JP6287836B2 - 光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法 - Google Patents

光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法

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Description

本発明は、工業的で量産可能な光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法に関する。
光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法として、例えば、トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンとシス1,2−ジアミノシクロヘキサンの混合物を光学活性酒石酸で光学分割する方法、或いは、トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを光学活性乳酸で光学分割する方法が知られている。光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンと光学分割剤との塩から、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを単離する方法として蒸留分離する方法が知られている(特許文献1、2参照)。また、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンと光学活性カルボン酸との塩から光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを単離する方法として、アルコール中でアルカリ金属アルコキシドと反応させ、濾過して得られた濾液を濃縮したのち蒸留する方法が知られている(特許文献3参照)。
これらの方法で光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを製造方法すると、蒸留して得られた光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの融点が43〜45℃と高いため、抜き出した製品は、室温では固化する。このため、秤量、溶解、移動など使用する際には、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを加熱して溶融させる必要があり、取り扱いが困難であった。
蒸留による光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの単離方法では、取り扱いの容易な性状の良い光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを工業的に可能な方法で取得できなかった。取り扱いの容易な性状の良い光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを取得する方法の確立が望まれていた。
特開平7−188121号公報 特開平7−258175号公報 特開平11−29535号公報
本発明の目的は、取り扱いの容易な性状の良い光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを工業的に取得できる製造方法を提供することにある。
本発明は、特定の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液から晶析させて光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの結晶を得る光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法である。
光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液から高純度の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンが収率よく取得できる。
本発明の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法は、蒸留して得られた光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンに比べ、秤量、溶解、移動などの取り扱いが容易である。
本発明によれば、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液から光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを晶析することにより、秤量、溶解、移動など取り扱いの容易な結晶体の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンが取得できる。さらに晶析時において精製効果も期待できるため、高品質の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンが取得することができる。
本発明の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法により製造された高純度の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンは、白金などの貴金属との錯体が抗癌剤として使用できる可能性があり、多くの医薬用原料として有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液から晶析させて光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの結晶を得る光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法であって、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液の溶媒が、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液を調整後に、トルエン、あるいは、シクロペンチルメチルエーテルを加えて共沸脱水した溶媒である光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法である。
本発明では、原料である光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液の溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、スチレン、クロロベンゼン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカンなどの脂肪族炭化水素類、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどの含ハロゲン溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、2−ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノールなどのアルコール類、酢酸アリル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソペンチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸フェニル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ベンジル、酢酸メチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸ペンチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸エチル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチルなどの脂肪族エステル類、安息香酸メチル、安息香酸エチルなどの芳香族エステル類、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテルなどのエーテル類、アセトン、アセチルアセトン、エチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類などが挙げられる。原料である光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液の溶媒は、好ましくは、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルメチルケトン、より好ましくは、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルである。光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液は、例えば、水を含む光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液も使用でき、水の含有量は、好ましくは、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して50重量倍以下である。また、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液中にカルボン酸のアルカリ塩や無機アルカリ、無機塩を含んでいてもよい。
1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物を光学活性酒石酸で光学分割し、得られた光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンと光学活性酒石酸のジアステレオマー塩を水溶媒中で水酸化ナトリウムにより解塩して得られる光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む溶液を原料として使用することができる。また、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンと光学活性酒石酸のジアステレオマー塩を水溶媒中で水酸化カルシウムで解塩して得られる光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む水溶液も原料として使用することができる。或いは、蒸留により単離した光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの塊状物も原料として使用することができる。
本発明の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法では、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液の溶媒が、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液を調整後に、トルエン、あるいは、シクロペンチルメチルエーテルを加えて共沸脱水した溶媒である。特に、原料が水を含む光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液の場合には、トルエン、あるいは、シクロペンチルメチルエーテルを添加し、共沸脱水して水を除去したのちに溶液から晶析により結晶体として光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを分離することが好ましい。このとき、生産効率を上げるためには予め光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの濃度が25重量%以上になるまで濃縮して水をある程度留去させたのちに、トルエン、あるいは、シクロペンチルメチルエーテルを添加することでより効率的に共沸脱水することがより好ましい。
本発明において用いられる共沸脱水で使用する溶媒は、トルエン、あるいは、シクロペンチルメチルエーテルである
本発明において、トルエン、あるいは、シクロペンチルメチルエーテルを使用する、ディーンスターク装置(Dean-Stark apparatus)を用いることが好ましい。ディーンスターク装置を用いることにより、留出した液の水層とトルエン、あるいは、シクロペンチルメチルエーテルが2層に分離するので、水層のみを系外に除去でき、トルエン、あるいは、シクロペンチルメチルエーテルはリサイクル使用できる。
トルエン、あるいは、シクロペンチルメチルエーテルの使用量は、生産性を考慮した場合には光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して20重量倍以下にするのが好ましい。
共沸脱水は、ディーンスターク装置を使用するのが好ましい。ディーンスターク装置を使用すると、製造コストを下げることができる。水と共沸組成のある非水溶性有機溶媒を使用する場合には、濃縮して共沸脱水した留出液は2層に分液しているので、水層のみを系外に除去し、非水溶性有機溶媒は濃縮液へ戻すという操作を水層の留出が無くなるまで繰り返すことで容易に脱水することができる。このとき、共沸脱水時に濃縮しすぎると光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンが徐々に留出して収率が低下してしまうので、共沸脱水時の濃縮液中の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの濃度は10〜70重量%に保つのが好ましい。
水を系外へ除去し、トルエン、あるいは、シクロペンチルメチルエーテルに置換した光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液中の水分は、2重量%以下が好ましく、更に好ましくは1重量%以下である。水分が低いほど晶析の際に光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの晶析濾液へのロスが小さくなり、収率が向上するので好ましい。
共沸脱水した光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液は、カルボン酸のアルカリ塩や無機アルカリ、無機塩を含んでいる場合にはそれらが析出しているので、固液分離して系外へ除去することができる。
光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液から光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの結晶を得る晶析の方法は、例えば、冷却晶析法、蒸発晶析法、貧溶媒添加晶析法、圧力晶析法、反応晶析法が挙げられ、好ましくは、冷却晶析法、蒸発晶析法、貧溶媒添加晶析法、より好ましくは、冷却晶析法である。
本発明の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法では、トルエン、あるいは、シクロペンチルメチルエーテルを加えて共沸脱水した溶媒と、晶析に用いる溶媒が同一の溶媒であることが好ましい。
本発明において好ましく用いられる晶析に用いる溶媒は、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、スチレン、クロロベンゼン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカンなどの脂肪族炭化水素類、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどの含ハロゲン溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、2−ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノールなどのアルコール類、酢酸アリル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソペンチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸フェニル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ベンジル、酢酸メチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸ペンチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸エチル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチルなどの脂肪族エステル類、安息香酸メチル、安息香酸エチルなどの芳香族エステル類、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテルなどのエーテル類、アセトン、アセチルアセトン、エチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類などが挙げられる。晶析に用いる溶媒は、より好ましくは、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルメチルケトン、さらにより好ましくは、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルである。
晶析に用いる溶媒は、晶析で析出した光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを分離する際の温度における光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶解度が40重量%以下のものが好ましく、生産効率を考えると、より好ましくは30重量%以下である。
光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液から光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを晶析させる。晶析により析出した光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを、好ましくは、固液分離することにより、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの結晶が得られる。必要に応じて、濾液を濃縮して光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの濃度を調整し、再度晶析を行えば、さらに光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの結晶を取得することができる。1度目の晶析で得られた光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンとあわせれば高い収率で光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを取得できる。濾液は溶媒としてリサイクルも可能であり、ふたたび光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを晶析させる際の溶媒として使用することもできる。
かくして得られた光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの結晶は、原料中の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンよりも高純度の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンを得ることができる。類縁不純物であるシス1,2−ジアミノシクロヘキサンや光学異性体のトランス1,2−ジアミノシクロヘキサンが含まれている場合には蒸留で除去するのは困難であったが、本発明の方法によれば、これらの類縁物質であるシス1,2−ジアミノシクロヘキサンや光学異性体のトランス1,2−ジアミノシクロヘキサンも除去することができる。また、蒸留により単離した光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンは固化して塊状物となっているため、取り扱い操作が煩雑であったが、本発明で得られる光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの結晶は、流動性があり、秤量、溶解、移動などの操作が容易である。
以下にトルエンあるいはシクロペンチルメチルエーテルを使用した光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法を例示する。
まず始めに、原料の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液を仕込む。光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの濃度を25重量%以上になるまで濃縮する。光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの濃度が25重量%以上の場合はこの操作を省略できる。次いで、トルエン或いはシクロペンチルメチルエーテルを加えて、ディーンスターク装置を用いて共沸脱水を行う。共沸脱水中の反応系内の圧力は、常圧〜50Torrに調整するのが好ましく、より好ましくは常圧〜100Torrである。共沸脱水中の反応系内の温度は、40〜110℃が好ましく、より好ましくは50〜100℃である。留出した液の水層のみを系外に除去し、水の留出が止まるまで共沸を行う。脱水した光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液が、カルボン酸のアルカリ塩や無機アルカリ、無機塩が析出している場合には、冷却後、固液分離してカルボン酸のアルカリ塩や無機アルカリ、無機塩を系外へ除去する。水を除去した光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンのトルエンあるいはシクロペンチルメチルエーテル溶液は1,2−ジアミノシクロヘキサン濃度が30〜60%になるように濃縮して濃度を調整する。光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの種晶を添加する温度は光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの濃度によって異なるが、通常は光学活性1,2−ジアミノシクロヘキサンの融点より低く、40℃以下であり、より好ましくは15〜30℃である。光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの結晶が析出したスラリー溶液はさらに冷却する。固液分離する前の冷却温度は、−20〜10℃が好ましく、より好ましくは−15〜5℃である。安定した収率で光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの結晶を取得するには、固液分離する前の冷却温度で熟成時間を十分に取る必要がある。一般には、0.5〜24時間であり、より好ましくは1〜20時間である。このスラリー溶液を遠心脱液機や加圧濾過器などを用いて固液分離し、乾燥することで光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの結晶が得られる。
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度、光学純度は以下に示す方法で測定した。
<化学純度分析方法>
トランス1,2−ジアミノシクロヘキサン約0.1gを10mlメスフラスコに採取し、標線までメタノールで希釈した。調製した溶液をガスクロマトグラフィーで分析し、面積百分率により純度を出した。
ガスクロマトグラフィー分析条件
カラム WACOTT Fused Silica CP―Sil−5CB、ID 0.32mm、Film 5μm、Length 60m
He流量 50 ml/min
Column温度 160℃
Injection温度 200℃
Detector温度 200℃
Detector FID
注入量 1.0μl
スプリット比 61
保持時間 トランス1,2−ジアミノシクロヘキサン 21.0分
シス1,2−ジアミノシクロヘキサン 23.7分 。
<光学純度分析方法>
トランス1,2−ジアミノシクロヘキサン約0.25gを20mlメスフラスコに精秤し、標線までアセトニトリルで希釈した。この溶液1mlを10mlメスフラスコに採取し、標線までアセトニトリルで希釈した。トランス1,2−ジアミノシクロヘキサン溶液0.2mlを1.5mlサンプル瓶に採り、1.0%GITCのアセトニトリル溶液を0.8ml加えて、室温で10分間反応させた。反応後、1.0%のモノエタノールアミンのアセトニトリル溶液を0.2ml添加し、さらに室温で3分間反応させた。反応後、5%リン酸水溶液を0.2ml添加して試料溶液とした。10μlを高速液体クロマトグラフィーに注入し、面積比で光学純度を測定した。(ここでGITCとは、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルイソチオシアナートを意味する)。
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カラム Mightysil RP−18GP,4.6mm×15cm(5μm)(関東化学)
移動相 0.05%リン酸/アセトニトリル=55/45(v/v)
流量 1.0ml/min
温度 40℃
検出器 UV(254nm)
保持時間 (1S,2S)−トランス1,2−ジアミノシクロヘキサン(以下、S−1,2−ジアミノシクロヘキサンと略記)のGITC誘導体化物 8.3分
シス1,2−ジアミノシクロヘキサンのGITC誘導体化物 10.5分
(1R,2R)−トランス1,2−ジアミノシクロヘキサン(以下、R−1,2−ジアミノシクロヘキサンと略記)R−1,2−ジアミノシクロヘキサンのGITC誘導体化物 12.1分 。
(参考例1)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた5000mlの4つ口フラスコに、L−酒石酸330.2g(2.2モル)と水963.6gを仕込んだ。次いで撹拌しながらシス1,2−ジアミノシクロヘキサンとトランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2でトランス体の光学異性体比(R体/S体=1/1)である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物808.7g(7.1モル)を添加した。反応液を60℃に保ちながら、1時間撹拌した後、酢酸586.5g(9.8モル)を滴下ロートより1.0時間で滴下した。滴下終了後さらに90℃で2時間加熱撹拌した後、5時間以上かけて15℃まで冷却した。15℃で3時間撹拌した後、遠心脱水機で固液分離し、水でリンス、乾燥して446.8g(1.7モル)のR−1,2−ジアミノシクロヘキサン・L−酒石酸塩を得た。R−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率75%であった。また、ジアステレオマー塩を分析したところ、光学純度は97.3%e.e.、トランス/シス比は29であった。得られた結晶を水1269.0gに懸濁させ、さらに、水酸化カルシウム195.6g(2.6モル)を添加、その後80℃まで加熱して、その温度で5時間熟成した。25℃まで2時間かけて冷却し、析出結晶を濾別して、694.8gのL−酒石酸カルシウムの塩を除去した。濾液を1756.3g取得し、濾液中にはL−酒石酸と遊離したR−1,2−ジアミノシクロヘキサン 187.4gが存在した。収率 94%。
(実施例1)
温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた1000mlの4つ口フラスコに、参考例1で取得したR−1,2−ジアミノシクロヘキサン85.2g(0.8モル、品質:化学純度96.6%、光学純度は97.3%e.e.、トランス/シス比は29)を含む濾液798.3gを仕込み、減圧下で濃縮して水 601.5gを留去した。次いで、濃縮液にトルエン 446.6gを加え、混合溶液を常圧下、84〜87℃の条件下で、ディーンスターク装置を用いて、水とトルエンを共沸させた。留出液中の水層のみを除き、缶内液中の水層の留出がなくなるまで共沸脱水を続けた。冷却後、フィルター濾過を行い溶液中の不溶物を取り除いた。得られた濾液を減圧下で濃縮し、濃縮液139gを得た。濃縮液を20℃まで冷却し、R−1,2−ジアミノシクロヘキサン0.01gを種晶として加えて結晶を析出させ、20℃で1時間熟成した。0〜5℃まで2時間かけて冷却し、0〜5℃で2時間熟成した。析出した結晶を遠心脱水機で固液分離し、乾燥して結晶体のR−1,2−ジアミノシクロヘキサン53.4gを得た。(収率:63%)得られた結晶体は流動性のある針状結晶であった。結晶の一部をサンプリングして、R−1,2−ジアミノシクロヘキサンの分析評価を行った。R−1,2−ジアミノシクロヘキサンの品質は、化学純度100%、光学純度 99.9%e.e.であり、トランス/シス比は894であった。一方、濾液は84.5%e.e.、トランス/シス比は8.4であった。
(比較例1)
温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた1000mlの4つ口フラスコに、参考例1で取得したR−1,2−ジアミノシクロヘキサン85.2g(0.8モル、品質:化学純度96.6%、光学純度は97.3%e.e.、トランス/シス比は29)を含む濾液798.3gを仕込み、減圧下で濃縮して水 656.2gを留去した。次いで、濃縮液に2−プロパノール 353.6gを加え、混合溶液を加熱して、常圧下、100℃の条件下で濃縮し、2−プロパノール及び水を留去して、R−1,2−ジアミノシクロヘキサンの粗体 142.7gを得た。この粗体を80℃、20mmHg(2.6kPa)の条件で単蒸留を行い、初留79.9gをカットした後、主留49.4g(0.4モル)のR−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。(収率:58%)得られた主留のR−1,2−ジアミノシクロヘキサンは固化して塊状であった。塊状物のR−1,2−ジアミノシクロヘキサンを完全溶融させて、サンプリングを行い、R−1,2−ジアミノシクロヘキサンの分析評価を行った。R−1,2−ジアミノシクロヘキサンの品質は、化学純度は96.7%(シス体3.3%)、光学純度97.3%e.e.であり、トランス/シス比は29であった。
(参考例2)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた1000mlの4つ口フラスコに、D−酒石酸98.6g(0.7モル)と水259.6gを仕込んだ。次いで撹拌しながらシス1,2−ジアミノシクロヘキサンとトランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1:2でトランス体の光学異性体比(R体/S体=1/1)である混合物225.3g(2.0モル)を添加した。反応液を60℃に保ちながら、1時間撹拌した後、酢酸158.0g(2.6モル)を滴下ロートより1.0時間で滴下した。滴下終了後さらに90℃で2時間加熱撹拌した後、5時間以上かけて15℃まで冷却した。15℃で3時間撹拌した後、遠心脱水機で固液分離し、水でリンス、乾燥して144.5g(0.5モル)のS−1,2−ジアミノシクロヘキサン・D−酒石酸塩を得た。S−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率83%であった。また、ジアステレオマー塩に含まれているS−1,2−ジアミノシクロヘキサンを分析したところ、光学純度は97.2%e.e.、トランス/シス比は40であった。得られた結晶を水1054.2gに懸濁させ、100℃まで加熱し4時間熟成した後、徐々に冷却して5℃で固液分離し、水でリンスして115.9gの含液結晶を得た。収率78%、光学純度は99.6%で、シス体は検出されなかった。得られた結晶に25%水酸化ナトリウム水溶液177.3gを加えて70〜80℃に保ちながら解塩し、分液してきた上層88.0gを分離した。上層中にはD−酒石酸と遊離したS−1,2−ジアミノシクロヘキサン47.7gが存在し、水分率37.8%(33.3g)であった。収率 98%。
(実施例2)
温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた200mlの4つ口フラスコに、参考例2で分液して取得したS−1,2−ジアミノシクロヘキサン21.7g(0.19モル、品質:化学純度99.9%、光学純度は99.6%e.e.、シス体は検出されずトランス体のみ)を含む上層40.0gとトルエン108.5gを仕込み、混合した。混合溶液を常圧下、84〜87℃で、ディーンスターク装置を用いて、水とトルエンを共沸させた。留出液中の水層のみを除き、缶内液中の水層の留出がなくなるまで共沸脱水を続けた。冷却後、析出したD−酒石酸ジナトリウム塩は遠心脱水機を用いて固液分離して取り除いた。次いで、濾液を減圧下にてトルエンを留去した。濃縮液を20℃まで冷却し、S−1,2−ジアミノシクロヘキサン0.01gを種晶として加えて結晶を析出させ、20℃で1時間熟成した。0〜5℃まで2時間かけて冷却し、0〜5℃で2時間熟成した。析出した結晶を遠心脱水機で固液分離し、乾燥して結晶体のS−1,2−ジアミノシクロヘキサン16.3g(0.14モル)を得た。(収率:75%)得られた結晶体は流動性のある針状結晶であった。結晶の一部をサンプリングして、S−1,2−ジアミノシクロヘキサンの分析評価を行った。S−1,2−ジアミノシクロヘキサンの品質は、化学純度100%、光学純度 100%e.e.であり、シス体は検出されなかった。
(比較例2)
温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた200mlの4つ口フラスコに、参考例2で分液して取得したS−1,2−ジアミノシクロヘキサン21.7g(0.19モル、品質:化学純度99.9%、光学純度は99.6%e.e.、シス体は検出されずトランス体のみ)を含む上層40.0gと2−プロパノール145.6gを仕込み、撹拌しながら30分熟成した。次いで、析出したD−酒石酸ジナトリウム塩を濾過し、濾液を濃縮、蒸留してS−1,2−ジアミノシクロヘキサン13.3g(0.12モル)を得た。(収率:61%)得られたS−1,2−ジアミノシクロヘキサンは固化して塊状であった。塊状物のS−1,2−ジアミノシクロヘキサンを完全溶融させて、サンプリングを行い、S−1,2−ジアミノシクロヘキサンの分析評価を行った。S−1,2−ジアミノシクロヘキサンの品質は、化学純度99.6%、光学純度 99.6%e.e.であり、トランス/シス比は999であった。
(実施例3)
温度計、バキュームスターラー、コンデンサーを装着した1Lの4ツ口フラスコに、溶融させたR−1,2−ジアミノシクロヘキサン212.4g(1.9モル、品質:化学純度 99.9%、光学純度99.7%e.e.、トランス/シス比は999)を仕込んだ。次いで、トルエン424.7g(2.0wt倍/R−1,2−ジアミノシクロヘキサン)を加えて撹拌溶解した。溶液を冷却して13〜15℃にしたのち、R−1,2−ジアミノシクロヘキサン0.01gを種晶として加えて結晶を析出させ、13〜15℃で1時間熟成した。0〜5℃まで2時間かけて冷却し、0〜5℃で3時間熟成した。析出した結晶を遠心脱水機で固液分離し、乾燥して、結晶体のR−1,2−ジアミノシクロヘキサン133.1gを取得した(収率63%)。得られた結晶体は流動性のある針状結晶であった。結晶の一部をサンプリングして、R−1,2−ジアミノシクロヘキサンの分析評価を行った。R−1,2−ジアミノシクロヘキサンの品質は、化学純度100%、光学純度 100%e.e.、シス1,2−ジアミノシクロヘキサンは検出されなかった。固液分離した濾液 480.1g(R−1,2−ジアミノシクロヘキサン濃度16.5%、79.3g)を減圧下で濃縮し、319.8gを留去した。濃縮液を23〜25℃まで冷却し、R−1,2−ジアミノシクロヘキサン0.01gを種晶として加えて結晶を析出させ、23〜25℃で1時間熟成した。0〜5℃まで2時間かけて冷却し、0〜5℃で3時間熟成した。析出した結晶を遠心脱水機で固液分離し、乾燥して、結晶体のR−1,2−ジアミノシクロヘキサン 52.6gを取得した(収率73%)。得られた結晶体は流動性のある針状結晶であった。結晶の一部をサンプリングして、R−1,2−ジアミノシクロヘキサンの分析評価を行った。R−1,2−ジアミノシクロヘキサンの品質は、化学純度100%、光学純度 100%e.e.、シス1,2−ジアミノシクロヘキサンは検出されなかった。2回の晶析で回収した結晶体のR−1,2−ジアミノシクロヘキサンは185.6g、収率 87%であった。
(実施例4)
温度計、バキュームスターラー、コンデンサーを装着した1Lの4ツ口フラスコに、溶融させたR−1,2−ジアミノシクロヘキサン285.3g(2.5モル、品質:化学純度 99.9%、光学純度99.7%e.e.、トランス/シス比は999)を仕込んだ。次いで、シクロペンチルメチルエーテル 285.3g(1.0wt倍/R−1,2−ジアミノシクロヘキサン)を加えて撹拌溶解した。溶液を冷却して、22〜24℃にしたのち、R−1,2−ジアミノシクロヘキサン0.01gを種晶として加えて結晶を析出させ、22〜24℃で1時間熟成した。0〜5℃まで2時間かけて冷却し、0〜5℃で15時間熟成した。析出した結晶を遠心脱水機で固液分離し、乾燥して、結晶体のR−1,2−ジアミノシクロヘキサン219.6gを取得した(収率77%)。得られた結晶体は流動性のある針状結晶であった。結晶の一部をサンプリングして、R−1,2−ジアミノシクロヘキサンの分析評価を行った。R−1,2−ジアミノシクロヘキサンの品質は、化学純度100%、光学純度 100%e.e.、シス1,2−ジアミノシクロヘキサンは検出されなかった。固液分離した濾液 312.8g(R−1,2−ジアミノシクロヘキサン濃度21.0%、65.8g)を減圧下で濃縮し、175.7gを留去した。濃縮液を19〜21℃まで冷却し、R−1,2−ジアミノシクロヘキサン0.01gを種晶として加えて結晶を析出させ、19〜21℃で1時間熟成した。0〜5℃まで2時間かけて冷却し、0〜5℃で15時間熟成した。析出した結晶を遠心脱水機で固液分離し、乾燥して、結晶体のR−1,2−ジアミノシクロヘキサン35.2gを取得した(収率55%)。得られた結晶体は流動性のある針状結晶であった。結晶の一部をサンプリングして、R−1,2−ジアミノシクロヘキサンの分析評価を行った。R−1,2−ジアミノシクロヘキサンの品質は、化学純度100%、光学純度 100%e.e.、シス1,2−ジアミノシクロヘキサンは検出されなかった。2回の晶析で回収した結晶体のR−1,2−ジアミノシクロヘキサンは254.8g、収率 89%であった。
(比較例3)
温度計、コンデンサー、攪拌機を装着した100mlの4つ口フラスコに溶融させたR−1,2−ジアミノシクロヘキサン11.4g(0.1モル、品質:化学純度 99.9%、光学純度99.7%e.e.、トランス/シス比は999)を仕込み、そこへジクロロメタン100.0gを加えて、常圧、40℃の条件下で晶析するまでジクロロメタンを濃縮した。ジクロロメタンを95g留去したところで、一気に濃縮液が固まって撹拌不良となり晶析することができなかった。
本発明の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法は、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液から高純度の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンが収率よく取得できる。
本発明の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法により製造された高純度の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンは、白金などの貴金属との錯体が、抗癌剤として使用できる可能性があり、多くの医薬用原料として有用である。

Claims (2)

  1. 光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液から晶析させて光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの結晶を得る光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法であって、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液の溶媒が、光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの溶液を調整後に、トルエン、あるいは、シクロペンチルメチルエーテルを加えて共沸脱水した溶媒である光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法。
  2. トルエン、あるいは、シクロペンチルメチルエーテルを加えて共沸脱水した溶媒を、晶析に用いる請求項に記載の光学活性トランス1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法。
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