JP2005037440A - 光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】視野角が全方向で80°以上、更に黒表示際に発生する赤味現象の発生を著しく低減された光学補償フィルム、該フィルムを有する偏光板、液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶性化合物を平均チルト角が4度以下となるように配向、次いで、固定化され、R0(λ)が589で40〜130nm、600で35〜125nm、630で35〜120nm、Rt(λ)が500〜630nmで120〜400nmであり、且つ、R0(589)、R0(600)、R0(630)が下記を満たすことを特徴とする光学補償フィルム。
1.0<B<7.0
B=(R0(589)−R0(630))/(R0(600)−R0(630))
【選択図】 なし
【解決手段】液晶性化合物を平均チルト角が4度以下となるように配向、次いで、固定化され、R0(λ)が589で40〜130nm、600で35〜125nm、630で35〜120nm、Rt(λ)が500〜630nmで120〜400nmであり、且つ、R0(589)、R0(600)、R0(630)が下記を満たすことを特徴とする光学補償フィルム。
1.0<B<7.0
B=(R0(589)−R0(630))/(R0(600)−R0(630))
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在では、パーソナルコンピュータのマルチメディア化が進み、液晶ディスプレイは大型化と同時に表示品質に優れるTFT液晶が主流となり、視野角特性の高度な改善が求められている。
【0003】
その目的のためにTFT型液晶の表示モードとして、従来のTN型のみならず横電界方式(IPS)、垂直配向方式(VA)等が提案され実用化されている。
【0004】
更に、動画表示に優れる高速駆動が可能なベンド配向方式(OCB)も実用化が進みつつある。IPS方式を除くこれらの表示方式は、視野角特性に一長一短ありいずれも光学補償シート(以下、光学補償フィルムともいう)を用いることにより大幅なる視野角特性を改善が試みられている。
【0005】
前記光学補償シートとしては、例えば、TN(Twisted Nematic)モードの液晶セル用光学補償シート(例えば、特許文献1、2、3及び4参照。)、IPS(In−Plane Switching)モードまたはFLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モードの液晶セル用光学補償シート(例えば、特許文献5参照。)、OCB(Optically Compensatory Bend)モードまたはHAN(Hybrid Aligned Nematic)モードの液晶セル用光学補償シート(例えば、特許文献6及び7参照。)、STN(Super Twisted Nematic)モードの液晶セル用光学補償シート(例えば、特許文献8参照。)、そして、VA(Vertically Aligned)モードの液晶セル用光学補償シート(例えば、特許文献9参照。)等に記載がある。
【0006】
上記の光学補償シート(光学補償フィルムともいう)は、通常偏光板と一体化された形で楕円偏光板等として使用される。
【0007】
このような目的の光学補償シートとしては、セルロースアセテート支持体上にディスコティック液晶を塗布し固定化を行い積層して得たTN型液晶表示装置の光学補償シートが知られている。
【0008】
また、同様にセルロースアセテート支持体上に正の一軸性を有する液晶ポリマよりなる層を積層配置して得られたTN型液晶表示装置用の光学補償シートも知られている。これらはいずれも、セルロースエステル層及び当該支持体上に積層された液晶層の各々の層により、所望の面内リターデーション値(R0)、厚み方向のリターデーション値(Rt)を得ることにより特定条件下における目的の光学補償性能を確保するという対応がとられていた。
【0009】
ところで、垂直配向型液晶表示装置(VA、VAをマルチドメイン化したMVA、PVA等)はノーマリーブラックモードであり、高コントラストが容易に得られ、またTN型やIPS型と比較して高速駆動が出来ることから、モニターやTV用途に広く用いられている。このVA型LCDは本来、斜め方向(もしくは偏光板の吸収軸、透過軸と45度の角度をなす方向)の視野角が狭く、これを改善するために様々な方法の光学補償フィルム、視野角拡大フィルムが提案され、あるいは実用化されている。
【0010】
例えば、種々のλ/4を、λ/2を組み合わせて用いることで全方向で光り漏れが発生しないようにすることが提案されている(例えば、特許文献10〜14参照。)が、この方法で用いる位相差板は、偏光膜に対して配置する方向からも明らかなように、位相差に非常に高い均一性が求められ、そのため生産性が非常に悪く、且つ、貼合する方向に高度な調整技術が求められ、生産性に問題があり、より簡便な方法によってより効果的に視野角を拡大する方法が求められてきた。
【0011】
これに対し、偏光膜の吸収軸と直行方向に面内遅相軸を有するシートを用いることによって、垂直配向型LCDの視野角を拡大する方法が提案されている。
【0012】
この方法は垂直配向ECB型LCDが提案された初期の段階で提案され(例えば、特許文献15参照。)ており、視野角を特に考慮した設計としてはこれらを用いることで、斜め方向の視野角は劇的に改善している。
【0013】
また、コレステリック液晶を用いた積層型の視野角拡大フィルムが正面方向に加えそれよりズレた斜視方向にても光漏れを抑制して視野角を広げる方法が提案されている(例えば、特許文献16参照。)。
【0014】
上記の様に様々な位相差版を用いて、例えば、波長550nm付近での視野角は、パネルの全方向において80度以上を達成することが出来るようになっている。
【0015】
ところが、斜め方向の視野角が80°以上になってくると、これまでには顕在化せず、従来の技術では、全く問題とされなかった、黒表示における赤味の問題が明確に認識されるようになってきた。さらに、視野角性能が向上したために画面の大型化が進み、それに伴って黒表示における赤味の問題の解決が当業界にたいして強く求められるようになってきた。尚、この問題は単に550nmにおける位相差板のリターデーションの最適化や、正面での波長分散を合わせる、といったことでは解決が困難であった。
【0016】
【特許文献1】
特開平6−214116号公報
【0017】
【特許文献2】
米国特許第5583679号明細書
【0018】
【特許文献3】
米国特許第5646703号明細書
【0019】
【特許文献4】
独国特許出願公開第3911620A1号明細書
【0020】
【特許文献5】
特開平10−54982号公報
【0021】
【特許文献6】
米国特許第5805253号明細書
【0022】
【特許文献7】
国際公開第96/37804号パンフレット
【0023】
【特許文献8】
特開平9−26572号公報
【0024】
【特許文献9】
特許第2866372号明細書
【0025】
【特許文献10】
特開平5−11356号公報
【0026】
【特許文献11】
特開平6−14842号公報
【0027】
【特許文献12】
特開2002−174727号公報
【0028】
【特許文献13】
特開2002−372622号公報
【0029】
【特許文献14】
特開2003−43262号公報
【0030】
【特許文献15】
特公平7−69536号公報
【0031】
【特許文献16】
特開2002−182212号公報
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、視野角が全方向で80°以上を達成し、さらに黒表示時の赤味現象の発生が著しく低減された光学補償フィルム、該フィルムを有する偏光板、液晶表示装置を提供することである。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は下記の構成1〜8により達成された。
【0034】
1.光学的に二軸性を有する支持体上に、光学異方性層を有する光学補償フィルムにおいて、該光学異方性層の少なくとも1層が、液晶性化合物を平均チルト角が4度以下となるように配向し、次いで、該配向を固定化することにより形成された層であり、前記一般式(1)で示されるフィルム面内のリターデーション値R0(λ)が、波長589nmで40nm〜130nm、波長600nmで35nm〜125nm、波長630で35nm〜120nmであり、前記一般式(2)で示されるフィルム厚み方向のリターデーション値Rt(λ)が、波長500nm〜630nmの範囲で120nm〜400nmであり、且つ、R0(589)、R0(600)、R0(630)が、前記一般式(3)を満たすことを特徴とする光学補償フィルム。
【0035】
2.フィルムを平面上に配置し、該フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が70°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の面内リターデーション値、R70(589)と、589nmにおけるフィルム全体の面内リターデーション値、R0(589)との比(R70(589)/R0(589))が、1.25〜1.40であり、前記フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が50°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の面内リターデーション値、R50(589)と前記R0(589)との比(R50(589)/R0(589))が、1.10〜1.25であることを特徴とする前記1に記載の光学補償フィルム。
【0036】
但し、R70(589)、R50(589)は、各々波長589nmにおいて、前記フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が各々70°、50°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定する以外は、前記一般式(1)で表されるとR0(λ)と同様にして求められる。
【0037】
3.前記一般式(4)で示される波長分散性を有することを特徴とする前記1または2に記載の光学補償フィルム。
【0038】
4.測定波長589nmにおける、前記光学的に二軸性を有する支持体と少なくとも1層の前記光学異方性層とが、前記一般式(5)を満たすことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
【0039】
5.前記液晶性化合物がネマティック液晶を含むことを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
【0040】
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の光学補償フィルムと、偏光膜または偏光子を有する偏光板であって、該光学補償フィルムの面内遅相軸と、該偏光膜または該偏光子の吸収軸とが85°〜95°の角度で交差するように配置されていることを特徴とする偏光板。
【0041】
7.前記6に記載の偏光板を液晶セルの一方の面または両面に配置することを特徴とする垂直配向ECB型液晶表示装置。
【0042】
8.前記6に記載の偏光板の偏光膜または偏光子と、液晶セルとの間の、波長λにおける面内方向のリターデーション値(R0(λ))の総和をS0(λ)、該液晶セル内の液晶の複屈折Δn(λ)と液晶部分の厚みの積、Δn(λ)×dをC(λ)とした時、S0(λ)、C(λ)が、前記一般式(9)〜(12)を各々満たすことを特徴とする前記7に記載の垂直配向ECB型液晶表示装置。
【0043】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者等が、本発明の光学補償シートに至る経過を説明する。
【0044】
当業界においては、VA型LCDで斜め方向の視野角問題が位相差板によって解決されたところで、大型画面への移行が進行した。通常の色味変化(黒表示でなく、通常のカラー表示)等の特性評価では、VA型は他のモニターと比較して大変すばらしい、との評価であった。
【0045】
しかしながら、斜め方向の視野角が80°以上となり、従来では観察不能であった視野からの観察が可能になり、さらに画面の大型化が進んだ結果、今まで全く問題にされてこなかった、黒表示の際の赤味現象の発生が明確に認識されるようになってきた。この赤味現象は、単に550nmにおける位相差板のリターデーションの最適化や、正面での波長分散を合わせるという対処方法では解決できなかった。
【0046】
本発明者等は、上記のVA型LCDでの黒表示における赤味現象を種々検討した結果、請求項1に記載のように、光学的に二軸性を有する支持体上に、少なくとも1層の光学異方性層を有する光学補償フィルムにおいて、該光学異方性層の少なくとも1層として、液晶性化合物を平均チルト角が4度以下となるように配向させ、次いで、該配向を固定化することにより形成された層を設け、前記一般式(1)で示されるフィルム面内のリターデーション値R0(λ)が、波長589nmで40nm〜130nm、波長600nmで35nm〜125nm、波長630で35nm〜120nmであり、前記一般式(2)で示されるフィルム厚み方向のリターデーション値Rt(λ)が、波長500nm〜630nmの範囲で120nm〜400nmであり、且つ、R0(589)、R0(600)、R0(630)が、前記一般式(3)を満たすように調整された光学補償フィルムが、本発明に記載の効果、即ち、視野角が全方向で80°以上を達成しているような高視野角の画面においても、黒表示時の赤味現象の発生が著しく低減された光学補償フィルムが得られることを見いだした。
【0047】
《光学的に二軸性を有する支持体》
本発明の光学補償フィルムは、光学的二軸性を有する支持体上に、少なくとも1層の光学異方性層を有することが特徴である。
【0048】
光学的に二軸性を有する支持体は、3次元での屈折率挙動、即ち、光学的二軸性を有する支持体の屈折率を構成する各成分nx、ny、nzのが下記式(1)記載の不等式を満たすことが特徴である(二軸プレート特性を示すともいう)。
【0049】
式(1)
nx>ny>nz
更には、光学的二軸性を有する支持体の面内方向のリターデーション値と厚み方向のリターデーション値は各々異なる値を示す。
【0050】
ここで、支持体の面内方向のリターデーション値(R0)、厚み方向のリターデーション値(Rt)は、各々下記のように定義される。
【0051】
(厚み方向のリターデーション値(Rt値))
Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(面内方向のリターデーション値(R0値))
R0=(nx−ny)×d
nx>nyの場合、支持体の面内リターデーション値R0は、0にはならない(0ではないともいう)ことが判る。
【0052】
本発明では、『光学的に二軸性を有する』とは、3次元での屈折率特性が上記式(1)の関係式で表される場合(二軸プレート特性を示すともいう)、または、面内リターデーション値(R0)が0ではない場合と定義される。
【0053】
ここで、nxは支持体の面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向での支持体面内の屈折率、dは支持体の厚み(nm)をそれぞれ表す。上記のR0、Rt値は各々、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RH(相対湿度)で、波長が590nmにおいて、3次元屈折率測定を行い、求められた屈折率nx、ny、nzを用いて各々算出される。
【0054】
光学的に二軸性を有する支持体は、後述する二軸プレート特性を示す材料(光学材料、樹脂フィルム等)が主成分(ここで、主成分とは、支持体の全構成成分の50質量%を占める成分を表す)として含まれることであり、具体的な材料としては、延伸セルロースエステル(例えば、延伸セルロースアセテートプロピオネート(延伸CAP)、セルローストリアセテート(延伸TAC)等)、シクロオレフィンポリマー(延伸処理が施され、光学的に二軸性が付与されたもの)等が主成分として含まれることである。
【0055】
ここで、セルロースアセテートプロピオネート、セルロートリアセテート等のセルロースエステル誘導体(セルロースエステルフィルム)については、二軸延伸処理等を行うことにより、光学的二軸性を付与することが出来る。
【0056】
また、シクロオレフィンポリマーとしては、ZEONEX(ゼオネックス:日本ゼオン製)、ZEONER(ゼオノア:日本ゼオン製)、ARTON(JSR(株)製)、APEL(三井石油化学製)等のオレフィン系透明プラスチックが挙げられる。
【0057】
本発明に係る光学的に二軸性を有する支持体の主成分は上記の二軸プレート特性を示す材料であるが、光学的に二軸性を示すことに支障がない範囲内で、その他の合成ポリマー、例えば、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等の材料を併用してもよい。
【0058】
上記のような光学異方性を、本発明に係る、シクロオレフィンポリマーを主成分として含有するフィルム(支持体)や上記の合成ポリマーの各々に付与する手段としては、種々挙げられるが、製膜時の延伸処理時の延伸方向、延伸倍率等の調整により所定の光学異方性を有するフィルムを得ることが出来る。
【0059】
《光学異方性層》
上記の光学的に二軸性を有する支持体上には、光学異方性層が形成されるが、本発明では該光学異方性層の少なくとも1層が下記の記載の諸特性(光学的特性、膜厚、液晶性化合物の配向等)について説明する。
【0060】
支持体上に形成される光学異方性層としては、後述する液晶性化合物を塗布後、従来公知のラビング処理や光配向処理等の手段により液晶性化合物を平均チルト角が4度以下となるように配向させた後、次いで、該配向を固定化して作製された層であり、膜厚は、通常0.1μm〜10μmの範囲が好ましく、更に好ましくは、0.2μm〜5μmの範囲である。
【0061】
(平均チルト角の測定)
光学異方性層の平均チルト角は、光学異方性層の膜厚方向における液晶性化合物分子のダイレクターと光学異方性層の平面との成す角度の平均値を平均チルト角と定義する。また、平均チルト角の測定は、当該業者周知の方法を用いて行うことが出来る。具体的には、例えばKOBRA21−ADHなどの位相差測定装置を用い、例えば光学的に正の液晶を用いた場合は面内進相軸を回転軸としリターデーションが最大値となる確度を求め、光学異方層の屈折率からスネルの法則を考慮して求めることが出来る。光学的に負の液晶を用いた場合も遅相軸を回転軸にして、リターデーションの最小値を示す確度を求める以外はこの様な方法によって求めることが出来る。
【0062】
《光学的に二軸性を有する支持体と光学異方性層との光学特性》
本発明の光学補償フィルムは、請求項4に記載のように、測定波長589nmにおける、前記光学的に二軸性を有する支持体と少なくとも1層の前記光学異方性層とが、一般式(5)を満たすことが好ましい。
【0063】
一般式(5)
0.44<((R(b)0+R(b)t)/R(e)0)<2.05
式中、R(b)0は、前記一般式(6)で表される、前記光学的に二軸性を有する支持体の面内リターデーションを表し、R(b)tは、前記一般式(7)で表される光学的に二軸性を有する支持体の厚み方向のリターデーションを表し、R(e)0は、前記一般式(8)で表される、前記光学異方性層の面内リターデーションを表である。
【0064】
《液晶性化合物》
本発明に係る液晶性化合物について説明する。
【0065】
本発明に係る液晶性化合物は、低分子液晶性化合物でもよいし、高分子液晶性化合物でもよい。光学的な特性としては、正の一軸性の棒状液晶性化合物、二軸性の液晶性化合物が好ましく用いられる。また、負の一軸性を示すものであってもよく、例えば代表的には、ディスコティック液晶性化合物を用いることもできる。二軸性の液晶化合物については、棒状の分子形態をとることができるが、ディスコティック液晶性化合物のようにやや広がりを持った円盤に近い形態のものもある。
【0066】
負の一軸性を示す液晶性化合物とは、典型的にはディスコティック液晶性化合物が挙げられ、例えば、液晶の化学:季刊 化学総説No.22,1994、日本化学会編(学会出版センター),60〜72頁に記載されているような化合物であり、具体的には、前記総説の62頁に記載のような分子構造1〜46を有する液晶性化合物である。また、特許公報第2587398号明細書、同第2640083号明細書、同第2641086号明細書、同第2692033号明細書、同第2692035号明細書、同第2767382号明細書、同第2747789号明細書等に記載されているような液晶性化合物もディスコティック液晶性化合物として使用出来る。
【0067】
正の一軸性を示す(単に、正の一軸性を有するともいう)棒状液晶性化合物や、棒状液晶性化合物に近い光学的な特性を示す二軸性を有する化合物は、棒状液晶性化合物として扱うことができる。ここで、正の一軸性を有する(光学的に一軸性である)とは、光学異方性を有する異方性素子における三軸方向の屈折率の値nx、ny、nzのうち2つのみが等しい値を示し、その2つの屈折率が残る1つの軸の屈折率よりも小さいことを示し、二軸性を有するとは、三軸方向の屈折率の値nx、ny、nzのいずれもが各々異なる値を示す場合を表す。
【0068】
本発明に係る正の一軸性の棒状液晶性化合物については、さらに詳しくは、誘電率異方性が正のものでも負のものであっても良いが、シートの厚み方向における傾斜制御の容易性からは、正の誘電率異方性のものが好ましい。
【0069】
棒状液晶性化合物の誘電率異方性(Δε)とは、分子の長軸が電解と平行に配向した状態の誘電率(ε//)と分子の短軸が電解と平行に配向した状態の誘電率(ε⊥)との値の差、Δε(=ε//−ε⊥≠0)で表される。誘電率異方性(Δε)は、液晶分子内を通過する光の屈折率の異方性に影響を与え、両者の関係は、Δε=(n//)2−(n⊥)2(ここで、n//は液晶分子の配向ベクトルの方向に偏っている光に対する屈折率、n⊥は配向ベクトルに垂直な方向に偏っている光に対する屈折率である)となる。
【0070】
なお、このΔεおよびΔnの値は、通常のTN液晶セルなどを駆動させるために用いる液晶性化合物の場合は正の値である。
【0071】
本発明に係る液晶性化合物の光学異方性(具体的には、屈折率の異方性)は、低分子液晶性化合物の場合には分子全体で規定され、高分子液晶性化合物の場合は、大別して、主鎖型液晶、側鎖型液晶があるが、いずれの場合においてもメソゲン基部分について低分子液晶性化合物に準じて規定される。
【0072】
上記記載のメソゲン基(メソゲン単位)とは、液晶性化合物中において液晶性をもたせるために必須の部分を表し、通常メソゲン基(メソゲン単位)とは剛直な部分のコア、柔軟な部分のスペーサー、末端に位置する末端基からなるが、液晶性化合物に液晶相を発現させる構造であれば必ずしも上記の3つの部分を全て有している必要はない。
【0073】
以下、正の一軸性棒状液晶性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0074】
【化1】
【0075】
【化2】
【0076】
【化3】
【0077】
また、例えば液晶の化学:季刊 化学総説No.22,1994、日本化学会編(学会出版センター),42、44頁に挙げられている化合物を用いることが出来る。また、上記記載の正の一軸性を示す棒状液晶性化合物は、通常の棒状ネマティック液晶などを好適に用いることが出来る。本発明に係る棒状の液晶性化合物としては、ネマティック液晶相を発現するものが好ましく用いられる。
【0078】
二軸性の液晶性化合物の具体例としては、例えば、有機合成化学、第49巻;第5号(1991)の124頁〜143頁に記載の化合物、D.W.Bruceらの研究報告〔AN EU−SPONSORED’OXFORD WORKSHOP ON BIAXIAL NEMATICS’(St Benet’s Hall、University of Oxford 20−22 December、1996)、p157−293〕、S.CHANDRASEKHAR等の研究報告〔A Thermotropic Biaxial NematicLiquid Crystal;Mol.Cryst.Liq.Cryst.,1988,Vol.165,pp.123−130〕、D.Demus,J.Goodby等著〔Handbook of Liquid CrystalsVol.2B:Low Molecular Weight Liquid Crystals II、pp933−943:WILEY−VCH社刊〕等に記載の化合物を用いることが出来る。
【0079】
本発明に係る液晶性高分子については、特に制限はないが、正または負の固有複屈折値を有するものが好ましい。これらの詳細については、「LIQUID CRYSTALS,1989,Vol.5,NO.1,pp.159−170」に記載されている。
【0080】
本発明に係る液晶性高分子は大きく分けると、前述の通りメソゲン基の組み込まれ型として、主鎖型、側鎖型がある。また、サーモトロピックとライオトロピックにも分類できる。
【0081】
本発明に係る液晶性高分子としては、特に制限はないが、ネマティック液晶を形成することが好ましい。また、配向性の点で側鎖型が好ましく、配向固定の点でサーモトロピックが好ましい。側鎖型液晶性高分子で用いられる骨格は、ビニル型のポリマ、ポリシロキサン、ポリペプチド、ポリホスファゼン、ポリエチレンイミン、セルロース等が好ましい。
【0082】
また、本発明においては、光学異方性化合物の配向状態がモノドメインもしくは0.1μm以下の複数のドメインであることが好ましいが、ここで、モノドメインとは、通常、ディスクリネーションがないことをいうが、本発明では、ディスクリネーションが発生しても、各ドメインが0.1μm以下であれば、実質的には問題ない。
【0083】
上記記載のディスクリネーションとは、光学異方性化合物が微細に配向していない部分が発生することである。ディスクリネーションがあると、コントラストが低下したり、チルト角が設計値よりも低くなる等の問題が発生しやすくなる。
【0084】
《光学異方性層の複屈折挙動》
本発明に係る光学異方性層の複屈折挙動の一態様である、Cプレート(Cプレート補償能)、Aプレート(Aプレート補償能)、二軸プレート(二軸プレート補償能)、Oプレート(Oプレート補償能)について説明する。
【0085】
《Cプレート》
本発明に係るCプレートについて説明する。
【0086】
層の屈折率を構成する各成分nx、ny、nzの関係を下記に示す。
nx=ny>nz
Cプレートの面内方向のリターデーション特性、R0=0である。
【0087】
Cプレート特性を示す材料(光学材料、樹脂フィルム等)としては、ディスコティック液晶、無延伸のセルロースエステルフィルム(例えば、無延伸のセルローストリアセテート(TAC)、無延伸のセルロースアセテートプロピオネート(CAP)等)、二軸延伸したノルボルネン系樹脂等が挙げられる。また、前記樹材料の延伸を制御することによって、Cプレートを製造することもできる。
【0088】
《Aプレート》
本発明に係るAプレートについて説明する。
【0089】
層の屈折率を構成する各成分nx、ny、nzの関係を下記に示す。
nx>ny=nz
Aプレートの面内方向のリターデーション特性、R0は、ほぼ2×Rtを示す。
【0090】
Aプレート特性を示す材料(光学材料、樹脂フィルム等)としては、棒状液晶性化合物、1軸延伸ポリマー(例えば、ポリカーボネート等)が挙げられる。
【0091】
《二軸プレート》
本発明に係る二軸プレートについて説明する。
【0092】
層の屈折率を構成する各成分nx、ny、nzの関係を下記に示す。
nx>ny>nz
二軸プレートの面内方向のリターデーション値と厚み方向のリターデーション値は各々異なる値を示す。
【0093】
二軸プレート特性を示す材料(光学材料、樹脂フィルム等)としては、延伸セルロースエステル(例えば、延伸セルロースアセテートプロピオネート(延伸CAP)、セルローストリアセテート(延伸TAC)等)等が挙げられる。
【0094】
《Oプレート》
本発明に係るOプレートは、主光学軸をディスプレイの平面に関し実質的に斜角(oblique angle)で配向して、正の複屈折物質を利用する(そのため「Oプレート」と呼ぶ)。
【0095】
ここで、「実質的に斜角」とは、角度が0°よりも大きく、90°より小さいことを示す。
【0096】
本発明に係るOプレートは、さらに、一軸性または二軸性物質を有するOプレートを利用できる。
【0097】
《光学補償フィルム》
本発明の光学補償フィルムの種々の光学特性について説明する。
【0098】
《光学補償フィルムのリターデーション特性》
本発明の光学補償フィルムは、請求項1に記載のように、光学的に二軸性を有する支持体上に、光学異方性層を有し、該光学異方性層の少なくとも1層が、液晶性化合物を平均チルト角が4度以下となるように配向され、次いで、該配向を固定化することにより形成された層であり、前記一般式(1)で示されるフィルム面内のリターデーション値R0(λ)が、波長589nmで40nm〜130nm、波長600nmで35nm〜125nm、波長630で35nm〜120nmであり、前記一般式(2)で示されるフィルム厚み方向のリターデーション値Rt(λ)が、波長500nm〜630nmの範囲で120nm〜400nmであり、且つ、R0(589)、R0(600)、R0(630)が、前記一般式(3)を満たすことを特徴とする。
【0099】
本発明では、前記一般式(3)において、前記Bで表される光学特性は、1を超え且つ7.0未満であることが本発明に記載の効果を奏する観点から、必須の要件であるが、好ましくは、1.3以上6.0以下、より好ましくは1.4以上5.0以下である。
【0100】
《面内遅相軸を回転軸として回転時の光学特性》
面内遅相軸を回転軸として回転時の光学補償フィルムの光学特性としては、
(1)70°回転させた場合
(R70(589)/R0(589))が、1.25〜1.40の範囲であることが好ましいが、更に好ましくは、1.3〜1.4の範囲である。
【0101】
ここで、R70(589)は、フィルムを平面上に配置し、該フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が70°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の589nmにおける面内リターデーション値を表し、R0(589)は、589nmにおけるフィルム全体の面内リターデーション値を表す。
【0102】
(2)50°回転させた場合
(R50(589)/R0(589))が、1.10〜1.25の範囲であることが好ましいが、更に好ましくは、1.11〜1.24の範囲である。
【0103】
ここで、R50(589)は、フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が50°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の面内リターデーション値を表す。
【0104】
但し、R70(589)、R50(589)は、各々波長589nmにおいて、前記フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が各々70°、50°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定する以外は、前記一般式(1)で表されるとR0(λ)と同様にして求められる。
【0105】
《面内進相軸を回転軸として回転時の光学特性》:波長分散性
面内進相軸を回転軸として回転させた時の光学補償フィルムの光学特性として、70°回転、50°回転時の、前記一般式(4)における、C/Dで表される面内リターデーション比が0を超え7.0未満であることが好ましく、更に好ましくは、0.4以上6.0以下であり、特に好ましくは0.4以上5.0以下である。
【0106】
《リターデーション上昇剤》
本発明に用いられるリターデーション上昇剤について説明する。
【0107】
本発明に用いられるリターデーション上昇剤とは、各波長におけるリターデーション値を調整するため、セルロースエステルフィルム等の支持体(ポリマフイルムともいう)に添加することが好ましい。リターデーション上昇剤は、ポリマフィルム100質量部に対して、0.05質量部〜20質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは、0.1質量部〜10質量部の範囲であり、更に好ましくは、0.2質量部〜5質量部の範囲であり、特に好ましくは、0.5質量部〜2質量部の範囲である。
【0108】
また、リターデーション上昇剤の使用に際しては、単独使用でも、二種類以上のリターデーション上昇剤の併用使用でもよい。本発明に用いられるリターデーション上昇剤は、250nm〜400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、更に、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
【0109】
リターデーション上昇剤の具体例としては、例えば、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報、同2002−62477号公報、欧州特許第0911656A2号明細書等に開示されている化合物を好ましく用いることが出来る。
【0110】
《配向層(配向膜ともいう)》
本発明に用いられる配向膜について説明する。
【0111】
本発明に用いられる配向層(配向膜)は、有機化合物(好ましくはポリマ)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
【0112】
ポリマのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマ層の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施する。配向膜に使用するポリマの種類については、前述した様々な表示モードに対応するディスコティック液晶性分子を用いた光学補償シートについての文献に記載がある。
【0113】
本発明に用いられる配向層(配向膜)の厚さは、0.01μm〜5μmの範囲が好ましく、更に好ましくは、0.05μm〜1μmである。なお、配向層(配向膜)を用いて、複屈折層(光学異方性層)の液晶性分子を配向させてから、光学異方性層を透明支持体上に転写する態様でもよい。
【0114】
配向状態で固定された液晶性分子は、配向膜がなくても配向状態を維持することができる。
【0115】
《偏光板》
本発明の偏光板について説明する。
【0116】
本発明の光学補償シートに、従来公知の偏光フィルム(偏向膜、偏向層を設けることでもよい)の少なくとも片面を貼合することにより、本発明の偏光板を作製することが出来る。
【0117】
偏光フィルムは、従来から使用されている、例えば、ポリビニルアルコールフィルムの如きの延伸配向可能なフィルムを、沃素のような二色性染料で処理して縦延伸したものが好ましい。また、偏光フィルム自身では、十分な強度、耐久性がないので、一般的にはその両面に保護フィルムとしての異方性のないセルローストリアセテートフィルム等を接着して偏光板としている。
【0118】
本発明の偏光板は、上記偏光板に本発明の光学補償シートを貼り合わせて作製してもよいし、また本発明の光学補償シートを保護フィルムとして、直接偏光フィルムと貼り合わせて作製してもよい。貼り合わせる方法(貼合方法ともいう)は、特に限定はないが、水溶性ポリマの水溶液からなる接着剤により行うことが出来る。この水溶性ポリマ接着剤は完全鹸化型のポリビニルアルコール水溶液が好ましく用いられる。更に、若干前述したが、縦延伸し、二色性染料処理した長尺の偏光フィルムと長尺の本発明の光学補償シートとを貼り合わせることによって長尺の偏光板を得ることが出来る。
【0119】
《偏向層(偏向膜ともいう)》
本発明に用いられる偏向層について説明する。
【0120】
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フイルムの延伸方向に垂直な方向が好ましい。
【0121】
《垂直配向ECB型液晶表示装置》
本発明の垂直配向ECB型液晶表示装置について説明する。
【0122】
大視野角モードで黒表示における赤味現象を低減させるために、本発明の偏光板は、VA(Vertically Aligned)モード、MVA(Multi−domain Vertically Alignned)モード等の垂直配向させた液晶を駆動する表示装置で使用することが好ましい。
【0123】
液晶表示装置として、例えば、一枚偏光板反射型液晶表示装置の構成は、表側から、[保護フィルム/偏光フィルム/本発明の光学補償シート/ガラス基盤/ITO透明電極/配向膜/VA型液晶/配向膜/金属電極兼反射膜/ガラス基板]で、偏光板の片面に本発明の光学補償シートを使用する等の構成が取られる。
【0124】
従来の光学補償フィルム(光学補償シートともいう)を用いて、特に大型画面を有する液晶表示装置では、顕在化した黒表示における赤味の問題をクリアすることが困難であるが、本発明の光学補償シートを用いることで高視野角での黒表示でも赤味が著しく低減された液晶表示装置を得ることが出来る。
【0125】
本発明の光学補償フィルムを使用したコレステリック液晶からなる反射型偏光素子の場合は、[バックライト/コレステリック液晶層/本発明の光学補償フィルム/偏光フィルム/保護フィルム]の構成で用いることが出来る。
【0126】
また、黒表示での赤味現象の発生を防止するためには、本発明の光学補償シートを用いる液晶表示装置は、垂直配向ECB型液晶表示装置であることが必要である。垂直配向ECB型液晶表示装置に用いられる、液晶セルとしては、VA(Vertically Aligned)、VAをマルチドメイン化したMVA、PVA等が挙げられる。
【0127】
本発明の垂直配向ECB型液晶表示装置は、請求項8に記載の前記一般式(9)、(11)及び(12)で表される光学特性及び前記一般式(10)のPs(λ)/Pc(λ)で表される比が、0.22以上1.75以下であることが好ましいが、更に好ましくは、0.23以上1.50以下の範囲である。
【0128】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0129】
実施例1
下記に記載のように、光学的に二軸生を有する支持体A〜G、次いで、本発明の光学補償フィルムA〜G、比較の光学補償フィルムH、Iを各々作製した。
【0130】
《光学的に二軸性を有する支持体Aの作製》
コニカ(株)製80μmトリアセチルセルロースフィルム上に0.1μmのゼラチン層を設け、その上から0.2μmの膜厚となるように下記の溶液1を塗布、乾燥後、ラビング処理を行い、表1に示すようなリターデーション特性(R0、Rt)を示す、光学的に二軸性を有する支持体Aを作製した。
【0131】
(溶液1の組成)
化合物1 1質量%
イオン交換水 98質量%
メタノール 1質量%
【0132】
【化4】
【0133】
《光学的に二軸性を有する支持体Bの作製》
上記支持体Aの作製において、コニカ(株)製80μmトリアセチルセルロースフィルムの代わりに、下記のCAP(セルロースアセテートプロピオネート)溶液を用いる以外は同様にして、表1に示すようなリターデーション特性(R0、Rt)を示す、膜厚80μmの光学的に二軸性を有する支持体Bを得た。
【0134】
CAP溶液を用いた具体的な塗布の手順は、以下の通りである。
二つのドラムに張られた回転する長さ6m(有効長5.5m)のエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。ステンレスベルトの裏面から35℃の温水を接触させてステンレスベルト上で2分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面から15℃の冷水を接触保持した。剥離残留溶媒量が20%になるまで溶媒を蒸発させた時点で、ステンレスベルトから剥離張力150N/mで剥離、次いで、乾燥処理した。
【0135】
(セルロースアセテートプロピオネート溶液の調製)
下記組成物を加圧密閉容器に投入し、80℃に加温しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテートプロピオネート溶液を調製した。
【0136】
セルロースアセテートプロピオネート(CAP)※ 120質量部
(※:CAPの置換度:アセチル置換度1.91、プロピオニル置換度0.75、トータルの置換度は2.66である)
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)
ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤) 1質量部
エチルフタリルエチルグリコレート(可塑剤) 4質量部
微粒子シリカ(日本アエロジル(株)製AEROSIL200)
(平均粒径:0.016μm) 0.1質量部
酢酸メチル 300質量部
エタノール 45質量部
《光学的に二軸性を有する支持体C、Dの作製》
上記の支持体Bの作製において、CAP溶液をステンレスバンド上で乾燥、剥離し残留溶媒が45%以下になってから剥離したウェブの両端をテンターのクリップに挟み、搬送方向(MD(Machine Direction)方向)、幅手方向(TD(Transverse Direction)方向)に各々10%〜50%の延伸倍率の範囲で延伸処理を行った以外は同様にして、光学的に二軸性を有する支持体C、Dを各々作製した。得られた支持体C、Dの光学特性の違いは、表1に示す通りである。
【0137】
《光学的に二軸性を有する支持体Eの作製》
下記のようにして、表1に示すようなリターデーション特性(R0、Rt)を示す、光学的に二軸性を有する支持体Eを作製した。本発明では、この支持体EをシクロオレフィンポリマーフィルムEともいう。
【0138】
工程1:6−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレンに、重合触媒としてトリエチルアルミニウムの15%シクロヘキサン溶液10部、トリエチルアミン5部、および四塩化チタンの20%シクロヘキサン溶液10部を添加して、シクロヘキサン中で開環重合し、得られた開環重合体をニッケル触媒で水素添加してポリマー溶液を得た。このポリマー溶液をイソプロピルアルコール中で凝固させ、乾燥し、粉末状の樹脂を得た。この樹脂の数平均分子量は40,000、水素添加率は99.8%以上、Tgは142℃であった。
【0139】
工程2:上記で得た粉末状の樹脂を250℃で溶融し、ペレット化を行った。このペレットを40mmのフルフライト型スクリューを有する単軸押出機を用いて、幅300mmのTダイから、溶融押し出しし、直径300mmの3本構成の冷却ロールで巻き取ることにより、シートを作製した。この際のダイ部での樹脂温度は275℃、冷却ロールの温度は、第1、第2、第3ロールの順に120℃、120℃、100℃であった。
【0140】
工程3:このシートを140±2℃に制御しながら延伸し、膜厚51μmの延伸配向フィルムを得た。
【0141】
工程4:得られた延伸配向フィルム上に、PMMA(ポリメチルメタクリレート)2gをMEK(メチルエチルケトン)45gとシクロペンタノン5gの混合溶媒に溶解したものを塗設後、市販のラビング処理装置を用いてラビング処理を行ない、光学的に二軸性を有する支持体Eを得た。尚、ラビング方向はフィルムの面内遅相軸と平行にした。
【0142】
《光学的に二軸性を有する支持体Fの作製》
下記のようにして、表1に示すようなリターデーション特性(R0、Rt)を示す、光学的に二軸性を有する支持体Fを作製した。本発明では、この支持体FをシクロオレフィンポリマーフィルムFともいう。
【0143】
厚さ100μmのポリノルボルネン系樹脂フィルム(JSR社製、商品名「アートンフィルム」)を、同時二軸延伸機を使用して、延伸温度180℃、縦延伸倍率1.10倍、横延伸倍率1.15倍で同時二軸延伸し、フィルム中央の厚みが81μm、幅345mmのフィルムを作製した。
【0144】
得られた延伸配向フィルム上に、PMMA(ポリメチルメタクリレート)2gをMEK(メチルエチルケトン)45gとシクロペンタノン5gの混合溶媒に溶解したものを塗設後、市販のラビング処理装置を用いてラビング処理を行ない、光学的に二軸性を有する支持体Fを得た。尚、ラビング方向はフィルムの面内遅相軸と平行にした。
【0145】
《光学的に二軸性を有する支持体Gの作製》
下記のようにして、表1に示すようなリターデーション特性(R0、Rt)を示す、光学的に二軸性を有する支持体Gを作製した。本発明では、この支持体GをシクロオレフィンポリマーフィルムGともいう。
【0146】
厚さ100μmのポリノルボルネン系樹脂フィルム(JSR社製、商品名「アートンフィルム」)を、同時二軸延伸機を使用して、延伸温度180℃、縦延伸倍率1.10倍、横延伸倍率1.15倍で同時二軸延伸した。次いで、延伸フィルムを、温度180℃で、フィルム幅が98%になるまで60秒間緩和し、フィルム中央の厚みが81μm、幅345mmのフィルムを作製した。
【0147】
得られた延伸配向フィルム上に、PMMA(ポリメチルメタクリレート)2gをMEK(メチルエチルケトン)45gとシクロペンタノン5gの混合溶媒に溶解したものを塗設後、市販のラビング処理装置を用いてラビング処理を行ない、光学的に二軸性を有する支持体Gを得た。尚、ラビング方向はフィルムの面内遅相軸と平行にした。
【0148】
《比較用の支持体Hの作製》:光学的に二軸性を持たない支持体
ビスフェノールAを用いたポリカーボネート100gをメチレンクロライド500gに溶解し、ステンレスベルト上に流延、乾燥後剥離し二軸延伸を行って比較用の支持体Hを作製した。
【0149】
《比較用の支持体Iの作製》:光学的に二軸性を持たない支持体
TACフィルム(100μm)を比較用の支持体Iとして使用した。
【0150】
上記で得られた光学的二軸性を有する支持体A〜G、比較用の支持体H、Iの各々のリターデーション特性(R0、Rt)を表1に示す。
【0151】
【表1】
【0152】
表1から、支持体の面内リターデーション値(R0)が0ではない、A〜Gは、各々、本発明に係る光学的に二軸性を有する支持体であり、H、Iは、光学的に二軸性を持たない支持体であることが判る。
【0153】
《光学補償フィルムA〜Gの作製》:本発明
上記で得られた光学的二軸性を有する支持体A〜G上に、下記組成の溶液を塗布し100℃で15秒、次いで徐々に降温し45℃にて紫外線硬化し、光学異方性層を有する、本発明の光学補償フィルムA〜Gを各々作製した。
【0154】
(光学異方性層用塗布液の組成)
MEK 86部
化合物2 3部
化合物3 2部
化合物4 3部
化合物5 3部
イルガキュアー369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製) 1部
【0155】
【化5】
【0156】
【化6】
【0157】
【化7】
【0158】
【化8】
【0159】
液晶性化合物である、化合物2〜化合物5を各々含む層を硬化させた層はいずれも膜厚1.4μmの光学異方性層であった。各光学異方性層の平均チルト角を王子計測製KOBRAを用いて測定した。得られた平均チルト角はいずれも4度以下であった。
【0160】
《比較の光学補償フィルムHの作製》
上記の比較用の支持体H上に、光学的に二軸性を有する支持体Aの作製時に用いた上記の溶液1を塗布、乾燥後、ラビング処理を行った後、上記の光学異方性層用塗布液を塗布し、光学補償フィルムA〜Gの作製時と同様に処理を行い、比較の光学補償フィルムHを作製した
《比較の光学補償フィルムIの作製》
比較用の支持体I上にゼラチン層を設け、さらに下記構造のPVAの水溶液を塗布、乾燥後、下記組成の溶液を塗布、乾燥熱処理を行い、モノドメインとなったのを確認して、紫外線照射により硬化させ、比較の光学補償フィルムIを作製した。尚、モノドメインの確認は偏光顕微鏡を用い、サンプルの一部を用いて確認した。
【0161】
上記で得られた光学補償フィルムA〜G、比較の光学補償フィルムH、Iの各々の光学特性を表2に各々示す。
【0162】
【表2】
【0163】
ここで、表2に示された、光学的に二軸性を有する支持体、光学異方性層、光学補償フィルム等の光学特性(屈折率、面内リターデーション値、厚み方向のリターデーション値等)は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RH(相対湿度)で、波長が589nm、600nm、630nmの各々において、3次元屈折率測定を行い、求められた屈折率nx、ny、nzを用いて各々算出した。
【0164】
《本発明の偏光板A〜G、比較の偏光板H、Iの作製》
下記に記載の偏光膜の両面に、本発明の光学補償フィルムA〜G、比較の光学補償フィルムH、Iの各々を貼合または粘着シートを用いて接着させて、本発明の偏光板A〜G、比較の偏光板H、Iの各々を作製した。
【0165】
但し、本発明の偏光板A〜Dについては、光学補償フィルムと偏光膜との貼合時に市販のPVA系接着剤を使用し、本発明の偏光板E〜G、比較の偏光板H、Iについては、25μmの粘着シートを用いて偏光膜と光学補償フィルムとを接着させた。
【0166】
(偏光膜の作製)
重合度2400、原反の厚さ80μm、原反幅800mm、無延伸のPVAフィルムを、0.3質量%のヨウ素の水溶液中で染色した後、4質量%のホウ酸と3質量%のヨウ化カリウムの水溶液中で6.8倍に延伸し、その後40℃で4分間乾燥した後、巻き取り操作を行い、偏光膜を作製した。
【0167】
《液晶表示装置LCDa〜LCDiの作製》
市販のMVA型LCD(LCDAD19H:I.O.データ製)の偏光板を剥がし、本発明の偏光板A〜G、比較の偏光板H、Iを、各々元の偏光板の軸(遅相軸、進相軸の両方)と一致するように貼合し、LCDa〜LCDiを得た。
【0168】
但し、偏光板D、Gについては、液晶セルの片側にのみ貼合し、反対側にはコニカ(株)製40μmのTACフィルム(R0(589)=0.2nm、Rt(589)=31nm)を各々元の偏光板と軸(遅相軸、進相軸)が一致するように貼合した。
【0169】
《黒表示における赤味評価》
得られた液晶表示装置LCDa〜LCDiの各々について、電圧無しの状態、且つ、視野角を80°に設定した条件において、黒表示における赤味発生をランダムに選択した30人の被験者による目視観察(官能評価)を実施し、過半数の評価に基づき下記のランク評価を行った。
【0170】
◎:赤味発生が実質ない
○:わずかに赤味があるが実用的に問題ない
×:黒表示において赤味が目立つ(実用不可)
因みに、本発明では、○、◎が実用化である
得られた結果を下記に示す。
【0171】
液晶表示装置No 赤味評価
LCDa ○
LCDb ○
LCDc ○
LCDd ○
LCDe ○
LCDf ○
LCDg ○
LCDh ×
LCDi ×
以上から、比較の光学補償フィルムH、Iを各々有する偏光板を液晶セルに貼合して作製された比較の液晶表示装置LCDh、LCDiに比べて、本発明の光学補償フィルムA〜Gを各々有する偏光板を液晶セルに貼合して作製された本発明の液晶表示装置a〜gは、いずれも黒表示での赤味発生がわずかにあるが実用的に問題ないことが判る。
【0172】
実施例2
《光学補償フィルムA1〜G1、I1の作製》
実施例1に記載の光学補償フィルムA〜G(本発明)、比較の光学補償フィルムIの作製において、表3に示すように、リターデーション比A(R70(589)/R0(589))が1.25〜1.40の範囲、リターデーション比B(R50(589)/R0(589))が1.10〜1.25の範囲になるように各々調整した以外は、同様にして、光学補償フィルムA1〜G1(本発明)及びI1(比較例)を各々作製した。
【0173】
【表3】
【0174】
得られたフィルムの面内リターデーションと波長分散性は下記のように評価した。
【0175】
《面内リターデーションと波長分散性評価》
リターデーション比A(R70(589)/R0(589))は、フィルムを平面上に配置し、該フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が70°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の面内リターデーション値、R70(589)と、589nmにおけるフィルム全体の面内リターデーション値、R0(589)との比(R70(589)/R0(589))であり、リターデーション比B(R50(589)/R0(589))は、前記フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が50°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の面内リターデーション値、R50(589)と前記R0(589)との比(R50(589)/R0(589))である。また、前記リターデーション比A、Bの各々は下記に記載の方法を従って測定した。
【0176】
(1)各面内リターデーションと波長分散
50°以下は、KOBRA21ADH(王子計測機器製)を用いた。
【0177】
50°以上は、分光エリプソメータDVA36VW(株式会社溝尻光学工業所製)を用いて測定した。
【0178】
ここで、50°とは、平面上に置かれたいる、測定対象となる、支持体、光学異方性層または光学補償フィルム等の面内遅相軸を回転軸として該測定対象を該平面とがなす角度が50°になるように回転させるという、測定時に設定される前記角度のことである。
【0179】
(2)各波長での屈折率(nx、ny、nz等)
上記のKOBRAにより、波長分散測定用にアッベ屈折計と分光光源とを使用して各波長の屈折率を測定した。
【0180】
上記のリターデーション比A(R70(589)/R0(589))が、1.25〜1.40の範囲、下記のリターデーション比B(R50(589)/R0(589))を1.10〜1.25の範囲になるように各々調整された本発明の光学補償フィルムを用いた液晶表示装置の黒表示における赤味は実質的に赤味発生がないレベルにまで改良された。一方、そうではない、比較の光学補償フィルムI1を用いて作製された液晶表示装置では、黒表示における赤味が目立ち実用出来るレベルではなかった。
【0181】
実施例3
《光学補償フィルムA2〜G2の作製》
実施例1に記載の光学補償フィルムA〜G(本発明)の作製において、表4に示すように、((R(b)0+R(b)t)/R(e)0)で表される光学特性値を0.44を超え2.05未満の範囲になるように調整した以外は同様にして、本発明の光学補償フィルムA2〜G2を各々作製した。
【0182】
《光学的に二軸性を有する支持体と光学異方性層との光学特性》
測定波長589nmにおける、光学的に二軸性を有する支持体の面内リターデーション特性と光学異方性層の面内方向のリターデーション特性の測定を行い、前記一般式(5)で表される比を算出した。
【0183】
光学補償フィルム ((R(b)0+R(b)t)/R(e)0)
A2 1.83
B2 1.67
C2 2.11
D2 2.00
E2 0.32
F2 0.47
G2 1.68
((R(b)0+R(b)t)/R(e)0)で表される光学特性値を0.44を超え2.05未満の範囲になるように調整された本発明の光学補償フィルムA2〜G2を用いた液晶表示装置の黒表示における赤味は実質的に赤味発生がないレベルにまで改良されることが判った。
【0184】
実施例4
《液晶表示装置LCDa1〜h1の作製》
実施例1に記載の、本発明の液晶表示装置A〜Gの各々の作製において、請求項8に記載の前記一般式(10)の(Ps(λ)/Pc(λ))を下記のように調整した以外は、同様にして本発明の液晶表示装置LCDa1〜h1を各々作製した。ここで、波長λとは、500nm〜670nmの範囲の波長を表す。
【0185】
波長λにおける面内方向のリターデーション値(R0(λ))の総和S0(λ)を前記一般式(11)、(12)に代入することにより、波長λ(500nm〜670nm)における、Ps(λ)/Pc(λ)を求めた。
【0186】
液晶表示装置(*) Ps(λ)/Pc(λ)
LCDa1 0.47〜0.52
LCDb1 0.64〜1.74
LCDc1 0.67〜0.82
LCDd1 0.23〜1.11
LCDe1 0.50〜0.75
LCDf1 0.84〜1.51
LCDg1 0.32〜0.52
*:垂直配向ECB型液晶表示装置を表す。
【0187】
Ps(λ)/Pc(λ)の比を0.22〜1.75の範囲に調整した本発明の液晶表示装置は、実施例1の本発明の液晶表示装置では、各々が黒表示において僅かに赤味が観測されるのに対して、実質的に赤味発生が全くなく、更に改善された表示特性を示すことが判る。
【0188】
【発明の効果】
本発明により、視野角が全方向で80°以上を達成し、さらに黒表示際に発生する赤味現象の発生を著しく低減された光学補償フィルム、該フィルムを有する偏光板、液晶表示装置を提供することが出来た。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在では、パーソナルコンピュータのマルチメディア化が進み、液晶ディスプレイは大型化と同時に表示品質に優れるTFT液晶が主流となり、視野角特性の高度な改善が求められている。
【0003】
その目的のためにTFT型液晶の表示モードとして、従来のTN型のみならず横電界方式(IPS)、垂直配向方式(VA)等が提案され実用化されている。
【0004】
更に、動画表示に優れる高速駆動が可能なベンド配向方式(OCB)も実用化が進みつつある。IPS方式を除くこれらの表示方式は、視野角特性に一長一短ありいずれも光学補償シート(以下、光学補償フィルムともいう)を用いることにより大幅なる視野角特性を改善が試みられている。
【0005】
前記光学補償シートとしては、例えば、TN(Twisted Nematic)モードの液晶セル用光学補償シート(例えば、特許文献1、2、3及び4参照。)、IPS(In−Plane Switching)モードまたはFLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モードの液晶セル用光学補償シート(例えば、特許文献5参照。)、OCB(Optically Compensatory Bend)モードまたはHAN(Hybrid Aligned Nematic)モードの液晶セル用光学補償シート(例えば、特許文献6及び7参照。)、STN(Super Twisted Nematic)モードの液晶セル用光学補償シート(例えば、特許文献8参照。)、そして、VA(Vertically Aligned)モードの液晶セル用光学補償シート(例えば、特許文献9参照。)等に記載がある。
【0006】
上記の光学補償シート(光学補償フィルムともいう)は、通常偏光板と一体化された形で楕円偏光板等として使用される。
【0007】
このような目的の光学補償シートとしては、セルロースアセテート支持体上にディスコティック液晶を塗布し固定化を行い積層して得たTN型液晶表示装置の光学補償シートが知られている。
【0008】
また、同様にセルロースアセテート支持体上に正の一軸性を有する液晶ポリマよりなる層を積層配置して得られたTN型液晶表示装置用の光学補償シートも知られている。これらはいずれも、セルロースエステル層及び当該支持体上に積層された液晶層の各々の層により、所望の面内リターデーション値(R0)、厚み方向のリターデーション値(Rt)を得ることにより特定条件下における目的の光学補償性能を確保するという対応がとられていた。
【0009】
ところで、垂直配向型液晶表示装置(VA、VAをマルチドメイン化したMVA、PVA等)はノーマリーブラックモードであり、高コントラストが容易に得られ、またTN型やIPS型と比較して高速駆動が出来ることから、モニターやTV用途に広く用いられている。このVA型LCDは本来、斜め方向(もしくは偏光板の吸収軸、透過軸と45度の角度をなす方向)の視野角が狭く、これを改善するために様々な方法の光学補償フィルム、視野角拡大フィルムが提案され、あるいは実用化されている。
【0010】
例えば、種々のλ/4を、λ/2を組み合わせて用いることで全方向で光り漏れが発生しないようにすることが提案されている(例えば、特許文献10〜14参照。)が、この方法で用いる位相差板は、偏光膜に対して配置する方向からも明らかなように、位相差に非常に高い均一性が求められ、そのため生産性が非常に悪く、且つ、貼合する方向に高度な調整技術が求められ、生産性に問題があり、より簡便な方法によってより効果的に視野角を拡大する方法が求められてきた。
【0011】
これに対し、偏光膜の吸収軸と直行方向に面内遅相軸を有するシートを用いることによって、垂直配向型LCDの視野角を拡大する方法が提案されている。
【0012】
この方法は垂直配向ECB型LCDが提案された初期の段階で提案され(例えば、特許文献15参照。)ており、視野角を特に考慮した設計としてはこれらを用いることで、斜め方向の視野角は劇的に改善している。
【0013】
また、コレステリック液晶を用いた積層型の視野角拡大フィルムが正面方向に加えそれよりズレた斜視方向にても光漏れを抑制して視野角を広げる方法が提案されている(例えば、特許文献16参照。)。
【0014】
上記の様に様々な位相差版を用いて、例えば、波長550nm付近での視野角は、パネルの全方向において80度以上を達成することが出来るようになっている。
【0015】
ところが、斜め方向の視野角が80°以上になってくると、これまでには顕在化せず、従来の技術では、全く問題とされなかった、黒表示における赤味の問題が明確に認識されるようになってきた。さらに、視野角性能が向上したために画面の大型化が進み、それに伴って黒表示における赤味の問題の解決が当業界にたいして強く求められるようになってきた。尚、この問題は単に550nmにおける位相差板のリターデーションの最適化や、正面での波長分散を合わせる、といったことでは解決が困難であった。
【0016】
【特許文献1】
特開平6−214116号公報
【0017】
【特許文献2】
米国特許第5583679号明細書
【0018】
【特許文献3】
米国特許第5646703号明細書
【0019】
【特許文献4】
独国特許出願公開第3911620A1号明細書
【0020】
【特許文献5】
特開平10−54982号公報
【0021】
【特許文献6】
米国特許第5805253号明細書
【0022】
【特許文献7】
国際公開第96/37804号パンフレット
【0023】
【特許文献8】
特開平9−26572号公報
【0024】
【特許文献9】
特許第2866372号明細書
【0025】
【特許文献10】
特開平5−11356号公報
【0026】
【特許文献11】
特開平6−14842号公報
【0027】
【特許文献12】
特開2002−174727号公報
【0028】
【特許文献13】
特開2002−372622号公報
【0029】
【特許文献14】
特開2003−43262号公報
【0030】
【特許文献15】
特公平7−69536号公報
【0031】
【特許文献16】
特開2002−182212号公報
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、視野角が全方向で80°以上を達成し、さらに黒表示時の赤味現象の発生が著しく低減された光学補償フィルム、該フィルムを有する偏光板、液晶表示装置を提供することである。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は下記の構成1〜8により達成された。
【0034】
1.光学的に二軸性を有する支持体上に、光学異方性層を有する光学補償フィルムにおいて、該光学異方性層の少なくとも1層が、液晶性化合物を平均チルト角が4度以下となるように配向し、次いで、該配向を固定化することにより形成された層であり、前記一般式(1)で示されるフィルム面内のリターデーション値R0(λ)が、波長589nmで40nm〜130nm、波長600nmで35nm〜125nm、波長630で35nm〜120nmであり、前記一般式(2)で示されるフィルム厚み方向のリターデーション値Rt(λ)が、波長500nm〜630nmの範囲で120nm〜400nmであり、且つ、R0(589)、R0(600)、R0(630)が、前記一般式(3)を満たすことを特徴とする光学補償フィルム。
【0035】
2.フィルムを平面上に配置し、該フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が70°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の面内リターデーション値、R70(589)と、589nmにおけるフィルム全体の面内リターデーション値、R0(589)との比(R70(589)/R0(589))が、1.25〜1.40であり、前記フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が50°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の面内リターデーション値、R50(589)と前記R0(589)との比(R50(589)/R0(589))が、1.10〜1.25であることを特徴とする前記1に記載の光学補償フィルム。
【0036】
但し、R70(589)、R50(589)は、各々波長589nmにおいて、前記フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が各々70°、50°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定する以外は、前記一般式(1)で表されるとR0(λ)と同様にして求められる。
【0037】
3.前記一般式(4)で示される波長分散性を有することを特徴とする前記1または2に記載の光学補償フィルム。
【0038】
4.測定波長589nmにおける、前記光学的に二軸性を有する支持体と少なくとも1層の前記光学異方性層とが、前記一般式(5)を満たすことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
【0039】
5.前記液晶性化合物がネマティック液晶を含むことを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
【0040】
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の光学補償フィルムと、偏光膜または偏光子を有する偏光板であって、該光学補償フィルムの面内遅相軸と、該偏光膜または該偏光子の吸収軸とが85°〜95°の角度で交差するように配置されていることを特徴とする偏光板。
【0041】
7.前記6に記載の偏光板を液晶セルの一方の面または両面に配置することを特徴とする垂直配向ECB型液晶表示装置。
【0042】
8.前記6に記載の偏光板の偏光膜または偏光子と、液晶セルとの間の、波長λにおける面内方向のリターデーション値(R0(λ))の総和をS0(λ)、該液晶セル内の液晶の複屈折Δn(λ)と液晶部分の厚みの積、Δn(λ)×dをC(λ)とした時、S0(λ)、C(λ)が、前記一般式(9)〜(12)を各々満たすことを特徴とする前記7に記載の垂直配向ECB型液晶表示装置。
【0043】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者等が、本発明の光学補償シートに至る経過を説明する。
【0044】
当業界においては、VA型LCDで斜め方向の視野角問題が位相差板によって解決されたところで、大型画面への移行が進行した。通常の色味変化(黒表示でなく、通常のカラー表示)等の特性評価では、VA型は他のモニターと比較して大変すばらしい、との評価であった。
【0045】
しかしながら、斜め方向の視野角が80°以上となり、従来では観察不能であった視野からの観察が可能になり、さらに画面の大型化が進んだ結果、今まで全く問題にされてこなかった、黒表示の際の赤味現象の発生が明確に認識されるようになってきた。この赤味現象は、単に550nmにおける位相差板のリターデーションの最適化や、正面での波長分散を合わせるという対処方法では解決できなかった。
【0046】
本発明者等は、上記のVA型LCDでの黒表示における赤味現象を種々検討した結果、請求項1に記載のように、光学的に二軸性を有する支持体上に、少なくとも1層の光学異方性層を有する光学補償フィルムにおいて、該光学異方性層の少なくとも1層として、液晶性化合物を平均チルト角が4度以下となるように配向させ、次いで、該配向を固定化することにより形成された層を設け、前記一般式(1)で示されるフィルム面内のリターデーション値R0(λ)が、波長589nmで40nm〜130nm、波長600nmで35nm〜125nm、波長630で35nm〜120nmであり、前記一般式(2)で示されるフィルム厚み方向のリターデーション値Rt(λ)が、波長500nm〜630nmの範囲で120nm〜400nmであり、且つ、R0(589)、R0(600)、R0(630)が、前記一般式(3)を満たすように調整された光学補償フィルムが、本発明に記載の効果、即ち、視野角が全方向で80°以上を達成しているような高視野角の画面においても、黒表示時の赤味現象の発生が著しく低減された光学補償フィルムが得られることを見いだした。
【0047】
《光学的に二軸性を有する支持体》
本発明の光学補償フィルムは、光学的二軸性を有する支持体上に、少なくとも1層の光学異方性層を有することが特徴である。
【0048】
光学的に二軸性を有する支持体は、3次元での屈折率挙動、即ち、光学的二軸性を有する支持体の屈折率を構成する各成分nx、ny、nzのが下記式(1)記載の不等式を満たすことが特徴である(二軸プレート特性を示すともいう)。
【0049】
式(1)
nx>ny>nz
更には、光学的二軸性を有する支持体の面内方向のリターデーション値と厚み方向のリターデーション値は各々異なる値を示す。
【0050】
ここで、支持体の面内方向のリターデーション値(R0)、厚み方向のリターデーション値(Rt)は、各々下記のように定義される。
【0051】
(厚み方向のリターデーション値(Rt値))
Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(面内方向のリターデーション値(R0値))
R0=(nx−ny)×d
nx>nyの場合、支持体の面内リターデーション値R0は、0にはならない(0ではないともいう)ことが判る。
【0052】
本発明では、『光学的に二軸性を有する』とは、3次元での屈折率特性が上記式(1)の関係式で表される場合(二軸プレート特性を示すともいう)、または、面内リターデーション値(R0)が0ではない場合と定義される。
【0053】
ここで、nxは支持体の面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向での支持体面内の屈折率、dは支持体の厚み(nm)をそれぞれ表す。上記のR0、Rt値は各々、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RH(相対湿度)で、波長が590nmにおいて、3次元屈折率測定を行い、求められた屈折率nx、ny、nzを用いて各々算出される。
【0054】
光学的に二軸性を有する支持体は、後述する二軸プレート特性を示す材料(光学材料、樹脂フィルム等)が主成分(ここで、主成分とは、支持体の全構成成分の50質量%を占める成分を表す)として含まれることであり、具体的な材料としては、延伸セルロースエステル(例えば、延伸セルロースアセテートプロピオネート(延伸CAP)、セルローストリアセテート(延伸TAC)等)、シクロオレフィンポリマー(延伸処理が施され、光学的に二軸性が付与されたもの)等が主成分として含まれることである。
【0055】
ここで、セルロースアセテートプロピオネート、セルロートリアセテート等のセルロースエステル誘導体(セルロースエステルフィルム)については、二軸延伸処理等を行うことにより、光学的二軸性を付与することが出来る。
【0056】
また、シクロオレフィンポリマーとしては、ZEONEX(ゼオネックス:日本ゼオン製)、ZEONER(ゼオノア:日本ゼオン製)、ARTON(JSR(株)製)、APEL(三井石油化学製)等のオレフィン系透明プラスチックが挙げられる。
【0057】
本発明に係る光学的に二軸性を有する支持体の主成分は上記の二軸プレート特性を示す材料であるが、光学的に二軸性を示すことに支障がない範囲内で、その他の合成ポリマー、例えば、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等の材料を併用してもよい。
【0058】
上記のような光学異方性を、本発明に係る、シクロオレフィンポリマーを主成分として含有するフィルム(支持体)や上記の合成ポリマーの各々に付与する手段としては、種々挙げられるが、製膜時の延伸処理時の延伸方向、延伸倍率等の調整により所定の光学異方性を有するフィルムを得ることが出来る。
【0059】
《光学異方性層》
上記の光学的に二軸性を有する支持体上には、光学異方性層が形成されるが、本発明では該光学異方性層の少なくとも1層が下記の記載の諸特性(光学的特性、膜厚、液晶性化合物の配向等)について説明する。
【0060】
支持体上に形成される光学異方性層としては、後述する液晶性化合物を塗布後、従来公知のラビング処理や光配向処理等の手段により液晶性化合物を平均チルト角が4度以下となるように配向させた後、次いで、該配向を固定化して作製された層であり、膜厚は、通常0.1μm〜10μmの範囲が好ましく、更に好ましくは、0.2μm〜5μmの範囲である。
【0061】
(平均チルト角の測定)
光学異方性層の平均チルト角は、光学異方性層の膜厚方向における液晶性化合物分子のダイレクターと光学異方性層の平面との成す角度の平均値を平均チルト角と定義する。また、平均チルト角の測定は、当該業者周知の方法を用いて行うことが出来る。具体的には、例えばKOBRA21−ADHなどの位相差測定装置を用い、例えば光学的に正の液晶を用いた場合は面内進相軸を回転軸としリターデーションが最大値となる確度を求め、光学異方層の屈折率からスネルの法則を考慮して求めることが出来る。光学的に負の液晶を用いた場合も遅相軸を回転軸にして、リターデーションの最小値を示す確度を求める以外はこの様な方法によって求めることが出来る。
【0062】
《光学的に二軸性を有する支持体と光学異方性層との光学特性》
本発明の光学補償フィルムは、請求項4に記載のように、測定波長589nmにおける、前記光学的に二軸性を有する支持体と少なくとも1層の前記光学異方性層とが、一般式(5)を満たすことが好ましい。
【0063】
一般式(5)
0.44<((R(b)0+R(b)t)/R(e)0)<2.05
式中、R(b)0は、前記一般式(6)で表される、前記光学的に二軸性を有する支持体の面内リターデーションを表し、R(b)tは、前記一般式(7)で表される光学的に二軸性を有する支持体の厚み方向のリターデーションを表し、R(e)0は、前記一般式(8)で表される、前記光学異方性層の面内リターデーションを表である。
【0064】
《液晶性化合物》
本発明に係る液晶性化合物について説明する。
【0065】
本発明に係る液晶性化合物は、低分子液晶性化合物でもよいし、高分子液晶性化合物でもよい。光学的な特性としては、正の一軸性の棒状液晶性化合物、二軸性の液晶性化合物が好ましく用いられる。また、負の一軸性を示すものであってもよく、例えば代表的には、ディスコティック液晶性化合物を用いることもできる。二軸性の液晶化合物については、棒状の分子形態をとることができるが、ディスコティック液晶性化合物のようにやや広がりを持った円盤に近い形態のものもある。
【0066】
負の一軸性を示す液晶性化合物とは、典型的にはディスコティック液晶性化合物が挙げられ、例えば、液晶の化学:季刊 化学総説No.22,1994、日本化学会編(学会出版センター),60〜72頁に記載されているような化合物であり、具体的には、前記総説の62頁に記載のような分子構造1〜46を有する液晶性化合物である。また、特許公報第2587398号明細書、同第2640083号明細書、同第2641086号明細書、同第2692033号明細書、同第2692035号明細書、同第2767382号明細書、同第2747789号明細書等に記載されているような液晶性化合物もディスコティック液晶性化合物として使用出来る。
【0067】
正の一軸性を示す(単に、正の一軸性を有するともいう)棒状液晶性化合物や、棒状液晶性化合物に近い光学的な特性を示す二軸性を有する化合物は、棒状液晶性化合物として扱うことができる。ここで、正の一軸性を有する(光学的に一軸性である)とは、光学異方性を有する異方性素子における三軸方向の屈折率の値nx、ny、nzのうち2つのみが等しい値を示し、その2つの屈折率が残る1つの軸の屈折率よりも小さいことを示し、二軸性を有するとは、三軸方向の屈折率の値nx、ny、nzのいずれもが各々異なる値を示す場合を表す。
【0068】
本発明に係る正の一軸性の棒状液晶性化合物については、さらに詳しくは、誘電率異方性が正のものでも負のものであっても良いが、シートの厚み方向における傾斜制御の容易性からは、正の誘電率異方性のものが好ましい。
【0069】
棒状液晶性化合物の誘電率異方性(Δε)とは、分子の長軸が電解と平行に配向した状態の誘電率(ε//)と分子の短軸が電解と平行に配向した状態の誘電率(ε⊥)との値の差、Δε(=ε//−ε⊥≠0)で表される。誘電率異方性(Δε)は、液晶分子内を通過する光の屈折率の異方性に影響を与え、両者の関係は、Δε=(n//)2−(n⊥)2(ここで、n//は液晶分子の配向ベクトルの方向に偏っている光に対する屈折率、n⊥は配向ベクトルに垂直な方向に偏っている光に対する屈折率である)となる。
【0070】
なお、このΔεおよびΔnの値は、通常のTN液晶セルなどを駆動させるために用いる液晶性化合物の場合は正の値である。
【0071】
本発明に係る液晶性化合物の光学異方性(具体的には、屈折率の異方性)は、低分子液晶性化合物の場合には分子全体で規定され、高分子液晶性化合物の場合は、大別して、主鎖型液晶、側鎖型液晶があるが、いずれの場合においてもメソゲン基部分について低分子液晶性化合物に準じて規定される。
【0072】
上記記載のメソゲン基(メソゲン単位)とは、液晶性化合物中において液晶性をもたせるために必須の部分を表し、通常メソゲン基(メソゲン単位)とは剛直な部分のコア、柔軟な部分のスペーサー、末端に位置する末端基からなるが、液晶性化合物に液晶相を発現させる構造であれば必ずしも上記の3つの部分を全て有している必要はない。
【0073】
以下、正の一軸性棒状液晶性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0074】
【化1】
【0075】
【化2】
【0076】
【化3】
【0077】
また、例えば液晶の化学:季刊 化学総説No.22,1994、日本化学会編(学会出版センター),42、44頁に挙げられている化合物を用いることが出来る。また、上記記載の正の一軸性を示す棒状液晶性化合物は、通常の棒状ネマティック液晶などを好適に用いることが出来る。本発明に係る棒状の液晶性化合物としては、ネマティック液晶相を発現するものが好ましく用いられる。
【0078】
二軸性の液晶性化合物の具体例としては、例えば、有機合成化学、第49巻;第5号(1991)の124頁〜143頁に記載の化合物、D.W.Bruceらの研究報告〔AN EU−SPONSORED’OXFORD WORKSHOP ON BIAXIAL NEMATICS’(St Benet’s Hall、University of Oxford 20−22 December、1996)、p157−293〕、S.CHANDRASEKHAR等の研究報告〔A Thermotropic Biaxial NematicLiquid Crystal;Mol.Cryst.Liq.Cryst.,1988,Vol.165,pp.123−130〕、D.Demus,J.Goodby等著〔Handbook of Liquid CrystalsVol.2B:Low Molecular Weight Liquid Crystals II、pp933−943:WILEY−VCH社刊〕等に記載の化合物を用いることが出来る。
【0079】
本発明に係る液晶性高分子については、特に制限はないが、正または負の固有複屈折値を有するものが好ましい。これらの詳細については、「LIQUID CRYSTALS,1989,Vol.5,NO.1,pp.159−170」に記載されている。
【0080】
本発明に係る液晶性高分子は大きく分けると、前述の通りメソゲン基の組み込まれ型として、主鎖型、側鎖型がある。また、サーモトロピックとライオトロピックにも分類できる。
【0081】
本発明に係る液晶性高分子としては、特に制限はないが、ネマティック液晶を形成することが好ましい。また、配向性の点で側鎖型が好ましく、配向固定の点でサーモトロピックが好ましい。側鎖型液晶性高分子で用いられる骨格は、ビニル型のポリマ、ポリシロキサン、ポリペプチド、ポリホスファゼン、ポリエチレンイミン、セルロース等が好ましい。
【0082】
また、本発明においては、光学異方性化合物の配向状態がモノドメインもしくは0.1μm以下の複数のドメインであることが好ましいが、ここで、モノドメインとは、通常、ディスクリネーションがないことをいうが、本発明では、ディスクリネーションが発生しても、各ドメインが0.1μm以下であれば、実質的には問題ない。
【0083】
上記記載のディスクリネーションとは、光学異方性化合物が微細に配向していない部分が発生することである。ディスクリネーションがあると、コントラストが低下したり、チルト角が設計値よりも低くなる等の問題が発生しやすくなる。
【0084】
《光学異方性層の複屈折挙動》
本発明に係る光学異方性層の複屈折挙動の一態様である、Cプレート(Cプレート補償能)、Aプレート(Aプレート補償能)、二軸プレート(二軸プレート補償能)、Oプレート(Oプレート補償能)について説明する。
【0085】
《Cプレート》
本発明に係るCプレートについて説明する。
【0086】
層の屈折率を構成する各成分nx、ny、nzの関係を下記に示す。
nx=ny>nz
Cプレートの面内方向のリターデーション特性、R0=0である。
【0087】
Cプレート特性を示す材料(光学材料、樹脂フィルム等)としては、ディスコティック液晶、無延伸のセルロースエステルフィルム(例えば、無延伸のセルローストリアセテート(TAC)、無延伸のセルロースアセテートプロピオネート(CAP)等)、二軸延伸したノルボルネン系樹脂等が挙げられる。また、前記樹材料の延伸を制御することによって、Cプレートを製造することもできる。
【0088】
《Aプレート》
本発明に係るAプレートについて説明する。
【0089】
層の屈折率を構成する各成分nx、ny、nzの関係を下記に示す。
nx>ny=nz
Aプレートの面内方向のリターデーション特性、R0は、ほぼ2×Rtを示す。
【0090】
Aプレート特性を示す材料(光学材料、樹脂フィルム等)としては、棒状液晶性化合物、1軸延伸ポリマー(例えば、ポリカーボネート等)が挙げられる。
【0091】
《二軸プレート》
本発明に係る二軸プレートについて説明する。
【0092】
層の屈折率を構成する各成分nx、ny、nzの関係を下記に示す。
nx>ny>nz
二軸プレートの面内方向のリターデーション値と厚み方向のリターデーション値は各々異なる値を示す。
【0093】
二軸プレート特性を示す材料(光学材料、樹脂フィルム等)としては、延伸セルロースエステル(例えば、延伸セルロースアセテートプロピオネート(延伸CAP)、セルローストリアセテート(延伸TAC)等)等が挙げられる。
【0094】
《Oプレート》
本発明に係るOプレートは、主光学軸をディスプレイの平面に関し実質的に斜角(oblique angle)で配向して、正の複屈折物質を利用する(そのため「Oプレート」と呼ぶ)。
【0095】
ここで、「実質的に斜角」とは、角度が0°よりも大きく、90°より小さいことを示す。
【0096】
本発明に係るOプレートは、さらに、一軸性または二軸性物質を有するOプレートを利用できる。
【0097】
《光学補償フィルム》
本発明の光学補償フィルムの種々の光学特性について説明する。
【0098】
《光学補償フィルムのリターデーション特性》
本発明の光学補償フィルムは、請求項1に記載のように、光学的に二軸性を有する支持体上に、光学異方性層を有し、該光学異方性層の少なくとも1層が、液晶性化合物を平均チルト角が4度以下となるように配向され、次いで、該配向を固定化することにより形成された層であり、前記一般式(1)で示されるフィルム面内のリターデーション値R0(λ)が、波長589nmで40nm〜130nm、波長600nmで35nm〜125nm、波長630で35nm〜120nmであり、前記一般式(2)で示されるフィルム厚み方向のリターデーション値Rt(λ)が、波長500nm〜630nmの範囲で120nm〜400nmであり、且つ、R0(589)、R0(600)、R0(630)が、前記一般式(3)を満たすことを特徴とする。
【0099】
本発明では、前記一般式(3)において、前記Bで表される光学特性は、1を超え且つ7.0未満であることが本発明に記載の効果を奏する観点から、必須の要件であるが、好ましくは、1.3以上6.0以下、より好ましくは1.4以上5.0以下である。
【0100】
《面内遅相軸を回転軸として回転時の光学特性》
面内遅相軸を回転軸として回転時の光学補償フィルムの光学特性としては、
(1)70°回転させた場合
(R70(589)/R0(589))が、1.25〜1.40の範囲であることが好ましいが、更に好ましくは、1.3〜1.4の範囲である。
【0101】
ここで、R70(589)は、フィルムを平面上に配置し、該フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が70°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の589nmにおける面内リターデーション値を表し、R0(589)は、589nmにおけるフィルム全体の面内リターデーション値を表す。
【0102】
(2)50°回転させた場合
(R50(589)/R0(589))が、1.10〜1.25の範囲であることが好ましいが、更に好ましくは、1.11〜1.24の範囲である。
【0103】
ここで、R50(589)は、フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が50°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の面内リターデーション値を表す。
【0104】
但し、R70(589)、R50(589)は、各々波長589nmにおいて、前記フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が各々70°、50°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定する以外は、前記一般式(1)で表されるとR0(λ)と同様にして求められる。
【0105】
《面内進相軸を回転軸として回転時の光学特性》:波長分散性
面内進相軸を回転軸として回転させた時の光学補償フィルムの光学特性として、70°回転、50°回転時の、前記一般式(4)における、C/Dで表される面内リターデーション比が0を超え7.0未満であることが好ましく、更に好ましくは、0.4以上6.0以下であり、特に好ましくは0.4以上5.0以下である。
【0106】
《リターデーション上昇剤》
本発明に用いられるリターデーション上昇剤について説明する。
【0107】
本発明に用いられるリターデーション上昇剤とは、各波長におけるリターデーション値を調整するため、セルロースエステルフィルム等の支持体(ポリマフイルムともいう)に添加することが好ましい。リターデーション上昇剤は、ポリマフィルム100質量部に対して、0.05質量部〜20質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは、0.1質量部〜10質量部の範囲であり、更に好ましくは、0.2質量部〜5質量部の範囲であり、特に好ましくは、0.5質量部〜2質量部の範囲である。
【0108】
また、リターデーション上昇剤の使用に際しては、単独使用でも、二種類以上のリターデーション上昇剤の併用使用でもよい。本発明に用いられるリターデーション上昇剤は、250nm〜400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、更に、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
【0109】
リターデーション上昇剤の具体例としては、例えば、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報、同2002−62477号公報、欧州特許第0911656A2号明細書等に開示されている化合物を好ましく用いることが出来る。
【0110】
《配向層(配向膜ともいう)》
本発明に用いられる配向膜について説明する。
【0111】
本発明に用いられる配向層(配向膜)は、有機化合物(好ましくはポリマ)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
【0112】
ポリマのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマ層の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施する。配向膜に使用するポリマの種類については、前述した様々な表示モードに対応するディスコティック液晶性分子を用いた光学補償シートについての文献に記載がある。
【0113】
本発明に用いられる配向層(配向膜)の厚さは、0.01μm〜5μmの範囲が好ましく、更に好ましくは、0.05μm〜1μmである。なお、配向層(配向膜)を用いて、複屈折層(光学異方性層)の液晶性分子を配向させてから、光学異方性層を透明支持体上に転写する態様でもよい。
【0114】
配向状態で固定された液晶性分子は、配向膜がなくても配向状態を維持することができる。
【0115】
《偏光板》
本発明の偏光板について説明する。
【0116】
本発明の光学補償シートに、従来公知の偏光フィルム(偏向膜、偏向層を設けることでもよい)の少なくとも片面を貼合することにより、本発明の偏光板を作製することが出来る。
【0117】
偏光フィルムは、従来から使用されている、例えば、ポリビニルアルコールフィルムの如きの延伸配向可能なフィルムを、沃素のような二色性染料で処理して縦延伸したものが好ましい。また、偏光フィルム自身では、十分な強度、耐久性がないので、一般的にはその両面に保護フィルムとしての異方性のないセルローストリアセテートフィルム等を接着して偏光板としている。
【0118】
本発明の偏光板は、上記偏光板に本発明の光学補償シートを貼り合わせて作製してもよいし、また本発明の光学補償シートを保護フィルムとして、直接偏光フィルムと貼り合わせて作製してもよい。貼り合わせる方法(貼合方法ともいう)は、特に限定はないが、水溶性ポリマの水溶液からなる接着剤により行うことが出来る。この水溶性ポリマ接着剤は完全鹸化型のポリビニルアルコール水溶液が好ましく用いられる。更に、若干前述したが、縦延伸し、二色性染料処理した長尺の偏光フィルムと長尺の本発明の光学補償シートとを貼り合わせることによって長尺の偏光板を得ることが出来る。
【0119】
《偏向層(偏向膜ともいう)》
本発明に用いられる偏向層について説明する。
【0120】
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フイルムの延伸方向に垂直な方向が好ましい。
【0121】
《垂直配向ECB型液晶表示装置》
本発明の垂直配向ECB型液晶表示装置について説明する。
【0122】
大視野角モードで黒表示における赤味現象を低減させるために、本発明の偏光板は、VA(Vertically Aligned)モード、MVA(Multi−domain Vertically Alignned)モード等の垂直配向させた液晶を駆動する表示装置で使用することが好ましい。
【0123】
液晶表示装置として、例えば、一枚偏光板反射型液晶表示装置の構成は、表側から、[保護フィルム/偏光フィルム/本発明の光学補償シート/ガラス基盤/ITO透明電極/配向膜/VA型液晶/配向膜/金属電極兼反射膜/ガラス基板]で、偏光板の片面に本発明の光学補償シートを使用する等の構成が取られる。
【0124】
従来の光学補償フィルム(光学補償シートともいう)を用いて、特に大型画面を有する液晶表示装置では、顕在化した黒表示における赤味の問題をクリアすることが困難であるが、本発明の光学補償シートを用いることで高視野角での黒表示でも赤味が著しく低減された液晶表示装置を得ることが出来る。
【0125】
本発明の光学補償フィルムを使用したコレステリック液晶からなる反射型偏光素子の場合は、[バックライト/コレステリック液晶層/本発明の光学補償フィルム/偏光フィルム/保護フィルム]の構成で用いることが出来る。
【0126】
また、黒表示での赤味現象の発生を防止するためには、本発明の光学補償シートを用いる液晶表示装置は、垂直配向ECB型液晶表示装置であることが必要である。垂直配向ECB型液晶表示装置に用いられる、液晶セルとしては、VA(Vertically Aligned)、VAをマルチドメイン化したMVA、PVA等が挙げられる。
【0127】
本発明の垂直配向ECB型液晶表示装置は、請求項8に記載の前記一般式(9)、(11)及び(12)で表される光学特性及び前記一般式(10)のPs(λ)/Pc(λ)で表される比が、0.22以上1.75以下であることが好ましいが、更に好ましくは、0.23以上1.50以下の範囲である。
【0128】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0129】
実施例1
下記に記載のように、光学的に二軸生を有する支持体A〜G、次いで、本発明の光学補償フィルムA〜G、比較の光学補償フィルムH、Iを各々作製した。
【0130】
《光学的に二軸性を有する支持体Aの作製》
コニカ(株)製80μmトリアセチルセルロースフィルム上に0.1μmのゼラチン層を設け、その上から0.2μmの膜厚となるように下記の溶液1を塗布、乾燥後、ラビング処理を行い、表1に示すようなリターデーション特性(R0、Rt)を示す、光学的に二軸性を有する支持体Aを作製した。
【0131】
(溶液1の組成)
化合物1 1質量%
イオン交換水 98質量%
メタノール 1質量%
【0132】
【化4】
【0133】
《光学的に二軸性を有する支持体Bの作製》
上記支持体Aの作製において、コニカ(株)製80μmトリアセチルセルロースフィルムの代わりに、下記のCAP(セルロースアセテートプロピオネート)溶液を用いる以外は同様にして、表1に示すようなリターデーション特性(R0、Rt)を示す、膜厚80μmの光学的に二軸性を有する支持体Bを得た。
【0134】
CAP溶液を用いた具体的な塗布の手順は、以下の通りである。
二つのドラムに張られた回転する長さ6m(有効長5.5m)のエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。ステンレスベルトの裏面から35℃の温水を接触させてステンレスベルト上で2分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面から15℃の冷水を接触保持した。剥離残留溶媒量が20%になるまで溶媒を蒸発させた時点で、ステンレスベルトから剥離張力150N/mで剥離、次いで、乾燥処理した。
【0135】
(セルロースアセテートプロピオネート溶液の調製)
下記組成物を加圧密閉容器に投入し、80℃に加温しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテートプロピオネート溶液を調製した。
【0136】
セルロースアセテートプロピオネート(CAP)※ 120質量部
(※:CAPの置換度:アセチル置換度1.91、プロピオニル置換度0.75、トータルの置換度は2.66である)
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)
ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤) 1質量部
エチルフタリルエチルグリコレート(可塑剤) 4質量部
微粒子シリカ(日本アエロジル(株)製AEROSIL200)
(平均粒径:0.016μm) 0.1質量部
酢酸メチル 300質量部
エタノール 45質量部
《光学的に二軸性を有する支持体C、Dの作製》
上記の支持体Bの作製において、CAP溶液をステンレスバンド上で乾燥、剥離し残留溶媒が45%以下になってから剥離したウェブの両端をテンターのクリップに挟み、搬送方向(MD(Machine Direction)方向)、幅手方向(TD(Transverse Direction)方向)に各々10%〜50%の延伸倍率の範囲で延伸処理を行った以外は同様にして、光学的に二軸性を有する支持体C、Dを各々作製した。得られた支持体C、Dの光学特性の違いは、表1に示す通りである。
【0137】
《光学的に二軸性を有する支持体Eの作製》
下記のようにして、表1に示すようなリターデーション特性(R0、Rt)を示す、光学的に二軸性を有する支持体Eを作製した。本発明では、この支持体EをシクロオレフィンポリマーフィルムEともいう。
【0138】
工程1:6−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレンに、重合触媒としてトリエチルアルミニウムの15%シクロヘキサン溶液10部、トリエチルアミン5部、および四塩化チタンの20%シクロヘキサン溶液10部を添加して、シクロヘキサン中で開環重合し、得られた開環重合体をニッケル触媒で水素添加してポリマー溶液を得た。このポリマー溶液をイソプロピルアルコール中で凝固させ、乾燥し、粉末状の樹脂を得た。この樹脂の数平均分子量は40,000、水素添加率は99.8%以上、Tgは142℃であった。
【0139】
工程2:上記で得た粉末状の樹脂を250℃で溶融し、ペレット化を行った。このペレットを40mmのフルフライト型スクリューを有する単軸押出機を用いて、幅300mmのTダイから、溶融押し出しし、直径300mmの3本構成の冷却ロールで巻き取ることにより、シートを作製した。この際のダイ部での樹脂温度は275℃、冷却ロールの温度は、第1、第2、第3ロールの順に120℃、120℃、100℃であった。
【0140】
工程3:このシートを140±2℃に制御しながら延伸し、膜厚51μmの延伸配向フィルムを得た。
【0141】
工程4:得られた延伸配向フィルム上に、PMMA(ポリメチルメタクリレート)2gをMEK(メチルエチルケトン)45gとシクロペンタノン5gの混合溶媒に溶解したものを塗設後、市販のラビング処理装置を用いてラビング処理を行ない、光学的に二軸性を有する支持体Eを得た。尚、ラビング方向はフィルムの面内遅相軸と平行にした。
【0142】
《光学的に二軸性を有する支持体Fの作製》
下記のようにして、表1に示すようなリターデーション特性(R0、Rt)を示す、光学的に二軸性を有する支持体Fを作製した。本発明では、この支持体FをシクロオレフィンポリマーフィルムFともいう。
【0143】
厚さ100μmのポリノルボルネン系樹脂フィルム(JSR社製、商品名「アートンフィルム」)を、同時二軸延伸機を使用して、延伸温度180℃、縦延伸倍率1.10倍、横延伸倍率1.15倍で同時二軸延伸し、フィルム中央の厚みが81μm、幅345mmのフィルムを作製した。
【0144】
得られた延伸配向フィルム上に、PMMA(ポリメチルメタクリレート)2gをMEK(メチルエチルケトン)45gとシクロペンタノン5gの混合溶媒に溶解したものを塗設後、市販のラビング処理装置を用いてラビング処理を行ない、光学的に二軸性を有する支持体Fを得た。尚、ラビング方向はフィルムの面内遅相軸と平行にした。
【0145】
《光学的に二軸性を有する支持体Gの作製》
下記のようにして、表1に示すようなリターデーション特性(R0、Rt)を示す、光学的に二軸性を有する支持体Gを作製した。本発明では、この支持体GをシクロオレフィンポリマーフィルムGともいう。
【0146】
厚さ100μmのポリノルボルネン系樹脂フィルム(JSR社製、商品名「アートンフィルム」)を、同時二軸延伸機を使用して、延伸温度180℃、縦延伸倍率1.10倍、横延伸倍率1.15倍で同時二軸延伸した。次いで、延伸フィルムを、温度180℃で、フィルム幅が98%になるまで60秒間緩和し、フィルム中央の厚みが81μm、幅345mmのフィルムを作製した。
【0147】
得られた延伸配向フィルム上に、PMMA(ポリメチルメタクリレート)2gをMEK(メチルエチルケトン)45gとシクロペンタノン5gの混合溶媒に溶解したものを塗設後、市販のラビング処理装置を用いてラビング処理を行ない、光学的に二軸性を有する支持体Gを得た。尚、ラビング方向はフィルムの面内遅相軸と平行にした。
【0148】
《比較用の支持体Hの作製》:光学的に二軸性を持たない支持体
ビスフェノールAを用いたポリカーボネート100gをメチレンクロライド500gに溶解し、ステンレスベルト上に流延、乾燥後剥離し二軸延伸を行って比較用の支持体Hを作製した。
【0149】
《比較用の支持体Iの作製》:光学的に二軸性を持たない支持体
TACフィルム(100μm)を比較用の支持体Iとして使用した。
【0150】
上記で得られた光学的二軸性を有する支持体A〜G、比較用の支持体H、Iの各々のリターデーション特性(R0、Rt)を表1に示す。
【0151】
【表1】
【0152】
表1から、支持体の面内リターデーション値(R0)が0ではない、A〜Gは、各々、本発明に係る光学的に二軸性を有する支持体であり、H、Iは、光学的に二軸性を持たない支持体であることが判る。
【0153】
《光学補償フィルムA〜Gの作製》:本発明
上記で得られた光学的二軸性を有する支持体A〜G上に、下記組成の溶液を塗布し100℃で15秒、次いで徐々に降温し45℃にて紫外線硬化し、光学異方性層を有する、本発明の光学補償フィルムA〜Gを各々作製した。
【0154】
(光学異方性層用塗布液の組成)
MEK 86部
化合物2 3部
化合物3 2部
化合物4 3部
化合物5 3部
イルガキュアー369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製) 1部
【0155】
【化5】
【0156】
【化6】
【0157】
【化7】
【0158】
【化8】
【0159】
液晶性化合物である、化合物2〜化合物5を各々含む層を硬化させた層はいずれも膜厚1.4μmの光学異方性層であった。各光学異方性層の平均チルト角を王子計測製KOBRAを用いて測定した。得られた平均チルト角はいずれも4度以下であった。
【0160】
《比較の光学補償フィルムHの作製》
上記の比較用の支持体H上に、光学的に二軸性を有する支持体Aの作製時に用いた上記の溶液1を塗布、乾燥後、ラビング処理を行った後、上記の光学異方性層用塗布液を塗布し、光学補償フィルムA〜Gの作製時と同様に処理を行い、比較の光学補償フィルムHを作製した
《比較の光学補償フィルムIの作製》
比較用の支持体I上にゼラチン層を設け、さらに下記構造のPVAの水溶液を塗布、乾燥後、下記組成の溶液を塗布、乾燥熱処理を行い、モノドメインとなったのを確認して、紫外線照射により硬化させ、比較の光学補償フィルムIを作製した。尚、モノドメインの確認は偏光顕微鏡を用い、サンプルの一部を用いて確認した。
【0161】
上記で得られた光学補償フィルムA〜G、比較の光学補償フィルムH、Iの各々の光学特性を表2に各々示す。
【0162】
【表2】
【0163】
ここで、表2に示された、光学的に二軸性を有する支持体、光学異方性層、光学補償フィルム等の光学特性(屈折率、面内リターデーション値、厚み方向のリターデーション値等)は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RH(相対湿度)で、波長が589nm、600nm、630nmの各々において、3次元屈折率測定を行い、求められた屈折率nx、ny、nzを用いて各々算出した。
【0164】
《本発明の偏光板A〜G、比較の偏光板H、Iの作製》
下記に記載の偏光膜の両面に、本発明の光学補償フィルムA〜G、比較の光学補償フィルムH、Iの各々を貼合または粘着シートを用いて接着させて、本発明の偏光板A〜G、比較の偏光板H、Iの各々を作製した。
【0165】
但し、本発明の偏光板A〜Dについては、光学補償フィルムと偏光膜との貼合時に市販のPVA系接着剤を使用し、本発明の偏光板E〜G、比較の偏光板H、Iについては、25μmの粘着シートを用いて偏光膜と光学補償フィルムとを接着させた。
【0166】
(偏光膜の作製)
重合度2400、原反の厚さ80μm、原反幅800mm、無延伸のPVAフィルムを、0.3質量%のヨウ素の水溶液中で染色した後、4質量%のホウ酸と3質量%のヨウ化カリウムの水溶液中で6.8倍に延伸し、その後40℃で4分間乾燥した後、巻き取り操作を行い、偏光膜を作製した。
【0167】
《液晶表示装置LCDa〜LCDiの作製》
市販のMVA型LCD(LCDAD19H:I.O.データ製)の偏光板を剥がし、本発明の偏光板A〜G、比較の偏光板H、Iを、各々元の偏光板の軸(遅相軸、進相軸の両方)と一致するように貼合し、LCDa〜LCDiを得た。
【0168】
但し、偏光板D、Gについては、液晶セルの片側にのみ貼合し、反対側にはコニカ(株)製40μmのTACフィルム(R0(589)=0.2nm、Rt(589)=31nm)を各々元の偏光板と軸(遅相軸、進相軸)が一致するように貼合した。
【0169】
《黒表示における赤味評価》
得られた液晶表示装置LCDa〜LCDiの各々について、電圧無しの状態、且つ、視野角を80°に設定した条件において、黒表示における赤味発生をランダムに選択した30人の被験者による目視観察(官能評価)を実施し、過半数の評価に基づき下記のランク評価を行った。
【0170】
◎:赤味発生が実質ない
○:わずかに赤味があるが実用的に問題ない
×:黒表示において赤味が目立つ(実用不可)
因みに、本発明では、○、◎が実用化である
得られた結果を下記に示す。
【0171】
液晶表示装置No 赤味評価
LCDa ○
LCDb ○
LCDc ○
LCDd ○
LCDe ○
LCDf ○
LCDg ○
LCDh ×
LCDi ×
以上から、比較の光学補償フィルムH、Iを各々有する偏光板を液晶セルに貼合して作製された比較の液晶表示装置LCDh、LCDiに比べて、本発明の光学補償フィルムA〜Gを各々有する偏光板を液晶セルに貼合して作製された本発明の液晶表示装置a〜gは、いずれも黒表示での赤味発生がわずかにあるが実用的に問題ないことが判る。
【0172】
実施例2
《光学補償フィルムA1〜G1、I1の作製》
実施例1に記載の光学補償フィルムA〜G(本発明)、比較の光学補償フィルムIの作製において、表3に示すように、リターデーション比A(R70(589)/R0(589))が1.25〜1.40の範囲、リターデーション比B(R50(589)/R0(589))が1.10〜1.25の範囲になるように各々調整した以外は、同様にして、光学補償フィルムA1〜G1(本発明)及びI1(比較例)を各々作製した。
【0173】
【表3】
【0174】
得られたフィルムの面内リターデーションと波長分散性は下記のように評価した。
【0175】
《面内リターデーションと波長分散性評価》
リターデーション比A(R70(589)/R0(589))は、フィルムを平面上に配置し、該フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が70°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の面内リターデーション値、R70(589)と、589nmにおけるフィルム全体の面内リターデーション値、R0(589)との比(R70(589)/R0(589))であり、リターデーション比B(R50(589)/R0(589))は、前記フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が50°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の面内リターデーション値、R50(589)と前記R0(589)との比(R50(589)/R0(589))である。また、前記リターデーション比A、Bの各々は下記に記載の方法を従って測定した。
【0176】
(1)各面内リターデーションと波長分散
50°以下は、KOBRA21ADH(王子計測機器製)を用いた。
【0177】
50°以上は、分光エリプソメータDVA36VW(株式会社溝尻光学工業所製)を用いて測定した。
【0178】
ここで、50°とは、平面上に置かれたいる、測定対象となる、支持体、光学異方性層または光学補償フィルム等の面内遅相軸を回転軸として該測定対象を該平面とがなす角度が50°になるように回転させるという、測定時に設定される前記角度のことである。
【0179】
(2)各波長での屈折率(nx、ny、nz等)
上記のKOBRAにより、波長分散測定用にアッベ屈折計と分光光源とを使用して各波長の屈折率を測定した。
【0180】
上記のリターデーション比A(R70(589)/R0(589))が、1.25〜1.40の範囲、下記のリターデーション比B(R50(589)/R0(589))を1.10〜1.25の範囲になるように各々調整された本発明の光学補償フィルムを用いた液晶表示装置の黒表示における赤味は実質的に赤味発生がないレベルにまで改良された。一方、そうではない、比較の光学補償フィルムI1を用いて作製された液晶表示装置では、黒表示における赤味が目立ち実用出来るレベルではなかった。
【0181】
実施例3
《光学補償フィルムA2〜G2の作製》
実施例1に記載の光学補償フィルムA〜G(本発明)の作製において、表4に示すように、((R(b)0+R(b)t)/R(e)0)で表される光学特性値を0.44を超え2.05未満の範囲になるように調整した以外は同様にして、本発明の光学補償フィルムA2〜G2を各々作製した。
【0182】
《光学的に二軸性を有する支持体と光学異方性層との光学特性》
測定波長589nmにおける、光学的に二軸性を有する支持体の面内リターデーション特性と光学異方性層の面内方向のリターデーション特性の測定を行い、前記一般式(5)で表される比を算出した。
【0183】
光学補償フィルム ((R(b)0+R(b)t)/R(e)0)
A2 1.83
B2 1.67
C2 2.11
D2 2.00
E2 0.32
F2 0.47
G2 1.68
((R(b)0+R(b)t)/R(e)0)で表される光学特性値を0.44を超え2.05未満の範囲になるように調整された本発明の光学補償フィルムA2〜G2を用いた液晶表示装置の黒表示における赤味は実質的に赤味発生がないレベルにまで改良されることが判った。
【0184】
実施例4
《液晶表示装置LCDa1〜h1の作製》
実施例1に記載の、本発明の液晶表示装置A〜Gの各々の作製において、請求項8に記載の前記一般式(10)の(Ps(λ)/Pc(λ))を下記のように調整した以外は、同様にして本発明の液晶表示装置LCDa1〜h1を各々作製した。ここで、波長λとは、500nm〜670nmの範囲の波長を表す。
【0185】
波長λにおける面内方向のリターデーション値(R0(λ))の総和S0(λ)を前記一般式(11)、(12)に代入することにより、波長λ(500nm〜670nm)における、Ps(λ)/Pc(λ)を求めた。
【0186】
液晶表示装置(*) Ps(λ)/Pc(λ)
LCDa1 0.47〜0.52
LCDb1 0.64〜1.74
LCDc1 0.67〜0.82
LCDd1 0.23〜1.11
LCDe1 0.50〜0.75
LCDf1 0.84〜1.51
LCDg1 0.32〜0.52
*:垂直配向ECB型液晶表示装置を表す。
【0187】
Ps(λ)/Pc(λ)の比を0.22〜1.75の範囲に調整した本発明の液晶表示装置は、実施例1の本発明の液晶表示装置では、各々が黒表示において僅かに赤味が観測されるのに対して、実質的に赤味発生が全くなく、更に改善された表示特性を示すことが判る。
【0188】
【発明の効果】
本発明により、視野角が全方向で80°以上を達成し、さらに黒表示際に発生する赤味現象の発生を著しく低減された光学補償フィルム、該フィルムを有する偏光板、液晶表示装置を提供することが出来た。
Claims (8)
- 光学的に二軸性を有する支持体上に、光学異方性層を有する光学補償フィルムにおいて、
該光学異方性層の少なくとも1層が、液晶性化合物を平均チルト角が4度以下となるように配向し、次いで、該配向を固定化することにより形成された層であり、下記一般式(1)で示されるフィルム面内のリターデーション値R0(λ)が、波長589nmで40nm〜130nm、波長600nmで35nm〜125nm、波長630で35nm〜120nmであり、下記一般式(2)で示されるフィルム厚み方向のリターデーション値Rt(λ)が、波長500nm〜630nmの範囲で120nm〜400nmであり、且つ、R0(589)、R0(600)、R0(630)が、下記一般式(3)を満たすことを特徴とする光学補償フィルム。
一般式(1)
R0(λ)=(nx(λ)−ny(λ))×d
一般式(2)
Rt(λ)=((nx(λ)+ny(λ))/2−nz(λ))×d
一般式(3)
1.0<B<7.0
B=(R0(589)−R0(630))/(R0(600)−R0(630))〔式中、λは測定波長(nm)を表し、nx(λ)は、フィルム面内での最大屈折率方向であるx方向の屈折率、ny(λ)は、x方向に面内で直交する方向であるy方向の屈折率である。nz(λ)は、フィルム厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)である。〕 - フィルムを平面上に配置し、該フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が70°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の面内リターデーション値、R70(589)と、589nmにおけるフィルム全体の面内リターデーション値、R0(589)との比(R70(589)/R0(589))が、1.25〜1.40であり、前記フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が50°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定した時の面内リターデーション値、R50(589)と前記R0(589)との比(R50(589)/R0(589))が、1.10〜1.25であることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
但し、R70(589)、R50(589)は、各々波長589nmにおいて、前記フィルムの面内遅相軸を回転軸として該フィルムと該平面とがなす角度が各々70°、50°になるように回転させた時に、前記平面の法線方向から測定する以外は、前記一般式(1)で表されるとR0(λ)と同様にして求められる。 - 下記一般式(4)で示される波長分散性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学補償フィルム。
一般式(4)
R70’(λ)=(nx70’(λ)−ny70’(λ))×d
R50’(λ)=(nx50’(λ)−ny50’(λ))×d
0<C/D<7.0
C=(R50’(589)−R50’(630))
D=(R70’(589)−R70’(630))
〔式中、R70’(589)、R70’(630)は、各々波長589nm、630nmにおいて、フィルム法線方向より、面内進相軸を回転軸として70°方向から測定した時の面内リターデーションを示す。〕 - 測定波長589nmにおける、前記光学的に二軸性を有する支持体と少なくとも1層の前記光学異方性層とが、下記一般式(5)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
一般式(5)
0.44<((R(b)0+R(b)t)/R(e)0)<2.05
〔式中、R(b)0は、下記一般式(6)で表される、前記光学的に二軸性を有する支持体の面内リターデーションを表し、R(b)tは、下記一般式(7)で表される、前記光学的に二軸性を有する支持体の厚み方向のリターデーションを表し、R(e)0は、下記一般式(8)で表される、前記光学異方性層の面内リターデーションを表す。〕
一般式(6)
R(b)0=(n(b)x−n(b)y)×d(b)
一般式(7)
R(b)t=((n(b)x+n(b)y)/2−n(b)z)×d(b)
一般式(8)
R(e)0=(n(e)x−n(e)y)×d(e)
〔式中、n(b)xは、前記支持体面内での最大屈折率方向であるx方向の屈折率、n(b)yは、x方向に面内で直交する方向であるy方向の屈折率、n(b)zは、前記支持体の厚み方向の屈折率、d(b)は前記支持体の厚み(nm)を表す。n(e)xは、前記光学異方性層面内での最大屈折率方向であるx方向の屈折率、n(e)yは、x方向に面内で直交する方向であるy方向の屈折率を表す。d(e)は、前記光学異方性層の厚み(nm)を表す。〕 - 前記液晶性化合物がネマティック液晶を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学補償フィルムと、偏光膜または偏光子を有する偏光板であって、該光学補償フィルムの面内遅相軸と、該偏光膜または該偏光子の吸収軸とが85°〜95°の角度で交差するように配置されていることを特徴とする偏光板。
- 請求項6に記載の偏光板を液晶セルの一方の面または両面に配置することを特徴とする垂直配向ECB型液晶表示装置。
- 請求項6に記載の偏光板の偏光膜または偏光子と、液晶セルとの間の、波長λにおける面内方向のリターデーション値(R0(λ))の総和をS0(λ)、該液晶セル内の液晶の複屈折Δn(λ)と液晶部分の厚みの積、Δn(λ)×dをC(λ)とした時、S0(λ)、C(λ)が、下記一般式(9)〜(12)を各々満たすことを特徴とする請求項7に記載の垂直配向ECB型液晶表示装置。
一般式(9)
0.21×C(589)≦S0(589)≦0.66×C(589)
一般式(10)
0.22≦Ps(λ)/Pc(λ)≦1.75
一般式(11)
Ps(λ)=(S0(λ)/S0(589)−1)×100
一般式(12)
Pc(λ)=(C(λ)/C(589)−1)×100
〔式中、λは、500nm〜670nmの範囲の波長を表す。また、S0(λ)は、前記液晶セルの一方の面側に設けられている光学補償フィルムa及びもう一方の面側に設けられている光学補償フィルムbの面内リターデーションの合計値を表す。〕
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