JP6270121B2 - エンジンのシリンダヘッド - Google Patents
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Description
また、この特許文献1には、縦流れ通路04へ接続する各気筒の複数の連通口05は冷却水出口06から遠いほど断面の開口面積が大きく設定されることを示しており、これによって、縦流れ通路04へ各気筒から流れ込む冷却水量のばらつきを小さくして、各気筒の冷却性能を均一化することが示されている。
特許文献1には、これら縦流れ通路04および横流れ通路03を有したシリンダヘッドの冷却水通路内における気泡の抜けを考慮した技術までは示されていない。
冷却水の注入時や、運転状態によっては冷却水通路内(ウォータジャケット内)の冷却水の沸騰により気泡が発生し、冷却性能を悪化させるため、発生した気泡は、速やかに排出する必要がある。
本発明では、排出口が最高位置に位置するように配設されるため、効率よく気泡を排出できる。
図1は、エンジンのシリンダヘッド1の冷却水経路を示す全体構成の説明図である。
シリンダヘッド1はシリンダブロック3の上部に配置されており、気筒(シリンダ)5の周囲に設置されたシリンダヘッドボルト8によって締結される。実施形態においては、2つの吸気弁用の吸気ポート4と、2つの排気弁用の排気ポート6とを備えた直列4気筒のディーゼルエンジンの例を示している(図1、5参照)。
なお、分岐通路19のシリンダ5の軸線方向の下方側には、分岐通路19に沿って並設してEGR通路(排ガス再循環通路)23が配設されている。
横流れ冷却水通路11および縦流れ冷却水通路13で発生する気泡(空気・水蒸気)は、冷却水とともに冷却水排出口15に向かって流れるが、該冷却水排出口15は、隆起形状の頂上部13cに形成されてエンジンの搭載時に最高位置に位置されるため、外部へと効率よく、且つ滞留させることなく排出させることができる。
なお、空気抜き通路25の中心線Lは、分岐傾斜通路部19aとの連結部分に向かって上昇するように形成されていると、空気排出には好ましい。
次に、冷却水経路の概要について図1を参照して説明する。
冷却水排出口15には、排出通路27を介してラジエータ29に接続し、ラジエータ29の出口は冷却水温度を調節するサーモスタット31に接続し、サーモスタット31の出口は冷却水を循環するウォータポンプ(W/P)33に接続し、ウォータポンプ33の出口はシリンダブロック3に接続し、シリンダブロック3の出口は、冷却水入口7を介してシリンダヘッド1に接続している。これによって、冷却水が循環するように冷却水経路が構成されている。
このサーモスタット31は、バイパス通路35を通過する冷却水温度に応じて、ラジエータから流入する冷却水の量を調整してシリンダヘッド1を含むエンジンへ流入する冷却水の温度を調整する。
すなわち、例えば、エンジンが冷態状態から始動したときなど、冷却水温度が低い状態ではバイパス通路35を流れる冷却水温度が低く、サーモスタット31が開弁しない状態あるいは開度が低い状態となる。このような状態では、バイパス通路35を通る冷却水のみがシリンダヘッド1に供給され、ラジエータ29を通過する冷却水はサーモスタットより下流へ流れない状態もしくは流れる量が少ない状態になる。
まず、冷却水は、図示のウォータポンプ33によって、シリンダブロック3の冷却水通路に送られ、シリンダブロック3の上部に設けられた冷却水出口から排出され、シリンダヘッド1の底壁に形成された冷却水入口7からシリンダヘッド1内に供給される。
一方、冷却水排出口15の近傍で冷却水の一部が分流して分岐通路19に流れ、分岐通路19に流れた冷却水は、分岐排出口21から排出されて、ヒータ37に供給される。
バイパス通路を流れる冷却水の温度が、所定の温度を超えると、サーモスタット31は全開となり、サーモスタット31の下流へラジエータ29を流れる冷却水が最大流量となるようにする。
また、冷却水排出口15および分岐排出口21は、それぞれシリンダヘッド1の長手方向の端面に同一方向に向かって突出しているため、外部との接続の配管作業が容易化される。
次に、冷却水通路内に発生する気泡(空気・水蒸気)の排出流れについて説明する。
シリンダヘッド1の横流れ冷却水通路11内の気泡は、水流の緩やかな場合、主として横流れ冷却水通路11の最も高い位置にある空気抜き通路25を通って分岐傾斜通路部19aの中間部分に排出されて、その後、分岐傾斜通路部19aの傾斜を上昇して縦流れ冷却水通路13の頂上部13cに達して、冷却水排出口15から冷却水とともに排出される。水流が早い場合、気泡の一部は空気抜き通路25を通って排出されるが、一部は水流に流され縦流れ通路13に向かう。
縦流れ冷却水通路13内の気泡は、水流と隆起部18の効果により上方に上昇されて、縦流れ冷却水通路13の頂上部13cに集められて、冷却水とともに冷却水排出口15から排出される。
従って、シリンダヘッド1内の冷却水通路において発生する気泡に対して空気抜きを効率よく達成できる。
次に、図5、6を参照して、第2実施形態について説明する。
この第2実施形態は、縦流れ冷却水通路51に、冷却水流れの下流側からの逆流を防止する逆流防止フィン53が設置されることを特徴とする。
図5の第1実施桁形態の縦流れ冷却水通路13の場合には、各気筒における横流れ冷却水の流れが、縦流れ冷却水の流れと合流する際に、矢印Gで示すように、横流れ冷却水の流れに対して逆流の流れが干渉する。
なお、前述の第1、第2実施形態では直列4気筒エンジンについて説明したが、例えばV型エンジンの片側バンクに本発明を適応することもできる。
3 シリンダブロック
4 吸気ポート
5 シリンダ(気筒)
6 排気ポート
7 冷却水入口
9 冷却水出口
11 横流れ冷却水通路(第1冷却水通路)
13、51 縦流れ冷却水通路(第2冷却水通路)
13a 本体部
13b 傾斜部
13c 頂上部
15 冷却水排出口(排出口)
18 隆起部
19 分岐通路(第3冷却水通路)
19a 分岐傾斜通路部
22 カム室
26 カム室下面
29 ラジエータ
31 サーモスタット
33 ウォータポンプ
37 ヒータ
53 逆流防止フィン
Claims (5)
- 長手方向に複数気筒が配列されるエンジンのシリンダヘッドであって、
前記複数気筒の配列方向に対して一方の側に設けられて前記シリンダヘッド内に冷却水を導入する冷却水入口と、
前記複数気筒の配列方向に対して他方の側に設けられて前記冷却水入口から導入された冷却水を排出する冷却水排出口と、
前記複数気筒の各気筒に配置され前記冷却水入口から導入された冷却水が前記複数気筒を短手方向に横切る第1冷却水通路と、
前記第1冷却水通路を流れた冷却水が合流するとともに前記複数気筒の配列方向に沿って前記冷却水排出口に向けて冷却水を流す第2冷却水通路と、
前記第2冷却水通路の下流端部に設けられ前記第2冷却水通路の本体部より上昇した隆起部と、を有し、前記冷却水排出口が前記隆起部に設けられ、
さらに、前記シリンダヘッドは前記冷却水排出口の設置部分から水平または下方向に傾斜する第3冷却水通路と、
前記複数気筒の各気筒の前記第1冷却水通路のもっとも高い位置の間を気筒列方向にそれぞれ連結する空気抜き通路と、
を有し、前記空気抜き通路は前記第3冷却水通路に連結していることを特徴とするシリンダヘッド。 - 前記エンジンは車両に傾斜して搭載可能であり、
前記冷却水排出口は前記第2冷却水通路のうち前記エンジンが傾斜した状態で最も高い位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッド。 - 前記第2冷却水通路は、前記複数気筒の各気筒の燃焼室に接続する吸気ポートと前記シリンダヘッドの底壁の間に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダヘッド。
- 前記空気抜き通路は、前記冷却水排出口よりも前記エンジンの傾斜状態で同高さの位置または低い位置にあることを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッド。
- 前記第2冷却水通路には、冷却水流れの下流側からの逆流を防止する逆流防止フィンが設置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシリンダヘッド。
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