JP2006301608A - 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】延伸セルロースアシレートフィルム上に少なくとも1つの液晶性化合物を含有する光学異方性層を有し、レターデーションが下記(A)〜(F)の関係を満たす光学補償シート。 (A)20<Re(546)<150nm、(B)50<Rth(546)<400nm、(C)0.5<Re(480)/Re(546)<1、(D)1.0<Re(628)/Re(546)<2.0、(E)1.0<Rth(480)/Rth(546)<1.5、(F)0.7<Rth(628)/Rth(546)<1.0
【選択図】なし
Description
これに伴い液晶表示装置において、色味、コントラスト、およびそれらの視角依存性改良に用いられる光学補償部材に対しても光学補償能のさらなる向上が求められている。
VAモード液晶表示装置用の光学補償フィルムとしてはAプレートとCプレートを組み合わせたものがコントラスト視野角の改善効果が高いことが従来より知られている。
さらに特許文献1には、正の屈折率異方性を有し層面内に光軸を有する位相差層と、負の屈折率異方性を有し層面の法線方向に光軸を有する位相差層とを積層して構成され、正の屈折率異方性を有し層面内に光軸を有する位相差層として、レターデーションの波長が短くなるに従って小さくなる逆波長分散特性を持つ延伸高分子フィルムを用い、負の屈折率異方性を有し層面の法線方向に光軸を有する位相差層として、レターデーションが波長が短くなるに従って大きくなる正波長分散特性を持つコーティング層を用いた積層位相差層により、コントラストをさらに向上させ、且つ黒表示での色味をグレーに近づける技術が開示されている。
しかし、前記積層位相差層を偏光板保護フィルムとして用いると偏光子と偏光板の偏光性能が低下するとともに、偏光子の密着が不十分で偏光板加工時あるいは作製した偏光板が高温恒湿下に保存された場合、保護フィルムが偏光子から剥離してしまうという問題が生じていた。このため、前記積層位相差層をセルロースアセテート等他の偏光板保護フィルムに粘着剤を介して貼り合せて使用せざるを得ず、生産性、およびコストの点で改善が求められていた。
(1)延伸セルロースアシレートフィルム上に少なくとも1つの液晶性化合物を含有する光学異方性層を有し、かつレターデーションが下記(A)〜(F)の関係を満たすことを特徴とする光学補償シート。
20nm<Re(546)<150nm (A)
50nm<Rth(546)<400nm (B)
0.5<Re(480)/Re(546)<1 (C)
1.0<Re(628)/Re(546)<2.0 (D)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<1.5 (E)
0.7<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (F)
[式中、Re(λ)は波長λnmにおける正面レターデーション、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーションである。]
(2)前記延伸セルロースアシレートフィルムの遅相軸と前記光学異方性層の遅相軸が直交していることを特徴とする前記(1)に記載の光学補償シート。
(3)前記延伸セルロースアシレートフィルムのレターデーションが、下記式(I)〜(L)を満たすことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の光学補償シート。
0.90<Re(480)/Re(546)<1.10 (I)
0.90<Re(628)/Re(546)<1.10 (J)
0.90<Rth(480)/Rth(546)<1.10 (K)
0.90<Rth(628)/Rth(546)<1.10 (L)
(4)前記光学異方性層のレターデーションが、下記式(M)〜(P)を満たすことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の光学補償シート。
1.0<Re(480)/Re(546)<2.0 (M)
0.5<Re(628)/Re(546)<1.0 (N)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<2.0 (O)
0.5<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (P)
(5)前記延伸セルロースアシレートフィルムが、置換度2.00以上2.90以下のセルロースアシレートを含有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の光学補償シート。
(6)前記延伸セルロースアシレートフィルムが、幅方向に1%以上200%以下の倍率で延伸されていることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の光学補償シート。
(7)前記光学異方性層中の液晶性化合物の吸収極大が、前記延伸セルロースアシレートフィルム中に添加されるレターデーション発現剤の吸収極大よりも長波長である(1)〜(6)の光学補償シート。
(8)偏光子およびその両側に配置された2枚の保護フィルムを有し、少なくとも1枚の保護フィルムが前記(1)〜(7)のいずれかに記載の光学補償シートを含むことを特徴とする偏光板。
(9)液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板を有し、少なくとも1つの偏光板が前記(8)に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
(10)前記液晶セルがVAモードであることを特徴とする前記(9)に記載の液晶表示装置。
まず、本発明の延伸セルロースアシレートフィルムについて説明する。
まず、本発明に用いられるセルロースアシレートについて説明する。
セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位(β1→4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。測定方法は、ASTM D817−91に準じて実施する。
一般式Bで表される置換基の置換度は、2位、3位及び6位の置換度をそれぞれDSB2、DSB3、DSB6として
DSB6/(DSB2+DSB3+DSB6)≧0.60
を満たすことが好ましい。
さらに好ましくは、
DSB6/(DSB2+DSB3+DSB6)≧0.70
であり、最も好ましくは、
DSB6/(DSB2+DSB3+DSB6)≧0.80
である。
また、本発明に使用するセルロース体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜5.0であることが好ましく、1.5〜3.5であることがさらに好ましく、2.0〜3.0であることが最も好ましい。
また重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、2.0以上5.0以下が好ましく、2.0以上4.0以下がさらに好ましい。
さらに、本発明のレターデーション発現剤の吸収極大は光学異方性層に含まれる液晶性化合物の吸収極大よりも短波長であることが好ましい。
330nm以上750nm波長範囲でのモル吸光係数が1000以下のレターデーション発現剤を用い、レターデーション発現剤の吸収極大が光学異方性層に含まれる液晶性化合物の吸収極大よりも短波長であることによって、前記一般式(C)及び(D)の関係を満たすセルロースアシレートフィルムが得られやすいという効果が奏される。
モル吸光係数は、市販の分光光度計(例えば(株)島津製作所 UV3400など)を用いて測定できる。
一般式(1):Ar1−L1−Ar2
上記一般式(1)において、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、芳香族基である。
一般式(1)において、芳香族基は、アリール基(芳香族性炭化水素基)、置換アリール基、芳香族性ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基を含む。
アリール基および置換アリール基の方が、芳香族性ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基よりも好ましい。芳香族性へテロ環基のヘテロ環は、一般には不飽和である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性へテロ環は一般に最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましく、窒素原子または硫黄原子がさらに好ましい。
芳香族基の芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環およびピラジン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基のアルキル部分とアルキル基とは、さらに置換基を有していてもよい。アルキル部分およびアルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基、スルファモイル、アルキルスルファモイル基、ウレイド、アルキルウレイド基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アミド基および非芳香族性複素環基が含まれる。アルキル部分およびアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基およびアルコキシ基が好ましい。
アルキレン基は、環状構造を有していてもよい。環状アルキレン基としては、シクロヘキシレンが好ましく、1,4−シクロへキシレンが特に好ましい。鎖状アルキレン基としては、直鎖状アルキレン基の方が分岐を有するアルキレン基よりも好ましい。
アルキレン基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、より好ましくは1〜15であり、さらに好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜8であり、最も好ましくは1〜6である。
アルケニレン基およびアルキニレン基の炭素原子数は、好ましくは2〜10であり、より好ましくは2〜8であり、さらに好ましくは2〜6であり、さらに好ましくは2〜4であり、最も好ましくは2(ビニレンまたはエチニレン)である。
アリーレン基は、炭素原子数は6〜20であることが好ましく、より好ましくは6〜16であり、さらに好ましくは6〜12である。
棒状化合物としては、下記式一般式(2)で表される化合物がさらに好ましい。
一般式(2):Ar1−L2−X−L3−Ar2
上記一般式(2)において、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、芳香族基である。芳香族基の定義および例は、一般式(1)のAr1およびAr2と同様である。
アルキレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することがさらに好ましい。
アルキレン基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜8であり、さらに好ましくは1〜6であり、さらに好ましくは1〜4であり、1または2(メチレンまたはエチレン)であることが最も好ましい。
L2およびL3は、−O−CO−または−CO−O−であることが特に好ましい。
一般式(2)において、Xは、1,4−シクロへキシレン、ビニレンまたはエチニレンである。
以下に、一般式(1)又は(2)で表される化合物の具体例を示す。
具体例(2)および(3)は、幾何異性体に加えて光学異性体(合計4種の異性体)を有する。幾何異性体については、同様にトランス型の方がシス型よりも好ましい。光学異性体については、特に優劣はなく、D、Lあるいはラセミ体のいずれでもよい。
具体例(43)〜(45)では、中心のビニレン結合にトランス型とシス型とがある。 上記と同様の理由で、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
その他、好ましい化合物を以下に示す。
棒状化合物は、文献記載の方法により合成できる。文献としては、Mol. Cryst. Liq. Cryst., 53巻、229ページ(1979年)、同89巻、93ページ(1982年)、同145巻、111ページ(1987年)、同170巻、43ページ(1989年)、J. Am. Chem. Soc., 113巻、1349ページ(1991年)、同118巻、5346ページ(1996年)、同92巻、1582ページ(1970年)、J. Org. Chem., 40巻、420ページ(1975年)、Tetrahedron、48巻16号、3437ページ(1992年)を挙げることができる。
本発明のレターデーション発現剤の添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランの有機溶媒に溶解してから、セルロースアシレート溶液(ドープ)に添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ソルベントキャスト法により製造することができる。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。
エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−およびCOO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する溶媒の上記した好ましい炭素原子数範囲内であることが好ましい。
炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
本発明の光学補償シートには、延伸処理されたセルロースアシレートフィルム(延伸セルロースアシレートフィルム)が使用される。延伸処理によりセルロースアシレートフィルムに所望のレターデーションを付与することが可能であり、セルロースアシレートフィルムに位相差フィルムとしての機能も合わせて持たせることが可能となる。セルロースアシレートフィルムの延伸方向は幅方向、長手方向のいずれでも好ましい。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。
また、本発明の延伸セルロースアシレートフィルムは、最大延伸倍率まで延伸したのちに、最大延伸倍率より低い延伸倍率で一定時間保持する工程(以下緩和工程)を経て製造されることが好ましい。緩和工程における延伸倍率は最大延伸倍率の50%以上99%以下が好ましく、70%以上97%以下がさらに好ましく、90%以上95%以下が最も好ましい。また、緩和工程の時間は1秒以上120秒以下が好ましく、5秒以上100秒以下がさらに好ましい。
[フィルムのレターデーション]
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は、それぞれ波長λにおける正面レターデーションおよび膜厚方向のレターデーションを表す。Re(λ)は“KOBRA 21ADH”{王子計測機器(株)製}において、波長λnmの光をフィルムの法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は、前記Re(λ)、面内の遅相軸(“KOBRA 21ADH”により判断される)を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の合計3つの方向で測定したレターデーション値と平均屈折率の仮定値と入力された膜厚値とを基に“KOBRA 21ADH”が算出する。
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHによりnx(製膜方向の屈折率)、ny(幅方向の屈折率)、nz(厚み方向の屈折率)を算出する。
40nm<Re(546)<400nm (G)
10nm<Rth(546)<390nm (H)
0.90<Re(480)/Re(546)<1.10 (I)
0.90<Re(628)/Re(546)<1.10 (J)
0.90<Rth(480)/Rth(546)<1.10 (K)
0.90<Rth(628)/Rth(546)<1.10 (L)
本発明の延伸セルロースアシレートフィルムの厚みは10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上150μm以下がさらに好ましく、30μm以上100μm以下が最も好ましい。
延伸セルロースアシレートフィルムの含水率は、一定の温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は、一定の温湿度に24時間放置した後、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出したものである。
本発明の延伸セルロースアシレートフィルムの25℃、80%RHにおける含水率は5.0質量%以下であることが好ましく、4.3質量%以下であることがさらに好ましく、3.8質量%以下であることが最も好ましい。
透湿度はJIS Z−0208に記載の方法に則り、各試料の透湿度を測定し、面積1m2当たり24時間で蒸発する水分量(g)として算出する。透湿度は偏光板の耐久性と密接に関係したフィルム物性であり、透湿度を下げることにより偏光板耐久性を向上させることができる。本発明の延伸セルロースアシレートフィルムは、60℃、95%RH、24時間における透湿度が200g/m2以上1700g/m2以下であることが好ましい。より好ましくは、500g/m2以上1400g/m2以下である。
本発明の延伸セルロースアシレートフィルムはアルカリ鹸化処理することによりポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を付与し、偏光板保護フィルムとして用いることができる。
本発明の延伸セルロースアシレートの光弾性係数は60×10−8cm2/N以下が好ましく、20×10−8cm2/Nがさらに好ましい。光弾性係数はエリプソメーターにより求めることができる。
本発明の延伸セルロースアシレートのガラス転移温度は、120℃以上が好ましく、更に140℃以上が好ましい。ガラス転移温度は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分で測定したときにフィルムのガラス転移に由来するベースラインが変化しはじめる温度と再びベースラインに戻る温度との平均値として求めたものである。
次に本発明の光学異方性層について詳しく説明する。
本発明の光学異方性層は少なくとも1つの液晶性化合物を含む。液晶性化合物としては、棒状液晶性化合物あるいは円盤状液晶性化合物であることが好ましい。また、本発明の液晶性化合物は前記延伸セルロースアシレートフィルムを構成するモノマーユニットよりも長波長側に吸収を有することが好ましい。これにより光学補償シートのレターデーションの波長分散を所望のパターンにコントロールすることができる。本発明の液晶性化合物の吸収極大の好ましい範囲は200nm以上370nm以下であり、さらに好ましくは220nm以上350nm以下であり、最も好ましくは240nm以上330nm以下である。吸収極大が長波長過ぎると吸収の裾が可視域にかかり光学補償シートが黄色味を帯びて好ましくない。
本発明の光学異方性層は、配向膜を用いて液晶性化合物を配向させ、その配向状態を固定することにより形成することが好ましい。液晶性化合物の配向状態を固定するため、液晶性化合物は重合性基を有することが好ましい。
まず本発明の光学異方性層で使用する棒状液晶性化合物について説明する。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましい。低分子の液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることもできる。特に好ましく用いられる、低分子の重合性基を有する棒状液晶性化合物としては、下記式(I)の棒状液晶性化合物である。
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基であり、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1,Cy2およびCy3は二価の環状基であり、nは0、1または2である。
組み合わせからなる二価の連結基の例を以下に示す。ここで、左側がQ(Q1またはQ2)に、右側がCy(Cy1またはCy3)に結合する。
L−2:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−
L−4:−CO−O−二価の鎖状基―O−二価の環状基−
L−5:−CO−O−二価の鎖状基―O−二価の環状基−CO−O−
L−6:−CO−O−二価の鎖状基―O−二価の環状基−O−CO−
L−7:−CO−O−二価の鎖状基―O−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−8:−CO−O−二価の鎖状基―O−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−9:−CO−O−二価の鎖状基―O−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−10:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−二価の環状基−
L−11:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−12:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−13:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−14:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−15:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−16:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−二価の環状基−
L−17:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−20:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−21:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
アルキレン基は,分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、プロピレン、ブタメチレン、1−メチル−ブタメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、2−ブテニレン、2−ブチニレンなどが挙げられる。
R2は、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることがもっとも好ましい。
環状基に含まれる環は、5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることがもっとも好ましい。
環状基に含まれる環は、縮合環であっても良い。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。
環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジンー2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジンー2,5−ジイルが好ましい。
環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1乃至5のアルキル基、炭素原子数が1乃至5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1乃至5のアルコキシ基、炭素原子数が1乃至5のアルキルチオ基、炭素原子数が2乃至6のアシルオキシ基、炭素原子数が2乃至6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2乃至6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2乃至6のアシルアミノ基が含まれる。
配向させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J/cm2 の範囲にあることが好ましく、20乃至5000mJ/cm2 の範囲にあることがより好ましく、100乃至800mJ/cm2 の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
本発明の光学異方性層は特定の界面活性を有する化合物により液晶性化合物の平均傾斜角を調節することができる。
平均傾斜角を低下せしめる化合物としてはセルロースの低級脂肪酸エステル、含フッ素界面活性剤、または1,3,5-トリアジン環を有する化合物が上げられる。
セルロースの低級脂肪酸エステルにおける「低級脂肪酸」とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2乃至5であることが好ましく、2乃至4であることがさらに好ましい。脂肪酸には置換基(例、ヒドロキシ)が結合していてもよい。二種類以上の脂肪酸がセルロースとエステルを形成していてもよい。セルロースの低級脂肪酸エステルの例には、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースヒドロキシプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートおよびセルロースアセテートブチレートが含まれる。セルロースアセテートブチレートが特に好ましい。セルロースアセテートブチレートのブチリル化度は、30%以上であることが好ましく、30乃至80%であることがさらに好ましい。セルロースアセテートブチレートのアセチル化度は、30%以下であることが好ましく、1乃至30%であることがさらに好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルは、液晶性化合物の量の0.01乃至1質量%の量で使用する。使用量は、液晶性化合物の量の0.1乃至1質量%であることが好ましく、0.3乃至0.9質量%であることがさらに好ましい。
式中、L5 は、(n+1)価の連結基であり;Pは、重合性基であり;そして、nは1乃至5の整数である。式(Rp)において、(n+1)価の連結基(L5 )は、アルキレン基、アルケニレン基、n+1価の芳香族基、二価のヘテロ環残基、−CO−、−NR−(Rは炭素原子数が1乃至30のアルキル基または水素原子)、−O−、−S−および−SO2 −からなる群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた連結基であることが好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。芳香族基の炭素原子数は、6乃至10であることが好ましい。式(Rp)のL5 の例を以下に示す。左側が式(III)のX1 、X2 またはX3に結合(X1 、X2 またはX3 が単結合の場合は、1,3,5−トリアジン環に直結)し、右側が(L53〜L59ではn個の)重合性基(P)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基、Hcは二価のヘテロ環残基、ARは芳香族基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基、ヘテロ環残基および芳香族基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子)を有していてもよい。
L52:−AL−O−
L53:−AR(−O−AL−O−CO−)n
L54:−AR(−O−AL−O−)n
L55:−AR(−O−CO−AL−O−CO−)n
L56:−AR(−CO−O−AL−O−CO−)n
L57:−AR(−O−CO−AR−O−AL−O−CO−)n
L58:−AR(−NR−SO2 −AL−O−CO−)n
L59:−AR(−SO2 −NR−AL−O−CO−)n
TR−2:R31、R32、R33:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−3:R31、R32:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2 ;R33:-(CH2)12-CH3
TR−4:R31、R32:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R33:-(CH2)12-CH3
TR−5:R31:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R32、R33:-(CH2)12-CH3
TR−6:R31:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R32、R33:-(CH2)12-CH3
TR−7:R31、R32:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2 ;R33:-(CH2)12-CH3
TR−8:R31:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2 ;R32、R33:-(CH2)12-CH3
TR−9:R31、R32、R33:-(CH2)9-O-EpEt
TR−10:R31、R32、R33:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt
TR−11:R31、R32:-(CH2)9-O-EpEt;R33:-(CH2)12-CH3
TR−12:R31、R32、R33:-(CH2)9-O-CH=CH2
TR−13:R31、R32:-(CH2)9-O-CH=CH2;R33:-(CH2)12-CH3
(註)EpEt:エポキシエチル
TR−15:X1、X2、X3:-O-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−16:X1、X2、X3:-O-;R32、R35、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−17:X1、X2、X3:-O-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−18:X1、X2、X3:-O-;R31、R33、R34、R36、R37、R39:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−19:X1、X2、X3:-O-;R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−20:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−21:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−22:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R37、R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−23:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−24:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R33:-O-(CH2)12-CH3;R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−25:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R32:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
TR−26:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R32、R33:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
TR−28:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R31、R32、R34、R35:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−29:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R32、R35:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−30:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R31、R32、R34、R35:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−31:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R31、R33、R34、R36:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−32:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R31、R32、R33、R34、R35、R36:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−33:X1、X2:-O-;X3:-S-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−34:X1、X2:-O-;X3:-S-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−35:X1、X2:-O-;X3:-S-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R37、R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−36:X1、X2:-O-;X3:-S-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−37:X1:-O-;X2、X3:-S-;R31、R33:-O-(CH2)12-CH3;R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−38:X1:-O-;X2、X3:-S-;R31、R32:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
TR−39:X1:-O-;X2、X3:-S-;R31、R32、R33:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
TR−41:X1、X2、X3:-S-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−42:X1、X2、X3:-S-;R32、R35、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−43:X1、X2、X3:-S-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−44:X1、X2、X3:-S-;R31、R33、R34、R36、R37、R39:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−45:X1、X2、X3:-S-;R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−46:X1、X2:-S-;X3:-NH-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−47:X1、X2:-S-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−48:X1、X2:-S-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R37、R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−49:X1、X2:-S-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−50:X1:-O-;X2:-NH-;X3:-S-;R31、R33:-O-(CH2)12-CH3;R35:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−51:X1:-O-;X2:-NH-;X3:-S-;R31、R32:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R35:-O-(CH2)11-CH3;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−52:X1:-O-;X2:-NH-;X3:-S-;R31、R32、R33:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R35:-O-(CH2)11-CH3;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−54:X1、X2、X3:-O-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)9-O-EpEt
TR−55:X1、X2、X3:-O-;R32、R35、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt
TR−56:X1、X2、X3:-O-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt
TR−57:X1、X2、X3:-O-;R31、R33、R34、R36、R37、R39:-O-(CH2)9-O-EpEt
TR−58:X1、X2、X3:-O-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CH=CH2
TR−59:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-EpEt
TR−60:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-EpEt;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−61:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-EpEt;R37、R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−62:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-EpEt;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−63:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R33:-O-(CH2)12-CH3;R35、R38:-O-(CH2)9-O-EpEt
TR−64:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R32:-O-(CH2)6-O-EpEt;R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
TR−65:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CH=CH2
(註)定義のないR:無置換(水素原子)。EpEt:エポキシエチル
MM−2:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)11-CH3
MM−3:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)15-CH3
MM−4:R44、R54、R64:-O-(CH2)9-CH3
MM−5:R44、R54、R64:-O-(CH2)15-CH3
MM−6:R43、R53、R63:-O-CH3;R44、R54、R64:-O-(CH2)17-CH3
MM−7:R44、R54、R64:-CO-O-(CH2)11-CH3
MM−8:R44、R54、R64:-SO2-NH-(CH2)17-CH3
MM−9:R43、R53、R63:-O-CO-(CH2)15-CH3
MM−10:R42、R52、R62:-O-(CH2)17-CH3
MM−11:R42、R52、R62:-O-CH3;R43、R53、R63:-CO-O-(CH2)11-CH3
MM−12:R42、R52、R62:-Cl;R43、R53、R63:-CO-O-(CH2)11-CH3
MM−13:R42、R52、R62:-O-(CH2)11-CH3;R45、R55、R65:-SO2-NH-iso-C3H7
MM−15:R42、R46、R52、R56、R62、R66:-Cl;R45、R55、R65:-SO2-NH-(CH2)19-CH3
MM−16:R43、R54:-O-(CH2)9-CH3;R44、R53、R63、R64:-O-(CH2)11-CH3
MM−17:R44:-O-(CH2)11-CH3;R54:-O-(CH2)15-CH3;R64:-O-(CH2)17-CH3
MM−18:R42、R45、R52、R55、R62、R65:-O-CH3;R44、R54、R64:-NH-CO-(CH2)14-CH3
MM−19:R42、R45、R52、R55、R62、R65:-O-(CH2)3-CH3;R44、R54、R64:-O-(CH2)15-CH3
MM−20:R42、R52、R62:-NH-SO2-(CH2)15-CH3;R44、R45、R54、R55、R64、R65:-Cl
MM−21:R42、R43、R52、R53、R62、R63:-F;R44、R54、R64:-CO-NH-(CH2)15-CH3;R45、R46、R55、R56、R65、R66:-Cl
MM−22:R42、R52、R62:-Cl;R44、R54、R64:-CH3;R45、R55、R65:-NH-CO-(CH2)12-CH3
MM−23:R42、R52、R62:-OH;R44、R54、R64:-CH3;R45、R55、R65:-O-(CH2)15-CH3
MM−24:R42、R45、R52、R55、R62、R65:-O-CH3;R44、R54、R64:-(CH2)11-CH3
MM−25:R42、R52、R62:-NH-SO2-CH3;R45、R55、R65:-CO-O-(CH2)11-CH3
MM−26:R42、R52、R62:-S-(CH2)11-CH3;R45、R55、R65:-SO2-NH2
MM−28:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)8-O-CO-CH=CH2
MM−29:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-CO-(CH2)7-O-CO-CH=CH2
MM−30:R44、R54、R64:-CO-O-(CH2)12-O-CO-C(CH3)=CH2
MM−31:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-CO-p-Ph-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
MM−32:R42、R44、R52、R54、R62、R64:-NH-SO2-(CH2)8-O-CO-CH=CH2;R45、R55、R65:-Cl
MM−33:R42、R52、R62:-NH-SO2-CH3;R45、R55、R65:-CO-O-(CH2)12-O-CO-CH=CH2
MM−35:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−36:R44、R54、R64:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
MM−37:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
MM−38:R43、R45、R53、R55、R63、R65:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−39:R43、R44、R45、R53、R54、R55、R63、R64、R65:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−40:R44、R54:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R64:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−41:R44、R54:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R64:-O-(CH2)12-CH3
MM−42:R44、R54:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R63、R64:-O-(CH2)12-CH3
MM−43:R44、R54:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R63、R64:-O-CO-(CH2)11-CH3
MM−44:R43、R45:-O-(CH2)12-CH3;R54、R64:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−45:R43、R44:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R54、R64:-O-(CH2)11-CH3
MM−46:R43、R44、R45:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R54、R64:-O-(CH2)11-CH3
(註)定義のないR:無置換(水素原子)。p-Ph:p−フェニレン
MM−48:R45、R55、R65:-SO2-NH-(CH2)17-CH3
MM−49:R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)15-CH3
MM−50:R45、R55、R65:-O-(CH2)17-CH3;R47、R57、R67:-SO2-NH-CH3
MM−51:R43、R53、R63:-O-(CH2)15-CH3
MM−52:R41、R51、R61:-O-(CH2)17-CH3
MM−53:R46、R56、R66:-SO2-NH-Ph;R48、R58、R68:-O-(CH2)11-CH3
MM−54:R45、R55、R65:-O-(CH2)21-CH3;R47、R57、R67:-SO2-NH-Ph
MM−55:R41、R51、R61:-p-Ph-(CH2)11-CH3
MM−56:R46、R48、R56、R58、R66、R68:-SO2-NH-(CH2)7-CH3
MM−57:R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)10-O-CO-CH=CH2;R48、R58、R68:-O-(CH2)12-CH3
MM−58:R45、R55、R65:-O-(CH2)12-O-CO-CH=CH2;R47、R57、R67:-SO2-NH-Ph
MM−59:R43、R53、R63:-O-(CH2)16-O-CO-CH=CH2
(註)定義のないR:無置換(水素原子)。Ph:フェニルp-Ph:p−フェニレン
MM−61:R42、R52、R62:-O-(CH2)17-CH3MM−62:R44、R54、R64:-O-(CH2)15-CH3
MM−63:R45、R55、R65:-SO2-NH-(CH2)15-CH3
MM−64:R43、R53、R63:-CO-NH-(CH2)17-CH3;R44、R54、R64:-OH
MM−65:R45、R55、R65:-O-(CH2)15-CH3;R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)11-CH3
MM−66:R47、R57、R67:-O-(CH2)21-CH3MM−67:R44、R54、R64:-O-p-Ph-(CH2)11-CH3
MM−68:R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)15-CH3
MM−69:R43、R53、R63:-CO-NH-(CH2)17-CH3;R44、R54、R64:-O-(CH2)12-O-CO-CH=CH2
MM−70:R45、R55、R65:-O-(CH2)8-O-CO-CH=CH2;R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)11-CH3
MM−71:R43、R46、R53、R56、R63、R66:-SO2-NH-(CH2)8-0-CO-CH=CH2
(註)定義のないR:無置換(水素原子)。p-Ph:p−フェニレン
MM−73:R41、R43、R45:-C2H5
MM−74:R41、R43:-C2H5;R45:-CH3
MM−75:R41、R43、R45:-(CH2)3-CH3
MM−77:R42、R44、R46:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
MM−78:R42、R44:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2 ;R46:-(CH2)12-CH3
MM−79:R42、R44:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R46:-(CH2)12-CH3
MM−80:R42:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R44、R46:-(CH2)12-CH3
MM−81:R42:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R44、R46:-(CH2)12-CH3
MM−82:R42、R44:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2 ;R46:-(CH2)12-CH3
MM−83:R42:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2 ;R44、R46:-(CH2)12-CH3
MM−84:R42、R44、R46:-(CH2)9-O-EpEt
MM−85:R42、R44、R46:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt
MM−86:R42、R44:-(CH2)9-O-EpEt;R46:-(CH2)12-CH3
MM−87:R42、R44、R46:-(CH2)9-O-CH=CH2
MM−88:R42、R44:-(CH2)9-O-CH=CH2;R46:-(CH2)12-CH3
(註)EpEt:エポキシエチル
MM−90:R41、R43、R45:-CH3;R42、R44、R46:-(CH2)17-CH3
MM−91:R41、R42、R43、R44:-(CH2)7-CH3;R45、R46:-(CH2)5-CH3
MM−92:R41、R42、R43、R44、R45、R46:-CyHx
MM−93:R41、R42、R43、R44、R45、R46:-(CH2)2-O-C2H5
MM−94:R41、R43、R45:-CH 3;R42、R44、R46:-(CH2)12-O-CO-CH=CH2
MM−95:R41、R42、R43、R44、R45、R46:-(CH2)8-O-CO-CH=CH2
(註)CyHx:シクロヘキシル
CO−2:R72:-H;R81、R82:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−3:R72:-H;R82:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−4:R72:-H;R81、R82:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−5:R72:-H;R81、R83:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−6:R72:-H;R81、R82、R83:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−7:R72:-CH3;R82:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−8:R72:-(CH2)11-CH3;R82:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−9:R72:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R82:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−10:R72:-(CH2)9-O-CO-EpEt;R82:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−11:R72:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R81、R83:-O-(CH2)12-CH3
(註)定義のないR:無置換(水素原子)。EpEt:エポキシエチル
CO−13:R82、R83:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
CO−15:R71:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-H
CO−16:R71:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R72:-CH3
CO−17:R71:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-CH3
CO−18:R71:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R72:-Ph
CO−19:R71:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-Ph
CO−20:R71:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−21:R71:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-(CH2)12-CH3
CO−22:R71:-(CH2)9-O-EpEt;R72:-H
CO−23:R71:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt;R72:-H
CO−24:R71、R72:-(CH2)9-O-EpEt
CO−25:R71、R72:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−26:R71、R72:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
(註)Ph:フェニル。EpEt:エポキシエチル
MP−2:R71:-CH3;R73、R75、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)8-CH3
MP−3:R71、R72:-CH3;R73、R75、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)8-CH3
MP−4:R71:-Ph;R73、R75、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)8-CH3
MP−5:R73、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-O-CH3
MP−6:R73、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-OH
MP−7:R73、R76:-CH2-NH-CO-C2H5;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)16-CH3;R75:-CH2-O-CH3
MP−8:R73、R76:-CH2-NH-CO-C2H5;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)16-CH3;R75:-CH2-OH
MP−9:R73、R76:-CH2-O-CO-CH=CH2;R74:-CH2-O-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-O-CH3
MP−10:R73、R76:-CH2-O-CO-CH=CH2;R74:-CH2-O-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-OH
MP−11:R73、R76:-CH2-O-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-O-CH3
MP−12:R73、R76:-CH2-O-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-OH
MP−13:R73、R74、R75、R76:-CH2-O-(CH2)11-O-CO-CH=CH2
MP−14:R73、R75、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-O-(CH2)16-CH3
(註)定義のないR:無置換(水素原子)。Ph:フェニル
本発明の光学異方性層は含フッ素界面活性剤の添加により液晶性化合物を安定かつ均一に配向させることができる。
本発明の含フッ素界面活性剤は、フッ素原子を含む疎水性基、ノニオン性、アニオン性、カチオン性あるいは両性の親水性基および任意に設けられる連結基からなる。一つの疎水性基と一つの親水性基からなる含フッ素界面活性剤は、下記式(II)で表わされる。
式中、Rfは、フッ素原子で置換された一価の炭化水素残基であり;L3 は、単結合または二価の連結基であり;そして、Hyは親水性基である。式(II)のRfは、疎水性基として機能する。炭化水素残基は、アルキル基またはアリール基であることが好ましい。アルキル基の炭素原子数は3乃至30であることが好ましく、アリール基の炭素原子数は6乃至30であることが好ましい。炭化水素残基に含まれる水素原子の一部または全部は、フッ素原子で置換されている。フッ素原子で、炭化水素残基に含まれる水素原子の50%以上を置換することが好ましく、60%以上を置換することがより好ましく、70%以上を置換することがさらに好ましく、80%以上を置換することが最も好ましい。残りの水素原子は、さらに他のハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)で置換されていてもよい。Rfの例を以下に示す。
Rf2:n−C6 F13−
Rf3:Cl−(CF2 −CFCl)3 −CF2 −
Rf4:H−(CF2 )8 −
Rf5:H−(CF2 )10−
Rf6:n−C9 F19−
Rf7:ペンタフルオロフェニル
Rf8:n−C7 F15−
Rf9:Cl−(CF2 −CFCl)2 −CF2 −
Rf10:H−(CF2 )4 −
Rf11:H−(CF2 )6 −
Rf12:Cl−(CF2 )6 −
Rf13:C3 F7 −
L31:−SO2 −NR−
L32:−AL−O−
L33:−CO−NR−
L34:−AR−O−
L35:−SO2 −NR−AL−CO−O−
L36:−CO−O−
L37:−SO2 −NR−AL−O−
L38:−SO2 −NR−AL−
L39:−CO−NR−AL−
L40:−AL1 −O−AL2 −
L41:−Hc−AL−
L42:−SO2 −NR−AL1 −O−AL2 −
L43:−AR−
L44:−O−AR−SO2 −NR−AL−
L45:−O−AR−SO2 −NR−
L46:−O−AR−O−
Hy2:−(CH2 CH2 O)n −R1(nは5乃至30の整数、R1 は炭素原子数が1乃至6のアルキル基)
Hy3:−(CH2 CHOHCH2 )n −H(nは5乃至30の整数)
Hy4:−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属原子または解離状態)
Hy5:−SO3 M(Mは水素原子、アルカリ金属原子または解離状態)
Hy6:−(CH2 CH2 O)n −CH2 CH2 CH2 −SO3 M(nは5乃至30の整数、Mは水素原子またはアルカリ金属原子)
Hy7:−OPO(OH)2Hy8:−N+ (CH3 )3 ・X- (Xはハロゲン原子)
Hy9:−COONH4
FS−2:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=11)
FS−3:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=16)
FS−4:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=21)
FS−5:Rf1−L31(R=C2 H5 )−Hy1(n=6)
FS−6:Rf1−L31(R=C2 H5 )−Hy1(n=11)
FS−7:Rf1−L31(R=C2 H5 )−Hy1(n=16)
FS−8:Rf1−L31(R=C2 H7 )−Hy1(n=21)
FS−9:Rf2−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=6)
FS−10:Rf2−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=11)
FS−11:Rf2−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=16)
FS−12:Rf2−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=21)
FS−13:Rf3−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=5)
FS−14:Rf3−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=10)
FS−15:Rf3−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=15)
FS−16:Rf3−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−17:Rf4−L33(R=C3 H7 )−Hy1(n=7)
FS−18:Rf4−L33(R=C3 H7 )−Hy1(n=13)
FS−19:Rf4−L33(R=C3 H7 )−Hy1(n=19)
FS−20:Rf4−L33(R=C3 H7 )−Hy1(n=25)
FS−22:Rf5−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=15)
FS−23:Rf5−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−24:Rf5−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=30)
FS−25:Rf6−L34(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=11)
FS−26:Rf6−L34(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=17)
FS−27:Rf6−L34(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=23)
FS−28:Rf6−L34(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=29)
FS−29:Rf1−L35(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−30:Rf1−L35(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy1(n=30)
FS−31:Rf1−L35(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy1(n=40)
FS−32:Rf1−L36−Hy1(n=5)
FS−33:Rf1−L36−Hy1(n=10)
FS−34:Rf1−L36−Hy1(n=15)
FS−35:Rf1−L36−Hy1(n=20)
FS−36:Rf7−L36−Hy1(n=8)
FS−37:Rf7−L36−Hy1(n=13)
FS−38:Rf7−L36−Hy1(n=18)
FS−39:Rf7−L36−Hy1(n=25)
FS−41:Rf1−L0−Hy1(n=11)
FS−42:Rf1−L0−Hy1(n=16)
FS−43:Rf1−L0−Hy1(n=21)
FS−44:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy2(n=7、R1 =C2 H5 )
FS−45:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy2(n=13、R1 =C2 H5 )
FS−46:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy2(n=20、R1 =C2 H5 )
FS−47:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy2(n=28、R1 =C2 H5 )
FS−48:Rf8−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=5)
FS−49:Rf8−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=10)
FS−50:Rf8−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=15)
FS−51:Rf8−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−52:Rf1−L37(R=C3 H7 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=5)
FS−53:Rf1−L37(R=C3 H7 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=7)
FS−54:Rf1−L37(R=C3 H7 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=9)
FS−55:Rf1−L37(R=C3 H7 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=12)
FS−56:Rf9−L0−Hy4(M=H)
FS−57:Rf3−L0−Hy4(M=H)
FS−58:Rf1−L38(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy4(M=K)
FS−59:Rf4−L39(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy4(M=Na)
FS−61:Rf10−L40(AL1 =CH2 、AL2 =CH2CH2)−Hy5(M=Na)
FS−62:Rf11−L40(AL1 =CH2 、AL2 =CH2CH2)−Hy5(M=Na)
FS−63:Rf5−L40(AL1 =CH2 、AL2 =CH2CH2)−Hy5(M=Na)
FS−64:Rf1−L38(R=C3H7、AL=CH2CH2CH2 )−Hy5(M=Na)
FS−65:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy6(n=5、M=Na)
FS−66:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy6(n=10、M=Na)
FS−67:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy6(n=15、M=Na)
FS−68:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy6(n=20、M=Na)
FS−69:Rf1−L38(R=C2 H5 、AL=CH2 CH2 )−Hy7
FS−70:Rf1−L38(R=H、AL=CH2CH2CH2 )−Hy8(X=I)
FS−71:Rf11−L41(下記Hc、AL=CH2CH2CH2 )−Hy6(Mは解離)
FS−73:Rf12−L0−Hy5(M=Na)
FS−74:Rf13−L43(AR=o-フェニレン)−Hy6(M=K)
FS−75:Rf13−L43(AR=m-フェニレン)−Hy6(M=K)
FS−76:Rf13−L43(AR=p-フェニレン)−Hy6(M=K)
FS−77:Rf6−L44(R=C2H5、AL=CH2CH2)−Hy5(M=H)
FS−78:Rf6−L45(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=9)
FS−79:Rf6−L45(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=14)
FS−80:Rf6−L45(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=19)
FS−81:Rf6−L45(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=28)
FS−82:Rf6−L46(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=5)
FS−83:Rf6−L46(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=10)
FS−84:Rf6−L46(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=15)
FS−85:Rf6−L46(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=20)
FS−87:n1+n2=18、
FS−88:n1+n2=24
FS−90:n1+n2=30、
FS−91:n1+n2=40
FS−93:n=10、
FS−94:n=15、
FS−95:n=20
配向膜は、光学異方性層に含まれる液晶性化合物の配向方向を決定する機能を有する。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア−ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
延伸セルロースアシレートフィルムの遅相軸と光学異方性層の遅相軸を直交させることにより、延伸セルロースアシレートフィルムのReと光学異方性層のReが相殺され、光学補償シートのReの波長分散を容易に調節できるという効果が得られる。
疎水性基は、炭素原子数が6以上の脂肪族基(好ましくは、アルキル基またはアルケニル基)または芳香族基が好ましい。
配向膜に用いる(変性)ポリビニルアルコールのケン化度は、80%以上であることが好ましい。(変性)ポリビニルアルコールの重合度は、200以上であることが好ましい。
ラビング処理は、配向膜の表面を、紙や布で一定方向に数回こすることにより実施する。長さおよび太さが均一な繊維を均一に植毛した布を用いることが好ましい。
なお、光学異方性層の液晶性化合物を配向膜で配向させた後、配向膜を除去しても、液晶性化合物の配向状態を維持することができる。すなわち、配向膜は液晶性化合物を配向させるため、光学補償シートの製造において必須であるが、製造された光学補償シートにおいては必須ではない。
配向膜を延伸セルロースアシレートフィルムと光学異方性との間に設ける場合は、さらに接着層(下塗り層)を透明支持体と配向膜との間に設けてもよい。
本発明の光学異方性層のRe(546)は20nm以上150nm以下が好ましく、30nm以上120nmがさらに好ましい。Rth(546)は50nm以上200nm以下が好ましく、100nm以上150nm以下が好ましい。
1.0<Re(480)/Re(546)<2.0 (M)
0.5<Re(628)/Re(546)<1.0 (N)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<2.0 (O)
0.5<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (P)
式Nはより好ましくは0.75<Re(628)/Re(546)<0.98である。
式Oはより好ましくは1.02<Rth(480)/Rth(546)<1.50であり、さらに好ましくは1.02<Rth(480)/Rth(546)<1.30である。
式Pはより好ましくは0.65<Rth(628)/Rth(546)<1.0であり、さらに好ましくは0.75<Rth(628)/Rth(546)<1.0である。
本発明の光学補償シートのレターデーションは下記式の関係を満たすことが好ましい。
20nm<Re(546)<150nm (A)
50nm<Rth(546)<400nm (B)
0.5<Re(480)/Re(546)<1 (C)
1.0<Re(628)/Re(546)<2.0 (D)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<1.5 (E)
0.7<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (F)
式(B)は、100nm<Rth(546)<4000nmが好ましく、110nm<Rth(546)<350nmがより好ましく、120nm<Rth(546)<300nmがさらに好ましい。
式(C)は0.6<Re(480)/Re(546)<0.95が好ましく0.7<Re(480)/Re(546)<0.9がさらに好ましい。
式(D)は1.0<Re(628)/Re(546)<1.50が好ましく1.02<Re(628)/Re(546)<1.30がさらに好ましい。
式(E)は1.00<Rth(480)/Rth(546)<1.30が好ましく、1.01<Rth(480)/Rth(546)<1.20がさらに好ましい。
式(F)は0.8<Rth(628)/Rth(546)<1.0が好ましく0.85<Rth(628)/Rth(546)<0.99がさらに好ましい。
次に本発明の光学補償シートを含む偏光板について説明する。
(保護フィルム)
本発明の偏光板は偏光子の両側に1ずつ合計2枚の保護フィルムを有し、少なくとも1枚は本発明の光学補償シートであることが好ましい。
本発明において用いられる他の保護フィルムはノルボルネン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリスルフォン、セルロースアシレートなどから製造された透明ポリマーフィルムであることが好ましく、セルロースアシレートフィルムであることが最も好ましい。
次に本発明の偏光板に用いられる偏光子について説明する。
本発明の偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成することが好ましいが、特開平11−248937号公報に記載されているようにPVAやポリ塩化ビニルを脱水、脱塩素することによりポリエン構造を生成し、これを配向させたポリビニレン系偏光子も使用することができる。
PVAのケン化度は特に限定されないが、溶解性等の観点から80〜100mol%が好ましく、90〜100mol%が特に好ましい。またPVAの重合度は特に限定されないが、1000〜10000が好ましく、1500〜5000が特に好ましい。
PVAのシンジオタクティシティーは特許2978219号に記載されているように耐久性を改良するため55%以上が好ましいが、特許第3317494号に記載されている45〜52.5%も好ましく用いることができる。
PVAフィルムの結晶化度は、特に限定されないが、特許第3251073号に記載されている平均結晶化度(Xc)50〜75質量%や、面内の色相バラツキを低減させるため、特開2002−236214号に記載されている結晶化度38%以下のPVAフィルムを用いることができる。
これ以外にも、C.I.Direct Yellow 8、C.I.Direct Yellow 28、C.I.Direct Yellow 86、C.I.Direct Yellow 87、C.I.Direct Yellow 142、C.I.Direct Orange 26、C.I.Direct Orange 39、C.I.Direct Orange 72、C.I.Direct Orange 106、C.I.Direct Orange 107、C.I.Direct Red 2、C.I.Direct Red 39、C.I.Direct Red 83、C.I.Direct Red 89、C.I.Direct Red 240、C.I.Direct Red 242、C.I.Direct Red 247、C.I.Direct Violet 48、C.I.Direct Violet 51、C.I.Direct Violet 98、C.I.Direct Blue 15、C.I.Direct Blue 67、C.I.Direct Blue 71、C.I.Direct Blue 98、C.I.Direct Blue 168、C.I.Direct Blue 202、C.I.Direct Blue 236、C.I.Direct Blue 249、C.I.Direct Blue 270、C.I.Direct Green 59、C.I.Direct Green 85、C.I.Direct Brown 44、C.I.Direct Brown 106、C.I.Direct Brown 195、C.I.Direct Brown 210、C.I.Direct Brown 223、C.I.Direct Brown 224、C.I.Direct Black 1、C.I.Direct Black 17、C.I.Direct Black 19、C.I.Direct Black 54等が、さらに特開昭62−70802号、特開平1−161202号、特開平1−172906号、特開平1−172907号、特開平1−183602号、特開平1−248105号、特開平1−265205号、特開平7−261024号、の各公報記載の二色性染料等も好ましく使用することができる。各種の色相を有する二色性分子を製造するため、これらの二色性染料は2種以上を配合してもかまわない。二色性染料を用いる場合、特開2002−082222号公報に記載されているように吸着厚みが4μm以上であってもよい。
偏光子の好ましい膜厚としては、5μm〜40μmが好ましく、さらに好ましくは10μm〜30μmである。偏光子の厚さと後述する保護フィルムの厚さの比を、特開2002−174727号に記載されている0.01≦A(偏光子膜厚)/B(保護フィルム膜厚)≦0.16範囲とすることも好ましい。
保護フィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸の交差角は、任意の値でよいが、平行もしくは45±20゜の方位角であることが好ましい。
次に、本発明の偏光板の製造工程について説明する。
本発明における偏光板の製造工程は、膨潤工程、染色工程、硬膜工程、延伸工程、乾燥工程、保護フィルム貼り合わせ工程、貼り合わせ後乾燥工程から構成されることが好ましい。染色工程、硬膜工程、延伸工程の順序を任意に変えること、また、いくつかの工程を組み合わせて同時に行っても構わない。また、特許第3331615号に記載されているように、硬膜工程の後に水洗することも好ましく行うことができる。
また、膨潤工程の温度、時間は、任意に定めることができるが、10℃以上60℃以下、5秒以上2000秒以下が好ましい。
染色工程は、特開2002−86554号公報に記載の方法を用いることができる。また、染色方法としては浸漬だけでなく、ヨウ素あるいは染料溶液の塗布あるいは噴霧等、任意の手段が可能である。また、特開2002−290025号公報に記載されているように、ヨウ素の濃度、染色浴温度、浴中の延伸倍率、および浴中の浴液を攪拌させながら染色させる方法を用いてもよい。
また、特許第3145747号に記載されているように、染色液にホウ酸、ホウ砂等のホウ素系化合物を添加しても良い。
貼り合わせ後乾燥条件は、特開2002−86554号公報に記載の方法に従うが、好ましい温度範囲は30℃〜100℃であり、好ましい乾燥時間は30秒〜60分である。また、特開平07−325220号公報に記載されているように温湿度管理をした雰囲気でエージングすることも好ましい。
(1)透過率および偏光度
本発明の偏光板の好ましい単板透過率は42.5%以上49.5%以下であるが、さらに好ましくは42.8%以上49.0%以下である。式4で定義される偏光度の好ましい範囲は99.900%以上99.999%以下であり、さらに好ましくは99.940%以上99.995%以下である。平行透過率の好ましい範囲は36%以上42%以下であり、直交透過率の好ましい範囲は、0.001%以上0.05%以下である。次に示す式5で定義される二色性比の好ましい範囲は48以上、1215以下であるが、さらに好ましくは53以上525以下である。
y(λ):XYZ系における等色関数
τ(λ):分光透過率
平行透過率は、特開2001−083328号公報や特開2002−022950号公報に記載されているように波長依存性が小さくてもよい。偏光板をクロスニコルに配置した場合の光学特性は、特開2001−091736号公報に記載されている範囲であってもよく、平行透過率と直交透過率の関係は、特開2002−174728号公報に記載されている範囲内であってもよい。
偏光板の波長440nmにおける平行透過率と直交透過率、平行透過率、波長550nmにおける平行透過率と直交透過率、波長610nmにおける平行透過率と直交透過率が、特開2002−258042号公報や特開2002−258043号公報に記載された範囲とすることも好ましく行うことができる。
本発明の偏光板の色相は、CIE均等知覚空間として推奨されているL*a*b*表色系における明度指数L*およびクロマティクネス指数a*とb*を用いて好ましく評価される。
L*、a*、b*の定義は、例えば、東京電機大学出版局刊、色彩光学等に記載されている。
偏光板をクロスニコルに配置して波長550nmの光を入射させる場合の、垂直光を入射させた場合と、偏光軸に対して45度の方位から法線に対し40度の角度で入射させた場合の、透過率比やxy色度差を特開2001−166135号や特開2001−166137号公報に記載された範囲とすることも好ましい。また、特開平10−068817号公報に記載されているように、クロスニコル配置した偏光板積層体の垂直方向の光透過率(T0)と、積層体の法線から60°傾斜方向の光透過率(T60)との比(T60/T0)を10000以下としたり、特開2002−139625号公報に記載されているように、偏光板に法線から仰角80度までの任意な角度で自然光を入射させた場合に、その透過スペクトルの520〜640nmの波長範囲において波長域20nm以内における透過光の透過率差を6%以下としたり、特開平08−248201号公報に記載されている、フィルム上の任意の1cm離れた場所における透過光の輝度差が30%以内とすることも好ましい。
(4−1)湿熱耐久性
60℃、95%RHの雰囲気に500時間放置した場合のその前後における光透過率および偏光度の変化率が絶対値に基づいて3%以下であることが好ましい。特に光透過率の変化率は2%以下、また、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1.0%以下であることが好ましい。また、特開平07−077608号公報に記載されているように80℃、90%RH、500時間放置後の偏光度が95%以上、単体透過率が38%以上であることも好ましい。
80℃、ドライ雰囲気下に500時間放置した場合のその前後における光透過率および偏光度の変化率も絶対値に基づいて3%以下であることが好ましい。特に、光透過率の変化率は2%以下、また、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1.0%以下、更には0.1%以下であることが好ましい。
さらに、特開平06−167611号公報に記載されているように80℃で2時間放置した後の収縮率を0.5%以下としたり、ガラス板の両面にクロスニコル配置した偏光板積層体を69℃の雰囲気中で750時間放置した後のx値およびy値を特開平10−068818号に記載されている範囲内としたり、80℃、90%RHの雰囲気中で200時間放置処理後のラマン分光法による105cm−1および157cm−1のスペクトル強度比の変化を、特開平08−094834号や特開平09−197127号公報に記載された範囲とすることも好ましく行うことができる。
PVAの配向度は高い程良好な偏光性能が得られるが、偏光ラマン散乱や偏光FT−IR等の手段によって算出されるオーダーパラメーター値として0.2〜1.0が好ましい範囲である。また、特開昭59−133509号公報に記載されているように、偏光子の全非晶領域の高分子セグメントの配向係数と占領分子の配向係数(0.75以上)との差を少なくとも0.15としたり、特開平04−204907号公報に記載されているように偏光子の非晶領域の配向係数を0.65〜0.85としたり、I3 −やI5 ―の高次ヨウ素イオンの配向度を、オーダーパラメーター値として0.8〜1.0とすることも好ましく行うことができる。
特開2002−006133号公報に記載されているように、80℃30分加熱したときの単位幅あたりの吸収軸方向の収縮力を4.0N/cm以下としたり、特開2002−236213号公報に記載されているように、偏光板を70℃の加熱条件下に120時間置いた場合に、偏光板の吸収軸方向の寸法変化率および偏光軸方向の寸法変化率を、共に±0.6%以内としたり、偏光板の水分率を特開2002−090546号公報に記載されているように3質量%以下とすることも好ましく行うことができる。さらに、特開2000−249832号公報に記載されているように延伸軸に垂直な方向の表面粗さを中心線平均粗さに基づいて0.04μm以下としたり、特開平10−268294号に記載されているように透過軸方向の屈折率n0を1.6より大きくしたり、偏光板の厚みと保護フィルムの厚みの関係を特開平10−111411号公報に記載された範囲とすることも好ましく行うことができる。
本発明の偏光板は、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板として好ましく使用される。
本発明の偏光板は反射防止フィルムと組み合わせて使用することができる。反射防止フィルムは、フッ素系ポリマー等の低屈折率素材を単層付与しただけの反射率1.5%程度のフィルム、もしくは薄膜の多層干渉を利用した反射率1%以下のフィルムのいずれも使用できる。本発明では、透明支持体上に低屈折率層、および低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、高屈折率層、中屈折率層)を積層した構成が好ましく使用される。また、日東技報, vol.38, No.1, may, 2000, 26頁〜28頁や特開2002−301783号などに記載された反射防止フィルムも好ましく使用できる。
各層の屈折率は以下の関係を満足する。
反射防止フィルムに用いる透明支持体は、前述の偏光子の保護フィルムに使用する透明ポリマーフィルムを好ましく使用することができる。
含シリコーン化合物はポリシロキサン構造を有する化合物が好ましいが、反応性シリコーン(例、サイラプレーン(チッソ(株)製)や両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報)等を使用することもできる。シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化させてもよい(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報、特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)。
低屈折率層には、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物、特開平11−3820公報の段落番号[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有させることも好ましく行うことができる。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
このような超微粒子は、粒子表面を表面処理剤で処理したり(シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造としたり(特開2001−166104等)、特定の分散剤併用する(例、特開平11−153703号公報、特許番号US6210858B1、特開2002−2776069号公報等)等の態様で使用することができる。
高屈折率層の屈折率は、1.70〜2.20であることが好ましい。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
本発明の偏光板は、輝度向上フィルムと組み合わせて使用することができる。輝度向上フィルムは、円偏光もしくは直線偏光の分離機能を有しており、偏光板とバックライトの間に配置され、一方の円偏光もしくは直線偏光をバックライト側に後方反射もしくは後方散乱する。バックライト部からの再反射光は、部分的に偏光状態を変化させ、輝度向上フィルムおよび偏光板に再入射する際、部分的に透過するため、この過程を繰り返すことにより光利用率が向上し、正面輝度が1.4倍程度に向上する。輝度向上フィルムとしては異方性反射方式および異方性散乱方式が知られており、いずれも本発明の偏光板と組み合わせることができる。
本発明の偏光板は、さらに、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層、ガスバリア層、滑り層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けた機能性光学フィルムと組み合わせて使用することも好ましい。また、これらの機能層は、前述の反射防止フィルムにおける反射防止層、あるいは光学異方性層等と同一層内で相互に複合して使用することも好ましい。これらの機能層は、偏光子側および偏光子と反対面(より空気側の面)のどちらか片面、もしくは両面に設けて使用できる。
本発明の偏光板は耐擦傷性等の力学的強度を付与するため、ハードコート層を透明支持体の表面に設けた機能性光学フィルムと組み合わせることが好ましく行われる。ハードコート層を、前述の反射防止フィルムに適用して用いる場合は、特に、透明支持体と高屈折率層の間に設けることが好ましい。
ハードコート層は、光および/または熱による硬化性化合物の架橋反応、または、重合反応により形成されることが好ましい。硬化性官能基としては、光重合性官能基が好ましく、又加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、WO0/46617号公報等記載のものを好ましく使用することができる。
ハードコート層の膜厚は、0.2〜100μmであることが好ましい。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。又、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
また、市販化合物としては、EB−600、EB−40、EB−140、EB−1150、EB−1290K、IRR214、EB−2220、TMPTA、TMPTMA(以上、ダイセル・ユーシービー(株)製)、UV−6300、UV−1700B(以上、日本合成化学工業(株)製)等が挙げられる。
前方散乱層は、本発明の偏光板を液晶表示装置に適用した際の、上下左右方向の視野角特性(色相と輝度分布)改良するために使用される。本発明では、屈折率の異なる微粒子をバインダー分散した構成が好ましく、例えば、前方散乱係数を特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子の相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報等の構成を使用することができる。また、本発明の偏光板をヘイズの視野角特性を制御するため、住友化学の技術レポート「光機能性フィルム」31頁〜39頁に記載された「ルミスティ」と組み合わせて使用することも好ましく行うことができる。
アンチグレア(防眩)層は、反射光を散乱させ映り込みを防止するために使用される。アンチグレア機能は、液晶表示装置の最表面(表示側)に凹凸を形成することにより得られる。アンチグレア機能を有する光学フィルムのヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
フィルム表面に凹凸を形成する方法は、例えば、微粒子を添加して膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号公報等)、比較的大きな粒子(粒径0.05〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成する方法(例えば、特開2000−281410号公報、同2000−95893号公報、同2001−100004号公報、同2001−281407号公報等)、フィルム表面に物理的に凹凸形状を転写する方法(例えば、エンボス加工方法として、特開昭63−278839号公報、特開平11−183710号公報、特開2000−275401号公報等記載)等を好ましく使用することができる。
次に本発明の光学補償シートを含む偏光板が好ましく用いられる液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置はVAモードであることが好ましい。
VAモードでは上下基板間に誘電異方性が負で、Δn=0.0813、Δε=−4.6程度の液晶をラビング配向により、液晶分子の配向方向を示すダイレクタ、いわゆるチルト角を、約89°で作成する。液晶層7の厚さdは3.5μmに設定してある。ここで厚さdと屈折率異方性Δnの積Δndの大きさにより白表示時の明るさが変化する。このため最大の明るさを得るために0.2から0.5μmの範囲になるように設定する。
またVAモードの液晶表示装置では、TNモードの液晶表示装置で一般的に使われているカイラル剤の添加は、動的応答特性の劣化させるため用いることは少ないが、配向不良を低減するために添加されることもある。
[マルチドメイン]
例えばVA方式では液晶分子が電界印加により、一つの画素内で異なる複数の領域に傾斜することで視角特性が平均化される。一画素内で配向を分割するには、電極にスリットを設けたり、突起を設け、電界方向を変えたり電界密度に偏りを持たせる。全方向で均等な視野角を得るにはこの分割数を多くすればよいが、4分割、あるいは8分割以上することでほぼ均等な視野角が得られる。特に8分割時は偏光板吸収軸を任意の角度に設定できるので好ましい。
モル吸光係数はレターデーション発現剤をメチレンクロライドに溶解し、(株)島津製作所製分光光度計UV3400により測定した。
また、本実施例では特に断りのない限り、「部」および「%」は質量基準である。
<光学補償シートA−1の作製>
(偏光板保護フィルムA−1の作製)
[セルロースアシレート溶液の調製]
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。
セルロースアシレート(CA−1) 100.0質量部
アセチル化度1.75、ベンゾイル化度0.65
ベンゾイル基の6位置換比率0.90
可塑剤:トリフェニルホスフェート(吸収極大の波長は280nmより短波長)
6.0質量部
可塑剤:ビフェニルホスフェート(吸収極大の波長は280nmより短波長)
3.0質量部
メチレンクロリド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
下記の組成物を分散機に投入し、撹拌して各成分を溶解し、マット剤溶液を調製した。
平均粒径20nmのシリカ粒子 2.0質量部
“AEROSIL R972”日本アエロジル(株)製
メチレンクロリド(第1溶媒) 75.0質量部
メタノール(第2溶媒) 12.7質量部
セルロースアシレート溶液 10.3質量部
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら撹拌して、各成分を溶解し、レターデーション発現剤溶液を調製した。
レターデーション発現剤(41)(吸収極大の波長は250nmより短波長)
20.0質量部
メチレンクロリド(第1溶媒) 58.4質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
セルロースアシレート溶液 12.8質量部
また、Re(480)/Re(546)は1.01、Re(628)/Re(546)は0.99、Rth(480)/Rth(546)は1.01、Rth(628)/Rth(546)は1.00であった。
作製した延伸セルロースアシレートフィルム(CAF1)上に、下記組成の液を5.2mL/m2塗布し、60℃で10秒間乾燥させた。フィルムの表面を流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることでフィルム表面を乾燥させた。
イソプロピルアルコール 818質量部
水 167質量部
プロピレングリコール 187質量部
日本エマルジョン(株)製“EMALEX” 10質量部
水酸化カリウム 67質量部
鹸化処理した延伸セルロースアシレートフィルム(CAF1)の片方の面に、下記の組成の塗布液を、#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2 塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
次に、鹸化処理した延伸セルロースアシレートフィルム(CAF1)の延伸方向(遅相軸とほぼ一致)と90゜の方向に、形成した膜に対してラビング処理を実施した。
下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
配向膜上に、下記組成の塗布液を、#4のワイヤーバーコーターで15.4ml/m2塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、100℃の恒温槽中で2分間加熱し、液晶性化合物を配向させた。次に、90℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し液晶性化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。
光学異方性層塗布液組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
棒状液晶性化合物I−6(吸収極大の波長は280nmより長波長) 100質量部
架橋性基含有ポリマー(1) 0.7重量部
フッ素系ポリマー
(大日本インク(株)製メガファック F-780-F) 0.5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 2.9質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
メチルエチルケトン 253質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<光学補償シートA−2の作製>
実施例1で作製した配向膜上に下記組成の塗布液を、#3.6のワイヤーバーコーターで13.9ml/m2塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、120℃の恒温槽中で2分間加熱し、液晶性化合物を配向させた。次に、90℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し液晶性化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。
光学異方性層塗布液組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
棒状液晶性化合物(A)(吸収極大の波長は280nmより長波長) 100質量部
架橋性基含有ポリマー(1) 0.7重量部
フッ素系ポリマー
(大日本インク(株)製メガファック F-780-F) 0.5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 2.9質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
メチルエチルケトン 253質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層の、Re(480)/Re(546)は1.11、Re(628)/Re(546)は0.91であった。Rth(480)/Rth(546)は1.11、Rth(628)/Rth(546)は0.91であった。
<光学補償シートB−1の作製>
(セルロースアシレートフィルムB−1の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液B−1を調製した。
アセチル化度1.6、プロピオニル化度1.0のセルロースアシレート 100.0質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 8.0質量部
エチルフタリルエチルグリコレート(可塑剤) 1.5質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 348.0質量部
エタノール(第2溶媒) 100.0質量部
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液を調製した。
平均粒径20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.0質量部
エタノール(第2溶媒) 12.7質量部
セルロースアシレート溶液B−1 10.3質量部
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、レターデーション発現剤溶液を調製した。
レターデーション発現剤(A) 10.0質量部
レターデーション発現剤(B) 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.2質量部
エタノール(第2溶媒) 11.2質量部
延伸セルロースアシレートフィルムB−1を、2.3 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05 mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、比較例の光学補償シートB−1を作製した。
<光学補償シートB−2の作製>
(セルロースアシレートフィルムB−2の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液B−2を調製した。
アセチル化度1.9、プロピオニル化度0.8のセルロースアシレート
100.0質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 9.0質量部
エチルフタリルエチルグリコレート(可塑剤) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 348.0質量部
エタノール(第2溶媒) 100.0質量部
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液を調製した。
平均粒径20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.0質量部
エタノール(第2溶媒) 12.7質量部
セルロースアシレート溶液B−2 10.3質量部
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液を調製した。
紫外線吸収剤(C) 10.0質量部
紫外線吸収剤(D) 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.2質量部
エタノール(第2溶媒) 11.2質量部
延伸セルロースアシレートフィルムB−2をそれぞれ、2.3 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05 mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、比較例の光学補償シートB−2を作製した
[比較例3]
<光学補償シートB−3の作製>
(延伸高分子フィルム3の作製)
厚さ80μmの延伸ポリカーボネートフィルムを下記液晶層塗布の支持体に用いた。
液晶材料(A)を75質量部、イルガキュアIrg184(Chiba Speciality Chemicals製)を1質量部、トルエン25質量部を混合して、さらにカイラル剤(B)10質量部加えて重合性液晶塗布液を調製した。
調製した上記塗布液を、スピンコーティング法を用いて延伸高分子フィルム3上に塗布した。続いて、重合性液晶塗布液を塗布したフィルムをホットプレート上で110℃、6分間加熱し、残存溶剤を除去し、ツイスト配向した液晶構造を発現させた。
(光学特性の測定)
自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)製)を用いて25℃60%RHで光学補償シートA−1〜A−2およびB−1、B−2のReおよびRthを測定した。測定波長は480nm、546nm、628nmとした。結果を表1に示す。
(光学補償シートの鹸化処理)
光学補償シートA−1およびA−2を、2.3 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05 mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
<偏光板の作製>
(偏光板保護フィルムの鹸化処理)
市販のセルロースアシレートフィルム(富士タックTD80)を1.5 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で1分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05 mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
重合度1700、厚さ39μmのポリビニルアルコールフィルムを、30度の温水浴にて膨潤した後、ヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液からなる30℃の染色浴にて約4倍に延伸した。次いで、ホウ酸とヨウ化カリウムの入った50℃の架橋浴にて総延伸倍率が5.5倍になるように延伸し、架橋した。これを、35℃のヨウ化カリウム水溶液中に10秒間浸漬して色相の調整を行った。さらに水洗、乾燥して、厚さ18μmの偏光子を得た。この偏光子の水分率は14%であった。また波長900nmにおける複屈折率(Δn)は0.0482、透過率は43%、偏光度は99.9%であった。
偏光度(%)=√{(H0−H90)/(H0+H90)}×100
ポリエステル系ウレタン(三井武田ケミカル社製,タケラックXW−74−C154)10部およびイソシアネート系架橋剤(三井武田ケミカル社製,タケネートWD−725)1部を、水に溶解し、固形分を20%に調整した溶液を調製した。これを接着剤として用いた。
上記偏光子の両面に、上記接着剤溶液を塗布した後、実施例3で鹸化処理した光学補償シートA−1と上記で作製した鹸化処理済みの富士タックTD80とを偏光子を挟み込むように貼り合わせ、40℃のオーブンで72時間乾燥キュアして、偏光板A−1を作製した。光学補償シートA−1については光学異方性層が空気側となるように貼り合せた。
上記偏光子の両面に、上記接着剤溶液を塗布した後、実施例3で鹸化処理した光学補償シートA−2と上記で作製した鹸化処理済みの富士タックTD80とを偏光子を挟み込むように貼り合わせ、40℃のオーブンで72時間乾燥キュアして、偏光板A−2を作製した。光学補償シートA−2については光学異方性層が空気側となるように貼り合せた。
(偏光板B−1の作製)
上記偏光子の両面に、上記接着剤溶液を塗布した後、比較例1で作製した光学補償シートB−1と上記で作製した鹸化処理済みの富士タックTD80とを偏光子を挟み込むように貼り合わせ、40℃のオーブンで72時間乾燥キュアして、偏光板B−1を作製した。
(偏光板B−2の作製)
上記偏光子の両面に、上記接着剤溶液を塗布した後、比較例2で作製した光学補償シートB−2と上記で作製した鹸化処理済みの富士タックTD80とを偏光子を挟み込むように貼り合わせ、40℃のオーブンで72時間乾燥キュアして、偏光板B−2を作製した。
(光学補償シートB-3の表面処理)
光学補償シート(B−3)のポリカーボネートフィルム側を12W・分/m2の条件で春日電機(株)製コロナ放電して親水性を付与した。
実施例4と同様にして、光学補償シートB−3と上記で作製した鹸化処理済みの富士タックTD80とを偏光子を挟み込むように貼り合わせ、40℃のオーブンで72時間乾燥キュアして、偏光板B−3を作製した。なお、光学補償シートB−3はポリカーボネート側が偏光子と接するように貼り合せた。
(偏光板の耐久性試験)
実施例4および比較例5で作製した偏光板(A−1)および(B−3)を20cm×20cmに切り出し、60℃90%RHで500時間経時させた後の偏光子と保護フィルム間界面の密着性を確認したところ、本発明の偏光板(A−1)は良好な密着性を保持していたのに対して、比較例の偏光板(B−3)は正方形の四隅で偏光子とポリカーボネート界面で剥離が発生していた。
図2の液晶表示装置を作製した。即ち、観察者方向(上)から上側偏光板、VAモード液晶セル(上基板、液晶層、下基板)、下側偏光板(光学補償シート、偏光子、保護フィルム)を積層し、さらにバックライト光源を配置した。以下の例では、上側偏光板に市販品の偏光板(HLC2−5618)を用いて、下側偏光板に本発明の偏光板を使用している。
液晶セルは、基板間のセルギャップを3.8μmとし、負の誘電率異方性を有する液晶材料(「MLC6608」、メルク社製)を基板間に滴下注入して封入し、基板間に液晶層を形成して作製した。液晶層のレターデーション(即ち、記液晶層の厚さd(μm)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)を300nmとした。なお、液晶材料は垂直配向するように配向させた。
さらに偏光板(A−2)についても上記と同様にして液晶表示装置(A−2)を作製した。
偏光板(B−1)および(B−2)についても実施例6と同様にして液晶表示装置(B−1)および(B-2)を作製した。
実施例6および比較例6で作製した液晶表示装置(A−1)、(B−1)及び(B−2)について極角60°において、方位角0°と方位角80°との色味変化をELDIM社製Ezcontrastにより測定し、xy色度図上での色味変化の絶対値Δx,Δyを求めた。結果を表2に示す。
2 上側偏光板吸収軸の方向
5 液晶セル上電極基板
6 上基板の配向制御方向
7 液晶層
8 液晶セル下電極基板
9 下基板の配向制御方向
10 液晶表示装置
12 下側偏光板
13 下側偏光板吸収軸の方向
Claims (10)
- 延伸セルロースアシレートフィルム上に少なくとも1つの液晶性化合物を含有する光学異方性層を有し、かつレターデーションが下記(A)〜(F)の関係を満たすことを特徴とする光学補償シート。
20nm<Re(546)<150nm (A)
50nm<Rth(546)<400nm (B)
0.5<Re(480)/Re(546)<1 (C)
1.0<Re(628)/Re(546)<2.0 (D)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<1.5 (E)
0.7<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (F)
[式中、Re(λ)は波長λnmにおける正面レターデーション、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーションである。] - 前記延伸セルロースアシレートフィルムの遅相軸と前記光学異方性層の遅相軸が直交していることを特徴とする請求項1に記載の光学補償シート。
- 前記延伸セルロースアシレートフィルムのレターデーションが、下記式(I)〜(L)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の光学補償シート。
0.90<Re(480)/Re(546)<1.10 (I)
0.90<Re(628)/Re(546)<1.10 (J)
0.90<Rth(480)/Rth(546)<1.10 (K)
0.90<Rth(628)/Rth(546)<1.10 (L) - 前記光学異方性層のレターデーションが、下記式(M)〜(P)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学補償シート。
1.0<Re(480)/Re(546)<2.0 (M)
0.5<Re(628)/Re(546)<1.0 (N)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<2.0 (O)
0.5<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (P) - 前記延伸セルロースアシレートフィルムが、置換度2.00以上2.90以下のセルロースアシレートを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学補償シート。
- 前記延伸セルロースアシレートフィルムが、幅方向に1%以上200%以下の倍率で延伸されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学補償シート。
- 前記光学異方性層中の液晶性化合物の吸収極大が、前記延伸セルロースアシレートフィルム中に添加されるレターデーション発現剤の吸収極大よりも長波長である請求項1〜6の光学補償シート。
- 偏光子およびその両側に配置された2枚の保護フィルムを有し、少なくとも1枚の保護フィルムが請求項1〜7のいずれかに記載の光学補償シートを含むことを特徴とする偏光板。
- 液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板を有し、少なくとも1つの偏光板が請求項8に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
- 前記液晶セルがVAモードであることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示装置。
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