JP6343866B2 - 偏光膜形成用組成物及び偏光膜 - Google Patents
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Description
重合性液晶化合物を含有する組成物から形成される偏光膜としては、例えば、特許文献1に、重合性スメクチック液晶化合物と二色性色素と光重合開始剤と阻害剤のみからなる偏光膜が開示されており、また、特許文献2に、重合性液晶化合物と二色性色素と重合開始剤と抑制剤とゲル化剤と溶剤のみからなる偏光膜が開示されている。
本発明の目的は、薄型でかつ高い透明性を有する偏光膜を製造し得る偏光膜形成用組成物及び当該偏光膜形成用組成物から形成される偏光膜を提供することである。
[1] 重合性液晶化合物、重合性非液晶化合物、二色性色素、重合開始剤及び溶剤を含有し、以下の(A)及び(B)の要件を満たす偏光膜形成用組成物。
(A)重合性液晶化合物及び重合性非液晶化合物がともに重合性基を有すること;
(B)偏光膜形成用組成物から得られる塗布膜に含まれる重合性液晶化合物が相分離状態を形成することなく、ネマチック液晶相及びスメクチック液晶相を示すこと
(これら(A)及び(B)の要件のそれぞれを、以下、「(要件A)」及び「(要件B)」という。)
[2] 重合性液晶化合物が式(1)で表される化合物である[1]記載の偏光膜形成用組成物。
U1−V1−W1−X1−Y1−X2−Y2−X3−W2−V2−U2 (1)
(式中、X1、X2及びX3は、互いに独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基又は置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表す。ただし、X1、X2及びX3のうち少なくとも1つは、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。シクロへキサン−1,4−ジイル基を構成する−CH2−は、−O−、−S−又は−NR−に置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す。Y1及びY2は、互いに独立に、−CH2CH2−、−CH2O−、−COO−、−OCOO−、単結合、−N=N−、−CRa=CRb−、−C≡C−又は−CRa=N−を表す。Ra及びRbは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。U1は、水素原子又は重合性基を表す。U2は、重合性基を表す。W1及びW2は、互いに独立に、単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCOO−を表す。V1及びV2は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH2−は、−O−、−S−又は−NH−に置き換わっていてもよい。)
[3] 重合性非液晶化合物が単官能アクリレート又は多官能アクリレートである[1]又は[2]記載の偏光膜形成用組成物。
[4] 重合性液晶化合物が有する重合性基と、重合性非液晶化合物が有する重合性基とがそれぞれ独立に、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)である[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光膜形成用組成物。
[5] 重合性液晶化合物が有する重合性基と、重合性非液晶化合物が有する重合性基とが同一である[1]〜[4]のいずれかに記載の偏光膜形成用組成物。
[6] 重合性液晶化合物が分子内に1〜2個の重合性基を有し、重合性非液晶化合物が分子内に2〜6個の重合性基を有する[1]〜[5]のいずれかに記載の偏光膜形成用組成物。
[7] 重合性非液晶化合物の含有量が、重合性液晶化合物100質量部に対して、3質量部以上10質量部以下である[1]〜[6]のいずれかに記載の偏光膜形成用組成物。
[8] 以下の(I)、(II)及び(III)の工程を有する偏光膜の製造方法。
(I)[1]〜[7]のいずれかに記載の偏光膜形成用組成物を基材上又は基材上に形成された配向膜上に塗布し、溶剤を除去して塗布膜を形成する工程;
(II)(I)で形成された塗布膜に含まれる重合性液晶化合物をスメクチック液晶相状態にする工程;
(III)(II)で形成された、重合性液晶化合物がスメクチック液晶相状態である塗布膜中で、重合性液晶化合物と重合性非液晶化合物とを共重合させる工程
[9] 基材が、配向処理が施された透明基材である[8]記載の偏光膜の製造方法。
[10] (II)の工程が、(I)の工程で形成された塗布膜に含まれる重合性液晶化合物がネマチック液晶相を示すまで加熱処理する工程(I−1)と、工程(I−1)で形成された該重合性液晶化合物がネマチック液晶相状態である塗布膜を、該重合性液晶化合物がスメクチック液晶相を示すまで冷却する工程(I−2)とを有する工程である[8]又は[9]記載の偏光膜の製造方法。
[11] [8]〜[10]のいずれかに記載の製造方法により製造される偏光膜。
[12] X線による回折測定においてブラッグピークを示す[11]記載の偏光膜。
[13] [11]又は[12]記載の偏光膜を含む表示装置。
本発明の偏光膜形成用組成物(以下、場合により「本組成物」という。)は、重合性液晶化合物と、重合性非液晶化合物、二色性色素と、重合開始剤と、溶媒とを含有する。本組成物から後述の製造方法により形成される偏光膜(以下、場合により「本偏光膜」という。)は、液晶表示装置に好適であるのみならず、有機EL表示装置に好適な円偏光板(以下、場合により「本円偏光板」という。)を製造することを可能にする。まず、本組成物について説明する。
本発明の偏光膜形成用組成物が含有する重合性液晶化合物とは、重合性基を有し、且つ、本組成物から形成される塗布膜において、相分離状態を形成することなく、ネマチック液晶相及びスメクチック液晶相を示す特性を備えた液晶化合物である。
U1−V1−W1−X1−Y1−X2−Y2−X3−W2−V2−U2 (1)
[式(1)中、
X1、X2及びX3は、互いに独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基又は置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表す。ただし、X1、X2及びX3のうち少なくとも1つは、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。シクロへキサン−1,4−ジイル基を構成する−CH2−は、−O−、−S−又は−NR−に置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す。
Y1及びY2は、互いに独立に、−CH2CH2−、−CH2O−、−COO−、−OCOO−、単結合、−N=N−、−CRa=CRb−、−C≡C−又は−CRa=N−を表す。Ra及びRbは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
U1は、水素原子又は重合性基を表す。
U2は、重合性基を表す。
W1及びW2は、互いに独立に、単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCOO−を表す。
V1及びV2は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH2−は、−O−、−S−又は−NH−に置き換わっていてもよい。]
置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基は、無置換であることが好ましい。置換基を有していてもよいシクロへキサン−1,4−ジイル基は、置換基を有していてもよいトランス−シクロへキサン−1,4−ジイル基であることが好ましく、置換基を有していてもよいトランス−シクロへキサン−1,4−ジイル基は無置換であることが好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基が任意に有する置換基としては、シアノ基及びハロゲン原子などが挙げられるが、該アルカンジイル基は、無置換であることが好ましく、無置換且つ直鎖状のアルカンジイル基であることがより好ましい。
本発明の重合性非液晶化合物とは、重合性基を有し、かつ、温度変化によっても、固体と液体の間に液晶状態を有さない化合物のことを意味する。
なお、重合性液晶化合物及び重合性非液晶化合物から選ばれる少なくとも一つの化合物が複数種の重合性基を有する場合は、重合性液晶化合物が有する少なくとも1つの重合性基と、重合性非液晶化合物が有する少なくとも1つの重合性基とが同一であること好適である。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;
トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;
カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、及びカプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物などが挙げられる。なお、ここに示した多官能アクリレートの具体例において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、カプロラクトン変性とは、(メタ)アクリレート化合物のアルコール由来部位と(メタ)アクリロイルオキシ基との間に、カプロラクトンの開環体、又は、開環重合体が導入されていることを意味する。
かかる市販品としては、A−DOD−N、A−HD−N、A−NOD−N、APG−100、APG−200、APG−400、A−GLY−9E、A−GLY−20E、A−TMM−3、A−TMPT、AD−TMP、ATM−35E、A−TMMT、A−9550、A−DPH、HD−N、NOD−N、NPG、TMPT(新中村化学株式会社製)、”ARONIX M−220”、同”M−325”、同”M−240”、同”M−270”同”M−309”同”M−310”、同”M−321”、同”M−350” 、同”M−360” 、同”M−305” 、同”M−306” 、同”M−450” 、同”M−451” 、同”M−408” 、同”M−400” 、同”M−402” 、同”M−403” 、同”M−404” 、同”M−405” 、同”M−406”(東亜合成株式会社製)、”EBECRYL11”、同”145” 、同”150” 、同”40” 、同”140” 、同”180” 、DPGDA、HDDA、TPGDA、HPNDA、PETIA、PETRA、TMPTA、TMPEOTA、DPHA、EBECRYLシリーズ(ダイセル・サイテック株式会社製)などを挙げることができる。
二色性色素とは、分子の長軸方向における吸光度と、短軸方向における吸光度とが異なる性質を有する色素をいう。このような性質を有するものであれば、二色性色素は染料であっても顔料であってもよく、また、複数種の化合物の混合物であってもよい。
A1(−N=N−A2)p−N=N−A3 (2)
[式(2)中、
A1及びA3は、互いに独立に、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。A2は、置換基を有していてもよいp−フェニレン基、置換基を有していてもよいナフタレン−1,4−ジイル基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。pは1〜4の整数を表す。pが2以上の整数である場合、複数のA2は互いに同一でも異なっていてもよい。]
[式(2−1)〜(2−6)中、
B1〜B20は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換のアミノ基(置換アミノ基及び無置換アミノ基の定義は前記のとおり)、塩素原子又はトリフルオロメチル基を表す。
n1〜n4は、互いに独立に0〜3の整数を表す。
n1が2以上である場合、複数のB2は互いに同一でも異なっていてもよく、
n2が2以上である場合、複数のB6は互いに同一でも異なっていてもよく、
n3が2以上である場合、複数のB9は互いに同一でも異なっていてもよく、
n4が2以上である場合、複数のB14は互いに同一でも異なっていてもよい。]
[式(2−7)中、
R1〜R8は、互いに独立に、水素原子、−Rx、−NH2、−NHRx、−NRx 2、−SRx又はハロゲン原子を表す。
Rxは、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。]
[式(2−8)中、
R9〜R15は、互いに独立に、水素原子、−Rx、−NH2、−NHRx、−NRx 2、−SRx又はハロゲン原子を表す。
Rxは、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。]
[式(2−9)中、
R16〜R23は、互いに独立に、水素原子、−Rx、−NH2、−NHRx、−NRx 2、−SRx又はハロゲン原子を表す。
Rxは、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。]
[式(2−10)中、
D1及びD2は、互いに独立に、式(2−10a)〜式(2−10d)のいずれかで表される基を表す。
n5は1〜3の整数を表す。]
本組成物は、重合開始剤を含有する。当該重合開始剤は、重合性液晶化合物などの重合反応を開始し得る化合物である。重合開始剤としては、光の作用により活性ラジカルを発生できる光重合開始剤が好ましい。
本組成物は、溶剤を含有する。溶剤としては、重合性液晶化合物、重合性非液晶化合物ならびに二色性色素を完全に溶解し得る溶剤が好ましい。また、本組成物における重合反応に不活性な溶剤であることが好ましい。
溶剤としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン又はプロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び乳酸エチルなどのエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン及びメチルイソブチルケトンなどのケトン溶剤;ペンタン、ヘキサン及びヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶剤;トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリルなどのニトリル溶剤;テトラヒドロフラン及びジメトキシエタンなどのエーテル溶剤;及びクロロホルム及びクロロベンゼンなどの塩素含有溶剤;などが挙げられる。これら溶剤は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
本組成物はさらに増感剤を含有していてもよい。増感剤としては、光増感剤が好ましい。該増感剤としては、例えば、キサントン及びチオキサントンなどのキサントン化合物(例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなど);アントラセン及びアルコキシ基含有アントラセン(例えば、ジブトキシアントラセンなど)などのアントラセン化合物;フェノチアジン及びルブレンなどが挙げられる。
本組成物は、レベリング剤を含有すると好ましい。該レベリング剤とは、本組成物の流動性を調整し、本組成物を塗布して得られる塗布膜をより平坦にする機能を有するものであり、界面活性剤などを挙げることができる。該レベリング剤は、ポリアクリレート化合物を主成分とするレベリング剤及びフッ素原子含有化合物を主成分とするレベリング剤からなる群から選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。なお、ここでいうポリアクリレート化合物は重合性基を有しないものである。
次に、本組成物から本偏光膜を形成する方法について説明する。まず、本組成物を基材上又は基材上に形成された配向膜上に塗布する。好ましくは基材上に形成された配向膜上に塗布する。基材としては透明基材が好ましい。
透明基材とは光、特に可視光を透過し得る程度の透明性を有する基材である。該透明性とは、波長380〜780nmに渡る光線に対しての透過率が80%以上となる特性をいう。具体的に、かかる透明基材を例示すると、ガラス基材や、プラスチック基材を挙げることができる。なお、プラスチック基材を構成するプラスチックとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマーなどのポリオレフィン;環状オレフィン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリエチレンテレフタレート;ポリメタクリル酸エステル;ポリアクリル酸エステル;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース及びセルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル;ポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィド及びポリフェニレンオキシドなどのプラスチックが挙げられる。中でも、市場から容易に入手できたり、透明性に優れていたりする点から、とりわけ好ましくは、セルロースエステル、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート又はポリメタクリル酸エステルである。かかる透明基材を用いて、本偏光膜を製造するに当たり、該透明基材を運搬したり、保管したりする際に破れなどの破損を起こすことなく容易に取り扱える点で、該透明基材に支持基材などを貼り付けておいてもよい。また、後述するが、本偏光膜から円偏光板を製造する際に、プラスチック基材に位相差性を付与することがある。この場合には、プラスチック基材に延伸処理などにより位相差性を付与すればよい。なお、透明基材に位相差性を付与する方法は追って説明する。
本偏光膜の製造に用いる基材には、配向膜が形成されていることが好ましい。その場合、本組成物は配向膜上に塗布することとなる。このため該配向膜は、本組成物の塗布などにより溶解しない程度の溶剤耐性を有することが好ましい。また、溶剤の除去や液晶の配向のための加熱処理における耐熱性を有することが好ましい。かかる配向膜としては、配向性ポリマーを用いて形成することができる。
中でも、光二量化反応を起こしうる光反応性基が好ましく、シンナモイル基及びカルコン基が、光配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向層が得られやすいため好ましい。さらにいえば、光反応性基を有するポリマーとしては、当該ポリマー側鎖の末端部が桂皮酸構造となるようなシンナモイル基を有するものが特に好ましい。
前記基材上又は基材上に形成された配向膜上に、本組成物を塗布して溶剤を除去して塗布膜を得る。塗布する方法(塗布方法)としては例えば、配向性ポリマー又は光配向層形成用組成物を基材上に塗布する方法として例示したものと同じ方法が挙げられる。
塗布膜中の重合性液晶化合物をスメクチック液晶相にした後、このスメクチック液晶相を保持したまま、塗布膜にエネルギーを照射することにより、重合性液晶化合物及び重合性非液晶化合物を重合させる。本組成物は重合開始剤を含有しているため、重合開始剤が活性化される条件のエネルギーを照射することが好ましく、好ましいエネルギーとしては光が挙げられる。照射する光としては、当該塗布膜に含まれる重合開始剤の種類、又は重合性液晶化合物と重合性非液晶化合物の種類(特に、該重合性液晶化合物が有する重合基の種類)及びその量に応じて適宜、可視光、紫外光及びレーザー光からなる群より選択される光や活性電子線によって行うことができる。これらのうち、重合反応の進行をコントロールし易い点や、重合に係る装置として当分野で広範に用いられているものが使用できるという点で、紫外光が好ましい。よって、紫外光によって、重合できるように、本組成物に含有される重合性液晶化合物、重合性非液晶化合物及び重合開始剤の種類を選択しておくと好ましい。また、重合させる際には、紫外光照射とともに適当な冷却手段により、塗布膜を冷却することで重合温度をコントロールすることもできる。このような冷却手段の採用により、より低温で重合性液晶化合物及び重合性非液晶化合物の重合を実施できれば、上述の基材が比較的耐熱性が低いものを用いたとしても、適切に本偏光膜を形成できるという利点もある。なお、重合の際、マスキングや現像を行うなどによって、パターニングされた本偏光膜を得ることもできる。
以上、本偏光膜の製造方法の概要を説明したが、商業的に本偏光膜を製造する際には、連続的に本偏光膜を製造できる方法が求められる。このような連続的製造方法はRoll to Roll形式によるものであり、場合により、「本製造方法」という。なお、本製造方法では基材が透明基材である場合を中心に説明する。
透明基材が第1の巻芯に巻き取られている第1ロールを準備する工程と、
該第1ロールから、透明基材を連続的に送り出す工程と、
前記光配向層形成用組成物を連続的に透明基材に塗布する工程と、
塗布された光配向層形成用組成物から溶剤を除去して、透明基材上に第一の塗布膜を連続的に形成する工程と、
該塗布膜に偏光UVを照射することにより、光配向層を連続的に形成し光配向膜を形成する工程と、
該光配向膜上に、本組成物を連続的に塗布する工程と、
塗布された本組成物を、重合性液晶化合物及び重合性非液晶化合物が重合しない条件で乾燥することにより、該光配向膜上に第二の塗布膜を連続的に形成する工程と、
該塗布膜に含まれる重合性液晶化合物の液晶状態をスメクチック液晶相とした後、スメクチック液晶相を保持したまま、重合性液晶化合物を重合させることにより、偏光膜を連続的に得る工程と、
連続的に得られた、透明基材と光配向膜と偏光膜を含んだ積層体を第2の巻芯に巻き取り、第2ロールを得る工程と
を有する。ここで図1を参照して、本製造方法を説明する。
本偏光膜は、さまざまな表示装置に用いることができる。表示装置とは、表示素子を有する装置であり、発光源として発光素子又は発光装置を含む。表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、電子放出表示装置(例えば電場放出表示装置(FED)、表面電界放出表示装置(SED))、電子ペーパー(電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置、プラズマ表示装置、投射型表示装置(例えばグレーティングライトバルブ(GLV)表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を有する表示装置)及び圧電セラミックディスプレイなどが挙げられる。液晶表示装置は、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置、直視型液晶表示装置及び投写型液晶表示装置などのいずれをも含む。これらの表示装置は、2次元画像を表示する表示装置であってもよいし、3次元画像を表示する立体表示装置であってもよい。
本偏光膜は、特に有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置又は無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置の表示装置に有効に用いることができる。
図10は、本偏光膜を用いたEL表示装置(以下、場合により「本EL表示装置」という。)の断面構成を模式的に表す概略図である。
図11は、本偏光膜を用いた投射型液晶表示装置の構成を模式的に表す概略図である。
基材14aの液晶層17側には、カラーフィルタ15が配置されている。カラーフィルタ15が、液晶層17をはさんで画素電極22に対向する位置に配置され、ブラックマトリクス20が画素電極間の境界に対向する位置に配置されている。透明電極16がカラーフィルタ15及びブラックマトリクス20を覆うように液晶層17側に配置されている。
なお、カラーフィルタ15と透明電極16との間にオーバーコート層(図示せず)を有していてもよい。
かかるガラス基材やプラスチック基材は、本偏光膜製造に用いる透明基材として例示したものと同じ材質のものが採用できる。また、本偏光膜の透明基材が基材14a及び基材14bを兼ねていてもよい。基材上に形成されるカラーフィルタ15や薄膜トランジスタ21を製造する際、高温に加熱する工程が必要である場合は、ガラス基材や石英基材が好ましい。
さらに、位相差層(例えば、1/4波長板や光学補償フィルム)13a及び13bが、積層されていると好ましい。偏光子12a及び12bのうち、本偏光膜を偏光子12bに配置することで、入射光を直線偏光に変換する機能を本液晶表示装置10に付与することができる。なお、位相差フィルム13a及び13bは、液晶表示装置の構造や、液晶層17に含まれる液晶化合物の種類によっては、配置されていなくてもよく、透明基材が位相差フィルムであり、本偏光膜を含む(楕)円偏光板を用いた場合は、該位相差フィルムを位相差層とすることができるので、図2の位相差層13a及び/又は13bを省略することもできる。本偏光膜を含む偏光子の光出射側(外側)にさらに偏光フィルムを設けてもよい。
また、本偏光膜を含む偏光子の外側に(本偏光膜にさらに偏光フィルムを設けた場合は、その外側に)、外光の反射を防ぐための反射防止膜が配置されていてもよい。
バックライトユニット19は、光源、導光体、反射板、拡散シート及び視野角調整シートを含む。光源としては、エレクトロルミネッセンス、冷陰極管、熱陰極管、発光ダイオード(LED)、レーザー光源及び水銀ランプなどが挙げられる。また、このような光源の特性に合わせて本偏光膜の種類を選択することができる。
前記第2ロール220から連続的に本偏光膜100を巻き出すとともに、位相差フィルムが巻き取られている第3ロール230から連続的に前記位相差フィルムを巻き出す工程と、
前記第2ロール220から巻き出された本偏光膜100に設けられた偏光層と、前記第3ロールから巻き出された前記位相差フィルムとを連続的に貼合して本円偏光板110を形成する工程と、
形成された本円偏光板110を第4の巻芯240Aに巻き取り、第4ロール240を得る工程とからなる。
本EL表示装置30は、画素電極35が形成された基材33上に、発光源である有機機能層36、及びカソード電極37が積層されたものである。基材33を挟んで有機機能層36と反対側に、円偏光板31が配置され、かかる円偏光板31として本円偏光板110が用いられる。画素電極35にプラスの電圧、カソード電極37にマイナスの電圧を加え、画素電極35及びカソード電極37間に直流電流を印加することにより、有機機能層36が発光する。発光源である有機機能層36は、電子輸送層、発光層及び正孔輸送層などからなる。有機機能層36から出射した光は、画素電極35、層間絶縁膜34、基材33、円偏光板31(本円偏光板110)を通過する。有機機能層36を有する有機EL表示装置について説明するが、無機機能層を有する無機EL表示装置にも適用してもよい。
図示はしないが、基材33上に熱伝導性膜を形成してもよい。熱伝導性膜としては、ダイヤモンド薄膜(DLCなど)などが挙げられる。画素電極35を反射型とする場合は、基材33とは反対方向へ光が出射する。したがって、透明材料だけでなく、ステンレスなどの非透過材料を用いることができる。基材は単一で形成されていてもよく、複数の基材を接着剤で貼り合わせて積層基材として形成されていていてもよい。また、これらの基材は、板状のものに限定するものではなく、フィルムであってもよい。
画素電極35は、蒸着法(好ましくはスパッタ法)により形成することができる。スパッタガスとしては、特に制限するものではなく、Ar、He、Ne、Kr及びXeなどの不活性ガス、あるいはこれらの混合ガスを用いればよい。
カソード電極37は、蒸着法及びスパッタ法などにより形成される。カソード電極37の厚さは、0.1nm以上、好ましくは1〜500nm以上であることが好ましい。
発光層の厚さ、正孔注入層と正孔輸送層とを併せた厚さ、及び電子注入輸送層の厚さは特に限定されず、形成方法によっても異なるが、5〜100nm程度とすることが好ましい。正孔注入層や正孔輸送層には、各種有機化合物を用いることができる。正孔注入輸送層、発光層及び電子注入輸送層の形成には、均質な薄膜が形成できる点で真空蒸着法を用いることができる。
薄膜封止膜41としては電解コンデンサのフィルムにDLC(ダイヤモンドライクカーボン)を蒸着したDLC膜を用いることが好ましい。DLC膜は水分浸透性が極めて悪いという特性があり、防湿性能が高い。また、DLC膜などをカソード電極37の表面に直接蒸着して形成してもよい。また、樹脂薄膜と金属薄膜とを多層に積層して、薄膜封止膜41を形成してもよい。
図11は、本偏光膜を用いた投射型液晶表示装置を示す概略図である。
この投射型液晶表示装置の偏光子142及び/又は偏光子143として、本偏光膜は用いられる。
化合物(1−6)(下記式(1−6)で表される化合物)
化合物(1−6)は、Lub et al. Recl.Trav.Chim.Pays−Bas,115, 321−328(1996)記載の方法で合成した。
化合物(1−6)の相転移温度は、化合物(1−6)からなる膜の相転移温度を求めることで確認した。その操作は以下のとおりである。
ガラス基材上に形成された配向膜上に、化合物(1−6)からなる膜を形成し、加熱しながら、偏光顕微鏡(BX−51、オリンパス社製)によるテクスチャー観察によって相転移温度を確認した。化合物(1−6)からなる膜は、120℃まで昇温後、降温時において、112℃でネマチック相に相転移し、110℃でスメクチックA相に相転移し、94℃でスメクチックB相へ相転移したことを確認した。
化合物(1−6)の相転移温度測定と同様にして、化合物(1−7)の相転移温度を確認した。化合物(1−7)は、140℃まで昇温後、降温時において、133℃でネマチック相に相転移し118℃でスメクチックA相に相転移し、78℃でスメクチックB相へ相転移したことを確認した。
〔本組成物などの調製〕
下記の成分を混合し、80℃で1時間攪拌することで、本組成物(偏光膜形成用組成物)を得た。
重合性液晶化合物;化合物(1−6) 75部
化合物(1−7) 25部
二色性色素;化合物(2−1−1) 2.5部
特許第3687130号公報記載のD10の色素
重合開始剤;
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン
(イルガキュア184;チバスペシャルティケミカルズ社製) 6部
レベリング剤;BYK−361N(BYK−Chemie社製) 1.5部
重合性非液晶化合物;多官能アクリレート(4−5) 5.0部
溶剤;シクロペンタノン 250部
化合物(1−6)及び化合物(1−7)の場合と同様に、上記のようにして調製した本組成物に含まれる重合性液晶化合物の相転移温度を求めた。140℃まで昇温後、降温時において、109℃で相分離状態を形成することなくネマチック相に相転移し98℃で相分離状態を形成することなくスメクチックA相に相転移し、74℃で相分離状態を形成することなくスメクチックB相へ相転移したことを確認した。
1.配向膜の形成
透明基材としてガラス基材を用いた。
該ガラス基材上に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液(配向層形成用組成物)をスピンコート法により塗布し、乾燥後、厚さ100nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施すことにより配向層を形成し、偏光膜を作成した。ラビング処理は、半自動ラビング装置(商品名:LQ−008型、常陽工学株式会社製)を用いて、布(商品名:YA−20−RW、吉川化工株式会社製)によって、押し込み量0.15mm、回転数500rpm、16.7mm/sの条件で行った。かかるラビング処理により、ガラス基材上に配向膜が形成された積層体1を得た。
積層体1の配向膜上に、前記偏光膜形成用組成物をスピンコート法により塗布し、120℃のホットプレート上で1分間加熱乾燥した後、速やかに室温まで冷却して、前記配向膜上に塗布膜を形成した。かかる塗布膜において、含まれる重合性液晶化合物の液晶状態は、スメクチックB相であった。次いで、UV照射装置(SPOT CURE SP−7;ウシオ電機株式会社製)を用い、紫外線を、露光量2000mJ/cm2(313nm基準)で塗布膜に照射することにより、該塗布膜に含まれる重合性液晶化合物を、前記液晶状態を保持したまま重合させ、該塗布膜から偏光膜を作成した。この際の偏光膜の厚みをレーザー顕微鏡(オリンパス株式会社社製 OLS3000)により測定したところ、1.6μmであった。
得られた偏光膜に対して、X線回折装置X’Pert PRO MPD(スペクトリス株式会社製)を用いてX線回折測定を行った。ターゲットとしてCuを用いてX線管電流40mA、X線管電圧45kVの条件で発生したX線を固定発散スリット1/2°を介して配向方向から入射させ、走査範囲2θ=4.0〜40.0°の範囲で2θ=0.01671°ステップで走査して測定を行った結果、2θ=20.24°付近にピーク半価幅(FWHM)=約0.1718°のシャープなブラッグピークが得られた。また、偏光膜の表面に平行、且つ、配向方向に垂直する方向からの入射でも同等な結果を得た。ピーク位置から求めた秩序周期(d)は約4.4Åであり、高次スメクチック相を反映した構造を形成していることがわかった。
以下のようにして二色比を測定した。
極大吸収波長における透過軸方向の吸光度(A1)及び吸収軸方向の吸光度(A2)を、分光光度計(島津製作所株式会社製 UV−3150)に偏光子付フォルダーをセットした装置を用いてダブルビーム法で測定した。該フォルダーは、リファレンス側は光量を50%カットするメッシュを設置した。測定された透過軸方向の吸光度(A1)及び吸収軸方向の吸光度(A2)の値から、比(A2/A1)を算出し、二色比とした。二色比が高いほど、偏光フィルムとしての特性に優れるといえる。吸収軸方向の吸光度(A2)の極大吸収波長ならびに、その波長での二色比の測定結果を表1に示す。
本偏光子の透明性を確認するため、ヘイズメーター(HZ−2;スガ試験機(株)製)を用いてヘイズ値を測定した。その測定結果を表1に示す。
2 光配向膜
3 本偏光膜
4 位相差層
100 偏光子
210 第1ロール 210A 巻芯
220 第2ロール 220A 巻芯
230 第3ロール 230A 巻芯
240 第4ロール 240A 巻芯
211A,211B 塗布装置
212A,212B 乾燥炉
213A 偏光UV照射装置
213B 光照射装置
300 補助ロール
10 液晶表示装置
11 反射防止層
12a、12b 偏光子
13a、13b 位相差フィルム
14a、14b 基材
15 カラーフィルタ
16 透明電極
17 液晶層
18 層間絶縁膜
19 バックライトユニット
20 ブラックマトリクス
21 薄膜トランジスタ
22 画素電極
23 スペーサ
24 液晶表示装置
30 EL表示装置
31 円偏光板
33 基材
34 層間絶縁膜
35 画素電極
36 発光層
37 カソード電極
38 乾燥剤
39 封止フタ
40 薄膜トランジスタ
41 リブ
42 薄膜封止膜
110 円偏光板
111 光源
112 第1のレンズアレイ
112a レンズ
113 第2のレンズアレイ
114 偏光変換素子
115 重畳レンズ
121,123,132 ダイクロイックミラー
122 反射ミラー
140R、140G,140B 液晶パネル
142,143 偏光子
150 クロスダイクロイックプリズム
170 投写レンズ
180 スクリーン
Claims (8)
- 重合性液晶化合物、重合性非液晶化合物、二色性色素、重合開始剤及び溶剤を含有し、
前記重合性液晶化合物が式(1)
U1−V1−W1−X1−Y1−X2−Y2−X3−W2−V2−U2 (1)
〔式中、X1、X2及びX3は、互いに独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェ
ニレン基又は置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表す。ただ
し、X1、X2及びX3のうち少なくとも1つは、置換基を有していてもよい1,4−フ
ェニレン基である。シクロへキサン−1,4−ジイル基を構成する−CH2−は、−O−
、−S−又は−NR−に置き換わっていてもよい。
Rは、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す。
Y1及びY2は、互いに独立に、−CH2CH2−、−CH2O−、−COO−、−OC
OO−、単結合、−N=N−、−CRa=CRb−、−C≡C−又は−CRa=N−を表
す。
Ra及びRbは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
U1は、水素原子又は重合性基を表す。U2は、重合性基を表す。
W1及びW2は、互いに独立に、単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCOO−
を表す。V1及びV2は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のア
ルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH2−は、−O−、−S−又
は−NH−に置き換わっていてもよい。〕
で表される化合物のみであり、
重合性非液晶化合物が単官能アクリレート又は多官能アクリレートであり、
前記重合性非液晶化合物の含有量が、前記重合性液晶化合物100質量部に対して3質量部以上10質量部以下であり、
以下の(A)及び(B)の要件を満たす偏光膜形成用組成物。
(A)重合性液晶化合物及び重合性非液晶化合物がともに重合性基を有すること;
(B)偏光膜形成用組成物から得られる塗布膜に含まれる重合性液晶化合物が相分離状態
を形成することなく、ネマチック液晶相及び高次スメクチック相を示すこと - 重合性非液晶化合物が単官能アクリレート又は多官能アクリレートである請求項1記載の
偏光膜形成用組成物。 - 重合性液晶化合物が有する重合性基と、重合性非液晶化合物が有する重合性基とがそれぞ
れ独立に、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基
(CH2=C(CH3)COO−)である請求項1または請求項2に記載の偏光膜形成用
組成物。 - 重合性液晶化合物が有する重合性基と、重合性非液晶化合物が有する重合性基とが同一で
ある請求項1〜3のいずれかに記載の偏光膜形成用組成物。 - 重合性液晶化合物が分子内に1〜2個の重合性基を有し、重合性非液晶化合物が分子内に
2〜6個の重合性基を有する請求項1〜4のいずれかに記載の偏光膜形成用組成物。 - 以下の(I)、(II)及び(III)の工程を有する偏光膜の製造方法。
(I)請求項1〜5のいずれかに記載の偏光膜形成用組成物を基材上又は基材上に形成さ
れた配向膜上に塗布し、溶剤を除去して塗布膜を形成する工程;
(II)(I)で形成された塗布膜に含まれる重合性液晶化合物を高次スメクチック相状
態にする工程;
(III)(II)で形成された、重合性液晶化合物が高次スメクチック相状態である塗
布膜中で、重合性液晶化合物と重合性非液晶化合物とを共重合させる工程 - 基材が、配向処理が施された透明基材である請求項6記載の偏光膜の製造方法。
- (II)の工程が、(I)の工程で形成された塗布膜に含まれる重合性液晶化合物がネマ
チック液晶相を示すまで加熱処理する工程(I−1)と、工程(I−1)で形成された該
重合性液晶化合物がネマチック液晶相状態である塗布膜を、該重合性液晶化合物が高次ス
メクチック相を示すまで冷却する工程(I−2)とを有する工程である請求項6又は請求
項7記載の偏光膜の製造方法。
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