JP5740892B2 - 位相差フィルム、偏光子付き位相差フィルム、積層型パターン位相差板、および液晶表示装置 - Google Patents

位相差フィルム、偏光子付き位相差フィルム、積層型パターン位相差板、および液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、3次元表示装置に用いられる位相差フィルムに関するものであり、特に3次元表示を可能にするためにパターニングされた位相差層を有するパターン位相差フィルムに関するものである。また、本発明は偏光子付き位相差フィルム、積層型パターン位相差板、および液晶表示装置にも関するものである。
フラットパネルディスプレイとしては、従来、2次元表示のものが主流であったが、近年においては3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが注目を集め始めており、一部市販されているものも存在しつつある。そして、今後のフラットパネルディスプレイにおいては3次元表示可能であることが、その性能として当然に求められる傾向にあり、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイの検討が幅広い分野において進められている。
フラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、視聴者に対して何らかの方式で右目用の映像と、左目用の映像とを別個に表示することが必要とされる。右目用の映像と左目用の映像とを別個に表示する方法としては、例えば、パネル全体において右目用の映像と左目用の映像とを一定の周期で交互に切り替えて表示させ、かつ視聴者に装着させたメガネと画像切り替え周期とを同期させて、右目用の映像が表示されるタイミングでは左目側のメガネレンズが遮蔽されることによって右目のみに右目用の映像が届くようにし、反対に左目用の映像が表示されるタイミングでは右目側のメガネレンズを遮蔽されることによって左目のみに左目用の映像が届くようにする方式が知られている(メガネシャッター方式)。このような方式は、パネルの全面で右目用映像および左目用映像を表示するため、解像度が低下しないという利点があることが知られている。しかしながら、このような方式では、右目用映像と左目用映像とを高速周期で切り換える必要があるため、応答速度の速い表示方式を採用したフラットパネルディスプレイでしか採用することが難しいという問題点があった。例えば、プラズマディスプレイは表示の応答速度が速いため、このようなメガネシャッター方式を採用することも可能であるが、プラズマディスプレイと比較して表示の応答速度が遅い液晶表示装置においては、メガネシャッター方式を採用した場合は映像の明るさが極端に低下してしまうことが多いという問題点があった。
一方、液晶表示装置において右目用の映像と、左目用の映像とを別個に表示する方式としては、パッシブ方式というものが知られている。このようなパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。図10はパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。図10に示すようにこの方式では、まず、フラットパネルディスプレイを構成する画素を、右目用映像表示画素と左目用映像表示画素の2種類の複数の画素にパターン状に分割し、一方のグループの画素では右目用の映像を表示させ、他方のグループの画素では左目用の映像を表示させる。また、直線偏光板と当該画素の分割パターンに対応したパターン状の位相差層が形成されたパターン位相差フィルムとを用い、右目用の映像と、左目用の映像とを互いに直交関係にある円偏光に変換する。さらに、視聴者には右目用レンズと左目用レンズとに互いに直交する円偏光レンズを採用した円偏光メガネを装着させ、右目用の映像が右目用レンズのみを通過し、かつ左目用の映像が左目用のレンズのみを通過するようにする。このようにして右目用の映像が右目のみに届き、左目用の映像が左目のみに届くようにすることによって3次元表示を可能とするものがパッシブ方式である。
このようなパッシブ方式では、応答速度が高速でない液晶表示装置にも難なく採用することができること、及び上記パターン位相差フィルムと、対応する円偏光メガネとを用いることにより容易に従来の液晶表示装置を3次元表示が可能なものにできるという利点がある。このようなことから、パッシブ方式の液晶表示装置は今後の3次元表示装置の中心的存在となるものとして非常に注目されている。
ところで、上述したようにパッシブ方式においてはパターン位相差フィルムを用いることが必須になるところ、このようなパターン位相差フィルムについてはまだ広く研究・開発が行われておらず、標準的な技術としても確立されているものがないのが現状である。この点、特許文献1にはパターン位相差フィルムとして、ガラス基板上に配向規制力がパターン状に制御された光配向膜と、当該光配向膜上に形成され、液晶化合物の配列が上記光配向膜のパターンに対応するようにパターニングされた位相差層とを有するパターン位相差板が開示されている。ここで、光配向膜のパターンは互いに配向方向が直交するように配向規制力が制御された領域がパターン状に配置されている。しかしながら、このような特許文献1に開示されたパターン位相差板は、光配向膜のような特殊な材料を使用しなければ作製することができず、かつガラス板を用いることが必須となっていることから、高価であり、また大面積のものを大量に製造できるというものではなく、その実用性に難点があった。
このようなことから、実用性を有するパターン位相差フィルムに関しては未だ研究開発段階にあり、一般的なものとして知られるに至っているものはほとんどなかった。
特開2005−49865号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、安価かつ簡易的な方法で大量に製造することが可能であり、実用性に優れたパターン位相差フィルムを提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、透明フィルム基材と、上記透明フィルム基材上に形成された配向層と、上記配向層上に形成され、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有する位相差層と、を有するパターン位相差フィルムであって、上記位相差層が、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域が、パターン状に配置されたものであることを特徴とする、パターン位相差フィルムを提供する。
本発明によれば、上記位相差層が、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域がパターン状に配置されたものであることにより、面内レターデーション値がλ/4分に相当する位相差性を有する位相差板(以下、「λ/4板」と称する場合がある。)と組みわせて用いることにより、3次元表示可能な表示装置(以下、「3D表示装置」と称する場合がある。)を製造することができる。
また、本発明に用いられる上記棒状化合物は、従来から液晶表示装置の視野角補償フィルム等として汎用されてきた位相差フィルムに用いられる棒状化合物として一般的なものを用いることができるため、安価にパターン位相差フィルムを得ることができる。
さらに、本発明のパターン位相差フィルムは、上記透明フィルム基材が用いられていることにより、簡易的な方法で大量生産することが可能であり、さらに軽量であることから実用性の高いものとなる。
このようなことから、本発明によれば、3D表示装置を容易に製造することができ、かつ安価で簡易的な方法で大量に製造することが可能であり、さらに実用性に優れたパターン位相差フィルムを提供することができる。
本発明においては、上記位相差層が、上記第1位相差領域と、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有する第2位相差領域と、を有するものであり、上記第2位相差領域に含有される上記棒状化合物の配向方向が、上記第1位相差領域に含有される上記棒状化合物の配向方向に対して45°の方向であり、かつ上記第1位相差領域と、上記第2位相差領域とがパターン状に配置されたものであることが好ましい。また、この場合、上記第2位相差領域の面内レターデーション値がλ/2分に相当することが好ましい。これにより、本発明のパターン位相差フィルムをλ/4板と併用して3D表示装置を製造した場合に、第1位相差領域および第2位相差領域を透過する光量を同程度とすることができ、また第1位相差領域および第2位相差領域の境界を目立たなくすることができるため、表示品質に優れた3D表示装置を得ることができるからである。
本発明においては、上記第1位相差領域が、帯状のパターンに形成されていることが好ましい。これにより、例えば、本発明のパターン位相差フィルムを用いて3D表示装置を製造する場合に、上記第1位相差領域が形成されたパターンと、表示装置に用いられるカラーフィルタ等において画素が形成されているパターンとを対応関係にすることが容易になる。このため、上記第1位相差領域が帯状のパターンに形成されていることにより、本発明のパターン位相差フィルムを用いて容易に3D表示装置を製造することができるからである。
本発明においては、上記透明フィルム基材の上記配向層が形成された面とは反対面上に反射防止層及び/又はアンチグレア層が形成されていてもよい。これにより本発明のパターン位相差フィルムを用いて3D表示装置を製造した際に、表示品質の良い3D表示装置を得ることができるからである。
本発明は、上記本発明に係るパターン位相差フィルムと、上記パターン位相差フィルム上に積層された偏光子とを有することを特徴とする偏光子付きパターン位相差フィルムを提供する。また、このような本発明の偏光子付きパターン位相差フィルムは、上記パターン位相差フィルムと、上記偏光子および上記偏光子の両面に貼り合わされた偏光板保護フィルムからなる偏光板とが積層された構成を有するものであってもよい。
本発明によれば、上記本発明に係るパターン位相差フィルムが用いられていることにより、3D表示装置を製造するために好適に用いることができる偏光子付きパターン位相差フィルムを得ることができる。
本発明は、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有し、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域がパターン状に配置された位相差層と、面内レターデーション値がλ/4分に相当する第2位相差層とが積層されており、かつ、上記第1位相差領域の遅相軸方向と、上記第2位相差層の遅相軸方向とが、直交または平行関係にあることを特徴とする積層型パターン位相差板を提供する。
本発明によれば、上記位相差層が、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域がパターン状に配置されたものであり、かつ上記第2位相差層の面内レターデーション値がλ/4分に相当するものであり、さらに上記第1位相差領域の遅相軸方向と、上記第2位相差層の遅相軸方向とが直交または平行関係にあることにより、3D表示装置を容易に製造することができる積層型パターン位相差板を提供することができる。
本発明の積層型パターン位相差板においては、上記位相差層が、上記第1位相差領域と、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有する第2位相差領域とを有するものであり、上記第2位相差領域に含有される上記棒状化合物の配向方向が、上記第1位相差領域に含有される棒状化合物の配向方向に対して45°の方向であり、かつ上記第1位相差領域と、上記第2位相差領域とがパターン状に配置されたものであることが好ましい。この場合、上記第2位相差領域は、面内レターデーション値がλ/2分に相当することが好ましい。これにより、本発明の積層型パターン位相差板を用いて3D表示装置を製造した場合に、上記位相差層における第1位相差領域および第2位相差領域を透過する光量を同程度とすることができ、また第1位相差領域および第2位相差領域の境界を目立たなくすることができるため、表示品質に優れた3D表示装置を得ることができるからである。
本発明は、第1偏光板と、上記第1偏光板上に配置され、パターン状に画素部が形成されたカラーフィルタを備える液晶セルと、上記液晶セル上に配置された第2偏光板と、上記第2偏光板上に配置された上記本発明に係るパターン位相差フィルム、および面内レターデーション値がλ/4分に相当する第2位相差層と、を有する液晶表示装置であって、上記第2偏光板の偏光軸方向と、上記パターン位相差フィルムにおける上記第1位相差領域の進相軸または遅相軸方向とがなす角度が45°であり、かつ上記第1位相差領域の遅相軸方向と、上記第2位相差層の遅相軸方向とが直交または平行関係にあり、さらに上記カラーフィルタにおいて上記画素部が形成されているパターンと、上記パターン位相差フィルムの上記位相差層において、上記第1位相差領域が配置されているパターンと、が対応関係にあることを特徴とする、液晶表示装置を提供する。
本発明によれば、上記本発明に係るパターン位相差フィルムと、上記第2位相差層とが上記のように配置されており、かつ上記カラーフィルタにおいて上記画素部が形成されているパターンと、上記パターン位相差フィルムにおける位相差層の上記第1位相差領域が形成されているパターンとが対応関係にあることにより、3次元映像を表示することが可能な液晶表示装置を得ることができる。
また本発明は、第1偏光板と、上記第1偏光板上に配置され、パターン状に画素部が形成されたカラーフィルタを備える液晶セルと、上記液晶セル上に配置された第2偏光板と、上記第2偏光板上に配置された上記本発明に係る積層型パターン位相差板と、を有する液晶表示装置であって、上記第2偏光板の偏光軸方向と、上記積層型パターン位相差板における上記第1位相差領域の進相軸または遅相軸方向とがなす角度が45°であり、かつ上記カラーフィルタにおいて上記画素部が形成されているパターンと、上記パターン位相差フィルムの上記位相差層において、上記第1位相差領域が配置されているパターンと、が対応関係にあることを特徴とする、液晶表示装置を提供する。
本発明によれば、上記本発明に係る積層型パターン位相差板が上記のように配置されており、かつ上記カラーフィルタにおいて上記画素部が形成されているパターンと、上記積層型パターン位相差板おける位相差層の上記第1位相差領域が形成されているパターンとが対応関係にあることにより、3次元映像を表示することが可能な液晶表示装置を得ることができる。
本発明のパターン位相差フィルムは、安価で簡易的な方法で大量に製造することが可能であり、実用性に優れるという効果を奏する。また、本発明のパターン位相差フィルムを用いれば容易に3D表示装置を製造することができるという効果を奏する。
本発明のパターン位相差フィルムの一例を示す概略断面図である。 本発明のパターン位相差フィルムが用いられた液晶表示装置について説明する概略図である。 本発明のパターン位相差フィルムの他の例を示す概略断面図である。 本発明のパターン位相差フィルムの他の例を示す概略断面図である。 本発明のパターン位相差フィルムの他の例を示す概略断面図である。 本発明の偏光子付きパターン位相差フィルムの一例を示す概略断面図である。 本発明の積層型パターン積層体の一例を示す概略断面図である。 本発明の第1態様の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の第2態様の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。 パッシブ方式で3次元映像を表示可能な液晶表示装置の例を示す概略図である。
本発明は、パターン位相差フィルム、偏光子付きパターン位相差フィルム、積層型パターン位相差板、および液晶表示装置に関するものである。
以下、これらの発明について詳細に説明する。
A.パターン位相差フィルム
まず、本発明のパターン位相差フィルムについて説明する。上述したように本発明のパターン位相差フィルムは、透明フィルム基材と、上記透明フィルム基材上に形成された配向層と、上記配向層上に形成され、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有する位相差層と、を有するものであって、上記位相差層が、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域が、パターン状に配置されたものであることを特徴とするものである。
このような本発明のパターン位相差フィルムについて、図を参照しながら説明する。図1は本発明のパターン位相差フィルムの一例を示す概略断面図である。図1に例示するように本発明のパターン位相差フィルム10は、透明フィルム基材11と、上記透明フィルム基材11上に形成された配向層12と、上記配向層12上に形成され、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有する位相差層13と、を有するものである。このような例において、本発明のパターン位相差フィルム10は、上記位相差層13が、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域13Aが、パターン状に配置されたものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記位相差層が、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域がパターン状に配置されたものであることにより、面内レターデーション値がλ/4分に相当する位相差性を有する位相差板(以下、「λ/4板」と称する場合がある。)と組みわせて用いることにより、3次元表示可能な表示装置(以下、「3D表示装置」と称する場合がある。)を製造することができる。
また、本発明に用いられる上記棒状化合物は、従来から液晶表示装置の視野角補償フィルム等として汎用されてきた位相差フィルム用に用いられる棒状化合物として一般的なものを用いることができるため、安価にパターン位相差フィルムを得ることができる。
さらに、本発明のパターン位相差フィルムは、上記透明フィルム基材が用いられていることにより、簡易的な方法で大量生産することが可能であり、さらに軽量であることから実用性の高いものとなる。
このようなことから、本発明によれば、3D表示装置を容易に製造することができ、かつ安価で簡易的な方法で大量に製造することが可能であり、さらに実用性に優れたパターン位相差フィルムを提供することができる。
ここで、本発明のパターン位相差フィルムを、λ/4板と組み合わせて用いることにより、容易に3D表示装置を製造することができる点について、より詳細に説明する。図2は、本発明のパターン位相差フィルムと、λ/4板とを組み合わせて用い、3次元表示可能な液晶表示装置を作製した場合の一例を示す概略図である。図2に例示するように、本発明のパターン位相差フィルムと、λ/4板を組み合わせて用いる液晶表示装置は、パッシブ方式により3D表示が可能なものとなる。その原理は次の通りである。
まず、フラットパネルディスプレイを構成するカラーフィルタの画素を、右目用映像表示画素と左目用映像表示画素の2種類の複数の画素にパターン状に分割し、一方のグループの画素では右目用の映像を表示させ、他方のグループの画素では左目用の映像を表示させる。次に、本発明のパターン位相差フィルムとして、位相差層の第1位相差領域が左目用映像表示画素の配列パターンに対応するように形成され、かつ第1位相差領域以外の領域(図2では、当該領域には何も形成されていないものとする。)が右目用映像表示画素の配列パターンに対応するように形成されたものを用意する。そして、このような本発明のパターン位相差フィルムを、第2直線偏光板の表示面側に配置し、さらにλ/4板をパターン位相差フィルムの表示面側に配置する。このとき、第1位相差領域の遅相軸の方向と、第2直線偏光板の偏光軸の方向とが45°で交差するようにし、さらに第1位相差領域の遅相軸方向とλ/4板の遅相軸方向とが平行または直交の関係になるようにする。このようにパターン位相差フィルムとλ/4板とを配置することによって、右目用映像表示画素および左目用映像表示画素によって表示された映像(以下、それぞれ「右目用映像」、「左目用映像」と称する場合がある。)は、次のような経路で観察者に視認されることになる。
すなわち、右目用映像表示画素および左目用映像表示画素によって表示された各映像は、まず、第2直線偏光板を透過することから、それぞれが直線偏光に変換されることになる。ここで、図2においては、第2直線偏光板の偏光軸は0°方向となっているため、第2偏光板を透過した各映像も、0°方向の直線偏光となる。次に、このように直線偏光(0°)に変換された各映像は、本発明のパターン位相差フィルムに入射することになるが、左目用映像は第1位相差領域を通過し、右目用映像は位相差層が形成されていない領域を通過するため、左目用映像は偏光軸が90°の直線偏光(L1)として、パターン位相差フィルムを透過するが、右目用映像には変化はなく、偏光軸が0°の直線偏光(L2)のままパターン位相差フィルムを透過することになる。次に、L1およびL2がλ/4板に入射することにより、左目用映像は右旋回の円偏光(C1)に、右目用映像は左旋回の円偏光(C2)に、それぞれ変換されることになる。
このように、本発明のパターン位相差フィルムおよびλ/4板を通過した右目用映像および左目用映像は、互いに直交する円偏光に変換されることになるため、視聴者に右目用レンズと左目用レンズとに互いに直交する円偏光レンズを採用した円偏光メガネを装着させ、右目用映像が右目用レンズのみを通過し、かつ左目用映像が左目用レンズのみを通過するようにすることによって、右目用映像が右目のみに届き、左目用映像が左目のみに届くようにすることができ、3次元表示が可能となるのである。
なお、図2においては、本発明のパターン位相差フィルムにおける位相差層において、第1位相差領域以外の領域には何も形成されていない例を説明したが、例えば、上記第1位相差領域以外の領域に、面内レターデーション値がλ/2分に相当し、かつ遅相軸方向が上記第1位相差領域の遅相軸方向と45°で交差する関係にあり、さらに遅相軸方向が、第2直線偏光板の偏光軸方向と平行又は直交の関係にある第2位相差領域が形成されている場合であっても、上記と同様に3次元表示可能な液晶表示装置を得ることができる。
また、上記説明は一例を示すものであり、本発明の具体的な態様によっては上記と異なる原理により3次元表示が可能となる場合がある。
本発明のパターン位相差フィルムは、少なくとも透明フィルム基材と、配向層と、位相差層とを有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。以下、本発明のパターン位相差フィルムに用いられる各構成について順に説明する。
1.位相差層
まず、本発明に用いられる位相差層について説明する。本発明に用いられる位相差層は、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有し、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域がパターン状に配置されたものである。
ここで、「第1位相差領域がパターン状に配置された」とは、位相差層が第1位相差領域のみからなる態様であってもよく、あるいは位相差層の一部に第1位相差領域がパターン状に配置されている態様であってもよいことを意味するものである。このような位相差層の各態様については後述する。
上記第1位相差領域に含有される棒状化合物について説明する。本発明に用いられる棒状化合物は屈折率異方性を有するものである。ここで、上記第1位相差領域は面内レターデーションがλ/2分に相当する程度の位相差性を示すものであるため、通常、上記棒状化合物は第1位相差領域内において一方向に配列して存在することになる。
上記第1位相差領域に含有される棒状化合物としては、第1位相差領域に面内レターデーション値がλ/2分に相当する程度の位相差性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる棒状化合物は、液晶性を示す液晶性材料であることが好ましい。液晶性材料は屈折率異方性が大きいため、第1位相差領域に面内レターデーション値がλ/2分に相当する程度の位相差性を付与することが容易になるからである。
上記液晶性材料としては、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料を挙げることができる。本発明においては、これらのいずれの液晶相を示す材料であっても好適に用いることができるが、なかでもネマチック相を示す液晶性材料を用いることが好ましい。ネマチック相を示す液晶性材料は、他の液晶相を示す液晶性材料と比較して規則的に配列させることが容易であるからである。
また、本発明においては上記ネマチック相を示す液晶性材料として、メソゲン両端にスペーサを有する材料を用いることが好ましい。メソゲン両端にスペーサを有する液晶性材料は柔軟性に優れるため、このような液晶性材料を用いることにより、本発明のパターン位相差フィルムを透明性に優れたものにできるからである。
さらに、本発明に用いられる棒状化合物は、分子内に重合性官能基を有するものが好適に用いられ、なかでも3次元架橋可能な重合性官能基を有するものがより好適に用いられる。上記棒状化合物が重合性官能基を有することにより、上記棒状化合物を重合して固定することが可能になるため、配列安定性に優れ、位相差性の経時変化が生じにくい位相差層を得ることができるからである。なお、重合性官能基を有する棒状化合物を用いた場合、本発明における位相差層には、重合性官能基によって架橋された棒状化合物が含有されることになる。
なお、上記「3次元架橋」とは、液晶性分子を互いに3次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることを意味する。
上記重合性官能基としては、例えば、紫外線、電子線等の電離放射線、或いは熱の作用によって重合する重合性官能基を挙げることができる。これら重合性官能基の代表例としては、ラジカル重合性官能基、或いはカチオン重合性官能基等が挙げられる。さらにラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例としては、置換基を有するもしくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。また、上記カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、例えば、イソシアネート基、不飽和3重結合等が挙げられる。これらの中でもプロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
さらにまた、上記棒状化合物は液晶性を示す液晶性材料であって、末端に上記重合性官能基を有するものが特に好ましい。このような液晶性材料を用いることにより、例えば、互いに3次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができるため、列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れた上記を形成することができるからである。
なお、本発明においては片末端に重合性官能基を有する液晶性材料を用いた場合であっても、他の分子と架橋して配列安定化することができる。
本発明に用いられる棒状化合物の具体例としては、下記式(1)〜(17)で表される化合物を例示することができる。
なお、本発明に用いられる棒状化合物は、1種類のみであってもよく、または、2種以上をであってもよい。例えば、上記棒状化合物として、両末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶性材料と、片末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶性材料とを混合して用いると、両者の配合比の調整により重合密度(架橋密度)及び光学特性を任意に調整できる点から好ましい。また、信頼性確保の観点からは、両末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶性材料が好ましいが、液晶配向の観点からは両末端の重合性官能基が1つであることが好ましい。
本発明に用いられる位相差層は、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域を有するものであるが、第1位相差領域の面内レターデーションの具体的な値は、通常、200nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、220nm〜280nmの範囲内であることがより好ましく、230nm〜270nmの範囲内であることが特に好ましい。
ここで、面内レターデーション値とは、屈折率異方体の面内方向における複屈折性の程度を示す指標であり、面内方向において屈折率が最も大きい遅相軸方向の屈折率をNx、遅相軸方向に直交する進相軸方向の屈折率をNy、屈折率異方体の面内方向に垂直な方向の厚みをdとした場合に、
Re[nm]=(Nx−Ny)×d[nm]
で表わされる値である。面内レターデーション値(Re値)は、例えば、王子計測機器株式会社製 KOBRA−WRを用い、平行ニコル回転法により測定することができるし、微小領域の面内レターデーション値はAXOMETRICS社(米国)製のAxoScanでミューラーマトリクスを使って測定することも出来る。また、本願明細書においては特に別段の記載をしない限り、Re値は波長589nmにおける値を意味するものとする。
本発明に用いられる位相差層に第1位相差領域が配置されている態様としては、位相差層が第1位相差領域のみからなる態様(第1態様)であってもよく、または位相差層内の一部に第1位相差領域が配置されている態様(第2態様)であってもよい。このような位相差層の態様について図を参照しながら説明する。図3は、位相差層において第1位相差領域がされている態様について説明する概略図である。図3に例示するように、本発明に用いられる位相差層13は、第1位相差領域13Aのみからなる態様であってもよく(図3(a))、または位相差層13内の一部に第1位相差領域13Aが形成されている態様であってもよい(図3(b))。
本発明に用いられる位相差層としては、上記第1態様および上記第2態様の何れの態様であってもよいが、上記第2態様であることが好ましい。第2態様の位相差層は、位相差層自体の形状をパターン状にすることを要しないため、位相差層を形成することが容易だからである。
上記第2態様の位相差層を用いる場合、位相差層には面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域と、それ以外の領域とが包含されることになる。また、第1位相差領域が位相差層内でパターン状に配置されることから、第1位相差領域以外の領域も位相差層内にパターン状に配置されることになる。ここで、本発明に用いられる位相差層が上記第2態様のものである場合、上記第1位相差領域以外の領域は、位相差性を示すものであってもよく、あるいは位相差性を示さないものであってもよいが、位相差性を有するものである場合には、遅相軸の方向が、上記第1位相差領域の遅層軸の方向と、45°に交差する方向であることを要する。そうでなければ、本発明のパターン位相差フィルムを用いて3D表示装置を製造することが困難になるからである(なお、第1位相差領域以外の領域が位相差性を有する場合、当該第1位相差領域以外の領域を「第2位相差領域」と称する。)。中でも本発明に用いられる位相差層として上記第2態様のものが用いられる場合は、上記第1位相差領域と、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有する第2位相差領域と、を有するものであり、上記第2位相差領域に含有される上記棒状化合物の配向方向が、上記第1位相差領域に含有される棒状化合物の配向方向に対して45°の方向であることが好ましい。さらに、上記第2位相差領域は、面内レターデーション値がλ/2分に相当することが好ましい。これにより、本発明のパターン位相差フィルムを用いて3D表示装置を製造した場合に、上記位相差層における第1位相差領域および第2位相差領域を透過する光量を同程度とすることができ、また第1位相差領域および第2位相差領域の境界を目立たなくすることができるため、表示品質に優れた3D表示装置を得ることができるからである。すなわち、偏光板の偏光軸と第2位相差領域の遅層軸が平行又は直交の関係にあれば、第2位相差層が偏光状態を変換する作用効果はゼロになるので、第2位相差領域の面内レターデーション値はいつくであっても良いが、第1位相差領域と第2位相差領域を透過する光の透過率が変わると第1位相差領域と第2位相差領域の境界が見えてしまうので、第1位相差領域と第2位相差領域は同一の物質で構成され膜厚が等しいことがより好ましいからである。
このような位相差層について図を参照しながら説明する。図4は、本発明に用いられる位相差層が、上記第1位相差領域および第2位相差領域からなる場合の一例を示す概略断面図である。図4に例示するように、本発明に用いられる位相差層13は、上記第1位相差領域13Aと、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有する第2位相差領域13Bと、を有するものであり、上記第2位相差領域13Bに含有される上記棒状化合物の配向方向が、上記第1位相差領域13Aに含有される棒状化合物の配向方向に対して45°の方向であり、上記第1位相差領域13Aと、上記第2位相差領域13Bとがパターン状に配置されたものであることが好ましい。また、この場合、上記第2位相差領域13Bは、面内レターデーション値がλ/2分に相当することが好ましい。
なお、本発明に用いられる位相差層が、このように第1位相差領域および第2位相差領域を有するものである場合、上記第1位相差領域および第2位相差領域は、遅相軸方向が45°で交差する関係になる。また上述した通り、上記第1位相差領域および第2位相差領域は共に面内レターデーション値がλ/2分に相当することがさらに好ましい。
本発明に用いられる位相差層の厚みとしては、上記第1位相差領域の面内レターデーション値をλ/2分に相当する程度にできる範囲内であれば特に限定されるものではなく、上記棒状化合物の種類等に応じて適宜決定することができるものであるが、通常、0.5μm〜4μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜3μmの範囲内であることがより好ましく、1.5μm〜2.5μmの範囲内であることがさらに好ましい。
上記位相差層において、第1位相差領域が配置されているパターンは、本発明のパターン位相差フィルムの用途等に応じて適宜決定することができ、特に限定されるものではない。このようなパターンとしては、例えば帯状パターン、モザイク状パターン、千鳥配置状パターン等を挙げることができる。中でも本発明においては第1位相差領域が帯状のパターンに形成されていることが好ましい。このようなパターンで第1位相差領域が配置されていることにより、本発明のパターン位相差フィルムを用いて液晶表示装置を製造する場合に、第1位相差領域が形成されたパターンと、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタにおいて画素が形成されているパターンとを対応関係にすることが容易になる。このため、第1位相差領域が帯状のパターンに形成されていることにより、本発明のパターン位相差フィルムを用いて容易に3D液晶表示装置を製造することができるようになるからである。
また、上記第1位相差領域が帯状のパターンに形成されていることにより、本発明のパターン位相差フィルムを用いて3D表示可能なプラズマディスプレイや有機ELやFEDの様な発光型表示装置を製造する場合に、上記第1位相差領域が形成されたパターンと、発光型表示装置において発光型ディスプレイに画素部が形成されているパターンとを偏光板を介して対応関係にすることが容易になる。このため、第1位相差領域が帯状のパターンに形成されていることにより、本発明のパターン位相差フィルムを用いて容易に3D発光型表示装置を製造することができるようになるからである。
また、本発明に用いられる位相差層が、上記第1位相差領域および上記第2位相差領域がパターン状に配置された態様のものである場合、上記第1位相差領域および第2位相差領域は、互いに平行な帯状のパターンに配置されていることが好ましい。この場合、第1位相差領域と第2位相差領域とは交互に配置されることになるが、このようなパターンで第1位相差領域と第2位相差領域とが配置されていることにより、上記と同様の理由から、本発明のパターン位相差フィルムを用いて3D表示装置、および3D発光型表示装置を製造することが容易になるからである。
上記第1位相差領域が帯状のパターンに配置されている場合、第1位相差領域の幅は、本発明のパターン位相差フィルムの用途に応じて適宜決定される。例えば、本発明のパターン位相差フィルムを、3次元表示可能な液晶表示装置を製造するために使用する場合、上記第1位相差領域の幅は液晶表示装置に用いられるカラーフィルタにおいて画素部が形成されている幅に対応するように適宜決定されることになる。また、例えば、本発明のパターン位相差フィルムを3次元表示可能な発光型表示装置を製造するために用いる場合、上記第1位相差領域の幅は発光型ディスプレイにおいて画素部が形成されている幅に対応するように適宜決定されることになる。このように、上記第1配向領域の幅は特に限定されるものではないが、通常、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜600μmの範囲内であることがより好ましい。また、このように第1配向領域が帯状のパターンに形成される場合は、隣接する第1配向領域の間隔が、各第1配向領域の幅と同一であることが好ましい。
さらに、本発明に用いられる位相差層が、帯状のパターンに形成された第1位相差領域および第2位相差領域が交互に配置された態様である場合、第1位相差領域と第2位相差領域の幅は同一であることが好ましい。
2.配向層
次に、本発明に用いられる配向層について説明する。本発明に用いられる配向層は後述する透明フィルム基材上に形成されるものであり、位相差層に含まれる棒状化合物を配列させる機能を有するものである。
本発明に用いられる配向層としては、上記位相差層に含有される棒状化合物を配列させることができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に棒状化合物を配列させることが可能な配向層として公知のものを用いることができる。このような配向層としては、例えば、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等からなるものを挙げることができる。
また、本発明に用いられる配向層は上記棒状化合物を配列させる機能を有するものであるが、このような機能は、例えば、配向層の表面をラビング処理したり、あるいは配向層の表面に微細な凹凸形状を形成することよって付与することができる。
なお、本発明に用いられる位相差層が、上記第1位相差領域および第2位相差領域からなる態様である場合、本発明に用いられる配向層は、上記第1位相差領域に対応する領域と、第2位相差領域に対応する領域とにおいて、棒状化合物を配列させることができる方向が、45°交差するように配向処理がなされることが好ましいことになる。
3.透明フィルム基材
次に、本発明に用いられる透明フィルム基材について説明する。本発明に用いられる透明フィルム基材としては、樹脂材料からなり所定の透明性を有するものであれば特に限定されるものではない。中でも本発明に用いられる透明フィルム基材は、位相差性が低いものであることが好ましい。より具体的には、本発明に用いられる透明フィルム基材は、面内レターデーション値(Re値)が、0nm〜10nmの範囲内であることが好ましく、
0nm〜5nmの範囲内であることがより好ましく、0nm〜3nmの範囲内であることがさらに好ましい。透明基材の面内レターデーション値が上記範囲よりも大きいと、例えば、本発明のパターン位相差フィルムを用いて3D表示装置を製造した場合に、得られる3D表示装置の表示品質が悪くなってしまう場合があるからである。
本発明に用いられる透明フィルム基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、透明フィルム基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
また、本発明に用いられる透明フィルム基材としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、(メタ)アクロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂からなるものを挙げることができるが、透明フィルム基材の面内レターデーションをゼロに近付けやすいことからアセチルセルロース系樹脂、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
透明フィルム基材の厚みについては、本発明のパターン位相差フィルムの用途および透明フィルム基材を構成する材料等に応じて適宜決定することができるものであり、特に限定されるものではないが、通常は、20μm〜188μmの範囲内であることが好ましく、30μm〜90μmの範囲内であることがより好ましい。
なお、上記配向層が紫外性硬化性樹脂からなる場合は、透明フィルム基材と紫外線硬化性樹脂の接着性を向上させるためのプライマ層を透明フィルム基材上に形成してもよい。このプライマ層は、透明フィルム基材および紫外線硬化性樹脂との双方に接着性を有し、可視光学的に透明であり、紫外線を通過させるものであればよく、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系,ウレタン系のものを使用することができる。
4.パターン位相差フィルム
本発明のパターン位相差フィルムは少なくとも上記透明フィルム基材、配向層、および位相差層を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。本発明に用いられる他の構成としては、本発明のパターン位相差フィルムの用途等に応じて所望の機能を有するものを適宜選択して用いることができる。このような他の構成の例としては、例えば、上記透明フィルム基材の上記配向層が形成された面とは反対面上に形成されるアンチグレア層および/または反射防止層を挙げることができる。このような反射防止層やアンチグレア層が形成されていることにより、本発明のパターン位相差フィルムを用いて3D表示装置を製造した際に、表示品質の良い3D表示装置を得ることができるという利点がある。なお、上記反射防止層、およびアンチグレア層は一方のみが用いられてもよく、または両方が用いられてもよい。
図5は、本発明のパターン位相差フィルムにアンチグレア層又は反射防止層が用いられる場合の一例を示す概略図断面図である。図5に例示するように本発明のパターン位相差フィルム10には、上記透明フィルム基材11の上記配向層12が形成された面とは反対面上にアンチグレア層又は反射防止層14が形成されていてもよい。
上記アンチグレア層は、太陽や蛍光灯などからの外光が、表示装置の表示画面に入射して反射することから生じる画面の映り込みを低減させる機能を有する層である。一方、上記反射防止層は、表面の正反射率を抑えることで画像のコントラストがよくなり、その結果、画像の視認性を向上させる機能を有するものである。本発明に用いられるアンチグレア層、反射防止層としては、所望のアンチグレア機能、または反射防止機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、表示画質向上を目的として表示装置に用いられるものとして一般的に公知のものを用いることができる。上記アンチグレア層としては、例えば、微粒子を分散させた樹脂層を挙げることができ、上記反射防止層としては、例えば、屈折率の異なる複数の層が積層された構成を有するものを挙げることができる。尚、アンチグレア層の最表面に反射防止層を設ければ、明室における画像の視認性を更に向上することができる。
5.パターン位相差フィルムの製造方法
本発明のパターン位相差フィルムを製造する方法としては、例えば、透明フィルム基材上に、配向層を形成した後、当該配向層上に棒状化合物を含有する位相差層形成用塗工液を塗工し、必要に応じて硬化処理を行って位相差層を形成することによって製造することができる。
上記透明フィルム基材上に配向層を形成する方法としては、例えば、透明フィルム基材上に上述した構成材料を含有する配向層形成用塗工液を塗布し、乾燥することによって配向層形成用塗工液からなる膜を形成し、必要に応じて硬化処理を行った後、当該膜の表面に微細凹凸形状を形成する方法やラビング処理を行う方法を挙げることができる。また。透明フィルム基材上に予め別個に形成した配向層を転写する方法も挙げることができる。
上記位相差層形成用塗工液は、通常、棒状化合物と、溶媒とからなり、必要に応じて重合開始剤等を含むものであってもよい。上記位相差層形成用塗工液に用いられる溶媒としては、上記棒状化合物を所望の濃度に溶解できるものであり、かつ、透明フィルム基材を侵蝕しないものであれば特に限定されない。このような溶媒としては、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶媒を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、本発明に用いられる溶媒は、1種類でもよく、2種類以上の溶媒の混合溶媒でもよい。
上記位相差層形成用塗工液中における上記棒状化合物の含有量は、上記位相差層形成用塗工液を透明フィルム基材上に塗布する塗工方式等に応じて、上記位相差層形成用塗工液の粘度を所望の値にできる範囲内であれば特に限定されない。なかでも本発明においては、上記棒状化合物の含有量が、上記位相差層形成用塗工液中、5質量%〜30質量%の範囲内が好ましく、特に10質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。
上記位相差層形成用塗工液中には、必要に応じて光重合開始剤を含んでも良い。特に紫外線照射により位相差層を硬化させる処理を実施する場合には、光重合開始剤を含むことが好ましい。本発明に用いられる光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系化合物等の一般的に公知のものを用いることができる。また、光重合開始剤を使用する場合には、光重合開始助剤を併用することができる。このような光重合開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等の3級アミン類や、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミド安息香酸エチル等の安息香酸誘導体を例示することができるが、これらに限られるものではない。
上記位相差層形成用塗工液を上記透明フィルム基材上に塗工する塗布方式としては、第1位相差領域をパターン状に形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法などを例示することができるが、これに限られるものではない。上記位相差層形成用塗工液の塗膜の乾燥方法は、加熱乾燥方法、減圧乾燥方法、ギャップ乾燥方法等、一般的に用いられる乾燥方法を用いることができる。また、上記棒状化合物として重合性材料を用いる場合、上記重合性材料を重合する方法は、特に限定されるものではなく、上記重合性材料が有する重合性官能基の種類に応じて適宜決定すればよい。
B.偏光子付きパターン位相差フィルム
次に、本発明の偏光板付きパターン位相差フィルムについて説明する。上述したように本発明の偏光子付きパターン位相差フィルムは、上記本発明に係るパターン位相差フィルムと、上記パターン位相差フィルム上に積層された偏光子とを有することを特徴とするものである。
このような本発明の偏光子付きパターン位相差フィルムについて図を参照しながら説明する。図6は本発明の偏光子付きパターン位相差フィルムの一例を示す概略断面図である。図6に例示するように、本発明の偏光子付きパターン位相差フィルム20は、パターン位相差フィルム10と、上記パターン位相差フィルム10上に積層された偏光子21とを有することを特徴とするものである。このような例において本発明の偏光子付きパターン位相差フィルム20は、上記パターン位相差フィルム10が上記本発明に係るパターン位相差フィルムであることを特徴とするものである。ここで、図6(a)、(a)’においては、偏光子21の両面に偏光板保護フィルム22が配置された偏光板23として偏光子21がパターン位相差フィルム10上に積層された構成について図示したが、本発明の偏光子付きパターン位相差フィルム20はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、図6(b)、(b)’に示すようにパターン位相差フィルム10の透明フィルム基材11上に偏光子21のみが積層される態様であってもよい。尚、3D画像を広い視野角で見れるようにするためには、偏光子21と位相差層13との距離は出来る限り短くした方が良いので、図6、層構成(a)’よりは(a)の方が好ましく、(b)よりは(b)’の方が好ましい。なお、図6において24は接着層を表わすものである。
本発明によれば、上記本発明に係るパターン位相差フィルムが用いられていることにより、3D表示装置を製造するために好適に用いることができる偏光子付きパターン位相差フィルムを得ることができる。
本発明の偏光子付きパターン位相差フィルムは、少なくとも上記パターン位相差フィルムと、偏光子とを有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本発明の偏光子付きパターン位相差フィルムに用いられる各構成について順に説明する。
なお、本発明の偏光子付きパターン位相差フィルムに用いられるパターン位相差フィルムについては、上記「A.パターン位相差フィルム」の項において説明したものであるため、以下での説明は省略する。
まず、本発明においてパターン位相差フィルム上に偏光子が積層されている態様について説明する。本発明においてパターン位相差フィルムに偏光子が積層されている態様は特に限定されるものではなく、パターン位相差フィルムの透明フィルム基材側に積層される態様であってもよく、またはパターン位相差フィルムの位相差層上に積層される態様であってもよい。また偏光子がパターン位相差フィルムに積層される態様としては、偏光子のみがパターン位相差フィルム上に積層される態様であってもよく(図6(b)、(b)’参照)、偏光子が偏光板としてパターン位相差フィルム上に積層される態様であってもよい(図6(a)、(a)’参照)。中でも本発明においては、偏光子がパターン位相差フィルムの透明フィルム基材側に積層される場合は、偏光子のみが積層される態様であることが好ましく、一方で偏光子がパターン位相差フィルムの位相差層上に積層される場合は、偏光板として積層される態様であることが好ましい。
また、本発明においてパターン位相差フィルムと偏光子とを積層するに際しては必要に応じて両者の間に接着層や粘着層を介在させてもよい。
本発明に用いられる偏光子としては、透過光を直線偏光とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置用の偏光板に用いられる偏光子として公知のものを用いることができる。このような偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコールからなるフィルムにヨウ素を含浸させ、これを一軸延伸することによってポリビニルアルコールとヨウ素との錯体を形成させたものを挙げることができる。
本発明において偏光子を偏光板としてパターン位相差フィルム上に積層する場合、偏光板としては偏光子の少なくとも片面、好ましくは両面に偏光板保護フィルムが配置された構成を有する偏光板が使用される。この際に用いられる偏光板保護フィルムとしては、上記偏光子を保護することができ、かつ、所望の透明性を有するものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる偏光板保護フィルムは、可視光領域における透過率が80%以上であるものが好ましく、90%以上であるものがより好ましい。
ここで、上記偏光板保護フィルムの透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
上記偏光板保護フィルムを構成する材料としては、例えば、セルロース誘導体、シクロオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類等を挙げることができる。なかでも本発明においては、上記樹脂材料としてセルロース誘導体、シクロオレフィン系樹脂、またはアクリル系樹脂を用いることが好ましい。
上記セルロース誘導体としては、偏光板において偏光子が空気中の水分等に曝されることを防止する機能と、偏光子の寸法変化を防止する機能とを有するものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、上記セルロース誘導体としてセルロースエステル類を用いることが好ましく、さらにセルロースエステル類の中でもセルロースアシレート類を用いることが好ましい。セルロースアシレート類は工業的に広く用いられていることから、入手容易性の点において有利だからである。
上記セルロースアシレート類としては、炭素数2〜4の低級脂肪酸エステルが好ましい。低級脂肪酸エステルとしては、例えばセルロースアセテートのように、単一の低級脂肪酸エステルのみを含むものでもよく、また、例えばセルロースアセテートブチレートやセルロースアセテートプロピオネートのような複数の脂肪酸エステルを含むものであってもよい。
また本発明においては、上記低級脂肪酸エステルの中でもセルロースアセテートを特に好適に用いることができる。セルロースアセテートとしては、平均酢化度が57.5〜62.5%(置換度:2.6〜3.0)のトリアセチルセルロースを用いることが最も好ましい。このようなトリアセチルセルロールは光学的等方性に優れるからである。
ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算により求めることができる。なお、トリアセチルセルロースフィルムを構成するトリアセチルセルロースの酢化度は、フィルム中に含まれる可塑剤等の不純物を除去した後、上記の方法により求めることができる。
なお、従来、セルロース誘導体からなるフィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合、表面をけん化処理することによってポリビニルアルコールからなる偏光子との接着性を向上することができる。
一方、上記シクロオレフィン系樹脂としては、環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する樹脂であれば特に限定されるものではない。このような上記環状オレフィンからなるモノマーとしては、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等を挙げることができる。また、本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂としては、シクロオレフィンポリマー(COP)またはシクロオレフィンコポリマー(COC)のいずれであっても好適に用いることができる。また、上記シクロオレフィン系樹脂は上記環状オレフィンからなるモノマーの単独重合体であってもよく、または、共重合体であってもよい。
また、本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂は、23℃における飽和吸水率が1質量%以下であるものが好ましく、なかでも0.1質量%〜0.7質量%の範囲内であるものが好ましい。このようなシクロオレフィン系樹脂を用いることにより、偏光板を吸水による光学特性の変化や寸法の変化がより生じにくいものとすることができるからである。
ここで、上記飽和吸水率は、上記吸水率は、ASTMD570に準拠し23℃の水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより求められる。
本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂からなる偏光板保護フィルムの具体例としては、例えば、Ticona社製 Topas(登録商標)、ジェイエスアール社製 ARTON(登録商標)、日本ゼオン社製 ZEONOR(登録商標)、日本ゼオン社製 ZEONEX(登録商標)、三井化学社製 アペル(登録商標)等を挙げることができる。
また、上記アクリル系樹脂は特に限定されないが、例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)などが挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキル、特に好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が挙げられる。
本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂からなる偏光板保護フィルムの具体例としては、例えば、日本触媒社製アクリビュア(登録商標)を挙げることができる。
本発明に用いられる偏光板保護フィルムの厚みは特に限定されないが、通常、5μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、特に15μm〜150μmの範囲内であることが好ましく、さらに30μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の偏光子付きパターン位相差フィルムは、上記本発明に係るパターン位相差フィルムを用い、適宜接着層を用いて偏光子を任意の態様で積層することにより製造することができる。
C.積層型パターン位相差板
次に、本発明の積層型パターン位相差板について説明する。上述したように本発明の積層型パターン位相差板は、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有し、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域がパターン状に配置された位相差層と、面内レターデーション値がλ/4分に相当する第2位相差層と、が積層されており、かつ、上記第1位相差領域の遅相軸方向と、上記第2位相差層の遅相軸方向とが、直交または平行関係にあることを特徴とするものである。
このような本発明の積層型パターン位相差板について図を参照しながら説明する。図7は本発明の積層型パターン位相差板の一例を示す概略断面図である。図7に例示するように本発明の積層型パターン位相差板30は、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有し、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域31Aがパターン状に配置された位相差層31と、面内レターデーション値がλ/4分に相当する第2位相差層32と、が積層された構成を有するものである。また、本発明の積層型パターン位相差板30は、上記第1位相差領域31Aの遅相軸方向と、上記第2位相差層32の遅相軸方向とが、直交または平行関係にあることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記位相差層が、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域がパターン状に配置されたものであり、かつ上記第2位相差層の面内レターデーション値がλ/4分に相当するものであり、さらに上記第1位相差領域の遅相軸方向と、上記第2位相差層の遅相軸方向とが、直交または平行関係にあることにより、3D表示装置を容易に製造することができる積層型パターン位相差板を提供することができる。
本発明の積層型パターン位相差板は、少なくとも上記位相差層と、上記第2位相差層とを有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
1.位相差層
本発明に用いられる位相差層は、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有し、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域がパターン状に配置されたものである。このような位相差層については、上記「A.パターン位相差フィルム」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.第2位相差層
次に、本発明に用いられる第2位相差層について説明する。本発明に用いられる第2位相差層は、面内レターデーション値がλ/4分に相当する程度の位相差性を示すものである。なお、本発明に用いられる第2位相差層は、全面において遅相軸の方向が一定方向であるものであり、パターン状に形成されたものではない。
本発明に用いられる第2位相差層は、面内レターデーション値がλ/4分に相当する程度の位相差性を示すものであれば特に限定されるものではない。このような第2位相差層としては、屈折率異方性を有する棒状化合物が規則的に配列してなるものや、屈折率異方性を有する高分子材料からなるフィルムを延伸してなるもの等を挙げることができる。
本発明に用いられる第2位相差層が屈折率異方性を有する棒状化合物が規則的に配列してなるものである場合、上記棒状化合物としては、第2位相差層にλ/4分に相当する程度の位相差性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。このような棒状化合物については、上記位相差層に用いられるものと同様のものを用いることができる。なお、第2位相差層が屈折率異方性を有する棒状化合物が規則的に配列してなるものである場合、当該第2位相差層は、通常、上記棒状化合物を規則的に配列させることができる配向層と共に用いられることになる。
一方、本発明に用いられる第2位相差層が、屈折率異方性を有する高分子材料からなるフィルムを延伸してなるものである場合、上記高分子材料の例としては、例えば、シクロオレフィン系樹脂を挙げることができる。上記シクロオレフィン系樹脂としては、環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する樹脂であれば特に限定されるものではない。このような上記環状オレフィンからなるモノマーとしては、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等を挙げることができる。また、本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂としては、シクロオレフィンポリマー(COP)またはシクロオレフィンコポリマー(COC)のいずれであっても好適に用いることができる。また、上記シクロオレフィン系樹脂は上記環状オレフィンからなるモノマーの単独重合体であってもよく、または、共重合体であってもよい。具体例としては、例えば、Ticona社製 Topas(登録商標)、ジェイエスアール社製 ARTON(登録商標)、日本ゼオン社製 ZEONOR(登録商標)、日本ゼオン社製 ZEONEX(登録商標)、三井化学社製 アペル(登録商標)等を延伸したものを挙げることができる。
本発明に用いられる第2位相差層は、面内レターデーション値がλ/4分に相当するものである。具体的な面内レターデーション値は特に限定されるものではないが、通常、100nm〜160nmの範囲内であることが好ましく、110nm〜150nmの範囲内であることがより好ましく、120nm〜140nmの範囲内であることがさらに好ましい。
3.積層型パターン位相差板
本発明の積層型パターン位相差板は、上記位相差層と上記第2位相差層とが積層された構成を有するものであるところ、上記位相差層と上記第2位相差層とが積層された態様としては、上記位相差層における上記第1位相差領域の遅相軸方向と、上記第2位相差層の遅相軸方向とが、直交または平行関係となるように積層される態様であれば特に限定されるものではない。したがって、本発明の積層型パターン位相差板は、上記位相差層と上記第2位相差層とが直に接するように積層された態様であってもよく、または、他の層を介して積層された態様であってもよい。
ここで、本発明の積層型パターン位相差板が、位相差層と第2位相差層とが他の層を介して積層された態様の具体例としては、例えば、上述した本発明のパターン位相差フィルムに、第2位相差層が積層された構成や、上記本発明のパターン位相差フィルムにおける透明フィルム基材として上記第2位相差層が用いられた構成を例示することができるがこの限りではない。
D.液晶表示装置
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。本発明の液晶表示装置は、上記本発明に係るパターン位相差フィルムが用いられたもの(第1態様)と、上記本発明に係る積層型パターン位相差板が用いられたもの(第2態様)と、の2態様に分類することができる。従って、以下、各態様に分けて、本発明の液晶表示装置について説明する。
D−1:第1態様の液晶表示装置
まず、本発明の第1態様の液晶表示装置について説明する。本態様の液晶表示装置は、上記本発明に係るパターン位相差フィルムが用いられたものである。すなわち、本態様の液晶表示装置は、第1偏光板と、上記第1偏光板上に配置され、パターン状に画素部が形成されたカラーフィルタを備える液晶セルと、上記液晶セル上に配置された第2偏光板と、上記第2偏光板上に配置された上記本発明に係るパターン位相差フィルム、および面内レターデーション値がλ/4分に相当する第2位相差層と、を有するものであって、上記第2偏光板の偏光軸方向と、上記パターン位相差フィルムにおける上記第1位相差領域の遅相軸方向とがなす角度が45°であり、かつ上記第1位相差領域の遅相軸方向と、上記第2位相差層の遅相軸方向とが直交または平行関係にあり、さらに上記カラーフィルタにおいて上記画素部が形成されているパターンと、上記パターン位相差フィルムの上記位相差層において、上記第1位相差領域が配置されているパターンと、が対応関係にあることを特徴とするものである。
このような本態様の液晶表示装置について図を参照しながら説明する。図8は本態様の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。図8に例示するように、本態様の液晶表示装置40は、第1偏光板41と、上記第1偏光板41上に配置され、パターン状に画素部42aが形成されたカラーフィルタを備える液晶セル42と、上記液晶セル42上に配置された第2偏光板43と、上記第2偏光板43上に配置された上記本発明に係るパターン位相差フィルム10、および面内レターデーション値がλ/4分に相当する第2位相差層44と、を有するものである。このような例において、本態様の液晶表示装置40は、上記第2偏光板43の偏光軸方向と、上記パターン位相差フィルム10における上記第1位相差領域13Aの遅相軸方向とがなす角度が45°であり、かつ上記第1位相差領域13Aの遅相軸方向と、上記第2位相差層44の遅相軸方向とが直交または平行関係にあり、さらに上記カラーフィルタにおいて上記画素部42aが形成されているパターンと、上記パターン位相差フィルム10の上記位相差層13において、上記第1位相差領域13Aが配置されているパターンと、が対応関係にあることを特徴とするものである。
なお、図8においては、第2偏光板上にパターン位相差フィルムと、第2位相差層とがこの順で積層された例を示したが、上記位相差層として第2位相差領域を有さないものを用いる場合には、これとは逆に、第2偏光板上に、第2位相差層とパターン位相差フィルムと、がこの順で積層されていてもよい。
本態様によれば、上記本発明に係るパターン位相差フィルムと、上記第2位相差層とが上記のように配置されており、かつ上記カラーフィルタにおいて上記画素部が形成されているパターンと、上記パターン位相差フィルムにおける位相差層の上記第1位相差領域が形成されているパターンとが対応関係にあることにより、3次元映像を表示することが可能な液晶表示装置を得ることができる。
本態様の液晶表示装置は、少なくとも第1偏光板、液晶セル、第2偏光板、パターン位相差フィルム、および第2位相差層を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本発明に用いられる各構成について説明する。
なお、本態様に用いられるパターン位相差フィルムは、上記「A.パターン位相差フィルム」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
1.液晶セル
本態様に用いられる液晶セルは、パターン状に形成された画素部を有するカラーフィルタを備えるものである。本態様に用いられる液晶セルとしては、特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置用の液晶セルとして公知のものを用いることができる。
2.第1偏光板および第2偏光板
本態様に用いられる第1偏光板および第2偏光板としては、透過光を直線偏光とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置に用いられる偏光板を用いることができる。このような偏光板としては、例えば、偏光子と、当該偏光子の両面に配置された偏光板保護フィルムとからなるものが一般的である。ここで、上記偏光子、および偏光板保護フィルムについては上記「B.偏光子付きパターン位相差フィルム」の項において説明したものと同様のものを用いることができる。
また、本態様の液晶表示装置においては液晶セルを挟持するように第1偏光板および第2偏光板が配置されるが、第1偏光板はバックライト側に配置されるものであり、第2偏光板は表示側に配置されるものである。また、第1偏光板および第2偏光板は偏光軸が互いに直交する方向で配置される。
3.第2位相差層
次に、本態様に用いられる第2位相差層について説明する。本態様に用いられる第2位相差層は、面内レターデーション値がλ/4分に相当する第2位相差層を有するものである。
このような第2位相差層については、上記「C.積層型パターン位相差板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.液晶表示装置
本態様の液晶表示装置は、上記第2偏光板の偏光軸方向と、上記パターン位相差フィルムにおける上記第1位相差領域の進相軸または遅相軸方向とがなす角度が45°であり、かつ上記第1位相差領域の遅相軸方向と、上記第2位相差層の遅相軸方向とが直交または平行関係にあり、さらに上記カラーフィルタにおいて上記画素部が形成されているパターンと、上記パターン位相差フィルムの上記位相差層において、上記第1位相差領域が配置されているパターンと、が対応関係にあることを特徴とするものである。本態様において、上記画素部が形成されているパターンと、上記第1配向領域が形成されているパターンとの対応関係をどのような態様にするかは、上記カラーフィルタにおいて画素部が配置されている態様等に応じて適宜決定することができる。このような対応関係としては、例えば、液晶表示装置に用いられているカラーフィルタの左右方向の1ライン毎にパターン位相差フィルムの上記第1位相差領域の各ラインが対応する状態にする等を挙げることができる。尚、位置合わせのずれを防止する目的で、必要に応じて隣り合ったライン間に光を吸収する黒いラインを設けても良い。
D−2:第1態様の液晶表示装置
次に、本発明の第2態様の液晶表示装置について説明する。本態様の液晶表示装置は、上記本発明に係る積層型パターン位相差板が用いられたものである。すなわち、本態様の液晶表示装置は、第1偏光板と、上記第1偏光板上に配置され、パターン状に画素部が形成されたカラーフィルタを備える液晶セルと、上記液晶セル上に配置された第2偏光板と、上記第2偏光板上に配置された上記本発明に係る積層型パターン位相差板と、を有するものであって、上記第2偏光板の偏光軸方向と、上記積層型パターン位相差板における上記第1位相差領域の遅相軸方向とがなす角度が45°であり、かつ上記カラーフィルタにおいて上記画素部が形成されているパターンと、上記積層型パターン位相差板の上記位相差層において、上記第1位相差領域が配置されているパターンと、が対応関係にあることを特徴とするものである。
このような本態様の液晶表示装置について図を参照しながら説明する。図9は本態様の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。図9に例示するように、本態様の液晶表示装置40は、第1偏光板41と、上記第1偏光板41上に配置され、パターン状に画素部42aが形成されたカラーフィルタを備える液晶セル42と、上記液晶セル42上に配置された第2偏光板43と、上記第2偏光板43上に配置された上記本発明に係る積層型パターン位相差板30とを有するものである。このような例において、本態様の液晶表示装置40は、上記第2偏光板43の偏光軸方向と、上記積層型パターン位相差板30における上記第1位相差領域31Aの遅相軸方向とがなす角度が45°であり、かつ上記カラーフィルタにおいて上記画素部42aが形成されているパターンと、上記積層型パターン位相差板30の上記位相差層31において、上記第1位相差領域31Aが配置されているパターンと、が対応関係にあることを特徴とするものである。
なお、図9においては、上記積層型パターン位相差板が、上記位相差層が上記第2偏光板側を向くように配置された例を示したが、上記位相差層として第2位相差領域を有さないものが用いられる場合には、これとは逆に、位相差層が第2偏光板側を向くように配置されてもよい。
本態様によれば、上記本発明に係る積層型パターン位相差板が上記のように配置されており、かつ上記カラーフィルタにおいて上記画素部が形成されているパターンと、上記積層型パターン位相差板おける位相差層の上記第1位相差領域が形成されているパターンとが対応関係にあることにより、3次元映像を表示することが可能な液晶表示装置を得ることができる。
本態様の液晶表示装置は、少なくとも第1偏光板、液晶セル、第2偏光板、および積層型パターン積層板を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本態様に用いられる各構成について説明する。
なお、本態様に用いられる積層型パターン位相差板は、上記「C.積層型パターン位相差板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本態様に用いられる液晶セル、第1偏光板および第2偏光板は、上記第1態様の液晶表装置に用いられるものと同一であるため、ここでの説明は省略する。
本態様の液晶表示装置は、上記第2偏光板の偏光軸方向と、上記積層型パターン位相差板における上記第1位相差領域の進相軸または遅相軸方向とがなす角度が45°であり、かつ上記カラーフィルタにおいて上記画素部が形成されているパターンと、上記積層型パターン位相差板の上記位相差層において、上記第1位相差領域が配置されているパターンと、が対応関係にあることを特徴とするものである。本態様において、上記画素部が形成されているパターンと、上記第1配向領域が形成されているパターンとの対応関係をどのような態様にするかは、上記カラーフィルタにおいて画素部が配置されている態様等に応じて適宜決定することができる。このような対応関係としては、例えば、液晶表示装置に用いられているカラーフィルタの左右方向の1ライン毎にパターン位相差フィルムの上記第1位相差領域の各ラインが対応する状態にする等を挙げることができる。尚、位置合わせのずれを防止する目的で、必要に応じて隣り合ったライン間に光を吸収する黒いラインを設けても良い。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
10cm×10cmの大きさの銅版を準備し、FIB加工で作製したピッチが200nmの凹凸を有するダイヤモンドバイトで左右方向に、全面を切削した。その後、UV硬化性樹脂(DIC株式会社製ユニディック RC23−207)を銅版上に塗布し、その上に密着性を改善するためのプライマー(DIC株式会社製ユニディックRC20−075)を塗布した透明なフィルム(富士フィルム株式会社製フジタック)を乗せて密着させ、紫外線を照射して硬化させた。
次に、透明フィルムを銅版から剥離し、凹凸形状を透明フィルムに賦形した。SEMで断面形状を観察したところ、200nmピッチの凹凸が左右方向に観測された。
次に、シクロヘキサノンに固形分15%で溶解した下記構造式で表わされる液晶性材料溶液に光重合開始剤(BASF株式会社製イルガキュア184)を5重量%を加えた溶液を、上記賦形した透明フィルムにスピンコーターで乾燥硬化時の膜厚が2μmになる様に塗布、80℃で10分乾燥し、紫外線を照射して硬化させた。更に、紫外線レーザーを用いて左右方向に硬化させた液晶層を幅500μmのラインが交互に出来る様に蒸発させた。偏光板クロスニコルの中にサンプルを入れて観察したところ、幅500μmのストライプが明・暗・明・暗の繰り返し模様で見えた。上記パターン位相差フィルムを図8の構成になる様に3次元表示可能な液晶ディスプレイのカラーフィルターの左右方向のラインに対応して貼合し、左右円偏光メガネをかけて見たところ、3次元画像が見えた。
[実施例2]
10cm×10cmの大きさの銅版を準備し、研磨剤(カネヨ石鹸株式会社製カネヨンTM)で斜め45度方向に研磨し、洗浄した。その後、FIB加工で作製したピッチが200nmの凹凸を有するダイヤモンドバイトで左右方向に、ストライプの間隔が500μmになる様に切削した。その後、UV硬化性樹脂(DIC株式会社製ユニディック RC23−207)を銅版上に塗布し、その上に密着性を改善するためのプライマー(DIC株式会社製ユニディックRC20−075)を塗布した透明フィルム基材として、透明なフィルム(富士フィルム株式会社製フジタック)を乗せて密着させ、紫外線を照射して硬化させた。
次に、上記透明フィルム基材を銅版から剥離し、凹凸形状を透明フィルム基材上に賦形することにより、上記透明フィルム基材上に配向層を形成した。SEMで配向層の断面形状を観察したところ、200nmピッチの凹凸と不定形の微細な凹凸が交互に観測された。
次に、シクロヘキサノンに固形分15%で溶解した下記構造式で表わされる液晶性材料の溶液に、光重合開始剤(BASF株式会社製イルガキュア184)を5重量%を加えた溶液を、上記配向層が形成された透明フィルム基材上にスピンコーターで乾燥時の膜厚が2μmになる様に塗布、80℃で10分乾燥し、紫外線を照射して硬化することにより、パターン位相差フィルムを作製した。位相差層のレターデーションは260nmでλ/2相当だった。
作製したパターン位相差フィルムを偏光板クロスニコルの中に入れて回転させたところ、幅500μmのストライプが繰り返し模様で見え、90度回転する毎に、明と暗が反転した。上記パターン位相差フィルムを図8の構成になる様に3次元表示可能な液晶ディスプレイのカラーフィルターの左右方向のラインに対応して貼合し、左右円偏光メガネをかけて見たところ、3次元画像が見えた。
尚、本実施例におけるラビングには研磨剤を用いたが、LCD製造に使われているラビング用の布を使ってもよい。
10 … パターン位相差フィルム
11 … 透明フィルム基材
12 … 配向層
13 … 位相差層
13A … 第1位相差領域
13B … 第2位相差領域
14 … 反射防止層またはアンチグレア層
20 … 偏光子付きパターン位相差フィルム
21 … 偏光子
22 … 偏光板保護フィルム
23 … 偏光板
24 … 接着層
30 … 積層型パターン位相差板
31 … 位相差層
31A … 第1位相差領域
32 … 第2位相差層
40 … 液晶表示装置
41 … 第1偏光板
42 … 液晶セル
42a … 画素部
43 … 第2偏光板

Claims (3)

  1. 屈折率異方性を有する棒状化合物を含有し、面内レターデーション値がλ/2分に相当する第1位相差領域がパターン状に配置された位相差層と、
    面内レターデーション値がλ/4分に相当する第2位相差層と、が積層されており、かつ、
    前記第1位相差領域の遅相軸方向と、前記第2位相差層の遅相軸方向とが、直交または平行関係にある積層型パターン位相差板であって、
    前記位相差層が、前記第1位相差領域と、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有する第2位相差領域と、を有するものであり、前記第2位相差領域に含有される前記棒状化合物の配向方向が、前記第1位相差領域に含有される棒状化合物の配向方向に対して45°の方向であり、かつ前記第1位相差領域と、前記第2位相差領域とがパターン状に配置されたものであることを特徴とする、積層型パターン位相差板。
  2. 前記第2位相差領域の面内レターデーション値がλ/2分に相当するものであり、
    前記位相差層の厚みが0.5μm〜4μmの範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の積層型パターン位相差板。
  3. 第1偏光板と、
    前記第1偏光板上に配置され、パターン状に画素部が形成されたカラーフィルタを備える液晶セルと、
    前記液晶セル上に配置された第2偏光板と、
    前記第2偏光板上に配置された請求項1または請求項2に記載の積層型パターン位相差板と、を有する液晶表示装置であって、
    前記第2偏光板の偏光軸方向と、前記積層型パターン位相差板における前記第1位相差領域の進相軸または遅相軸方向とがなす角度が45°であり、かつ前記カラーフィルタにおいて前記画素部が形成されているパターンと、前記パターン位相差フィルムの前記位相差層において、前記第1位相差領域が配置されているパターンと、が対応関係にあることを特徴とする、液晶表示装置。
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