JP6271124B2 - 冷蔵庫の断熱箱体の製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、外板部のつなぎ目を少なくできる冷蔵庫の断熱箱体の製造方法を提供する。
(イ)工程:前記(ア)工程の実行前あるいは実行後に、前記(ア)工程で接着する前記各真空断熱パネルの前記一面と反対の面に内板部を接着すると共に、前記一つの断熱壁に対する前記内板部の接着前又は接着後に、前記一つの断熱壁の前記内板部の両端部を45度の角度で前記真空断熱パネルとは反対方向へ折り曲げた折曲部を前記境界部から前記別の断熱壁及び前記内板部の厚み寸法分離した位置に形成する工程、
(ウ)工程:前記(ア)工程及び(イ)工程の実行後に、前記板部材を、前記各境界部で内折りに折り曲げる工程。
まず、第1実施形態による冷蔵庫1について図1から図18を参照して説明する。図3に示す冷蔵庫1は、前面に開口が形成された断熱箱体2を主体として構成されている。断熱箱体2の前面側には、観音式の左側の回転扉3と右側の回転扉4と、複数の引出し式扉5〜8とが取り付けられている。これら各扉3〜8はいずれも内部に断熱材(図示せず)を備えた断熱扉から構成されている。前記左側の回転扉3、右側の回転扉4は、図1及び図2に示すように、断熱箱体2に取り付けられた上下一対のヒンジ部3a、3b、同じく上下一対の4a、4bにより回転自在に支持されている。
この断熱箱体2の開口部の左右縁部には、横梁部材51、52、53が横方向に架設されており、さらに横梁部材52、53には、左右方向の途中部に縦梁部材54が縦方向に架設されている。そして、横梁部材51の後側には貯蔵室仕切り用の第1の仕切り壁55が取り付けられ、又、横梁部材52の後側には貯蔵室仕切り用の第2の仕切り壁56が取り付けられている。
又、前記小冷凍室59は、その前面開口が前記引き出し式扉6によって開閉され、この引き出し式扉6の裏面側には図示しない被冷凍品収容容器が一体に取り付けられている。
さらに前記製氷室60は、その前面開口が前記引き出し式扉7によって開閉され、この引き出し式扉7の裏面側には図示しない氷受け容器が一体に取り付けられている。
さらに又、前記冷凍室61は、その前面開口が前記引き出し式扉8によって開閉され、この引き出し式扉8の裏面側には図示しない被冷凍品収容容器が一体に取り付けられている。
又、図7にも示すように、下内板部15Dは、折れ曲がり部としての排水受け部18を一体に有する合成樹脂の一体成形品Ibからなる。これら一体成形品Ia、Ibはインジェクション成形や真空成形により形成されている。
又、図4に示すように、前記外箱14と内箱15との間には、真空断熱パネル16が設けられており、この真空断熱パネル16は、夫々単位パネルである、左単位パネル16Aと、右単位パネル16Bと、上単位パネル16C(図10に図示)と、下単位パネル(図示せず)と、奥単位パネル16Eとを分割して有する。各単位パネルは、基本的な構成は同じであるので、例えば左単位パネル16Aについて説明する。
前述した左側断熱壁9は、図5に示すように、左外板部14Aと左内板部15Aとの間に左単位パネル16Aを配置し、これら三者を接着剤により接着して単位断熱壁として構成されている。
そして、左単位パネル16A前端、左外板部14A前端部内面、前端用連結部材21内面で形成された内部空間部には断熱材例えばソフトテープ22が挿入配置されている。なお、このソフトテープ22に代えて発泡スチロールでも良い。
又上側断熱壁11は、図2及び図10に示すように、前述した上内板部15Cと上外板部14Cとの間に上単位パネル16Cを配置し、上内板部15Cと上単位パネル16Cとを接着剤により接着し、上単位パネル16Cと上外板部14Cとの間に発泡ウレタン24を充填固化して構成されている。この場合、上内板部15Cは前述したように、折れ曲がり部として庫内へ膨出するL状部17を一体に有する合成樹脂の一体成形品Iaからなるものであり、これに対して前記上外板部14Cも図2に示すように、同様にL状部17aを有し、当該上側断熱壁11は、全体として後部が下側に突出する形態をなし、換言すれば後部に凹状部11aが形成された形態をなす。そして、この上側断熱壁11の前記凹状部11a後方空間部により機械室11bが構成されており、この機械室11bには、冷凍サイクルのコンプレッサや凝縮器などが配置されている。
又、上外板部14Cの左右端部は、左端部側のみを示す図10から分かるように、上単位パネル16C上面から離間して左側断熱壁9の左外板部14A及び右外板部14Bと連結されている。又、上内板部15Cには、その両側縁部に内箱側壁である左内板部15Aと連結するための連結部15C1(図6も参照)を有し、この連結部15C1の先端部が左内板部15Aに図示しない連結具により連結されている。
前記オレフィン樹脂からなる一体成形品Ia、Ib(上内板部15C、下内板部15D)における単位パネルとの接着面は、粗い面となるように表面加工することで、単位パネルとの接着性を良くしている。又、ABS樹脂からなるシート部材Sa、Sb(左内板部15A、右内板部15B、奥内板部15E)は単位パネルとの接着性が良い。
又、冷凍サイクルの配管を、図9において発泡スチロール28部分に上下方向に通しても良い。
又、前記冷凍室61の奥部には、冷凍サイクルの蒸発器64が配設されており、この蒸発器64の下方に前記排水受け部18が位置し、当該蒸発器64の付着霜が除霜されたときの除霜水などが排水受け部18に受けられて、この排水受け部18から奥側断熱壁13外部下部に導出される。
又、前記裏仕切りカバー52cは、図示しないが下方に突出する取付部を有し、この取付部が、前記固定具26と同様の固定具によりねじ止めされている。
又、この実施形態では、前記内箱15が、左内板部15A、右内板部15B、上内板部15C、下内板部15D、奥内板部15Eを有し、これら内板部において、隣接する二つの内板部である左内板部15A、奥内板部15E、右内板部15Bが別々のシート部材で分割して構成され、又、この隣接する内板部間である左内板部15Aと奥内板部15Eとの間、及び右内板部15Bと奥内板部15Eとの間には、夫々隣接する内板部を連結するシート部材用連結部材としてのシート部材連結板25、25を設ける構成とした。
これによれば、シート部材からなる内板部15A及び15E同士であっても、及び同じくシート部材からなる内板部15B及び15E同士であっても、別部品のシート部材用連結板25、25を用いることで簡単に連結することができ、組み立ての簡単化を図り得る。
又、この第1実施形態においては、内箱15には、シート部材Sa、Sbとは別部品で構成されて庫内に突出する突出部である固定具26を備え、左側断熱壁9が組み立てられる前の段階において、当該固定具26を、左単位パネル16Aに例えば直接接着剤により接着し、このシート部材Sa、Sbには、孔部15uを形成し、この孔部15uに、当該固定具26を挿入配置する構成とした。
又、仮に単位パネル16Aが膨らんだ場合でも、内板部15Aがシート部材Saから構成されているから、内板部15Aが割れることなく若干変形する程度で済む。
又、シート部材Sa、Sbに取り付ける上述の固定具26、棚板支持具30、ガイドレール取付具33、34、仕切り壁支持具35、36は、異なる機種の冷蔵庫の断熱箱体にも、共通に使用できる。
なお、前記固定具26は別部材を介して左単位パネル16A、右単位パネル16B、奥単位パネル16Eに接着しても良い。
又、上記第1実施形態においては、前記固定具26を、前記孔部15uよりも大きい鍔状部26a、26aを有する構成とし、当該鍔状部26a、26aを、夫々、シート部材Sa(左内板部15A、右内板部15B)、Sb(奥内板部15E)と、これらに対応する単位パネルとの間で挟持する構成とした。
これによれば、シート部材Saに、これとは別部品である棚板支持具30を締結部材である皿ねじ32で取り付けることができる。なお、この場合、締結部材としてはシート部材Saと棚板支持具30とを共締めするリベットでも良い。
図19〜図27は、第2実施形態を示しており、この第2実施形態においては、左側断熱壁9´と右側断熱壁10´の構造が第1実施形態と異なる。以下、異なる点について説明する。なお、左側断熱壁9´と右側断熱壁10´とは左右対称形であるので、左側断熱壁9´について説明する。この左側断熱壁9´において内箱15の一部である左内板部15A´は、突出部として、棚板支持部40a、40b、40cと、ガイドレール取付部41a、41b、仕切り壁支持部42a、42bとを備えている。これら棚板支持部40a、40b、40cと、ガイドレール取付部41a、41b、仕切り壁支持部42a、42bとを備えた左内板部15A´は、これら棚板支持部40a、40b、40cと、ガイドレール取付部41a、41bと、仕切り壁支持部42a、42bとを一体に形成した一体成形品Icから構成されている。この一体成形品Icは型による成形、例えばインジェクション成形や真空成形により形成されている。
図28及び図29は第3実施形態を示している。この第3実施形態においては、左側断熱壁9´´及び右側断熱壁10´´の構成が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。以下、異なる点について説明する。この場合、左側断熱壁9´´及び右側断熱壁10´´は左右対称形であるので、左側断熱壁9´´について説明する。この左側断熱壁9´´では、一つの単位パネル16Aに対して、左内板部15Aが、上側板部15Aaと下側板部15Abとに分割されている。これら上側板部15Aaと下側板部15Abとは上下に隣接している。上側板部15Aaは、例えばインジェクション成形又は真空成形などにより一体成形品Idとして構成されており、第2実施形態と同様に突出部としての40a、40b、40cを一体に有すると共に、シート部材用連結部25´を一体に有する。このシート部材用連結部25´は冷蔵室57に位置するが、野菜室58、小冷凍室59、製氷室60及び冷凍室61に位置するシート部材用連結板25´´は上側板部15Aa及び下側板部15Abとは別部品として設けられている。
上述の上側板部15Aaは、冷蔵室57に位置して当該冷蔵室57内面を構成し、又、下側板部15Abは野菜室58、小冷凍室59、製氷室60、冷凍室61にわたって位置してこれら各室の内面を構成している。上側板部15Aaと下側板部15Abとの境界部分には第1の仕切り壁55が配置されている。
図30及び図31は第4実施形態を示しており、この実施形態では、第1実施形態における棚板支持具30における本体部30a周縁部に、内箱15内面側(図では左内板部15A側)へ傾斜する弾性変形可能なひれ部30eを形成した点が第1実施形態と異なる。
図32〜図38は第5実施形態を示している。この第5実施形態に示す冷蔵庫の断熱箱体2について説明する。この第5実施形態の断熱箱体2は、図32及び図33に示すように、いずれも断熱壁に相当する左側断熱壁9、右側断熱壁10、上側断熱壁11、下側断熱壁12、奥側断熱壁13を有して、前面が開口する矩形箱形をなす。さらに各断熱壁9〜13が、夫々外板部14A〜14Eと内板部15A〜15Eとの間に夫々真空断熱パネルである単位パネル16A〜16Eを備えた構成である。この場合、一つの断熱壁例えば上側断熱壁11と、これの両側に連続する別の二つの断熱壁例えば左側断熱壁9、右側断熱壁10が外板部が連続する断熱壁主体2Sを構成している。
断熱箱体2の製造方法について説明する。まず、前記断熱壁主体2Sを次に述べるように製造する。
図36に示すように、まず、板部材75を作業台Wsに載せる。この板部材75はもともと平板状をなしており、この板部材75において、上側断熱壁11の上外板部14Cに相当する領域に符号14C´を付し、左側断熱壁9の左外板部14Aに相当する領域に符号14A´を付し、右側断熱壁10の右外板部14Bに相当する領域に符号14B´を付している。
さらに、前記左外板部相当領域14A´の内面に、左単位パネル16Aの外面(一面)16Agを、前記上外板部相当領域14C´との境界部K1から前記所定距離Sk´離して接着剤により接着固定する。
このとき、前記各境界部K1、K2に対して一体物9U、10Uが前記所定距離Sk´離れているから、これら一体物9U、10Uが上単位パネル16Cの各端部に当たることなく板部材75が各境界部K1、K2で折り曲げられ、上述の折り曲げを支障なく行うことができる。そして、前記一体物9U、10Uが、前記所定距離Sk´の分、境界部K1、K2から離れていたことで、一体物9Uの端面及び一体物10Uの端面が、夫々上単位パネル16Cの端部の内面16Cnに当接又は近接するから、単位パネル16A、16C、16Bが相互に連続する形態となり、境界部K1部分及び境界部K2部分の角部内部に大きな空間部が生じることがない。又、境界部K2においても同様に当該境界部K2部分の角部内部に大きな空間部が生じることがない。このため、外部に対する熱漏出を少なくできる。
この後、図38に示すように、上側断熱壁11を、これが断熱壁主体2Sの左側断熱壁9と右側断熱壁10との開口部を閉塞するように当該断熱壁主体2Sに取付ける。このとき、下外板部14Dの一端部が、左外板部14Aにおける開放端部に連結され、下外板部14Dの他端部が、右外板部14Bにおける開放端部に連結される。又、下内板部15Dの一端部が左内板部15Aの折曲部15As及び断熱材74Aに当接若しくは近接し、下内板部15Dの他端部が右内板部15Bの折曲部15Bs及び断熱材74Bに当接若しくは近接する。
なお、板部材75における折曲部14Aa(図33参照)に相当する部分のうち、境界部K1、K2に対応する部分は、板部材75の折り曲げを妨げないように予めほぼ90度にVカットされている。
この第6実施形態においても、単位パネル16A、16C、16Bが前記境界部K1、K2の角部内部にほぼ隙間なく入り込むようになり、境界部K1、K2の角部内部に大きな空間部が形成されることがない。この結果、この境界部K1、K2の角部での熱漏出を良好に防止できる。
又、折曲部15As、15Bs、15Cs1、15Cs2は、各内板部15A、15B、15Cと一体に形成したが、別体の平板で形成し、この平板に裏面に、各断熱材74A、74B、74C1、74C2相当の断熱材を設け、この平板及び断熱材を最終的に図32に示すように各コーナー部に取り付けるようにしても良い。
Claims (2)
- 左側断熱壁、右側断熱壁、上側断熱壁、下側断熱壁、奥側断熱壁を有して、前面が開口する矩形箱形をなし、各断熱壁が外板部と内板部との間に真空断熱パネルを備えた構成の冷蔵庫の断熱箱体を製造するについて、
前記各断熱壁のうち一つの断熱壁とこれの両側に連続する別の二つの断熱壁とからなる断熱壁主体を下記(ア)工程から(ウ)工程により製造し、その後、この断熱壁主体に残る二つの断熱壁を連結する冷蔵庫の断熱箱体の製造方法。
(ア)工程:前記一つの断熱壁及び前記別の二つの断熱壁の各外板部相当領域と、前記各外板部相当領域の境界となる各境界部と、を有する平板状の一枚の板部材を用い、前記板部材の内面における前記各外板部相当領域の内面に、夫々前記真空断熱パネルの一面を接着する工程であって、前記各外板部相当領域の前記各境界部において隣り合う前記真空断熱パネルのうちの一方の真空断熱パネルの端部を前記境界部に位置させ、他方の真空断熱パネルの端部を前記境界部から前記境界部での前記板部材の折り曲げが可能な最小限の距離を離した配置形態で、各真空断熱パネルの一面を前記各外板部相当領域に接着する工程、
(イ)工程:前記(ア)工程の実行前あるいは実行後に、前記(ア)工程で接着する前記各真空断熱パネルの前記一面と反対の面に内板部を接着すると共に、前記一つの断熱壁に対する前記内板部の接着前又は接着後に、前記一つの断熱壁の前記内板部の両端部を45度の角度で前記真空断熱パネルとは反対方向へ折り曲げた折曲部を前記境界部から前記別の断熱壁及び前記内板部の厚み寸法分離した位置に形成する工程、
(ウ)工程:前記(ア)工程及び(イ)工程の実行後に、前記板部材を、前記各境界部で内折りに折り曲げる工程。 - 前記(ア)工程の実行前に、前記(ア)工程で接着する前記各真空断熱パネルの前記一面と反対の面に内板部を接着する場合に、前記真空断熱パネルの前記反対の面にはロールコート方式で接着剤を塗布し、この接着剤により前記内板部を前記真空断熱パネルの前記反対の面に接着した請求項1記載の冷蔵庫の断熱箱体の製造方法。
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