JP6274039B2 - 感放射線性樹脂組成物、絶縁膜および表示素子 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物、絶縁膜および表示素子 Download PDF

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Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物、絶縁膜および表示素子に関する。
近年、従来のCRT方式の表示装置と比較して、薄型化や軽量化が図れるといった利点等から、液晶を用いた表示素子、すなわち、液晶表示素子の開発が盛んに進められている。
液晶表示素子は、一対の基板間に液晶が挟持された構造を有する。これらの基板の表面には、液晶の配向を制御する目的で配向膜を設けることができる。また、これら一対の基板は、例えば、一対の偏向板により挟持される。そして、基板間に電界を印加すると、液晶に配向変化が起こり、光を部分的に透過したり、遮蔽したりするようになる。液晶表示素子では、こうした特性を利用して画像を表示し、薄型で軽量の表示素子を提供することができる。
液晶表示素子は、画素毎にスイッチングのための能動素子を配置したアクティブマトリクス方式の開発によって、コントラスト比や応答性能の優れた良好な画質を実現できるようになった。さらに、液晶表示素子は、高精細化、カラー化および視野角拡大等の課題も克服し、最近では、スマートフォン等の携帯電子機器の表示素子や、大型で薄型のテレビ用表示素子として利用されるに至っている。
液晶表示素子では、液晶の初期配向状態や配向変化動作の異なる多様な液晶モードが知られている。例えば、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In−Planes Switching)、FFS(Fringe Field Switching)、VA(Vertical Alignment)またはOCB(Optically Compensated Birefringence)等の液晶モードが知られている。
上記液晶モードのうちで、IPSモードおよびそのIPSモードの一例であるFFSモードは、広い視野角、速い応答速度および高いコントラスト比を有することから、近年特に注目されている液晶モードである。尚、本発明においてIPSモードとは、液晶がそれを挟持する基板の面内でスイッチング(配向変化)動作をする液晶モードを示す。したがって、特に区別しない限り、所謂横電界方式と称される狭義のIPSモードの他、斜め電界(フリンジ電界)を用いて液晶を基板の面内でスイッチングさせるFFSモードも含む概念である。
FFSモードを含むIPSモード(以下、単に「IPSモード」と言うことがある。)の液晶表示素子では、一対の基板間に挟持された液晶が基板に対してほぼ平行となるように、液晶の初期配向状態が制御される。これらの基板のうちの一方に配置された画素電極と共通電極の間に電圧を印加することによって、基板平面に平行な成分を主とする電界(所謂、横電界や斜め電界(フリンジ電界))が形成され、誘電異方性を備えた液晶の配向状態が変化する。そのため、IPSモードにおいて、電圧印加による液晶の配向変化は、その名称のとおり、基板平面と平行な面内における液晶分子の回転動作が主となる。
こうしたことから、IPSモードは、TNモード等の平行配向する液晶が電圧印加によって立ち上がり動作する液晶モードと異なり、液晶を挟持する基板に対する液晶のチルト角の変化が小さい。このため、IPSモードの液晶表示素子では、電圧印加に伴うリタデーションの実効値の変化が小さくなり、視野角が広くて高画質の画像表示が可能となる。
上述のようなIPSモードの液晶表示素子では、透明なベタ状の電極(例えば、共通電極)上に無機材料からなる無機絶縁膜を積層し、その上に櫛歯状の電極(例えば、画素電極)を重畳させる電極構造の開発が進められている(例えば、特許文献1または特許文献2参照。)。この構造によれば、画素の開口率が向上し、高輝度での画像表示が実現される。
特開2011−48394号公報 特開2011−59314号公報
IPSモードの液晶表示素子については、近年、テレビや、スマートフォン等の携帯電子機器の表示素子の高解像化および高画質化に対応するべく、さらなる高画質化、特に高精細化が求められている。
IPSモードの液晶表示素子では、液晶を挟持する一対の基板のうちの一方の基板上に、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transister)等のスイッチングのための能動素子が配置される。そして、画素電極と、共通電極と、それらに接続する配線等も配置されて、アレイ基板が構成される。このため、IPSモードの液晶表示素子では、アレイ基板上に配置される構成部材が多くなり、アレイ基板上での電極構造や配線の配置構造は、TNモード等の他の液晶モードに比べて複雑なものとなる。こうしたことから、さらなる高精細化を進めようとすると、画素内での画素電極の面積が減少し、画素の開口率が低下して表示の輝度を低下させる懸念があった。
特許文献2には、無機材料からなる層間絶縁膜(以下、「無機層間絶縁膜」とも言う。)を介して、ベタ状の共通電極の上に櫛歯状に形成された部分を有する画素電極(以下、「櫛歯状の画素電極」とも言う。)を配置するアレイ基板が開示されている。そして、特許文献2には、ベタ状の共通電極とその下層の配線との間に、有機材料からなる絶縁膜(以下、単に「有機絶縁膜」と言うことがある。)を設ける技術が開示されている。この有機絶縁膜を設けることにより、画素電極と配線との間のカップリング容量の増大を抑制しつつ、開口率を向上することが期待できる。
その場合、特許文献2に記載の従来のIPSモードの液晶表示素子においては、ベタ状の共通電極と櫛歯状の画素電極との間に、それらの間の絶縁性を確保するための、緻密なSiN(窒化珪素)からなる無機層間絶縁膜が設けられている。このSiNからなる無機層間絶縁膜は、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)により形成されるのが通常である。
したがって、従来のIPSモードの液晶表示素子においては、共通電極と櫛歯状の画素電極との間に無機層間絶縁膜を形成するに際し、CVDプロセスを設ける必要があり、製造装置が大規模なものになっていた。そして、生産性を向上するため、大型の基板を用いようとすれば、製造装置はますます大規模なものが必要になる。そのため、従来のIPSモードの液晶表示素子においては、無機層間絶縁膜の形成が、生産性の向上を図る上での1つの制約となり、また、高コスト化の要因となっていた。
したがって、IPSモードの液晶表示素子においては、共通電極と櫛歯状の画素電極との間に配置される層間絶縁膜を簡便に形成する技術が求められている。すなわち、CVD等のための大規模な製造装置を必要とせず、大型基板上に簡便に形成できる絶縁膜が求められている。そして、その絶縁膜は、パターニング性、光透過特性および絶縁性に優れることが好ましく、また、誘電特性および屈折率特性が従来の層間絶縁膜と同様であることが好ましい。特に、従来のTFTと組み合わされて、SiNからなる無機層間絶縁膜との代替が容易となるように、同様の誘電特性を備えることが好ましい。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、誘電特性の制御が可能な絶縁膜の形成に用いられる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、簡便に形成できて誘電特性の制御が可能な絶縁膜を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、簡便に形成できて誘電特性の制御が可能な絶縁膜を含む表示素子を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
[A]重合体、
[B]感光剤、並びに
[C]チタン酸化物と、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよび鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素とを含む化合物
を含む感放射線性樹脂組成物であって、
[C]化合物の粒子径が0.01μm以上0.1μm以下、すなわち、0.01μm〜0.1μmの範囲であり、c/a軸比が1.0025〜1.010であることを特徴とする感放射線性樹脂組成物に関する。
本発明の第1の態様において、[A]重合体がカルボキシル基を有する構成単位を含む重合体であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、[B]感光剤が光ラジカル重合開始剤および光酸発生剤のうちから選ばれる少なくとも一方を含むことが好ましい。
本発明の第1の態様において、[C]化合物がチタン酸バリウムであることが好ましい。
本発明の第1の態様において、さらに、[D]ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ重合体と、ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ(メタ)アクリレート化合物とからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の第1の態様において、表示素子の絶縁膜の形成に用いることが好ましい。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の感放射線性樹脂組成物を用いて形成されることを特徴とする絶縁膜に関する。
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様の感放射線性樹脂組成物から形成される絶縁膜を含むことを特徴とする表示素子に関する。
本発明の第1の態様によれば、誘電特性の制御が可能な絶縁膜を簡便に形成することができる感放射線性樹脂組成物が得られる。
本発明の第2の態様によれば、簡便に形成できて誘電特性の制御が可能な絶縁膜が得られる。
本発明の第3の態様によれば、簡便に形成できて誘電特性の制御が可能な絶縁膜を含む表示素子が得られる。
本発明の実施形態のアレイ基板の画素部分の要部構造を模式的に示す平面図である。 図1のA−A’線に沿った断面構造を模式的に示す図である。 本発明の実施形態の液晶表示素子の模式的な断面図である。
上述した特許文献2等に記載される従来の液晶表示素子は、IPSモードの中のFFSモードの液晶表示素子であり、ベタ状の共通電極とその上層に設けられた櫛歯状の画素電極とを有する。そして、それらの間には、SiNからなる無機層間絶縁膜が設けられている。SiNからなる無機層間絶縁膜の形成は、CVD等の成膜方法によるため、大掛かりな製造装置が必要とされる。
このSiNからなる無機層間絶縁膜を代替し、簡便な方法での形成が可能な層間絶縁膜を実現するためには、有機材料からなる塗布型の絶縁膜の適用が好ましい。この塗布型の有機絶縁膜を用い、従来の無機層間絶縁膜を代替できれば、FFSモードを含むIPSモードの液晶表示素子において、簡便な層間絶縁膜の形成が可能となる。さらに、大型基板の適用が容易となって、液晶表示素子形成用のアレイ基板およびそれを用いた液晶表示素子の生産性を向上させることができる。
したがって、有機材料からなる塗布型の絶縁膜による無機層間絶縁膜の代替が検討されるが、それを実現するためには、その絶縁膜において、パターニング性、光透過性および絶縁性が求められる。そのため、その絶縁膜は、パターニングの可能な液状の樹脂組成物を用い、塗布法等を利用して形成できることが好ましい。
さらに、無機層間絶縁膜と代替可能な有機材料からなる絶縁膜は、誘電特性および屈折率特性が従来の層間絶縁膜と同様であることが好ましい。特に、その絶縁膜は、従来から用いられているスイッチングのための能動素子であるTFTと組み合わされて、SiNからなる無機層間絶縁膜と同様の使用が可能であることが好ましい。そのため、その絶縁膜は、静電容量Cが、SiNからなる無機層間絶縁膜と同等以上となるように制御可能であることが好ましい。
このとき、TFTと組み合わせる上で考慮される、層間絶縁膜等の部材の静電容量Cは、C=ε×(S/d)で表すことができる。ここで、εは層間絶縁膜等を構成する部材の誘電率である。Sは部材の面積であり、層間絶縁膜の場合は電極面積とすることができる
。dは部材の厚みであり、層間絶縁膜の場合は膜厚である。そして、εは、ε=ε×kで表される。この時、εは真空中の誘電率であり、定数である。kは部材の比誘電率であり、部材に固有の値である。
SiNの比誘電率kは6〜7であり、エチレン樹脂やアクリル樹脂等の樹脂の比誘電率が2以上4以下、すなわち、2〜4であるのと比べると大きな値を有する。したがって、絶縁膜を、樹脂組成物を用いて形成しようとする場合、静電容量がSiNからなる無機層間絶縁膜と同等以上となるように、構成成分の比誘電率を高める制御が必要となる。また併せて、絶縁性を維持するとともに、良好なパターニング性を実現することが求められる。
そこで、本発明者は、構成成分の比誘電率を高める技術が適用されて、誘電率を所望の値に制御でき、例えば、SiNからなる層間絶縁膜と同様となるように制御可能な、有機材料からなる絶縁膜を開発した。
また、その本発明の絶縁膜は、従来の有機材料を用いた有機膜に比べて高い屈折率を有することができ、従来のSiNからなる無機層間絶縁膜と同様の屈折率を有することができる。本発明のアレイ基板の形成に用いられる層間絶縁膜が、こうした屈折率特性を有することにより、それを用いた本発明の液晶表示素子においては、画面上で電極が目立って見える、所謂「骨見え」の問題を低減することができる。
そして、この本発明の絶縁膜は、感放射線性の樹脂組成物を用いた、塗布による簡便な形成が可能であり、液晶表示素子の構成のために、所望とするパターニング可能である。
その結果、本発明の絶縁膜は、従来のSiNからなる無機層間絶縁膜の代替が可能となり、能動素子と、共通電極と、画素電極と、その共通電極および画素電極の間に配置された本発明の絶縁膜とを有するアレイ基板の提供を可能とする。そして、そのアレイ基板を用いた本発明の表示素子の提供を可能とする。
以下、従来の無機層間絶縁膜の代替が可能な本発明の絶縁膜を形成する本発明の感放射線性樹脂組成物、本発明の絶縁膜を含む表示素子の例である液晶表示素子、および、本発明の絶縁膜の形成等について説明する。
尚、本発明において、露光に際して照射される「放射線」には、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線および荷電粒子線等が含まれる。
<感放射線性樹脂組成物>
本発明の実施形態の絶縁膜の製造に用いられる本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物は、感放射線性を備えた樹脂組成物である。本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、ポジ型の感放射線性およびネガ型の感放射線性のいずれを有することも可能である。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[A]成分である[A]重合体、[B]成分である[B]感光剤、並びに、[C]成分である、[C]チタン酸化物と、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよび鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素とを含む化合物(以下、単に[C]化合物と言うことがある。)を必須成分として含有する。
そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物が、ポジ型感放射線性樹脂組成物の場合、[B]感光剤は、光酸発生剤であるか、または、光酸発生剤を含有することが好ましい。また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物が、ネガ型感放射線性樹脂組成物の場合、[B]感光剤は、光ラジカル重合開始剤であるか、または、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。
さらに、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、得られる本発明の実施形態の絶縁膜の誘電特性の制御のために、[D]成分である[D]ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ重合体並びにウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ(メタ)アクリレート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、単に[D]化合物と言うことがある。)を含むことが好ましい。
また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有してもよい。
以下、本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される各成分について詳しく説明する。
<[A]重合体>
本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、[A]成分である[A]重合体は、本実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成される本発明の実施形態の絶縁膜の基材となる成分である。
そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物が所望とするパターニング性を備えるように、[A]重合体は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。その場合、[A]重合体は、アルカリ現像性を有する重合体であれば特に限定されない。但し、上述した[D]化合物に該当する重合体は除かれる。
好ましい[A]重合体としては、カルボキシル基を有する構成単位を含む重合体を挙げることができる。
そして、[A]重合体は、本実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いた硬化膜として本発明の実施形態の絶縁膜を形成できるように、不飽和二重結合あるいはエポキシ基等の重合性基を有する構成単位を含むものがより望ましい。したがって、[A]重合体としては、カルボキシル基を有する構成単位を含み、さらに重合性基を有する構成単位を含む重合体がより好ましい。
このとき、[A]重合体において、好ましい重合性基を有する構成単位とは、エポキシ基を有する構成単位および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構成単位(以下、特定構成単位を言うことがある。)である。[A]重合体が、上記特定構成単位を含むことで、優れた表面硬化性および深部硬化性を有する硬化膜、すなわち、本発明の実施形態の絶縁膜を形成することができる。
上述の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位は、例えば、共重合体中のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を反応させる方法、共重合体中のカルボキシル基にエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させる方法、共重合体中の水酸基にイソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させる方法、共重合体中の酸無水物部位に(メタ)アクリル酸を反応させる方法等により形成することができる。これらのうち特に、共重合体中のカルボキシル基にエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させる方法が好ましい。
カルボキシル基を有する構成単位と、重合性基としてエポキシ基を有する構成単位とを含む[A]重合体は、(A1)不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種(以下、「(A1)化合物」とも言う。)と、(A2)エポキシ基含有不飽和化合物(以下、「(A2)化合物」とも言う。)とを共重合して合成することができる。この場合、[A]重合体は、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種から形成される構成単位並びにエポキシ基含有不飽和化合物から形成される構成単位を含む共重合体となる。
[A]重合体は、例えば、溶媒中で重合開始剤の存在下、カルボキシル基含有構成単位を与える(A1)化合物と、エポキシ基含有構成単位を与える(A2)化合物とを共重合することによって製造できる。また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物をポジ型とする場合には、(A3)水酸基含有構成単位を与える水酸基含有不飽和化合物(以下、「(A3)化合物」とも言う。)をさらに加えて、共重合体とすることもできる。さらに、[A]重合体の製造においては、上記(A1)化合物、(A2)化合物および(A3)化合物とともに、(A4)化合物(上記(A1)、(A2)および(A3)化合物に由来する構成単位以外の構成単位を与える不飽和化合物)をさらに加えて、共重合体とすることもできる。以下、各化合物を詳述する。
[(A1)化合物]
(A1)化合物としては、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸の無水物、多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル等が挙げられる。
不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸の無水物としては、例えば、上記ジカルボン酸として例示した化合物の無水物等が挙げられる。
多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステルとしては、例えば、コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等が挙げられる。
これらの(A1)化合物のうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性および入手の容易性からより好ましい。
これらの(A1)化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
(A1)化合物の使用割合は、(A1)化合物並びに(A2)化合物(必要に応じて任意の(A3)化合物および(A4)化合物)の合計に基づいて、5質量%〜30質量%が好ましく、10質量%〜25質量%がより好ましい。(A1)化合物の使用割合を5質量%〜30質量%とすることによって、[A]アルカリ可溶性樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性を最適化するとともに、放射線性感度に優れる絶縁膜が得られる。
[(A2)化合物]
(A2)化合物は、ラジカル重合性を有するエポキシ基含有不飽和化合物である。エポキシ基としては、オキシラニル基(1,2−エポキシ構造)またはオキセタニル基(1,3−エポキシ構造)等が挙げられる。
オキシラニル基を有する不飽和化合物としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル、アクリル酸3,4−エポキシブチル、メタクリル酸3,4−エポキシブチル、アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロへキシルメチル等が挙げられる。これらのうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル等が、共重合反応性および絶縁膜等の耐溶媒性等の向上の観点から好ましい。
オキセタニル基を有する不飽和化合物としては、例えば、
3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン等のアクリル酸エステル;
3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2−ジフルオロオキセタン等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
これらの(A2)化合物のうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタンが好ましい。これらの(A2)化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
(A2)化合物の使用割合は、(A1)化合物並びに(A2)化合物(必要に応じて任意の(A3)化合物および(A4)化合物)の合計に基づいて、5質量%〜60質量%が好ましく、10質量%〜50質量%がより好ましい。(A2)化合物の使用割合を5質量%〜60質量%とすることによって、優れた硬化性等を有する硬化膜、すなわち、本実施の形態の絶縁膜を形成することができる。
[(A3)化合物]
(A3)化合物としては、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、フェノール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシスチレンが挙げられる。
水酸基を有するアクリル酸エステルとしては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸5−ヒドロキシペンチル、アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等が挙げられる。
水酸基を有するメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸5−ヒドロキシペンチル、メタクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等が挙げられる。
フェノール性水酸基を有するアクリル酸エステルとしては、アクリル酸2−ヒドロキシフェニル、アクリル酸4−ヒドロキシフェニル等が挙げられる。フェノール性水酸基を有するメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸2−ヒドロキシフェニル、メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル等が挙げられる。
ヒドロキシスチレンとしては、o−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレンが好ましい。
これらの(A3)化合物は、単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。
(A3)化合物の使用割合は、(A1)化合物、(A2)化合物並びに(A3)化合物(必要に応じて任意の(A4)化合物)の合計に基づいて、1質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜25質量%がより好ましい。
[(A4)化合物]
(A4)化合物は、上記の(A1)化合物、(A2)化合物および(A3)化合物以外の不飽和化合物であれば、特に制限されるものではない。(A4)化合物としては、例えば、メタクリル酸鎖状アルキルエステル、メタクリル酸環状アルキルエステル、アクリル酸鎖状アルキルエステル、アクリル酸環状アルキルエステル、メタクリル酸アリールエステル、アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン、テトラヒドロフラン骨格等を持つ不飽和化合物およびその他の不飽和化合物等が挙げられる。
メタクリル酸鎖状アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸n−ステアリル等が挙げられる。
メタクリル酸環状アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル、メタクリル酸イソボロニル等が挙げられる。
アクリル酸鎖状アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸n−ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸n−ステアリル等が挙げられる。
アクリル酸環状アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル、アクリル酸イソボロニル等が挙げられる。
メタクリル酸アリールエステルとしては、例えば、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等が挙げられる。
アクリル酸アリールエステルとしては、例えば、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸ジエステルとしては、例えば、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等が挙げられる。
マレイミド化合物としては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシベンジル)マレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等が挙げられる。
不飽和芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン等が挙げられる。
共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
テトラヒドロフラン骨格を含有する不飽和化合物としては、例えば、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、2−メタクリロイルオキシ−プロピオン酸テトラヒドロフルフリルエステル、3−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒドロフラン−2−オン等が挙げられる。
その他の不飽和化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル等が挙げられる。
これらの(A4)化合物のうち、メタクリル酸鎖状アルキルエステル、メタクリル酸環状アルキルエステル、メタクリル酸アリールエステル、マレイミド化合物、テトラヒドロフラン骨格、不飽和芳香族化合物、アクリル酸環状アルキルエステルが好ましい。これらのうち、特に、スチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、p−メトキシスチレン、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、メタクリル酸テトラヒドロフルフリルが、共重合反応性およびアルカリ水溶液に対する溶解性の点から好ましい。
これらの(A4)化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
(A4)化合物の使用割合としては、(A1)化合物、(A2)化合物並びに(A4)化合物(および任意の(A3)化合物)の合計に基づいて、10質量%〜80質量%が好ましい。
<カルボキシル基を有する構成単位と重合性基としてエポキシ基を有する構成単位とを含む[A]重合体の合成方法1>
[A]重合体は、例えば、溶媒中で重合開始剤の存在下、上記(A1)化合物並びに(A2)化合物(任意の(A3)化合物および(A4)化合物)を共重合することによって製造できる。かかる合成方法によれば、少なくともエポキシ基含有構成単位を含む共重合体を合成することができる。
[A]重合体を製造するための重合反応に用いられる溶媒としては、例えば、アルコール、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、ケトン、エステル等が挙げられる。
[A]重合体を製造するための重合反応に用いられる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用できる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。
[A]重合体を製造するための重合反応においては、分子量の調整を目的として、分子量調整剤を使用することができる。
分子量調整剤としては、例えば、クロロホルム、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
[A]重合体の重量平均分子量(Mw)は、1000〜30000が好ましく、5000〜20000がより好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の放射線に対する感度および現像性を高めることができる。尚、本明細書における重合体のMwおよび数平均分子量(Mn)は、下記の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
装置:GPC−101(昭和電工製)
カラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−803およびGPC−KF−804を結合
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<カルボキシル基を有する構成単位と重合性基として(メタ)アクリル基を有する構成単位とを含む[A]重合体の合成方法2>
[A]重合体は、例えば、上述の(A1)化合物を1種以上使用して合成できる共重合体(以下、「特定共重合体」と言うことがある。)と、上記(A2)化合物とを反応させて合成できる。かかる合成方法によれば、少なくとも(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位を含む共重合体を合成することができる。
[A]重合体が含む(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位は、共重合体中のカルボキシル基にエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させて得られ、反応後の(メタ)アクリル基を有する構成単位は、下記式(1)で表される。この構成単位は、(A1)化合物に由来する特定共重合体中のカルボキシル基と(A2)化合物のエポキシ基とが反応し、エステル結合を形成して得られる。
Figure 0006274039
上記式(1)中、R10およびR11は、それぞれ独立して水素原子またはメチル基である。cは、1〜6の整数である。R12は、下記式(2−1)または下記式(2−2)で表される2価の基である。
Figure 0006274039
上記式(2−1)中、R13は、水素原子またはメチル基である。上記式(2−1)および上記式(2−2)中、*は、酸素原子と結合する部位を示す。
上記式(1)で表される構成単位について、例えば、カルボキシル基を有する共重合体に、(A2)化合物としてメタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル等の化合物を反応させた場合、上記式(1)中のR12は、上記式(2−1)となる。一方、(A2)化合物としてメタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル等の化合物を反応させた場合、上記式(1)中のR12は、上記式(2−2)となる。
特定共重合体の合成に際しては、(A1)化合物以外の化合物、例えば、上述の(A3)化合物、(A4)化合物等を共重合成分として用いてもよい。これらの化合物としては、共重合反応性の点から、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、スチレン、p−メトキシスチレン、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、1,3−ブタジエンが好ましい。
特定共重合体の共重合の方法としては、例えば、(A1)化合物、および必要に応じて(A3)化合物等を、溶媒中でラジカル重合開始剤を使用して重合する方法が挙げられる。
上述のラジカル重合開始剤としては、上述の[A]重合体の項で例示したものと同様のものが挙げられる。ラジカル重合開始剤の使用量は、重合性不飽和化合物100質量%に対して、0.1質量%〜50質量%、好ましくは0.1質量%〜20質量%である。
特定共重合体は、重合反応溶液のまま[A]重合体の製造に供してもよく、共重合体を一旦溶液から分離した後に[A]重合体の製造に供してもよい。
また、特定共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、5.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましい。分子量分布(Mw/Mn)を5.0以下とすることで、得られるパターンの形状を良好に保つことができる。また、上記特定範囲の分子量分布(Mw/Mn)を有する特定共重合体を含む絶縁膜は、高度な現像性を有する。すなわち、現像工程において、現像残りを生じることなく、容易に所定パターンを形成することができる。
特定共重合体の(A1)化合物に由来する構成単位の含有率は、5質量%〜60質量%が好ましく、7質量%〜50質量%がより好ましく、8質量%〜40質量%が特に好ましい。
特定共重合体の(A1)化合物以外の(A3)化合物、(A4)化合物等の化合物に由来する構成単位の含有率は、10質量%〜90質量%、20質量%〜80質量%である。
特定共重合体と(A2)化合物との反応においては、必要に応じて適当な触媒の存在下において、好ましくは重合禁止剤を含む共重合体の溶液に、エポキシ基を有する不飽和化合物を投入し、加温下で所定時間攪拌する。上記触媒としては、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。上記重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール等が挙げられる。反応温度は、70℃〜100℃が好ましい。反応時間は、8時間〜12時間が好ましい。
(A2)化合物の使用割合は、共重合体中の(A1)化合物に由来するカルボキシル基に対して、5質量%〜99質量%が好ましく、10質量%〜97質量%がより好ましい。(A2)化合物の使用割合を上記範囲とすることで、共重合体との反応性、絶縁膜の硬化性等がより向上する。(A2)化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
<[B]感光剤>
本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される[B]感光剤としては、放射線に感応してラジカルを発生し重合を開始できる化合物(すなわち、[B−1]光ラジカル重合開始剤)、または、放射線に感応して酸を発生する化合物(すなわち、[B−2]光酸発生剤)を挙げることができる。本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[B]感光剤を含有することにより、感放射線性を有することができ、例えば、ポジ型の感放射線性またはネガ型の感放射線性を有することができる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物の[B−1]光ラジカル重合開始剤としては、O−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
O−アシルオキシム化合物としては、例えば、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、1−(9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル)−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
これらのうち、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)またはエタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。
アセトフェノン化合物としては、例えば、α−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物が挙げられる。
α−アミノケトン化合物としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
α−ヒドロキシケトン化合物としては、例えば、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
アセトフェノン化合物としては、α−アミノケトン化合物が好ましく、特に、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが好ましい。
ビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールまたは2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましく、そのうち、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールがより好ましい。
[B−1]光ラジカル重合開始剤は、上述したように、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。[B−1]光ラジカル重合開始剤の含有割合は、[A]成分100質量部に対して、1質量部〜40質量部が好ましく、5質量部〜30質量部がより好ましい。[B−1]光ラジカル重合開始剤の使用割合を1質量部〜40質量部とすることで、感放射線性樹脂組成物は、低露光量であっても、高い耐溶媒性、高い硬度および高い密着性を有する硬化膜を形成することができる。その結果、そうした特性に優れた本発明の実施形態の絶縁膜を提供することができる。
次に、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の[B]感光剤である[B−2]光酸発生剤としては、例えば、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物等が挙げられる。尚、これらの[B−2]光酸発生剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
オキシムスルホネート化合物としては、下記式(3)で表されるオキシムスルホネート基を含む化合物が好ましい。
Figure 0006274039
上記式(3)中、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のフルオロアルキル基、炭素数4〜12の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、あるいはこれらのアルキル基、脂環式炭化水素基およびアリール基が有する水素原子の一部または全部が置換基で置換された基である。
上記式(3)中のRで表されるアルキル基としては、炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。この炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基は置換基により置換されていてもよく、上記置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基等の有橋式脂環基を含む脂環式基等が挙げられる。炭素数1〜12のフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプチルフルオロプロピル基等が挙げられる。
上記Rで表される脂環式炭化水素基としては、炭素数4〜12の脂環式炭化水素基が好ましい。この炭素数4〜12の脂環式炭化水素基は置換基により置換されていてもよく、上記置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記Rで表されるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基がより好ましい。上記アリール基は置換基により置換されていてもよく、上記置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
オキシムスルホネート化合物の具体的な例としては、(5−プロピルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−オクチルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−p−トルエンスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、2−(オクチルスルホニルオキシイミノ)−2−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル等を挙げることができ、これらは市販品として入手することができる。
上述したオニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ベンジルスルホニウム塩等が挙げられる。
そして、オニウム塩としては、テトラヒドロチオフェニウム塩、ベンジルスルホニウム塩が好ましく、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウ
ムヘキサフルオロホスフェートがより好ましく、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートがさらに好ましい。
スルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド等が挙げられる。
スルホン酸エステル化合物の好ましい例としては、ハロアルキルスルホン酸エステルを挙げることができ、より好ましい例として、N−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステルを挙げることができる。
キノンジアジド化合物としては、例えば、フェノール性化合物またはアルコール性化合物(以下、「母核」ともいう)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドまたは1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミドとの縮合物を用いることができる。
上記の母核としては、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノン、ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、(ポリヒドロキシフェニル)アルカンの他、上記母核以外のその他の母核等が挙げられる。
上記の母核の具体例としては、例えば、
トリヒドロキシベンゾフェノンとして、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン等;
テトラヒドロキシベンゾフェノンとして、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン等;
ペンタヒドロキシベンゾフェノンとして、2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等;
ヘキサヒドロキシベンゾフェノンとして、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等;
(ポリヒドロキシフェニル)アルカンとして、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン等;
を挙げることができる。
上記のその他の母核としては、例えば、2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、1−[1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−3−(1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
これらの中で、母核としては、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノールが好ましい。
また、上述した1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましく、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドがより好ましく、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドがさらに好ましい。
上述した1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミドとしては、2,3,4−トリアミノベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミドが好ましい。
上述したフェノール性化合物またはアルコール性化合物(母核)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合反応においては、フェノール性化合物またはアルコール性化合物中のOH基数に対して、好ましくは30モル%以上85モル%以下、より好ましくは50モル%以上70モル%以下に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを用いることができる。尚、上記縮合反応は、公知の方法によって実施することができる。
以上の[B−2]光酸発生剤としては、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、キノンジアジド化合物が好ましく、オキシムスルホネート化合物、キノンジアジド化合物がより好ましい。[B−2]光酸発生剤を上述した化合物とすることで、それを含有する本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、感度および溶解性を向上させることができる。
[B−2]光酸発生剤の含有量としては、[A]成分100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部が好ましく、1質量部〜30質量部がより好ましい。[B−2]光酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の感度を最適化し、表面硬度が高い硬化膜を形成でき、そうした特性に優れた本発明の実施形態の絶縁膜を提供することができる。
<[C]チタン酸化物と金属元素とを含む化合物>
本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物の[C]成分は、チタン酸化物と、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよび鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素とを含む化合物(以下、単に[C]化合物と言うことがある。)である。本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物において、[C]成分は、形成される本発明の実施形態の絶縁膜の誘電率および屈折率を向上させる制御を可能とする成分となる。
上述の[C]化合物としては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ジルコニウムおよびチタン酸鉛等が挙げられる。
これらの[C]化合物は、1種単独で使用してもよいし、または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
[C]化合物の形状は、特に限定されず、球状でも不定形のものでもよく、中空粒子、多孔質粒子、コア・シェル型粒子等であっても構わない。
また、[C]化合物の粒子径は、動的光散乱法で求めることができ、0.01μm〜0.1μmの範囲であることが好ましい。[C]化合物の粒子径は上述の範囲にあると、本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、所望とするパターニング性能を実現することができる。また、[C]化合物の粒子径が0.01μm未満であると粒子が凝集しやすくなり保存安定性が低下するおそれがあり、0.1μmを超えると硬化膜である絶縁膜のヘイズが高くなるおそれがある。
そして、[C]化合物においては、結晶格子のc軸長とa軸長の比であるc/a軸比が1.0025〜1.010であることが好ましい。c/a軸比が1.0025〜1.010の範囲であることにより、上記の範囲の粒子径と優れた誘電率特性(高い比誘電率)の両立を実現することができる。
そして、本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物のより好ましい[C]化合物としては、高誘電率化の観点から、チタン酸バリウムおよびチタン酸ストロンチウムを挙げることができ、特に好ましい[C]化合物としては、チタン酸バリウム(BaTiO)を挙げることができる。
本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物の[C]化合物として、特に好ましいチタン酸バリウムを選択した場合、上述したように、その形状は、特に限定されず、球状でも不定形のものでもよく、中空粒子、多孔質粒子、コア・シェル型粒子等であっても構わない。
また、[C]化合物として特に好ましいチタン酸バリウムの粒子径は、上記と同様に、動的光散乱法で求めることができ、0.01μm〜0.1μmの範囲であることが望ましい。[C]化合物の粒子径は上述の範囲にあると、本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、所望とするパターニング性能を実現することができる。また、[C]化合物であるチタン酸バリウムの粒子径が0.01μm未満であると粒子が凝集しやすくなり保存安定性が低下するおそれがあり、0.1μmを超えると硬化膜である絶縁膜のヘイズが高くなるおそれがある。
そして、[C]化合物として特に好ましいチタン酸バリウムにおいては、c/a軸比が1.0025〜1.010であることが望ましい。c/a軸比が1.0025〜1.010の範囲であることにより、上記の範囲の粒子径と優れた誘電率特性(高い比誘電率)の両立を実現することができる。
[C]化合物は、分散剤とともに分散媒に分散させ、粒子分散液として本実施形態の感放射線性樹脂組成物に用いられることが望ましい。このように分散剤を含有することにより、本実施形態の感放射線性樹脂組成物では、均一に[C]化合物を分散させ、塗布性を高めることができ、得られる絶縁膜の密着性を高め、誘電率および屈折率を偏りなく一様に高めることができる。
分散剤としては、ノニオン系分散剤、カチオン系分散剤、アニオン系分散剤等を挙げることができるが、ポジ型の感放射線特性およびパターニング性の向上の観点からは、ノニオン系分散剤が好ましい。このようなノニオン系分散剤としては、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、高分子量ポリカルボン酸のアミドアミン塩、エチレンジアミンPO−EO縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたは脂肪酸アルカノールアミドを挙げることができる。
分散媒としては、[C]化合物を均一に分散可能であれば、特に限定されない。分散媒は、分散剤を効果的に機能させ、[C]化合物を均一に分散させることができる。
分散媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート等のエステル類;ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類を用いることができる。中でも、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましく、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネートがより好ましい。分散媒は1種また2種以上を混合して用いることができる。
上述した分散液中の[C]化合物の含有量は、好ましくは5質量%〜50質量%、より好ましくは10質量%〜40質量%である。
本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物において、[C]化合物の配合量としては、特に限定されないが、[A]成分100質量部に対して、0.1質量部〜1500質量部が好ましく、1質量部〜1000質量部がより好ましい。[C]化合物の配合量が0.1質量部より少ないと、得られる硬化膜の誘電率を向上させる効果が十分に得られない。逆に、[C]化合物の配合量が1500質量部を超えると、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗布性が低下し、また、所望とするパターニング性能が得られなくなるおそれがある。さらに、得られる硬化膜のヘイズが高くなるおそれがある。
<[D]ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ重合体および(メタ)アクリレート化合物>
本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体、[B]感光剤および[C]化合物を必須の成分として含有するとともに、[D]ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ重合体と、ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ(メタ)アクリレート化合物とからなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、単に、[D]化合物と言うことがある。)を含むことができる。尚、[D]化合物であるウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ重合体は、上述の[A]重合体以外の重合体である。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、[D]化合物は、得られる本発明の実施形態の絶縁膜の比誘電率を向上させるための成分である。[D]化合物を含有することにより、得られる本発明の実施形態の絶縁膜の比誘電率を向上させることができる。その結果、本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、[C]化合物の含有量を低下させる方向の成分調整が可能となり、パターニング性能や絶縁特性をさらに向上させることができる。
[D]化合物は、硬化膜として形成される本発明の実施形態の絶縁膜の構成成分として使用されるため、上述した(メタ)アクリレート化合物等のように、不飽和二重結合等の光または熱架橋部位を持つものがより望ましい。
ウレタン結合を持つ(メタ)アクリレート化合物としては、市販されているウレタン(メタ)アクリレートを用いることができる。
例えば、その市販品としては、共栄社化学社製AH−600(フェニルグリシジルエーテルアクリレートへキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー)、AT−600(フェニルグリシジルエーテルアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー)、UA−306H(ペンタエリスリトールトリアクリレートへキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー)、UA−306T(ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー)、UA−306I(ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー)、およびUA−510H(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートへキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー);新中村化学工業社製U−4HA、U−6HA、U−6LPA、U−53H、A−9300、A−9300CL1およびUA−122P、ダイセル・サイテック社製Ebecryl(登録商標)284、Ebecryl285、Ebecryl294/25HD、Ebecryl4820、Ebecryl4858、Ebecryl8402、Ebecryl8405、Ebecryl9270、Ebecryl8311、Ebecryl8701、Ebecryl230、Ebecryl244、Ebecryll245、Ebecryl264、Ebecryl265、Ebecryl270、Ebecryl280/15IB、Ebecryl1259、Ebecryl5129、Ebecryl8210、Ebecryl8301、Ebecryl8307、Ebecryl8411、Ebecryl8804、Ebecryl8807、Ebecryl9227EA、Ebecryl9250、KRM(登録商標)8200、KRM7735、KRM8296、KRM8452、Ebecryl204、Ebecryl205、Ebecryl210、Ebecryl215、Ebecryl220、およびEbecryl6202;日本合成化学工業社製UV−1700B、UV−6300B、UV−7550B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7610B、UV−7620EA、UV−7630B、UV−7640B、およびUV−7650B等;第一工業製薬社製 R−1214、R−1220、R−1301、R−1304、R−1306X、R−1308、R−1602、およびR−1150D;並びに、根上工業社製UN−333、UN−1255、UN−2600、UN−2700、UN−5500、UN−6060PTM、UN−6060P、UN−6200、UN−6300、UN−6301、UN−7600、UN−7700、UN−9000PEP、UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、UN−3320HS、UN−904、UN−901T、UN−905、UN−952、UN−9600およびUN−906等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ウレタン結合を持つ重合体の例であるポリウレタン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、イソシアネート基とポリオールを反応させて鎖延長されたポリウレタン樹脂が好ましい。上記ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。ポリウレタン樹脂の市販品としては、ユリアーノシリーズ(荒川化学社製)、オレスターシリーズ(三井化学社製)、アロタンシリーズ(日本触媒社製)等を挙げることができる。
これらのポリウレタン樹脂物は、1種単独で用いてもよいし、または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、アミド結合を持つ(メタ)アクリレート化合物としては、(メタ)アクリロイルモルホリン(モルホリノ(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−トリフェニルメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、アミド結合を持つ重合体としては、上述のアミド結合を持つ(メタ)アクリレート化合物を構成成分として、または原料組成物中の添加物として形成された重合体を挙げることができる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物における[D]化合物の含有量は、感放射線性樹脂組成物全体に対して、1質量%〜20質量%が好ましい。また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物が、有機溶剤を含有する場合、感放射線性樹脂組成物における[D]化合物の含有量は、有機溶剤を除く成分の合計に対して5質量%〜50質量%以下の範囲内とすることが好ましく、10質量%〜40質量%の範囲内であることがより好ましい。[D]化合物が上記範囲で含有されることで、感放射線性樹脂組成物において優れたパターニング性能を実現でき、併せて、比誘電率の向上された硬化膜を得ることができる。
<その他の任意成分>
本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述した[A]重合体、[B]感光剤および[C]化合物に加え、[D]化合物を含有することができる。さらに、本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[C]化合物とともに使用される分散剤および分散媒の他、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ、界面活性剤、保存安定剤、接着助剤、耐熱性向上剤等のその他の任意成分を含有できる。その他の任意成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。以下、各成分について説明する。
[界面活性剤]
本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有可能な界面活性剤は、感放射線性樹脂組成物の塗布性の改善、塗布ムラの低減、放射線照射部の現像性を改良するために添加することができる。好ましい界面活性剤の例としては、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば1,1,2,2−テトラフルオロオクチル(1,1,2,2−テトラフルオロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル等のフルオロエーテル類;パーフルオロドデシルスルホン酸ナトリウム;1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフルオロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロデカン等のフルオロアルカン類;フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム類;フルオロアルキルオキシエチレンエーテル類;フルオロアルキルアンモニウムヨージド類;フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル類;パーフルオロアルキルポリオキシエタノール類;パーフルオロアルキルアルコキシレート類;フッ素系アルキルエステル類等を挙げることができる。
これらのフッ素系界面活性剤の市販品としては、エフトップ(登録商標)EF301、303、352(新秋田化成(株)製)、メガファック(登録商標)F171、172、173(DIC(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG(登録商標)710(旭硝子(株)製)、サーフロン(登録商標)S−382、SC−101、102、103、104、105、106(AGCセイミケミカル(株)製)、FTX−218((株)ネオス製)等を挙げることができる。
シリコーン系界面活性剤の例としては、市販されている商品名で、SH200−100cs、SH28PA、SH30PA、ST89PA、SH190、SH 8400 FLUID(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
その他任意成分として界面活性剤を使用する場合、その含有量は、[A]重合体100質量部に対して、好ましくは0.01質量部〜10質量部、より好ましくは0.05質量部〜5質量部である。界面活性剤の使用量を0.01質量部〜10質量部とすることによって、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗布性を最適化することができる。
[保存安定剤]
保存安定剤としては、例えば、硫黄、キノン類、ヒドロキノン類、ポリオキシ化合物、アミン、ニトロニトロソ化合物等が挙げられ、より具体的には、4−メトキシフェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム等が挙げられる。
[接着助剤]
接着助剤は、本実施形態の感放射線性樹脂組成物から得られる絶縁膜と、その下層に配置される層や基板等との接着性をさらに向上させる目的で使用することができる。接着助剤としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、オキシラニル基等の反応性官能基を有する官能性シランカップリング剤が好ましく用いられ、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述した[A]重合体、[B]感光剤、および[C]化合物の他、必要に応じて、[D]化合物や、その多任意成分である界面活性剤等を混合して調製される。このとき、分散液状態の感放射線性樹脂組成物を調製するため、有機溶剤を用いることができる。有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
有機溶剤の機能としては、感放射線性樹脂組成物の粘度等を調節して、例えば、基板等への塗布性を向上させることの他、操作性等を向上させること等が挙げられる。有機溶剤等の含有によって実現される感放射線性樹脂組成物の粘度としては、例えば、0.1mPa・s〜50000mPa・s(25℃)が好ましく、より好ましくは、0.5mPa・s〜10000mPa・s(25℃)である。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物に使用可能な有機溶剤としては、他の含有成分を溶解または分散させるとともに、他の含有成分と反応しないものを挙げることができる。
例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート等のエステル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物において用いられる有機溶剤の含有量は、粘度等を考慮して適宜決めることができる。
分散液状態の感放射線性樹脂組成物を調製する際の分散方法としては、ペイントシェーカ、SCミル、アニュラー型ミル、ピン型ミル等を用いて通常周速5m/s〜15m/sで、粒径の低下が観察されなくなるまで継続する方法によって行われるとよい。この継続時間としては、通常数時間である。また、この分散の際に、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ等の分散ビーズを用いることが好ましい。このビーズ径は特に限定されないが、好ましくは0.05mm〜0.5mm、より好ましくは0.08mm〜0.5mm、さらに好ましくは0.08mm〜0.2mmである。
次に、本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成された絶縁膜を含む本発明の実施形態の表示素子について説明する。
<液晶表示素子>
本発明の実施形態の表示素子は、上述したように、本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物をから形成された絶縁膜を含んで構成される。本実施形態の液晶表示素子は、本発明の実施形態の絶縁膜を含む本発明の実施形態のアレイ基板を用いて構成され、例えば、アクティブマトリクス型のFFSモードのカラー液晶表示素子とすることができる。
本実施形態の液晶表示素子は、スイッチングに用いられる能動素子、電極および絶縁膜等が形成された本発明の実施形態のアレイ基板と、着色パターンを有して構成されたカラーフィルタ基板とが、液晶層を介して対向する構造とすることができる。そして、複数の画素がドットマトリクス状に配置された表示領域を有する。
図1は、本発明の実施形態のアレイ基板について、画素部分の要部構造を模式的に示す平面図である。
図2は、図1のA−A’線に沿った断面構造を模式的に示す図である。
尚、図1においては、後述する平面状の共通電極14やゲート絶縁膜31等が省略されている。
図1および図2において、アレイ基板1は、透明な基板4の一方の面に、能動素子8が配置された構造を有する。能動素子8は、基板4上に配置された走査信号線7の一部をなすゲート電極7aと、ゲート電極7aの上にゲート絶縁膜31を介して配置された半導体層8aと、半導体層8aに接続する第1のソース−ドレイン電極6と、映像信号線5の一部をなして半導体層8aに接続する第2のソース−ドレイン電極5aとを有し、全体として薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を構成している。
半導体層8aは、例えば、非晶質状態のa−Si(アモルファス−シリコン)、またはa−Siをエキシマレーザまたは固相成長等により結晶化して得られるp−Si(ポリシリコン)等、シリコン(Si)材料を用いることによって形成することができる。
半導体層8aにa−Siを用いる場合、半導体層8aの厚みは、30nm〜500nmとすることが好ましい。また、半導体層8aと、第1のソース−ドレイン電極6または第2のソース−ドレイン電極5aとの間には、オーミックコンタクトを取るための図示されないn+Si層が10nm〜150nmの厚さで形成されることが好ましい。
また、半導体層8aは、酸化物を用いて形成することができる。その半導体層8aに適用可能な酸化物としては、単結晶酸化物、多結晶酸化物およびアモルファス酸化物、並びにこれらの混合物が挙げられる。多結晶酸化物としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)等を挙げることができる。
半導体層8aに適用可能なアモルファス酸化物としては、インジウム(In)、亜鉛(Zn)および錫(Sn)の少なくとも1種類の元素を含み構成されるアモルファス酸化物を挙げることができる。
半導体層8aに適用可能なアモルファス酸化物の具体的例としては、Sn−In−Zn酸化物、In−Ga−Zn酸化物(IGZO:酸化インジウムガリウム亜鉛)、In−Zn−Ga−Mg酸化物、Zn−Sn酸化物(ZTO:酸化亜鉛錫)、In酸化物、Ga酸化物、In−Sn酸化物、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物(IZO:酸化インジウム亜鉛)、Zn−Ga酸化物、Sn−In−Zn酸化物等を挙げることができる。尚、以上の場合、構成材料の組成比は必ずしも1:1である必要はなく、所望の特性を実現する組成比の選択が可能である。
アモルファス酸化物を用いた半導体層8aは、例えば、それがIGZOやZTOを用いて形成される場合、IGZOターゲットやZTOターゲットを用いてスパッタリング法や蒸着法により層形成を行い、フォトリソグラフィ法等を利用して、レジストプロセスとエッチングプロセスによるパターニングを行って形成される。アモルファス酸化物を用いた半導体層8aの厚みは、1nm〜1000nmとすることが好ましい。
以上で例示した酸化物を用いることにより、移動度の高い半導体層8aを低温で形成することができ、優れた性能の能動素子8を提供することができる。
そして、能動素子8の半導体層8aを形成するのに特に好ましい酸化物としては、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、酸化亜鉛錫(ZTO)および酸化インジウム亜鉛(ZIO)を挙げることができる。
これら酸化物を用いることにより能動素子8は、移動度に優れた半導体層8aをより低温で形成して有し、高ON/OFF比を示すことが可能となる。
ゲート電極7aを覆うように配置されたゲート絶縁膜31は、例えば、SiO(二酸化ケイ素)等の金属酸化物やSiN(窒化ケイ素)等の金属窒化物から形成することができる。
能動素子8の上には、能動素子8を被覆するように、無機絶縁膜32が設けられる。無機絶縁膜32は、第1の絶縁膜である有機絶縁膜12、および、第2の絶縁膜である絶縁膜33とは別の絶縁膜であって、第3の絶縁膜である。尚、第2の絶縁膜である絶縁膜33は、上述した本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成された本発明の実施形態の絶縁膜である。
無機絶縁膜32は、例えば、SiO等の金属酸化物やSiN等の金属窒化物から形成することができる。無機絶縁膜32は、半導体層8aが湿度によって影響されるのを防ぐために設けられる。尚、本実施形態のアレイ基板1では、第3の絶縁膜である無機絶縁膜32を設けないことも可能である。すなわち、アレイ基板1では、能動素子8の上に、第1の絶縁膜である有機絶縁膜12を配置する構造とすることも可能である。
能動素子8の上には、無機絶縁膜32を覆うようにして、第1の絶縁膜である有機絶縁膜12が配置される。有機絶縁膜12は、有機絶縁膜形成組成物を用いて形成される絶縁性の膜であり、有機材料を用いて形成される有機絶縁膜である。本実施形態において、有機絶縁膜12は、平坦化膜としての機能を備えていることが好ましく、この観点から厚く形成されることが好ましい。例えば、一般的な構造を備えた能動素子8の場合、有機絶縁膜12は、1μm〜6μmの膜厚で形成することができる。
本実施の形態のアレイ基板1の有機絶縁膜12は、映像信号線5等と能動素子8とが形成された基板4上に、有機絶縁膜形成組成物を塗布し、コンタクトホール17の形成等の必要なパターニングをした後、加熱硬化して形成される。
有機絶縁膜12の形成に用いられる有機絶縁膜形成組成物は、パターニング性を有するように、[X]アルカリ可溶性樹脂を必須成分として構成される感放射線性の樹脂組成物である。[X]アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像性を有する樹脂であれば、限定されない。そして、[X]アルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基を有する構成単位と重合性基を有する構成単位とを含む樹脂、または、ポリアミック酸を脱水閉環してイミド化することにより得られるポリイミド樹脂が好ましい。
有機絶縁膜形成組成物は、ポジ型またはネガ型のいずれとすることもできるが、ポジ型感放射線性の樹脂組成物である場合、[Y]キノンジアジド化合物をさらに必須成分として含有することが好ましく、ネガ型感放射線性樹脂組成物の場合は、[Z]重合性化合物、および[W]感放射線性重合開始剤を含有することが好ましい。
そして、。本実施形態において、例えば、ポジ型の有機絶縁膜形成組成物を用いた有機絶縁膜12では、放射線に感応すると現像液への溶解性が増大して感応部分が除去される。したがって、ポジ型の有機絶縁膜形成組成物を使用する場合、有機絶縁膜12のコンタクトホール17の形成部分に感放射線を照射することにより、比較的容易に所望とするコンタクトホール17を形成することができる。
また、。本実施形態において、ネガ型の有機絶縁膜形成組成物を用いた有機絶縁膜12では、放射線に感応すると現像液への溶解性が低下するため、非感応部分が除去される。したがって、ネガ型の有機絶縁膜形成組成物を使用する場合、有機絶縁膜12のコンタクトホール17の形成部分以外に放射線を照射することにより、所望とするコンタクトホール17を形成することができる。ポジ型に比較して、コンタクトホール17の形状制御が難しくなる短所があるが、得られる有機絶縁膜12の透明性や耐熱性などの点で、長所がある。
有機絶縁膜形成組成物は、上述したように、ポジ型、ネガ型とも、アルカリ可溶性樹脂を含有する。このアルカリ可溶性樹脂は、例えば、カルボキシル基を有する構成単位と重合性基を有する構成単位を含む重合体等とすることができる。アルカリ可溶性樹脂がカルボキシル基を有する構成単位と重合性基を有する構成単位を含む重合体である場合、有機絶縁膜形成組成物から形成された塗膜に放射線を照射しパターンを形成した後、さらに加熱によって硬化をすることができる。すなわち、重合性基を有する樹脂同士において、重合性基が加熱で反応することで架橋し、高度に架橋ネットワークを形成した硬化膜を形成することができる。このような硬化膜は、その後さらに加熱されることがあっても、膜の伸縮が小さいために、この上に形成される膜に与えるストレスを最小限にすることができる。したがって、有機絶縁膜12を形成した後、この上に設けられる他の膜の硬化工程で、有機絶縁膜12がさらに加熱処理を受けても、それによる有機絶縁膜12のサイズの変動は最小限に抑えられる。これにより、有機絶縁膜12上の共通電極14や絶縁膜33に加わるストレスを小さくすることができる。
このように、有機絶縁膜12の加熱による膜の伸縮が小さいことによって、ITO等からなる共通電極14とその上に配置される絶縁膜33との間で剥離が発生するのを防止することができる。
後述する画素電極9と第1のソース−ドレイン電極6とを接続するため、有機絶縁膜12には、有機絶縁膜12を貫通するコンタクトホール17が形成されている。コンタクトホール17は、有機絶縁膜12の下層にある無機絶縁膜32も貫通するように形成される。有機絶縁膜12は、感放射線性の樹脂組成物である有機絶縁膜形成組成物を用いて形成される。したがって、例えば、有機絶縁膜12に放射線を照射して貫通孔を形成した後、この有機絶縁膜12をマスクとして無機絶縁膜32に対してドライエッチングを行うことにより、コンタクトホール17を形成することができる。尚、アレイ基板1が無機絶縁膜32を有さない構造の場合、有機絶縁膜12に放射線を照射して形成される貫通孔がコンタクトホール17になる。
有機絶縁膜12の上面は平坦であり、この上に共通電極14(図1には図示されない。)が設けられている。共通電極14は、平面状に形成され、コンタクトホール17を避けて全面にベタで形成される。
共通電極14は、例えば、ITO等の透明導電材料からなる膜を、スパッタリング法等を利用して成膜する。そして、フォトリソグラフィ法等を利用してパターニングを行い、コンタクトホール17を囲むように開口部を設ける。これにより、図2の構造の共通電極14を形成することができる。
有機絶縁膜12と共通電極14の上には、これらを被覆する第2の絶縁膜として、本発明の実施形態の絶縁膜33が設けられている。この絶縁膜33は、上述した本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成された、塗布型の有機絶縁膜である。絶縁膜33は、上述した従来のSiNからなる層間絶縁膜を代替するものであり、本実施形態のアレイ基板1の主要な構成要素となる。
本実施形態の絶縁膜33は、上述した有機絶縁膜12のコンタクトホール17と同じ位置に開口部を有している。このため、有機絶縁膜12のコンタクトホール17は、絶縁膜33によって塞がれることはなく、後述する絶縁膜33上の画素電極9と、半導体層8aに接続する第1のソース−ドレイン電極6との間の電気的な接続を可能とする。このとき、コンタクトホール17は、上部と底部が開口して有機絶縁膜12を貫通する状態が保持されればよく、コンタクトホール17の内壁の少なくとも一部が絶縁膜33によって被覆されていてもよい。
第2の絶縁膜である本発明の実施形態の絶縁膜33は、上述したように、従来のSiN等からなる層間絶縁膜を代替するものであり、有機材料を用いた塗布型の有機絶縁膜である。絶縁膜33は、本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて塗布による塗膜形成を行い、フォトリソグラフィ法等を利用して所定のパターニングがなされて形成される。
尚、フォトリソグラフィ法には、加工や処理を受ける基板の表面に、レジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程、光や電子線を照射して所定のレジストパターンを露光することによりレジストパターン潜像を形成する露光工程、必要に応じ加熱処理する工程、次いでこれを現像して所望の微細パターンを形成する現像工程、および、この微細パターンをマスクとして基板に対してエッチング等の加工を行う工程が含まれる。
そして、本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物は、本実施形態のアレイ基板1において、本実施形態の絶縁膜33が所望とする誘電率および屈折率を実現できるように、組成の最適化がなされている。すなわち、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、絶縁膜33において、誘電率を高める制御が可能となるように、高誘電率化のための成分が含有されている。例えば、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[C]成分として、[C]チタン酸化物と、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよび鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素とを含む化合物を含有して構成される。また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述したように、[D]成分として、[D]ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ重合体と、ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ(メタ)アクリレート化合物とからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことができる。
さらに、本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[C]化合物を含有することにより、それを用いて形成される絶縁膜33の高屈折率化が可能となる。例えば、絶縁膜33の屈折率は、1.55〜1.85の範囲内に制御することができる。
そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、パターニング性に優れ、併せて、高い硬化性能を示して優れた絶縁性を示すように、[C]成分と[D]成分との併用等、最適な組成設計が可能である。
その結果、アレイ基板1は、絶縁膜33の誘電率等の調整がなされ、従来のSiNからなる無機層間絶縁膜との代替が容易に行えるように構成されている。
絶縁膜33の膜厚は特に限定されないが、共通電極14と画素電極9との間の絶縁性を確保するとともに、所望とする静電容量を実現するのに好適な厚みであることが好ましい。絶縁膜33の膜厚は、好ましくは0.1μm〜8μm、より好ましくは0.1μm〜6μm、さらに好ましくは0.1μm〜4μmである。
また、絶縁膜33は、有機絶縁膜12、共通電極14および画素電極9と同様、アレイ基板1を構成する構成要素として、優れた可視光透過性が求められる。本実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成された本実施形態の絶縁膜33は、優れた透明性を備えている。その結果、絶縁膜33は、波長400nmの光の透過率を85%以上とすることができ、成分組成の選択により、90%以上とすることも可能である。
以上で説明した本実施形態の絶縁膜33は、有機絶縁膜12のコンタクトホール17を塞ぐことがないようにパターニングされる一方、共通電極14を覆うように配置される。
本実施形態の絶縁膜33の上には、画素電極9が設けられている。画素電極9は、透明電極であって、櫛歯状に形成された部分を有する(以下、単に「櫛歯状」または「櫛歯状の」と言う。)。櫛歯状の形状(以下、単に「櫛歯形状」と言うことがある。)の画素電極9は、コンタクトホール17を介して、半導体層8aに接続する第1のソース−ドレイン電極6と接続する。こうした構造とすることにより、画素の開口率を向上させることができ、高輝度な表示を提供する画素構造を実現できる。
本発明の実施形態の絶縁膜33を含む本発明の実施形態のアレイ基板1は、本発明の実施形態の液晶表示素子の構成に用いられる。そして、櫛歯状の画素電極9と上述したベタ状の共通電極14との間に電圧を印加することにより、画素電極9と共通電極14との間に、基板4の面と平行な成分を有する電界が形成される。その結果、本実施形態の液晶表示素子では、液晶層の液晶分子を基板4の面と平行な面内において回転動作(配向変化)させることができる。
画素電極9は、次のようにして形成することができる。例えば、ITO(Indium Tin Oxide:錫をドープした酸化インジュウム)等の透明導電材料からなる膜を、スパッタリング法等を利用して成膜する。次いで、フォトリソグラフィ法等を利用してパターニングを行い、櫛歯形状の電極を形成する。
画素電極9の上には、画素電極9を覆うように、配向膜10を設けることが可能である。配向膜10は、液晶層の配向を制御する。より具体的には、配向膜10は、アレイ基板1を用いて形成された本実施形態の液晶表示素子において、液晶層を構成する液晶分子の配向を制御し、ひいては液晶層の配向を制御する。
配向膜10は、(1)光配向性基を有する感放射線性重合体を含む液晶配向剤(以下、単に、(1)液晶配向剤を言うことがある。)、または、(2)光配向性基を有さないポリイミドを含む液晶配向剤(以下、単に、(2)液晶配向剤と言うことがある。)を用いて得ることができる。(1)液晶配向剤は樹脂組成物であって、有機絶縁膜12の形成に用いられる有機絶縁膜形成組成物や絶縁膜33の形成に用いられる本実施形態の感放射線性樹脂組成物とは異なるものであるが、200℃以下の低温熱処理で硬化する。また、(2)液晶配向剤に含有されるポリイミドは、溶媒可溶型のポリイミドであり、(2)液晶配向剤は(1)と同様に、200℃以下の加熱処理で硬化する。したがって、これらの液晶配向剤によって配向膜10を形成することにより、配向膜10の形成工程における加熱が、有機絶縁膜12や本実施形態の絶縁膜33に与える影響を最小限にすることができる。例えば、配向膜10の形成工程の加熱によって生じる恐れのある有機絶縁膜12の伸縮を最小限に抑えることができる。また、200℃以下での加熱処理が可能となることで、省エネルギーの観点からも好ましいアレイ基板の製造方法を提供することができる。
以上の構造を備えたアレイ基板1では、映像信号線5と走査信号線7とがマトリクス状に配設されている。能動素子8は、映像信号線5と走査信号線7の交差部近傍に設けられており、それらは、アレイ基板1上で区画された各画素を構成する。
図3は、本発明の実施形態のアレイ基板を用いた液晶表示素子の模式的な断面図である。
図3に示すように、液晶表示素子41は、図1および図2に示したアレイ基板1と、カラーフィルタ基板22とからなる、アクティブマトリクス型のFFSモードのカラー液晶表示素子である。液晶表示素子41は、基板4および基板11に対して平行に配向する液晶層23を介して、アレイ基板1とカラーフィルタ基板22とが対向する構造を有する。
アレイ基板1は、図3に示すように、透明な基板4の液晶層23の側の面に、スイッチングに用いられる能動素子8を有する。能動素子8は、上述したように、ゲート電極7aと、ゲート絶縁膜31と、半導体層8aと、第1のソース−ドレイン電極6と、第2のソース−ドレイン電極5aとを有し、全体としてTFT素子を構成している。そして、アレイ基板1上では、第2のソース−ドレイン電極5aに接続する映像信号線5(図3では図示されない。)と、ゲート電極7aに接続する走査信号線7(図3では図示されない。)とがマトリクス状に配設される。能動素子8は、映像信号線5と走査信号線7の交差部近傍に設けられており、それらによって、アレイ基板1上で区画された各画素を構成している。
能動素子8の上には、第3の絶縁膜である無機絶縁膜32を設けることができ、無機絶縁膜32を覆うようにして第1の絶縁膜である有機絶縁膜12が配置される。有機絶縁膜12は、上述したように、有機絶縁膜形成組成物を用いて形成され、平坦化膜としての機能も備えるように厚く形成されている。
有機絶縁膜12の上には、ベタ状の共通電極14が、コンタクトホール17を避けて配置される。共通電極14および有機絶縁膜12の上には、第2の絶縁膜である本実施形態の絶縁膜33が配置される。本実施形態の絶縁膜33は、上述したように、本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物を用い、従来のSiNからなる層間絶縁膜を代替して設けられた有機絶縁膜であり、本実施形態の液晶表示素子41の主要な構成要素となる。
本実施形態の絶縁膜33の上には、透明電極であって、櫛歯状に形成された部分を有する画素電極9が配置される。また、有機絶縁膜12には、有機絶縁膜12を貫通し、さらにその下層の無機絶縁膜32も貫通するコンタクトホール17が形成されている。画素電極9は、コンタクトホール17を介して、半導体層8aに接続する第1のソース−ドレイン電極6と接続する。画素電極9の上には、液晶層23の配向を制御する配向膜10が設けられる。
カラーフィルタ基板22は、透明な基板11の液晶層23の側の面に設けられる。また、カラーフィルタ基板22は、着色パターン15と、ブラックマトリクス13とが配置されて構成される。着色パターン15は、赤色、緑色および青色の各微小なパターンが、格子状等の規則的な形状をとって配列される。尚、着色パターン15の色については、上記の赤色、緑色および青色の3色に限られるわけではなく、他の色を選択することや、他に黄色を加えて4色の着色パターンとすることも可能である。これら各色のパターンを配列して、カラーフィルタ基板を構成することができる。
カラーフィルタ基板22において、その液晶層23と接する面には、アレイ基板1と同様の配向膜10が設けられている。尚、配向膜10とカラーフィルタ基板22との間に、カラーフィルタ基板22の表面の凹凸を平坦化する目的で、平坦化膜を形成することも可能である。
上述の通り、本実施形態の液晶表示素子41においては、アレイ基板1とカラーフィルタ基板22の各液晶層23と接する面に配向膜10が設けられる。配向膜10は、必要な場合にラビング等の配向処理が施され、アレイ基板1とカラーフィルタ基板22との間に挟持された液晶層23の均一な平行配向を実現する。
液晶層23を介して対向する、アレイ基板1とカラーフィルタ基板22との間の距離は、スペーサ(図示されない)によって所定の値に保持されており、通常、2μm〜10μmである。また、アレイ基板1とカラーフィルタ基板22は、これらの周辺部に設けられたシール材(図示されない)によって互いに固定されている。
アレイ基板1とカラーフィルタ基板22において、液晶層23に接する側と反対の側には、それぞれ偏光板28が配置されている。
図3において、符号27は、液晶表示素子41の光源となるバックライトユニット(図示されない)から液晶層23に向けて照射されたバックライト光である。
バックライトユニットとしては、例えば、冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)等の蛍光管と、散乱板とが組み合わされた構造のものを用いることができる。また、白色LEDを光源とするバックライトユニットを用いることもできる。白色LEDとしては、例えば、赤色LEDと、緑色LEDと、青色LEDとを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと、赤色LEDと、緑色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと、赤色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと、YAG系蛍光体との混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと、橙色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、紫外線LEDと、赤色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体と、青色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED等を挙げることができる。
以上述べたように、本実施形態の液晶表示素子41は、本実施形態のアレイ基板1と、カラーフィルタ基板22とによって、液晶層23を挟持した構成を有する。アレイ基板1では、有機絶縁膜12および無機絶縁膜32を貫通して設けられたコンタクトホール17を介して、画素電極9と第1のソース−ドレイン電極6との電気的接続が実現される。そして、画素電極9に対して映像信号線5による信号電圧が印加される。その結果、画素電極9と共通電極14との間に発生する横電界、すなわち、画素電極9と共通電極14との間に発生する電界の基板4、11と平行な成分によって、液晶層23の液晶分子を基板4、11と平行な面内において回転動作(配向変化)させることができる。この液晶分子の基板4、11の面内での回転動作を利用して、液晶表示素子41は、画素毎に液晶層23の光の透過特性を制御して画像を形成する。
ここで、液晶表示素子41は、液晶層23の液晶分子が、基板4、11の面内で回転動作するFFSモードの液晶表示素子であり、液晶分子の動作が従来のTNモード等と異なっている。すなわち、液晶表示素子41は、液晶層を挟持する基板4、11に対する液晶分子のチルト角の変化が少ない。したがって、液晶表示素子41は、広い視角特性を実現して、高画質化の画像表示が可能な表示素子となる。
また、本実施形態の液晶表示素子41は、共通電極14の上に本発明の実施形態の絶縁膜33が設けられ、さらに絶縁膜33の上に櫛歯形状の画素電極9が配置される構造を有する。この構造によれば、画素の開口率が向上し、高輝度の画像表示が実現される。
そして、液晶表示素子41において、本実施形態の絶縁膜33は、上述した本実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成された、有機材料からなる塗布型の有機絶縁膜である。すなわち、本発明の実施形態の絶縁膜33は、塗布法による塗膜の形成とフォトリソグラフィ法を用いたパターニングが可能である。その結果、本実施形態の絶縁膜33は、高スループットの成膜を可能とし、高い生産性を実現することができる。また、液晶表示素子41は、有機材料を用いた絶縁膜33において、誘電率を高める制御を可能とする成分の設計がなれている。したがって、本実施形態の液晶表示素子41は、従来のSiNからなる無機層間絶縁膜を用いなくとも、本実施形態の絶縁膜33によりそれを代替し、従来と同様の優れた画像表示が可能となる。
以上のように、本実施形態の液晶表示素子は、高生産性、優れた画質および高い信頼性を備える。そして、こうした性能の実現において、本実施形態のアレイ基板が重要な構成要素となり、特に、アレイ基板の第2の絶縁膜である本実施形態の絶縁膜の特性が重要となる。上述した本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成された本実施形態の絶縁膜は、有機材料を用いて構成される一方で、望ましい誘電特性を有するよう誘電率の制御が可能であり、従来のSiNからなる無機層間絶縁膜を容易に代替することができる。
次に、本実施形態の絶縁膜の製造方法および本実施形態のアレイ基板の製造方法について説明する。
<絶縁膜およびアレイ基板の製造方法>
本発明の実施形態のアレイ基板の製造工程においては、上述した本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物を用い、上述の第2の絶縁膜である本発明の実施形態の絶縁膜を形成する工程が主要な工程として含まれる。
そして、上述した有機絶縁膜形成組成物を用いて第1の絶縁膜である有機絶縁膜を形成する工程を含むことができる。さらに、本実施形態のアレイ基板の製造工程においては、アレイ基板上に配向膜を形成するために、上述したように、液晶配向剤から配向膜を形成する工程を含むことができる。
本実施形態のアレイ基板の製造方法においては、有機絶縁膜、本実施形態の絶膜膜および配向膜の順でそれぞれが形成され、まず、基板上に有機絶縁膜が形成される。そのため、本実施形態のアレイ基板の製造方法は、下記の工程[1]〜工程[4]をこの順で含むことが好ましい。次に、有機絶縁膜の形成された基板上で、共通電極と画素電極との間に本実施形態の絶縁膜が形成されるように、下記の工程[5]〜工程[7]をこの順で含むことが好ましい。さらに、有機絶縁膜および本実施形態の絶縁膜が形成されたアレイ基板上に配向膜を形成するよう、工程[8]を含むことが好ましい。
本実施形態のアレイ基板の製造方法に含まれる工程[1]〜工程[8]は、以下に示すとおりである。
[1]有機絶縁膜形成組成物の塗膜を、スイッチングに用いられる能動素子の形成された基板上に形成する工程(以下、「工程[1]」と言うことがある。)。
尚、基板上には、電極等が形成されていてもよい。以下においては、能動素子および電極等、すなわち、既に説明した半導体層、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース−ドレイン電極、映像信号線、および走査信号線等について、「能動素子等」と総称することがある。
[2]工程[1]で形成された有機絶縁膜形成組成物の塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程(以下、「工程[2]」と言うことがある。)。
[3]工程[2]で放射線が照射された塗膜を現像する工程(以下、「工程[3]」と言うことがある。)。
[4]工程[3]で現像された塗膜を硬化して絶縁膜を形成する工程(以下、「工程[4]」と言うことがある。)。
[5]本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜を、工程[1]〜工程[4]を経て形成された有機絶縁膜を有する基板に形成する工程(以下、「工程[5]」と言うことがある。)。
[6]工程[5]で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程(以下、「工程[6]」と言うことがある。)。
[7]工程[6]で放射線を照射された塗膜を現像する工程(以下、「工程[7]」と言うことがある。)。
[8]液晶配向剤の塗膜を、工程[1]〜工程[4]を経て形成された有機絶縁膜と、工程[5]〜工程[7]を経て形成された絶縁膜とを有する基板に形成し、その塗膜を加熱して配向膜を形成する工程(以下、「工程[8]」と言うことがある。)。
上記工程[4]と工程[5]の間には、工程[4]で形成された有機絶縁膜の上に共通電極を設ける工程を有することが好ましい。そして、上記工程[7]と工程[8]の間には、工程[7]で形成された絶縁膜の上に櫛歯形状の画素電極を設ける工程を有することが好ましい。これら上記工程[4]と工程[5]の間および上記工程[7]と工程[8]の間の各工程では、公知の技術を利用して、共通電極および画素電極が形成される。
工程[1]〜工程[4]によれば、上述した有機絶縁膜形成組成物を用いて、能動素子等の形成された基板上に有機絶縁膜を形成することができる。基板上に形成される有機絶縁膜は、コンタクトホールを有する。また、この有機絶縁膜は、その後の加熱処理による膜の伸縮率が低減されたものである。
そして、工程[5]〜工程[7]によれば、本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて、能動素子等、有機絶縁膜、共通電極等の形成された基板上に本発明の実施形態の絶縁膜を形成することができる。そして、上述したように、その絶縁膜上に櫛歯形状の画素電極を設けることにより、共通電極と画素電極との間に本発明の実施形態の絶縁膜を配置することができる。
形成された本発明の実施形態の絶縁膜は、塗布法等による簡便な成膜とパターニングが可能な塗布型の絶縁膜である。本実施形態の絶縁膜は、有機材料を用いて構成され、ITO等からなる共通電極との間で優れた接着力を示す。また、本実施形態の絶縁膜は、硬化性に優れ、その結果、優れた絶縁性を示す。さらに、誘電率が所望の値に制御されて静電容量が制御されており、従来技術であるSiNからなる層間絶縁膜を代替して、表示素子用等に好適に用いることができる。
また、工程[8]によれば、上述した液晶配向剤を用い、例えば、低温硬化によって基板上に配向膜を形成することができる。
したがって、工程[1]〜工程[8]によれば、所定の位置にコンタクトホールが設けられた高信頼性の有機絶縁膜と、所望の誘電率と優れた絶縁性とを備えた塗布型の本実施形態の絶縁膜とを有する本実施形態のアレイ基板が製造される。
以下、上述の工程[1]〜工程[4]、工程[5]〜工程[7]および工程[8]についてより詳細に説明する。
[工程[1]]
本工程では、上述した有機絶縁膜形成組成物の塗膜を基板上に形成する。この基板には、スイッチングに用いるための能動素子および電極等が形成されている。これら能動素子等は、基板上で、通常の半導体膜成膜および公知の絶縁層形成等と、フォトリソグラフィ法によるエッチングを繰り返す等して公知の方法にしたがって形成されたものである。尚、基板として、スイッチング能動素子等の上に、例えば、SiO等の金属酸化物やSiN等の金属窒化物からなる無機絶縁膜が形成されたものを用いることも可能である。
上記基板において、能動素子等が形成された面に、上述の有機絶縁膜形成組成物を塗布した後、プレベークを行って溶媒を蒸発させ、塗膜を形成する。
基板の材料としては、例えば、ソーダライムガラスおよび無アルカリガラス等のガラス基板、シリコン基板、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミドおよびポリイミド等の樹脂基板等が挙げられる。また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の前処理を施しておくこともできる。
有機絶縁膜形成組成物の塗布方法としては、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法またはスピンナ法と称されることもある。)、スリット塗布法(スリットダイ塗布法)、バー塗布法、インクジェット塗布法等の適宜の方法が採用できる。これらのうち、均一な厚みの膜を形成できる点から、スピンコート法またはスリット塗布法が好ましい。
上述のプレベークの条件は、有機絶縁膜形成組成物を構成する各成分の種類、配合割合等によって異なるが、70℃〜120℃の温度で行うのが好ましく、時間は、ホットプレートやオーブン等の加熱装置によって異なるが、おおよそ1分間〜15分間程度である。塗膜のプレベーク後の膜厚は、0.5μm〜10μmが好ましく、1.0μm〜7.0μm程度がより好ましい。
[工程[2]]
次いで、工程[1]で形成された塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する。このとき、塗膜の一部にのみ照射するには、例えば、所望のコンタクトホールの形成に対応するパターンのフォトマスクを介して行う。
照射に使用される放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線等が挙げられる。このうち波長が200nm〜550nmの範囲にある放射線が好ましく、365nmの紫外線を含む放射線がより好ましい。
放射線照射量(露光量とも言う。)は、照射される放射線の波長365nmにおける強度を照度計(OAI model 356、Optical Associates Inc.製)により測定した値として、10J/m〜10000J/mとすることができ、100J/m〜5000J/mが好ましく、200J/m〜3000J/mがより好ましい。
[工程[3]]
次に、工程[2]の放射線照射後の塗膜を現像して不要な部分を除去し、所定の形状のコンタクトホールが形成された塗膜を得る。
現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリや、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩や、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の水溶液が使用できる。上述のアルカリ性化合物の水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を適当量添加して使用することもできる。さらに、界面活性剤をそれのみで、または、上述の水溶性有機溶媒の添加とともに、適当量添加して使用することもできる。
現像方法は、液盛り法、ディッピング法、シャワー法、スプレー法等のいずれでもよく、現像時間は、常温で5秒間〜300秒間とすることができ、好ましくは常温で10秒間〜180秒間程度である。現像処理に続いて、例えば、流水洗浄を30秒間〜90秒間行った後、圧縮空気や圧縮窒素で風乾することによって、所望のパターンが得られる。
[工程[4]]
次いで、工程[3]で得られた塗膜を、ホットプレート、オーブン等の適当な加熱装置を用いた加熱により硬化(ポストベークとも言う。)する。これにより、硬化膜として、上述した有機絶縁膜が得られる。硬化後の有機絶縁膜の膜厚は、1μm〜5μmが好ましい。有機絶縁膜には、[3]工程により、所望の位置に配置されたコンタクトホールが形成されている。
工程[4]で有機絶縁膜を形成した後は、有機絶縁膜の上に、第1の電極として、透明電極である共通電極を設ける工程を有することが好ましい。例えば、スパッタリング法等を利用して、有機絶縁膜の上に、ITOからなる透明導電層を形成することができる。次いで、フォトリソグラフィ法を利用してこの透明導電層をエッチングし、有機絶縁膜上のコンタクトホールが配置されない領域に、透明電極としてベタ状の共通電極を形成することができる。
[工程[5]]
本工程では、工程[4]で得られた有機絶縁膜付きの基板を用い、その基板上に本実施形態の感放射線性樹脂組成物を塗布する。次いで、好ましくは塗布面を加熱(プレベーク)し、塗膜に溶剤が含有される場合にその溶剤を除去して、塗膜を形成する。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されない。例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法等の適宜の方法を採用することができる。これらの塗布方法の中でも、特にスピンコート法またはスリットダイ塗布法が好ましい。プレベークの条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、好ましくは70℃〜120℃で1分間〜10分間程度とすることができる。
[工程[6]]
次いで、本工程では、工程[5]で形成された基板上の塗膜の少なくとも一部に、放射線を照射する。この場合、塗膜の一部に放射線を照射する際には、所定のパターンを有するフォトマスクを介して行うことが好ましい。放射線の照射に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用できる。これらの放射線の中でも、波長が190nm〜450nmの範囲にある放射線が好ましく、特に365nmの紫外線を含む放射線が好ましい。
工程[6]における放射線の照射量は、放射線の波長365nmにおける強度を、照度計(OAI model356、OAI Optical Associates Inc.製)により測定した値として、好ましくは100J/m〜10000J/m、より好ましくは500J/m〜6000J/mである。
[工程[7]]
次いで、本工程では、工程[6]で得られた放射線照射後の塗膜を現像することにより、不要な部分(感放射線性樹脂組成物がネガ型の場合は、塗膜の放射線の非照射部分。)を除去して、所定のパターンを形成する。
工程[7]の現像工程に使用される現像液としては、アルカリ(塩基性化合物)の水溶液からなるアルカリ現像液の使用が好ましい。アルカリの例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
また、このようなアルカリ現像液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。アルカリ現像液におけるアルカリの濃度は、適当な現像性を得る観点から、好ましくは0.1質量%〜5質量%とすることができる。現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法等の適宜の方法を利用することができる。現像時間は、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の組成によって異なるが、好ましくは10秒間〜180秒間程度である。このような現像処理に続いて、例えば、流水洗浄を30秒間〜90秒間行った後、例えば、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、所望のパターンを形成することができる。
以上のように、工程[5]〜工程[7]により形成された基板上の本発明の実施形態の絶縁膜は、透明性が高く、また、5〜10程度となる高い誘電率を示すことができる。また、優れた硬化性と絶縁性を備えるため、薄膜化することも可能である。したがって、薄膜化等の膜厚の調整を併せて行うことができ、従来のSiNからなる層間絶縁膜を用いた場合と同様の静電容量特性を有するように、その制御を行うことができる。
さらに、本実施形態の絶縁膜は、通常の有機膜に比べ、高い屈折率を有している。本実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成される絶縁膜は、各成分の配合比等によって異なるが、1.50以上、さらには1.55以上の高い値の屈折率を有することができる。そのため、後述する画素電極等を構成するITO等との間の屈折率差を小さくすることができ、その屈折率差に起因する表示品位の低下を抑えることができる。
本実施形態の絶縁膜の膜厚としては、好ましくは0.1μm〜8μm、より好ましくは0.1μm〜6μm、さらに好ましくは0.1μm〜4μmである
上述したように、本実施形態の絶縁膜を形成した後は、その絶縁膜の上に、第2の電極として、櫛歯形状の画素電極を設ける工程を有することが好ましい。例えば、スパッタリング法等を利用して、本実施形態の絶縁膜の上に、ITOからなる透明導電層を形成することができる。次いで、フォトリソグラフィ法を利用してこの透明導電層をエッチングし、上述した絶縁膜上に透明電極として櫛歯形状の画素電極を形成することができる。画素電極は、上述した有機絶縁膜のコンタクトホールを介することによって、基板上のスイッチング能動素子との電気的接続を可能にする。
尚、共通電極および画素電極は、ITOの他、可視光に対する高い透過率と導電性を有する透明な材料を用いて構成することができる。例えば、IZO(Indium Zinc Oxide)や、ZnO(酸化亜鉛)や、酸化スズ等を用いて構成することができる。
[工程[8]]
工程[7]で得られた有機絶縁膜および本実施形態の絶縁膜の設けられた基板を用い、上述のように共通電極上の絶縁膜の上に画素電極を形成した後、画素電極上に、上述した液晶配向剤を塗布する。塗布方法としては、例えば、ロールコーター法、スピンナ法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
次いで、液晶配向剤の塗布された基板をプレベークし、その後、ポストベークすることにより塗膜を形成する。
プレベーク条件は、例えば、40℃〜120℃で0.1分間〜5分間である。ポストベーク条件の温度は、好ましくは120℃〜230℃であり、より好ましくは150℃〜200℃であり、さらに好ましくは150℃〜180℃である。また、ポストベークの時間は、ホットプレートやオーブン等の加熱装置によって異なるが、通常は、好ましくは5分間〜200分間であり、より好ましくは10分間〜100分間である。ポストベーク後の塗膜の膜厚は、好ましくは0.001μm〜1μmであり、より好ましくは0.005μm〜0.5μmである。
液晶配向剤を塗布する際に使用される液晶配向剤の固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計重量が液晶配向剤の全重量に占める割合)は、粘性、揮発性等を考慮して適宜に選択されるが、好ましくは、1重量%〜10重量%である。
液晶配向剤として、(1)光配向性基を有する感放射線性重合体を含む液晶配向剤を用いる場合は、上述の塗膜に、直線偏光もしくは部分偏光された放射線、または、非偏光の放射線を照射することにより、液晶配向能を付与する。こうした偏光放射線の照射は、配向膜の配向処理に対応する。
ここで、放射線としては、例えば、150nm〜800nmの波長の光を含む紫外線および可視光線を用いることができる。特に、放射線として、300nm〜400nmの波長の光を含む紫外線を用いることが好ましい。使用する放射線が直線偏光または部分偏光している場合には、照射は基板面に垂直の方向から行っても、プレチルト角を付与するために斜め方向から行ってもよく、また、これらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線を照射する場合には、照射の方向は斜め方向である必要がある。
放射線の照射量としては、好ましくは1J/m以上10000J/m未満であり、より好ましくは10J/m〜3000J/mである。
液晶配向剤として、(2)光配向性基を有さないポリイミドを含む液晶配向剤を用いる場合は、ポストベーク後の塗膜を配向膜として使用することも可能である。そして、必要に応じて、ポストベーク後の塗膜に対し、例えば、ナイロン、レーヨン、コットン等の繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦る処理(ラビング処理)を施して、液晶配向能を付与することが可能である。
以上のように、本実施形態のアレイ基板上に配向膜を形成する場合、上述の液晶配向剤を使用し、例えば、200℃以下の加熱温度、場合に応じて、樹脂基板上での形成により好適な180℃以下の加熱温度で配向膜を形成することが可能である。配向膜形成工程での硬化温度をかかる低温とすることにより、上述した工程[1]〜工程[4]で形成された有機絶縁膜および工程[5]〜工程[7]で形成された本発明の実施形態の絶縁膜が、配向膜の形成工程で高温の状態に晒されるのを避けることができる。
以下、実施例に基づき本発明の実施形態を詳述するが、この実施例によって本発明が限定的に解釈されるものではない。
<[A]重合体の合成>
[合成例1]
冷却管および攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部と3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部とを仕込んだ。引き続き、(a−1)メタクリル酸20.0質量部、(a−2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(a−3)スチレン40.0質量部、(a−4)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルメタクリラート30質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって、共重合体である重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=29.1質量%、Mw=6800、Mw/Mn=1.8)。13C−NMR分析の結果、上記(a−1)由来の(a−1)構造単位、上記(a−2)由来の(a−2)構造単位、上記(a−3)由来の(a−3)構造単位および(a−4)由来の(a−4)構造単位の含有量はそれぞれ24.1モル%、7.2モル%、38.6モル%、13.7モル%であった。また、未反応の(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)の含有量はそれぞれ4.1モル%、1.3モル%、8.1モル%、2.9モル%であった。尚、これらの含有量は、H−NMR、13C−NMR、FT−IRおよび熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析により求めた。
<[C]化合物分散液の調製>
ポリビンまたはガラス瓶に、[C]化合物としての(C−1)を25質量部、[I]分散剤としての(I−1)を5重量部、溶剤としての(G−2)を70質量部添加し、0.1μmのジルコニアビーズを仕込重量の3.5倍分添加して密封し、軽く撹拌して溶剤と粒子成分と有機成分とをなじませた。これをペイントシェーカにセットし、3時間分散処理し、メッシュフィルタでジルコニアビーズを除去して[C]化合物分散液(C−1)を得た。
<[D]化合物([D−6]アミド結合を持つ重合体)の合成>
[合成例2]
フラスコに、メタクリル酸8質量部、ベンジルメタクリレート36質量部、ジメチルアクリルアミド50質量部、アゾビスイソブチロニトリル4質量部、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)2質量部を投入し、S/M比が2になるように1−メトキシ−2−プロパノールを加えた。次いで、室温、窒素雰囲気下で撹拌し、全ての上記モノマーが溶解した後、溶液の温度を90℃に上昇させ、窒素雰囲気下で5時間保持することによって、[D]化合物としての[D−6]アミド結合を持つ重合体を得た。
<[J]比較成分([J−3]ウレタン結合およびアミド結合のいずれも持たないアクリルポリマー)の合成>
[合成例3]
フラスコに、メタクリル酸8質量部、ベンジルメタクリレート36質量部、イソブチルメタクリレート50質量部、アゾビスイソブチロニトリル4質量部、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)2質量部を投入し、S/M比が2になるように1−メトキシ−2−プロパノールを加えた。次いで、室温、窒素雰囲気下で撹拌し、全ての上記モノマーが溶解した後、溶液の温度を90℃に上昇させ、窒素雰囲気下で5時間保持することによって、[J]比較成分としての[J−3]ウレタン結合およびアミド結合のいずれも持たないアクリルポリマーを得た。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
[実施例1]
[A]重合体としての(A−1)を含有する溶液に、[A]重合体100質量部(固形分)に相当する量に対して、[B]感光剤としての感放射線性重合開始剤(B−1)10質量部、[C]化合物分散液(C−1)100質量部(固形分)、高誘電有機成分である[D]化合物としての(D−1)100質量部、[E]密着助剤としての(E−1)5質量部、および、[F]界面活性剤としての(F−1)0.10質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように[G]有機溶媒としての(G−1)、(G−2)に溶解および分散をさせた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物(S−1)を調製した。
[実施例2]
[A]重合体としての(A−1)を含有する溶液に、[A]重合体100質量部(固形分)に相当する量に対して、[B]感光剤としての感放射線性重合開始剤(B−1)10質量部、[C]化合物分散液(C−1)100質量部(固形分)、高誘電有機成分である[D]化合物としての(D−2)100質量部、[E]密着助剤としての(E−1)5質量部、および、[F]界面活性剤としての(F−1)0.10質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように[G]有機溶媒としての(G−1)、(G−2)に溶解および分散をさせた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物(S−2)を調製した。
[実施例3]
[A]重合体としての(A−1)を含有する溶液に、[A]重合体100質量部(固形分)に相当する量に対して、[B]感光剤としての感放射線性重合開始剤(B−1)10質量部、[C]化合物分散液(C−1)100質量部(固形分)、高誘電有機成分である[D]化合物としての(D−3)100質量部、[E]密着助剤としての(E−1)5質量部、および、[F]界面活性剤としての(F−1)0.10質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように[G]有機溶媒としての(G−1)、(G−2)に溶解および分散をさせた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物(S−3)を調製した。
[実施例4]
[A]重合体としての(A−1)を含有する溶液に、[A]重合体100質量部(固形分)に相当する量に対して、[B]感光剤としての感放射線性重合開始剤(B−1)10質量部、[C]化合物分散液(C−1)100質量部(固形分)、高誘電有機成分である[D]化合物としての(D−4)100質量部、[E]密着助剤としての(E−1)5質量部、および、[F]界面活性剤としての(F−1)0.10質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように[G]有機溶媒としての(G−1)、(G−2)に溶解および分散をさせた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物(S−4)を調製した。
[実施例5]
[A]重合体としての(A−1)を含有する溶液に、[A]重合体100質量部(固形分)に相当する量に対して、[B]感光剤としての感放射線性重合開始剤(B−1)10質量部、[C]化合物分散液(C−1)100質量部(固形分)、高誘電有機成分である[D]化合物としての(D−5)100質量部、[E]密着助剤としての(E−1)5質量部、および、[F]界面活性剤としての(F−1)0.10質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように[G]有機溶媒としての(G−1)、(G−2)に溶解および分散をさせた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物(S−5)を調製した。
[実施例6]
[A]重合体としての(A−1)を含有する溶液に、[A]重合体100質量部(固形分)に相当する量に対して、[B]感光剤としての感放射線性重合開始剤(B−1)10質量部、[C]化合物分散液(C−1)100質量部(固形分)、高誘電有機成分である[D]化合物としての(D−6)100質量部、[E]密着助剤としての(E−1)5質量部、および、[F]界面活性剤としての(F−1)0.10質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように[G]有機溶媒としての(G−1)、(G−2)に溶解および分散をさせた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物(S−6)を調製した。
[実施例7]
[A]重合体としての(A−1)を含有する溶液に、[A]重合体100質量部(固形分)に相当する量に対して、[B]感光剤としての感放射線性重合開始剤(B−1)10質量部、[C]化合物分散液(C−1)75質量部(固形分)、高誘電有機成分である[D]化合物としての(D−1)100質量部、[E]密着助剤としての(E−1)5質量部、および、[F]界面活性剤としての(F−1)0.10質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように[G]有機溶媒としての(G−1)、(G−2)に溶解および分散をさせた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物(S−7)を調製した。
[実施例8]
[A]重合体としての(A−1)を含有する溶液に、[A]重合体100質量部(固形分)に相当する量に対して、[B]感光剤としての感放射線性重合開始剤(B−1)10質量部、[C]化合物分散液(C−1)75質量部(固形分)、高誘電有機成分である[D]化合物としての(D−2)100質量部、[E]密着助剤としての(E−1)5質量部、および、[F]界面活性剤としての(F−1)0.10質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように[G]有機溶媒としての(G−1)、(G−2)に溶解および分散をさせた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物(S−8)を調製した。
[比較例1]
[A]重合体としての(A−1)を含有する溶液に、[A]重合体100質量部(固形分)に相当する量に対して、[B]感光剤としての感放射線性重合開始剤(B−1)10質量部、[C]化合物分散液(C−1)100質量部(固形分)、[J]比較成分としての(J−1)100質量部、[E]密着助剤としての(E−1)5質量部、および、[F]界面活性剤としての(F−1)0.10質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように[G]有機溶媒としての(G−1)、(G−2)に溶解および分散をさせた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物(CS−1)を調製した。
[比較例2]
[A]重合体としての(A−1)を含有する溶液に、[A]重合体100質量部(固形分)に相当する量に対して、[B]感光剤としての感放射線性重合開始剤(B−1)10質量部、[C]化合物分散液(C−1)100質量部(固形分)、[J]比較成分としての(J−2)100質量部、[E]密着助剤としての(E−1)5質量部、および、[F]界面活性剤としての(F−1)0.10質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように[G]有機溶媒としての(G−1)、(G−2)に溶解および分散をさせた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物(CS−2)を調製した。
[比較例3]
[A]重合体としての(A−1)を含有する溶液に、[A]重合体100質量部(固形分)に相当する量に対して、[B]感光剤としての感放射線性重合開始剤(B−1)10質量部、[C]化合物分散液(C−1)100質量部(固形分)、[J]比較成分としての(J−3)100質量部、[E]密着助剤としての(E−1)5質量部、および、[F]界面活性剤としての(F−1)0.10質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように[G]有機溶媒としての(G−1)、(G−2)に溶解および分散をさせた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物(CS−3)を調製した。
以下に実施例および比較例で用いた各成分の詳細を示す。
<[B]感放射線性重合開始剤>
B−1:エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社、イルガキュア(登録商標)OXE02)
<[C]化合物>
C−1:BaTiO(紛体)(戸田工業社、T−BTO−020)
<[D]化合物>
D−1:6官能ウレタンアクリレート(根上工業社、アートレジンUN−906)
D−2:2官能ポリエステル系ウレタンアクリレート(根上工業社、アートレジンUN−9200A)
D−3:エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(新中村化学工業社、A−9300)
D−4:ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、(新中村化学工業社、A−9300−1CL)
D−5:ポリウレタン樹脂(荒川化学工業社、ユリアーノKL−422)
D−6:上記合成例2に記載のアミド結合を持つ重合体
<[E]密着助剤>
E−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(チッソ社、S−510)
<[F]界面活性剤>
F−1:シリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社、SH28PA)
<[G]有機溶媒>
G−1:3−メトキシプロピオン酸エチル
G−2:1−メトキシ−2−プロパノール
<[I]分散剤>
I−1:リン酸エステル塩(ビッグケミージャパン社、BYK−102)
<[J]比較成分>
[J]比較成分として、エステル結合を有するポリマー、または、アクリレートを使用した。
J−1:ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(ペンタエリスリトールトリアクリレート含有量約60%)(新中村化学工業社、NKエステル A−TMM−3LM−N)
J−2:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタアリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート含有量50%)(新中村化学工業社、NKエステル A−9550)
J−3:上記合成例3に記載のウレタン結合およびアミド結合のいずれも持たないアクリルポリマー
<感放射線性樹脂組成物および絶縁膜の物性評価>
上記のように調製した感放射線性樹脂組成物から以下のように絶縁膜を形成し、物性を評価した。結果は表1に併せて示す。
[パターニング性評価基板の作製]
実施例および比較例に記載した感放射線性樹脂組成物(S−1)〜(S−8)および(CS−1)〜(CS−3)を用い、それぞれをSi(シリコン)ウェハ上に硬化後膜厚が0.5μmとなるようにスピンコータで塗布した後、ホットプレート上で、90℃にて100秒間プレベークし、有機溶媒等を蒸発させて各塗膜を形成した。次いで、UV(紫外)露光機(TOPCON Deep−UV露光機TME−400PRJ)を用い、所定のパターンが形成可能なパターンマスクを介してUV光を100mJ照射した。その後、2.38質量%の濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(現像液)を用い、液盛り法によって25℃、100秒間現像処理を行った。現像処理後、超純水で1分間、各塗膜の流水洗浄を行い、乾燥させてウェハ上にパターンを形成した後、オーブンにて230℃で30分間加熱(ポストベーク)して硬化させ、Siウェハ上に絶縁膜を形成した。
[パターニング性の評価]
上記のようにして形成された絶縁膜に形成された貫通する20μm×20μmのホールを光学顕微鏡にて観察し、残渣の程度を評価した。残渣が確認できない場合をA、わずかに残渣が確認できる場合をB、残渣をはっきりと確認できる場合をC、残渣が大量に確認できる場合をDとして、パターニング性を評価した。
[電気特性評価基板の作製]
実施例および比較例に記載した感放射線性樹脂組成物(S−1)〜(S−8)および(CS−1)〜(CS−3)を用い、それぞれをITO膜付のガラス基板であるITO基板上に膜厚1μmとなるようにスピンコータで塗布した後、ホットプレート上で90℃にて100秒間プレベークし、有機溶媒等を蒸発させて各塗膜を形成した。次いで、電気特性測定のための電極取出し部位として、感放射線性樹脂組成物を塗布した基板の端の一部をアセトンで拭きとり下地のITOを露出させた。次いで、UV露光機(TOPCON Deep−UV露光機TME−400PRJ)でUV光を100mJ照射し、その後、オーブンにて230℃で30分間加熱(ポストベーク)して硬化させ、ITO基板上に絶縁膜を形成した。
[誘電率の測定]
上述した[電気特性評価基板の作製]に記載された方法で作製された各電気特性評価基板の絶縁膜上に、静電容量を測定するためのAl(アルミニウム)電極を真空蒸着装置(JEOL VACUUM EVAPORATOR JEE−420)を用いて作製した。次いで、予め露出させておいた各基板のITO部分に電極接続用のリード線をハンダ付けし、そのリード線と真空蒸着装置で作製したAl電極とをそれぞれLCRメータ(HEWLETT PACKARD 4284A PRECISION LCR METER)のプラス端子とマイナス端子に接続し、印可電圧100mV、周波数1000Hzで条件で、絶縁膜の静電容量Cを測定した。測定された静電容量Cの値と、Al電極の面積S(m)と、硬化膜の膜厚d(m)を以下の式に代入し、誘電率εの値を求めた。
Figure 0006274039
<リーク電流の測定方法>
上述した[誘電率の測定]において誘電率を測定した各基板を用い、それぞれの電極(リード線とAl電極)を、エレクトロメータ(KEITHLEY 6517A ELECTROMETER / HIGH RESISTANCE METER)に接続されたリーク電流測定ボックス(KEITHLEY 8002A HIGH RESISTANCE TEST FIXTURE)の端子に接続し、50V/μmの電界強度となるように、絶縁膜を挟持する電極間に電圧を印加してリーク電流を測定した。測定開始直後はリーク電流の値がばらつくため、測定開始1分後の値をリーク電流値として評価した。
Figure 0006274039
表1から明らかなように、実施例1〜6に記載の感放射線性樹脂組成物(S−1〜S−6)は[C]化合物を含み、それらを用いて形成された絶縁膜は高い誘電率εを示した。
そして、実施例1〜6に記載の感放射線性樹脂組成物(S−1〜S−6)は、[C]化合物とともに、ウレタン結合またはアミド結合を有する化合物の[D]化合物を含む。その結果、実施例1〜6の感放射線性樹脂組成物(S−1〜S−6)から形成された絶縁膜は、[D]化合物を含まずにウレタン結合およびアミド結合のいずれも持たない[J]比較成分を含む比較例1〜3に記載の感放射線性樹脂組成物(CS−1〜CS−3)から形成された絶縁膜に比べ、誘電率εの値が約0.5向上していた。この結果から、分極しやすいウレタン結合やアミド結合によりそれらを含む絶縁膜の誘電率が向上したものと考えられる。
また、実施例7および実施例8に記載の感放射線性樹脂組成物(S−7およびS−8)は、実施例1および実施例2に記載の感放射線性樹脂組成物(S−1およびS−2)と比較して、[C]化合物が25%減量されている。これは、感放射線性樹脂組成物(S−7およびS−8)から形成される絶縁膜が、比較例1〜3に記載の感放射線性樹脂組成物(CS−1〜CS−3)から形成された絶縁膜と同等の比誘電率となるように成分の調製がなされたことによる。
その結果、比較例1〜3に記載の感放射線性樹脂組成物(CS−1〜CS−3)から形成された絶縁膜では、リーク電流値が10−7オーダーの値であったのに対し、実施例7および実施例8に記載の感放射線性樹脂組成物(S−7およびS−8)から形成された絶縁膜では、リーク電流値を10−8オーダーの値にまで抑制することができた。この結果は、金属酸化物粒子である[C]化合物の含有量が減ったことにより、絶縁膜中のリークパスの発生が抑制され、リーク電流の抑制につながったと考えられる。
さらに、実施例7および実施例8に記載の感放射線性樹脂組成物(S−7およびS−8)から形成された絶縁膜では、現像液に溶解しにくい金属酸化物粒子である[C]化合物の含有量が減少されたことにより、残差の発生を抑制することができて、パターニング性が向上した。
以上の結果より、[A]重合体、[B]感放射線性重合開始剤および[C]化合物を含有する感放射線性樹脂組成物は、ウレタン結合またはアミド結合を有する[D]化合物を成分として含有することにより、それから形成される絶縁膜の比誘電率をさらに向上させることができた。また、それによって、高誘電率化のために添加する金属粒子酸化物である[C]化合物の量を減量することができた。その結果、形成される絶縁膜において、パターニング性の向上やリーク電流の抑制を実現することができた。
本発明の感放射線性樹脂組成物は簡便にパターニングされた高信頼性の絶縁膜を形成することができ、その絶縁膜を含むアレイ基板を提供することができる。そして、このアレイ基板を用いて製造された液晶表示素子は高い信頼性を有する。したがって、本発明の感放射線性樹脂組成物を用いて形成される絶縁膜を含む液晶表示素子は、優れた画質と信頼性が求められる大型液晶テレビ等の用途に好適である。
1 アレイ基板
4、11 基板
5 映像信号線
5a 第2のソース−ドレイン電極
6 第1のソース−ドレイン電極
7 走査信号線
7a ゲート電極
8 能動素子
8a 半導体層
9 画素電極
10 配向膜
12 有機絶縁膜
13 ブラックマトリクス
14 共通電極
15 着色パターン
17 コンタクトホール
22 カラーフィルタ基板
23 液晶層
27 バックライト光
28 偏光板
31 ゲート絶縁膜
32 無機絶縁膜
33 絶縁膜
41 液晶表示素子

Claims (1)

  1. [A]重合体がカルボキシル基を有する構成単位を含む重合体、
    [B]光ラジカル重合開始剤、並びに
    [C]チタン酸バリウムを含む感放射線性樹脂組成物であって、
    [C]化合物の粒子径が0.01μm〜0.1μmの範囲であり、c/a軸比が1.0025〜1.010であり、
    [D]ウレタン結合を持つ重合体と、ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ(メタ)アクリレート化合物とからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
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