JP5868151B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
近年、例えば家庭用の冷蔵庫は、内容積の増加傾向にあり、それを、冷蔵庫本体である断熱箱体の大型化によらず、断熱箱体の周壁の厚さを薄くすることで実現しようとしている。この場合、その薄い周壁でも十分な断熱性能を確保する必要があり、そのために、断熱箱体の周壁には、発泡性断熱材を充填することに加えて、真空断熱パネルを使用することが行われており、更には断熱箱体の周壁を真空断熱パネルのみで充たすようにしたものもある(例えば特許文献1,2)。
真空断熱パネルは、例えば細いガラス繊維の綿状物であるグラスウールをマット状にしてコア材とし、このコア材をアルミニウム箔と合成樹脂とのラミネートフィルムで製袋したガスバリア容器に入れ、内部を真空排気して開口を閉塞することで容器内部を真空減圧状態に保持したパネルであり、薄くても低い熱伝導率(高い断熱性)を保有しているので、これを使用することで断熱箱体の周壁に高い断熱性を保有させることができる。
特許第2728318号公報 特開平6−147744号公報
真空断熱パネルを使用した断熱箱体では、箱体を複数の断熱壁部に分け、その複数の断熱壁部を組み合わせ結合して構成される。この複数の断熱壁部を組み合わせて構成される断熱箱体では、結合した2つの断熱壁部の角度が直角に保持され難いという問題がある。
そこで、結合した2つの断熱壁部の角度を直角に保持できる冷蔵庫を提供する。
本実施形態の冷蔵庫は、外殻と内殻との間に真空断熱パネルを設けてなる複数の断熱壁部を結合して構成され、内部を収納空間とした断熱箱体と、直角に交差する2つの側面を有し各側面に直角交差側とは反対の先端側に位置して取付ねじの通し孔及び連結面を有した取付部を設けてなり、結合された2つの前記断熱壁部の内殻によって構成される前記断熱箱体の内側のコーナー部のうち所要のコーナー部に、これら2つの前記断熱壁部の内殻に前記2つの側面が対向するようにして配置され、前記通し孔に通された前記取付ねじにより前記取付部が前記2つの断熱壁部の前記内殻に取り付けられて当該2つの断熱壁部の内殻を直交する形態に連結保持する連結部材とを備え、前記連結部材の2つの各側面について、当該2つの側面の直角交差部から前記取付部側に向かう所要範囲部分を前記取付部の前記連結面が前記内殻に面して設けられた部分よりも低い段差面に形成し、当該連結面と当該段差面によって前記連結部材の2つの側面と前記2つの断熱壁部の内殻との間に隙間が形成されることを特徴とする。

第1の実施形態を示し、図8のA−A線に沿う横断面図 一方の断熱壁部の真空断熱パネルの厚さが薄い場合の図1相当図 一方の断熱壁部の真空断熱パネルの厚さが厚い場合の図1相当図 他方の断熱壁部の真空断熱パネルの厚さが薄い場合の図1相当図 他方の断熱壁部の真空断熱パネルの厚さが厚い場合の図1相当図 図8のB−B線に沿う横断面図 図8のC−C線に沿う横断面図 断熱箱体を前側から見た斜視図 断熱箱体の分解斜視図 真空断熱パネルを示し、(a)は分解斜視図、(b)は断面図 第2の実施形態を示す図1相当図
以下、図面を参照して複数の実施形態を説明する。なお、冷蔵庫の前後左右図は、冷蔵庫の扉側を「前側」とし、扉に相対して冷蔵庫を見た場合の右側を「右側」として説明する。
(第1の実施形態)
図1〜図10は第1の実施形態を示している。冷蔵庫本体を構成する断熱箱体1は、図8に示すように、全体としては前面が開口された直方体の縦長箱状をなし、内部空間は収納空間2とされている。本実施形態にあっては、断熱箱体1は、図9に示すように、周壁、即ち、天井壁部1a、底壁部1b、左側壁部1c、右側壁部1dおよび奥壁部1eを別々に製作し、これら複数(本実施形態では5個)の壁部(断熱壁部)1a〜1eを組み合わせることにより構成されている。この場合、天井壁部1aを除く底壁部1b、左側壁部1c、右側壁部1dおよび奥壁部1eは、矩形の平板状で、天井壁部1aだけは後部が一段低くされた段付き形状になっている。この天井壁部1aの段付き形状により、断熱箱体1として組み合わせた時、当該断熱箱体1の上後部に冷凍サイクルのコンプレッサなどを配設する機械室3が形成されるようになっている。
ここで上記各壁部1a〜1eの構成について述べる。まず、各壁部1a〜1eの断熱機能は真空断熱パネル4によって得るようにしている。この真空断熱パネル4は、図10(a)に示すように、例えば細いガラス繊維の綿状物であるグラスウールをマット状にしてコア材5とし、このコア材5をアルミニウム箔と合成樹脂とのラミネートフィルムで製袋したガスバリア容器6に入れ、内部を真空排気して開口を閉塞することでガスバリア容器6の内部を真空減圧状態に保持したものである。
各壁部1a〜1eは、図10に示すように、例えば鋼板などの金属製の外殻7と例えばプラスチック製の内殻8との間に、真空断熱パネル4を充たした構成のもので、外殻7と真空断熱パネル4、真空断熱パネル4と内殻8とは、互いに接着などによって固着一体化されている。なお、図6では壁部を平板状のものとして示したが、天井壁部1aは段付き形状にされることは勿論である。
各壁部1a〜1eにおいて、内殻8は外殻7よりも縦横寸法が小さく、更に、真空断熱パネル4は内殻8よりも縦横寸法が小さく形成されている。従って、真空断熱パネル4の四辺(端)は外殻7の四辺(端)は勿論のこと内殻8の四辺(端)にまで至らず、外殻7の四辺および内殻8の四辺よりも内側に奥まった位置にある。また、各壁部1a〜1eの外殻7の前辺、各壁部1a〜1eの上下左右後の各辺のうち所定の辺には連結片9が直角に折り曲げ形成されている。各壁部1a〜1eの上下左右後の各辺のうち所定の辺に形成された連結片9は、互いに隣接する壁部の外殻7どうしをねじなどによって連結するためのものである。
各壁部1a〜1eを組み合わせて構成された断熱箱体1の前面には、当該前面を上下方向に仕切る3個の横枠10〜12が取り付けられていると共に、中段の横枠11と下段の横枠12との間には、縦枠13が取り付けられている。そして、図示はしないが、横枠10〜12の後側および縦枠13の後側には、断熱壁または仕切板が設けられ、これら断熱壁と仕切板とによって、収納空間2内が上から順に冷蔵室2a、野菜室2b、横方向に並ぶ製氷室2cおよび仕様切替室2d、冷凍室2eに仕切られるようになっている。
本実施形態における冷蔵庫は、冷蔵用と冷凍用の2個のエバポレータ(冷却器)を備え、冷蔵用のエバポレータは冷蔵室2aの奥部に形成される冷却室に配置され、冷凍用のエバポレータは冷凍室2eの奥部に形成される冷却室に配置される。そして、冷蔵室2a、野菜室2b、横方向に並ぶ製氷室2cおよび仕様切替室2d、冷凍室2eには、2個のエバポレータで冷却された冷気がファンによって送風され、冷蔵温度、或いは冷凍温度に冷却されるように構成される。
図1は断熱箱体1の左側後部の上下に延びる稜角部分の横断面図である。この図1には左側壁部1cと奥壁部1eとの連結構成が示されている。なお、真空断熱パネル4、外殻7、内殻8について、奥壁部1eのものと、右側壁部1dのものとを区別するために、右側壁部1dのものには「d」の添え字を付し、奥壁部1eのものには「e」の添え字を付して示す。
図1において、左側壁部1cの外殻7cの後端に設けられた連結片9は奥壁部1eの外殻7eの左端部に内側から当てられている。そして、左側壁部1cの外殻7cの連結片9は奥壁部1eの外殻7eの左端部にねじ止めされている。
前述したように、各壁部1a〜1eにおいて、真空断熱パネル4の端は外殻7の端まで至らず、短くなっているため、互いに連結された左側壁部1cの真空断熱パネル4cと奥壁部1eの真空断熱パネル4eとの間には空間が存在しているが、その空間内には断熱材14が充填されている。
この場合、左側壁部1cの真空断熱パネル4cの後端と外殻7cの後端(連結片9)との間隔は、奥壁部1eの真空断熱パネル4eの厚さTeと同程度に設定されている。これに対し、奥壁部1eの真空断熱パネル4eの左端と外殻7eの左端との間隔は、左側壁部1cの真空断熱パネル4cの厚さTcよりも相当大きく設定されている。そして、左側壁部1cの内殻8cの後端は、奥壁部1eの内殻8eよりも後方に位置し、当該奥壁部1eの内殻8eの左端は、左側壁部1cの内殻8cの表面と対向し当該内殻8cの表面との間に隙間gを形成している。
左側壁部1cの内殻8cと奥壁部1eの内殻8eとは非連結状態にある。そこで、本実施形態では、両内殻8c,8eの内側のコーナー部(収納空間2の左後部の上下に延びるコーナー部)に連結部材15を配置し、この連結部材15によって両内殻8c,8eを連結するようにしている。
連結部材15は、図7に示すように、直交する2片16a,16bを有した断面L字状の型枠16と、この型枠16の両辺16a,16bの先端部間を連結する補強部材17とから構成されている。
図6には、型枠16への補強部材17の固定構造が示されている。即ち、補強部材17の横(幅)方向両側には、内側に凹む固定部17aが上下方向に間欠的に形成されている。これに対し、型枠16の横(幅)方向両側には取付ボス部16cが上下方向に間欠的に突出形成されている。そして、この取付ボス部16cを固定部17aの裏側に当て、固定部17aに形成された通し孔18に通されたセルフタッピングねじ19をボス部16cに形成された下穴20にセルフタッピング作用でねじ込むことより、型枠16に補強部材17が固定されている。このようにして結合された型枠16と補強部材17との間には、発泡性断熱材21に覆われた例えばサクションパイプ22が収納されている。なお、サクションパイプ22は、冷凍用および冷蔵用の両エバポレータと機械室3に配置されたコンプレッサの吸入口との間を連結するためのものである。
図1に示すように、型枠16が有する2片16a,16bの外面は、互いに直交する平面となっている。この2片16a,16bの外面の横方向の先端側は上下に延びる帯状の連結面23,24とされ、2つの平面の直角交差部Rから各片16a,16bの先端に向かう所要範囲部分、つまり直角交差部Rから連結面23,24までの範囲は、当該連結面23,24よりも一段低い段差面25,26とされている。
補強部材17の左右両側には、外側から内側に向かって凹む座部27,28が上下方向に間欠的に形成されている。これに対し、型枠16が有する2つ片16a,16bの先端側、つまり連結面23,24には、連結面23,24からは凹で補強部材17側からは凸となる嵌合部29,30が上下方向に間欠的に形成されている。
型枠16の嵌合部29,30は、補強部材17の座部27,28の裏面に宛がわれて当該嵌合部29,30と座部27,28とで取付部31,32を構成している。ここで、一方の取付部31は連結部材15を奥壁部1eの内殻8eに取り付けるためのもの、他方の取付部21は連結部材15を左側壁部1cの内殻8cに取り付けるためのものである。
そして、例えば、一方の取付部31を構成する座部27と嵌合部29とには、互いに連通する円形の通し孔33,34が形成され、他方の取付部32を構成する座部28と嵌合部30とには、互いに連通する通し孔35,36が形成されている。このうち、一方の取付部31(座部27と嵌合部29)の通し孔33,34は、直角交差部Rと一方の片16aの先端とを結ぶ方向、つまり横方向に長い長孔状となっている。なお、他方の取付部32の通し孔35,36は小径の円形孔となっている。
連結部材15を奥壁部1eの内殻8eと左側壁部1cの内殻8cとに連結するために、内殻8eにはナット部材37が、内殻8cにはナット部材38が、それぞれ上下方向に間欠的に設けられている。このナット部材37,38は、真空断熱パネル4e,4cが存在する部分(真空断熱パネル4e,4cに貼り付けられる部分)に設けられている。
ナット部材37,38は、例えば断面角形の軸部37a,38aの一端に径大な頭部37b,38bを有した形態で、奥壁部1eの内殻8eおよび左側壁部1cの内殻8cに上下方向に間欠的に形成された角形の通し孔39,40に軸部37a,38aを壁部1e,1cの内側から通されている。このナット部材37,38は、真空断熱パネル4e,4cによって奥壁部1e、左側壁部1c内への軸部37a,38aの没入が阻止され、頭部37b,38bによって外側への抜けが防止されている。なお、内殻8e,8cは通し孔39,40に軸部37a,38aを通した後、真空断熱パネル4e,4cに貼り付けるものである。
連結部材15の内殻8c,8eへの連結は取付ねじとしてのセルフタッピングねじ41によって行われ、このセルフタッピングねじ41を螺合するためにナット部材37,38には下穴42,43が形成されている。即ち、まず、セルフタッピングねじ41を左側壁部1c側の取付部32の通し孔35,36に通して内殻1cのナット部材38の軸部38aに形成された下穴43にセルフタッピング作用によって螺合する。これにより取付部32が左側壁部1cの内殻8cに取り付けられる。このとき、取付部32の通し孔35,36は円形でセルフタッピングねじ41を通し得る程度の比較的小さな径寸法であるので、連結部材15は真直ぐ(鉛直)に固定することができる。次に、セルフタッピングねじ41を奥壁部1e側の取付部31の通し孔33,34に通し、そして、内殻1eのナット部材37の軸部37aに形成された下穴42に螺合する。これにより取付部31が奥壁部1eの内殻8eに取り付けられる。
このようにして連結部材15は、2つの内殻1c,1eに取り付けられる。この連結部材15の取付状態において、直角に交差する連結部材15の2つの側面には段差面25,26が設けられているので、この段差面25,26によって連結部材14の2つの側面と奥壁部1eの内殻8eおよび左側壁1cの内殻8cとの間に比較的大きな隙間G1,G2が形成される。また、取付面23,24もナット部材37,38の軸部27a,38aの長さ設定によって内殻8e,8cに接せず、内殻8e,8cとの間に僅かな隙間G3,G4を保有している。なお、隙間G1,G2は、シールのためにスポンジ状の弾性を有する断熱材44によって塞がれている。
また、連結部材15の内殻1c,1eへの連結状態において、2つの壁部1c,1eのうち少なくとも一の断熱壁部、この実施形態では一方の断熱壁部1eの内殻8eの左端が連結部材15の直角交差部Rよりも外へ出ない(直角交差部Rを超えない)ように、当該直角交差部Rよりも取付部31側に位置し、真空断熱パネル4eの左端は内殻8eの左端よりも内側に入り込んだ位置に存在している。
更に、2つの壁部1c,1eのうち少なくとも一の断熱壁部、この実施形態では他方の壁部1cの真空断熱パネル4cの後端は連結部材15の直角交差部Rより外へ出た(直角交差部Rを超えた)位置に存在し、内殻8cの後端は真空断熱パネル4cの後端よりも外へ出た位置に存在している。
以上のように構成した本実施形態によれば、連結部材15によって左側壁部1cの内殻8cと奥壁部1eの内殻8eとが連結され、両内殻8c,8eが直交する形態に保持される。
ところで、真空断熱パネル4は、機械加工品ではないので、その厚さに多少のばらつきを生ずる。図1は左側壁部1cおよび奥壁部1eの真空断熱パネル4c,4eが共に基準寸法に仕上げられていた場合を示しており、この場合、連結部材15の2つの側面は左側壁部1cおよび奥壁部1eの内殻8c,8eと平行状態にある。
しかしながら、真空断熱パネル4c,4eの厚さTe,Tcが基準寸法よりも薄くなったり厚くなったりすると、連結部材15が図2或いは図3のように傾いて左側壁部1cの内殻8cに接近したり、奥壁部1eの内殻8eに接近したりして内殻8c,8eに当る恐れが生ずる。本実施形態では、真空断熱パネル4c,4eの厚さ変動があって連結部材15が傾いたとしても、左側壁部1cの内殻8cや奥壁部1eの内殻8eに当ることを防止できる。
この連結部材15の内殻8c,8eへの当り防止作用について説明する。まず、左側壁部1cの真空断熱パネル4cの厚さTcが変動した場合には、奥壁部1e側の取付部31の通し孔33,34が長孔状であることによって連結部材15の内殻8c,8eへの当りが防止される。即ち、セルフタッピングねじ41によって取付部32を左側壁部1cの内殻8cに固定した後、セルフタッピングねじ41によって取付部31を奥壁部1eの内殻8eに固定する際、真空断熱パネル4cの厚さTcが標準よりも薄いと、連結部材15の位置が図1の標準位置よりも左へずれる。しかしながら、本実施形態では、奥壁部1e側の取付部31の通し孔33,34が長孔状になっているので、セルフタッピングねじ41によって取付部32を左側壁部1cの内殻8cに取り付けた後、セルフタッピングねじ41によって取付部31を奥壁部1eに取り付けた場合、通し孔33,34を通るセルフタッピングねじ41の位置が図4に示すように通し孔33,34の長手方向中央よりも右側にずれるだけで、連結部材15は傾くことなく取り付けられる。
逆に、真空断熱パネル4cの厚さTcが標準よりも厚いと、連結部材15の位置が図1の標準位置よりも右へずれるので、同様に、セルフタッピングねじ41を通し孔33,34に通して奥壁部1eの内殻8eのナット部材38に螺合した場合、通し孔33,34を通るセルフタッピングねじ41の位置が図5に示すように中央よりも左側にずれるだけで、連結部材15は傾くことなく取り付けられる。
従って、真空断熱パネル4cの厚さTcが変動しても、連結部材15が内殻4c,4eに当ることが極力防止される。
これに対し、奥壁部1eの真空断熱パネル4eの厚さTeが標準よりも薄い場合、セルフタッピングねじ41によって取付部32を左側壁部1cの内殻8cに取り付けた後、セルフタッピングねじ41によって取付部31を奥壁部1eの内殻8eに取り付けると、連結部材15が図2に示すように反時計方向に傾いた状態になる。逆に、奥壁部1eの真空断熱パネル4eの厚さ標準よりも厚い場合、セルフタッピングねじ41によって取付部32を左側壁部1cの内殻8cに取り付けた後、セルフタッピングねじ41によって取付部31を奥壁部1eの内殻8eに取り付けると、連結部材15が図3に示すように時計方向に傾いた状態になる。
この場合、連結部材15に段差面25,26が設けられていないと仮定すると、連結部材15が傾くことによって各片16a,16bが内殻8c或いは内殻8eに当り、当該内殻8c,8eを撓ませて内殻8c,8eの強度などに悪影響を及ぼす恐れがある。
しかしながら、連結部材15の2つの側面の直角交差部R側は連結面23,24よりも一段低い段差面25,26となっていて、内殻4e,4cとの間に隙間G1,G2が生じているので、連結部材15が図2または図3のように傾いても、連結部材15の直角交差部Rが左側壁部1cの内殻8に当ったり、奥壁部1eの内殻8eに当ったりすることが防止される。
この場合、連結面23,24と内殻4e、4cとの間に隙間G3,G4が存在しているので、連結面23,24も内殻4e,4cに当らず、これにより内殻4e,4cを撓ませることが極力防止される。
しかも、真空断熱パネル4eが厚く形成される程度が大きく、連結部材15の時計方向への傾きが大きくなったような場合でも、本実施形態では、内殻8eが内殻8cから離れていて隙間gが存在しているので、直角交差部Rは隙間g内に入って内殻8eに当ることがなく、更に、真空断熱パネル4eの端が内殻8eの端よりも内側にあるので、隙間g内に入った直角交差部Rによって真空断熱パネル4eが傷つけられる恐れがない。
また、奥壁部1eの真空断熱パネル4eが薄く形成される程度が大きく、連結部材15の反時計方向への傾きが大きくなったような場合、直角交差部Rが左側壁部1cに当ることがあるが、真空断熱パネル4cの端が直角交差部Rよりも後側に出ていても、内殻8cが真空断熱パネル4cの端よりも更に後側に出ているので、真空断熱パネル4cが直角交差部Rによって傷つけられる恐れがない。
(第2の実施形態)
図11は第2の実施形態を示す。この実施形態が上述した第1の実施形態と異なるところは、連結部材15の直角交差部Rを円弧状に形成したところにある。このように直角交差部Rを円弧状に形成すると、仮に円弧状交差部Rが内殻8c,8eに当ったとしても、当該内角8c,8eが傷つけられる恐れがない。
(その他の実施形態)
上記の第1、第2の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、断熱壁は、内殻と外殻との間を、真空断熱パネルとこの真空断熱パネルの内側または外側に充填した発砲断熱材とで満たしたものであっても良い。
断熱箱体1は5つの壁部1a〜1eにより構成するものに限られず、例えば、左側壁部1cと奥壁部1e、底壁部1bと奥壁部1eなど、2つの壁部を一体に形成したものを1つの壁部とするものであっても良い。
奥壁部1e側の取付部31の通し孔33,34を円形孔とし、左側壁部1c側の取付部32の通し孔35,36を横方向に延びる長孔状にしても良い。
連結部材15で連結する内殻は左側壁部1cの内殻8cと奥壁部1eの内殻8eだけに限られない。他の互いに結合される壁部の内殻どうしも連結部材15で連結するようにしても良い。
奥壁部1eについても、左側壁部1cと同様に、真空断熱パネル4eが連結部材15の直角交差部Rの外に位置し、内殻8eが真空断熱パネル4eよりも外に位置するようにしても良い。
逆に、左側壁部1cについても、奥壁部1eと同様に、真空断熱パネル4cが連結部材15の直角交差部Rよりも取付部32側に位置し、内殻8cが真空断熱パネル4cよりも外に位置するようにしても良い。
取付部31,32は、座部27,28と嵌合部29,30のうち、いずれか一方で構成しても良い。
結合する2つの壁部の内殻どうしは必ずしも連結部材15で連結する必要はない。例えば,一方の内殻の端部にL字状の連結片を形成し、この連結片を他方の内殻に当ててねじ止めする場合には、当該内殻どうしは連結部材15で連結せずとも良い。
図面中、1は断熱箱体、1a〜1eは壁部(断熱壁部)、2は収納空間、4は真空断熱パネル、7は外殻、8は内殻、15は連結部材、23,24は連結面、25,26は段差面、31,32は取付部、33〜36は通し孔、41はセルフタッピングねじ(取付ねじ)を示す。

Claims (7)

  1. 外殻と内殻との間に真空断熱パネルを設けてなる複数の断熱壁部を結合して構成され、内部を収納空間とした断熱箱体と、
    直角に交差する2つの側面を有し各側面に直角交差側とは反対の先端側に位置して取付ねじの通し孔及び連結面を有した取付部を設けてなり、結合された2つの前記断熱壁部の内殻によって構成される前記断熱箱体の内側のコーナー部のうち所要のコーナー部に、これら2つの前記断熱壁部の内殻に前記2つの側面が対向するようにして配置され、前記通し孔に通された前記取付ねじにより前記取付部が前記2つの断熱壁部の前記内殻に取り付けられて当該2つの断熱壁部の内殻を直交する形態に連結保持する連結部材と
    を備え、
    前記連結部材の2つの各側面について、当該2つの側面の直角交差部から前記取付部側に向かう所要範囲部分を前記取付部の前記連結面が前記内殻に面して設けられた部分よりも低い段差面に形成し、当該連結面と当該段差面によって前記連結部材の2つの側面と前記2つの断熱壁部の内殻との間に隙間が形成されることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 請求項1記載の冷蔵庫において、
    2つの断熱壁部のうち少なくとも一の断熱壁部の内殻の端は、連結部材の2つの側面の直角交差部よりも当該連結部材の前記取付部側に存在している
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  3. 請求項2記載の冷蔵庫において、
    一の断熱壁部の真空断熱パネルの端は、当該一の断熱壁部の内殻の端よりも内側に入り込んだ位置に存する
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  4. 請求項1記載の冷蔵庫において、
    2つの断熱壁部のうち少なくとも一の断熱壁部の真空断熱パネルの端は、連結部材の2つの側面の直角交差部を超えた位置に存している
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  5. 請求項4記載の冷蔵庫において、
    一の断熱壁部の内殻の端は、真空断熱パネルの端よりも突出した位置に存する
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の冷蔵庫において、
    連結部材の2つの側面の直角交差部は円弧状になっている
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の冷蔵庫において、
    連結部材の2つの側面のうち一方の側面の取付部の通し孔は円形で、他方の側面の取付部の通し孔は当該他方の側面の先端と2つの側面の直角交差部とを結ぶ方向に長い長孔状である
    ことを特徴とする冷蔵庫。
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