JP2010079288A - 光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 - Google Patents

光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光板の広視野角化の達成に寄与する新規な光学補償フィルム、並びに広視野角特性を示す、新規な偏光板及び液晶表示装置の提供。
【解決手段】光吸収層と、位相差層とを有する光学補償フィルムであって、前記光吸収層が、可視光域の波長λnmの光に対する層面(x−y面)内において吸収異方性を示し、層面内の吸収係数kx(λ)及びky(λ)(但し、ky<kx)並びに光吸収層の厚みd(nm)が、22nm<(kx(λ)−ky(λ))×d<430nmを満足し、且つ前記光吸収層の面内吸収軸と前記位相差層の面内遅相軸とが直交していることを特徴とする光学補償フィルム;該光学補償フィルムを有する偏光板;及び該偏光板を有する液晶表示装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板の広視野角化に寄与する新規な光学補償フィルム、並びにそれを有する広視野角特性の偏光板及び液晶表示装置に関する。
透過型液晶表示装置には、通常、一対の偏光板が用いられ、互いの偏光軸を直交にして配置されている。しかし、2つの偏光板をそれらの偏光軸の交差角を直交にして重ねても、斜めから入射した光に対しては直交からずれてしまう。このことが、液晶表示装置の黒状態における斜め方向の光漏れの一因となっている。従って、視野角特性に優れた液晶表示装置の提供のためには、偏光板の視野角依存性を解決することが重要である。従来、広視野角偏光板としては、偏光子と所定の光学特性を示す位相差層とを組み合わせることが種々提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
特開平4−305602号公報 特開2001−350022号公報
ところで、上記特許文献1及び2に記載の解決手段では、理想的な広視野角偏光板を提供するためには、Nz値が0.5程度の位相差層を利用する必要がある。しかし、Nz値が0.5程度を、ポリマーフィルム等で達成するのは簡単ではない。例えば、原料についての制約、煩雑な製造工程や製造条件の厳密な管理の必要性が生じるであろう。
従って、本発明は、Nz値が0.5程度の位相差層を使用しなくても、偏光板の広視野角化を達成し得る、新規な手段を提供することを課題とする。
また、本発明は、偏光板の広視野角化に寄与する新規な光学補償フィルム、並びに広視野角特性を示す、新規な偏光板及び液晶表示装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 光吸収層と位相差層とを有する光学補償フィルムであって、
前記光吸収層が、可視光域の波長λnmの光に対する層面(x−y面)内において吸収異方性を示すとともに、その偏光度Pが0.986以下であり、及び
前記光吸収層の面内吸収軸と前記位相差層の面内遅相軸とが直交している
ことを特徴とする光学補償フィルム。
[2] 前記光吸収層の層面内の吸収係数kx(λ)及びky(λ)(但し、ky(λ)<kx(λ))並びに光吸収層の厚みd(nm)が、22nm≦(kx(λ)−ky(λ))×d≦215nmを満足することを[1]の光学補償フィルム。
[3] 前記光吸収層の層面内の吸収係数kx(λ)及びky(λ)(但し、ky(λ)<kx(λ))並びに光吸収層の厚みd(nm)が、65nm≦(kx(λ)−ky(λ))×d≦215nmを満足することを特徴とする[1]〜[5]のいずれかの光学補償フィルム。
[4] 前記位相差層のNzが、0.5<Nz<2を満足し、前記位相差層の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が、206〜344nmであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかの光学補償フィルム:
但し、Nzは、位相差層の波長550nmの面内レターデーションRe(550)及び厚み方向レターデーションRth(550)により、Nz=Rth(550)/Re(550)+0.5と定義される。
[5] 前記位相差層の可視光域の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)が、Re(450)<Re(550)<Re(630)を満足することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの光学補償フィルム。
[6] 前記光吸収層が、少なくとも、棒状液晶及び二色性色素を含有する組成物からなる層である[1]〜[5]のいずれかの光学補償フィルム。
[7] 少なくとも、偏光子と、[1]〜[6]のいずれかの光学補償フィルムとを有し、前記偏光子の吸収軸と、前記光学補償フィルムが有する光吸収層の面内吸収軸とが平行であることを特徴とする偏光板。
[8] [7]の偏光板の少なくとも一枚を有することを特徴とする液晶表示装置。
[9] IPSモードであることを特徴とする[8]の液晶表示装置。
本発明によれば、Nz値が0.5程度の位相差層を使用しなくても、偏光板の広視野角化を達成することができる。
また、本発明によれば、偏光板の広視野角化に寄与する新規な光学補償フィルム、並びに広視野角特性を示す、新規な偏光板及び液晶表示装置を提供することができる。
(a)本発明の光学補償フィルムを偏光子の広視野角化に利用した一態様の断面概略図、及び(b)該態様の光学補償作用を説明するのに用いたポアンカレ球の概略図である。 (a)本発明の光学補償フィルムを偏光子の広視野角化に利用した他の態様の断面概略図、及び(b)該態様の光学補償作用を説明するのに用いたポアンカレ球の概略図である。 本発明の光学補償フィルムの他の態様の光学補償作用を説明するために用いたポアンカレ球の概略図である。 (a)本発明の光学補償フィルムを有するIPSモード液晶表示装置の一態様の断面概略図、及び(b)該態様に斜め方向に入射した光の偏光状態の軌跡を説明するのに用いたポアンカレ球の概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、Re(λ)及びRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション(nm)及び厚さ方向のレターデーション(nm)を表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(商品名、王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRにおいて算出される。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRにおいて算出される。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の数式(1)及び数式(2)によりRthを算出することもできる。
Figure 2010079288
Figure 2010079288
式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの膜厚を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、又は測定値をプログラム等で変換して測定するができる。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRにより算出される。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRにおいてnx、ny、nzが算出される。この算出されたnx、ny、nzによりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
また、本明細書において、「可視光領域」とは、380nm〜780nmのことをいい、測定波長を特に付記しない場合は、波長550nmにおける測定値であるとする。また、本明細書において、光学特性等を示す数値及び数値範囲については、液晶表示装置やそれに用いられる部材について一般的に許容される誤差を含む数値又は数値範囲であると解釈されるものとする。光学的な軸(偏光子の偏光軸や光学異方性層の遅相軸等の関係(「平行」及び「直交」等)やその軸間の角度についても同様である。
ここで、極角と方位角について定義する。極角はフィルム面の法線方向、z軸からの傾き角であり、例えば、フィルム面の法線方向は、極角=0度の方向である。方位角は、フィルム面内に存在するx軸の正の方向を基準に反時計回りに回転した方位を表しており、例えばx軸の正の方向は方位角=0度の方向であり、同じくフィルム面内に存在するy軸の正の方向は方位角=90度の方向である。通常、直交した一対の偏光板の片側の吸収軸方向を方位角0度、もう片側の吸収軸方位を90度にしたとき、黒の光漏れが観察される斜め方向とは、極角が0度ではない場合で、且つ方位角=45度、135度、225度、315度の場合を主に指す。なお、本明細書において、方位角0度方位は、特に付記しない限り、バックライト側の偏光板の吸収軸の方位とする。
1. 光学補償フィルム
本発明は、光吸収層と位相差層とを有する光学補償フィルムに関する。前記光吸収層は、可視光域の波長λnmの光に対して、面内吸収異方性があり、具体的には、層面(x−y面)内の吸収係数kx(λ)及びky(λ)が、ky(λ)<kx(λ)を満足する。一方、前記位相差層は、少なくとも面内遅相軸を有する位相差層である。前記光吸収層及び前記位相差層は、前記光吸収層の面内吸収軸、即ち、吸収係数kx(λ)を与えるx軸と、前記位相差層の面内遅相軸とを直交にして積層されている。
なお、本発明の光学補償フィルムは、前記光吸収層及び位相差層以外の層、例えば、光吸収層の形成に利用される配向膜等を有していてもよい。また前記位相差層及び光吸収層は、複数の層からなっていてもよい。
本発明の光学補償フィルムの一態様は、前記位相差層のNzが、0.5<Nz<2を満足する光学補償フィルムである。ここで、Nzは、位相差層の波長550nmの面内レターデーションRe(550)及び厚み方向レターデーションRth(550)により、Nz=Rth(550)/Re(550)+0.5と定義される。本態様の光学補償フィルムは、互いの吸収軸を直交にして配置されている一対の偏光子の視野角依存性を解消する作用がある。この作用について、図1を用いて説明する。図1(a)に示す通り、本態様では、吸収軸16aを互いに直交にして配置されている一対の偏光子16の一方が、本発明の光学補償フィルム10(光吸収層12及び位相差層14からなる光学補償フィルム10)によって広視野角化されていて、当該偏光子16は、その吸収軸16aを、位相差層14の面内遅相軸14aと直交にして、且つ光吸収層12の面内吸収軸12aと平行にして積層されている。図1(b)は、偏光子16→位相差層14→光吸収層12を通過する光の偏光状態を記述する三次元マップで、球の赤道上は楕円率が0の直線偏光の偏光状態を表している。入射光の方位角および極角はそれぞれ45度、60度であり、ポアンカレ球を、S2軸の正の方向から見た概略図である。図1(b)は、位相差層14が、Nz=1、即ち、光学的一軸性の位相差層であり、Re(550)=270nmの例である。
図1(b)中、点Aは、斜め方向から偏光子16に入射し通過した光が、直線偏光となった、その偏光状態を示していて、偏光状態点Aの直線偏光が、位相差層14及び光吸収層12を通過することにより、S1軸上の消光点(偏光子16の吸収軸16aと、その吸収軸16aを直交にして配置されている他方の偏光子16の消光点)である、偏光状態点Cに変換されれば、一対の偏光子の視野角依存性が解消され、斜め方向に生じる光漏れは軽減される。
図1(b)に示す通り、Nz=1の位相差層14を通過することによって、点Aの偏光状態は、一旦、消光点Cよりもさらに点Aから離れたS1軸上の点Bまで遷移する。その後、入射光は光吸収層12を通過するが、光吸収層12の面内吸収軸12aと、偏光子16の吸収軸16aとは平行であるので、光吸収層12を通過することにより、偏光状態は、S1軸上を点Bから点Aに向かって遷移し、消光点Cに達する。例えば、従来、点Aの偏光状態を、直接消光点Cに遷移するためには、Nz=0.5程度の位相差層を通過させる必要があった。しかし、Nz=0.5程度の位相差層は、上記した通り、ポリマーフィルム等で達成するのは容易ではない。本態様では、Nz=1という、比較的製造が容易な位相差層14を通過させ、さらに光吸収層12を通過させることにより、点Bを経由して、消光点Cまで偏光状態を遷移させることを可能としている。
図1(b)では、Nz=1、即ち光学的に一軸性であり、及びRe(550)=270nmの位相差層14により、点Aを点Bに遷移させているが、本発明の効果は、かかる光学特性を満足する位相差層を利用した態様によってのみ得られるのではない。より具体的には、本発明の効果は、斜め入射光を、位相差層を通過させることにより、その偏光状態を点Aと消光点CのS1上の延長点(図1(b)では点B)まで遷移させること(第1の遷移)、次に、光吸収層を通過させることにより、当該延長点(図1(b)では点B)から点Aの途中に位置する消光点Cに遷移させること(第2の遷移)、この2つの遷移により、偏光子の視野角依存性を解消するものである。第1の遷移によって到達する延長点は、位相差層のNzに依存し、及び第2の遷移によって到達する点は、光吸収層のΔk(λ)(=kx(λ)−ky(λ))×dに依存するので、消光点Cに達するように、位相差層及び光吸収層の各特性を調整すれば、いずれの態様でも、図1に示す態様と同様の効果が得られる。第1の遷移により、点Aからみて点Cよりも離れた点にまで到達させるためには、位相差層は、Nz>0.5で、且つ面内遅相軸が偏光子の吸収軸と直交しているか;又はNz<0.5で、且つ面内遅相軸が偏光子の吸収軸と平行になっていればよく、必ずしもNz=1である必要はない。一方、光吸収層についても、面内吸収異方性、即ちΔk(λ)(=kx(λ)―ky(λ))>0であり、且つその面内吸収軸(即ちx軸)が、偏光子の吸収軸と平行になっていれば、点BからS1軸に沿って点A方向に遷移させることできる。延長点から消光点Cまでの遷移を可能にするΔk(λ)×dの値は、延長点の位置、即ち位相差層のNz、及び入射光が通過する光吸収層の数などに応じて変動するので、それらの変動因子を考慮して、第2の遷移により消光点Cに達するよう、光吸収層のΔk(λ)を決定することができる。
図2に、一対の偏光子の双方が、本発明の光学補償フィルムによって、広視野角化されている態様について、図1と同様に、ポアンカレ球を用いて説明する。
図2(a)に示す通り、本態様では、一対の直線偏光の双方が、本発明の光学補償フィルム10’によって広視野角化されていて、入射光は、偏光子16→位相差層14→光吸収層12’→光吸収層12’→位相差層14の順に通過する。位相差層14は、図1と同様、Re(550)=270nmで、且つNz=1の光学的に一軸性の位相差層である。
図2(b)中、点Aは、斜め方向から偏光子16に入射し通過した光が、直線偏光となった、その偏光状態を示していて、偏光状態点Aの直線偏光が、位相差層14及び光吸収層12’を通過し、再び光吸収層12’及び位相差層14を通過することにより、S1軸上の消光点(偏光子16の吸収軸16aと、その吸収軸16aを直交にして配置されている他方の偏光子16の消光点)である、偏光状態点Cに変換されれば、一対の偏光子の視野角依存性は解消され、斜め方向に生じる光漏れは軽減される。
図2(b)に示す通り、Nz=1の位相差層14を通過することによって、点Aの偏光状態は、一旦、消光点Cよりもさらに点Aから離れたS1軸上の偏光状態点B1まで遷移する。その後、入射光は光吸収層12’を通過するが、光吸収層12’の面内吸収軸12aと、偏光子16の吸収軸16aとは平行であるので、光吸収層12’を通過することにより、偏光状態は、S1軸上を、点Bから点Aに向かって遷移し、消光点Cを越え、点B2に達する。その後、光吸収層12’を通過することにより、偏光状態が点AのS1軸上の延長点である点B3に達すれば、位相差層14を通過することによって、消光点Cまで遷移させることができる。図2(b)の態様では、光吸収層による遷移によって、偏光状態を、消光点Cを超え、点Aとの間の点(図2(b)中では点B2)まで遷移させ、さらに、再度、光吸収層による遷移によって、偏光状態を、点B2から点AのS1軸上の延長点である点B3まで遷移させる必要がある。光吸収層による偏光状態の遷移の程度は、光吸収層のΔk(λ)に依存するので、従って、図2(b)の態様に利用される光吸収層12’には、図1(b)の態様に利用される光吸収層12よりも、Δk(λ)×dについて大きな値が要求される。
上記いずれの態様においても、位相差層の面内レターデーションReの波長分散は、可視光域において、波長が長波長になる程大きくなるという、いわゆる逆分散性を示すことが好ましい。即ち、Re(450)<Re(550)<Re(630)を満足するのが好ましい。その理由は、位相差層のReが逆波長分散性であると、可視光域の中心波長550nm程度で、光学特性を最適化すれば、可視光全域にわたって、最適化される傾向があるからである。理想的には、位相差層のRe(λ)を、波長λで割った値が一定になることであり、この態様では、上記のポアンカレ球上での遷移は、可視光域において、波長によらず同様であり、斜め方向に生じるカラーシフトの問題も解決される。
同様に、図3に、Nz<0.5の例として、Nz=0であり、Re(550)=270nmである位相差フィルムと偏光子との組合わせであり、位相差層の面内遅相軸が偏光子の吸収軸と平行になっている態様について、斜め入射光の偏光状態の軌跡をポアンカレ球上に示す。図3に示す通り、Nz<0.5の位相差層を利用する態様でも、Nz>0.5の位相差層を利用する態様と同様の効果があることが理解できる。
次に、本発明の光学補償フィルムの各部材の好ましい特性、及び製造方法について説明する。
1.−1 光吸収層
本発明の光学補償フィルムは、可視光域の波長λnmの光に対する層面(x−y面)内において吸収異方性を示す光吸収層を有する。即ち、層面内の吸収係数kx(λ)及びky(λ)が、ky<kxを満足する。ここで、吸収係数kは消衰係数(attenuation index)ともよばれ、物質中でどれくらいの光のエネルギーが吸収されるかに関係した値である。一般には、複素屈折率の実数成分nがいわゆる屈折率であり、虚数成分kが吸収係数である。なお、本発明で述べられているkは、いわゆるattenuation coefficient αとは別の物性値である。attenuation indexとattenuation coefficientについては、例えばMax Born and Emil Wolf著 "Principles of Optics, 7th(expanded) edition"の4.11.2 "Beam propagation in an absorbing mediun"の218〜219頁に詳細な記載がある。吸収係数の差Δk(λ)(=kx(λ)−ky(λ))は、Axometrics社のAxoscanを用いて計測することができる。
上記した通り、光吸収層のΔk(λ)(=ky(λ)−ky(λ))×dの好ましい範囲は、組合せられる位相差層のNz値、光が通過する光吸収層の数などに応じて異なる。本発明者が鋭意検討したところ、光吸収層が22nm<Δk(550)×d<430nmを満足すると、いずれの態様においても、本発明の光学補償フィルムを利用することにより、偏光子の視野角依存性をある程度軽減することができることを見出した。また、図1(a)に示す態様、即ち一対の偏光子のうち片方の偏光子のみが、本発明の光学補償フィルムで補償されている態様では、22nm≦Δk(550)×d≦215nmを満足することが好ましく、43nm≦Δk(550)×d≦172nmを満足するのがより好ましい。また、図2(b)に示す態様、即ち一対の偏光子の双方が、本発明の光学補償フィルムで補償されている態様では、65nm≦Δk(550)×d≦215nmを満足することが好ましく、86nm≦Δk(550)×d≦172nmを満足するのがより好ましい。なお、Δk(550)×dが215nmより大きくなると白輝度の透過率が不十分になる場合があり好ましくないため、215nmにすることが好ましい。
光吸収層は、一般的な偏光子と同様に、面内吸収異方性を示すが、一般の偏光子のΔk(550)×dは、260〜505程度である。これは偏光度に換算すると、0.995〜0.99998に対応する。これに対して、前記光吸収層のΔk(550)×dは22〜215nm程度、すなわち偏光度Pに換算すると0.246〜0.986程度であり、偏光度Pが小さいという性質がある。前記光吸収層の厚みが、1μm〜100μm程度になることを考慮すると、Δk(550)は、2.2×10-4〜0.215程度であるのが好ましい。また前記光吸収層の偏光度Pは、0.241〜0.986であるのが好ましく、0.456〜0.962であるのがより好ましい。
前記光吸収層は、一般的な吸収型偏光子の作製方法と同様に製造することができる。例えば、一般的な偏光子は、ポリビニルアルコールフィルム等のポリマーフィルムに、ヨウ素又は二色性染料を吸着させて、その後又は同時に延伸することにより製造することができるが、吸着量や延伸倍率を調整することで、前記特性を満足し、前記光吸収層として利用可能なポリビニルアルコールフィルム等のポリマーフィルムを作製することができる。
また、前記光吸収層は、塗布により形成することができる。例えば、液晶と色素とを含有する塗布液を表面に塗布して、液晶分子を配向させると、色素の分子もその長軸を液晶分子の長軸に一致させて配向する。その状態を硬化することにより、面内吸収異方性を有する光吸収層が得られる。液晶は低分子化合物であっても、該低分子化合物の残基を側鎖に有する高分子化合物であってもよい。低分子化合物を利用する場合は、硬化可能なように、重合性基を有する低分子液晶化合物を用いるか、及び/又は塗布液中に、重合性モノマー、架橋剤等の硬化成分を添加しておくことが好ましい。
前記光吸収層の形成に利用可能な液晶については特に制限はない。棒状液晶または棒状液晶の残基を側鎖に有する高分子液晶から選択するのが好ましい。例えば、サーモトロピックな液晶でネマチック相やスメクチック相を示す液晶、イオン性の液晶やリオトロピック液晶、クロモニック液晶等を使用できる。使用可能な棒状液晶化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が含まれる。また、金属錯体、液晶ポリマー等、棒状液晶の残基を一部に含む材料を用いることもできる。なお、棒状液晶化合物については、季刊化学総説第22巻「液晶の化学(1994)日本化学会編」の第4章、第7章、及び第11章、「ハンドブック オブ リキッドクリスタルズ」2A巻、2B巻、及び3巻、及び液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
本発明に使用する液晶が低分子化合物である場合は、その配向状態を固定するために、該化合物は、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、不飽和重合性基又はエポキシ基が好ましく、不飽和重合性基が更に好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。以下に、本発明に利用可能な不飽和重合性基を有する液晶化合物の例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010079288
Figure 2010079288
上記方法には、分子の長軸方向と短軸方向とで吸収特性が異なる二色性色素を用いるのが好ましい。また二色性色素が二色性を発現する状態で集合していれば結晶状態、会合状態、もしくは顔料状態であっても使用できる。集合体の大きさは、長径が5nm〜1μmであることが好ましく、10nm〜400nmであることがより好ましく、20nm〜100nmであることが最も好ましい。使用する色素の発色団については特に制限はない。具体的には、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素、フェノキサジン色素などが挙げられる。好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素、フェノキサジン色素であり、特に好ましくはアントラキノン色素、フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)等を利用することができる。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族基(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかにも複素環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)の置換基としては、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。
以下に、本発明に利用可能色素の例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010079288
Figure 2010079288
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1.−2 位相差層
本発明の光学補償フィルムは、少なくとも面内遅相軸を有する位相差層を有する。位相差層は、光学的に一軸性であっても二軸性であってもよい。また単層のみならず、複数の層からなっていてもよい。本発明の特徴の一つは、Nzが0.5以外、即ち、Nzが0.5を超えるか、0.5未満の位相差層を利用して、偏光子の視野角依存性を補償することである。特に、Nzが0.5を超える光学特性は、種々の延伸フィルムなどによって達成されているので、入手が容易であり、図1及び図2に示す態様に好ましく利用される。
また、前記位相差層は、上記した通り、その面内レターデーションReが可視光域において、いわゆる逆波長分散性を示すのが好ましい。位相差層が逆波長分散性を示すと、黒状態における斜め方向に生じる光漏れを軽減できるのみならず、カラーシフトも軽減できるので好ましい。具体的には、前記位相差層は、Re(450)<Re(550)<Re(630)であるのが好ましく、それぞれのReをその波長で割った値が等しい、即ち、Re(450)/450=Re(550)/550=Re(630)/630が理想的である。
前記位相差層の面内レターデーションがλ/2程度であると、図1(b)及び図2(b)に示す通り、偏光子を通過した光の直線偏光態、即ち図1(b)及び図2(b)中S1軸上の点Aの偏光状態を、S1軸上の他の点(それぞれの図において点B及び点B1)に遷移させることができるので好ましい。より具体的には、前記位相差層のRe(550)は、206〜344nmであるのが好ましく、240〜309nmであるのがより好ましい。
前記位相差層の一例は、ポリマーフィルムである。前記位相差層がポリマーフィルムであると、前記光吸収層を塗布により形成する場合に、支持体として利用できる。種々のポリマーフィルム、例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー等が挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、及びエポキシ系ポリマー等から選択される1種又は2種以上のポリマーを含有するポリマーフィルムを利用することができる。
前記位相差層として、Nz=1の光学的に一軸性のポリマーフィルムを用いることができる。Nz=1の光学的に一軸性のポリマーフィルムとしては、市販されているポリカーボネートフィルム(帝人社製、商品名ピュアエースWR)がある。製造方法としては、公知の溶融押し出し法、溶液キャスト法等が多く用いられる。また、フィルムの膜厚むら、外観等の観点から、溶液キャスト法がより好ましく用いられる。具体的には、高分子材料としてポリカーボネートを用いた場合、該ポリカーボネートをメチレンクロライド、ジオキソラン等の有機溶剤に溶解し、溶液キャスト法を用いて未延伸フィルムを形成させる。形成された未延伸フィルムを下記方法により延伸し、所望の位相差を有するポジティブAプレート型の位相差フィルムを得る。またその延伸方法としては、ロール速度差を利用するロール縦1軸延伸方法、フィルム幅方向をピンあるいはクリップにより把持し、把持した部分いわゆるテンターのフィルム流れ方向速度差を利用するテンター縦1軸延伸方法、テンターを幅方向に広げるテンター横1軸延伸法等の連続延伸方法が挙げられるが、フィルム特性の均一性等の観点からロール縦1軸延伸法がより好ましく用いられる。
また、前記位相差層として、液晶性組成物からなる光学異方性層を用いることもできる。前記液晶性組成物として棒状液晶性分子を含むことが好ましい。ここで、棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。なお、棒状液晶性分子には、金属錯体も含まれる。棒状液晶性分子については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994年)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。棒状液晶性分子の複屈折率は、0.001〜0.7であることが好ましい。棒状液晶性分子は、短軸方向に対してほぼ対称となる分子構造を有することが好ましい。そのためには、棒状分子構造の両端に重合性基を有することが好ましい。
1.−3 光学補償フィルムの製造方法
本発明の光学補償フィルムの製造方法の一例は、以下の通りである。まず、前記位相差層としての特性を満足するポリマーフィルムを用意し、該フィルムの表面上に、液晶と二色性色素とを含有する塗布液を塗布して、所望により加熱し、乾燥によって溶媒を除去するとともに、液晶分子を配向させるとともに、二色性色素の分子もそれに付随して配向させる。温度を低下させて固体相に転移させて硬化させ、または所望により重合反応を進行させて硬化させ、硬化層を形成する。該硬化層中には水平配向状態に固定された二色性色素分子が存在しているので、面内吸収異方性があり、前記光吸収層として機能する。前記塗布液の調製に用いる二色性色素の種類、濃度、前記塗布液の塗布量などによって、該層のΔk(λ)×dを所望の値にすることができる。
配向膜の表面に前記塗布液を塗布すると、液晶分子及び色素分子を所望の配向状態とすることができ、安定的に所望の特性を示す光吸収層を形成できるので好ましい。前記方法では水平配向膜を利用するのが好ましく、ラビング処理面を有する配向膜を利用するのが好ましい。利用可能な配向膜は、液晶セルや光学補償フィルムの作製に利用される、ポリイミド系及びポリビニルアルコール系の配向膜等を利用することができる。ラビング方向は、位相差層の面内遅相軸と直交する方向に行うことができる。
また、前記光吸収層として、一般的な吸収型偏光子を利用することができる。例えば、バインダーと、ヨウ素又は二色性色素からなる偏光膜などを利用することができる。但し、前記光吸収層は、その偏光度が、通常用いられる吸収型偏光子の偏光度と比較して小さいので、偏光性能がより弱く発現するように、製造条件等を調整する。上記吸収型偏光子は、ヨウ素又は二色性色素の分子が、バインダー中で配向することで偏光性能を発現する。より具体的には、ヨウ素及び二色性色素の分子は、バインダー分子に沿って配向するか、もしくは二色性色素が液晶のような自己組織化により一方向に配向し、それによって偏光性能を発現する。現在、市販の吸収型偏光子は、延伸したポリマーフィルムを、浴槽中でヨウ素もしくは二色性色素の溶液に浸漬し、バインダー中にヨウ素もしくは二色性色素を浸透させることで作製されるのが一般的である。例えば、この方法を利用して、さらに、前記ポリマーフィルムの延伸条件、前記溶液中のヨウ素又は二色性色素の濃度、浸透条件等を調整し、前記光吸収層に求められる特性を示す吸収型偏光子を作製し、本発明に前記光吸収層として利用することができる。
2. 偏光板
本発明の偏光板は、偏光子と、本発明の光学補償フィルムとを少なくとも有する。本発明の偏光板は、前記光学補償フィルムによって視野角依存性が解消されているので、広視野角特性を示す。本発明の偏光板では、前記偏光子と前記光学補償フィルムとを、偏光子の吸収軸と、前記光学補償フィルムが有する光吸収層の面内吸収軸とを平行にして積層する。この関係で貼り合せることで、図1(b)及び図2(b)に示す通り、前記光吸収層を通過させることにより、S1軸上の任意の点の偏光状態を、点Aに向かってS1軸上に遷移可能となる。
本発明の偏光板の一例は、保護フィルムと、偏光子と、本発明の光学補償フィルムとを有する偏光板であって、前記光学補償フィルムが、ポリマーフィルムからなる前記位相差層を有し、該ポリマーフィルムが、前記偏光子の保護フィルムとしても利用されている態様である。
前記偏光子として、一般的な吸収型偏光子を利用することができる。例えば、バインダーと、ヨウ素又は二色性色素からなる偏光膜などを利用することができる。直線偏光膜におけるヨウ素及び二色性色素は、バインダー中で配向することで偏光性能を発現する。ヨウ素及び二色性色素は、バインダー分子に沿って配向するか、もしくは二色性色素が液晶のような自己組織化により一方向に配向することが好ましい。現在、市販の偏光子は、延伸したポリマーを、浴槽中のヨウ素もしくは二色性色素の溶液に浸漬し、バインダー中にヨウ素もしくは二色性色素を浸透させることで作製されるのが一般的であり、この様にして作製された偏光膜を、前記偏光子として利用することができる。
前記偏光子の裏面(本発明の光学補償フィルムが貼合されていない側の面)には、前記偏光子を保護する保護フィルムが貼合されているのが好ましい。該、保護フィルムについては特に制限はなく、従来偏光子の保護フィルムに利用されている種々のポリマー材料からなるフィルムを利用することができ、該ポリマー材料の例は、前記位相差層に利用される上記ポリマー材料の例と同様である。
3. 液晶表示装置
本発明は、少なくとも一枚の本発明の偏光板を有する液晶表示装置にも関する。本発明の偏光板は、上記した通り、広視野角特性を示すので、本発明の偏光板を利用することにより、従来、偏光板の視野角依存性に起因して生じていた、黒状態において生じる斜め方向の光漏れを軽減することができる。本発明の偏光板は、種々のモードの液晶表示装置に利用することができ、具体的には、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)等の種々の表示モードの液晶表示装置に利用することができる。
中でも、本発明の偏光板をIPSモード及びその一種であるFFS(Fringe Field Switching)モード液晶表示装置に利用することによって、優れた効果が得られる。図4に、IPSモード液晶表示装置に本発明の偏光板を表示面側の偏光板として利用した態様について、この態様の液晶表示装置に、斜めから入射した光の偏光状態の軌跡をポアンカレ球上に示す。本態様は、図4(a)に示す通り、一対の偏光子16と、その間にIPSモード液晶セルLCが配置されていて、表示面側偏光子16は、本発明の光学補償フィルム10と一体化され、広視野角化されている。なお、表示面側の偏光子16は、外側にも保護フィルムを有するのが一般的であるが、図4(a)では省略した。また、バックライト側の偏光子16も両面に保護フィルムを有する偏光板として液晶表示装置に利用されるのが一般的であるが、図4(a)では保護フィルムは省略した。
図4(a)中、バックライト側偏光子16の吸収軸16aと、液晶セルLCの黒状態の面内遅相軸aは平行であり、及び表示面側偏光子16の吸収軸16aと、液晶セルLCの黒状態の面内遅相軸aは直交になっている。この配置にすることで、IPS型液晶セルL

C、すなわち水平配向液晶層の複屈折の影響を受けずに、光学補償フィルム10によって、偏光軸の補償を行うことができる。
図4(b)の点Aは、黒状態において、斜め方向から入射した光がバックライト側偏光子16を通過し、さらに黒状態にあるIPSモード液晶セルLCを通過した後の偏光状態である。入射光の偏光状態は、その後、光吸収層12を通過することで、S1上の点Aの延長上の点Bに遷移し、さらに位相差層14を通過することで、表示面側偏光子16の消光点である点Cに遷移する。即ち、黒状態に斜め方向に生じる光の偏光状態を消光点Cに遷移することができるので、漏れ光を軽減することができる。図4(b)の遷移を可能にする、光吸収層12のΔk(550)×dは22〜415nmであり、及び位相差層14は、0.5<Nz<2であり、且つRe(550)が206〜344nmである。なお、図4(b)は、光吸収層がΔk(550)×d=65nmを満足し、位相差層14が、Nz=1且つRe(550)=270nmを満足する態様について示している。
なお、図4では、表示面側偏光板に、本発明の偏光板を利用した態様を示したが、バックライト側偏光板に本発明の偏光板を利用しても、同様の効果が得られる。また、IPSモードの一種であるFFSモードも、黒状態における液晶配向状態が、IPSモードと同様なので、本発明の偏光板を利用することで、同様の効果を得ることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1:本発明の光学補償フィルムの作製]
<位相差フィルムの作製>
延伸処理が施された、厚みが77μmの変性ポリカーボネートフィルム(帝人社製、商品名:ピュアエースWR)を2枚準備し、互いの面内遅相軸を平行にして、接着剤により貼り合わせて、位相差フィルムを作製した。この位相差フィルムは、屈折率楕円体がnx>ny=nzの関係を満足し、且つ異常光と常光との光路差である位相差値が短波長ほど小さくなる波長分散特性、即ち面内レターデーションReは、逆波長分散性を示した。リタデーションRe(550)は270nmであり、及びNz=1であり、Re(450)/Re(550)=0.82であり、Re(630)/Re(550)=1.05であった。
<光吸収層の形成>
ガラス基板を洗浄乾燥し、これに市販のポリイミド配向膜(SE−130,日産化学社製)をワイヤーバーで塗布後、250℃で一時間加熱したのち、放冷し室温でラビング処理を行った。次に、下記の液晶化合物(1)と、その100質量部に対して表1に示す質量部の色素1〜5とを、クロロホルムに溶解して塗布液をそれぞれ調製した。各塗布液を、前記配向膜の表面に、ワイヤーバーでそれぞれ塗布した。これを180℃の恒温槽中で1分加熱し、次いで徐々に室温まで冷却して光吸収層をそれぞれ形成した。
このようにして形成した各光吸収層を、偏光顕微鏡で観察したところ、いずれも分子が基板に対して水平に均一に配向していることが確認できた。
次に、このガラス基板上の各光吸収層を、接着層を介して、上記で作製した位相差フィルムに転写し、光学補償フィルムをそれぞれ製作した。なお、各光吸収層は、その吸収軸が位相差フィルムの延伸軸すなわち遅相軸に直交する方向になるように転写した。
Figure 2010079288
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Figure 2010079288
Figure 2010079288
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以上の通りに、種々の面内吸収異方性を示す光吸収層を有する光学補償フィルムをそれぞれ作製した。なお、光吸収層の面内吸収異方性の計測には、Axometrics社のAxoscanを用いた。以下に得られた光学補償フィルムのΔk×dの特性を示す。
Figure 2010079288
[実施例2:本発明の広視野角偏光板の作製と評価]
<偏光子の作製>
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させ、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光子を作製した。吸収異方性の計測にはAxometrics社のAxoscanを用いた。偏光子の面内吸収異方性Δk×d=486nmであり、及び偏光度は99.997であった。
<偏光板の作製>
上記で作製した光学補償フィルム(a)〜(g)のそれぞれを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記作製した偏光子(ポリビニルアルコールフィルム)の片側表面に貼り付けた。具体的には、位相差フィルムの裏面(光吸収層が形成されていない側の面)を、偏光子の表面に接着剤により貼り付け、及び偏光子の吸収軸と光吸収層の面内吸収軸とを平行にして貼り付けた。
次に、市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の他方の表面に保護膜として貼り付けた。
このようにして、光学補償フィルム(a)〜(g)をそれぞれ有する、広視野角偏光板(a)〜(g)を作製した。
また、比較例として、光学補償フィルムの代わりに、市販のセルローストリアセテートフィルム(Z−タック、富士フイルム(株)製)を偏光子に貼り付けた比較例用偏光板を作製した。なお、市販のセルローストリアセテートフィルムの面内遅相軸を偏光子の吸収軸に平行にして貼り付けた。なお、市販のセルローストリアセテートフィルムのRe=0.3nm、Rth=3nmであり、Re、Rthとも0に近い値であった。
<評価1>
広視野角偏光板(a)〜(g)それぞれ2枚準備し、クロスニコルに配置して光の透過状態を調べ、黒状態での視角特性を評価した。即ち、図2(a)に示す通りに配置して、黒状態での視角特性を評価した。比較例には、上記で作製した比較例用偏光板を2枚利用した。測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いた。
Figure 2010079288
上記結果から、本発明の広視野角偏光板(a)〜(g)を一対の偏光板として利用する態様では、Δkdが65〜215nmで比較例より斜め方向黒透過率が小さくなっていて、光吸収層のΔkdが129nm付近で、斜め方向黒透過率が最も小さくなっていることが理解できる。
<評価2>
広視野角偏光板(a)〜(g)それぞれ1枚準備し、各偏光板と、従来型偏光板(ここでは、上記で作製した比較例用偏光板を用いた)とを、クロスニコルに配置して光の透過状態を調べ、黒状態での視角特性を評価した。即ち、図1(a)に示す通りに配置して、黒状態での視角特性を評価した。測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いた。なお、比較例には、上記で作製した比較例用偏光板を2枚利用した。
Figure 2010079288
上記結果から、本発明の広視野角偏光板(a)〜(g)を一方の偏光板として利用する態様では、光吸収層のΔkdが22〜215nmで比較例より黒透過率が小さくなっており、光吸収層のΔkdが65nm付近で黒透過率が最も小さくなっていることが理解できる。
[実施例3:IPSモード液晶表示装置の作製と評価]
<IPSモード液晶表示装置の作製>
2枚のガラス基板の間に液晶層を注入し、基板の間隔(ギャップ;d)が3.4μmのIPSモード液晶セルを作製した。液晶層のΔnは0.08765とし、液晶層のd・Δnの値は298nmとした。なお、二枚のガラス基板のラビング方向が平行となるように設定した。さらに、表示面側偏光板として本発明の広視角偏光板(a)〜(g)のそれぞれ、バックライト側偏光板として比較例用偏光板を貼り合せて、IPSモード液晶表示装置を作製した。具体的には、バックライト側偏光板の吸収軸と液晶層の黒状態の面内遅相軸を平行にし、表示面側偏光板の吸収軸と液晶層の黒状態の面内遅相軸を直交にした。即ち、図4(a)に示す構成のIPSモード液晶表示装置をそれぞれ作製した。
<評価1>
光の透過状態を調べることで黒状態での視角特性を評価した。測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いた。なお、比較例には、上記で作製した比較例用偏光板を2枚利用した。
Figure 2010079288
上記結果から、本発明の広視野角偏光板(a)〜(g)を一方の偏光板として利用したIPSモード液晶表示装置では、光吸収層のΔkdが22〜215nmで比較例より黒透過率が小さくなっており、光吸収層のΔkdが65nm付近で黒透過率が最も小さくなっていることが理解できる。
<評価2>
さらに、評価1において最も斜め方向黒透過率が小さかった広視角偏光板(c)を、市販のIPS液晶パネルに用いて、評価した。具体的には、IPS型液晶セルを使用した市販の液晶表示装置(東芝(株)製、26C1000、26インチサイズ)に設けられている偏光板を剥がし、液晶セルを取り出し、液晶セルの表示面側(上側)に広視角偏光板(c)を、バックライト側(下側)に従来型偏光板(比較例用偏光板)を、アクリル系の粘着剤を用いて貼り合せた。このとき、バックライト側偏光板の吸収軸と、液晶層の黒状態の面内遅相軸とを平行にし、表示面側偏光板の吸収軸と液晶層の黒状態の面内遅相軸とを直交にして貼り合せた。
比較例として、従来型偏光板(比較例用偏光板)を液晶セルの表示面側(上側)とバックライト側(下側)両方に貼り合わせものを用いた。
このようにして作製した液晶パネルを元通りに組み立て直して液晶表示装置を作製し、観察した。その結果、方位角45度方向で極角を倒していくと、一対の従来型偏光板を利用したIPSモード液晶表示装置では、光漏れが発生するのに対し、本発明の広視野角偏光板(c)と従来型偏光板との組み合わせを利用したIPSモード液晶表示装置では、ごくわずかな光漏れしか観測されず、本発明の効果が確認できた。
[実施例4]
<セルロースアシレートフィルム(位相差フィルム)(h)の作製>
高分子量可塑剤AA−1(エタンジオール/アジピン酸=1/1モル比との縮合物(数平均分子量1000)を含む下記の組成のセルロースアシレート溶液Aを、30℃に加温し、流延ギーサーを通して直径3mのドラムである鏡面ステンレス支持体上に流延した。支持体の表面温度は−5℃に設定し、塗布幅は200cmとした。流延部全体の空間温度は、15℃に設定した。
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セルロースアシレート溶液Aの組成
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・平均置換度2.94のセルロースアセテート 100.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 475.9質量部
・メタノール(第2溶媒) 113.0質量部
・ブタノール (第3溶媒) 5.9質量部
・平均粒子サイズ16nmのシリカ粒子 0.13質量部
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
・高分子量可塑剤(前記AA−1) 15.0質量部
・波長分散調整剤(下記化合物BB−1) 6.0質量部
・クエン酸エステル 0.01質量部
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そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたセルロースアシレートフィルム(ウェブ)を、残留溶媒量270%でドラムから剥離し、ピンテンターによって搬送し、フィルム搬送方向に50%延伸した(第一延伸工程)。
なお、第一延伸工程におけるフィルムの延伸倍率(%)は、ドラム速度とテンター搬送速度の比より求めた。また、延伸温度(ウェブの膜面温度)が−5℃となるようにドラムの温度を冷媒によって制御することで調節した。
その後、連続的に乾燥(結晶化処理)工程として乾燥温度(フィルム膜面温度)が80℃となるように乾燥ゾーンで乾燥を行った。さらにフィルムを140℃で20分乾燥した。
こうして、幅1400mm、および膜厚120μmのセルロースアシレートフィルムを得て、巻取り機により巻き取った。
得られたセルロースアシレートフィルムのRe=270nm、Nz=1であった。また、Reの波長分散は順波長分散であり、Re(450)/Re(550)=1.2であり、Re(630)/Re(550)=0.95であった。このセルロースアシレートフィルムを位相差フィルム(h)として用いた。
<セルロースアシレートフィルム(位相差フィルム)(i)〜(s)の作製>
位相差フィルム(h)の作製において、セルロースアシレート溶液Aにさらに下記レターデーション調整剤BB−1を5.5%質量部添加し、さらに、延伸倍率及びフィルム膜厚を下記表に示す通りに変更して、セルロースアシレートフィルムをそれぞれ作製した。なお、フィルム膜厚は、延伸ギーサーのダイスリット間隔を調整して制御した。得られた各セルロースアシレートフィルム(位相差フィルム(i)〜(s))のNz及びReの特性を、下記表に示す。
Figure 2010079288
Figure 2010079288
なお、上記表中のフィルムは全て、Reの波長分散は逆波長分散であり、Re(450)/Re(550)=0.9であり、Re(630)/Re(550)=1.03であった。
<セルロースアシレートフィルム(位相差フィルム)(t)の作製>
フィルム(h)の作製において、セルロースアシレート溶液Aの高分子量可塑剤AA−1を40%質量部に変更し、延伸倍率を200%、フィルム膜厚を60μmとし、その他は同様にしてセルロースアシレートフィルムを作製した。
得られたセルロースアシレートフィルムのRe=270nm、Nz=0.5であった。また、Reの波長分散は逆波長分散であり、Re(450)/Re(550)=0.9であり、Re(630)/Re(550)=1.03であった。このセルロースアシレートフィルムを位相差フィルム(t)として用いた。
<光学補償フィルム(h)〜(t)の作製>
前記作製した光吸収層(c)を、接着層を介して、上記で作製したフィルム(h)〜(s)に転写し、光学補償フィルム(h)〜(t)をそれぞれ作製した。なお、各光吸収層を、その吸収軸が各フィルムの延伸軸に直交する方向にして転写した。
なお、得られた光学補償フィルム(h)〜(t)の光吸収層の面内吸収異方性Δk×dをAxometrics社のAxoscanを用い計測したところ、いずれもΔk×d=65nm、偏光度P=0.628であった。
<偏光板(h)〜(t)の作製>
上記で作製した光学補償フィルム(h)〜(t)を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記で作製した偏光子(ポリビニルアルコールフィルム)の片側表面に貼り付けた。具体的には、各光学補償フィルムの裏面(光吸収層が形成されていない側の面)を、偏光子の表面に接着剤により貼り付け、及び偏光子の吸収軸と光吸収層の面内吸収軸とを平行にして貼り付けた。
次に、市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の他方の表面に保護膜として貼り付けた。
この様にして、光学補償フィルム(h)〜(t)をそれぞれ有する、広視野角偏光板(h)〜(t)をそれぞれ作製した。
また、比較例として、光学補償フィルムの代わりに、市販のセルローストリアセテートフィルム(Z−タック、富士フイルム(株)製)を偏光子に貼り付けた比較例用偏光板を作製した。なお、市販のセルローストリアセテートフィルムの面内遅相軸を偏光子の吸収軸に平行にして貼り付けた。
<評価1>
実施例3の評価1と同様な評価を行った。結果を下記表に示す。
Figure 2010079288
上記結果から、本発明の広視野角偏光板(t)、(j)、(i)、(k)、(l)、(m)を一方の偏光板として利用したIPSモード液晶表示装置では、Nzが0.5〜2で比較例より黒透過率が小さくなっており、Nzが1付近で黒透過率が最も小さくなっていることが理解できる。
<評価2>
実施例3の評価2と同様な評価を行った。結果を下記表に示す。
Figure 2010079288
上記結果から、本発明の広視野角偏光板(n)、(o)、(p)、(i)、(q)、(r)、(s)を一方の偏光板として利用したIPSモード液晶表示装置では、Reが206〜344nmで比較例より黒透過率が小さくなっており、Reが270nm付近で黒透過率が最も小さくなっていることが理解できる。
<評価3>
偏光板(c)、(i)及び(h)のそれぞれを利用したIPSモード液晶表示装置については、斜め方向黒透過率とともに、光学補償フィルム(c)、(i)及び(h)がそれぞれ有するフィルムのRe(450)、Re(550)、及びRe(630)を下記表に示す。
Figure 2010079288
上記結果から、本発明の広視野角偏光板(c)、(i)、(h)を一方の偏光板として利用したIPSモード液晶表示装置では、比較例より黒透過率が小さくなっており、さらに、逆波長分散である偏光板(c)、(i)の方が、順波長分散である偏光板(h)よりも黒透過率が小さくなっていることが理解できる。

Claims (9)

  1. 光吸収層と位相差層とを有する光学補償フィルムであって、
    前記光吸収層が、可視光域の波長λnmの光に対する層面(x−y面)内において吸収異方性を示すとともに、その偏光度Pが0.986以下であり、及び
    前記光吸収層の面内吸収軸と前記位相差層の面内遅相軸とが直交している
    ことを特徴とする光学補償フィルム。
  2. 前記光吸収層の層面内の吸収係数kx(λ)及びky(λ)(但し、ky(λ)<kx(λ))並びに光吸収層の厚みd(nm)が、22nm≦(kx(λ)−ky(λ))×d≦215nmを満足することを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
  3. 前記光吸収層の層面内の吸収係数kx(λ)及びky(λ)(但し、ky(λ)<kx(λ))並びに光吸収層の厚みd(nm)が、65nm≦(kx(λ)−ky(λ))×d≦215nmを満足することを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
  4. 前記位相差層のNzが、0.5<Nz<2を満足し、前記位相差層の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が、206〜344nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学補償フィルム:
    但し、Nzは、位相差層の波長550nmの面内レターデーションRe(550)及び厚み方向レターデーションRth(550)により、Nz=Rth(550)/Re(550)+0.5と定義される。
  5. 前記位相差層の可視光域の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)が、Re(450)<Re(550)<Re(630)を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
  6. 前記光吸収層が、少なくとも、棒状液晶及び二色性色素を含有する組成物からなる層である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
  7. 少なくとも、偏光子と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学補償フィルムとを有し、前記偏光子の吸収軸と、前記光学補償フィルムが有する光吸収層の面内吸収軸とが平行であることを特徴とする偏光板。
  8. 請求項7に記載の偏光板の少なくとも一枚を有することを特徴とする液晶表示装置。
  9. IPSモードであることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
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