JP6275409B2 - クリップの軸筒への取付構造 - Google Patents
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Description
そこで、軸筒に対するクリップの回転を軽減すべく、下記の特許文献1に開示する技術が提供されている。すなわち、筆記具の軸筒は、その後端付近の周方向に形成された周溝と、この周溝の後端から後方に向けて、この周溝と直行するように形成された切欠部とから構成されている。クリップは、その後端にリング状の取付環が形成されている。そして、この取付環の内面から内方にかけて周方向に突出形成された突条と、この突条の後端から後方に向けて、この突条と直行するように内面に突出形成された凸部とを備えている。
そこで、本発明は軸筒の外径を太くすることなく、クリップが移動することのない取付構造を提供することを課題とする。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本願のうち第1の発明は、筒状の軸筒11の後端付近に設けられるクリップ40の軸筒への取付構造であって、前記クリップ40は、その後端に連設された筒状の抱き形状部41を備え、前記抱き形状部41の後端付近の少なくとも1箇所に、後端から前方にかけて、内方に向けて突出した内方突起43が設けられ、前記軸筒11の後端付近には、前記内方突起43に対応する数、又はそれ以上の数の切欠き33が設けられ、前記軸筒11の後端には、係止部材50が装着され、前記内方突起43と対応する前記切欠き33とが嵌合され、前記抱き形状部41は、前記係止部材50により、前記軸筒11と一体的に固定されることを特徴とする。
本発明でいう「軸筒11」とは、筆記リフィール80を内蔵する筆記具又は、先端部に静電気式タッチペンや塗布具が装着される把持具の構造部分のことをいう。
「切欠き33」とは、軸筒11の後端から前方に向かって形成された開口部をいう。また、「抱き形状部41」とは、軸筒11の後端付近を抱えることができるように一部を切り欠いている筒状又は切欠きのない筒状に形成された部位をいう。さらに、「内方突起43」とは、抱き形状部41の後端から内方に向かって形成されかつ、切欠き33に対応する位置に形成された突出部位をいう。
また、内方突起43が対応する切欠き33に嵌合することで、抱き形状部41の軸筒11に対する前方向及び軸の回転方向の移動が防止される。さらに、係止部材50を軸筒11の後端に装着することで、内方突起43の先端は、常に切欠き33の先端に当接されるとともに、抱き形状部41の軸筒11に対する後方向への移動が防止される。すなわち、クリップ40は、軸筒11に一体的に固定されるため、移動が防止される。
これにより、内方突起43と切欠き33の嵌合する箇所が増加するため、クリップ40の軸筒11に対する前方向及び軸の回転方向への移動をさらに防止することができる。
本願のうち第3の発明は、上記第1又は第2の発明の特徴に加えて、前記軸筒11の後端付近及び前記抱き形状部41の後端付近は、いずれも後端にかけて縮径するテーパー状に形成されていることを特徴とする。
このようにすることで、抱き形状部41は軸筒11の後端に覆い被さるように固定されるため、クリップ40の軸筒11に対する前方向への移動を確実に防止することができる。
クリップ40の材料として金属を選択した場合においては、プレス加工により形成することができるため、製造コストを抑えることができる。
本願のうち第5の発明は、上記第4の発明の構成に加えて、前記内方突起43はクリップ40の後端を内向きに塑性変形させて形成されていることを特徴とする。
内方突起43は別体として抱き形状部41の内側に固定することができるが、抱き形状部41と一体に形成することで、内方突起43は、別体の突起部を抱き形状部41に組み付けるより、加工が容易となる。また、抱き形状部41と同時にプレス加工により形成することができるため、製造コストを抑えることができる。
本発明を回転式の筆記リフィール繰出機構を有する複式筆記具に採用した場合、クリップ40は、軸筒11に一体的に固定されるようにしたので、軸筒11から外側に突出したクリップ40に指を掛けて軸筒を回転させても、クリップ40だけが回転することがなく、筆記リフィール80を確実に繰り出すことができる。
すなわち、本発明のうち第1の発明によれば、内方突起が対応する切欠きに嵌合するため、軸筒の周方向に溝や段差を設けずにクリップを固定することができる。また、軸筒の周方向に溝や段差が設けられていないため、軸筒の肉厚が抑えられる。したがって、軸筒の外径を太くする必要がなくなるとともに、全体を細くすることができるので、意匠性を向上させることができる。
また、内方突起が対応する切欠きに嵌合することで、抱き形状部の軸筒に対する前方向及び軸の回転方向の移動が防止される。さらに、係止部材を軸筒の後端に装着することで、内方突起の先端は、常に切欠きの先端に当接されるとともに、抱き形状部の軸筒に対する後方向への移動が防止される。すなわち、クリップは、軸筒に一体的に固定されるため、移動が防止される。
また、本発明のうち第3の発明によれば、上記の効果に加えて、抱き形状部は軸筒の後端に覆い被さるように固定されるため、クリップの軸筒に対する前方向への移動を確実に防止することができる。
また、本発明のうち第4の発明によれば、上記の効果に加えて、クリップの材料として金属を選択した場合においては、プレス加工により形成することができるため、製造コストを抑えることができる。
さらに、本発明のうち第6の発明によれば、上記の効果に加えて、本発明を回転式の筆記リフィール繰出機構を有する複式筆記具に採用した場合、クリップは、軸筒に一体的に固定されるようにしたので、軸筒から外側に突出したクリップに指を掛けて軸筒を回転させても、クリップだけが回転することがなく、筆記リフィールを確実に繰り出すことができる。
先軸20は、筒状の先軸胴部21と、先軸胴部21の先端から先軸20の先端にかけて外径が縮径されている先軸テーパー部22と、先軸テーパー部22の先端に設けられた先端口23と、先軸20後端の内周に形成された先軸ネジ24から構成されている。
係止部材50は、図6(B)に示すように、筒状の本体部51と、本体部51の後端の外周から外方に向かって突出形成されたフランジ52から構成されている。筒状の本体部51の外周には中継筒雌ネジ38と螺合するための係止部雄ネジ53が形成され、筒状の本体部51の内周には、係止部雌ネジ54が形成される。また、フランジ52の外径は、抱き形状部41の後端の外径よりわずかに大きく形成されており、フランジ52の前面が後軸テーパー部32及び抱き形状部41の後端に当接することで、クリップ40は後軸30の後端部に係止され、後方に移動することを防ぐことができる。
操作部品60が本実施形態のように静電容量方式のタッチペン操作部である場合は、ゴム70は導電性ゴムで形成される。また、導電繊維73は導電性繊維を静電植毛することで形成される。さらに、先軸20及び後軸30を導電性のある材料、たとえば金属材、導電性樹脂材、金属粉末と混合された樹脂成型品等で形成される。このことにより、タッチペン操作部から手指までの導通が確保されるため、静電容量方式のタッチペンとして筆記が可能となる。
次に、本実施の形態に係る筆記具の組立方法について説明する。
まず、繰出機構35と中継筒36とを螺合する。そして、繰出機構35及び中継筒36の後端を後軸30内部に前方から挿入すると図2の状態になる。そして、クリップ40の抱き形状部41を後軸テーパー部32の後端から覆い被せるとともに、各内方突起43を対応する切欠き33に嵌合させる。そして、係止部材50を中継筒36に螺合させると図3の状態になる。この結果、フランジ52の前面が後軸テーパー部32及び抱き形状部41の後端に当接されるとともに、内方突起43の先端は切欠き33の先端に当接される。
以上のように、本実施の形態によると、内方突起43が対応する切欠き33に嵌合するため、軸筒11の周方向に溝や段差を設けずにクリップ40を固定することができる。また、軸筒11の周方向に溝や段差が設けられていないため、軸筒11の肉厚が抑えられる。したがって、軸筒11の外径を太くする必要がなくなるとともに、全体を細くすることができるので、意匠性を向上させることができる。
また、内方突起43が対応する切欠き33に嵌合することで、抱き形状部41の軸筒11に対する前方向及び軸の回転方向の移動が防止される。さらに、係止部材50を軸筒11の後端に装着することで、内方突起43の先端は、常に切欠き33の先端に当接されるとともに、抱き形状部41の軸筒11に対する後方向への移動が防止される。すなわち、クリップ40は、軸筒11に一体的に固定されるため、移動が防止される。
さらに、クリップ40は、軸筒11に一体的に固定されるようにしたので、軸筒11から外側に突出したクリップ40に指を掛けて軸筒を回転させても、クリップ40だけが回転することがなく、筆記リフィール80を確実に繰り出すことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良なども含むものである。
また、クリップ40は、金属でなくてもよい。たとえば、プラスチック樹脂で形成しても構わない。また、クリップ40は抱きクリップでなくてもよい。すなわち、抱き形状部41は一部を切り欠いていることなく、円筒状であっても構わない。
内方突起43と対応する切欠き33は実施形態では3箇所となっているが、少なくとも1箇所以上あればよい。また、切欠き33は対応する内方突起43の数以上の数を設けてもよい。
さらに、操作部品60は、静電容量方式のタッチペン操作部に限らず、消しゴム、熱変色インク用の消去具であっても差し支えない。
20 先軸 21 先軸胴部 22 先軸テーパー部
23 先端口 24 先軸ネジ
30 後軸 31 後軸胴部 32 後軸テーパー部
33 切欠き 34 後軸ネジ 35 繰出機構
36 中継筒 37 中継筒雄ネジ 38 中継筒雌ネジ
40 クリップ 41 抱き形状部 42 挟持部
43 内方突起 44 突出部
50 係止部材 51 本体部 52 フランジ
53 係止部雄ネジ 54 係止部雌ネジ
60 操作部品 61 ホルダー 62 先端部
63 ホルダー雄ネジ 64 ホルダーフランジ 65 ゴム固定溝
66 後端部 67 貫通孔
70 ゴム 71 平面部 72 ゴム半球部
73 導電繊維 74 空間部
80 筆記リフィール 81 筒体 82 ボールペンチップ
91 ガイド筒 92 摺動コマ 92a 挿入突起部
93 円筒カム
Claims (3)
- 筒状の軸筒の後端付近に設けられるクリップの軸筒への取付構造であって、
前記クリップは、その後端に連設された筒状の抱き形状部を備え、
前記抱き形状部の後端付近に、後端から前方にかけて、内方に向けて突出した複数の内方突起が設けられ、
前記軸筒の後端付近には、前記内方突起に対応する数、又はそれ以上の数の切欠きが設けられ、
前記軸筒の後端には、係止部材が装着され、
前記内方突起と対応する前記切欠きとが嵌合され、
前記抱き形状部は、前記軸筒の後端付近の外周面を覆うとともに、前記係止部材により、前記軸筒と一体的に固定されることを特徴とするクリップの軸筒への取付構造。 - 前記軸筒の後端付近及び前記抱き形状部の後端付近は、いずれも後端にかけて縮径するテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のクリップの軸筒への取付構造。
- 前記軸筒は回転式の筆記リフィール繰出機構を有することを特徴とする、請求項1又は2記載のクリップの軸筒への取付構造。
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