<第1実施形態>
まず、第1実施形態による冷蔵庫1について図1から図18を参照して説明する。図3に示す冷蔵庫1は、前面に開口が形成された断熱箱体2を主体として構成されている。断熱箱体2の前面側には、観音式の左側の回転扉3と右側の回転扉4と、複数の引出し式扉5〜8とが取り付けられている。これら各扉3〜8はいずれも内部に断熱材(図示せず)を備えた断熱扉から構成されている。前記左側の回転扉3、右側の回転扉4は、図1および図2に示すように、断熱箱体2に取り付けられた上下一対のヒンジ部3a、3b、同じく上下一対の4a、4bにより回転自在に支持されている。
断熱箱体2は、夫々単位断熱壁である左側断熱壁9、右側断熱壁10、上側断熱壁11、下側断熱壁12、奥側断熱壁13を連結して構成されている。これら断熱壁9〜13については後述する。
この断熱箱体2の開口部の左右縁部には、横梁部材51、52、53が横方向に架設されており、さらに横梁部材52、53には、左右方向の途中部に縦梁部材54が縦方向に架設されている。そして、横梁部材51の後側には貯蔵室仕切り用の第1の仕切り壁55が取り付けられ、又、横梁部材52の後側には貯蔵室仕切り用の第2の仕切り壁56が取り付けられている。
前記第1の仕切り壁55は断熱箱体2内において当該第1の仕切り壁55上方に貯蔵室としての冷蔵室57を形成し、第2の仕切り壁56は第1の仕切り壁55との間に貯蔵室としての野菜室58を形成している。さらに、正面から見て横梁部材52と同じく横梁部材53との間の空間領域で縦梁部材54よりも右側を貯蔵室としての小冷凍室59とし、左側を貯蔵室としての製氷室60としている。そして、正面から見て横梁部材53の下方空間領域を貯蔵室としての冷凍室61としている。
前記冷蔵室57は、前記回転扉3、4によって開閉される。又、野菜室58は、その前面開口が前記引き出し式扉5によって開閉され、この引き出し式扉5の裏面側には図示しない野菜容器が一体に取り付けられている。
又、前記小冷凍室59は、その前面開口が前記引き出し式扉6によって開閉され、この引き出し式扉6の裏面側には図示しない被冷凍品収容容器が一体に取り付けられている。
さらに前記製氷室60は、その前面開口が前記引き出し式扉7によって開閉され、この引き出し式扉7の裏面側には図示しない氷受け容器が一体に取り付けられている。
さらに又、前記冷凍室61は、その前面開口が前記引き出し式扉8によって開閉され、この引き出し式扉8の裏面側には図示しない被冷凍品収容容器が一体に取り付けられている。
前記第2の仕切り壁56は貯蔵温度差の大きい野菜室58と小冷凍室59および製氷室60とを断熱的に仕切るために発泡スチロールや発泡ウレタンなどの断熱材を有して構成され、また、第1の仕切り壁55はさほど貯蔵温度差の大きくない冷蔵室57と野菜室58とを仕切るために例えば合成樹脂製板材から構成されている。
さて、上記断熱箱体2および断熱壁9〜13について詳述する。まず、図2〜図4において、断熱箱体2の全体的な外郭を構成する外箱14は、左外面を構成する左外板部14Aと、右外板部14Bと、上外板部14Cと、下外板部14Dと、後外板部14Eとを分割して有する。これら各外板部はいずれも鋼板から構成されており、左外板部14Aと右外板部14Bとは左右対称形をなす。
又、断熱箱体2の内面を構成する内箱15は、左内面を構成する左内板部15Aと、右内面を構成する右内板部15Bと、上内面を構成する上内板部15Cと、下内面を構成する下内板部15Dと、奥内面を構成する奥内板部15Eとを分割して有する。つまり、複数この場合5つの内板部を有する。
前記左内板部15Aと右内板部15Bとは左右対称形をなし、いずれも、例えば合成樹脂製(例えばABS樹脂)の平板状のシート部材Saからなる。なお、図5において、シート部材Saは、後述する固定具26、棚板支持具30、ガイドレール取付具33、34、仕切り壁支持具35、36を予め取り付けた形態で示されている。
又、図6にも示すように、上内板部15Cは、折れ曲がり部として庫内へ膨出するL状部17を一体に有する合成樹脂(例えばオレフィン樹脂)の一体成形品Iaからなる。
又、図7にも示すように、下内板部15Dは、折れ曲がり部としての排水受け部18を一体に有する合成樹脂の一体成形品Ibからなる。これら一体成形品Ia、Ibはインジェクション成形や真空成形により形成されている。
又、奥内板部15Eは合成樹脂製の平板状のシート部材Sbからなる。なお、前記シート部材Saおよびこのシート部材Sbは、特別形状の成形型を用いないで、押出し成形や圧延成形などで製造できる。又、市販品の平板状のシート部材を使用しても良い。
又、図4に示すように、前記外箱14と内箱15との間には、真空断熱パネル16が設けられており、この真空断熱パネル16は、夫々単位パネルである、左単位パネル16Aと、右単位パネル16Bと、上単位パネル16C(図10に図示)と、下単位パネル(図示せず)と、奥単位パネル16Eとを分割して有する。各単位パネルは、基本的な構成は同じであるので、例えば左単位パネル16Aについて説明する。
この左単位パネル16Aは、図8および図9に示すように、基材19を包体20に収容し、その内部を真空排気により減圧密封させて構成されている。基材19は例えばグラスウールなどの無機繊維の積層材を圧縮硬化させて板状に成形されたものである。包体20はガスバリア性能を得るために、例えばアルミ蒸着層やアルミ箔層などの金属層を含んで構成されている。各単位パネルも一般的には真空断熱パネルとして呼ばれるものである。
前述した左側断熱壁9は、図5に示すように、左外板部14Aと左内板部15Aとの間に左単位パネル16Aを配置し、これら三者を接着剤により接着して単位断熱壁として構成されている。
そして、外箱14と内箱15とにおける前端部、つまり左側断熱壁9および右側断熱壁10の前端部は、図8に示すように、断熱性材である合成樹脂製の前端用連結部材21により連結されている。この場合、左側断熱壁9の前端部および右側断熱壁10の前端部は、左右対称形であるので、左側断熱壁9の前端部の構成について説明する。
この左側断熱壁9において、左外板部14A前端部および左内板部15A前端部は夫々左単位パネル16Aから前方に突出し、左外板部14Aさらに内側へ折曲されている。この折曲部14Aaは、前端途中まで延びており、断熱箱体2の内側(貯蔵室側)には入り込まない構成であり、外箱14(左外板部14A)の熱(外気熱)が貯蔵室へ伝わることを防止している。
そして、左単位パネル16A前端、左外板部14A前端部内面、前端用連結部材21内面で形成された内部空間部には断熱材例えばソフトテープ22が挿入配置されている。なお、このソフトテープ22に代えて発泡スチロールでも良い。
右側断熱壁10もこの左側断熱壁9と同様(左右対称形)に構成されている。
又上側断熱壁11は、図2および図10に示すように、前述した上内板部15Cと上外板部14Cとの間に上単位パネル16Cを配置し、上内板部15Cと上単位パネル16Cとを接着剤により接着し、上単位パネル16Cと上外板部14Cとの間に発泡ウレタン24を充填固化して構成されている。この場合、上内板部15Cは前述したように、折れ曲がり部として庫内へ膨出するL状部17を一体に有する合成樹脂の一体成形品Iaからなるものであり、これに対して前記上外板部14Cも図2に示すように、同様にL状部17aを有し、当該上側断熱壁11は、全体として後部が下側に突出する形態をなし、換言すれば後部に凹状部11aが形成された形態をなす。そして、この上側断熱壁11の前記凹状部11a後方空間部により機械室11bが構成されており、この機械室11bには、冷凍サイクルのコンプレッサや凝縮器などが配置されている。
図10において、上単位パネル16Cと上外板部14Cとの間の間隔(発泡ウレタン24が充填されている部分)は、上単位パネル16Cの厚みよりも小となっており、且つ冷凍サイクルの配管(サクションパイプ)の外径よりも小となっている。これにより発泡ウレタン24の使用量を少なくしている。この図10において冷凍サイクルの配管を引き回す場合、上単位パネル16C左端面と、右単位パネル16Aの上端面と外板部14Cコーナー部で囲まれた部分に配管を前後方向に通すようにしても良い。
そして、上記機械室11bは図3の機械室カバー11cにより閉塞している。
又、上外板部14Cの左右端部は、左端部側のみを示す図10から分かるように、上単位パネル16C上面から離間して左側断熱壁9の左外板部14Aおよび右外板部14Bと連結されている。又、上内板部15Cには、その両側縁部に内箱側壁である左内板部15Aと連結するための連結部15C1(図6も参照)を有し、この連結部15C1の先端部が左内板部15Aに図示しない連結具により連結されている。
この場合、左側の連結部15C1について説明するが、右側の連結部も同様(左右対称形)の構成である。この連結部15C1の先端部内側には、図10に示すように、上方へ突出するリブ15C2が形成されており、このリブ15C2と左内板部15Aとの間に断熱材漏れ防止部材として例えばソフトテープ23が挿入されている。さらに、上単位パネル16C上方から内部コーナー部にかけて断熱材例えば前記発泡ウレタン24が充填固化されており、この場合前記ソフトテープ23が当該発泡ウレタン24の充填時での漏れを防止している。
又、下側断熱壁12は、下外板部14Dと下内板部15Dとの間に図示しない下単位パネルを配置しこれら三者を接着剤により接着して単位断熱壁として構成されている。なお、この下側断熱壁12は、下内板部15Dと下単位パネルとを接着し、この下単位パネルと下外板部14Dとの間に発泡ウレタンを充填固化して構成しても良い。この下側断熱壁12においては、排水受け部18最下部は断熱箱体2外部に連通している。
なお、奥側断熱壁13も後外板部14Eと奥内板部15Eとの間に奥単位パネル16Eを配置し、これら三者を接着剤により接着して構成されている。この場合も、適宜発泡ウレタンを充填固化した構成を追加しても良い。
前記オレフィン樹脂からなる一体成形品Ia、Ib(上内板部15C、下内板部15D)における単位パネルとの接着面は、粗い面となるように表面加工することで、単位パネルとの接着性を良くしている。又、ABS樹脂からなるシート部材Sa、Sb(左内板部15A、右内板部15B、奥内板部15E)は単位パネルとの接着性が良い。
ここで、左側断熱壁9と奥側断熱壁13との連結構成について、図9、図11〜図14を参照して説明する。この左側断熱壁9と奥側断熱壁13とは、シート部材用連結部材としてのシート部材用連結板25、シート部材と別部品の突出部としての固定具26などを用いて連結されている。又、右側断熱壁10と奥側断熱壁13との連結構成も、左側断熱壁9と奥側断熱壁13との連結構成と同様(左右対称形)であり、以下、左側断熱壁9と奥側断熱壁13との連結構成について説明する。
まず、固定具26について説明する。この固定具26は合成樹脂製例えばABS樹脂製であり、左側断熱壁9と奥側断熱壁13とに取り付けられている。この固定具26自体の構造もこれの取付構造も、これら左側断熱壁9および奥側断熱壁13において同じであるので、左側断熱壁9の固定具26について述べる。この固定具26は合成樹脂から構成されており、やや縦長な矩形状をなし、一端部側に上下方向に突出する鍔状部26a、26aを有している。さらにこの固定具26は、他端面から一端部方向へねじ孔部26cが形成されている。
この固定具26は、左側断熱壁9が組み立てられる前の段階において、左単位パネル16Aに例えば直接接着剤により接着されている。そしてこの固定具26は、左内板部15A(シート部材Sa)に予め形成されたやや縦長な矩形状の孔部15uに、その裏側から表側へ挿入配置され、左単位パネル16Aと、左内板部15A裏面(固定具26の左単位パネル16A側の端面も含む)とが接着剤により接着されている。この場合、鍔状部26a、26aはシート部材である左内板部15Aと真空断熱パネルである左単位パネル16Aにより挟持された形態となる。このように固定具26が左側断熱壁9に取り付けられて内箱15内に突出している。この固定具26は、左側断熱壁9および奥側断熱壁13における隣接する夫々の端部において上下複数個所に設けられている。
又、前記シート部材用連結板25は、左内板部15Aとほぼ同じ長さ(高さ)を有し、このシート部材用連結板25における横方向の両端部には、前記各固定具26と対応してL形凹状の凹み部25a、25aが形成されており、これら凹み部25a、25aにはねじ挿通孔部25b、25bが形成されている。そして、このねじ挿通孔部25bを通したねじ27を前記固定具26のねじ孔部26cに螺合することにより、左側断熱壁9の左内板部15Aと奥側断熱壁13の奥内板部15Eとがこのシート部材用連結部材25により連結されている。このシート部材用連結板25は、冷蔵室57、野菜室58、小冷凍室59、製氷室60、冷凍室61の両側のコーナーに位置する。
なお、シート部材用連結板25の裏側空間部には断熱材である発泡スチロール28およびソフトテープ29が挿入配置されている。
又、冷凍サイクルの配管を、図9において発泡スチロール28部分に上下方向に通しても良い。
さらに、前記左側断熱壁9および右側断熱壁10には、図1および図5に示すように、シート部材とは別部品で構成される突出部としての合成樹脂製の棚板支持具30が取り付けられている。左側断熱壁9および右側断熱壁10において棚板支持具30の取付構成は同じであるので、左側断熱壁9の棚板支持具30の構成および取付構成について、図16〜図18も参照して説明する。
この棚板支持具30は、板状の本体部30aに、棚板支持部30bを上下3か所に一体に突設した構成であり、この棚板支持具30の裏面には、前記棚板支持部30bに対応する位置で締結部材係合部としてのねじ孔部30cが形成されており、このねじ孔部30cの開口周縁部は皿状の座ぐり30dが形成されている。
そして、左側断熱壁9の左内板部15Aにおける冷蔵室57相当部位の上下3か所には、締結部材挿通孔部としてのねじ挿通孔部31(図17に一つのみ図示)が形成されている。そして左側断熱壁9の組み立て前において、締結部材としての皿ねじ32を左内板部15A裏側から前記ねじ挿通孔部31を通し、前記棚板支持具30の前記ねじ孔部30cに螺合することで棚板支持具30を左内板部15A内面に固定し、もって、棚板支持具30を冷蔵室57における内箱15内面に突設している。この場合、皿ねじ32を螺合してゆく(ねじ込んでゆく)過程で、皿ねじ32の皿状のねじ頭部32aが、シート部材であることで若干の変形が可能な左内板部15Aのねじ挿通孔部31周縁部を、前記座ぐり30dに当たるまで、皿状に変形(庫内側へ膨出)させる。この結果、図18に示す左側断熱壁9の組み立て状態において、当該ねじ挿通孔部31の周縁部31aが、左単位パネル16Aに対して離間し、皿ねじ32は左内板部15Aの裏面から当該左単位パネル16A方向へ突出しない形態となる。
さらに、野菜室58における内箱15内面(両側面)には、シート部材とは別部品で構成される突出部としての合成樹脂製のガイドレール取付具33(左のもののみ図示)が備えられている。又、冷凍室61における内箱15内面(両側面)にも、シート部材とは別部品で構成される突出部としての合成樹脂製のガイドレール取付具34(左のもののみ図示)が備えられている。
これらガイドレール取付具33、34も、前記棚板支持具30と同じ取付構造により左側断熱壁9の左内板部15A、右側断熱壁10の右内板部15Bに取り付けられている。なお、このガイドレール取付具33は、引き出し式扉5と一体化された前記野菜容器を引き出し可能に支持するガイドレールを取り付けるためのものであり、又、ガイドレール取付具34は、引き出し式扉8と一体化された前記冷凍品収容容器を引き出し可能に支持するガイドレールを取り付けるためのものである。
又、内箱15内面(両側面)には、前記第1の仕切り壁55を支持するための、シート部材とは別部品で構成される突出部としての合成樹脂製の仕切り壁支持具35が備えられていると共に、前記第2の仕切り壁56を支持するための、シート部材とは別部品で構成される突出部としての合成樹脂製の仕切り壁支持具36が備えられている。これら仕切り壁支持具35、36は前記固定具26と同じ取付構造により取り付けられている。
又、奥側断熱壁13における内箱15内面(シート部材Sbからなる奥内板部15E)には、適宜箇所に、シート部材とは別部品で構成される突出部としての合成樹脂製の背面カバー取付具37が備えられている。この背面カバー取付具37は、奥側断熱壁13の前方部分に配置されるダクトなどを隠すための背面カバーを取り付けるためのものであり、前記固定具26と同じ取付構造により取り付けられている。
前記各断熱壁9〜13は、各内板部と各単位パネルとの間には発泡ウレタンの充填がない。
又、前記冷凍室61の奥部には、冷凍サイクルの蒸発器64が配設されており、この蒸発器64の下方に前記排水受け部18が位置し、当該蒸発器64の付着霜が除霜されたときの除霜水などが排水受け部18に受けられて、この排水受け部18から奥側断熱壁13外部下部に導出される。
なお、前記横梁部材52と、前記左側断熱壁9および右側断熱壁10との連結部分の構成について図15を参照して説明する。この図15では、前記横梁部材52と、前記左側断熱壁9との連結部分を示しているが、右側断熱壁10での連結部分の構成も左右対称形で基本的に同じである。横梁部材52は、前面部を構成する前面仕切り板52aと、補強板52bと、裏仕切りカバー52cと、断熱材52dとを有している。一方、左側断熱壁9の左外板部14Aは、前面部14A1を有し、その先端部は折り返されている。
前面仕切り板52aは、補強板52bと前記左外板部14Aの折り返し部分14A2とで挟持されている。すなわち、前面仕切り板52aの端部を前記折り返し部分14A2裏側に宛がい、そして、補強板52bの端部を左外板部14Aの前面部14A1裏側に挿入し、前面仕切り板52a端部および前記折り返し部分14A2を通したねじ62を補強板52bのねじ孔に螺合することで、前記前面仕切り板52aが上述のように挟持されている。なお、前面仕切り板52aと補強板52bとは予めねじ63により一体化されている。前面仕切り板52aの後側には前記断熱材52dを収容した裏仕切りカバー52cが取り付けられている。上述の前面仕切り板52aにより断熱箱体2における前面開口の左右縁部を連結することで、左側断熱壁9と右側断熱壁10とが固定され、断熱箱体2における前面開口が開いたり縮んだりすることを防止でき、貯蔵室を直方体に保つことができる。
なお、前記前面仕切り板52aの強度が高い場合には、前記補強板52bはなくても良い。
又、前記裏仕切りカバー52cは、図示しないが下方に突出する取付部を有し、この取付部が、前記固定具26と同様の固定具によりねじ止めされている。
上述した第1実施形態によれば、内箱15の左内板部15A、右内板部15Bを平板状のシート部材Saで構成し、奥内板部15Eを平板状のシート部材Sbで構成したから、これら左内板部15A、右内板部15B、奥内板部15Eについては、成形型を必要とせず、製作が極めて簡単となり、製作コストの低減にも寄与できる。なお、内箱15における他の部分である上内板部15C、下内板部15Dについては型による一体成形品としたが、内箱15全体を大きな型による一体成形品とする場合に比して製作が容易であり、又製作コストも低減できる。総じて冷蔵庫1のコストの低廉化に寄与できる。
この場合、左内板部15A、右内板部15B、上内板部15C、下内板部15D、奥内板部15Eの少なくとも一部をシート部材で構成すれば良い。
又、この実施形態では、前記内箱15が、左内板部15A、右内板部15B、上内板部15C、下内板部15D、奥内板部15Eを有し、これら内板部において、隣接する二つの内板部である左内板部15A、奥内板部15E、右内板部15Bが別々のシート部材で分割して構成され、又、この隣接する内板部間である左内板部15Aと奥内板部15Eとの間、および右内板部15Bと奥内板部15Eとの間には、夫々隣接する内板部を連結するシート部材用連結部材としてのシート部材連結板25、25を設ける構成とした。
これによれば、シート部材からなる内板部15Aおよび15E同士であっても、および同じくシート部材からなる内板部15Bおよび15E同士であっても、別部品のシート部材用連結板25、25を用いることで簡単に連結することができ、組み立ての簡単化を図り得る。
又、この第1実施形態では、外箱14を、複数の分割された外板部この場合左外板部14A、右外板部14B、上外板部14C、下外板部14D、後外板部14Eから構成し、内箱15も当該外箱14と同様に複数の分割された内板部この場合左内板部15A、右内板部15B、上内板部15C、下内板部15D、奥内板部15Eから構成し、この複数の内板部のうち左内板部15A、右内板部15B、奥内板部15Eをシート部材Sa、Sbから構成し、さらに真空断熱パネル16も同様に分割された複数の単位パネルこの場合左単位パネル16A、右単位パネル16B、上単位パネル16C、下単位パネル(図示せず)、奥単位パネル16Eから構成し、これら分割された各外板部と前記内板部との間に前記分割された各単位パネルを配置して、複数の単位断熱壁としての左側断熱壁9、右側断熱壁10、上側断熱壁11、下側断熱壁12、奥側断熱壁13を構成し、断熱箱体2を、これらの断熱壁9〜13を連結して構成した。
これによれば、断熱箱体2を、夫々が真空断熱パネルである単位パネルを備えた断熱壁9〜13を組み立てることにより構成でき、組み立てが簡単である。従来では、断熱箱体を、それぞれ分割されていない外箱と内箱との組み立てにより構成していたため、大型で組み立て作業も大がかりであったが、この実施形態では、これに比べれば、組み立て作業も容易である。
又、この第1実施形態によれば、内箱15においてシート部材で構成された部分の前端部と外箱14の前端部とを前端用連結部材21により連結したから、内箱15においてシート部材で構成された部分であっても外箱14と別部品である前端用連結部材21により簡単に組み立てる(接合する)ことができる。
又、この第1実施形態においては、内箱15が折れ曲がり部であるL状部17、排水受け部18を備え、L状部17を備えた部分である上内板部15Cを、当該L状部17を一体に形成した一体成形品から構成し、又、排水受け部18を備えた部分である下内板部15Dを、当該排水受け部18を一体に形成した一体成形品から構成した。
これによれば、L状部17や排水受け部18といった複雑な形を有する内板部は、型による一体成形品により構成することで、複雑な形状部分を形成することができる。
又、この第1実施形態においては、内箱15には、シート部材Sa、Sbとは別部品で構成されて庫内に突出する突出部である固定具26を備え、左側断熱壁9が組み立てられる前の段階において、当該固定具26を、左単位パネル16Aに例えば直接接着剤により接着し、このシート部材Sa、Sbには、孔部15uを形成し、この孔部15uに、当該固定具26を挿入配置する構成とした。
これによれば、固定具26を上記孔部15uに挿入することで、内箱15(シート部材)における固定具26の位置決めを図ることができる。なお、シート部材Sa、Sbとは別部品で構成されて庫内に突出する突出部である仕切り壁支持具35、36および背面カバー取付具37も、この固定具26と同じ取付構造としているので、仕切り壁支持具35、36および背面カバー取付具37も同じように位置決めできる。
なお、この固定具26は、左側断熱壁9が組み立てられる前の段階において、シート部材の孔部15uに裏側から挿入し接着するようにしても良く、このようにすると、固定具26とシート部材とを一体の状態で取り扱うことができて、単位断熱壁の組み立てる際に、単位パネルと、前記一体品とを接着でき、組み立て作業性が良くなる。
又、図13に示すように、単位パネル16Aにおける固定具26取付面がくぼんでいるから、これによりシート部材Saが湾曲することなく、固定具26の取り付けができる。
又、仮に単位パネル16Aが膨らんだ場合でも、内板部15Aがシート部材Saから構成されているから、内板部15Aが割れることなく若干変形する程度で済む。
又、シート部材Sa、Sbに取り付ける上述の固定具26、棚板支持具30、ガイドレール取付具33、34、仕切り壁支持具35、36は、異なる機種の冷蔵庫の断熱箱体にも、共通に使用できる。
又、この第1実施形態によれば、上記固定具26を真空断熱パネルである左単位パネル16A、右単位パネル16Bおよび奥単位パネル16Eに直接接着して各単位パネル16A、16B、16Eに固定する構成としたから、シート部材Saからなる左内板部15A、右内板部15B、シート部材Sbからなる奥内板部15Eの前記孔部15uに固定具26を挿入した際に当該固定具26により各内板部15A、15B、15Eと各単位パネル16A、16B、16Eとの位置合わせを自ずと図ることができる。この場合、接着される前記固定具26を、接着性の良いABS樹脂製としているので、この固定具26と各単位パネルとの接着強度も強くできる。
又、仕切り壁支持具35、36および背面カバー取付具37もこの固定具26と同様の取付構造としているので、これら仕切り壁支持具35、36および背面カバー取付具37も、各内板部と各単位パネルとの位置合わせに寄与できる。
なお、前記固定具26は別部材を介して左単位パネル16A、右単位パネル16B、奥単位パネル16Eに接着しても良い。
又、上記第1実施形態においては、前記固定具26を、前記孔部15uよりも大きい鍔状部26a、26aを有する構成とし、当該鍔状部26a、26aを、夫々、シート部材Sa(左内板部15A、右内板部15B)、Sb(奥内板部15E)と、これらに対応する単位パネルとの間で挟持する構成とした。
これによれば、鍔状部26a、26aにより固定具26の孔部15uからの抜けを防止できる。又、鍔状部26a、26aを対応する内板部に接着することができ、当該対応する内板部の強度向上にも寄与できる。又、この鍔状部26a、26aは薄肉であるので、これを撓ませて、内板部内面側から孔部15uに挿入して、当該内板部と単位パネルとの間に入れることも可能となる。
又、この第1実施形態では、シート部材Saとは別部品で構成されて庫内に突出する突出部として、棚板支持具30を備え、このシート部材Sa(左内板部15A、右内板部15B)にはねじ挿通孔部31を形成し、棚板支持具30を、シート部材Sa裏面側から前記ねじ挿通孔部31を挿通した皿ねじ32(締結部材)により当該シート部材Sa表面側に固定する構成とした。
これによれば、シート部材Saに、これとは別部品である棚板支持具30を締結部材である皿ねじ32で取り付けることができる。なお、この場合、締結部材としてはシート部材Saと棚板支持具30とを共締めするリベットでも良い。
又、第1実施形態においては、前記ねじ挿通孔部31の周縁部31aが真空断熱パネルである左単位パネル16A、右単位パネル16Bから離間し、前記皿ねじ32のねじ頭部32aがこのねじ挿通孔部31の周縁部31aから左単位パネル16A側へ、又右単位パネル16B側へ夫々突出しない構成とした。
これによれば、ねじ頭部32aが上記各内板部15A、15B裏面から突出することがないから、当該ねじ頭部32aが各単位パネル16A、16Bに接触することがなく当該各単位パネル16A、16Bの包体20が破れることを防止できる。又、左単位パネル16Aと左内板部15Aとの接着、および右単位パネル16Bと右内板部15Bとの接着が夫々阻害されることがない。さらに、この場合、棚板支持具30のねじ孔部30cの開口周縁部皿状の座ぐり30dを形成したことで、シート部材Saにおけるねじ挿通孔部31の周縁部31aが、皿ねじ32の締め込み時に上記座ぐり30d方向へ変形して自ずと当該周縁部31aが左単位パネル16A、右単位パネル16Bから離間するようになり、シート部材Saに、ねじ頭部32aを納めるための凹部をわざわざ形成する必要がない。
なお、ガイドレール取付具33、34も、上記棚板支持具30と同じ取付構造としているから、ガイドレール取付具33、34部分についても同様の効果を奏する。又、右側断熱壁10に設けられた図示しない棚板支持具30、ガイドレール取付具33、34部分についても同様の効果を奏する。
また前記真空断熱パネル16は、他の例として次のような構成をしていてもよい。
ここで、他の例の真空断熱パネルの構成について、図32および図33を参照しながら簡単に述べる。図32に示すように、この真空断熱パネル16は、マット状の芯材109を袋体110内に収容し、袋体110の内部を真空減圧状態に保持したまま密封して構成されたものである。前記芯材109は、断熱性能の高い材料、例えば細いガラス繊維の綿状物であるグラスウールを、マット状(矩形板状)に固めて構成される。前記袋体110は、例えばアルミ箔と合成樹脂フィルムとをラミネートした(或いはアルミ蒸着フィルムからなる)ガスバリア性の高いフィルムを、長方形状に裁断して2枚合せ、一方の短辺を除く周囲部(三辺)をコ字状に熱シールして、芯材109がほぼ密に収容される袋状としたものからなる。
前記真空断熱パネル16を製造するにあたっては、まず、前記袋体110の開口部(一方の短辺)から芯材109を挿入して収容させる。次いで、袋体110の開口部を減圧ポンプに接続して、内部を真空排気して減圧させる。そして、減圧を維持したまま袋体110の開口部を熱シールにより密封する。但し、この状態では、図32(a)および図33(a)に示すように、袋体110の四辺には、芯材109から周囲にはみ出す熱シールしろとしての耳部110aが幅広に設けられている。
そこで、図33(b)に示すように、長辺側の耳部110aを上面側に折返し、次に、図32(b)および図33(c)に示すように、短辺側の耳部110aを上面側に折返す。それら折返し部分Fを、粘着テープで止めることにより、真空断熱パネル16が得られる。
尚、この真空断熱パネル16を図9に示す断熱壁9、13内に配置する場合には、この耳部110aの折返し部分Fをシート部材用連結板25や、その裏側空間部に位置する断熱材である発泡スチロール28で覆われて隠される位置に配置するとよい。
これは折返し部分Fは他の箇所に比べて厚くなるため、その箇所だけ膨らんだ形状となり、内板部15A、15Bに接着すると折返し部分Fに該当する内板部の箇所も膨らんでしまい、見栄えが悪くなる課題が有るが、シート部材用連結板25などの覆い手段によって覆うことによって、膨らみを隠すことができる。
またシート部材用連結板25や、発泡スチロール28などの覆い手段は断熱壁9、13と別部品であり着脱可能な部品であるから、折返し部分Fにより膨らんだ内板部15A、15Bの該当箇所を、これら覆い手段の取り付け方を調整することで内板部15A、15Bが膨らんでいたとしても見栄えよく取り付けることができる。
またこれら真空断熱パネル16は袋体110を2重にしても良い。
具体的には真空断熱パネル16をさらに袋体110と同じ素材の袋体に収納して真空減圧状態にして同様に2重目の袋体の耳部110aを溶着して密封する。
そうすると、その2重目の袋体の耳部110aをさらに折り曲げられると折返し部分Fがさらに厚く形成されるため、より内板部15A、15Bの該当箇所が膨らむ課題があるが、上記覆う構成により効果的に解消できる。
またこのように袋体を2重にした真空断熱パネル16を利用すると別の良い効果がある。
図9のように断熱壁9、13を連結する箇所Rでは、連続して形成されていない分割された隣接する外板部の左外板部14Aと右外板部14Eの連結部Rに極小の隙間などが生じやすく冷気が流入するなどの現象が起きる場合が有る。
そして前記真空断熱パネル16の袋体110から真空漏れなどがした場合には、この冷気が流入する現象と同時に、断熱が確保できなくなるといった課題がある。
しかし袋体を2重にした真空断熱パネル16を利用すれば一方の袋体が破断したりクラックが生じたりして真空漏れが生じた場合に断熱が維持できないという課題も、他方の袋体により真空を維持することができるため、断熱を維持することができ課題を解消できる。
特に発泡ウレタンを使用していない断熱壁については、真空漏れが生じた場合に真空断熱パネル16以外に代替となる断熱手段がないという課題があるため、袋体を2重にした真空断熱パネル16を利用するとより有効である。
またこの場合、外気との温度差が高い部屋の断熱を維持することがより重要であるため冷凍室61の周囲断熱壁に少なくとも袋体を2重にした真空断熱パネル16を配置すると良い。
例えば一つの断熱壁に複数の真空断熱パネルが配置されている場合でも冷凍室61の周囲壁に配置された真空断熱パネルは袋体を2重にした真空断熱パネル16を用いると良い。
そして袋体は、両面が金属製の蒸着フィルム(例えばアルミ蒸着フィルム)が用いられている際は、フィルムが薄いことから真空漏れがしやすいが2重の袋体とすることで真空漏れを防止することができる。
前述したように、特に発泡ウレタンを使用していない断熱壁については、真空漏れが生じた場合に真空断熱パネル16以外に代替となる断熱手段がないという課題があるため、袋体を2重にした真空断熱パネル16を利用すると、真空漏れの低減に寄与でき、より有効である。
袋体を2重にした真空断熱パネルの別の具体的な実施形態(第1実施形態における他の実施形態(その1))について図81〜図87を参照して説明する。
図82に、2重に真空引きして構成した真空断熱パネル16を示している。図81において、この真空断熱パネル16の袋体110は、内側袋体110Aと外側袋体110Bとを有している。この真空断熱パネル16の製造手順について説明する。
まず、内側袋体110Aの構成について説明すると、内側袋体110Aは、共に長方形(正方形も含む)をなす第1のフィルム501と、第2のフィルム502とを備えている。そして、これらフィルム501、502の3辺を接合して1辺が開口した内側袋体110Aを構成する。
又、外側袋体110Bも、同様に、共に長方形(正方形も含む)をなす第3のフィルム503と、第4のフィルム504とを備えている。そして、これらフィルム503、504の3辺を接合して1辺が開口した外側袋体110Bを構成する。
前記内側袋体110Aにおける第1のフィルム501は、図83に示すように、内側の溶着層となるPE(ポリエチレン)層501aと、アルミ蒸着層(金属蒸着層)501jが設けられたEVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂)(商品名:エバール)層501cと、ナイロン層501dと、最も外側の表面層となるPET(ポリエチレンテレフタレート)層501eの5層構造となっている。
第2のフィルム502は、内側の溶着層となるPE層502aと、アルミ箔層(金属箔層)502hと、ナイロン層502cと、最も外側の表面層となるPET層502dの4層構造となっている。
このうち、溶着層となるPE層501a,502aは、耐薬品性が高く、吸水性が低く、熱溶着性に優れていて、熱溶着により密閉な接合部(耳部)を形成するのに適している。アルミ蒸着層501jおよびアルミ箔層502hは、ともにガスバリア性に優れているが、アルミ箔層502の方がさらに優れている。但し、熱リークが少ない(熱伝導性が悪い)のはアルミ蒸着層501jである。
又、ナイロン層501d,502cは、柔軟性があり、外部から突起などが突き刺さり難い特性がある。表面層のPET層501e,502dは、強度および剛性が大きく、しかも耐薬品性が高い特性がある。
前記外側袋体110Bにおける第3のフィルム503は、図83に示すように、例えば内側の溶着層となるPE(ポリエチレン)層503aと、アルミ蒸着層503jが設けられたEVOH層503cとの2層構造である。又、第4のフィルム504は、例えば、内側の溶着層となるPE(ポリエチレン)層504aと、アルミ箔層(金属箔層)504hと、ナイロン層504cとの3層構造である。
さて、真空断熱パネル16を製造する場合、図82の内側袋体110Aに芯材109を挿入して、収容させる。この場合、第1のフィルム501が芯材109の一方の面109a側に位置し、第2のフィルム502が芯材109の他方の面109b側に位置する。次いで、内側袋体110Aの開口部を減圧ポンプに接続して、内部を真空排気して減圧させる。そして、減圧を維持したまま内側袋体110Aの開口部を熱シールにより密封する。この状態では、図84に示すように、内側袋体110Aの四辺(一辺のみ図示)には、芯材109から周囲にはみ出す熱シールしろとしての耳部110Amが幅広に設けられている。
図84の状態から耳部110Amを、第2のフィルム502が谷折りとなる方向(矢印Q1方向)へ折り曲げ、同図二点鎖線で示すように芯材109における第2のフィルム502に接触させ、図示しない接着テープで、当該耳部110Amを芯材109における第2のフィルム502に接着する。このようにして、芯材109と内側袋体110Aとの一体物16iを形成する。
次に、この一体物16iを外側袋体110Bに挿入して、収容させる。このとき第3のフィルム503が第1のフィルム501に外側から重なり、又、第4のフィルム504が第2のフィルム502に外側から重なる。次いで、外側袋体110Bの開口部を減圧ポンプに接続して、内部を真空排気して減圧させる。そして、減圧を維持したまま外側袋体110Bの開口部を熱シールにより密封する。この状態では、図85に示すように、外側袋体110Bの四辺(一辺のみ図示)には、一体物16iから周囲にはみ出す熱シールしろとしての耳部110Bmが幅広に設けられている。
図85の状態から耳部110Bmを、第4のフィルム504が谷折りとなる方向(前述と同じ矢印Q1方向)へ折り曲げ、同図二点鎖線で示すように一体物16iにおける第4のフィルム504に接触させ、図示しない接着テープで、当該耳部110Bmを一体物16iにおける第4のフィルム504に接着する(図86参照)。このように、芯材109を、内側袋体110Aに収容して真空引きすると共に、さらにこの一体物16iを外側袋体110Bに収容して真空引きすることで、2重真空引き構成の真空断熱パネル16を形成する。
上記真空断熱パネル16は、図9に相当する図87では、左側断熱壁9の左単位パネル16Aと、奥側断熱壁13の奥単位パネル16Eとして使用した例を示しており、この場合、真空断熱パネル16における最終折り曲げ部(外側袋体110Bの折り曲げ部)16mが内板部15A側、15E側となるように設けている。つまり、真空断熱パネル16において最終折り曲げ部16mが外板部14A、14E側とならないようにしている。なお、図86、図87などでは、この最終折り曲げ部16mの厚みを、説明の便宜上、実際よりは極端に厚めに示しているが、各フィルム501〜504が極めて薄い(0.1mm程度)ため、実際には、かなり薄いものである。
上述した実施形態においては、真空断熱パネル16を用いて断熱箱体の断熱壁を構成するについて、真空断熱パネル16を、芯材109と、この芯材109が内部に挿入されて当該内部を真空引きされる内側袋体110Aと、この芯材109及び内側袋体110Aの一体物16iが内部に挿入されて当該内部を真空引きされる外側袋体110Bとから構成した。
又、上記実施形態においては、真空断熱パネル16を用いた断熱箱体の断熱壁において、真空断熱パネル16を形成するについて、芯材109を内側袋体110Aに挿入して真空引きする第1工程と、この第1工程で形成された芯材109と内側袋体110Aの一体物16iを、外側袋体110Bに挿入して真空引きする第2工程とを実行した。
これらによれば、真空断熱パネル16が、2重の真空引き構成となるため、断熱性が向上する。さらに外側袋体110Bに仮にクラックが発生して真空漏れが発生したとしても、内側袋体110Aにより真空維持が図られ、もって、真空漏れ防止に優れた真空断熱パネル16となる。この結果、前記断熱壁の断熱性の耐久性も向上する。
又、この実施形態においては、内側袋体110Aの第1のフィルム501の層数を5層とすると共に、内側袋体110Aの第2のフィルム502の層数を4層とした。これに対して外側袋体110Bの第3のフィルム503の層数を2層とすると共に、外側袋体110Bの第4のフィルム504の層数を3層とした。つまり、内側袋体110Aに対して外側袋体110Bを異なる材料とした。特に、内側袋体110Aの各フィルム501、502の層数(5層、4層)に対して外側袋体110Bのフィルム503、504の層数を少なくしている。
これによれば、真空漏れ防止に優れた真空断熱パネル16を得ることができると共に、コストの低減にも寄与できる。すなわち、この真空断熱パネル16においては、内側袋体110Aによる真空引きによって、ある程度、真空維持を図れるから、外側袋体110Bによる真空維持は、内側袋体110Aによる真空維持をサポートする程度でも良い。この点上記実施形態によれば、外側袋体110Bのフィルム503、504の層数を少なくしても十分な真空維持を図ることができ、さらに層数削減によってコストの低減にも寄与できる。
又、上記実施形態においては、芯材109を内側袋体110Aに挿入して真空引きしたときに芯材109から張り出して形成される内側袋体110Aの耳部110Am(接合部)を芯材109に沿うように折り曲げ、芯材109と内側袋体110Aの一体物16iを外側袋体110Bに挿入して真空引きしたときに当該一体物16iから張り出して形成される耳部110Bm(接合部)を、前記内側袋体110Aの耳部110Amの折り曲げ方向と同じ方向へ折り曲げる構成とした。つまり、内側袋体110Aの接合部(耳部110Am)と外側袋体110Bの接合部(耳部110Bm)とを同じ方向へ折り曲げる構成とした。
これによれば、折り曲げによってできる突出部T(図87参照)を真空断熱パネル16の一方の面α側に位置させることができる。換言すれば、真空断熱パネル16の他方側の面βは平坦面とすることができる。
そして、この実施形態では、前記突出部Tが存在しない他方側の面βを外板部14側に位置させる構成としたから、外観の見栄えが要求される外板部14が膨らむことを防止でき、外観を損なうことを防止できる。
又、この実施形態においては、内側袋体110Aが、アルミ蒸着層501jを有する第1のフィルム501と、アルミ箔層502hを有する第2のフィルム502とを備え、アルミ蒸着層501jを有する第1のフィルム501が折り曲げ部で表側となるように内側袋体110Aを折り曲げる構成とした。
これによれば、アルミ蒸着層501jを有する第1のフィルム501が折り曲げ部で表側となることによって、第2のフィルム502のアルミ箔層502hが、折り曲げ部ではアルミ蒸着層501jによって覆われた形態となる。このアルミ箔層502hは熱伝導性が良いため熱リークの問題があるが、このアルミ箔層502hが、熱伝導性が悪い(熱リークが少ない)アルミ蒸着層501jにより覆われることで、熱リークを低減できる。
さらに、外側袋体110Bが、アルミ蒸着層503jを有する第3のフィルム503と、アルミ箔層504hを有する第4のフィルム504とを備え、アルミ蒸着層503jを有する第3のフィルム503が折り曲げ部で表側となるように外側袋体110Bを折り曲げる構成とした。この場合も、上述と同様に、アルミ箔層504hが、熱伝導性が悪い(熱リークが少ない)アルミ蒸着層503jにより覆われることで、熱リークを低減できる。
特に、真空断熱パネル16において最終折り曲げ部の表側、つまり最外側の耳部である外側袋体110Bの耳部110Bmの表側を、アルミ蒸着層503jを有するフィルム(第3のフィルム503)で構成したことで、直接的に外部への熱リークが懸念される最終折り曲げ部での当該熱リークを効果的に低減できる。この結果、内側袋体110Aのフィルム構成を熱リーク対策から緩和することが可能となる。
2重に真空引きして構成した真空断熱パネル16の別の実施形態(第1実施形態における他の実施形態(その2))を図88〜図92に示している。この実施形態では、内側袋体110Aの耳部110Amと外側袋体110Bの耳部110Bmの折り曲げ方向を反対としている。図89に示すように、内側袋体110Aの向きを上下反転させた状態で、前述同様に、芯材109を内側袋体110Aに芯材109を挿入して、収容させ、真空引きし、内側袋体110Aの開口部を密封する。このときに形成される耳部110Amを前述とは逆方向(矢印Q2方向)に折り曲げる。この場合、折り曲げ方向は逆ではあるが、アルミ蒸着層501jを有する第1のフィルム501が折り曲げ部で表側となるように内側袋体110Aを折り曲げる構成とした。
この後、図示しない接着テープで、当該耳部110Amを芯材109における第2のフィルム502に接着する。このようにして、芯材109と内側袋体110Aとの一体物16iを形成する。
次に、この一体物16iを外側袋体110Bに挿入して、収容させる。このとき、第2のフィルム502に対して第3のフィルム503が外側から重なり、又、第1のフィルム501に対して第4のフィルム504が外側から重なる。次いで、外側袋体110Bの開口部を減圧ポンプに接続して、内部を真空排気して減圧させる。そして、減圧を維持したまま外側袋体110Bの開口部を熱シールにより密封する。この状態では、図90に示すように、外側袋体110Bの四辺(一辺のみ図示)には、一体物16iから周囲にはみ出す熱シールしろとしての耳部110Bmが幅広に設けられている。
図90の状態から耳部110Bmを、第4のフィルム504が谷折りとなる方向(矢印Q1方向、矢印Q2と反対方向)へ折り曲げ、同図二点鎖線で示すように一体物16iにおける第4のフィルム504に接触させ、図示しない接着テープで、当該耳部110Bmを一体物16iにおける第4のフィルム504に接着する(図91参照)。このように、芯材109を、内側袋体110Aに収容して真空引きすると共に、さらにこの一体物16iを外側袋体110Bに収容して真空引きすることで、2重真空引き構成の真空断熱パネル16を形成する。この場合も、アルミ蒸着層503jを有する第3のフィルム503が折り曲げ部で表側となるように外側袋体110Bを折り曲げる構成とした。
ここで、前記内側の耳部110Amは外側袋体110Bによる真空引きがなされているため、図では理解を容易にするために肉厚に描いているが、実際には極めて薄いものである。又、最終折り曲げ部16m(外側の耳部110Bm)は大気中でテープ止めされているため、真空引きされている内側の折り曲げ部(耳部110Am)よりは厚みがある。但し、図86の場合と比較すると薄くなっている。
この点を考慮して、図92に示すように、真空断熱パネル16において最終折り曲げ部16mが存在する面を内板部15側となるように配置して断熱壁を構成している。
上述した実施形態においては、芯材109を内側袋体110Aに挿入して真空引きしたときに芯材109から張り出して形成される内側袋体110Aの耳部110Amを芯材109に沿うように折り曲げ、芯材109と内側袋体110Aの一体物16iを外側袋体110Bに挿入して真空引きしたときに当該一体物16iから張り出して形成される耳部110Bmを、前記内側袋体110Aの耳部110Amの折り曲げ方向とは反対方向へ折り曲げる構成とした。つまり、内側袋体110Aの接合部(耳部110Am)と外側袋体110Bの接合部(耳部110Bm)とを反対方向へ折り曲げる構成とした。
これによれば、耳部110Am、110Bmの折り曲げによる突出厚みを真空断熱パネル16両面で分散でき、真空断熱パネル16の片面で大きく突出することを防止できる。この結果、外観に及ぼす影響を小さくできる。設計時や組付時における突出部対策を軽減できる。
上記実施形態において、真空断熱パネル16において最終折り曲げ部である外側袋体110Bの折り曲げ部が存在する面を内板部15側となるように配置して断熱壁を構成した。この場合、内側の耳部110Amは、外板部14側となるが、外側袋体110Bでの真空引きにより極めて薄肉となることから、外板部14の膨らみを抑制できる。
この実施形態においても、真空断熱パネル16において最終折り曲げ部16mの表側を、アルミ蒸着層を有するフィルムで構成したことで、折り曲げ部での熱リーク低減を図ることができる。
又、この実施形態においては、真空断熱パネル16の一方側の面でアルミ箔層502bを有する第2のフィルム502とアルミ蒸着層503bを有する第3のフィルム503とが重なり、又、他方側の面でアルミ蒸着層501bを有する第1のフィルム501とアルミ箔層504bを有する第4のフィルム504とが重なるから、真空断熱パネル16の両面で、夫々アルミ蒸着層とアルミ箔層とを備えたフィルム構成となり、真空断熱パネル16の両面で、均等な熱リーク防止効果及びガスバリア強度を得ることができる。
図93は、2重に真空引きして構成した真空断熱パネル16のさらに異なる実施形態(第1実施形態における他の実施形態(その3))を示しており、図81とは次の点が異なる。すなわち、この図93では、真空断熱パネル16が板状の補強部材(例えば鋼板からなる)601を備えた構成としている。この場合、芯材109を内側袋体110Aに挿入して真空引きして一体物16iを形成した後に、当該一体物16iの内側袋体110Aの外面に前記補強部材601を配置し、その後、一体物16iを外側袋体110Bに収容して真空引きすることにより、真空断熱パネル16を形成している。
この実施形態によれば、補強部材601を備えたことで真空断熱パネル16の強度を高くできる。又、補強部材601を内側袋体110Aと外側袋体110Bとの間に配置させたので、真空引きにより補強部材601を両袋体110A及び110Bに密着させることができ、補強部材601を内側袋体110Aにあえて接着させる必要はなく、接着工程を省略することが可能となる。なお、この実施形態構成は、図88の構成に適用しても良い。
図94は2重に真空引きして構成した真空断熱パネル16の他の実施形態(第1実施形態における他の実施形態(その4))を示しており、この実施形態においては、真空断熱パネル16に成形部16Sを形成している。この成形部16Sは、凹状に形成されており、例えば防露パイプ配設用とされている。この成形部16Sを形成するについては、図81又は図88(ここでは図81)に示した2重真空引き完了状態の真空断熱パネル16に対して、成形治具を押し当てて成形部16Sを成形する。
ここで、芯材109を内側袋体110Aで真空引きした後であって外側袋体110Bでの真空引きを行う前に前記凹状の成形部16Sを形成すると、外側袋体110Bでの真空引きによって、凹状の成形部16Sが元の平坦に近い形状に戻され、当初予定した形状が損なわれてしまうおそれがある。
この点、上記実施形態では、既に2重真空引き完了状態(前記第1工程及び第2工程実行後)の真空断熱パネル16に対して、成形部16Sを成形するから、成形部形状が当初予定の形状から崩れることがない。
上述した各実施形態では、第1のフィルム501、第3のフィルム503を、アルミ蒸着層を有する構成としたが、第1〜第4のフィルム501〜504の少なくとも一つがアルミ蒸着層を有する構成としても良い。
このように第1〜第4のフィルム501〜504の少なくとも一つ、つまり、内側袋体110Aと外側袋体110Bの少なくとも一方が、アルミ蒸着層を有する構成、とすることで、熱リークを抑えることができ、真空断熱パネル16が断熱性に優れたものとなる。
又、外側袋体110Bを内側袋体110Aと同じ材料としても良い。この場合、外側袋体110Bの第3のフィルム503を内側袋体110Aの第1のフィルム501と同じ構成とし、外側袋体110Bの第4のフィルム504を内側袋体110Aの第2のフィルム502と同じ構成としても良い。
このように外側袋体110Bを内側袋体110Aと同じ材料とすることで、真空断熱パネル16が真空維持効果に優れたものとなり、ひいては真空断熱パネル16の耐久性の向上を図ることができる。
又、各袋体110A、110Bの各フィルム構成、及びその組み合わせは適宜設定できる。
例えば、内側袋体110Aの第1のフィルム501と第2のフィルム502は、(A1)その両フィルムがアルミ箔層を備えた構成、(A2)一方のフィルムがアルミ箔層を備え他方のフィルムがアルミ蒸着層を備えた構成、(A3)両フィルムがアルミ蒸着層を備えた構成としても良い。
又、外側袋体110Bの第3のフィルム503と第4のフィルム504は、(B1)その両フィルムがアルミ箔層を備えた構成、(B2)一方のフィルムがアルミ箔層を備え他方のフィルムがアルミ蒸着層を備えた構成、(B3)両フィルムがアルミ蒸着層を備えた構成、(B4)両フィルムが簡易フィルム(アルミ箔層及びアルミ蒸着層を含まない他のフィルム)からなる構成としても良い。
そして、上記(A1)〜(A3)のフィルム構成に対する(B1)〜(B4)のフィルム構成の組み合わせは、全ての組み合わせが考えられる。又、各フィルムの層数も適宜設定することができる。
一方、真空断熱パネル16を内板部や外板部と接着剤で接着する場合に、接着剤の成分により二酸化炭素などの気体が発生する場合が有る。この気体が発生した場合、気泡がたまるためその箇所は接着精度が悪いなどの課題がある。
その場合には、接着剤を真空断熱パネル16と内板部や外板部と全面に塗らずに、一部に気体が断熱壁から抜ける経路を設けると良い。
例えば図9のように内板部15Aに孔部15uなどの孔を形成することでその箇所から気体を抜くことができ、また真空断熱パネル16に凹溝もしくはスペーサを設け、真空断熱パネル16の端部や前記内板部に形成した孔まで凹溝を延ばすことで気体が抜ける経路が構成でき、他には、接着剤を塗らない細い線状の経路を設け、真空断熱パネル16の端部や前記内板部に形成した孔までつなげることにより気体が抜ける経路ができる。
またこれら気体(特に二酸化炭素)は、特に接着剤として反応性ホットメルトを用いた時に発生するものであり、反応性ホットメルト接着剤は加熱溶融した状態で塗布し、被着材料を圧着させて冷却固化させる。そして時間の経過に従い反応性基が空気中の湿気と反応して架橋反応を起こすことにより、高い接着強度や耐熱性が得られるものであるが、同時に気体(特に二酸化炭素)が発生する場合が有る。
反応性ホットメルト接着剤の具体例としては、炭素を有するポリウレタン系接着剤やポリオレフィン系接着剤、ポリウレタン系ホットメルト接着剤などがある。
そのうちポリウレタン系ホットメルト接着剤は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分としてなり、通常のホットメルト接着剤同様に溶融塗布すると、イソシアネート基を残したまま冷却硬化する。その後、イソシアネート基が空気中や被着材に含まれる水分と反応し、鎖延長反応と架橋反応を起こす結果、接着性と耐熱性を有するものとなる。
また貯蔵室のレイアウトは、上から順に冷蔵室57、野菜室58、小冷凍室59、製氷室60、冷凍室61としたが、冷凍温度帯である冷凍室61を冷蔵温度帯である冷蔵室、野菜室の間に配置すると良い。
各段熱壁9〜13は、連結して断熱箱体2を構成しているが、それぞれの壁には外板部をねじ固定などをしており隙間が形成されている。
そうすると断熱箱体2の外の温度と貯蔵室の温度との差があると、暖かい外気が隙間から貯蔵室側に移動する空気の流れが生ずる。
少なくとも外箱が分割されて複数の外板部により構成してる場合にその連結するつなぎ目から外箱と内箱との間のコーナー部に向かって風が流れて露が付いてしまう課題があり、特に冷凍室と外気との温度差が一番高くなり空気が入り込む量が多くなってしまう。
しかし冷凍室を、冷蔵室と冷凍室との間に設置し上側断熱壁11、下側断熱壁12と接しない位置に設けることにより、コーナーとの接触箇所が奥側の左右と、底面の左右と奥、との5辺でなく、奥側の左右のコーナーのみが冷凍室の領域に位置する構成とすることができるから、つなぎ目との接触面積を少なくすることができ、冷気の流入量減らすことができる。
特にコンプレッサなどを収納する機械室を形成する折れ曲がり部であるL状部17のような壁の構造である断熱壁ではつなぎ目多くなるから、機械室と接しない箇所に冷凍室を配置することが望ましい。
またこの場合、上側断熱壁11、下側断熱壁12には発泡ウレタン24を充填していない構造とした場合に特に露付きの課題が顕著に生じるものであり、冷凍室を上下の中央に配置することでより効果的に露付きを防止することができる。
なおこの場合、発泡ウレタン24の変わりに外箱と内箱との間のコーナー部には成形品の断熱材を配置すると断熱も合わせて可能となる。
またここで、シート部材用連結板25や、発泡スチロール28などの覆い手段について変形例を説明する。
これら覆い手段は、別体である必要はなく一体物であればよい。そうすると別体であると組み立てにくいという課題があるが、一体物であると組み立てやすいという効果がある。例えば後述する第5実施形態の固定具51Vを変わりに配置すればよい。
<第2実施形態>
図19〜図27は、第2実施形態を示しており、この第2実施形態においては、左側断熱壁9´と右側断熱壁10´の構造が第1実施形態と異なる。以下、異なる点について説明する。なお、左側断熱壁9´と右側断熱壁10´とは左右対称形であるので、左側断熱壁9´について説明する。この左側断熱壁9´において内箱15の一部である左内板部15A´は、突出部として、棚板支持部40a、40b、40cと、ガイドレール取付部41a、41b、仕切り壁支持部42a、42bとを備えている。これら棚板支持部40a、40b、40cと、ガイドレール取付部41a、41b、仕切り壁支持部42a、42bとを備えた左内板部15A´は、これら棚板支持部40a、40b、40cと、ガイドレール取付部41a、41bと、仕切り壁支持部42a、42bとを一体に形成した一体成形品Icから構成されている。この一体成形品Icは型による成形、例えばインジェクション成形や真空成形により形成されている。
さらに、この左内板部15A´の奥側端部には、これと奥側断熱壁13の奥内板部15E(シート部材Sb)とを連結するためのシート部材用連結部材としてのシート部材用連結部25´が一体に形成されている。このシート部材用連結部25´は前述した奥内板部15Eに取り付けられた固定具26により奥側断熱壁13に連結されている。
前記棚板支持部40a、40b、40cと、ガイドレール取付部41a、41bとは、前後方向の長さが異なる(ガイドレール取付部41a、41bが長い)が断面形状は同じであり、又次に述べる補強構造も同じであるので、棚板支持部40aについて説明する。
この棚板支持部40aは、図22〜図25に示すように、一体成形品Icである左内板部15A´に庫内方向へ膨出するように突出されており、内面部の一部にねじボス部43が形成されている。このねじボス部43には、ねじ孔部43aが形成されている。
そして、左内板部15A´におけるこの棚板支持部40a内面部分には、補強部材としての例えば金属板製の補強板44が取り付けられる。すなわち、この補強板44は前記棚板支持部40aの内面に沿う形状に形成されており、ボス部嵌合部44aを有し、このボス部嵌合部44aにねじ挿通孔部44bを形成している。この補強板44を棚板支持部40a内面部分に当て、ねじ挿通孔部44bを通したねじ45をねじ孔部43aに螺合することによってこの補強板44を棚板支持部40aの内面に取り付け、もって当該棚板支持部40aを補強している。
前記仕切り壁支持部42a、42bは、前記第1実施形態の仕切り壁支持具35、36に相当するものであり、図26および図27に示すように、この仕切り壁支持部42a、42bの内面に補強部材としての例えば金属板製の補強板46がねじ47V止めにより取り付けられている。これにより、仕切り壁支持部42a、42bが補強板46によって補強されている。
なお、上述の補強板44、46のねじ止めは必要に応じて行えば良く、これに代えて接着による固定でも良く、要は、補強板44、46を左単位パネル16Aと左内板部15A´(一体成形品)との間に設けて、当該補強板44、46で、夫々突出部である棚板支持部40a、40b、40c、ガイドレール取付部41a、41b、仕切り壁支持部42a、42bを補強すれば良い。
この第2実施形態においては、内箱15が、庫内に突出する突出部である棚板支持部40a、40b、40c、ガイドレール取付部41a、41b、仕切り壁支持部42a、42bを備え、これら棚板支持部40a、40b、40c、ガイドレール取付部41a、41b、仕切り壁支持部42a、42bを備えた部分である左内板部15A´を、当該棚板支持部40a、40b、40c、ガイドレール取付部41a、41b、仕切り壁支持部42a、42bを一体に形成した一体成形品Icから構成し、当該一体成形品Icの棚板支持部40a、40b、40c、ガイドレール取付部41a、41b、仕切り壁支持部42a、42bは、真空断熱パネルである単位パネル16Aと当該一体成形品Icとの間に設けられた補強部材である補強板44、46により補強されている。
この実施形態によれば、突出部である棚板支持部40a、40b、40c、ガイドレール取付部41a、41b、仕切り壁支持部42a、42bを一体成形品Icに設けているから、これら突出部を別部品で構成せずに済む。そして、一体成形品である場合には材料コストが安いことを考慮して若干強度が低い(ABS樹脂に比して低い)オレフィン樹脂(ポリプロピレン材料など)を用いるが、その強度不足を補強板44、46により補うことができる。
<第3実施形態>
図28および図29は第3実施形態を示している。この第3実施形態においては、左側断熱壁9´´および右側断熱壁10´´の構成が第1実施形態および第2実施形態と異なる。以下、異なる点について説明する。この場合、左側断熱壁9´´および右側断熱壁10´´は左右対称形であるので、左側断熱壁9´´について説明する。この左側断熱壁9´´では、一つの単位パネル16Aに対して、左内板部15Aが、上側板部15Aaと下側板部15Abとに分割されている。これら上側板部15Aaと下側板部15Abとは上下に隣接している。上側板部15Aaは、例えばインジェクション成形又は真空成形などにより一体成形品Idとして構成されており、第2実施形態と同様に突出部としての40a、40b、40cを一体に有すると共に、シート部材用連結部25´を一体に有する。このシート部材用連結部25´は冷蔵室57に位置するが、野菜室58、小冷凍室59、製氷室60および冷凍室61に位置するシート部材用連結板25´´は上側板部15Aaおよび下側板部15Abとは別部品として設けられている。
又、下側板部15Abは平板状のシート部材Scから構成されており、第1実施形態と同様にこのシート部材Scとは別部品の突出部として固定具26、ガイドレール取付具33、34、仕切り壁支持具35、36を第1実施形態と同じ取付構造により取り付けている。
上述の上側板部15Aaは、冷蔵室57に位置して当該冷蔵室57内面を構成し、又、下側板部15Abは野菜室58、小冷凍室59、製氷室60、冷凍室61にわたって位置してこれら各室の内面を構成している。上側板部15Aaと下側板部15Abとの境界部分には第1の仕切り壁55が配置されている。
この第3実施形態においては、一体成形品Idからなる上側板部15Aaにより、回転扉3、4を備えた冷蔵室57の内面を構成したから、冷蔵室57内面の見栄えが良い。すわなち、冷蔵室57内面は、回転扉3、4の開放時に使用者の目が届くところであり、前記突出部である棚板支持部40a、40b、40cにも目が届くことも多い。しかるに、この冷蔵室57の内面における前記棚板支持部40a、40b、40cが型成形による一体成形品Idと一体であるから、これら棚板支持部40a、40b、40cが上側板部15Aaから滑らかに突出する形態となり、見栄えが良く、衛生面での印象も良くなる。
<第4実施形態>
図30および図31は第4実施形態を示しており、この実施形態では、第1実施形態における棚板支持具30における本体部30a周縁部に、内箱15内面側(図では左内板部15A側)へ傾斜する弾性変形可能なひれ部30eを形成した点が第1実施形態と異なる。
このひれ部30eは、棚板支持具30の取付状態において、内箱15内面に密接する。このひれ部30eにより内箱15内面と棚板支持具30との間の隙間を隠すことができる。すなわち、皿ねじ32を棚板支持具30のねじ孔部30cにねじ込む際に、左内板部15Aのねじ挿通孔部31の周縁部31aを変形させることから、このねじ挿通孔部31部分に皺が発生することがあり、これによってこの左内板部15Aと棚板支持具30との間に隙間が発生することがある。しかるにこの第4実施形態によれば、この隙間は上述したひれ部30eにより隠すことができる。
<第5実施形態>
以下、第5実施形態について、図34〜図66を参照して説明する。
まず、図35に示す冷蔵庫11Vは、図34〜図39に示す断熱箱体12Vと、その断熱箱体12V内を冷却するための図示しない冷凍サイクルとを備えている。
断熱箱体12Vは、図38および図39に示すように、外箱13Vと、内箱14Vと、外箱13Vと内箱14Vとの間に設けられている断熱部材15Vとを有している。断熱箱体12Vは、前面が開口した箱状に構成され、内箱14Vの内部に収容空間、例えば貯蔵室、必要に応じてダクトが設けられる空間などを形成している。
外箱13Vは、スチール製であり、前面が開口した箱状に構成されている。外箱13Vは、図34および図36〜図39に示すように、当該外箱13Vを複数に分割してなる複数枚の外板からなる壁を組み合わせて構成されている。具体的には、外箱13Vは、板状の上面壁16Vと、平板状の底面壁17Vと、平板状の右面壁18Vと、平板状の左面壁19Vと、平板状の背面壁20Vとから構成されている。上面壁16Vは、前後方向で段差状をなし、前部が底面壁17Vと平行な平板状をなし、後部が前部よりも下側に位置して底面壁17Vと平行な平板状をなしている。右面壁18Vと左面壁19Vとは左右対称の形状である。上面壁16Vの後部上には、図36〜図38に示すように、機械室21Vが形成されている。機械室21Vには、上述した冷凍サイクルを構成する図示しない圧縮機などが設けられている。機械室21Vの床面には、図38に示すように、離間部211Vが形成されている。離間部211Vは、隣り合った断熱部材15V間に隙間を設けることにより形成された開口である。こ実施形態では、断熱箱体12Vの上面に位置する断熱部材15Vと背面に位置する断熱部材15Vとが離間して配置されることにより、離間部211Vが形成されている。また、断熱箱体12Vの後部の下部には冷蔵用、冷凍用、あるいは制御などに用いられる部品、凝縮器などを収容する部品収容室212Vが形成されている。また、部品収容室212Vの上面には、離間部213Vが形成されている。離間部213Vは、断熱箱体12Vの底面に位置する断熱部材15Vと背面に位置する断熱部材15Vとが離間して配置されることにより形成されている。
内箱14Vは、樹脂製であり、前面が開口した箱状をなし、外箱13Vの内部に設けられている。内箱14Vは、図34および図36〜図39に示すように、当該内箱14Vを複数に分割してなる複数枚の内板からなる壁を組み合わせて構成されている。具体的には、内箱14Vは、板状の上面壁22Vと、平板状の底面壁23Vと、平板状の右面壁24Vと、平板状の左面壁25Vと、平板状の背面壁26Vとから構成されている。内箱14Vの上面壁22Vも、外箱13Vの上面壁16Vと同様に、前後方向で段差状をなし、前部が底面壁23Vと平行な平板状をなし、後部が前部よりも下側に位置して底面壁23Vと平行な平板状をなしている。右面壁24Vと左面壁25Vとは左右対称の形状である。
内箱14Vの左面壁25Vおよび背面壁26Vのそれぞれには、図34および図44に示すように、内箱14Vの外面側から当該内箱14Vの内面側すなわち貯蔵室側に突出する支持部材27Vが複数個設けられている。なお、内箱14Vの右面壁24Vにも、図57に示すように、同様の支持部材27Vが設けられている。
支持部材27Vは、例えば、樹脂製のブロックであり、図53および図54に示すように、基端部が断熱部材15Vに接着して固定され、他端部である先端部が、内箱14Vの壁、例えば図53および図54では左面壁25Vおよび背面壁26Vに形成した開口部28Vを貫通している。さらに、内箱14Vの右面壁24Vにおける背面壁26V側の上下方向に並んで設けられている支持部材27V、および内箱14Vの背面壁26Vにおける右面壁24V側および左面壁25V側の上下方向に並んで設けられている支持部材27Vの先端部側には、ねじ穴271Vが形成されている。なお、図示はしないが、内箱14Vの右面壁24Vにおける背面壁26V側の上下方向に並んで設けられている支持部材27Vの突出している先端部にも、同様のねじ穴が形成されている。なお、支持部材27Vが、図53および図54に示すように、基端部に鍔部272Vを有する構成とし、鍔部272Vが断熱部材15Vと内箱14Vの外面とで挟持される構成としてもよい。支持部材27Vが鍔部272Vを有することにより、支持部材27Vが開口部28Vから貯蔵室側に落ちてしまうことを防止できる。また、支持部材27Vは、内箱14Vの壁とは別の部材ではなく、内箱14Vに一体に成形させてもよい。
図38および図39に示すように、外箱13Vの上面壁16Vと内箱14Vの上面壁22V、外箱13Vの底面壁17Vと内箱14Vの底面壁23V、外箱13Vの右面壁18Vと内箱14Vの右面壁24V、外箱13Vの左面壁19Vと内箱14Vの左面壁25V、外箱13Vの背面壁20Vと内箱14Vの背面壁26Vは、それぞれ断熱部材15Vを介して対向して設けられている。なお、図39に、外箱13Vの右面壁18Vと内箱14Vの右面壁24Vとが対向し、外箱13Vの左面壁19Vと内箱14Vの左面壁25Vとが対向し、外箱13Vの背面壁20Vと内箱14Vの背面壁26Vとが対向した状態を概略的に示す。
断熱部材15Vは、断熱性能に優れたもの、例えばウレタンなどの発泡断熱材やソフトテープなどよりも熱伝導率が低いものであり、具体的には、平板状の一般的な真空断熱パネルであり、芯材と、芯材を収容する外袋体とを備えている。芯材は、断熱性の高い材料、例えばグラスウールなどの無機繊維の積層体を、例えばポリエチレンなどの合成樹脂フィルムからなる図示しない内袋体に収容した後、矩形板状に圧縮硬化して形成したものである。芯材は、その他、例えば抄紙法、加熱圧縮法などで形成してもよい。外袋体は、ガスバリア性を有する袋であり、例えばポリエチレンテレフタレートのフィルム、高密度ポリエチレンのフィルム、アルミ蒸着フィルム、アルミ箔シートなどを適宜組み合わせ積層し袋状に形成したものである。そして、断熱部材15Vは、芯材を外袋体に収容した状態で当該外袋体内を減圧して、減圧を維持したまま外袋体の開口部を熱溶着などによって密閉することにより構成されている。
断熱部材15Vは、平板状の板厚方向の一面が内箱14Vの外面に接着され、かつ、一面とは反対側の他面が外箱13Vの内面に接着されている。すなわち、断熱箱体12Vの内部は、断熱部材15Vが外板および内板に当接して配置されることにより構成されている。図40に一例として、外箱13Vの左面壁19Vと、外箱13Vの左面壁19Vに対向して設けられている内箱14Vの左面壁25Vとの間に断熱部材15Vが挟まれて設けられた構成を示す。この構成において、断熱部材15Vと外箱13Vの内面この場合左面壁19Vとの間には、断熱部材15Vと左面壁19Vとを接着させる接着剤29Vが設けられている。さらに、断熱部材15Vと内箱14Vの外面この場合左面壁25Vとの間にも、断熱部材15Vと左面壁25Vとを接着させる接着剤30Vが設けられている。接着剤29V,30Vとしては、液体状の接着剤、両面テープなどが用いられる。なお、上述した支持部材27Vは、この接着剤30Vによって断熱部材15Vに接着されている。また、支持部材27Vは、固定具51Vと係合することにより、外箱13Vおよび内箱14Vに当接した構成としてもよい。
このように、外箱13Vの壁16V〜20Vと、外箱13Vに対向して設けられた内箱14Vの壁22V〜26Vと、その外箱13Vの壁16V〜20Vと内箱14Vの壁22V〜26Vとの間に設けられた断熱部材15Vとを、接着剤29V,30Vによって接着することにより、この外箱13Vの一の壁とその外箱13Vに対応する内箱14Vの一の壁と、それらの壁の間に設けられた断熱部材15Vとが一体となる。この一体となったものを断熱壁、この実施形態では分割断熱壁31Vと称する。なお、断熱壁および分割断熱壁31Vは、分割断熱パネルと称してもよい。すなわち、断熱箱体12Vは、複数の分割断熱壁31Vを組み合わせて箱状に構成されている。具体的には、図34に示すように、断熱箱体12Vは、当該断熱箱体12Vの上面壁を構成する上面用分割断熱壁311V、当該断熱箱体12Vの床面壁を構成する床面用分割断熱壁312V、当該断熱箱体12Vの右面壁である側壁を構成する右面用分割断熱壁313V、当該断熱箱体12Vの左面壁である側壁を構成する左面用分割断熱壁314V、当該断熱箱体12Vの背面壁を構成する背面用分割断熱壁315Vの5枚を組み合わせて構成されている。また、右面用分割断熱壁313Vおよび左面用分割断熱壁314Vは、左右対称の形状であり、対向して配置されている。
ここで、断熱箱体12Vの左右の壁を形成する右面用分割断熱壁313Vおよび左面用分割断熱壁314Vの前端部について図36、図37および図41を参照して説明する。なお、上述したように、右面用分割断熱壁313Vと左面用分割断熱壁314Vとは左右対称であるため、右面用分割断熱壁313Vの前端部について説明する。
図36および図37に示すように、右面用分割断熱壁313Vの前端部の上下方向の中央部および下部付近の2箇所には、外箱13Vの右面壁18Vの前端部に折り曲げ部32Vが形成されている。2箇所の折り曲げ部32Vは同様の構成であるため、右面用分割断熱壁313Vの前端部の上下方向の中央部に設けられている折り曲げ部32Vについて説明する。
折り曲げ部32Vは、図41に示すように、右面壁18Vの前端部から左方向に折り曲がり、引き続き内箱14Vの右面壁24Vの前方において後方側に折り曲がり、さらに、断熱部材15V側に折り曲がった形状である。すなわち、折り曲げ部32Vは、左右方向に延びる2つの平坦部321Vと、ほぼ360°に折り曲がっている湾曲部322Vとから構成され、上方から見てU字状をなしている。2つの平坦部321Vは、互いにほぼ対向しているとともに、断熱部材15Vの前方に位置している。また、湾曲部322Vは、内箱14Vの右面壁24Vの前方に位置し、折り曲げ部32Vの平坦部321Vの先端面が断熱箱体12Vの外面に位置しないように、折り曲げ部32Vの端部が後方側になるように折り曲がっている。さらに、折り曲げ部32Vの湾曲部322Vと内箱14Vの右面壁24Vの前端部との間には開口部33Vが形成されるとともに、折り曲げ部32Vと断熱部材15Vの前端部との間には、端部差込室34Vが形成された構成となっている。すなわち、開口部33Vは、端部差込室34Vの入口として機能するものであり、内箱14Vの右面壁24Vの前端部と外箱13Vの右面壁18Vの折り曲げ部32Vとが離間して形成されている。端部差込室34Vは、空間であり、右面壁18Vの折り曲げ部32Vと断熱部材15Vとが離間して形成されている。そして、その端部差込室34Vに、仕切り板441Vと仕切り補強板442Vとが収容される構成である。また、2つの平坦部321Vには、板厚方向に貫通する貫通孔35Vが形成されている。前記開口部33V、端部差込室34Vおよび貫通孔35Vについては、後述する。
断熱箱体12Vの内箱14Vの内部である貯蔵室は、図36および図37に示すように、当該貯蔵室の中央部に設けられた第1の仕切り部材37Vと、第1の仕切り部材37Vの下方に設けられた第2の仕切り部材38Vとによって仕切られている。これにより、断熱箱体12Vの内部には、貯蔵室が複数に分割されて複数の部屋が形成されている。具体的には、内箱14Vと第1の仕切り部材37Vとで囲われて冷蔵室39Vが形成されている。また、内箱14Vと第1の仕切り部材37Vと第2の仕切り部材38Vとで囲われて野菜室40Vが形成されている。
さらに、内箱14Vと第2の仕切り部材38Vとで囲われて内箱14Vの下部に空間が形成されている。この空間には、製氷室41Vと、第1の冷凍室42Vと、製氷室41Vの右隣に配置される第2の冷凍室43Vとが設けられる構成である。冷蔵室39Vの前面開口部には、図35に示すように、観音開き式の冷蔵室扉391Vが設けられ、野菜室40Vの前面開口部には引出し式の野菜室扉401Vが設けられている。また、製氷室41Vの前面開口部には引出し式の製氷室扉411Vが設けられ、第1の冷凍室42Vの前面開口部には引出し式の第1の冷凍室扉421Vが設けられ、第2の冷凍室43Vの前面開口部には引出し式の第2の冷凍室扉431Vが設けられている。
第1の仕切り部材37Vは、第2の仕切り部材38Vと同様の構成であるため、第1の仕切り部材37Vについて図41を参照して説明する。また、第1の仕切り部材37Vは、左右対称の形状であるため、右側の構成について説明する。
第1の仕切り部材37Vは、前仕切り部44Vと、面仕切り部45Vとから構成されている。
前仕切り部44Vは、貯蔵室の前面開口部に設けられ、当該貯蔵室の左右方向に延びる直方体状に構成されている。前仕切り部44Vは、仕切り板441Vと、仕切り補強板442Vと、仕切りカバー443Vと、仕切り断熱部材444Vとから構成されている。
仕切り板441Vは、金属製であり、前仕切り部44Vの前面壁を構成する板部材であり、左右両端部がやや後方に折れ曲がっている。仕切り板441Vは、右端部が、右面用分割断熱壁313Vの前端部に形成されている開口部33Vを通って端部差込室34Vの内部に配置されている。前仕切り部44Vの右端部には、貫通孔445Vが3箇所形成されている。
仕切り補強板442Vは、金属製であり、仕切り板441Vの引張強度が小さい場合などに設けられるものであり、上下方向の寸法が仕切り板441Vの上下方向の寸法と同様またはそれより短く調整され、左右方向の寸法が仕切り板441Vの左右方向の寸法よりも長く調整され、且つ、板厚が仕切り板441Vと同等またはそれ以上に調整された板部材であり、左右両端部がやや後方に折れ曲がっている。仕切り補強板442Vは、仕切り板441Vの背面に接して設けられている。
そして、仕切り板441Vの右端部が、右面用分割断熱壁313Vの前端部に形成されている開口部33Vを通って端部差込室34Vの内部に配置されている。これにより、仕切り板441Vの右端部は、仕切り補強板442Vの右端部と外箱13Vの右面壁18Vすなわち右面用分割断熱壁313Vの折り曲げ部32Vとで挟まれた構成となる。また、仕切り板441Vおよび仕切り補強板442Vの左右両端部が後方に折れ曲がった形状であり、この端部が端部差込室34Vに挿入される構成であるため、折り曲げ部32Vの前面を仕切り板441Vの前面と面一に構成することができる。
仕切り補強板442Vの右端部は、仕切り板441Vよりも右側に位置して断面L字状をなし、外箱13Vの右面壁18Vの右前部分の角の形状に対応して後方に折れ曲がっている。さらに、仕切り補強板442Vの右端部には、仕切り板441Vの3箇所の貫通孔445Vに対応する3箇所のねじ穴446Vが形成されている。3箇所のうちの最も右端部側に位置するねじ穴446Vは、外箱13Vの右面壁18Vの折り曲げ部32Vに形成した貫通孔35Vに通されるねじ46Vの軸部が設けられた構成となっている。また、仕切り補強板442Vの残り2箇所のねじ穴446Vにも、仕切り板441Vの貫通孔445Vに通されるねじ47Vの軸部が設けられた構成となっている。これにより、仕切り板441Vの右端部および仕切り補強板442Vの右端部は、右面用分割断熱壁313Vの折り曲げ部32Vに連結固定された構成となる。なお、上述したように、図示はしないが、仕切り板441Vの左端部および仕切り補強板442Vの左端部も、上述した右端部と同様な構成であり、外箱13Vの左面壁19Vすなわち左面用分割断熱壁314Vの図示しない折り曲げ部に連結固定された構成となっている。すなわち、仕切り板441Vは、右面用分割断熱壁313Vと左面用分割断熱壁314Vとを貯蔵室の前面開口部において連結固定する連結部材として機能し、折り曲げ部32Vは被連結部材として機能している。
仕切りカバー443Vは、金属製であり、前面が開口した箱状をなし、仕切り板441Vとともに前仕切り部44Vの直方体の外周壁を形成するものである。そして、仕切りカバー443Vと仕切り板441Vとで形成される直方体の空間に、仕切り断熱部材444Vが設けられている。仕切りカバー443Vは、支持部材27Vによって支持されている。すなわち、仕切りカバー443Vは、下部に図示しない取付部を有し、この取付部がねじによって支持部材27Vに固定される構成である。
仕切り断熱部材444Vは、発泡スチロールやウレタンなどの断熱部材からなり、直方体状に形成されている。
面仕切り部45Vは、図36および図37にも示すように、断熱性を有する樹脂製の矩形状の板部材であり、真空断熱パネルなどの板状の断熱部材の周囲を樹脂製の板で覆ったものである。面仕切り部45Vは、内箱14Vの支持部材27V上に載置されて保持されているとともに、前端部が前仕切り部44Vの背面に接して設けられ、左右両端部が内箱14Vの右面壁24Vおよび左面壁25Vに接して設けられている。なお、第1の仕切り部材37Vの面仕切り部45Vの後端部は、内箱14Vの背面壁26Vに対して隙間を開けて設けられている。これにより、冷蔵室39Vと野菜室40Vとは連通した構成となっている。一方、第2の仕切り部材38Vの面仕切り部45Vの後端部は、内箱14Vの背面壁26Vに接して設けられている。これにより、野菜室40Vと製氷室41Vとは第2の仕切り部材38Vによって断熱されるとともに、野菜室40Vと第2の冷凍室43Vとも第2の仕切り部材38Vによって断熱された構成となっている。
分割断熱壁31Vは、図34および図36〜図39に示すように、隣り合う他の分割断熱壁31Vに対して固定具51Vを介して連結固定されている。すなわち、内箱14Vは、複数に分割された壁22V〜26Vにおいて、一の壁に隣り合う他の壁によって形成されるコーナー部において、これらの2つの壁が固定具51Vを介して連結固定された構成となっている。
固定具51Vは、内箱14Vにあって上面壁22Vと右面壁24Vとで形成されるコーナー部、上面壁22Vと左面壁25Vとで形成されるコーナー部、上面壁22Vと背面壁26Vとで形成されるコーナー部、底面壁23Vと右面壁24Vとで形成されるコーナー部、底面壁23Vと左面壁25Vとで形成されるコーナー部、底面壁23Vと背面壁26Vとで形成されるコーナー部に設けられている。言い換えると、固定具51Vは、隣り合って離間している2つの断熱部材15Vに対向する位置で固定されている。
また、内箱14Vの後部のコーナー部、例えば左面壁25Vと背面壁26Vとで形成される左奥側のコーナー部には、図39および図42に示すように、電線52Vが配置されている。電線52Vは、例えば図示しない制御手段たる制御装置と当該制御装置からの信号を受けて駆動する図示しない送風ファンなどの部品とをつなぐ電線、あるいは、制御装置と各種センサとをつなぐ電線であり、例えば、当該コーナー部に沿って延びている。電線52Vは、複数本の電線を束ねて構成されている。なお、図面では、複数本の電線が束ねられて断面が円形の状態となった電線52Vを示す。
さらに、内箱14Vの後部であって電線52Vが設けられているコーナー部とは異なるコーナー部、例えば左面壁25Vと背面壁26Vとで形成される右奥側のコーナー部には、図39および図55に示すように、配管53Vが配置されている。配管53Vは、具体的には、図示しない冷蔵用の蒸発器とコンプレッサとをつなぐサクションパイプおよび冷凍用の蒸発器とコンプレッサとをつなぐサクションパイプなどであり、例えば当該コーナー部に沿って延びている。配管53Vは、例えば、冷蔵に用いられる冷媒が通るものと、冷凍に用いられる冷媒が通るものとの2本設けられている。
内箱14Vの各コーナー部に設けられている固定具51Vはよく似た構成であるため、以下、内箱14Vにおいて左面壁25Vと背面壁26Vとで形成されるコーナー部に設けられている固定具511V、および、右面壁24Vと背面壁26Vとで形成されるコーナー部に設けられている固定具512Vについて説明する。なお、固定具512Vの説明においては、固定具511Vと共通する部分についての説明を省略する。また、上述の電線52Vおよび配管53Vの構成についても説明する。
まず、固定具511Vについて図34、図42〜図54を参照して説明する。
固定具511Vは、図34、図42および図43に示すように、全体として断面直角三角形の柱状をなし、内箱14Vの左面壁25Vと背面壁26Vとで形成されるコーナー部に沿って上下方向に延びた形状をなしている。図42は、電線52Vが設けられているコーナー部付近を概略的に示すものである。図43は、コーナー部に固定具511Vを設けた後の当該コーナー部を示すものである。なお、図44は、当該コーナー部に固定具511Vが設けられる前の当該コーナー部を示している。
固定具511Vは、図45〜図47に示すように、断面直角三角形の筒状を構成する固定カバー54Vおよび補強部材55Vと、筒状の内部を構成するコーナー用断熱部材56Vとを有している。
固定カバー54Vは、樹脂製であり、上下方向に長い矩形の板部材であり、コーナー部に設けられている電線52Vの前側を覆うようにして配置されている。すなわち、冷蔵庫11Vの使用者側から電線52Vが見えないように固定カバー54Vが配置されている。固定カバー54Vの前面には、図47〜図54に示すように、ねじ57Vの軸部を貫通させるための貫通孔58Vが形成されている。固定カバー54Vの貫通孔58Vは、長手方向に直交する幅方向において両端部の複数個所に形成されている。この貫通孔58Vは、他方側の端部の貫通孔58Vが極力離れるように、他方側の端部に位置する貫通孔58Vと上下方向がずれて配置されている。すなわち、固定カバー54Vの貫通孔58Vは、例えば図46に示すように、固定カバー54Vの長手方向に沿ってジグザグ状に配置されている。
固定カバー54Vの貫通孔58Vのうち正面から見て左側に位置する貫通孔58Vの軸方向は、図48、図50、図52および図53に示すように、当該固定カバー54Vが内箱14Vのコーナー部に設けられたときに内箱14Vの左面壁25Vに直交する方向である。また、固定カバー54Vの貫通孔58Vのうち正面から見て右側に位置する貫通孔58Vの軸方向は、図48、図49、図51および図54に示すように、当該固定カバー54Vが内箱14Vのコーナー部に設けられたときに当該内箱14Vの背面壁26Vに直交する方向である。
固定カバー54Vは、図34、図45および図46に示すように、固定具511Vが設けられるコーナー部の延びている方向の長さにおいて2個に分割されたパーツから構成されている。この構成により、固定カバー54Vの取扱いが容易になるとともに、ねじれなどの変形がしにくくなる。以下、固定カバー54Vのうち上側のパーツを上固定カバー541Vと称し、下側のパーツを下固定カバー542Vと称する。上固定カバー541Vは内箱14Vの冷蔵室39Vおよび野菜室40Vのコーナー部に配置され、下固定カバー542Vが内箱14Vの製氷室41Vおよび第1の冷凍室42Vのコーナー部に配置される構成である。固定カバー54Vのうち上固定カバー541Vと下固定カバー542Vとが連結する部分言い換えると分割部分は、図48に示すように左奥側のコーナー部側に突出し、後述する補強部材55Vに当接している。また、図43および図45〜図47に示すように、上固定カバー541Vの長手方向の中央部には端部側が開口した開口部59Vが形成され、下固定カバー542Vの長手方向の中央部にも端部側が開口した開口部60Vが形成されている。
補強部材55Vは、固定具51Vの固定カバー54Vの強度を補強するものであり、樹脂製であり、図42、図45および図47に示すように、固定具511Vの断面二等辺三角形の残りの二辺を形成するカバー、具体的には直角の角を形成する断面L字状の板部材からなり、長手方向の長さが固定カバー54Vの長手方向の長さと同じに調整されている。補強部材55Vは、断面L字状をなす二辺のうちの一辺が内箱14Vの左面壁25Vすなわち左面用分割断熱壁314Vに対向して配置され、残りの一辺が内箱14Vの背面壁26Vすなわち背面用分割断熱壁315Vに対向して配置されている。
この補強部材55Vの直角部分が内箱14Vのコーナー部に対応して配置される構成である。すなわち、補強部材55Vの断面L字状の直角部分が内箱14Vのコーナー部の角に最も近づいた状態になるようにして、固定具511Vが当該コーナー部に配置されている。そして、補強部材55Vの断面L字状の開いている側の開口部が固定カバー54Vによって覆われる構成である。言い換えると、補強部材55Vは、隣り合う分割断熱壁31Vの端部間すなわち隣り合う分割断熱壁31Vの離間している部分を横断して配置され、分割断熱壁31V間の断熱効果の小さい所に配置された構成である。
補強部材55Vの長手方向に直交する幅方向の両端部には、複数のねじ穴61Vおよび複数の貫通孔62Vが形成されている。複数のねじ穴61Vおよび複数の貫通孔62Vは、固定カバー54Vの貫通孔58Vに対応して、補強部材55Vの長手方向に沿ってジグザグ状に配置されている。
補強部材55Vの貫通孔62Vは、固定カバー54V側に膨出している膨出部63Vに形成されている。すなわち、膨出部63Vも補強部材55Vの長手方向に沿ってジグザグ状に配置されている。補強部材55Vの貫通孔62Vの軸方向は、固定カバー54Vが補強部材55Vに取り付けられたときに、固定カバー54Vの貫通孔58Vの軸方向に一致する構成である。補強部材55Vの貫通孔62Vには、ねじ57Vの軸部が貫通する構成である。
補強部材55Vのねじ穴61Vは、図47、図48、図49および図52に示すように、固定カバー54V側に突出した円筒状をなし、内部にねじ山が形成されたものである。補強部材55Vのねじ穴61Vは、固定カバー54Vが補強部材55Vに取り付けられたときに、固定カバー54Vの貫通孔58Vの軸方向に一致し、ねじ57Vと螺合する構成となっている。
この補強部材55Vも、図47に示すように、固定具511Vが設けられるコーナー部の延びている方向の長さにおいて2個に分割されたパーツから構成されている。補強部材55Vの分割位置は、固定カバー54Vの分割位置と同じである。以下、補強部材55Vのうち上側のパーツを上補強部材551Vと称し、下側のパーツを下補強部材552Vと称する。この構成によって、上補強部材551Vも、冷蔵室39Vおよび野菜室40Vのコーナー部に配置され、下補強部材552Vが内箱14Vの製氷室41Vおよび第1の冷凍室42Vのコーナー部に配置される構成である。
コーナー用断熱部材56Vは、例えば図42に示すように、固定具511Vの固定カバー54Vに覆われるようにコーナー部に配置されたものであり、具体的には上述したように固定具511Vに囲われて設けられている。すなわち、コーナー用断熱部材56Vは、隣り合う分割断熱壁31Vの端部間である離間している部分を覆うように配置されている。コーナー用断熱部材56Vは、図47に示すように、発泡スチロールなどの断熱部材を三角柱に形成したものである。コーナー用断熱部材56Vの長手方向に直交する幅方向の両端部側には、複数の切欠き部64Vが形成されている。切欠き部64Vは、固定カバー54Vの貫通孔58V、補強部材55Vのねじ穴61Vおよび貫通孔62Vに設けられるねじ57Vに干渉しないように、コーナー用断熱部材56Vの長手方向に沿ってジグザグ状に配置されている。このコーナー用断熱部材56Vも、固定具511Vが設けられるコーナー部の延びている方向の長さにおいて2個に分割されたパーツから構成されている。コーナー用断熱部材56Vの分割位置は、固定カバー54Vの分割位置と同じである。以下、コーナー用断熱部材56Vのうち上側のパーツを上コーナー用断熱部材561Vと称し、下側のパーツを下コーナー用断熱部材562Vと称する。この場合、上コーナー用断熱部材561Vは、上固定カバー541Vおよび上補強カバー551Vによって挟まれて設けられている。また、下コーナー用断熱部材562Vは、下固定カバー542Vおよび下補強カバー552Vによって挟まれて設けられている。この構成によって、上コーナー用断熱部材561Vも、冷蔵室39Vおよび野菜室40Vのコーナー部に配置され、下コーナー用断熱部材562Vが内箱14Vの製氷室41Vおよび第1の冷凍室42Vのコーナー部に配置される構成である。
上記構成によって、固定具511Vは、全体として、コーナー部に沿って延びる方向において2個に分割可能な構成となっている。なお、上コーナー用断熱部材561Vは、下コーナー用断熱部材562Vに対して離間して設けられている。すなわち、図48に示すように、固定カバー54Vの分割部分では、固定具511Vの分割部分の前面がコーナー部側に凹んだ形状になっている。
また、上コーナー用断熱部材561Vの長手方向の中央部には上固定カバー541Vの開口部59Vに対応して端部側が開口した開口部65Vが形成され、下コーナー用断熱部材562Vの長手方向の中央部にも上固定カバー541Vの開口部60Vに対応して端部側が開口した開口部66Vが形成されている。
また、コーナー用断熱部材56Vの長手方向に直交する断面における直角部分、すなわち内箱14Vのコーナー部の角に近接する部位には、長手方向に延びる凹状の収容部67Vが形成されている。このコーナー用断熱部材56Vの収容部67Vには、上述した電線52Vが収容されている。すなわち、固定具511Vは、筒状の内部に電線52Vを収容した構成となっている。収容部67Vに収容されている電線52Vは、収容部67Vの内周面が保持部となって当該保持部によって所定の位置からずれないように保持されているとともに、図示しないフックなどの保持部などでも保持されている。すなわち、電線52Vと固定具511Vとは一体された構成となっている。電線52Vは、一部がコーナー用断熱部材56Vの開口部65Vを通って上固定カバー541Vの開口部59Vから貯蔵室側に出ており、また他の一部もコーナー用断熱部材56Vの開口部66Vを通って下固定カバー592Vの開口部60Vから貯蔵室側に出ており、さらに他の一部が固定具511Vの上端面から外側に出ており離間部211Vを通って機械室21Vに導かれている。すなわち、固定具511Vの開口部59V,60Vは、固定具511Vの内部に収容されている電線52Vの一部を貯蔵室側に導くためのものである。なお、さらに、電線52Vの一部を固定具511Vの下端面から、離間部213Vを通って部分収容室212Vに導かれるようにしてもよい。
電線52Vは、図46に示すように、固定カバー54Vの開口部59V,60Vから貯蔵室側に出ている部分に接続部68Vを有している。また、電線52Vは、固定具511Vの上端面から外側に延びている先端部にも接続部68Vを有している。これらの接続部68Vは、樹脂製であり、他の電線の接続部と接続可能なプラグ状の構成となっている。他の電線は、例えば制御装置や送風ファンなどの部品に接続されている。
固定カバー54Vと補強部材55Vとの間、具体的には固定カバー54Vの幅方向の端部と補強部材55Vの幅方向の端部との間には、図47および図49〜図52に示すように、第1のシール部材71Vが設けられている。第1のシール部材71Vは、固定カバー54Vおよび補強部材55Vの長手方向に沿って長く延びる部材であり、例えばソフトテープから構成されている。これにより、固定カバー54Vと補強部材55Vとの間が第1のシール部材71Vによってシールされた構成となる。
補強部材55Vとこの補強部材55Vに近接する内箱14Vの壁、具体的には補強部材55Vと左面壁25Vすなわち左面用分割断熱壁314Vとの間、および補強部材55Vと背面壁26Vすなわち背面用分割断熱壁315Vとの間には、図47〜図52に示すように、第2のシール部材72Vが設けられている。第2のシール部材72Vは、固定カバー54Vおよび補強部材55Vの長手方向に沿って長く延びる部材であり、例えばソフトテープから構成されている。これにより、補強部材55Vとこの補強部材55Vに近接する分割断熱壁31Vとの間が第2のシール部材72Vによってシールされた構成となる。
図42に示すように、分割断熱壁31Vの端部、例えば左面用分割断熱壁314Vと背面用分割断熱壁315Vとが突き合されている部分には、第3のシール部材73Vが設けられている。第3のシール部材73Vは、固定カバー54Vおよび補強部材55Vの長手方向に平行に延びている部材であり、例えばソフトテープから構成されている。これにより、左面用分割断熱壁314Vと背面用分割断熱壁315Vとの間が第3のシール部材73Vによってシールされた構成となる。なお、図53および図54では、第3のシール部材の図示を省略する。
固定具511Vは、図47〜図52に示すように、固定カバー54Vと補強部材55Vとによってコーナー用断熱部材56Vを挟み、コーナー用断熱部材56Vの収容部67Vに電線52Vを収容し、固定カバー54Vの幅方向の端部と補強部材55Vの幅方向の端部とを合わせて構成されている。そして、このように固定カバー54Vを補強部材55Vに合わせた状態で、ねじ57Vの軸部を固定カバー54Vの貫通孔58Vに通して補強部材55Vのねじ穴61Vに螺合させることにより、固定カバー54Vが補強部材55Vに固定された構成となっている。また、固定カバー54Vが補強部材55Vに固定されることにより、コーナー用断熱部材56Vも固定具511Vの内部に固定された構成となり、電線52Vも固定具511Vの内部に固定された構成となっている。したがって、固定カバー54Vと、補強部材55Vと、コーナー用断熱部材56Vと、電線52Vとが一体化した構成となっている。
なお、上固定カバー541Vと下固定カバー542Vとの分割部分では、図48に示すように、1対のねじ57V,57Vによって固定カバー54Vが補強部材55Vに固定されている。そして、固定具511Vの分割部分には、第2の仕切り部材38Vの後端部の左部が当接して配置される構成となっている。
また、図53および図54に示すように、ねじ57Vを固定カバー54Vの貫通孔58Vおよび補強部材55Vの貫通孔62Vに通して内箱14Vの支持部材27Vのねじ穴に螺合させることにより、固定具511Vが内箱14Vのコーナー部に固定された構成となっている。
このとき、固定カバー54Vと補強部材55Vとの間が第1のシール部材71Vによってシールされ、固定具51Vとこの固定具51Vに近接する分割断熱壁31Vとの間が第2のシール部材72Vによってシールされ、左面用分割断熱壁314Vと背面用分割断熱壁315Vとの間が第3のシール部材73Vによってシールされた構成となる。
さらに、左面用分割断熱壁314Vおよび背面用分割断熱壁315Vは、第2のシール部材72Vを介して補強部材55Vに対向した配置となる。これにより、隣り合う左面用分割断熱壁314Vおよび背面用分割断熱壁315Vが固定具511Vによって連結固定されるとともに、左面用分割断熱壁314Vと背面用分割断熱壁315Vとで形成される隣り合う分割断熱壁314V,315Vの角度が、補強部材55Vの直角部分に対応して90°に保持される。すなわち、補強部材55Vは、左面用分割断熱壁314Vおよび背面用分割断熱壁315Vのそれぞれに対向して配置され、隣り合う壁すなわち分割断熱壁31Vの角度を90°に保持する角度保持部として機能している。
次に、固定具512Vについて図55〜図64を参照して説明する。
固定具512Vは、図55および図56に示すように、全体として断面直角三角形の柱状をなし、内箱14Vの右面壁24Vと背面壁26Vとで形成されるコーナー部に沿って上下方向に延びた形状をなしている。図55は、配管53Vが設けられているコーナー部付近を概略的に示すものである。図56は、コーナー部に固定具512Vを設けた後の構成を示すものである。なお、図57は、当該コーナー部に固定具512Vを設ける前の構成を示している。
固定具512Vは、図58〜図60に示すように断面直角三角形の筒状を構成する固定カバー81Vおよび補強部材82Vと、筒状の内部を構成するコーナー用断熱部材83Vとを有している。
固定カバー81Vは、固定カバー54Vとほぼ同様な構成であり、上下方向に長い矩形の板部材であり、コーナー部に設けられている配管53Vの前側を覆うようにして配置されている。すなわち、冷蔵庫11Vの使用者側から配管53Vが見えないように固定カバー81Vが配置されている。固定カバー81Vには、固定カバー54Vの貫通孔58Vと同様の貫通孔84Vが複数個所に形成されている。また、固定カバー81Vも、図60に示すように、固定具512Vが設けられるコーナー部の延びている方向の長さにおいて2個に分割されたパーツから構成され、固定カバー81Vのうち上側のパーツを構成する上固定カバー811Vと、下側のパーツを構成する下固定カバー812Vとから構成されている。上固定カバー811Vと下固定カバー812Vとが連結する部分すなわち分割部分は、図61に示すように右奥側のコーナー部側に突出した形成である。また、上固定カバー811Vの長手方向の中央部には、図60に示すように、外側に突出して延びる第1の突出部85Vを有し、この第1の突出部に開口部86Vが形成されている。また、図56および図58〜図60に示すように、下固定カバー812Vの長手方向の中央部にも、外側に突出して延びる第2の突出部87Vを有し、この第2の突出部87Vに開口部88Vが形成されている。
補強部材82Vは、補強部材55Vとほぼ同様な構成であり、図60に示すように、固定具512Vの断面二等辺三角形の残りの二辺を形成する断面L字状の板部材である。この補強部材82Vの直角部分が内箱14Vのコーナー部に対応して配置される構成である。そして、補強部材82Vの断面L字状の開いている側の開口部を覆うようにして固定カバー81Vが設けられる構成である。
補強部材55Vの長手方向に直交する幅方向の両端部には、複数のねじ穴89Vおよび複数の貫通孔90Vが形成されている。補強部材82Vのねじ穴89Vおよび貫通孔90Vも、補強部材55Vのねじ穴61Vおよび貫通孔62Vと同様の構成である。また、この補強部材82Vも、固定具512Vが設けられるコーナー部の延びている方向の長さにおいて2個に分割されたパーツから構成され、補強部材82Vのうち上側のパーツを構成する上補強部材821Vと、下側のパーツを構成する下補強部材822Vとから構成されている。また、上補強部材821Vは、当該上補強部材821Vの長手方向の中央部すなわち第1の突出部85Vに対応する位置に外側に突出して延びる第1の補強用突出部91Vを有している。第1の補強用突出部91Vは、第1の突出部85Vとともに筒状を形成するものである。さらに、下補強部材822Vも、当該下補強部材822Vの長手方向の中央部すなわち第2の突出部87Vに対応する位置に外側に突出して延びる第2の補強用突出部92Vを有している。第2の補強用突出部92Vも、第2の突出部87Vとともに筒状を形成するものである。
コーナー用断熱部材83Vは、コーナー用断熱部材56Vとほぼ同様な構成であり、固定具512Vの固定カバー81Vに覆われるようにコーナー部に配置されている。すなわち、コーナー用断熱部材83Vも、隣り合う分割断熱壁31Vの端部間である離間している部分を覆うように配置されている。コーナー用断熱部材83Vは、図60に示すように、発泡スチロールなどの断熱部材を三角柱に形成したものであり、幅方向の両端部側に複数の切欠き部93Vが形成されている。この切欠き部93Vは、コーナー用断熱部材56Vの切欠き部64Vと同様な構成である。また、このコーナー用断熱部材83Vも、固定具512Vが設けられるコーナー部の延びている方向の長さにおいて2個に分割されたパーツから構成され、コーナー用断熱部材83Vのうち上側のパーツを構成する上コーナー用断熱部材831Vと、下側のパーツを構成する下コーナー用断熱部材832Vとから構成されている。この場合、上コーナー用断熱部材831Vは、上固定カバー811V1および上補強カバー821Vによって挟まれて設けられている。また、下コーナー用断熱部材832Vは、下固定カバー812Vおよび下補強カバー822Vによって挟まれて設けられている。
上記構成によって、固定具512Vは、全体として、コーナー部に沿って延びる方向において2個に分割可能な構成となっている。なお、上コーナー用断熱部材831Vは、下コーナー用断熱部材832Vに対して離間して設けられている。すなわち、図61に示すように、固定カバー81Vの分割部分では、当該固定カバー81Vのコーナー部側の面が補強部材82Vに接しており、固定具51Vの分割部分の前面がコーナー部側に凹んだ形状になっている。
また、上コーナー用断熱部材831Vは、図60に示すように、当該上コーナー用断熱部材831Vの長手方向の中央部すなわち第1の突出部85Vに対応する位置に外側に突出して延びる第1の断熱用突出部94Vを有し、この第1の断熱用突出部94Vに開口部95Vが形成されている。第1の断熱用突出部94Vは、第1の補強用突出部91Vと第1の突出部85Vとで形成される筒状部分に収容される構成である。さらに、下コーナー用断熱部材832Vも、当該下コーナー用断熱部材832Vの長手方向の中央部すなわち第2の突出部87Vに対応する位置に外側に突出して延びる第2の断熱用突出部96Vを有し、この第2の断熱用突出部96Vに開口部97Vが形成されている。第2の断熱用突出部96Vは、第2の補強用突出部92Vと第2の突出部87Vとで形成される筒状部分に収容される構成である。
また、コーナー用断熱部材83Vの長手方向に直交する断面における直角部分、すなわち内箱14Vのコーナー部の角に近接する部位には、長手方向に延びる凹状の収容部98Vが形成されている。このコーナー用断熱部材83Vの収容部98Vには、上述した配管53Vが収容されている。すなわち、固定具512Vは、筒状の内部に配管53Vを収容した構成となっている。収容部98Vに収容されている配管53Vは、収容部98Vの内周面が保持部となって当該保持部によって保持されているとともに、図示しないフックなどの保持部などでも保持されている。すなわち、配管53Vと固定具512Vとは一体された構成となっている。なお、収容部98Vに収容されている配管53Vは、コーナー部の部位によっては複数本収容されている。
配管53Vは、一部がコーナー用断熱部材83Vの開口部95Vを通って上固定カバー811Vの開口部86Vから貯蔵室側に出ており、他の一部がコーナー用断熱部材83Vの開口部97Vを通って下固定カバー812Vの開口部88Vから貯蔵室側に出ており、さらに他の一部が固定具512Vの上端面から外側に出ており離間部211Vを通って機械室21Vに導かれている。すなわち、固定具512Vの開口部86V,88Vは、固定具512Vの内部に収容されている配管53Vの一部を貯蔵室側に導くためのものである。なお、さらに、配管53Vの一部を固定具512Vの下端面から、離間部213Vを通って部分収容室212Vに導かれるようにしてもよい。
配管53Vは、図59に示すように、固定カバー81Vの開口部86V,88Vから貯蔵室側に出ている部分に溶着部99Vを有している。また、配管53Vは、固定具512Vの上端面から外側に延びている先端部にも溶着部99Vを有している。これらの溶着部99Vは、他の配管の溶着部と溶着可能な構成、例えば配管53Vの直径が他の配管よりも大きい構成となっている。他の配管は、冷蔵用の蒸発器、冷凍用の蒸発器、コンプレッサに接続されている。
この実施形態では、上固定カバー811Vの開口部86Vから貯蔵室側に延びる配管53Vが冷蔵用の蒸発器に接続され、下固定カバー812Vの開口部88Vから貯蔵室側に延びる配管が冷凍用の蒸発器に接続され、固定具512Vの上端面から外側に延びる配管が機械室21Vに設けられているコンプレッサに接続されるように、配管53Vの溶着部99Vと他の配管の溶着部とが溶着される構成となっている。
固定カバー81Vと補強部材82Vとの間、具体的には固定カバー81Vの幅方向の端部と補強部材82Vの幅方向の端部との間には、固定具511Vに設けた第1のシール部材71Vと同様の第1のシール部材101Vが設けられている。
補強部材82Vとこの補強部材82Vに近接する内箱14Vの壁、具体的には補強部材82Vと右面壁24Vすなわち右面用分割断熱壁313Vとの間、補強部材82Vと背面壁26Vすなわち背面用分割断熱壁315Vとの間には、図60〜図64に示すように、第2のシール部材72Vと同様の第2のシール部材102Vが設けられている。
また、図55に示すように、右面用分割断熱壁313Vと背面用分割断熱壁315Vとが突き合されている部分には、第3のシール部材72Vと同様の第3のシール部材103Vが設けられている。
固定具512Vは、図59〜図64に示すように、固定カバー81Vと補強部材82Vとによってコーナー用断熱部材83Vを挟み、コーナー用断熱部材83Vの収容部98Vに配管53Vを収容し、固定カバー81Vの幅方向の端部と補強部材82Vの幅方向の端部とを合わせて構成されている。そして、このように固定カバー81Vを補強部材82Vに合わせた状態で、ねじ57Vの軸部を固定カバー81Vの貫通孔84Vに通して補強部材82Vのねじ穴89Vに螺合させることにより、固定カバー81Vが補強部材82Vに固定された構成となっている。
また、固定カバー81Vが補強部材82Vに固定されることにより、コーナー用断熱部材83Vも固定具51Vの内部に固定された構成となり、配管53Vも固定具512Vの内部に固定された構成となっている。この上固定カバー811Vと下固定カバー812Vの分割部分にも、第2の仕切り部材38Vの後端部の右部が当接して配置され、この分割部分を覆う構成となっている。
なお、上固定カバー811Vと下固定カバー812Vとの分割部分では、図61に示すように、1対のねじ57V,57Vによって固定カバー81Vが補強部材82Vに固定されている。そして、固定具512Vの分割部分には、第2の仕切り部材38Vの後端部の右部が当接して配置される構成となっている。
また、図示しないねじの軸部を、図63に示すように、固定カバー81Vの貫通孔84Vおよび補強部材82Vの貫通孔90Vに通して内箱14Vの図示しない支持部材のねじ穴に螺合させることにより、固定具512Vが内箱14Vのコーナー部に固定された構成となる。なお、図示はしないが、固定具512Vは、同様な構成によって背面壁26Vの支持部材にも固定されている。
このとき、固定カバー81Vと補強部材82Vとの間が第1のシール部材101Vによってシールされ、固定具51Vとこの固定具51Vに近接する分割断熱壁31Vとの間が第2のシール部材102Vによってシールされ、右面用分割断熱壁313Vと背面用分割断熱壁315Vとの間が第3のシール部材103Vによってシールされる。
また、補強部材82Vは、第2のシール部材102Vを介して右面用分割断熱壁313Vおよび背面用分割断熱壁315Vのそれぞれに対向した配置となる。これにより、隣り合う右面用分割断熱壁313Vおよび背面用分割断熱壁315Vが固定具512Vによって連結固定されるとともに、右面用分割断熱壁313Vと背面用分割断熱壁315Vとで形成される隣り合う壁の角度が、補強部材82Vの直角部分に対応して90°に保持される。すなわち、補強部材82Vも、隣り合う壁の角度を90°に保持する角度保持部として機能している。
次に、固定具512Vの固定カバー81Vの開口部88Vから貯蔵室側に導かれている配管53Vの一部について図65を参照して説明する。図65に示すように、内箱14Vの内部において第2の仕切り部材38Vの面仕切り部45Vと内箱14Vの右面壁24Vとの間には、仕切り部用断熱部材105Vが設けられている。仕切り部用断熱部材105Vは、発泡スチロールなどからなる断熱部材であり、前後方向に延びるブロック状をなしている。仕切り部用断熱部材105Vには、内箱14V側が開口した凹部106Vが形成されている。そして、凹部106Vの内部には、固定具512Vの開口部88Vから貯蔵室側に出た配管53Vの一部が設けられた構成となっている。すなわち、固定具512Vの開口部88Vから出ている配管53Vの一部は、第2の仕切り部材38Vの縁部の前後方向に沿って設けられた構成となっている。
この仕切り部用断熱部材105Vの上面、前面および左面は、第2の仕切り部材38Vの面仕切り部45Vから延びている部材によって覆われている。
なお、図示はしないが、内箱14Vの内部において第2の仕切り部材38Vの面仕切り部45Vと内箱14Vの左面壁25Vとの間にも、上述の仕切り断熱部材などを設けて、固定具512Vの開口部60Vから出ている電線52Vの一部が、第2の仕切り部材38Vの縁部の前後方向に沿って設けられる構成としてもよい。
上記した一実施形態による冷蔵庫の断熱箱体12Vの組立て手順を図34および図66を参照して説明する。
まず、図34に示す分割断熱壁31Vおよび固定具51Vをそれぞれ製作する。次に、図66に示すように、隣り合う2つの分割断熱壁31Vのうちの一方、例えば左面用分割断熱壁314Vに固定具511Vをねじ57Vにより取り付ける。次に、左面用分割断熱壁314Vと固定具511Vとが一体となったものに、背面用分割断熱壁315Vを取り付ける。これにより、隣り合う分割断熱壁31Vは連結固定され、内箱14Vの右奥側のコーナー部が形成される。
このとき、左面用分割断熱壁314Vと背面用分割断熱壁315Vとで形成される隣り合う壁の角度は、補強部材55Vの直角部分に対応して90°に保持される。内箱14Vの他のコーナー部も、分割断熱壁31Vと固定具51Vとを連結固定することにより形成される。これにより、隣り合う分割断熱壁31Vの角度が90°である内箱14Vが形成され、直方体の断熱箱体12Vが形成される。なお、隣り合う分割断熱壁31Vの角度を90°にするだけではなく、この場合、隣り合う分割断熱壁31Vの角度がほぼ90°に調整され、断熱箱体12Vの各角部がほぼ90°となっていればよい。
また、断熱箱体12Vの組立て時に、第1の仕切り部材37Vおよび第2の仕切り部材38Vを所定の位置に設けることにより、冷蔵室39V、野菜室40V、製氷室41V、第1の冷凍室42Vおよび第2の冷凍室43Vが形成されるとともに、貯蔵室の前面開口部側において、右面用分割断熱壁313Vと左面用分割断熱壁314Vとが第1の仕切り部材37Vおよび第2の仕切り部材38Vによって連結固定される。
上記構成によれば、次の効果を奏する。
隣り合う2つの分割断熱壁31Vが固定具51Vで連結固定されることによって、冷蔵庫11Vの断熱箱体12V形成される。すなわち、分割断熱壁31Vを組み合わせ、固定具51Vでこれらの分割断熱壁31Vを組み合わせることによって冷蔵庫11Vを組み立てることができる。したがって、この実施形態によれば、従来のように予め立体的な内箱に断熱部材を設ける構成よりも、冷蔵庫11Vの組立て作業が容易となる。
固定具51Vの補強部材55V,82が角度保持部として機能するため、隣り合う分割断熱壁31Vの角度が90°に保持される。これにより、内箱14Vを直方体に形成することができる。また、内箱14Vの角部が90°に保持される構成であることにより、分割断熱壁31Vの組み合わせが容易となる。
固定具51Vが隣り合って離間している2つの断熱部材15Vに対向する位置で固定されているので、断熱部材15Vを、固定具51Vを基準にして固定できる。したがって、隣り合う分割断熱壁31Vの角度を90°に保持しやすくできる。
貯蔵室の前面開口部側において、右面用分割断熱壁313Vと左面用分割断熱壁314Vとが第1の仕切り部材37Vおよび第2の仕切り部材38Vによって連結固定されているので、右面用分割断熱壁313Vの前面および左面用分割断熱壁314Vの前面が確実に固定される。これにより、内箱14Vの前面開口部が左右方向に開いてしまうことを防止できるとともに内箱14Vのねじれを防止することができ、内箱14Vおよび断熱箱体12Vを直方体に保つことができる。
内箱14Vのコーナー部に設けられる電線52Vおよび配管53Vが固定具51Vによって覆われた構成であるので、電線52Vや配管53Vに食品が当たってしまうことを防止することができるとともに、電線52Vおよび配管53Vを冷蔵庫11Vの使用者に見せなくすることができて貯蔵室の内部の意匠性を良好にすることができる。
内箱14Vのコーナー部にコーナー用断熱部材56V,83Vが設けられているので、コーナー部での断熱効果を高めることができる。また、コーナー用断熱部材56V,83Vが固定具51Vによって覆われた構成であるので、上述と同様に、貯蔵室の内部の意匠性を良好にすることができる。
コーナー用断熱部材56V,83Vが隣り合う分割断熱壁31Vの離間している部分を覆うように配置されているので、分割断熱壁31Vによる断熱効果の小さい部分の断熱効果を補うことができる。これにより、断熱箱体12V全体の断熱効果を向上させることができる。
固定具51Vが筒状をなし、電線52V、配管53Vおよびコーナー用断熱部材56V,83Vが当該固定具51Vの内部に収容された構成であるので、電線52V、配管53Vおよびコーナー用断熱部材56V,83Vが冷蔵庫11Vの使用者から確実に見えにくくすることができ、貯蔵室の内部の意匠性をより一層良好にすることができる。
固定具51Vが、断面L字状をなす補強部材55V,82Vを有しているので、固定具51Vの変形、特にねじれや、折れ曲がりが生じてしまうことを極力防止することができる。また、補強部材55V,82Vの前面すなわち断面L字状の開口部に固定カバー54V,81Vが設けられる構成であるため、固定具51Vを筒状にすることができる。
電線52Vおよび配管53Vは、コーナー用断熱部材56V,83Vの収容部67V,98Vによって保持されているので、電線52Vおよび配管53Vが所定の位置からずれてしまうことを防止することができる。
固定具51Vに開口部59V,60Vが形成され、内箱14Vのコーナー部に設けられている電線52Vを貯蔵室側に導く構成とした。これにより、開口部59V,60Vから貯蔵室側に導かれた電線52Vを固定具51Vの外側すなわち貯蔵室側にある電線に接続させることができる。特に、電線52Vが固定具51Vの開口部59V,60Vから出た部分に他の電線と接続する接続部68Vを有しているので、固定具51Vの外側で電線52Vと他の電線との接続を容易に行うことができる。
また、固定具51Vに開口部86V,88Vが形成され、内箱14Vのコーナー部に設けられている配管53Vを貯蔵室側に導く構成とした。これにより、開口部86V,88Vから貯蔵室側に導かれた配管53Vを貯蔵室側にある配管に接続させることができる。特に、配管53Vが固定具51Vの開口部86V,88Vから出た部分に他の配管と溶着する溶着部99Vを有しているので、固定具51Vの外側で配管53Vと他の配管との溶着を容易に行うことができる。
固定具51Vと電線52Vとが一体化され、また固定具51Vと配管53Vとが一体化された構成であるので、分割断熱壁31Vが固定具51Vで連結固定される際に、電線52Vおよび配管53Vも分割断熱壁31Vの所定のコーナー部に設けることができる。これにより、電線52Vおよび配管53Vの組み立て作業を簡素化することができる。
内箱14Vの左奥側のコーナー部に電線52Vが設けられ、内箱14Vの右奥側のコーナー部に配管53Vが設けられていて、電線52Vが固定具511Vによって覆われ、配管53Vが固定具512Vによって覆われる構成としたので、電線52Vが配管53Vによって冷やされることを防止することができる。
配管53Vの一部が、第2の仕切り部材38Vの縁部に沿って配置されているので、固定具51Vを大きくすることなく配管53Vを長くすることができる。これにより、配管53Vがサクションパイプである場合、貯蔵室の収納スペースを十分に確保しつつも、配管53Vの熱交換の効率を向上させることができる。
固定カバー54Vと補強部材55Vとの間、および固定カバー81Vと補強部材82Vとの間に第1のシール部材71V,101Vが設けられているので、固定具51Vの内部に冷気が流入してしまうことを防止することができる。これにより、固定具51Vの内部の部品、例えば電線52Vなどに結露が生じてしまうことを防止できる。
分割断熱壁31Vと固定具51Vとの間に第2のシール部材72V,102Vが設けられているので、貯蔵室内の冷気が断熱箱体12Vの外側に漏れること防ぐことができるとともに、断熱箱体12Vの外側の暖かい空気が貯蔵室内に入ることを防ぐことができる。
右面用分割断熱壁313Vと背面用分割断熱壁315Vとの間、および左面用分割断熱壁314Vと背面用分割断熱壁315Vとの間に第3のシール部材73V,103Vが設けられているので、断熱箱体12Vの内部と外部とを十分に断熱することができ、当該断熱箱体12Vの内部を効率よく冷却することができる。
固定具51Vがコーナー部に沿って延びる方向において複数に分割されているので、固定具51Vの取扱いが容易になる。また、固定具51Vの分割部分に、第2の仕切り部材38Vが配置されているので、貯蔵室内の冷気が第2の仕切り部材38Vの分割部分から固定具51Vの内部に入ることを防ぐことができる。
分割断熱壁31Vが、外板からなる壁16V〜20V、内板かならなる壁22V〜26Vおよび断熱部材15Vをなす真空断熱パネルから構成され、真空断熱パネルの一面が外板に接着され、真空断熱パネルの他面が内板に接着されているので、真空断熱パネルによる断熱効果が得られるとともに、分割断熱壁31Vを薄くすることができ、断熱箱体12Vの壁を薄くすることができる。また、上記構成によれば、従来、外箱と内箱との間に設けられていた電線および配管を、食品の収納の際に邪魔になりにくいコーナー部に設けることができる。
固定具51Vの上下方向から電線52Vあるいは配管53Vが出ており、電線52Vあるいは配管53Vの直上に離間部211Vが配置され、電線52Vあるいは配管53Vの直下に離間部213Vが配置されている。この離間部211Vの直上には機械室21Vが設けられ、離間部213Vの直下には部品収容室212Vが設けられている。したがって、電線52Vおよび配管53Vを所定の位置に容易に配置できるとともに、他の電線や配管に容易に接続することができる。
また図45に示す電線52Vについては、ヒータやコンプレッサなどに用いるAC用の電線と、LEDや各種センサなどに用いるDC用の線とを離間させて配置するとよい。
AC用とDC用の電線を一緒に配置するとノイズが出る虞があるが、上記のように離すことによりノイズが生じる可能性を低減できるという効果がある。
例えば収容部67Vを複数設け、断熱材を介してAC用とDC用の電線をそれぞれに収容するとよい。
またAC用とDC用の電線を固定具511V、512Vにそれぞれ収容し、貯蔵室の別のコーナーにそれぞれ配置するとよりノイズを低減できる。
特にこの場合コンプレッサや、配線が接続される電気制御基板を機械室21Vや、上面用分割断熱壁311Vに配置した場合に、上下方向に長く配線が伸びるためノイズがのりやすくなる課題が有るが、上記離間させる構成により効果的にノイズを低減できる。
また収容部の他に固定具51V内に冷気を循環させるための冷気ダクトを設けても良い。
また収容部には、エバポレータの除霜水を排水する排水ホースを設けてもよい。また収容部の近くが結露したり、排水ホースが配置されている場合には、上記電線を途中にU字形状に配置し、電気部品に水の浸入を防止する水侵入防止手段でとなるトラップを設けても良い。
また冷凍温度帯の空間であって、製氷室41Vと、第1の冷凍室42Vと、第2の冷凍室43Vとにより構成される冷凍貯蔵室を上下方向の下部に配置したが、冷蔵室と野菜室を上下に配置し、その間に冷凍貯蔵室を配置してもよい。
上記図36の実施形態では、上部に位置する機械室21Vと一番遠い箇所に冷凍室が配置されており、その冷凍室42Vの背面に配置される冷凍温度帯の冷気を生成可能なエバポレータと機械室21Vのコンプレッサとをつなぐサクションパイプが上下方向に長く伸びることで、より断熱壁を連結することで生まれる隙間などから庫内側に侵入した外気が結露してしまう課題があるが、上下方向の中央に冷凍室を配置し、その背面に冷凍温度帯の冷気を生成可能なエバポレータを配置することにより、そのエバポレータとコンプレッサとをつなぐサクションパイプの距離が短くなり、結露をさせにくくすることができるという効果を奏する。
またその場合、サクションパイプは、エバポレータからコンプレッサの配置位置と異なる方向に伸ばさずに冷凍貯蔵帯室とコンプレッサまでの間の空間にのみ配置することが有効である。なおエバポレータは冷蔵用エバポレータと冷凍用エバポレータの複数個ある必要はなく冷凍温度帯の冷気を生成可能なエバポレータにより冷凍室と冷蔵室とを冷却する構成であっても良い。
またコンプレッサを収容する機械室21Vは断熱箱体の上方に位置させる必要はなく下方に配置してもよい。
特に冷凍室の上方に冷蔵室、下方に野菜室を配置した場合で、冷蔵室の室内高さ寸法に比べて野菜室の室内高さ寸法が小さい場合は、冷凍室の背面に配置されたエバポレータからのサクションパイプが野菜室の後方が凹んで形成された機械室内にあるコンプレッサまでの経路のうち野菜室を通過する距離が、コンプレッサが冷蔵室の上に配置されている場合に比べて短くなるため、冷蔵温度帯を通過するサクションパイプの距離が短くてすむため結露がより防止できる。
その他、内箱のコーナー部に電線および配管が設けられた構成を用いて説明したが、当該コーナー部にそれら以外の部品、例えばホースなどが設けられ、この部品を固定具で覆う構成としてもよい。
仕切り部材が設けられないコーナー部や、コーナー部の長さが短い場合などにおいては、固定具を複数に分割しなくてもよい。
第5実施形態の固定具において、固定カバーの幅方向の両端部に第2の実施形態の延出部を設けて、延出部と内箱との間を、第2のシール部材の代わりに第4のシール部材でシールする構成としてもよい。
配管の一部または電線の一部が第2の仕切り部材の縁部の左右方向に沿って配置されていてもよい。また、配管の一部および電線の一部が第1の仕切り部材の縁部の前後方向あるいは左右方向に沿って配置されていてもよい。
面仕切り部に用いられる断熱部材として、真空断熱パネル、ウレタン、発泡スチロールなどを用いるとともに、これらの断熱部材を上下から樹脂製または金属製の板で挟む構成としてもよい。
仕切り補強板は、仕切り板が十分に強度を有する場合などにおいては、省略してもよい。
隣り合う2つの分割断熱壁は、上記の実施形態の連結固定に加えて、ねじなどによって連結固定してもよい。
上記した断熱箱体の組立て手順は一例に過ぎず、例えば、背面用分割断熱壁に固定具を取り付けた後に、右面用分割断熱壁あるいは左面用分割断熱壁をこの固定具に取り付ける手順でもよい。
シール部材として、ソフトテープの代わりにシリコンシーラーなどを用いてもよい。
内箱の右奥側のコーナー部に、第2のコーナー用断熱部材を設け、第2のコーナー用断熱部材の収容部の内部に配管を収容する構成としてもよい。
また、冷蔵庫は貯蔵室の内部にミストを噴出すミスト放出部を有していてもよい。このミストは、静電霧化により生成されたものであり、直径1〜1000nmであることが好ましい。この場合、隣り合う2つの分割断熱壁によって形成されるコーナー部に固定具が設けられることにより、隣り合う分割断熱壁との間からミストが庫外に放出されることを抑制することができる。
固定具は、内箱の一の壁に一体に形成されていてもよい。
分割断熱壁は側面あるいは上面などから見て、L字状、U字状をなしていてもよい。すなわち、固定具は、板状の分割断熱壁同士を連結固定するのみではなく、板状以外の分割断熱壁同士、板状の分割断熱壁と板状以外の分割断熱壁とを連結固定するものとしてもよい。
分割断熱壁の断熱部材すなわち真空断熱パネルは、内箱の壁に一体に設けられていなくてもよく、また、外箱の壁に一体に設けられていてもよい。
分割断熱壁の断熱部材は、外箱の一の壁または内箱の一の壁のどちらか一方に当接して設けられていればよい。
内箱を複数に分割してなる壁を固定具によって連結固定して箱状の内箱を形成し、その内箱を外箱と断熱部材とが一体となったものに取り付けて断熱箱体を形成する構成でもよい。この場合、内箱を複数に分割してなる壁は、平板状に限らず、例えば上面から見てL字状であってもよい。
以上のように、本実施形態の冷蔵庫は、断熱部材が断熱壁を複数組み合わせて箱状に構成され、断熱箱体にあって隣り合う2つの断熱壁によって形成されるコーナー部に設けられ2つの断熱壁を連結固定する固定具を備えている。よって、断熱壁を組み合わせ固定具でこれらの断熱壁を組み合わせることによって冷蔵庫を組み立てることができ、従来のように予め立体的な内箱に断熱部材を設ける構成よりも、冷蔵庫の組立て作業が容易となる。
<第6実施形態>
これまでの実施形態との断熱箱体の異なる製造方法について説明する。断熱箱体の内部に利用する部品の配置などは第1〜第5実施形態のものを利用できる構造である。具体的には第5実施形態の固定具52などは後述するシート部材用連結板25および発泡スチロール28とを代替することができる。
図67〜図75は第6実施形態を示している。この第6実施形態に示す冷蔵庫の断熱箱体2について説明する。この第6実施形態の断熱箱体2は、図67および図68に示すように、いずれも断熱壁に相当する左側断熱壁9、右側断熱壁10、上側断熱壁11、下側断熱壁12、奥側断熱壁13を有して、前面が開口する矩形箱形をなす。さらに各断熱壁9〜13が、夫々外板部14A〜14Eと内板部15A〜15Eとの間に夫々真空断熱パネルである単位パネル16A〜16Eを備えた構成である。この場合、一つの断熱壁例えば上側断熱壁11と、これの両側に連続する別の二つの断熱壁例えば左側断熱壁9、右側断熱壁10が外板部が連続する断熱壁主体2Sを構成している。
又、この断熱箱体2においては、庫内に発泡ウレタンなどの断熱材が入っている上下仕切り壁を配置し、上部を冷蔵室80とし、中間部を冷凍室81とし、下部を野菜室82とする。
断熱箱体2の製造方法について説明する。まず、前記断熱壁主体2Sを次に述べるように製造する。
図69には、右側断熱壁10の右単位パネル16Bと右内板部15Bとを接着剤により接合して構成された一体物を示している。この場合の接着剤塗布方法は、図70に示すように、ロールコート方式による塗布方法としている。つまり、一対の送りローラ71、72のうち、一方の送りローラ71に接着剤を供給するための供給ローラ73をこの送りローラ71に接触可能に設け、各ローラ71〜73を矢印で示す方向へ回転させつつ、この供給ローラ73と送りローラ71との間(巻き込み側)に接着剤を供給することで、単位パネル16Bを矢印方向へ送りつつ、当該右単位パネル16Bの内面16Bn(後述する外面16Bg(一面)と反対の面に相当)に接着剤を塗布する((イ)工程に相当する)。
この後、図69に示したように、右内板部15Bを前記右単位パネル16Bの内面16Bnに接着する。なお、この右内板部15Bのおける一端部はほぼ45度の角度で単位パネル16Bとは反対方向へ折曲(折曲部15Bs)されており、この折曲部15Bsの裏面に例えば発泡スチロールからなるほぼ断面三角形の断熱材74Bが接着により設けられている。なお、左側断熱壁9の左内板部15Aと左単位パネル16Aも上述と同様にして接着されており、同様に折曲部15Asおよび断熱材74Aを備えている(図71参照)。
又、上側断熱壁11の上単位パネル16Cの内面にも、予め上内板部15Cを上述と同様に接着固定しておく((オ)工程に相当する)。又、この上内板部15Cは両端部に折曲部15Cs1、15Cs2、断熱材74C1、74C2を備えている(図74参照)。
前記上側断熱壁11の上外板部14Cと、左側断熱壁9の左外板部14Aと、右側断熱壁10の右外板部14Bは、一枚の板部材75(図71参照)から構成されている。
この板部材75などを用いて次に述べるように断熱壁主体2Sを製造する。
まず、図71に示すように、板部材75を作業台Wsに載せる。この板部材75はもともと平板状をなしており、この板部材75において、上側断熱壁11の上外板部14Cに相当する領域に符号14C´を付し、左側断熱壁9の左外板部14Aに相当する領域に符号14A´を付し、右側断熱壁10の右外板部14Bに相当する領域に符号14B´を付している。又、左外板部相当領域14A´と上外板部相当領域14C´との境界部を符号K1で示し、右外板部相当領域14B´と上外板部相当領域14C´との境界部を符号K2で示す。
右外板部相当領域14B´の内面に、右単位パネル16Bの外面(一面)16Bgを、上外板部相当領域14C´との境界部K2から所定距離Sk離して、接着剤により接着固定する。この場合上記所定距離Skは、後述する折り曲げ治具76、77の占有スペースを確保できるほぼ最小限の距離に設定する。又この場合の接着剤は、例えばスプレーにより、右単位パネル16Bの外面16Bgと右外板部相当領域14B´の内面とのうちの一方の面に塗布すると良い。またこの塗布方法はロールコート方式で実施しても良い。さらに、前記左外板部相当領域14A´の内面に、左単位パネル16Aの外面(一面)16Agを、前記上外板部相当領域14C´との境界部K1から上述同様の所定距離Sk離して接着剤により接着固定する((ア)工程に相当する)。
次に、図72に示すように、前記上外板部相当領域14C´の内面における前記二つの前記境界部K1、K2に夫々折り曲げ治具76、77の端部を合わせて配置し、前記上外板部相当領域14C´に対して、左外板部相当領域14A´、右外板部相当領域14B´を折り曲げ治具76、77を介して内折りに90度折り曲げる((ウ)工程に相当する)。
このとき、前記各境界部K1、K2に対して単位パネル16A、16Bが前記所定距離Sk離れているから、折り曲げ治具76、77の占有スペースを確保できており、各単位パネル16A、16Bが折り曲げ治具76、77に当たることはなく、上述の折り曲げに支障を来すことはない。
この折り曲げ直後の状態を図73に示す。この図73の状態から、折り曲げ治具76、77を矢印方向へ移動させて取り除き、その後、図74に示すように、上単位パネル16Cと上内板部15Cとの一体物における上単位パネル16Cの外面16Cgを上外板部相当領域14C´の内面に接着剤により接着固定する((エ)工程に相当する)。
このとき、上内板部15Cの両端部の折曲部15Cs1、15Cs2および断熱材74C1、74C2が、板部材75の折り曲げ角部(前記境界部K1、K2)の内側のスペースSpを閉鎖しており、さらに断熱材74C1、74C2は上記スペースSpと庫内側とを断熱している。
上述した手順にて断熱壁主体2Sが製造されている。
この後、図75に示すように、下側断熱壁12を、これが断熱壁主体2Sの左側断熱壁9と右側断熱壁10との開口部を閉塞するように当該断熱壁主体2Sに取付ける。このとき、下外板部14Dの一端部が、左外板部14Aにおける開放端部に連結され、下外板部14Dの他端部が、右外板部14Bにおける開放端部に連結される。又、下内板部15Dの一端部が左内板部15Aの折曲部15Asおよび断熱材74Aに当接し、下内板部15Dの他端部が右内板部15Bの折曲部15Bsおよび断熱材74Bに当接する。そして、これら下外板部14D、左内板部15A、右内板部15Bの連結部(角部)内側のスペースが断熱材74A、74Bにより庫内と断熱されている。
この後、図68に示すように、奥側断熱壁13を、各断熱壁9、10、11、12の後端部に取り付ける。この後、奥側断熱壁13と左側断熱壁9との角部内側、奥側断熱壁13と右側断熱壁10との角部内側に、夫々前記シート部材用連結板25および断熱材としての発泡スチロール28を取付ける。前記シート部材用連結板25の内部、この場合発泡スチロール28には、冷蔵室80と、野菜室82と連通する冷気流通ダクト78が形成されている。
なお、前記左単位パネル16Aに対する左内板部15Aの接着のタイミングは、左単位パネル16Aを単独で板部材75に接着した後であっても良い。この場合スプレー式接着剤塗布方式で良い。又、前記右単位パネル16Bに対する右内板部15Bの接着のタイミング、前記上単位パネル16Cに対する上内板部15Cの接着のタイミングも同様である。又、板部材75における折曲部14Aa(図68参照)に相当する部分のうち、境界部K1、K2に対応する部分は、板部材75の折り曲げを妨げないように予めほぼ90度にVカットされている。
この第6実施形態によれば、外板部14A〜14Eのうち、外板部14A、14B、14Cを一枚の板部材75から構成したから、これら外板部14A、14B、14C間は連続しており(つなぎ目がなく)、外板部のつなぎ目を少なくできる。この結果、発泡ウレタンの使用を低減しながら、断熱箱体2の外部からの吸湿や外部への冷気漏れを低減できる。
又、一枚の板部材75を折り曲げ加工して外板部14A、14C、14Bを作成するについて、板部材75における左外板部相当領域14A´、右外板部相当領域14B´の各内面に、上外板部相当領域14C´との境界部K1、K2から所定距離Sk離して単位パネル16A、16Bの一面を夫々接着する工程と、上外板部相当領域14C´の内面における左外板部相当領域14A´との境界部K1部分、同じく上外板部相当領域14C´の内面における右外板部相当領域14B´との境界部K2部分に、夫々折り曲げ治具76、77の端を合わせて配置し、上外板部相当領域14C´に対して左外板部相当領域14A´、右外板部相当領域14B´をこれら折り曲げ治具76、77を介して夫々内折りに折り曲げる工程とを実行するから、左外板部相当領域14A´、右外板部相当領域14B´が曲げられるときに、各単位パネル16A、16Bおよび各内板部15A、15Bが折り曲げ治具76、77に当たることはなく、上述の折り曲げに支障を来すことはない。そして、前記所定距離Skは折り曲げ治具76、77の必要最小限の占有スペースに設定しているから、折り曲げ部分に発生するスペースSpも最小限とすることができる。
又、この第6実施形態によれば、各単位パネル16A、16B、16Cを板部材75に接着する前に各内板部15A、15B、16Cを当該各単位パネル16A、16B、16Cの外面16Ag、16Bg、16Cgに接着する場合において、各外面16Ag、16Bg、16Cgにはロールコート方式で接着剤を塗布し、この接着剤により各内板部15A、15B、15Cを当該各単位パネル16A、16B、16Cの外面16Ag、16Bg、16Cgに接着したから、均一な接着層による接着が可能となる。
またこの折曲部15Bsの裏面に例えば発泡スチロールからなるほぼ断面三角形の断熱材74Bを設けたが、この断熱材は、左右断熱壁に比べて長さが短い下側断熱壁12の両端に設けても良い。実施形態のように左右断熱壁に断熱材74が接着されている場合は、折り曲げて断熱壁主体を構成することから、左右の断熱材74の位置がずれてしまう可能性があり下側断熱壁12が連結しにくいという課題が有るが、長さが短い下側断熱壁12の両端に断熱材を設けて、断熱壁主体2Sを形成したあとにその下側断熱壁12を連結することで位置ずれの恐れなく簡単に組み立てることができる。
またこの断熱材74は、断熱壁と別体に設けても良い。例えば、上側断熱壁11では、上内板部15Cは両端部に折曲部15Cs1、15Cs2をなくし平坦に構成し、断熱材74C1、74C2も備えていない構成とする。
断熱壁主体2sを折り曲げて形成したあとに、別体の断熱材74C1、74C2を上側断熱壁11と左右の断熱壁とのコーナーに配置する。
このような構造であれば、板部材75の折り曲げ角部(前記境界部K1、K2)の内側のスペースSpを閉鎖する際に、後付することで位置を調整しながら断熱材74C1、74C2を配置することが可能となる。
さらには例えば断熱材74C1、C2の内部に電気部品などを組み込んだ構成とする場合に、予め上側断熱壁11に断熱材74C1、C2を取り付けていると組み立て時に電気部品から断熱材の外にでる電気配線が邪魔となるといった課題があるが、断熱壁主体2sを折り曲げてから、別体とした電気部品と搭載する断熱材を前記角部に配置すれば、組み立て性がよくなる効果が有る。
またこの電気部品の例としてLEDなどの庫内を照明する手段を利用すると良い。そうすると上側断熱壁11のコーナー部に配置でき、上方から庫内を照明することができる。特に上側断熱壁11内に発泡ウレタンを有していないことからLED基盤などの電気部品の配置場所がないといった課題が解決できる。またLED基盤などの熱源をスペースSpの近くに配置すると、スペースSp内がその熱により暖められる。そうするとスペースSpと庫外との温度差が少なくなるため、庫外のあたたかい空気がスペースSp内に侵入しにくくなるため、スペースSp内の結露を防止することができる。
また庫内貯蔵室のレイアウトは、上から順に冷蔵室80、冷凍室81、野菜室82としており、冷凍室81を下側断熱壁12と接していない領域に配置している。
すなわち折り曲げて構成する断熱壁主体2Sの板部材75など隣接する複数の断熱壁の外箱の角が連続して構成される側の庫内の領域(冷蔵室80に相当する領域)とは異なる位置であって、外板が連続しておらず分割して外箱を形成する断熱壁側の領域(野菜室82に相当する領域)と離れた領域(冷蔵室80または81冷凍室81)に、貯蔵温度帯が他の室に比べて低い温度帯(例えば野菜室82に比較して冷凍室80)を配置している。
外板が連続しておらず分割して外箱を形成する断熱壁は、外板部の連結部のつなぎ目から外箱と内箱との間のコーナー部に向かって外気が流れてしまい水分を含む空気が冷えるため、そのコーナー部のスペースに露が付いてしまう課題があり、特に冷凍室と外気との温度差が一番高くなり空気が入り込む量が多くなってしまう。
しかし、上記のように分割して外箱を形成する断熱壁に接する領域に貯蔵温度帯が高い室、その領域から離れた箇所に前記高い温度帯の室と比較して低い温度帯の室を配置することにより、外気がコーナーのスペースに入り込むことを抑制することができる。
特に、図67の下側断熱壁12に接する野菜室82の領域は、下面の左右に外板部14A、14Bと外板部14Dとの連結部があるとともに、図68の背面の左右に外板部14A、14Bと外板部14Eとの連結部がありつなぎ目が多いのに対し、外板部14Dを供える下側断熱壁12と離れた領域であって冷蔵室と野菜室との間に位置している冷凍室81の領域は、つなぎ目は、図68の背面の左右に外板部14A、14Bと外板部14Eとの連結部だけであるから、冷凍室81を野菜室82の領域に配置した場合と比較すると外気の侵入の量を少なくすることができる。
特に下側断熱壁12にコンプレッサなどを収納する機械室を形成する折れ曲がり部である第1の実施形態の図6のようなL状部17を設ける場合は、つなぎ目の面積が増加するためより外気進入の課題がより多くなるが、このような場合は、機械室と接しない箇所に冷凍室を配置することでより効果的に結露を防止することができる。
さらには、本実施形態では、断熱壁主体2Sは、板部材75を折り曲げて左側断熱壁9、右側断熱壁10、上側断熱壁11を形成したが、冷凍室81が、外板が連続しておらず分割して外箱を形成する断熱壁と離れた領域である上下の中央に位置させた場合には、板部材75を折り曲げて形成する断熱壁主体2Sを奥側断熱壁と左右断熱壁により構成するとよい。
図68の構成では、冷凍室81の奥側の角には連結部Rがあるため、外気が庫内に侵入されるという課題が有るが、上記構成にすることにより、左右奥を構成する外箱は連続した外板により構成されるため、冷凍室を囲む断熱壁は外気と繋がる経路がまったくなくなるため、課題を解消することができる。
また、奥側断熱壁14Eの庫内側左右のコーナーに冷気流通ダクト78を設けたが、この流通ダクト78は、上下中央に位置する冷凍室81を跨いで配置されており、図示しないファンの回転により冷蔵室80から野菜室82への冷気の流れが生じている。
前述したように図68の背面の左右に外板部14A、14Bと外板部14Eとの連結部があって、暖かい場所から冷たい場所に空気が流れるという現象によりその連結部の隙間から温度帯が低い冷凍室81への外気の流れが生じ、ソフトテープ29が配置された領域のスペースに外気が流れ込み、水分を含んだ外気が冷凍室81の低い温度のために冷やされ結露してしまうという課題を有しているが、その冷気流通ダクト78をそのソフトテープ29が配置された領域のスペースに対向して配置するとその冷気流通ダクト78内を流れる冷気は、0℃以上である冷蔵温度帯(例えば6℃程度)の温度であって冷凍温度帯の温度よりも高い温度の冷気であるから、外気との温度差は小さくなり冷気が侵入しにくいという効果を有している。
またこの冷気流通ダクト78の近傍であって、特に冷凍室78側と異なる側に製氷用の貯水の供給、またその排水や、エバポレータの除霜水を排水する水移動管を設けると良い。
水移動管が冷凍室81の0℃以下(例えば−18℃)の冷凍温度帯の影響から、内部の水が氷結する課題があるため、冷凍室から遠い位置である図68のスペースXなどに配置する必要があり、その分真空断熱パネルの接地体積が小さくなってしまい断熱性が悪いといった課題が有るが、冷気流通ダクト78は冷凍温度帯に比べて高い温度帯(例えば+6℃)の冷気が流れているため、水移動管内の水が凍ることを防止でき効果的に水を移動させることができる。よって水移動管を内箱より庫内側に配置することができるから真空断熱パネルをより広く配置できることから断熱性を向上させることができる。
また上記のような図68などの複数の外板部と連結されて外箱が構成される筐体では、空気が庫内に流入することを防ぐために、庫内の圧力を高くし、温度差による空気の流入に対抗して、その連結部の極小の隙間からわずかながらの冷気を外に排出できるように庫内の圧力を上げて、空気の入出バランスを均衡にすることが望ましい。
例えば、冷凍室81内で冷気が循環するようにダクトを背面に設け、その内部に冷気を循環するためのファン、冷気を冷やすためのエバポレータを設け、冷気の流れをエバポレータがファンの上流側に位置するように流すことにより、庫内の圧力が高くすることができる。
またダクトに設けた庫内への冷気吹き出し口から近い位置にファンを設けることにより庫内の圧力を高くすることができる。
またこの圧力構造は、庫外の外気が流入しない程度のバランスにすることが望ましいが、前記連結部から外に冷気が排出できるように、エバポレータの除霜水を貯蔵室外であって外気と接触する機械室などへ続く排水管からの空気がファンにより吸い込まれ、エバポレータの冷気で冷やされて庫内に吹き出されるという、排水管などによって一部外気とつながる非密閉な貯蔵室の構造とするとよい。そしてこの排水管の径の面積は連結部を構成する長さに比べて非常に小さいものである。
また図68などの複数の外板部と連結されて外箱を形成する連結部には、連結する箇所であってその隙間を埋めるようにシール手段を設けると良い。そうすると外気が侵入しにくくなる。
図68のソフトテープ29aをシール手段として用い、他の例としては連結部Rの外板部14E、外板部14Aとのラップする箇所にソフトテープやシリコンを設けてシール手段としてもよい。
そしてコーナーのスペースXから庫内に流れる風の経路Yが形成される構造としており、例えば断熱材28と内箱15との間には一部隙間を設けている。
これは連結部RからコーナーのスペースXに入ってしまった外気は庫内の冷たい温度により結露してしまうという課題があるため、一部隙間を設けることによりその外気は庫内に流入させることによりスペースXで結露することを防止することができる。
また庫内の冷気が連結部Rから流出しないようにするとともに、湿気が庫内に流入しないように前記連結部R付近に位置させたシール手段より庫内側にさらにシール手段を設けると良い。
図68では連結部R側シール手段がソフトテープ29a、庫内側シール手段をソフトテープ29bとしている。なお庫内側シール手段は、例えば内箱15の角に配置した断熱材28と内板部との間に庫内側シール手段として別のソフトテープなどを配置してもよい。
そして前記連結部に対して庫内側のシール手段(ソフトテープ29b)は、庫外側のシール手段(ソフトテープ29a)に対して、透湿抵抗値[単位:m2hmmHg/g]を低くすることが好ましい。
透湿抵抗値とは湿気が通過しにくい程度の値であり、連結部側のシール手段の透湿抵抗値を高くし、庫内側のシール手段の透湿抵抗値を低くすることで、連結部側のシール手段により連結部から外気が侵入することを防止することができるとともに、連結部から侵入してしまった外気はそのコーナーの箇所で結露する課題を解消することを目的に庫内に入りやすくするように庫内側のシール手段は有る程度透湿抵抗値が低いものを用いるとよい。図68の場合においては、ソフトテープ29aをソフトテープ29bに対して透湿抵抗値が高い材料を用いることが良い。
図76から図80は第7実施形態を示しており、この第7実施形態においては、左側断熱壁9の左外板部14Aと上側断熱壁11の上外板部14Cとの角部内部、および右側断熱壁10の右外板部14Bと上側断熱壁11の上外板部14Cとの角部内部にシリコンスポンジやウレタンスポンジなどの柔軟性のある断熱材85、85を配置した点が第7実施形態と異なる。又、下側断熱壁12の下外板部14Dと左側断熱壁9の左外板部14Aと角部内部、および下側断熱壁12の下外板部14Dと右側断熱壁10の右外板部14Bとの角部内部にも同じくシリコンスポンジやウレタンスポンジなどの柔軟性のある断熱材86、86を配置した点も第6実施形態と異なる。
前記断熱材85、85は図77に示すように、左単位パネル16Aにおける他端(境界部K1側の端)、および右単位パネル16Bの他端(境界部K2側の端)に接着しておく(板部材75とは接着していない)。又、断熱材86、86は、図77に示すように、単位パネル16A、16Bにおける各他端側(板部材75の両端部内面側)の任意の部材に接着しておく。
この後、図78に示すように断熱材85、85を若干持ち上げて前記折り曲げ治具76、77の端を境界部K1、K2に合わせて配置する。この後、板部材75における左外板部相当領域14A´および右外板部相当領域14B´を折り曲げる(図79参照)。この場合断熱材85が柔軟性があるから上述の折り曲げを妨げることがない。この後、図80に示すように、上単位パネル16Cと上内板部15Cとの一体物を上外板部相当領域14C´内面に装着(接着)すると、断熱材85、85が自ずと、左側断熱壁9の左外板部14Aと上側断熱壁11の上外板部14Cとの角部内部、および右側断熱壁10の右外板部14Bと上側断熱壁11の上外板部14Cとの角部内部に進入配置される。
なお、別の断熱材86、86は、下側断熱壁12を断熱壁主体2Sに組み込む際に適宜挿入配置するようにしても良い。
この第6実施形態によれば、断熱材85、85、86、86により外板部14A〜14Dの各角部内部での冷気漏れを防止できる。しかも、左側断熱壁9の左外板部14Aと上側断熱壁11の上外板部14Cとの角部内部、および右側断熱壁10の右外板部14Bと上側断熱壁11の上外板部14Cとの角部内部に配置される断熱材85、85を、柔軟な断熱材から構成したから、板部材75を折り曲げ治具76、77により折り曲げるときにこの断熱材85、85がその折り曲げを妨げることがない。
なお、断熱壁主体を構成する3つの断熱壁の組み合わせとしては、左側断熱壁9、上側断熱壁11、右側断熱壁10の組み合わせに限られず、左側断熱壁9、下側断熱壁12、右側断熱壁10の組み合わせ、又、左側断熱壁9、奥側断熱壁13、右側断熱壁10の組み合わせ、又、上側断熱壁11、奥側断熱壁13、下側断熱壁12の組み合わせなど、種々変更しても良い。
又、折曲部15As、15Bs、15Cs1、15Cs2は、各内板部15A、15B、15Cと一体に形成したが、別体の平板で形成し、この平板に裏面に、各断熱材74A、74B、74C1、74C2相当の断熱材を設け、この平板および断熱材を最終的に図67に示すように各コーナー部に取り付けるようにしても良い。
以上のように本実施形態の冷蔵庫の断熱箱体の製造方法によれば、断熱壁のうち一つの断熱壁とこれの両側に連続する別の二つの断熱壁との各外板部を一枚の板部材から構成するから、外板部のつなぎ目を少なくでき、発泡ウレタンが無い又は少ない構成でも外部からの湿気の吸湿を有効に防止できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、上記した複数の実施形態のうちの共通の箇所はそれぞれを発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。