JP6319311B2 - 含フッ素ポリマーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、含フッ素ポリマーの製造方法に関する。
イオン交換膜(塩化アルカリ電解用イオン交換膜、燃料電池用電解質膜等)の材料として、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーが知られている。
含フッ素ポリマーは、たとえば、加圧状態でモノマーを重合可能な容器内において、重合開始剤の存在下、重合媒体中にてカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとテトラフルオロエチレン(以下、TFEと記す。)とを重合させることによって得られる。
重合開始剤としては、通常、アゾ化合物または有機過酸化物が用いられる(たとえば、特許文献1)。
しかし、アゾ化合物は、重合速度が遅いため、重合開始剤としてアゾ化合物を用いた場合、含フッ素ポリマーの生産性が悪い。また、重合開始剤としてアゾ化合物を用いた場合、得られる含フッ素ポリマーの分子量が低い。
一方、有機過酸化物は、アゾ化合物に比べ重合速度が速いため、重合開始剤として有機過酸化物を用いた場合、含フッ素ポリマーの生産性はアゾ化合物を用いた場合に比べよくなる。また、重合開始剤として有機過酸化物を用いた場合、得られる含フッ素ポリマーの分子量は比較的高い。
しかし、通常入手可能な有機過酸化物は、分子量が低く、揮発しやすい。そのため、沸点が比較的高い含フッ素モノマーと沸点が比較的低いTFEとを重合した際、容器内の気相における有機過酸化物およびTFEの濃度が高くなりやすい。その結果、容器内の気相において、TFEが主に重合し、TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマーが不純物として生成しやすい。
得られる含フッ素ポリマーの分子量が比較的高く、TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマーが不純物として生成しにくい含フッ素ポリマーの製造方法としては、下記の方法が提案されている。
(1)加圧状態でモノマーを重合可能な容器内において、重合開始剤として[F(CF4〜10COO]または[CFCFCFO(CF(CF)CFO)0〜8CF(CF)COO]の存在下、重合媒体中にてスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとTFEとを0〜35℃で重合させる方法(特許文献2)。
(2)加圧状態でモノマーを重合可能な容器内において、重合開始剤として[CFCFCFO(CF(CF)CFO)0〜8CF(CF)COO]の存在下、重合媒体中にてスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとTFEとを25〜45℃で重合させる方法(特許文献3)。
(1)、および(2)の方法では、重合開始剤として有機過酸化物を用い、かつ重合温度が比較的低いため、得られる含フッ素ポリマーの分子量が比較的高い。また、(1)、および(2)の方法で用いる有機過酸化物は、高分子量であり、容器内の気相における濃度が高くなりにくく、TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマーを不純物として生成させにくい。
しかし、(1)、および(2)の方法で用いる有機過酸化物は、入手が困難であり、工業的生産に不向きである。
日本特開平6−199959号公報 日本特許第4946009号公報 日本特開2009−209365号公報
本発明は、含フッ素ポリマーの生産性がよく、得られる含フッ素ポリマーの分子量が比較的高く、TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマーが不純物として生成しにくく、かつ工業的生産に適している、含フッ素ポリマーの製造方法を提供する。
本発明の含フッ素ポリマーの製造方法は、加圧状態でモノマーを重合可能な容器内において、下式(A1)で表される化合物、下式(A2)で表される化合物、下式(A3)で表される化合物および下式(A4)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機過酸化物の存在下に、常圧における沸点が60℃以下の含フッ素溶媒(B)を1種以上含む重合媒体中にて、前記含フッ素溶媒(B)よりも常圧における沸点が高い含フッ素モノマー(C)とTFEとを少なくとも用いて、前記含フッ素溶媒(B)のうち常圧における沸点が最も低い含フッ素溶媒(B)の常圧における沸点以上70℃以下で重合させることを特徴とする。
Figure 0006319311
前記含フッ素ポリマーは、含フッ素モノマー(C)に基づく構成単位15〜40モル%含むことが好ましく、前記含フッ素ポリマーの質量平均分子量は、150,000以上であることが好ましい。
前記含フッ素モノマー(C)は、下式(C1)で表される化合物のうち前記含フッ素溶媒(B)よりも常圧における沸点が高い化合物および下式(C2)で表される化合物のうち前記含フッ素溶媒(B)よりも常圧における沸点が高い化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 0006319311
ただし、Xは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、Xは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、Aは、カルボン酸型官能基、スルホン酸型官能基、またはトリフルオロメチル基であり、pは、0または1であり、qは、0または1であり、rは、0〜3の整数であり、sは、0または1であり、tは、0〜12の整数であり、uは、0〜3の整数であり、かつ1≦r+uである。
Figure 0006319311
ただし、Qは、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Qは、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Yは、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、Aは、カルボン酸型官能基、スルホン酸型官能基、またはトリフルオロメチル基であり、vは、0または1である。
前記含フッ素溶媒(B)の常圧における沸点は10℃以上が好ましい。
前記含フッ素ポリマーのイオン交換容量は、0.5〜2.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂が好ましい。
前記含フッ素モノマー(C)は、下式(C1−1)で表される化合物および下式(C2−1)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
Figure 0006319311

前記含フッ素溶媒(B)は、ハイドロフルオロカーボンおよびハイドロフルオロエーテルのいずれか一方または両方であることが好ましい。
前記ハイドロフルオカーボンは、CHFCHCF、CFCHCFCH、およびCFCFHCFHCFCFからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、前記ハイドロフルオロエーテルは、CFCHOCFCFHであることが好ましい。
前記含フッ素溶媒(B)は、CHFCHCF、CFCHCFCH、およびCFCHOCFCFHからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明の含フッ素ポリマーの製造方法は、含フッ素ポリマーの生産性がよく、得られる含フッ素ポリマーの分子量が比較的高く、TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマーが不純物として生成しにくく、かつ工業的生産に適している。
本明細書においては、式(A1)で表される化合物を化合物(A1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「加圧状態でモノマーを重合可能な容器」とは、モノマー等の供給口以外は密封され、TFEを供給することによって内部を加圧状態にできる容器を意味する。
「加圧状態」とは、大気圧よりも高い圧力下にある状態を意味する。
「常圧」とは、1気圧(101325Pa)を意味する。
「モノマー」とは、重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を意味する。
「構成単位」とは、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに由来する単位を意味する。構成単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
「カルボン酸型官能基」とは、カルボン酸基(−COOH)そのもの、または加水分解または中和によってカルボン酸基に変換し得る官能基を意味する。
「スルホン酸型官能基」とは、スルホン酸基(−SOH)そのもの、または加水分解または中和によってスルホン酸基に変換し得る官能基を意味する。
<含フッ素ポリマーの製造方法>
本発明の含フッ素ポリマーの製造方法は、加圧状態でモノマーを重合可能な容器内において、特定の有機過酸化物の存在下、特定の含フッ素溶媒(B)を含む重合媒体中にて、少なくとも特定の含フッ素モノマー(C)とTFEとを特定の重合温度で重合させる方法である。
(容器)
容器は、加圧状態でモノマーを重合可能な容器であればよく、特に限定はされない。
容器としては、たとえば、オートクレーブ、反応容器、攪拌槽、アンプル管、圧力容器等が挙げられる。
(有機過酸化物)
本発明における特定の有機過酸化物は、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)および化合物(A4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機過酸化物である。
Figure 0006319311
化合物(A1)の分子量は、206であり、10時間半減期温度は、41℃である。
化合物(A2)の分子量は、399であり、10時間半減期温度は、41℃である。
化合物(A3)の分子量は、426であり、10時間半減期温度は、21℃である。
化合物(A4)の分子量は、174であり、10時間半減期温度は、55℃である。
化合物(A1)は、日油社製、パーロイル(登録商標)IPPとして入手可能である。
化合物(A2)は、日油社製、パーロイル(登録商標)TCPとして入手可能である。
化合物(A3)は、日油社製、PFBとして入手可能である。
化合物(A4)は、日油社製、パーブチル(登録商標)PVとして入手可能である。
(重合媒体)
重合媒体は、常圧における沸点が60℃以下の含フッ素溶媒(B)を1種または2種以上含む。重合媒体は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、常圧における沸点が60℃超の他の含フッ素溶媒、フッ素原子を有さない非フッ素系溶媒を含んでいてもよい。
重合媒体には、重合開始剤を添加する際に、重合開始剤を溶解させるために用いた溶媒や添加ラインの洗浄の用いた溶媒も含まれる。
(含フッ素溶媒)
含フッ素溶媒(含フッ素溶媒(B)および他の含フッ素溶媒)としては、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル等が好ましく、オゾン層への影響が少ない点から、ハイドロフルオロカーボンおよびハイドロフルオロエーテルのいずれか一方または両方がより好ましい。
ハイドロフルオロカーボンは、モル基準での水素原子数/フッ素原子数の割合(以下、H/Fと記す。)が0.05〜20であるものが好ましく、0.06〜1であるものがより好ましい。H/F比が0.05未満では、重合開始剤の溶解性が不充分となる。H/F比が20を超えると、重合反応の連鎖移動定数が大きくなり、所望の分子量の含フッ素ポリマーが得られないおそれがある。
ハイドロフルオロカーボンは、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
ハイドロフルオロカーボンの具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
CHFCHCF
CFCFCHCH
CFCHCFCH
CHFCFCFCHF
CHCFCHFCF
CFCFCHFCF
CFCFCFCFH、
(CFCFCHCH
CHCHFCFCFCHCH
CHCFCFCFCHF
CFCHFCHFCFCF
CFCFCFCFCHCH
CFCFCHCHCFCF
CFCFCFCFCFCFH、
(CFCFCHFCHFCF
CHCFCFCFCFCFCFH、
CFCFCFCFCFCFCFH、
CFCFCFCFCFCFCHCH
CFCFCFCFCFCFCFCHF
ハイドロフルオロエーテルとしては、R−O−R(ただし、RおよびRは、ポリフルオロアルキル基であり、RおよびRの少なくとも一方は水素原子を有し、RとRの合計の炭素原子数は3〜8である。)が挙げられる。
ポリフルオロアルキル基としては、直鎖状または分岐状の、ハイドロフルオロアルキル基またはペルフルオロアルキル基が好ましい。RおよびRのどちらか一方がペルフルオロアルキル基の場合は、もう一方はハイドロフルオロアルキル基である。RおよびRがともにペルフルオロアルキル基であると地球温暖化係数が高い。また、RおよびRは、同一または異なるポリフルオロアルキル基であってよい。RおよびRが有するフッ素原子の合計数は、水素原子の合計数よりも多いことが好ましい。水素原子数が多いと連鎖移動定数が大きくなるため、水素原子数はより少ないことが、連鎖移動定数が小さくなることから好ましい。RおよびRが有するフッ素原子の合計数は、水素原子とフッ素原子の合計数に対して60%以上が好ましく、65%以上がより好ましい。RおよびRの合計の炭素原子数は、3〜8であり、4〜6が好ましい。RおよびRの炭素原子数が少なすぎると、沸点が低く重合媒体としての取り扱い性が充分でない。RおよびRの炭素原子数が多すぎると、沸点が高く含フッ素共重合体と重合媒体との分離が困難になる。
ハイドロフルオロエーテルとしては、CFCHOCFCFH、CHFCFCHOCFCFH、およびCFCFCHOCFCFHからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、CFCHOCFCFHがより好ましい。
(含フッ素溶媒(B))
含フッ素溶媒(B)は、上述した含フッ素溶媒のうち、常圧における沸点が60℃以下のものである。
含フッ素溶媒(B)の沸点は、TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマーが不純物として気相にて生成しにくくなる点から、60℃以下が好ましく、56℃以下がより好ましい。含フッ素溶媒(B)の沸点は、取扱性の点から、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。
含フッ素溶媒(B)としては、反応温度での蒸気圧が高いため、容器内の気相におけるTFE濃度が高くなりにくく、TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマーを不純物として生成させにくい点から、常圧における沸点が60℃以下のハイドロフルオロカーボンおよび常圧における沸点が60℃以下のハイドロフルオロエーテルのいずれか一方または両方が好ましい。
常圧における沸点が60℃以下のハイドロフルオロカーボンとしては、オゾン破壊係数ゼロで、高い分子量のポリマーが得られやすい点から、CHFCHCF、CFCHCFCH、およびCFCFHCFHCFCFからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
常圧における沸点が60℃以下のハイドロフルオロエーテルとしては、オゾン破壊係数ゼロで、高い分子量のポリマーが得られやすい点から、CFCHOCFCFHが好ましい
(モノマー)
モノマーとしては、含フッ素ポリマーを製造する際に実際に用いる含フッ素溶媒(B)よりも常圧における沸点が高い含フッ素モノマー(C)およびTFEを少なくとも用いる。モノマーとしては、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、含フッ素ポリマーを製造する際に実際に用いる含フッ素溶媒(B)と常圧における沸点が同じまたは該含フッ素溶媒(B)よりも常圧における沸点が低い他の含フッ素モノマー(ただし、TFEを除く。)、フッ素原子を有さない非フッ素系モノマーをさらに用いてもよい。
(含フッ素モノマー)
含フッ素モノマー(含フッ素モノマー(C)、TFEおよび他の含フッ素モノマー)としては、分子中に1個以上のフッ素原子を有し、かつ重合反応性の炭素−炭素二重結合を有する含フッ素モノマーであれば、特に限定されず、従来から公知のものを用いることができる。
含フッ素モノマーとしては、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマー、含フッ素オレフィン、CF=CF−R(ただし、Rは途中にエーテル性の酸素原子を含む炭素原子数1〜10のペルフルオロアルキル基である。)、CF=CF−ORf1(ただし、Rf1は炭素原子数1〜10のペルフルオロアルキル基であり、途中にエーテル性の酸素原子を含んでもよい。)、CF=CFO(CFCF=CF(ただし、wは1〜3の整数である。)等が挙げられる。
含フッ素オレフィンとしては、たとえば、TFE、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロプロピレン等が挙げられる。含フッ素オレフィンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素モノマーとしては、分子中に1個以上のフッ素原子を有し、重合反応性の炭素−炭素二重結合を有し、かつカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する化合物であれば、特に限定されず、従来から公知のものを用いることができる。
(含フッ素モノマー(C))
含フッ素モノマー(C)は、上述した含フッ素モノマーのうち、含フッ素ポリマーを製造する際に実際に用いる含フッ素溶媒(B)よりも常圧における沸点が高いものである。含フッ素溶媒(B)が2種以上の場合、含フッ素モノマー(C)は、常圧における沸点が最も高い含フッ素溶媒(B)よりも常圧における沸点が高いものである。
含フッ素モノマー(C)としては、モノマーの製造コスト、他のモノマーとの反応性、得られる含フッ素ポリマーの特性が優れる点から、化合物(C1)が好ましい。
含フッ素モノマー(C)としては、得られる含フッ素ポリマーの特性がさらに優れる点から、化合物(C2)が好ましい。
化合物(C1)および化合物(C2)は、組み合わせて用いてもよい。
(化合物(C1))
化合物(C1)は、下式(C1)で表される化合物のうち前記含フッ素溶媒(B)よりも常圧における沸点が高い化合物である。
Figure 0006319311
は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基である。また、Xは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基である。1分子中にXおよびXの両方が存在する場合、それぞれは同一であってもよく、異なっていてもよい。
は、カルボン酸型官能基、スルホン酸型官能基、またはトリフルオロメチル基である。
カルボン酸型官能基は、カルボン酸基(−COOH)そのもの、または加水分解または中和によってカルボン酸基に変換し得る官能基である。カルボン酸基に変換し得る官能基としては、−CN、−COF、−COOR(ただし、Rは炭素原子数1〜10のアルキル基である。)、−COOM(ただし、Mはアルカリ金属または第4級アンモニウム塩基である。)、−COONR(ただし、RおよびRは、水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である。RおよびRは、同一であってもよく、異なっていてもよい。)等が挙げられる。
スルホン酸型官能基は、スルホン酸基(−SOH)そのもの、または加水分解または中和によってスルホン酸基に変換し得る官能基である。スルホン酸基に変換し得る官能基としては、−SOM(ただし、Mはアルカリ金属または第4級アンモニウム塩基である。)、−SOF、−SOCl、−SOBr等が挙げられる。
pは、0または1であり、qは、0または1であり、rは、0〜3の整数であり、sは、0または1であり、tは、0〜12の整数であり、uは、0〜3の整数である。ただし、rおよびuが同時に0になることはない。すなわち、1≦r+uである。
カルボン酸型官能基を有する化合物(C1)の具体例としては、下記の化合物が挙げられ、製造が容易である点から、p=0、q=1、r=1、s=0〜1、t=1〜3、u=0〜1である化合物が好ましく、CF=CF−O−CFCF−CF−COOCH、またはCF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCF−COOCHが特に好ましい。
CF=CF−O−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF−CF−COOCH
CF=CF−O−CFCF−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF−O−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF−O−CFCF−CF−COOCH
CF=CF−O−CFCF−O−CFCF−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CF−CFCF−O−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCF−COOCH
CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CF−CFCF−COOCH
スルホン酸型官能基を有する化合物(C1)としては、モノマーの製造コスト、他のモノマーとの反応性、得られる含フッ素ポリマーの特性に優れる点から、化合物(C11)または化合物(C12)が好ましい。
CF=CF−O−Rf2−A11 ・・・(C11)、
CF=CF−Rf2−A11 ・・・(C12)。
f2は、炭素数1〜20のペルフルオロアルキレン基であり、エーテル性の酸素原子を含んでいてもよく、直鎖状または分岐状のいずれでもよい。
11は、スルホン酸型官能基である。
化合物(C11)としては、具体的には下記の化合物が好ましい。
CF=CF−O−(CF1〜8−SOF、
CF=CF−O−CFCF(CF)−O−(CF1〜8−SOF、
CF=CF−[OCFCF(CF)]1〜5−SOF。
化合物(C12)としては、具体的には下記の化合物が好ましい。
CF=CF−(CF0〜8−SOF、
CF=CF−CF−O−(CF1〜8−SOF。
スルホン酸型官能基を有する化合物(C1)としては、工業的な合成が容易である点から、下記の化合物がより好ましい。
CF=CF−O−CFCF−SOF、
CF=CF−O−CFCFCF−SOF、
CF=CF−O−CFCFCFCF−SOF、
CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCF−SOF、
CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCFCF−SOF、
CF=CF−O−CFCF(CF)−SOF、
CF=CF−CFCF−SOF、
CF=CF−CFCFCF−SOF、
CF=CF−CFCFCFCF−SOF、
CF=CF−CF−O−CFCF−SOF。
がトリフルオロメチル基の場合の化合物(C1)としては、化合物の製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、化合物(C13)〜(C15)が好ましい。
CF=CF−O(CFiCF ・・・(C13)、
CF=CF−(OCFCF(CF))O(CFCF ・・・(C14)、
CF=CF−(OCFCFO(CFCF ・・・(C15)。
ただし、iは0〜3の整数であり、jは1または2であり、xは0〜2の整数であり、yは1または2であり、zは0〜2の整数である。
がトリフルオロメチル基の場合の化合物(C1)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
CF=CF−OCFCF(CF)OCFCFCF
CF=CF−OCF
CF=CF−OCFCFOCFCFOCFCF
CF=CF−OCFCFCF
CF=CF−OCFCFOCFCFOCFOCF
CF=CF−OCFOCFCFCF
CF=CF−OCFOCFOCFOCF
CF=CF−OCFOCF
CF=CF−OCF(CFOCF
CF=CF−O[CFCFCFO]CFCFCF(ただし、nは0〜4の整数である。)、
CF=CF−OCFCFOCFCFOCF
CF=CF−OCFOCFCFOCF
CF=CF−OCFOCFCF
CF=CF−OCFCFOCFOCFOCF
CF=CF−OCFCFCFO(CFO(CFOCFCFCF
CF=CF−OCFCFOCFCFOCFCFOCFCFOCF
CF=CF−OCFCFOCFCFOCFCFOCF
CF=CF−OCFCFCFO(CFOCFCFCF
CF=CF−OCFCFOCFOCFOCFOCF
CF=CF−OCFCFOCFOCFOCFOCFOCF
CF=CF−OCFCFCFOCF
CF=CF−OCFCFOCFOCF
CF=CF−OCFCFOCF
CF=CF−OCFCFOCFCF
CF=CF−OCFCFCFOCFCFCF
(化合物(C2))
化合物(C2)は、下式(C2)で表される化合物のうち前記含フッ素溶媒(B)よりも常圧における沸点が高い化合物である。
Figure 0006319311
ただし、Qは、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Qは、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Yは、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、Aは、カルボン酸型官能基、スルホン酸型官能基、またはトリフルオロメチル基であり、vは、0または1である。
、Qのペルフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。炭素数が多すぎると、含フッ素モノマーの沸点が高くなり、蒸留精製が難しくなる。また、炭素数が多すぎると、含フッ素ポリマーのイオン交換容量が低下する。
は、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。Qがエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であれば、Qが単結合である場合に比べ、長期にわたって固体高分子形燃料電池を運転した際に、出力電圧の安定性に優れる。
、Qの少なくとも一方は、エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基を有する含フッ素モノマーは、フッ素ガスによるフッ素化反応を経ずに合成できるため、収率が良好で、製造が容易である。
は、カルボン酸型官能基、スルホン酸型官能基、またはトリフルオロメチル基である。
カルボン酸型官能基は、カルボン酸基(−COOH)そのもの、または加水分解または中和によってカルボン酸基に変換し得る官能基である。カルボン酸基に変換し得る官能基としては、上述したものが挙げられる。
スルホン酸型官能基は、スルホン酸基(−SOH)そのもの、または加水分解または中和によってスルホン酸基に変換し得る官能基である。スルホン酸基に変換し得る官能基としては、上述したものが挙げられる。
Yとしては、フッ素原子、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。
スルホン酸型官能基を有する化合物(C2)としては、工業的な合成が容易である点から、下記の化合物がより好ましい。
Figure 0006319311
(モノマーの仕込み)
各モノマー(含フッ素モノマー(C)、TFE、他)の仕込み割合は、得られる含フッ素ポリマーにおける各構成単位が所望の割合となるように選定される。
各モノマーは、一括で仕込んでもよく、連続的または断続的に仕込んでもよい。反応系内のモノマーの濃度を一定にして、生成する含フッ素ポリマーの組成を均一化させるという点からは、各モノマーを、連続的または断続的に容器に供給して連続的または断続的に反応させることが好ましい。
TFEは、気体であるため、通常は、含フッ素モノマー(C)とは別に供給される。
含フッ素モノマー(C)およびTFEは、すべてを連続的に供給してもよく、一部を連続的に供給し、残りを断続的に供給してもよく、すべてを断続的に供給してもよい。TFEを除くモノマーの一部または全部を、あらかじめ容器に仕込んでおいてもよい。
(重合開始剤の添加)
重合媒体にモノマー、重合開始剤等を加え、重合媒体中にてラジカルを生起させてモノマーの重合を行う。重合開始剤の添加は、一括添加であってもよく、逐次添加であってもよく、連続添加であってもよい。
重合開始剤は、あらかじめ溶媒に溶解した状態で添加することが好ましい。該溶媒としては、含フッ素溶媒(B)が好ましい。
重合開始剤の添加量は、全モノマーの100質量部に対して、0.0001〜3質量部が好ましく、0.0001〜2質量部がより好ましい。重合開始剤の添加量を下げることによって、含フッ素ポリマーの分子量を高めることができる。重合開始剤の他に、通常の溶液重合において用いられる分子量調節剤等を添加してもよい。
(重合温度)
重合温度は、含フッ素溶媒(B)のうち常圧における沸点が最も低い含フッ素溶媒(B)の常圧における沸点以上70℃以下である。
重合温度が、含フッ素溶媒(B)が1種の場合、その含フッ素溶媒(B)の常圧における沸点以上であれば、または含フッ素溶媒(B)が2種以上の場合、いずれかの含フッ素溶媒(B)の常圧における沸点以上であれば、容器内の気相における含フッ素溶媒(B)の濃度が高くなり、相対的に、容器内の気相におけるTFEおよび有機過酸化物の濃度が低くなるため、TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマーが不純物として気相にて生成しにくくなる。
重合温度が、70℃以下であれば、得られる含フッ素ポリマーの分子量が比較的高くなる。重合温度は、65℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。
(重合圧力)
重合圧力(ゲージ圧)は、0.1〜5.0MPaGが好ましく、0.5〜3.0MPaGがより好ましい。重合圧力(ゲージ圧)が前記範囲内であれば、重合反応の速度を実用上満足し得る速さに維持することができ、高分子量の含フッ素ポリマーを得ることができる。
(含フッ素ポリマー)
本発明の製造方法によって得られる含フッ素ポリマーは、含フッ素モノマー(C)に基づく構成単位とTFEに基づく構成単位とを有する。
含フッ素モノマー(C)に基づく構成単位の割合は、含フッ素ポリマーを構成するすべての構成単位100モル%のうち、15〜40モル%が好ましく、16〜35モル%がより好ましい。含フッ素モノマー(C)に基づく構成単位の割合が15モル%以上であれば、軟質化しやすく、含フッ素モノマー(C)に基づく構成単位の特性を発現しやすい。また、含フッ素モノマー(C)に基づく構成単位がイオン交換基(酸型または塩型のカルボン酸基、スルホン酸基等)を有する場合は、充分なイオン交換性能を示す。含フッ素モノマー(C)に基づく構成単位の割合が40モル%以下であれば、充分な分子量を確保しやすくなり、固体、粉体、フィルムでの取り扱いがより一層しやすくなる。
含フッ素モノマー(C)の質量平均分子量は、150,000以上であることが好ましく、150,000〜800,000がより好ましく、150,000〜600,000がさらに好ましい。含フッ素モノマー(C)の質量平均分子量が150,000以上であれば、機械的強度が高く、耐久性が高くなる。含フッ素モノマー(C)の質量平均分子量が600,000以下であれば、成形加工性、および液状分散性に優れる。
カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーのイオン交換容量は、イオン交換膜として用いる場合、0.5〜2.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂が好ましい。含フッ素ポリマーのイオン交換容量を大きくしても、含フッ素ポリマーの分子量を高くすることができるため、含フッ素ポリマーの機械的性質や耐久性が低下することがない。含フッ素ポリマーのイオン交換容量は、イオン交換膜としての機械的性質や電気化学的性能の点から、0.6ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上が好ましく、0.7ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上がより好ましい。
カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーの分子量は、イオン交換膜としての機械的性能および製膜性と関連する。含フッ素ポリマーの分子量は、TQ値で150℃以上が好ましく、170〜340℃がより好ましく、170〜300℃がさらに好ましい。
TQ値は、ポリマーの分子量に関係する値であって、容量流速:100mm/秒を示す温度で示したものである。容量流速は、ポリマーを3MPaの加圧下に一定温度のオリフィス(径:1mm、長さ:1mm)から溶融、流出させ、流出するポリマーの量をmm/秒の単位で示したものである。TQ値は、ポリマーの分子量の指標となり、TQ値が高いほど高分子量であることを示す。
(イオン交換膜)
カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーを製膜することによって、イオン交換膜を得ることができる。イオン交換膜の製造方法は、含フッ素ポリマーを製膜する工程と、含フッ素ポリマーのカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を加水分解により酸型に転換する工程とを有する。製膜工程と転換工程は、どちらを先に行ってもよいが、製膜工程を先に行うのが好ましい。
イオン交換膜は、本発明の製造方法で得られた含フッ素ポリマーを含む層を複数有し、各層における含フッ素ポリマーのイオン交換容量がそれぞれ異なる積層体であってもよく;本発明の製造方法で得られたカルボン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーを含む層と、スルホン酸型官能基を有する含フッ素ポリマーを含む層とを有する積層体であってもよく;補強材を有する積層体であってもよい。
補強材としては、織布(クロス)、繊維、不織布等が挙げられる。
イオン交換膜は、塩化アルカリ電解、拡散透析、オゾン発生電解、電解還元、燃料電池、高分子触媒等に用いることができ、塩化ナトリウム等の塩化アルカリ電解用イオン交換膜、燃料電池用電解質膜として好適である。
(作用効果)
以上説明した本発明の含フッ素ポリマーの製造方法にあっては、加圧状態でモノマーを重合可能な容器内において、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)および化合物(A4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機過酸化物の存在下、常圧における沸点が60℃以下の含フッ素溶媒(B)を1種以上含む重合媒体中にて、少なくとも、含フッ素溶媒(B)よりも常圧における沸点が高い含フッ素モノマー(C)とTFEとを、含フッ素溶媒(B)のうち常圧における沸点が最も低い含フッ素溶媒(B)の常圧における沸点以上70℃以下で重合させているため、含フッ素ポリマーの生産性がよく、得られる含フッ素ポリマーの分子量が比較的高く、TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマーが不純物として生成しにくく、かつ工業的生産に適している。
すなわち、有機過酸化物は、アゾ化合物に比べ重合速度が速いため、重合開始剤として有機過酸化物を用いた場合、含フッ素ポリマーの生産性はアゾ化合物を用いた場合に比べよくなる。
また、重合開始剤として有機過酸化物を用い、しかも重合温度が70℃以下であるため、得られる含フッ素ポリマーの分子量は比較的高い。
また、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)および化合物(A4)は、特許文献2、3に記載された有機過酸化物に比べ入手しやすいため、工業的生産に適している。
なお、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)および化合物(A4)は、分子量が低く、揮発しやすい。そのため、沸点が比較的高い含フッ素モノマー(C)と沸点が比較的低いTFEとを重合した際、容器内の気相における有機過酸化物およびTFEの濃度が高くなりやすい。その結果、容器内の気相において、TFEが主に重合し、TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマーが不純物として生成しやすい。
そこで、本発明では、重合温度を、含フッ素溶媒(B)のうち常圧における沸点が最も低い含フッ素溶媒(B)の常圧における沸点以上としている。重合温度が含フッ素溶媒(B)の常圧における沸点以上であれば、容器内の気相における含フッ素溶媒(B)の濃度が高くなり、相対的に、容器内の気相におけるTFEおよび有機過酸化物の濃度が低くなるため、TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマーが不純物として気相にて生成しにくくなる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。
例1〜5、12および13は実施例であり、例6〜11は比較例である。
(付着状況)
重合を停止し、容器から内容物を抜き出した後、容器内の気相に接していた天井、壁面および撹拌軸を観察することによって、気相で生成した不純物(TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマー)の付着の有無を確認し、下記の基準にて評価した。
○:天井、壁面および撹拌軸に付着物がない。
△:天井、壁面および撹拌軸のいずれかに、僅かに付着物がある。
×:天井、壁面および撹拌軸のいずれにも白色付着物がある。
(構成単位)
含フッ素ポリマーにおける含フッ素モノマー(C)に基づく構成単位の割合は、19F−NMRによる組成分析から求めた。
(イオン交換容量)
ポリカーボネート製の容器に、含フッ素ポリマーの0.7g、0.35Nの水酸化ナトリウム水溶液の10mLを加え、60℃で40時間静置することによって、含フッ素ポリマーのカルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を完全にNa型に転換した。該溶液を0.1Nの塩酸で逆滴定し、溶液中の水酸化ナトリウムの量を求めることによって、含フッ素ポリマーのイオン交換容量を算出した。
(TQ)
TQ(単位:℃)は、含フッ素ポリマーの分子量および軟化温度の指標であり、長さ1mm、内径1mmのノズルを用い、2.94MPaの押出し圧力の条件で含フッ素ポリマーの溶融押出しを行った際の押出し量が100mm/秒となる温度である。
フローテスタCFT−500D(島津製作所社製)を用い、温度を変えて含フッ素ポリマーの押出し量を測定し、押出し量が100mm/秒となるTQを求めた。
(質量平均分子量)
GPC測定装置(東ソー社製、HLC−8320GPC)を用い、ポリメチルメタクリレート換算の質量平均分子量を求めた。溶媒としては、アサヒクリンAK‐225 SECグレード−1(旭硝子社製)を用いた。
(重合速度)
重合速度Rpは、ポリマー収量(g)÷反応時間(h)÷初期仕込み容量(L)として算出した。
(生産性)
生産性は、重合速度Rpから下記の基準にて評価した。
○:Rpが10g/L・hを超える。
×:Rpが10g/L・h以下である。
(有機過酸化物)
化合物(A1):日油社製、パーロイル(登録商標)IPP、分子量:206、10時間半減期温度:41℃。
化合物(A2):日油社製、パーロイル(登録商標)TCP、分子量:399、10時間半減期温度:41℃。
化合物(A3):日油社製、PFB、分子量:426、10時間半減期温度:21℃。
化合物(A4):日油社製、パーブチル(登録商標)PV、分子量:174、10時間半減期温度:55℃。
Figure 0006319311
化合物(A’5):日油社製、パーロイル(登録商標)L、分子量:399、10時間半減期温度:62℃。
化合物(A’6):和光純薬工業社製、V−601、分子量:230、10時間半減期温度:66℃。
Figure 0006319311
(含フッ素溶媒)
化合物(B1):CHFCHCF、常圧における沸点:15℃。
化合物(B2):CClFCFCHClF、常圧における沸点:56℃。
化合物(B3):CHCClF、常圧における沸点:32℃。
化合物(B’4):C13H、常圧における沸点:71℃。
化合物(B5):CFCHCFCH、常圧における沸点:40℃。
化合物(B6):CFCHOCFCFH、常圧における沸点:56℃。
(含フッ素モノマー)
TFE、化合物(C1−1)、化合物(C1−2)、化合物(C2−1)。
常圧における沸点は、化合物(C1−1)は135℃、C1−2は103℃、化合物(C2−1)は215℃である。
Figure 0006319311
(例1)
内容積2575mLのステンレス製オートクレーブに、氷水で冷却しながら減圧下で化合物(C1−1)の1959gを仕込み脱気した。溶媒として化合物(B1)の36.18gを仕込んだ。40℃に昇温した後、窒素を0.102MPa導入した。圧力が変化しないことを確認した後、TFEを導入し、全圧を0.582MPaGとした。化合物(B2)に溶解した化合物(A1)の49.9質量%溶液の1.4gを窒素で加圧添加した後、化合物(B2)の3gで添加ラインを洗浄した。温度と圧力を一定に保持しながら、TFEを連続的に供給した。重合開始から14時間後にオートクレーブを冷却して重合反応を停止した。
オートクレーブから内容物を抜き出した後、容器内の気相に接していた天井、壁面および撹拌軸を観察した。結果を表1に示す。
オートクレーブから抜き出した生成物を化合物(B2)で希釈し、これに化合物(B3)を添加し、ポリマーを凝集させた後、ろ過した。化合物(B2)中でポリマーを撹拌し、化合物(B3)で再凝集し、50℃で一晩減圧乾燥した。得られた含フッ素ポリマーの収量、含フッ素モノマー(C)に基づく構成単位の割合、イオン交換容量、TQ、質量平均分子量、重合速度Rp、および生産性を表1に示す。
(例2)
内容積2575mLのステンレス製オートクレーブに、氷水で冷却しながら減圧下で化合物(C1−1)の1959gを仕込み脱気した。溶媒として化合物(B1)の36.16gを仕込んだ。40℃に昇温した後、窒素を0.104MPa導入した。圧力が変化しないことを確認した後、TFEを導入し、全圧を0.594MPaGとした。化合物(B2)に溶解した化合物(A2)の12.1質量%溶液の3.52gを窒素で加圧添加した後、化合物(B2)の3gで添加ラインを洗浄した。温度と圧力を一定に保持しながら、TFEを連続的に供給し、4時間毎に化合物(A2)の12.1質量%溶液の3.52gを窒素で加圧添加した後、化合物(B2)の3gで添加ラインを洗浄する操作を2回実施した。重合開始から13時間後にオートクレーブを冷却して重合反応を停止した。
オートクレーブから内容物を抜き出した後、容器内の気相に接していた天井、壁面および撹拌軸を観察した。結果を表1に示す。
オートクレーブから抜き出した生成物を化合物(B2)で希釈し、これに化合物(B3)を添加し、ポリマーを凝集させた後、ろ過した。化合物(B2)中でポリマーを撹拌し、化合物(B3)で再凝集し、50℃で一晩減圧乾燥した。得られた含フッ素ポリマーの収量、含フッ素モノマー(C)に基づく構成単位の割合、イオン交換容量、TQ、質量平均分子量、重合速度Rp、および生産性を表1に示す。
(例3)
溶媒の量、重合開始剤の種類および量、添加ライン洗浄溶媒の量、重合時間、ならびに重合圧力を表1に示すように変更した以外は、例1と同様にして含フッ素ポリマーを得た。結果を表1に示す。
(例4)
オートクレーブの内容積、モノマーおよび溶媒の量、重合開始剤の種類、量および添加間隔、添加ライン洗浄溶媒の種類および量、重合時間、ならびに重合圧力を表1に示すように変更した以外は、例2と同様にして含フッ素ポリマーを得た。結果を表1に示す。
(例5)
内容積125mLのステンレス製オートクレーブに、化合物(C1−1)の5.77g、化合物(C2−1)の74.62g、溶媒として化合物(B1)の8.44g、化合物(B2)に溶解した化合物(A4)の50質量%溶液の24.0mgを仕込み、液体窒素による冷却下、充分に脱気した。55℃に昇温した後、TFEを導入し、圧力を0.88MPaGとした。温度と圧力を一定に保持しながら、TFEを連続的に供給した。重合開始から2.5時間後にオートクレーブを冷却して重合反応を停止した。
オートクレーブから内容物を抜き出した後、容器内の気相に接していた天井、壁面および撹拌軸を観察した。結果を表1に示す。
オートクレーブから抜き出した生成物を化合物(B2)で希釈し、これに化合物(B3)を添加し、ポリマーを凝集させた後、ろ過した。化合物(B2)中でポリマーを撹拌し、化合物(B3)で再凝集し、80℃で一晩減圧乾燥した。得られた含フッ素ポリマーの収量、含フッ素モノマー(C)に基づく構成単位の割合、イオン交換容量、TQ、重合速度Rp、および生産性を表1に示す。
(例6)
モノマーの量、溶媒の種類および量、重合開始剤の量、添加ライン洗浄溶媒の量、重合時間、ならびに重合圧力を表2に示すように変更した以外は、例1と同様にして含フッ素ポリマーを得た。結果を表2に示す。
(例7)
溶媒の種類および量、重合開始剤の量、ならびに重合圧力を表2に示すように変更した以外は、例2と同様にして含フッ素ポリマーを得た。結果を表2に示す。
(例8)
モノマーの量、溶媒の種類および量、重合開始剤の量、重合時間、ならびに重合圧力を表2に示すように変更した以外は、例5と同様にして含フッ素ポリマーを得た。結果を表2に示す。
(例9)
オートクレーブの内容積、モノマーの量、溶媒の種類および量、重合開始剤の種類、量および添加間隔、添加ライン洗浄溶媒の種類および量、重合時間、ならびに重合圧力を表2に示すように変更した以外は、例2と同様にして含フッ素ポリマーを得た。結果を表2に示す。
(例10)
オートクレーブの内容積、モノマーの量、溶媒の種類および量、重合開始剤の種類、量および添加間隔、添加ライン洗浄溶媒の量、重合温度、重合時間、ならびに重合圧力を表2に示すように変更した以外は、例2と同様にして含フッ素ポリマーを得た。結果を表2に示す。
(例11)
オートクレーブの内容積、モノマーの量、溶媒の種類および量、重合開始剤の種類および量、添加ライン洗浄溶媒の種類および量、重合温度、重合時間、ならびに重合圧力を表2に示すように変更した以外は、例1と同様にして含フッ素ポリマーを得た。結果を表2に示す。
(例12)
オートクレーブの内容積、モノマーの種類および量、溶媒の種類および量、重合開始剤の量、添加ライン洗浄溶媒の種類および量、重合温度、重合時間、ならびに重合圧力を表3に示すように変更した以外は、例5と同様にして含フッ素ポリマーを得る。結果を表3に示す。
(例13)
オートクレーブの内容積、モノマーの種類および量、溶媒の種類および量、重合開始剤の量、添加ライン洗浄溶媒の種類および量、重合温度、重合時間、ならびに重合圧力を表3に示すように変更した以外は、例5と同様にして含フッ素ポリマーを得る。結果を表3に示す。
Figure 0006319311
Figure 0006319311
Figure 0006319311
例1〜5、12、および13においては、特定の有機過酸化物の存在下、含フッ素溶媒(B)を1種以上含む重合媒体中にて、含フッ素モノマー(C)とTFEとを、含フッ素溶媒(B)のうち常圧における沸点が最も低い含フッ素溶媒(B)の常圧における沸点以上70℃以下で重合させているため、含フッ素ポリマーの生産性がよく、得られる含フッ素ポリマーの分子量が比較的高く、TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマーが不純物として生成しにくかった。
例6〜9においては、重合温度が含フッ素溶媒(B)の常圧における沸点未満であるため、TFEに基づく構成単位の割合が極端に多い含フッ素ポリマーが不純物として多く生成した。
例10は、重合開始剤として、特定の有機過酸化物以外であるが、入手しやすい有機過酸化物を用いた例である。理由はよくわからないが、含フッ素ポリマーを得ることができなかった。
例11においては、重合開始剤としてアゾ化合物を用いたため、含フッ素ポリマーの生産性が悪かった。
本発明の製造方法で得られた含フッ素ポリマーは、カルボン酸型官能基またはスルホン酸型官能基を有する場合、イオン交換膜(塩化アルカリ電解用イオン交換膜、燃料電池用電解質膜等)の材料として有用である。
なお、2013年7月3日に出願された日本特許出願2013−139999号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (9)

  1. 加圧状態でモノマーを重合可能な容器内において、
    下式(A1)で表される化合物、下式(A2)で表される化合物、下式(A3)で表される化合物および下式(A4)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機過酸化物の存在下に、
    常圧における沸点が60℃以下の含フッ素溶媒(B)を1種以上含む重合媒体中にて、
    前記含フッ素溶媒(B)よりも常圧における沸点が高い含フッ素モノマー(C)とテトラフルオロエチレンとを少なくとも用いて、前記含フッ素溶媒(B)のうち常圧における沸点が最も低い含フッ素溶媒(B)の常圧における沸点以上70℃以下で重合させることを特徴とする含フッ素ポリマーの製造方法。
    Figure 0006319311
  2. 前記含フッ素ポリマーが、含フッ素モノマー(C)に基づく構成単位15〜40モル%含み、
    前記含フッ素ポリマーの質量平均分子量が、150,000以上である、請求項1に記載の含フッ素ポリマーの製造方法。
  3. 前記含フッ素モノマー(C)が、下式(C1)で表される化合物のうち前記含フッ素溶媒(B)よりも常圧における沸点が高い化合物および下式(C2)で表される化合物のうち前記含フッ素溶媒(B)よりも常圧における沸点が高い化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の含フッ素ポリマーの製造方法。
    Figure 0006319311
    ただし、
    は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、
    は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、
    は、カルボン酸型官能基、スルホン酸型官能基、またはトリフルオロメチル基であり、
    pは、0または1であり、
    qは、0または1であり、
    rは、0〜3の整数であり、
    sは、0または1であり、
    tは、0〜12の整数であり、
    uは、0〜3の整数であり、
    かつ1≦r+uである。
    Figure 0006319311
    ただし、
    は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、
    は、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、
    Yは、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、
    は、カルボン酸型官能基、スルホン酸型官能基、またはトリフルオロメチル基であり、
    vは、0または1である。
  4. 前記含フッ素溶媒(B)の常圧における沸点が10℃以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の含フッ素ポリマーの製造方法。
  5. 前記含フッ素ポリマーのイオン交換容量が、0.5〜2.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の含フッ素ポリマーの製造方法。
  6. 前記含フッ素モノマー(C)が、下式(C1−1)で表される化合物および下式(C2−1)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の含フッ素ポリマーの製造方法。
    Figure 0006319311
  7. 前記含フッ素溶媒(B)が、ハイドロフルオロカーボンおよびハイドロフルオロエーテルのいずれか一方または両方である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の含フッ素ポリマーの製造方法。
  8. 前記ハイドロフルオカーボンが、CHFCHCF、CFCHCFCH、およびCFCFHCFHCFCFからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記ハイドロフルオロエーテルが、CFCHOCFCFHである、請求項7に記載の含フッ素ポリマーの製造方法。
  9. 前記含フッ素溶媒(B)が、CHFCHCF、CFCHCFCH、およびCFCHOCFCFHからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の含フッ素ポリマーの製造方法。
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