JP2007233162A - 新規配向性を有する偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2色性機能ユニット(例.2色性色素)が偏光板面に対して傾き角を有して配向制御されている領域を含んでいる偏光層を有する偏光板。傾き角は偏光層膜厚方向において一様であっても、変化していてもよい。また、このような偏光板を有する液晶表示装置。
【選択図】図4
Description
従来の液晶表示装置で用いられている偏光板1は、図1に示すように偏光層2を両側からTAC(トリアセチルセルロース)等からなる保護フィルム(基材)3,3’が挟む構造であり、必要に応じて位相差層(光学補償層)4が保護フィルム3と液晶層の間に装備される。また、偏光層2としてはヨウ素分子列5が延伸PVAフィルム6に混入された構造であり、ヨウ素分子列5は概ねフィルム面に平行である。
このような構造では、図2に示すように、クロスニコル配置された上下2枚の偏光板を斜め方向から観察した場合に、偏光板自体の視角依存性が、そもそも存在する。即ち、斜め手前方向から観察すると(図2右)、(法線方向から観察した場合(図2左)には上下2枚の偏光板の偏光軸が直交条件を満たしていたものが)もはや直交条件とはならず、より広い角度で2つの偏光軸が交わることになる。これはコントラストの低下を意味し、液晶表示装置の表示性能、視角特性を著しく低下させ視角依存性の一つの要因となっている。そして、この問題を改善するために、上記したような位相差フィルムを用いる方法が知られている(特許文献1等)。
また、液晶表示装置の視角依存性を改善する従来の方法とは別の手段にて、これを改善することも望まれる。
透明基板と、
2色性機能ユニットが該基板面に対し傾き角を有して配向制御されている領域を含んでいる偏光層とを、
有することを特徴とする偏光板。
(2)
表面に配向膜が形成され該配向膜が形成された面で対向する2枚の透明基板と、
該2枚の透明基板により挟まれ、該対向する配向膜により該基板面に対し傾き角を有して配向制御されている、2色性機能ユニットを含有する反応性液晶性組成物の固化層からなる偏光層とを、
有することを特徴とする偏光板。
(3)
前記傾き角が偏光層膜厚方向において一様であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の偏光板。
(4)
前記傾き角が偏光層膜厚方向において変化していることを特徴とする(1)又は(2)に記載の偏光板。
(5)
前記傾き角の変化が偏光層膜厚方向において対称であることを特徴とする(4)に記載の偏光板。
(6)
前記傾き角が偏光層面内方向において繰り返し変化していることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の偏光板。
(7)
透明基板上に配向膜を形成した後必要に応じ配向処理をし、別の透明基板上にも配向膜を形成した後必要に応じ配向処理をし、2枚の透明基板の向かい合う2つの配向膜の間に2色性機能ユニットと反応性液晶性化合物とを含有する反応性液晶性組成物の層を形成し、該反応性液晶性組成物の層を固化することを特徴とする偏光板の製造方法。
(8)
(1)から(6)のいずれかに記載の偏光板又は(7)の製造方法により製造された偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置。
これらのことは、2色性機能ユニットの配列を、従来と異なり、偏光板面に平行にするのではなく斜め成分を有するようにしたことで、幾何学的な配置を異ならせることにより、初めて達成することが可能となった。
偏光層を構成する2色性機能ユニットを図3左の図で模式的に示してあるが、このように、上下2枚の偏光板を法線方向から観た直交条件を、2色性機能ユニットが面内から傾いた方向に配列している条件で満たしているのが、本発明のポイントである。
この場合、斜め手前から観た場合は図3右の図に示すように、2色性機能ユニットの交差角度(偏光層の吸収軸又は透過軸の交差角度に対応する)は、ある角度までは、90度より小さい値をとることになるとともに、その値が従来と同様に90度より大きくなるのは、より深い角度で手前から観察した場合に初めて起こることになる。従って、完全な直交条件は満たさないものの、広い角度範囲で直交に近い条件が満たされる。
R=A0/A90
(ここでA0はユニットに入射した光の偏光方向がユニットの配向方向に平行な場合に観測される吸光度、A90は、その偏光方向がその配向方向に垂直な場合に観測される吸光度である。)
先ず、偏光層の媒体としては、従来のPVAに代えて、反応性の液晶性化合物を含有する反応性の液晶性組成物61を用いる。反応性の液晶組成物としては、比較的良好なネマチック相またはスメクチックA相を示すものが好ましい。反応性基としてはアクリロイル基やメタクリロイル基、ビニル基、グリシジル基等が挙げられる。反応性の液晶性化合物(液晶性モノマー)としては、例えば下記の一般式1,2でそれぞれ示されるような単官能や2官能のもの、また多官能基を有するものなどがあり、2色性機能ユニットとの相性などで使い分ける。
そのような表面処理を施した一対の基材3,3’を図4右の図に示すように対向させて用い(アンチパラレル条件のラビング処理)、2色性色素51を数%程度混入した反応性の液晶性組成物61を間に挟み込むことで、液晶、色素が所望の配列になる。
市販のセルロースアセテートフィルム(富士タックTD80UF、富士写真フイルム株式会社製)に鹸化処理を行い、その表面に、プレチルト発現成分を含有させた配向膜塗布液(可溶性ポリイミド材料:JSR製 JALS-214)を塗布し、透明基材表面に配向膜を付与したフィルムを形成した。ここでは、プレチルト角を約5°程度とすることを考えて、上記プレチルト発現成分を含有させた配向膜を用いた。同様にして、表面に配向膜を付与したフィルムをもう1枚形成した。
2枚の配向膜付与済の透明フィルムに対してそれぞれの配向膜面を、300rpm(ロール直径200mm)のラビング条件で、ラビング処理を施した(図4左の図)。
偏光層の媒体として、反応性の液晶性化合物を含有する反応性の液晶性組成物を用いた。反応性の液晶性化合物(液晶性モノマー)としては、前記一般式2の2官能のアクリレートでn=2のものを用いた。また、2色性色素としては前記のトリスアゾ色素を用いた。
1枚の透明フィルムのラビング処理を施した配向膜面上に、液晶性組成物(上記2色性トリスアゾ色素約5〜10質量部、上記単官能、2官能アクリレート液晶性モノマー約90質量部、光重合開始剤(イルガキュアー類、チバガイギー社製)を微量、必要に応じて増感剤)、反応性低分子モノマーによる塗布性調整した上で、塗布した。液晶性組成物層の上にもう1枚の透明フィルムを、配向膜面を向けて積層した。
続いて、反応性の液晶性組成物を塗布した層に、光源として高圧水銀灯を用いて、5000mJ/cm2の光照射でUV光を照射し、ポリマー化、固化処理を行った。
実施例1と異なるのは、一方の基材に配向膜として垂直配向膜(垂直配向発現成分として、JSR製材料:JALS204)を用いる点である(ラビング処理なし)。このようにして準備した一対の基材の間に実施例1で用いた二色性色素を混入した反応性液晶性組成物の層を形成し、実施例1と同様にしてUV光照射により固化処理を行い、偏光層の二色性色素がハイブリッド型に配向した偏光板を得た(図6)。実施例1と同様な条件で評価した結果、ハイブリッド配向方向を平均プレチルト方向と見なした方位に対応する形で、前例と同様にコントラストの改善が確認できた。
配向膜として実施例1と同じものを用い、基材のはり合わせ方向を実施例1と180度異ならせる(パラレル条件のラビング処理)以外は、実施例1と同じようにして偏光板を作製した(図7)。前述の2例と異なり、上下双方からのコントラスト改善が確認できた。図7の構造にて、I,II,IIIの各領域が効果的にそれぞれ機能していることがわかる。
「実施例3と異なる点は、配向膜として、よりプレチルト角の高い材料を用いた点のみである。ここでは、プレチルト発現成分(ジアミン系)を含む可溶性PI(JSR製、JALS214)を用い、形成条件を変えることで対応した。すなわち、実施例1,2ではPI塗布後のプリキュアを70℃で行ったが、本実施例では50℃で実施した。このようにプリキュア温度を低下させることで、簡単にプレチルト角を高めることができる。図8に示すベンド型の配向に十分なプレチルト角として、30度以上の設定になるよう、ラビング条件も含めて調整した。評価結果は実施例3より更に斜めからのコントラストで優位性が得られた。
図9に示す構造を実現するため、基材3,3’に予め構造物9を配置した(図10)。
構造物は液晶性組成物層のプレチルト角が正負逆転する位置に対応する形でストライプ状に市販フォトレジストを用いてパターニング形成した。このようにして準備した基材を用い、水平配向膜を塗布、キュア形成し、ラビング処理を施した。水平配向膜のプレチルト角は、可能な限り小さいもの(例えばPVA2%水溶液)を用い、基材に形成した構造物形状をより反映するようにした。構造物を半ピッチシフトさせて基材をはり合わせ、前述の実施例と同様な処理にて図9に示す構造の偏光層を有する偏光板を実現した。実施例4と同様に、上下双方向からのコントラスト改善がはっきりと確認できた。この場合、液晶表示装置に用いる際には、画素サイズ以下のピッチで二色性機能ユニットのモジュレーション周期を設定することが画素単位で本発明の効果を得る上で好ましい。
本発明による偏光板は、従来にない構造を有しているため、上記で説明した以外にも幅広い応用が考えられる。
2 … 偏光層
21 … 液晶性組成物層
3,3’ … 透明保護フィルム(基板)
4 … 位相差層(光学補償層)
5 … ヨウ素分子列
51 … 二色性色素
6 … 延伸PVAフィルム
61 … 液晶性組成物
62 … ポリマー化(固化)された液晶性組成物
7,7’ … 配向膜
8,8’ … 配向方向
9 … ストライプ状構造物
Claims (8)
- 透明基板と、
2色性機能ユニットが配向制御されて該基板面に対し傾き角を有している領域を含んでいる偏光層とを、
有することを特徴とする偏光板。 - 表面に配向膜が形成され該配向膜が形成された面で対向する2枚の透明基板と、
該2枚の透明基板により挟まれ、該対向する配向膜により該基板面に対し傾き角を有して配向制御されている、2色性機能ユニットを含有する反応性液晶性組成物の固化層からなる偏光層とを、
有することを特徴とする偏光板。 - 前記傾き角が偏光層膜厚方向において一様であることを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光板。
- 前記傾き角が偏光層膜厚方向において変化していることを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光板。
- 前記傾き角の変化が偏光層膜厚方向において対称であることを特徴とする請求項4に記載の偏光板。
- 前記傾き角が偏光層面内方向において繰り返し変化していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の偏光板。
- 透明基板上に配向膜を形成した後必要に応じ配向処理をし、別の透明基板上にも配向膜を形成した後必要に応じ配向処理をし、2枚の透明基板の向かい合う2つの配向膜の間に2色性機能ユニットと反応性液晶性化合物とを含有する反応性液晶性組成物の層を形成し、該反応性液晶性組成物の層を固化することを特徴とする偏光板の製造方法。
- 請求項1から6のいずれかに記載の偏光板又は請求項7の製造方法により製造された偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置。
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