を前記共振器の内部に設けた請求項1〜4のいずれかに記載のものである。
請求項6に係る伝送線路導波管変換器は、前記下側導波管の側壁をこれと垂直方向に連続して延ばした延長部を形成し、前記伝送線路のマイクロストリップ線路を前記延長部に構成した請求項3に記載のものである。
請求項7に係る伝送線路導波管変換器は、前記上側導波管及び前記上側共振器の上面、並びに前記下側導波管及び前記下側共振器の下面をいずれも平面状とした請求項3に記載のものである。
以上のように、この発明によれば、伝送線路と導波管の一方の側との間で伝搬する電力を相互に変換し、導波管を伝搬する電波の中から不要帯域の電波を共振する共振器を、導波管の他方の側に設けたので、使用周波数の電波の通過損失が大きくなるということはなく、電気特性の劣化を有効に防止することができる。
この発明に係る伝送線路導波管変換器は、伝送線路を導波管の側壁を介して電磁的に結合し、前記伝送線路と前記導波管の一方の側との間で伝搬する電力を相互に変換するものであり、伝送線路としては、マイクロストリップ線路、同軸線路、ストリップ線路がある。以下の実施の形態においては、伝送線路はマイクロストリップ線路として説明するが、これに限られず、同軸線路やストリップ線路であっても適用できるものである。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る伝送線路導波管変換器について、図1を用いて詳細に説明する。図1は、実施の形態1に係る伝送線路導波管変換器の分解斜視図である。
図1において、1は、導波管で、上側導波管1Aと下側導波管1Bとを組合せて構成している。下側導波管1Bには、これと直交方向に延ばした延長部1Cを一体的に形成している。ここで、一体的にとは、上側及び下側導波管1A、1Bを形成すると同時に延長部1Cを形成しても、延長部1Cを別個に形成した後に上側及び下側導波管1A、1Bに連結しても、延長部1Cを上側および下側導波管1A、1Bに連続するように形成する場合でもよいものとする(以下、同じ)。なお、上側導波管1Aと下側導波管1Bとの固定は、ねじ止めや嵌合、導波管1が樹脂製であれば導電性樹脂による接着などにより行なう。
2は、延長部1C上に形成した伝送線路であって、ここでは、マイクロストリップ線路を用いている。3は、延長部1C上に形成して導波管1の管内に延ばしたマイクロストリップ線路2の誘電体基板である。4は、誘電体基板3の上面に形成したストリップ導体パターンである。誘電体基板3の下面には接地導体を形成している。
マイクロストリップ線路2の接地導体は、延長部1Cに電気的に接続しているので、導波管1の側壁とは電気的に共通接地となる。マイクロストリップ線路2は、上側導波管1Aの側面に形成した開口部5を通して導波管1の管内に延ばした構成としている。ただし、マイクロストリップ線路2の接地導体は、延長部1C上において開口部5の直前まで誘電体基板3の下面に設けているが、開口部5を通して導波管1の管内に挿入した部分にあっては、接地導体を設けずに誘電体基板3上にストリップ導体パターン4を形成している。
なお、伝送線路が同軸線路である場合には、同軸線路の中心導体を導波管1の管内に挿入するように構成する。
マイクロストリップ線路2は、前記したように、導波管1の側壁の開口部5を通して垂直に管内に挿入しているため、導波管1の短絡面7とは平行となる。短絡面7は、ストリップ導体パターン4から使用周波数のλ/4(λは使用周波数の波長)の位置(距離)に設けている(以下、マイクロストリップ線路2からλ/4ともいう。)。使用周波数の電波は、導波管1の一方の側(X側)及び他方の側(Y側)に伝搬されるが、他方の側(Y側)に伝播された使用周波数の電波は、短絡面7において反射される。
その反射された使用周波数の電波は、マイクロストリップ線路2から短絡面7に向かう使用周波数の電波とは逆位相であって、強度の絶対値が等しいために互いに打ち消しあう。
よって、マイクロストリップ線路2と短絡面7との間においては、使用数波数の電波は伝搬しないことになる。
一方、使用周波数の電波は、マイクロストリップ線路2と導波管1の一方の側(X側)との間において相互に伝搬することとなる。これにより、マイクロストリップ線路2と導波管1との間において伝搬する電波の電力を高い変換効率で相互に変換することができる。
なお、前記したλ/4は、設計上の目安となる数値であって、実際には、導波管1や開口部5の寸法、マイクロストリップ線路2の誘電体基板の誘電率、マイクロストリップ線路2の導体幅などにより、λ/4から若干ずれる場合もありえるが、シミュレーションや試作などにより最適値を決定して微調整することになる。
図1において、6は、結合孔7aを通して導波管1に一体的に接続構成した空洞共振器である。空洞共振器6は、使用周波数と異なる周波数や高次の信号周波数に対する不要帯域の電波、すなわち不要波を抑圧するために設けたものである。
不要帯域の電波は、短絡面7において反射されずに結合孔7aを通して空洞共振器6の内部に侵入するように、不要帯域の電波の波長との関係から、短絡面7の結合孔7aの寸法を決めている。この場合に、使用周波数の電波は、短絡面7において反射されて結合孔7aを通して空洞共振器6の内部にはほとんど侵入しない。
図2は、図1において下側導波管1Bを上方からみたときの断面図及び導波管1を下側導波管1C側からみたときの側面図、図2(a)は下側導波管1Bを上方からみたときの断面図、図2(b)は下側導波管1Bを下側導波管1C側からみたときの側面図である。図2において、a1は、導波管1(方形導波管)の空洞部における横寸法である。a2は、空洞共振器6の横寸法であり、a3は、結合孔7aの幅寸法である。実施の形態1においては、図2に示すように、結合孔7aの幅寸法a3は空洞共振器6の横寸法a2よりも小さく設定し、空洞共振器6の幅寸法a2は導波管1の幅寸法a1よりも小さく設定している。図2において、Lは、空洞共振器6の長さ方向における空洞部の長さであり、その長さはλ/2に設定している。ただし、λは不要波の管内波長である。
このように、結合孔7aを通した空洞共振器6は、開口共振器形フィルタを形成している。なお、λ/2についても、実際上、若干ずらして設定する場合がある。
図3は、実施の形態1に係る伝送線路導波管変換器の等価回路図である。すなわち、図1及び図2に示すような構成を等価回路図で表すと、図3のようになる。使用周波数の電波は、空洞共振器6にほとんど侵入しないため短絡面7は短絡回路とみなすことができる。この場合の等価回路図は図4に示すようになる。
また、使用周波数以外の不要帯域の電波(不要波)は、結合孔7aを通して空洞共振器6に侵入し、いったん電波のエネルギーとして蓄えられる。このとき、図5(a)に示すように、結合孔7aを設けた短絡面7は等価的に開放回路となる。λ/4の位置にあるストリップ導体パターン4(プローブ)の位置では、図5(b)に示すように、プローブと平行に短絡回路となる。
このため、不要波はプローブ単体のインピーダンスに関わらず完全反射となり、入力側に戻ることとなり、この共振周波数の不要波は出力端子には現れず、阻止されたことになる。すなわち、不要波は、結合孔7aを通して空洞共振器6の内部に侵入した後には、結合孔7aを通してマイクロストリップ線路2の側には現れないこととなる。
図6は、Ku/K帯でシミュレーションした場合のマイクロストリップ線路導波管変換器の通過特性及び反射特性図、図6(a)はマイクロストリップ線路導波管変換器の通過特性図、図6(b)は空洞共振器を設けたマイクロストリップ線路導波管変換器の通過特性図である。空洞共振器を設けた、つまり、帯域阻止機能を付加したマイクロストリップ線路導波管変換器の通過特性は、図6(b)に示すように、通過帯域13〜16GHzにおいては約−1dB以上、点線の円で囲まれた阻止帯域21〜23GHzにおいては約−10dB以下が得られている。また、図6(a)においては、帯域阻止機能を付加していない場合のマイクロストリップ線路導波管変換器の通過特性も示しているが、この場合には、通過帯域及び阻止帯域において通過損失は約−1dB以上となっている。したがって、帯域阻止機能(空洞共振器)を付加したマイクロストリップ線路導波管変換器においては、通過特性を劣化させることなく、不要波のみを抑制することができる。
以上のように、実施の形態1においては、マイクロストリップ線路2からλ/4の位置に短絡面7を設け、その結合孔7aを通して導波管1の他方の側(図1においてY側)に空洞共振器6を配置する構成としたことから、マイクロストリップ線路2と導波管1とを伝搬する使用周波数の電波については、マイクロストリップ線路2と短絡面7との間において互いに打ち消しあった結果、使用周波数の電波は、短絡面7から空洞共振器6の側には伝搬せずに、マイクロストリップ線路2と導波管1の一方の側(X側)との間において相互に伝搬するようになる。しかし、不要波は、その結合孔7aを通して空洞共振器6の内部に導かれ、空洞共振器6内において共振して抑圧されるようになる。
したがって、実施の形態1によれば、導波管1の他方の側(Y側)に空洞共振器6を設け、使用周波数以外の不要帯域の電波を空洞共振器6により抑圧するように構成したので、使用周波数の電波は、導波管1の一方の側(X側)とマイクロストリップ線路2との間において伝送損失(通過損失)を大きくすることなく相互に伝搬することができる。
また、実施の形態1によれば、従来のようにワイヤや金リボンを用いる場合のように、これらの存在によって電波の反射が生じることもなくなり、使用周波数の電波は空洞共振器に侵入することもないため、空洞共振器よる損失もほとんどなくなる。
さらに、実施の形態1によれば、マイクロストリップ線路導波管変換器の変換部の内部に帯域阻止機能を設けることができ、フィルタとマイクロストリップ線路導波管変換器を接続する作業工程を省くことができるとともに、フィルタとマイクロストリップ線路導波管変換器の相互結合や高周波信号の反射要素となり易いワイヤやリボンによる接続部を省くこともでき、電気特性が向上するという効果を奏することができる。
実施の形態2.(多段フィルタ)
この発明の実施の形態2について、図7を用いて説明する。図7は、実施の形態2に係るマイクロストリップ線路導波管変換器の断面図である。図7において、8は、多段共振器形フィルタである。多段共振器形フィルタ8の長さは、不要波の所定周波数に対してλ/2(λは、所定周波数の不要電波の管内波長)を基本長としている。なお、不要波の所定周波数については、設計上、導波管1の一方の側(X側)とマイクロストリップ線路2との間において不要波として阻止したい周波数をいうものとする。
マイクロストリップ線路2(ストリップ導体パターン4)から導波管1の他方の側(Y側)におよそλ/4(λは、使用周波数の電波の導波管内波長)の位置に短絡面7を設けている。その短絡面7には結合孔7aを形成しており、実施の形態1の場合と同様である。
しかし、実施の形態2では、その空洞共振器の空洞部を分割するように側壁9を設け、その側壁9に結合孔7bを形成している。すなわち、多段共振器形フィルタ8は、空洞共振器を多段に配置してその間を結合孔7bにより接続して構成している。
したがって、この実施の形態2によれば、導波管1の他方の側(Y側)に多段共振型フィルタ8を設けるため、小型化、作業工程の削減及び電気特性の向上を図ることができるとともに、広帯域に亘って不要波を阻止することができる。
実施の形態3.(ノッチフィルタ)
この発明の実施の形態3について、図8を用いて説明する。図8は、実施の形態3に係るマイクロストリップ線路導波管変換器の断面図である。図8において、10は、急峻な阻止帯域を有するノッチフィルタである。図8において、マイクロストリップ線路2(ストリップ導体パターン4)から導波管1の他方の側(Y側)におよそλ/4(λは使用周波数の波長)の位置に短絡面7を設けている。その短絡面7には結合孔7aを形成している。
図8において、マイクロストリップ線路2(ストリップ導体パターン4)から結合孔7aまでの位置(距離)は、使用周波数の電波に対するλ/4(λは導波管の管内波長)の位置に固定される。空洞共振器6の長さは、不要帯域の電波のλ/2(λは不要波の波長)とする。結合孔7aが長くなるに従って導波管1と空洞共振器6とは疎結合となる。これにより、急峻な阻止帯域を有するノッチフィルタ10を構成することが可能となる。
したがって、実施の形態3によれば、導波管1の他方の側(Y側)に急峻な阻止帯域を持つノッチフィルタを設けることができるので、小型化、作業工程の削減及び電気特性の向上を図ることができる。
実施の形態4.(電波吸収体による終端)
この発明の実施の形態4に係るマイクロストリップ線路導波管変換器について、図9(a)(b)(c)を用いて説明する。図9(a)(b)(c)は、それぞれ実施の形態4に係るマイクロストリップ線路導波管変換器の断面図である。図9(a)(b)(c)において、11a、11b及び11cは、それぞれ電波吸収体である。電波吸収体11aは、図9(a)に示すように、実施の形態1において空洞共振器6の内部に設けている。電波吸収体11bは、実施の形態2において説明した多段共振器形フィルタ8の内部に設けている。図9(b)に示すように、電波吸収体11bを多段共振器形フィルタ8の後段に設けている。電波吸収対11cは、図9(c)に示すように、実施の形態3において空洞共振器6の内部に設けている。
図9(a)(b)(c)においては、いずれの場合にも、ストリップ導体パターン4から結合孔7aまでの距離は、通過させる信号の導波管管内波長のおよそ1/4となる位置に固定している。導波管1に対して結合孔7aを介して対面もしくは対面の近傍に電波吸収体Bを設置することにより、無反射終端器を構成している。このとき、導波管1の内部に蓄えられた電波のエネルギーは、電波吸収体8により吸収されるため、低反射な阻止帯域を有することが可能となる。
したがって、実施の形態4によれば、電波吸収型のフィルタを設けることができるため、反射特性を劣化させずに不要波を阻止することが可能となる。
この発明の実施の形態1に係る伝送線路導波管変換器の分解斜視図である。 図1において下側導波管1Bを上方からみたときの断面図及び導波管1を下側導波管1C側からみたときの側面図である。 実施の形態1に係る伝送線路導波管変換器の等価回路図である。 実施の形態1に係る伝送線路導波管変換器において、使用周波数の電波に対する等価回路図である。 (a)(b)は、実施の形態1に係る伝送線路導波管変換器において帯域阻止機能を付加したマイクロストリップ線路導波管変換器の等価回路図である。 実施の形態1に係る伝送線路導波管変換器のマイクロストリップ線路導波管変換器の通過特性及び反射特性図である。 実施の形態2に係るマイクロストリップ線路導波管変換器の断面図である。 実施の形態3に係るマイクロストリップ線路導波管変換器の断面図である。 (a)(b)(c)は、それぞれ実施の形態4に係るマイクロストリップ線路導波管変換器の断面図である。
符号の説明
1…導波管、2…マイクロストリップ線路、3…誘電体基板、4…ストリップ導体パターン(設置導体)、5…開口部、6…空洞共振器、7…短絡面、7a、7b…結合孔、8…多段共振器形フィルタ、9…側壁、10…ノッチフィルタ、11a、11b、11c…電波吸収体

Claims (7)

  1. 伝送線路を導波管の側壁を介して電磁的に結合し、前記伝送線路と前記導波管の一方の側との間で伝搬する電力を相互に変換する伝送線路導波管変換器において、前記導波管を伝搬する電波の中から不要帯域の電波を共振させる共振器を、前記導波管の他方の側に設けた伝送線路導波管変換器。
  2. 伝送線路の信号導体を導波管の側壁を介して前記導波管の管内に挿入し、前記伝送線路と前記導波管の一方の側との間で伝搬する電力を相互に変換する伝送線路導波管変換器において、前記導波管の他方の側に前記信号導体から所定距離だけ離隔して形成した結合孔を介し、前記導波管を伝搬する電波の中から不要帯域の電波を共振する共振器を備えた伝送線路導波管変換器。
  3. 上側及び下側導波管に分割して構成され、上側導波管の側壁に開口部を設けた導波管と、前記開口部に信号導体を挿入し、前記導波管の一方の側との間において使用周波数の電波を伝搬する伝送線路と、前記導波管の他方の側に前記信号導体から所定距離だけ隔てた結合孔を介して前記導波管の他方の側に連続して形成し、かつ、前記上側及び下側導波管に対応して分割し、使用周波数以外の不要帯域の電波を共振する共振器とを備えた伝送線路導波管変換器。
  4. 前記結合孔と別の結合孔を前記共振器の内部に設け、前記共振器を複数個とした請求項1〜3のいずれかに記載の伝送線路導波管変換器。
  5. 電波吸収体を前記共振器の内部に設けた請求項1〜4のいずれかに記載の伝送線路導波管変換器。
  6. 前記下側導波管の側壁をこれと垂直方向に連続して延ばした延長部を形成し、前記伝送線路のマイクロストリップ線路を前記延長部に構成した請求項3に記載の伝送線路導波管変換器。
  7. 前記上側導波管及び前記上側共振器の上面、並びに前記下側導波管及び前記下側共振器の下面をいずれも平面状とした請求項3に記載の伝送線路導波管変換器。
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