JP7255961B2 - 多気筒エンジンのシリンダヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、排気ガスを1つの排気出口穴に集めて排気する排気集合通路内蔵型のシリンダヘッドに関するものである。
多気筒内燃機関のシリンダヘッドにおいて、外付け方式の排気マニホールドを使用することに代えて、シリンダヘッドの内部に排気集合通路(排気マニホールド部)を形成して、排気ガスを1つの排気出口穴から排出することは広く知られている。3気筒エンジンのシリンダヘッドでは、排気出口穴を第2気筒の真横に配置し、集合通路を前後対称の形態にしたものが多い。
他方、シリンダヘッドにおけるカム室の底面(ウォータジャケット天井部の上面)には、動弁機構を潤滑したオイルやVVT装置で使用したオイルなどが溜まるようになっており、このオイルは、シリンダヘッドに形成されたオイル落とし通路(及びシリンダブロックに形成されたオイル落とし穴)を経由してオイルパンに戻るようになっている。
オイル落とし通路は、暖機時におけるオイルの加温等のために、シリンダヘッドのうち排気側に配置していることが多いが、シリンダヘッドに排気集合通路を形成すると、オイル落とし通路は、隣り合った排気ポートを仕切る仕切壁に形成せざるを得なくなる。
3気筒エンジンの排気集合通路内蔵型シリンダヘッドにおけるオイル落とし通路の具体的な構成として、特許文献1では、第2気筒に対応した2つの排気ポートを仕切る仕切壁にオイル落とし通路を形成することが開示されており、特許文献2には、第1気筒に対応した排気ポートと第2気筒に対応した排気ポートとを区画する仕切壁、及び、第2気筒に対応した排気ポートと第3気筒に対応した排気ポートとを区画する仕切壁との2つの仕切壁にオイル落とし通路を形成することが開示されている。
更に、特許文献3には、第1気筒に対応した一対の排気ポートを仕切る仕切壁と、第2気筒に対応した一対の排気ポートを仕切る仕切壁と、第3気筒に対応した一対の排気ポートを仕切る仕切壁との3つの仕切壁にオイル落とし通路を形成することが開示されている。
特開2007-162591号公報 特開2000-161129号公報 特開2010-223204号公報
シリンダヘッドにおいて、隣り合った排気ポートの間には仕切壁が存在しており、排気集合通路内蔵型シリンダヘッドでは、各仕切壁を、排気側面に向いた前端が自由端となる半島状に形成しているが、特許文献1では、第2気筒に対応した2つの排気ポートを仕切る仕切壁を他の仕切壁よりも大きく突出させており、集合通路は排気出口穴に近づくに従って気筒群から離れるように傾斜している。
従って、特許文献1では、第1排気ポートから排出された排気ガスが第3排気ポートに流入したり、第3排気ポートから排出された排気ガスが第1排気ポートに流入したりする排気ガスの逆流現象を防止して、排気ガスの排出をスムース化できる利点があるが、オイル落とし通路は1つの仕切壁にしか形成されていないため、オイル落とし通路に必要な断面積を確保できずに、オイルの戻し機能が不完全になるおそれが懸念される。
他方、引用文献2ではオイル落とし通路は2つの仕切壁に形成されているため、オイルの戻し機能は引用文献1よりも優れており、更に、引用文献3には3つの仕切壁にオイル落とし通路が形成されているため、オイルの戻し機能は引用文献2よりも優れていると云える。
しかし、引用文献2,3は、各仕切壁の突出寸法略同じになっているため、第1集合通路と第3集合通路の中心線が成す角度が180度に近くなっており、このため、第1排気ポートから排出された排気ガスが第3排気ポートに流入したり、第3排気ポートから排出された排気ガスが第1排気ポートに流入したりする排気ガスの逆流現象が生じるおそれがある。
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
本願発明は多気筒エンジンのシリンダヘッドに係り、このシリンダヘッドは、
「直列に配置された第1~第3の3つの気筒に対応して、第1気筒に対応した一対の第1排気ポートと、第2気筒に対応した一対の第2排気ポートと、第3気筒に対応した一対の第3排気ポートとが形成されて、
前記一対の第1排気ポートは第1仕切壁で区分され、前記第1排気ポートと第2排気ポートとは第2仕切壁で区分され、前記一対の第2排気ポートは第3仕切壁で区分され、前記第2排気ポートと第3排気ポートとは第4仕切壁で区分され、前記一対の第3排気ポートは第5仕切壁で区分されており、
前記各仕切壁を、排気側面に向いた部位を自由端とした半島状に形成することにより、前記一対の第1排気ポートが集まった第1集合通路と、前記一対の第2排気ポートが集まった第2集合通路と、前記一対の第3排気ポートが集まって第3集合通路とが形成されて、これら各集合通路が1つに集合して排気出口穴に連通している」
という基本構成である。
そして、上記基本構成において、
「前記第2~4仕切壁の突出寸法を前記第1仕切壁及び第5仕切壁の突出寸法よりも遥かに大きい寸法に形成することにより、前記第1集合通路と第3集合通路とを、前記排気出口穴に近づくに従って前記気筒の群から遠ざかるように滑らかに湾曲又は傾斜させており、
前記第2~4仕切壁にそれぞれオイル落とし穴が形成されて、前記第2仕切壁と第4仕切壁にはヘッドボルト挿通穴が形成されており、
更に、前記各排気ポート及び各壁部並びに排気集合通路が形成された排気側エリアのうち前記排気集合通路よりも下方の部位に、気筒列中心線に沿って延びる燃焼室側ヘッドジャケットから連通路群を経由して冷却水が流れ込む排気側下部ヘッドジャケットが形成されており、前記排気側下部ヘッドジャケットは、冷却水が主として前記燃焼室側ヘッドジャケットから排気ポートの下方側に向けて流れる横流れ通路と、前記横流れ通路を通過した冷却水が集合して気筒列方向に流れる縦流れ通路とを有しており、
かつ、前記排気側下部ヘッドジャケットには、気筒軸線方向から見て、前記第1仕切壁及び第5仕切壁と重なるボス部は存在せずに、前記第2仕切壁と部分的に重なって前記オイル落とし穴が形成された島状のボス部と、前記第3仕切壁と部分的に重なって前記オイル落とし穴が形成された島状のボス部と、前記第4仕切壁と部分的に重なって前記オイル落としが形成された島状のボス部とが存在して、
隣り合った前記島状のボス部の間と、バルブ挿通穴が形成されたバルブボス部の群と前記各島状のボス部との間と、前記島状のボス部の群を挟んでクランク軸線方向に向いて前後両側の部分と、前記各仕切壁の基部の下方部とに、前記横流れ通路が形成されている」
という構成が付加されている。
本願発明は、3つの気筒だけが直列に配置されている直列3気筒エンジンと、3つずつの気筒の排気ポートが集合した排気出口を持つ直列やV型に配置された6気筒エンジンに適用できる。
また、本願発明は様々に展開できる。例えば、オイル落し穴は全体を鋳造時に形成することも可能であるし、排気ポートを仕切る仕切壁の箇所は鋳造時に形成して、シリンダブロックに向けて開口した部分はドリル加工で形成することが可能である。従って、本願には製法も開示されており、これは独立した発明たり得る。仕切壁の具体的な形状やオイル落とし通路の具体的な形状、或いは排気側ウォータジャケットの形態なども様々に具体化することが可能であり、これらは実施形態で詳述する。
本願発明では、第1仕切壁及び第5仕切壁は第2~4仕切壁に比べて突出量が小さいため、集合通路を大きく湾曲又は傾斜させることができる。従って、第1排気ポート及び第3排気ポートから排出された排気ガスを逆流させることなく排気出口穴に向かうように方向づけて、排気ガスの排出をスムース化できる。
そして、第2~4仕切壁は大きく突出しているため、それぞれオイル落とし通路を形成できる断面積を確保可能であり、従って、オイル落とし効果を確実化できる。また、オイル落し通路は高温の排気ガスが流れる排気ポートと隔壁を共有し、更には、排気ポート及び各壁部と重なる排気側エリアの少なくとも下方の部位において排気側ウォータジャケットが形成されるため、冷間始動時には、排気ガスおよび冷却水がオイルの加温を促進して早期暖機に貢献できる一方、暖機運転後には、冷却水によってオイルを冷却してオイルの過剰昇温を防止できる。
更に、本願発明のシリンダヘッドでは、冷却水は、燃焼室側ヘッドジャケットから横方向に流れる連通路群を通過して排気側下部ヘッドジャケットに流入し、排気側下部ヘッドジャケットでは、横流れ通路を幅方向に流れてから縦流れ通路に至るが、各仕切壁は冷却水の横流れ方向に長い姿勢になっているため、仕切壁の突出寸法を大きくしても、冷却水を、全気筒に渡って形成された全ての連通路に分かれて排気側下部ヘッドジャケットに流入させて排気ポート回りを均等に冷却しつつ冷却水の流れをスムース化できる。従って、本願発明では、排気ガスの排出のスムース化と、シリンダヘッドの冷却性能の確保と、オイル戻しの確実化とを同時に達成することができる。
実施形態の平断面図である。 図1の部分拡大図でかつ図3のII-II 視断面図である。 図2のIII-III 視断面図である。 図2の IV-IV視断面図である。 図3の V-V視平断面図である。 図3のVI-VI 視底断面図である。 シリンダブロックの平面図である。 図4の VIII-VIII視断面図である。
次に、本願発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。本実施形態は自動車用エンジンのシリンダヘッドに適用しており、エンジンは、クランク軸線が車幅方向に向いた横置き姿勢でエンジンルームに搭載されている。
以下では、方向を特定するため前後左右の文言を使用するが、前後方向はクランク軸線方向であり、タイミングチェーンが配置されている側を前、ミッションケースが配置されている側を後ろとしている。左右方向は、クランク軸線及び気筒軸線と直交した方向である。
(1).シリンダヘッドの構造
本実施形態のエンジンは直列3気筒であり、従って、図1,2に示すように、シリンダブロック2(図4,7参照)には、第1~第3の3つの気筒3~5が直列に形成されて、シリンダヘッド1には、各気筒3~5と同心に3つのイグニッションホール6が空いている。図3のとおり、イグニッションホール6の下部には点火プラグ6aがねじ込みによって固定されている。図3,4に示すように、シリンダヘッド1はガスケットGを介してシリンダブロック2に固定されている。
図3に示すように、シリンダヘッド1には、シリンダボア3~5と同心で上向きに凹んだ燃焼室7a~7cが形成されており、図1,2に示すように、燃焼室7a~7cに、一対ずつの吸気ポート8の終端と、一対ずつの排気ポート9a~11bの始端とが開口している。吸気ポート8の対は、それぞれ独立して吸気側面1aに開口している。
図1,2のとおり、排気ポートは、第1燃焼室7aに開口した一対の第1排気ポート9a,9bと、第2燃焼室7bに開口した一対の第2排気ポート10a,10bと、第3燃焼室7cに開口した一対の第3排気ポート11a,11bとに分かれている。
一対の第1排気ポート9a,9bは第1集合通路12に集合し、一対の第2排気ポート10a,10bは第2集合通路13に集合し、一対の第3排気ポート11a,11bは第3集合通路14に集合しており、3つの集合通路12~14は1つに集まって排気出口穴15に連通している。排気出口穴15は第2集合通路13と対向している。従って、排気出口穴15は、平面視で第2燃焼室7b(或いは第2気筒4)の真横においてシリンダヘッド1の排気側面1bに開口している。
一対の第1排気ポート9a,9bは第1仕切壁16で区分され、隣り合った第1排気ポート9bと第2排気ポート10aとは第2仕切壁17で区分され、一対の第2排気ポート10a,10bは第3仕切壁18で区分され、隣り合った第2排気ポート10bと第3排気ポート11aとは第4仕切壁19で区分され、一対の第3排気ポート11a,11bは第5仕切壁20で区分されており、各仕切壁16~20は、平面視で燃焼室7a~7cの上方から排気側面1bに向けて延びており、前端は自由端になっている。
そして、第1仕切壁16と第5仕切壁20とは、先窄まりでかつ平面視で燃焼室7a~7c及び気筒3~5の縁を結ぶ基準線O1から僅かに突出した状態であると共に、排気出口穴15に向かってなびくように僅かに湾曲している。
他方、第2仕切壁17と第4仕切壁19とは、先半分程度が先窄まりになっていると共に、基準線O1から気筒3~5の半径よりも大きい寸法で突出しており、かつ、排気出口穴15に向かうように湾曲している。更に、第3仕切壁18は、若干中膨れ状態であるが大まかには等しい幅になっており、先端は窄まることなく滑らかな曲線になっている。また、第3仕切壁18は、第2仕切壁17及び第4仕切壁19よりも僅かに突出している。
このように、第1仕切壁16及び第5仕切壁20が先窄まりで湾曲していることと、第2仕切壁17及び第4仕切壁19が大きく突出して先半部が排気出口穴15に向けて先窄まりしつつ湾曲していることとにより、第1集合通路12と第3集合通路14とは、基準線O1から遠ざかりつつ排気出口穴15に向かって湾曲している。
すなわち、第1集合通路12及び第3集合通路14の外側面12a,14aは、排気出口穴15に向けて気筒3~5の群から遠ざかるように、気筒3~5の群に向けて凹んだ状態に(ドーム状に)湾曲している。従って、第1排気ポート9a,9bから排出された排気ガスは、第3排気ポート11a,11bに流入することなく排気出口穴15から排出され、第3排気ポート11a,11bから排出された排気ガスは、第1排気ポート9a,9bに流入することなく排気出口穴15から排出される。従って、排気ガスの排出をスムース化できる。なお、図1,2等において符号21で示すのはバルブステムである。
シリンダヘッド1には、ヘッドボルト22を挿通するヘッドボルト挿通穴22aが開いている。ヘッドボルト挿通穴22aは、各気筒3~5の群を挟んだ左右両側で、かつ、各気筒3~5を挟んだ前後両側に配置されており、従って、2対のヘッドボルト挿通穴22aはボア間部23の左右両側に位置しており、排気側では、ボア間部23の箇所のヘッドボルト挿通穴22aは、第2仕切壁17と第4仕切壁19とに形成されている。(言い換えると、ヘッドボルトボスが第2仕切壁17と第4仕切壁19とに一体化されている。)。
そして、第2~第4仕切壁17,18,19にオイル落とし通路24,25,26を形成している。第2仕切壁17及び第4仕切壁19のオイル落とし通路24,26は、それぞれ先端部に形成されて平断面視で略三角形になっており、従って、ヘッドボルト挿通穴22aよりも先端側の部位に形成されている。
3つのオイル落とし通路24,25,26は、基本的には左右方向の同じ位置で前後方向に並んでいるが、第3仕切壁18のオイル落とし通路25は第3仕切壁18の長手方向に長い長穴状態になっている。従って、排気通路の箇所では、第3仕切壁18のオイル落とし通路25の断面積は、第2及び第4仕切壁17,19のオイル落とし通路24,26の2倍以上の断面積になっている。
図3は第2オイル落とし通路25の箇所を前面視方向から見た縦断面図であり、この図に表示しているが、第2オイル落とし通路25は、排気ガス通路の箇所では、鋳造によって形成された空洞部25aになっていて、その上端はシリンダヘッド1の凹所27(カム室)に開口している一方、排気ガス通路よりも下方の部位では、図3に一点鎖線で示すように、ドリル28による加工によって形成された丸穴25bになって下方に開口している。第1及び第3オイル落とし通路24,26も同じ構造である。
オイル落とし通路24,25,26の全体を鋳造で形成することも可能であるが、実施形態のように下部をドリル加工で形成すると、鋳造用中子が複雑化することを防止して、鋳造の歩留りを向上できる利点がある。また、丸穴25bの径によってオイルの流下速度を調整し、オイル暖気のための排気ガスにより加温されるオイルのチューニングも容易である。更に、鋳造に際して金属湯の流れが良好になる利点もある。
動弁機構の潤滑やVVTの制御などの仕事をしたオイルは、シリンダヘッド1の凹所27に流れ落ちて、凹所27の底面27aを伝ってオイル落とし通路24,25,26に流れ込む。エンジンは、排気側が前傾するように鉛直線に対して若干の角度だけスラントしており、従って、凹所27に流れ落ちたオイルは、排気側に位置したオイル落とし通路24,25,26に誘い込まれていく。
(2).シリンダブロック
図7にシリンダブロック2の平面図を表示している。シリンダブロック2には、3つの気筒(シリンダボア)3~5が直列に形成されて、冷却水が流れるウォータジャケットであるブロックジャケット30が、気筒3~の群を囲うようにして形成されている。また、シリンダブロック2には、ヘッドボルト22が螺合するタップ穴31の群を形成している。
シリンダブロック2の上面のうち排気側に寄った部位でかつ後部には、暖機運転時にシリンダヘッド1から冷却水が流入するバイパス用入口32が形成されており、かつ、図7及び図3,4に示すように、シリンダブロック2の排気側面には、バイパス用入口32と連通して前後方向に長く延びるボス状のバイパス通路33が形成されている。
図7のとおり、シリンダブロック2の排気側面の前部にはウォータポンプ34が配置されており、冷間時には、冷却水全量が、バイパス通路33を経由してウォータポンプ34に戻され、シリンダブロック2に排気側面部に設けた吐出口からブロック側ウォータジャケット30に吐出される。ウォータポンプ34には、ラジエータの戻り管路が接続されるメイン流入口35も設けられており、暖機後には、冷却水は主としてラジエータを経由してウォータポンプ34に流入する(流路を切替えるサーモ弁にボトムバイパス弁が設定されていない場合等では、バイパス通路33が閉じられることがないので一部の冷却水はラジエータを経由することなくバイパス通路33から戻る場合もある。)。
本実施形態では、ブロックジャケット30は、第1気筒3の箇所において左右の堰リブ30aで前後に分断されている。従って、ブロックジャケット30は、第1気筒3の前半分程度を囲うフロントブロックジャケット30bと、第1気筒3の排気側から第2、第3気筒4、5の排気側、第3、第2気筒5,4の吸気側を経由して吸気側の堰リブ30aに向かうメインブロックジャケットとに分離されており、メインブロックジャケットは、排気側ブロックジャケット30cとリアブロックジャケット30dと吸気側ブロックジャケット30eとで構成されている。
ウォータポンプ34から吐出した冷却水の送水通路は、フロントブロックジャケット30bとは常に連通しているが、メインブロックジャケット30c,30d,30eとは、冷間時には閉じて暖機後に開くブロックサーモスタットバルブ(図示せず)により、暖機後のみ連通する。従って、本実施形態は、機関温度によってシリンダヘッド1とシリンダブロック2の冷却を別々に制御する2系統冷却構造としている。
冷間時においては、ウォータポンプ34から吐出した冷却水全量がフロントブロックジャケット30bを経由してシリンダヘッド1に向かう。そこで、図1,2,5に示すように、シリンダヘッド1の前部には、堰リブ30aにより堰き止められた冷却水が流入するフロント送水通路38を形成している。
一方、メインブロックジャケット30c~30eの側では、ブロックサーモスタットバルブが開弁するまでの間は冷却水は原則流動せず、気筒3~5の保温による油水温の早期暖気を優先する。ブロックサーモスタットバルブの開弁温度に達するとメインブロックジャケット30c~30eにも冷却水が分流するようになり、吸気側ブロックジャケット30eの終端からシリンダヘッド1に向かう。そこで、図1,2に示すように、シリンダヘッド1の吸気側には、冷却水がシリンダブロック2の吸気側ブロックジャケット30eから噴き上がる吸気側送水通路39をブロックジャケットの堰リブ30aの間隔だけ離間してフロント送水通路38の後方に形成している。
なお、シリンダヘッド1のフロント送水通路38及び吸気側送水通路39とは、鋳造時には中子の足部になっていて当該中子を安定させているが、ヘッド下面には、ほぼ均等に設けた複数の中子の足部となるダミー穴40(図4参照)を設けており、ダミー穴40はガスケットGで塞がれている。
図7及び図3に示すように、シリンダブロック2の上面のうち排気側の部位に、第1オイル落とし通路24及び第2オイル落とし通路25に連通した第1オイル受け溝36aと、第3オイル落とし通路26に連通した第2オイル受け溝36bとが形成されている。
両オイル受け溝36a,36bは前後方向に長い長溝になっており、第1オイル受け溝36aの前部は、シリンダブロック2の排気側面部に形成した上下長手の第1オイル落とし穴37a(図4参照)に連通し、第2オイル受け溝36bの前後中間部は、同じくシリンダブロック2の排気側面部に形成した上下長手の第2オイル落とし穴37bに連通している。オイル落とし穴37a,37bはボス状に形成されており、オイルパン(図示せず)の上部に向けて開口している。
図3に示すように、第1オイル受け溝36a(及び第2オイル受け溝36b)の下端は冷却水のバイパス通路33を形成する凸部の下端側まで達している。従って、オイル受け溝36a,36bに落ちたオイルと、バイパス通路33を流れる冷却水との間で熱交換が行われる。また、特に第1オイル受け溝36aの箇所では、オイルは、ブロック側ウォータジャケット30を流れる冷却水との間でも熱交換が行われる。
従って、冷間時には、オイルに先行して昇温する冷却水でオイルを加温してオイルの早期昇温を促進し、その結果、暖機時間の短縮に貢献できる。暖気後はオイルが冷却水温以上に昇温するので、冷却水によってオイルが冷却されて、オイルの過剰昇温を防止できる。第2オイル落とし通路25は断面積が大きくてオイルの流量も大きいが、第2オイル落とし通路25から流下したオイルが第1オイル受け溝36aを伝って第1オイル落とし穴37aに向かって流れることにより、オイルと冷却水との熱交換を促進して、暖機時間の短縮効果をより確実化できる。
なお、図4に符号41で示すように、シリンダブロック2のボア間部23には、吸気側の冷却水を排気側に戻すドリルパスが形成されており、ガスケットGのうちドリルパス41と重なる部位には連通穴が空いている。
(3).シリンダヘッドのウォータジャケット
例えば図3,4に示すように、シリンダヘッド1には、ウォータジャケットとして、概ね燃焼室7a,7b,7cの上方部に位置して気筒列長手中心線に沿って前後方向に延びる燃焼室側ヘッドジャケット42と、燃焼室側ヘッドジャケット42を挟んで排気側でかつ排気集合通路12~14等の下方に位置した排気側下部ヘッドジャケット43と、燃焼室側ヘッドジャケット42を挟んで排気側でかつ排気集合通路12~14等の上方に位置した排気側上部ヘッドジャケット44と、燃焼室側ヘッドジャケット42を挟んで吸気側でかつ吸気ポート8の下方に位置した吸気側ヘッドジャケット45とが形成されている。
図3,4のとおり、燃焼室側ヘッドジャケット42は、排気集合通路12~14の上面と同じ程度の高さになっており、燃焼室側ヘッドジャケット42の上部と排気側上部ヘッドジャケット44とは排気側上部連通路46の群を介して連通し、同じく、燃焼室側ヘッドジャケット42の下部と吸気側ヘッドジャケット45とは吸気側連通路47の群を介して連通し、更に、図5のとおり、燃焼室側ヘッドジャケット42の下部と排気側下部ヘッドジャケット43とは排気側下部連通路48の群を介して連通している。
図2、3に示すように、シリンダヘッド1には、イグニッションホール6を形成するためのセンターボス部49、吸気バルブ用ステム21を配置するための吸気バルブボス部50、排気バルブ用ステム21を配置するための排気バルブボス部51、平面視で隣り合った燃焼室7a~7cに跨がるように配置された平断面視く字形の整流ボス部52が形成されており、排気側上部連通路46と吸気側連通路47とは、隣り合ったボス部49~52間を通るように形成されている。これらのボス部は、高さ位置よって独立したり分離したりしており、図5に示すように、排気側下部ヘッドジャケット43の高さ位置では、各ボス部49~52が一体に連続して、排気側下部ヘッドジャケット43と吸気側下部ヘッドジャケット45とは互いに分断されている。
図5に示すように、燃焼室側ヘッドジャケット42の前端部の下端に、既述のフロント送水通路38が連通している。冷間時には、冷却水の流路は、フロント送水通路38のみから吸気側ヘッドジャケット45の前端部に噴き上がり、吸気側ヘッドジャケット45を後ろ向きに流れつつ、複数の吸気側の連通路47に順次分流し、各連通路47を均等に横流れてして燃焼室側ヘッドジャケット42に流入していく流路と、フロント送水通路38から分流してシリンダヘッド前端側を経由して燃焼室側ヘッドジャケット42に至る流路とに分かれており、これらの流路を経由する事で、冷却流量を各連通路に均等に分配する事を実現している。
この横方向の流れと同様に、冷却水は、燃焼室ヘッドジャケット42から複数の排気側上部連通路46(図4参照)と排気側下部連通路48(図5参照)とを経由して排気側上部ヘッドジャケット44と排気側下部ヘッドジャケット43とに横流れしていき、上下の排気側ヘッドジャケット43,44を貫通する第1~第5の仕切り壁に沿った下部横流れ通路57(図5参照)を通過した後に、上下の排気側ヘッドジャケット43,44を後方に向けて流れていく。
シリンダヘッド1の後端面には、排気側上部ヘッドジャケット44と連通したメイン排出口(図示せず)と、燃焼室側ヘッドジャケット42と吸気側ヘッドジャケット45とに連通した補助排出口(図示せず)とが開口している。排気側下部ヘッドジャケット43の後端と排気側上部ヘッドジャケット44の後端部とは互いに連通している。従って、排気側下部ヘッドジャケット43を流れた冷却水は、排気側上部ヘッドジャケット44の後端に集合してメイン排出口から排出される。
他方、補助排出口54はメイン排出口53と同じ程度の高さにあり、そこで、燃焼室ヘッドジャケット42の後端部は高さが高くなって、排気側上部ヘッドジャケット44の後端部と連通している。
なお、冷間時には、冷却水は吸気側ヘッドジャケット45の前部から主に縦方向に流入するが、第1燃焼室7aにおける燃焼室側ヘッドジャケット42の前端部との関係では、冷却水の一部は第1燃焼室7aの前端側から直接燃焼室側ヘッドジャケット42に流入することで、ヘッド前端部においても燃焼室側ヘッドジャケット42から排気側ヘッドジャケット43、44に繋がる横流れ連通路に流入する冷却水量を確保できる。
図5に示すように、排気側下部ヘッドジャケット43の箇所では、第1仕切壁17及び第5仕切壁20の下方ではボス部は存在せずに下部横流れ通路57になっており、第2~第4仕切壁17,18,19の下方部では、当該仕切壁17,18,19と平面視で部分的に重なった島状のボス部17a,18a,19aが存在して、各島状のボス部17a,18a,19aにオイル落とし穴24,25,26が形成されている。第2仕切壁17に対応した島状のボス部17aと第4仕切壁19に対応した島状のボス部19aとにはヘッドボルト挿通穴22aも空いている。
そして、排気側下部ヘッドジャケット43においても、燃焼室側ヘッドジャケット42から流れ出た冷却水は、島状のボス部17a~19aの間の下部横流れ通路57や、それら島状のボス部17a~19aと排気バルブボス部51との間の下部横流れ通路57から、おおよそシリンダヘッド1の幅方向に流れて、それから後方に向けて流れていく。従って、排気側下部ヘッドジャケット43も、複数の下部横流れ通路57と下部縦流れ通路58とを備えており、下部縦流れ通路58の後端部が立ち上がって、上部縦流れ通路56(図8参照)の後端部に集合している。更に、排気側下部ヘッドジャケット43の箇所でも、下部横流れ通路57は、隣り合った島状のボス部17a~19aの間の部位と、島状のボス17a~19aの群の前後両側の部位と、島状のボス17a~19aと排気バルブボス部41との間の部位と、第1仕切壁17及び第5仕切壁20の下方の部位とに形成されている。
繰り返しになるが、図1,2と図5,図6との対比から理解できるように、第2仕切壁17及び第4仕切壁19は、排気通路の箇所では整流ボス部52がバルブボス部50,51及びセンターボス部49と一体に繋がっているが、排気通路よりも低い箇所では、図5のように、ヘッドボルト挿通穴22aとオイル落とし通路24~26とが形成された仕切壁17~19に対応した部位が排気側下部ヘッドジャケット43の内部に島状に独立して配置された島状のボス部17a~19aの形態になっている。従って、図1,2及び図4から理解できるように、排気側下部ヘッドジャケット43は、各仕切壁16~20に対してポートの下方から入り込んだ排気側下部連通路48を介して燃焼室側ヘッドジャケット42と繋がっている。
つまり、排気側下部ヘッドジャケット43は、各仕切壁16~20に対して下方から入り込んだ排気側下部連通路48を経由して前記センターボス部49と整流ボス部52との間を縫って燃焼室側ヘッドジャケット42に連通し、燃焼室ヘッドジャケット42は、吸気ポートと吸気側ヘッドボルトボス部22b間と、一対の吸気ポート間との間を縫って吸気側ヘッドジャケット45に繋がっている。
暖機後には、図1,2,5に示す吸気側送水通路39からも冷却水が噴き上がって、噴き上がった冷却水は、吸気側ヘッドジャケット45を縦方向に流れながら各吸気側連通路47に分岐し、燃焼室側ヘッドジャケット42に流れ込む。従って、シリンダブロック2のメインブロックジャケット30c~30eに冷却水の流れが発生してシリンダブロックの冷却が行われると共に、シリンダヘッド1においては、吸気側ヘッドジャケット45から燃焼室側ヘッドジャケット42を経由して排気側上下ヘッドジャケット43、44に向かう横流れが促進されて、壁部17,18,19のように特に高温になる部位(すなわち排気集合部の周辺部)の冷却効果を向上できる。
排気通路の下方に形成された排気側下部ヘッドジャケット43では、第2仕切壁17~第4仕切壁19に対応した部位がボス部17a~19aとして島状に分断されている。吸気側ヘッドジャケット45を経由した冷却水は、主にボア間部上方において、隣り合った吸気ポートとヘッドボルトボス部22bとの間、一対の吸気ポートの間に形成された吸気側連通路47を経由して燃焼室側ヘッドジャケット42に流入するが、吸気側連通路47を経由した後、整流ボス部52に当たって前後に分流し、一部がセンターボス部49の周囲に流入して燃焼室7a,7b,7cの天井面を冷却し、第1燃焼室7a及び第3燃焼室7cの上方では、それから排気側下部連通路48を経由して排気側下部ヘッドジャケット43における前後の下部横流れ通路57に流入する。
他方、主として第2燃焼室7bの上方では、整流ボス部52とセンターボス部49との間等の排気側下部連通路48を経由して排気側下部ヘッドジャケット43に分流した冷却水は、隣り合った島状のボス部17a~19a等の間に形成された下部横流れ通路57を経由して排気側下部ヘッドジャケット43の下部縦流れ通路58に流入する。
そして、排気側下部ヘッドジャケット43の下部縦流れ通路58に集合した冷却水は、排気側面1bに沿ってシリンダヘッド前方から後方に向けて縦方向(前後方向)に流れてから、メイン排出口53に至る。
排気側上部ヘッドジャケット44においても同様であり、吸気側ヘッドジャケット45等から燃焼室側ヘッドジャケット42に流入した冷却水は、第1燃焼室7a~第3燃焼室7cの上方部から、排気側上部連通路46を経由して上部縦流れ通路56に至り、排気側面1bに沿ってシリンダヘッド前方から後方に向けて縦方向に流れてから、メイン排出口53に至る。この過程において、排気出口穴15のフランジ面や排気マニホールド(或いは排気ターボ過給機)締結用のボス部を冷却する構造となっている。
既述のとおり、吸気側ヘッドジャケット45を縦流れした冷却水は、順次吸気側連通路47に分岐して燃焼室側ヘッドジャケット42を経由して上下の排気側ジャケットに向けて流れるが、吸気側ヘッドジャケット45の後端部と燃焼室側ヘッドジャケット42の後端部を流れる冷却水の一部がバイパス流路として形成された補助排出口54から吐出される。そして、シリンダヘッド1の後端には補機の冷暖気通路やラジエータ行きの出口パイプが形成されたウォータアウトレットや吐出パイプ等が配置されており、排出口53,54から流出した冷却水は、ヒータ等を経由して流れるバイパス経路やラジエータ行の経路に向けて配策された冷却配管を経てウォータポンプの吸入口にもどる。
そして、仕切壁16~20は概ね左右方向(シリンダヘッド1の幅方向)に長い形態になっているが、冷却水は、各気筒に渡って形成された燃焼室側ヘッドジャケット42から排気側下部ヘッドジャケット43に連通する排気側下部連通路48の群を分流して、第2~4仕切壁17~20の箇所では下部横流れ通路57を通ってそれら仕切壁17~20の長手方向である左右方向に流れるため、特に第2~第4仕切壁17~20の長さを長くしつつ、冷却圧損を低下させ、かつ三次元に燃焼室上部と排気ポート周辺に絞られた状態で配置された各連通路48及び下部横流れ通路57を高流速で流れる冷却水により、ヒートスポットとなる部位を効果的に冷却することで冷却損失も抑制しながら冷却性能を向上できる。
従って、排気ガス排出のスムース化(排気圧損低減)とオイル戻しの確実化と暖気性向上およびオイル冷却性の両立(機能課題解決)とを図りつつ、冷却水の流れのスムース化により(圧損低減と冷却性能および冷却損失低減)についても高次元でバランスさせることができる。
燃焼室側ヘッドジャケット42は気筒列長手中心線に沿って広がっているが、図1,2,4に示すように、第1仕切壁16,第3仕切壁18及び第5仕切壁20に付け根から入り込んでいる。特に、第3仕切壁18の箇所ではかなり大きく入り込んでいる。このため、第3仕切壁18の冷却性能を向上して、オイルの過剰昇温を防止できる。
第2~第4仕切壁17~19は各排気ポート9a~11bから排出された排気ガスに晒されて特に高温になるが、冷間時には、各仕切壁17~19からオイルへの熱交換を促進してオイルの早期昇温に貢献できる一方、暖機後には、第2~第4仕切壁17~19は、内からオイルで冷却されると共に排気ポートの上下に形成された排気側ヘッドジャケットに囲まれることによって水冷されるため過剰昇温を防止できる。
図1,2のとおり、一対の第2排気ポート10a,10bはやや先窄まりになっていると共に、第3仕切壁18は中膨れ状態になっているため、第3仕切壁18の受熱量が大きいが、排気通路の箇所においてオイル落とし通路25の断面積が大きくなっているため、油水に対する第3仕切壁18の接触面積を大きくして油水による冷効果を高くして第3仕切壁18の冷却性能を向上できる利点がある。
本実施例では排気側上部ヘッドジャケット44にも横流れ通路と縦流れ通路とが形成されており、排気側下部ヘッドジャケット43と同様に、燃焼室側ヘッドジャケット42から、排気側上部連通路46を経由して冷却水が流入する。排気側上部ヘッドジャケット44に集合した冷却水は、既述のとおり、前から後ろに向かうように縦流れして排気側下部ヘッドジャケット43の冷却水と合流し、メイン排出口53を介して吐出される。吐出された冷却水は、ヒータコアに向かったりラジエータに向かったりする冷却経路を経由してウォータポンプの吸入口にもどる。ヒータコアには一定量の冷却水が常に流れており、冷間運転時には、冷却水の全量がシリンダヘッドの戻し通路を介してブロックに形成されたウォータポンプの吸入口に繋がるバイパス用冷却水通路の入口32に戻る。
図5,6に示すように、排気側下部ヘッドジャケット43のうち、平断面視において第3気筒5の軸心の真横で、かつ、排気側の4本のヘッドボルト挿通穴22aを結ぶ線よりもやや排気側面1bに寄った部位に、左右長手の補強リブ59を設けている。
なお、図3において符号60で示すのはカム軸を回転自在に保持する軸受け部、符号61で示すのは前後方向に長く延びるオイルギャラリーであり、オイルギャラリーに送られたオイルにより、カム軸の潤滑やラッシュアジャスタの制御が行われる。
図8に示すように、送水通路38,39からヘッドジャケットに流入した冷却水は、後ろ向きに流れつつ、横流れして排気側上部ヘッドジャケット44に分流し、排気側上下ヘッドジャケット44において、上部縦流れ通路56を後ろ向きに流れていく。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、第1及び第集合通路は、排気出口穴に向けて傾斜した姿勢に形成することも可能である。更に、本実施形態では、シリンダブロックとシリンダヘッドの冷却水の経路を分離して冷間時にはシリンダヘッドのみを冷却する2系統冷却を前提にシリンダヘッド内の冷却水の流れを説明したが、ブロックジャケットにも常に冷却水が流れている1系統冷却構造であってもよい。
また、2系統方式及び1系統方式のいずれにおいても、冷却水は燃焼室側ヘッドジャケット又は吸気側ヘッドジャケットの前部のみに流入する方式も採用できる。1系統冷却方式の場合は、吸気側ブロックジャケットのみから流れ込む方式であってもよい。更に、シリンダヘッドの排気側ウォータジャケットは、排気側下部ウォータジャケット1段のみでもよい。
本願発明は、多気筒エンジンのシリンダヘッドに具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダヘッド
2 シリンダブロック
3~5 気筒
6 イグニッションホール
7a~7c 燃焼室
8 吸気ポート
9a~11b 排気ポート
12 第1集合通路
13 第2集合通路
14 第3集合通路
15 排気出口穴
16~20 仕切壁
17 第2仕切壁
17a,18a,19a 島状のボス部
22 ヘッドボルト
22a ヘッドボルト挿通穴
22b 吸気側ヘッドボルトボス
24~26 オイル落とし通路
30(30b, 30c, 30d, 30e ) ブロックジャケット
38,39 冷却水をシリンダブロックからシリンダヘッドに送る送水通路
42 燃焼室側ヘッドジャケット
43 排気側下部ヘッドジャケット
44 排気側上部ヘッドジャケット
45 吸気側ヘッドジャケット
46 排気側上部連通路
47 吸気側連通路
48 排気側下部連通路
50 吸気バルブボス部
51 排気バルブボス部
57 下部横流れ通路
58 下部縦流れ通路

Claims (1)

  1. 直列に配置された第1~第3の3つの気筒に対応して、第1気筒に対応した一対の第1排気ポートと、第2気筒に対応した一対の第2排気ポートと、第3気筒に対応した一対の第3排気ポートとが形成されて、
    前記一対の第1排気ポートは第1仕切壁で区分され、前記第1排気ポートと第2排気ポートとは第2仕切壁で区分され、前記一対の第2排気ポートは第3仕切壁で区分され、前記第2排気ポートと第3排気ポートとは第4仕切壁で区分され、前記一対の第3排気ポートは第5仕切壁で区分されており、
    前記各仕切壁を、排気側面に向いた部位を自由端とした半島状に形成することにより、前記一対の第1排気ポートが集まった第1集合通路と、前記一対の第2排気ポートが集まった第2集合通路と、前記一対の第3排気ポートが集まって第3集合通路とが形成されて、これら各集合通路が1つに集合して排気出口穴に連通している構成であって、
    前記第2~4仕切壁の突出寸法を前記第1仕切壁及び第5仕切壁の突出寸法よりも遥かに大きい寸法に形成することにより、前記第1集合通路と第3集合通路とを、前記排気出口穴に近づくに従って前記気筒の群から遠ざかるように滑らかに湾曲又は傾斜させており、
    前記第2~4仕切壁にそれぞれオイル落とし穴が形成されて、前記第2仕切壁と第4仕切壁にはヘッドボルト挿通穴が形成されており、
    更に、前記各排気ポート及び各壁部並びに排気集合通路が形成された排気側エリアのうち前記排気集合通路よりも下方の部位に、気筒列中心線に沿って延びる燃焼室側ヘッドジャケットから連通路群を経由して冷却水が流れ込む排気側下部ヘッドジャケットが形成されており、前記排気側下部ヘッドジャケットは、冷却水が主として前記燃焼室側ヘッドジャケットから排気ポートの下方側に向けて流れる横流れ通路と、前記横流れ通路を通過した冷却水が集合して気筒列方向に流れる縦流れ通路とを有しており、
    かつ、前記排気側下部ヘッドジャケットには、気筒軸線方向から見て、前記第1仕切壁及び第5仕切壁と重なるボス部は存在せずに、前記第2仕切壁と部分的に重なって前記オイル落とし穴が形成された島状のボス部と、前記第3仕切壁と部分的に重なって前記オイル落とし穴が形成された島状のボス部と、前記第4仕切壁と部分的に重なって前記オイル落としが形成された島状のボス部とが存在して、
    隣り合った前記島状のボス部の間と、バルブ挿通穴が形成されたバルブボス部の群と前記各島状のボス部との間と、前記島状のボス部の群を挟んでクランク軸線方向に向いて前後両側の部分と、前記各仕切壁の基部の下方部とに、前記横流れ通路が形成されている、
    多気筒エンジンのシリンダヘッド。
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